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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1162


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1057: リーパー [×]
2024-06-11 21:21:52





>レナード ( >1055


( 彼の元から離れ庭の散策をする事十数分。もしこれが己以外の誰の時間も拘束していない時であれば、あっちにフラフラこっちにフラフラと興味の赴くまま過ぎてゆく時間も気にせずに歩を進めていただろうが、ふと視界に入ってきた縄に待たせている彼の存在を思い出し足を止めて。視界に捉えた彼に苛立つ様子は見られないものの、文句の一つも言われない事が逆に居心地が悪い。極力待たせていたことに対して気にしていないように、ゆったりとした足取りで彼の目前まで戻るも 「 わりィ、レナード。……戻るか 」 だなんて、時間を拘束し過ぎてしまった事に対する反省の色をほんの少し滲ませて。完全に満足したとは言い切れないが、また外に出たくなったら彼か、他の怪物にでも頼めばいいだろう。それかもしくは多少の危険覚悟で一人で部屋を出るか──なんて考えに至るのは未だ一人で部屋を抜け出す事を良しとされない屋敷を闊歩する対象に出会った事がないからか。部屋を抜け出す算段を頭の中で立てつつ、彼がベンチから立ち上がろうと立ち上がるまいと先に屋敷の方へと足を向け始めるつもりで )





1058: レオ [×]
2024-06-12 01:52:07



>ユギン(>1056


(己の焦りや頼みは通じているのかいないのか。表情を窺う限りは後者の方が濃色そうで、しかし早々にこのある種の危機からは解放され、肺の底から安堵の息が溢れ出る。彼が離れて直ぐに此方も身を起こしつつ、残る冷たさを埋めるように掌を首筋に置く。「……ああ。問題無い、有り難う。」勝手に動く、否、恐らく座る当人が動かしたのだろう椅子の分だけ多少の距離も取れ、些か的外れな気もする礼を一つ。それから緊張を解き切る事は出来ていなかったが、一先ずいつも通り真っ直ぐ他者を見据え、此方もベッドの縁に居住まいを整える。改めて向かい合った彼の言葉――聞き慣れた“美味しそう”の前後に繋がる匂いの言及に、「香り、か……君達にはそれほど解るものなのだな。」純粋な感心の一声と共に、一つ目の彼女の時と同じく――今度は手首の辺りに鼻を近付けたが、今己に解るのは湯浴みに使った石鹸の仄かな香のみ。それも種の違いによる差かと、一人内心片付いた矢先に話が投げられ、「ああ、一番長く接しているのはラザロだからな。」そこに出たドラゴンの彼の存在に、尾を引いていた強張りも解り易くあっという間に綻び溶けて、表情も懐こく柔らかな色に破顔して。「それに、彼からは貰い物もしているからな、それもあるだろう。」続けて擦った胸ポケットから取り出した鱗を掌に乗せ、ほら、と目の前の彼へそれをお披露目する。「ラザロからのお守りだ。綺麗だろう。」己の瞳よりも深い紺碧の表面を、その台座にしたものとは反対の親指でそっと慎重に撫で、嬉々を湛えた言葉を紡ぐ様は、さながら一等大事な宝物を自慢げに掲げる犬の如し。「これは此処に来て最初にラザロから貰ったもので――」更にそのまま思い出に花を咲かせかけて――はたと止まる。「……すまない。浮かれてしまったな。」一方的に話し込んだ事に詫びを落としつつ、またその“お守り”を胸元に仕舞い直し、空っぽになった両手は開いた膝の上に揃える。「…此方からも、君について少し尋ねさせてもらおう。」仕切り直し、言葉にするは彼へ歩み寄る姿勢。出会い頭こそ不可解な衝撃に襲われた心地であったが、彼自身の事を聞ければ、それに納得が据わるかという短絡思考も乗せて。「その……君の言う“仔羊を導く”とは、一体どういった意味だ?」仔羊、が彼の語りようで己の事を指しているのは重々知れた。そこにもう一歩、この怪物への理解を得ようと質す疑問の合間、少しずつ油断の生まれ始めた視線は、彼の尾に隠せない好奇を時偶ちらつかせていた。)




1059: レナード [×]
2024-06-12 08:54:30



>リーパー(>>1053)


(こんな時、昔馴染みの彼女はどうするのだろう、と。手持ち無沙汰な時間は普段考えもしない益体もない方向に思考を迷い込ませ、ふと想像をすればたなびく金髪を夜風に遊ばせながら貴方に寄り添うように同じものを見ようとする彼女の幻影が目に浮かぶようで。優しく微笑む昔馴染みと、その隣でどこか幼気に笑う貴方――駆け抜ける幻がそこまで映し出したところで手首の赤縄が擦れる感触にハッと我に返り。戻ってきた貴方の様子はどこか負い目を感じているようで、到底外の空気を満喫したようには思えず「 …俺、お前にそんな顔させたかったわけじゃないんだけど 」呟くような声色は平坦だけれど、庭の静寂にはっきりと音を残すだろう。後ろ姿を見ながら自らも立ち上がれば二人を繋いでいた縄は魔力の粒子となって消滅し、まるで大きな蝙蝠を思わせる翼を背に生やせば低空飛行する燕のように背後から貴方を掻っ攫ってそのまま空へと上昇しよう。いちいち徒歩で戻るよりこの方が早い、ものの数秒で内側から開け放たれたままの貴方の部屋の窓が見えればそこから室内へと腕に抱いていた体温を手放して「 戸締まりはしなよ 」ぶっきらぼうな忠告の裏には折角見込みのある血の持ち主なのだからつまらない理由で死んでくれるな、という淡い願望を忍ばせて。何か緊急で語りかけられなければ、傲慢なヴァンパイアはそのまま更に上空へと去ってゆくだろう)




1060: ユギン [×]
2024-06-12 08:56:19



>レオ(>>1058)


おや、……ああそうか、成る程。君が謙虚な理由が解ったよ
(自身と同じ、人間を喰らい屋敷に囚われている側の同胞の名が出た途端に明らかに緊張が弛緩したのを見て取ればひょいと眉を上げ。それはまさに迷える存在が信頼の置ける導き手に巡り会った時の反応を彷彿させ、この時点で眼前の仔羊にとってはその存在がドラゴンなのだろうと察しが付き。しかしこの怪物は物わかりが良いようで正真正銘の気狂い、ゆえに「 つまり君はラザロに予約されたディナーということだ。だから健気にも操を立てているんだね? 」心底からの心配をありありと困ったような表情に滲ませながら、披露されたドラゴンの片鱗へと視界を移して。自らという神聖な導き手を拒むのはあの横暴な竜に強要されているからだと曲解していたが、鱗について嬉しそうに語る姿を見ていればそれは違うと自力で気付き「 ああ…哀れだ。いやでも仕方がない、子が親を選べないのと同じで仔羊も怪物に出会う順番など選べないからね 」もっと早く貴方に出会えていれば誤った対象を信ずることなどなかったのにと、そんな独り善がりな口惜しさを声に乗せながら愛でていたクッションをぎゅむっと抱き締め「 しかしラザロの事を語る君は可憐だ 」クッションに頬を当てたままゆるり微笑む事で詫びの必要はないと示唆しよう。質問にはぱっと目を輝かせる事で喜色を示し「 やはり君も僕の導きに興味があるのだね! 」話の通じない怪物は嬉々として立ち上がり、クッションを放って両腕を広げ「 言葉ではなく行動にこそ真価に辿り着く道が眠っているものだよ 」答えになっていない回答は至極大真面目なもの。百聞は一見に如かずとばかりに再度“導き”を与えようと、二対の尾を楽しげに揺らしながらハグのために貴方へ近寄って)




1061: リーパー [×]
2024-06-12 09:33:19





>レナード ( >1059


……顔?
( 何か常と違う表情を浮かべてきたつもりは己には無く、二人しかいないこの静かな空間に落ちた言葉にはゆるりと首を傾げて。屋敷までの距離を数は縮めたところで伸びてきた腕に身体を捕まえられれば、次の瞬間には浮遊感に襲われ。驚きはするものの大人しく腕に抱かれた状態を受け入れるのは、それをしている相手が彼だからか、それともみるみるうちに遠のいていく地面が原因か。どちらが主となる理由なのか己でさえ分からないも、あっという間に窓から部屋へと送り届けられれば、振り返り外にいる彼に対して今宵の礼を述べたかも知れないが特段その他の要件を告げる事は無く。上空へと去っていく姿を眺めて以降も暫く窓を開け放ったままでいるのは屋外へと出た余韻を吹き込む夜風に感じているため。窓際に置いた椅子に腰掛け髪を揺らしているも、長くは続かず小さくくしゃみをした後窓を閉めシャワーを浴びる為にバスルームへと向かうはずで )

****


今夜の幕引きにはちょうどいい頃合いだろッてンで邪魔するぜ。レナードと居るとついつい許してくれるッて思っちまって憎まれ口叩いちまうの悪ィな。今夜はその……なんつーか、外出がッてよりレナードの色んな顔見れて楽しかッた…。

次は話してた通り俳優野郎に変わろうと思ってる。ハイネの事だから招待状の類は必要ねェと思うが、もしあの夜からのアイツの様子が知りてェとかがあれば遠慮なく言ってくれ。





1062: マリーシュカ / ハイネ [×]
2024-06-12 12:04:16



>リーパー(>>1061)


今夜の締め括りをありがとう。私の方こそごめんなさいね、後でレナードにもう少し優しく出来ないのかしらって伝えておくわ。ふふ…本当、彼にしては珍しいくらい饒舌だったわね。色んなレナードを引き出してくれてありがとう。
ええ、早速ハイネを呼んでくるわ。グレンからお願いがあった通りまるまる3日を空けた前提で訪問させていただくけれど、認識に相違があれば訂正をお願いできるかしら。会わない間に彼がどう過ごしていたか、物語上でハイネに触れて欲しい箇所があればロル中に記載していただけると助かるわ。
それじゃあ、特段のご相談がなければ私の方にはお返事ご不要よ。鍍金の剥がれた彼に会えるのが楽しみ…ふふ、良い夜を過ごしてね。


***


ハイネ:
(こだわりの強さゆえ、蒐集したものを自らの手で世話して回る怪物の日々は忙しない。それこそ屋敷を縦横無尽に移動してはあっちを愛でこっちを愛で、偶の休息と食事を挟んでまた同じ事の繰り返し。手ずから選んだ好みの物を囲み囲まれ暮らしているのだから充実しているに違いないのだが、「 ――――…。 」ふとした時に浮かんでくるのは自主的に放置を願ったコレクションのこと。生粋の寂しがり屋な貴方が孤独の中で何を思い過ごしているのか、その結果を照覧すべく約束通りの3日を経て部屋の前にてノックを。所有物の部屋に入るのにノックなど必要はないのだが、人間の身で主人を3日待たせた事には歓待の一つでもしてもらわねばと貴方が自ら扉の部屋を開くまでドアノブには指一本触れないつもりで「 グレン、約束の夜ですよ 」3日後に来て欲しい、貴方の要求は今確かにこの場を持って叶えたと。呼びかける声は平素と何も変わらず愉しげな微笑を帯びた堂々たる響きを持ち、後ろ手を重ねながら反応を待とう)




1063: グレン [×]
2024-06-12 13:02:25





>ハイネ ( >1062


( 彼との外出からの三日間、その間の心の荒み具合は室内に顕著に現れているようで。電気の消された室内、ベッドやソファの上に散乱しているのはダークエルフに与えられた衣裳、挙句本来ならばベッドの上にあるはずのシーツが部屋の隅で丁度一人が三角座りをして隠れられるであろう幅に置かれており、机の上には寂しさの余り誰かを呼ぼうとした形跡のあるメモが何枚か見る事ができるだろう。部屋の主は連日連夜眠りに落ちれば何度も繰り返される悪夢で明らかな寝不足なようで、目の下には隈を作り時折うつらうつらと舟を漕ぐ始末。正常に空腹を訴える脳を誤魔化すように水を流し込み、ここ数日の定位置となっている場所に戻ったところで聞こえて来たノックの音と聞き慣れた声 「 ハイネ……? 」 呟くようにして口にした名は静かな室内に溶けて消え。立ち上がり扉へと向かおうとするも、窓に映る己の顔は到底見せられたものでは無い。けれども満たされたい、そんな欲求の狭間で躊躇う事時間にして数秒程。少しでも早く己の事を愛でてくれる彼の姿を見たい、その一心で駆け寄り扉を開けようとして──ガチャン、ロックがかかっている扉は押す事も引く事も叶わず「 な、んで… 」 今の働いていない頭では彼が掛けた不可視の錠の事も、与えられている鍵となる言葉にも考えが至る事は無く “ 開かない扉 ” その一つで今迄ギリギリ耐えていたものがぷつりと途切れて 「 …嫌だ、ねぇ…捨てないで。いい子にするから 」 その場にへたり込みながら思わず口を突いて出てくるのは、まるで子供が親に許しをこう時のそれ。嫌だ嫌だ、なんて小さく呟く声は扉一枚隔てている彼の耳にも届いているだろうか )





1064: ハイネ [×]
2024-06-12 13:28:10



>グレン(>>1063)


(扉の向こうからぱたぱたと聞こえる足音は微かなものだろうが、怪物の耳にはしかと届いて。如何に孤独を恐れる貴方とは言え今まで迎えに来た時は余裕たっぷりに出迎えてくれた筈、一刻も早く寵愛を受けねば崩れてしまいそうな現状が脚を急がせたのだろうか。一瞬の間の思考は扉が開くことを拒む音にて終止符を打たれ、次いで幼子とも聞き紛うほどの呟きに怪物の顔から笑みは消え「 ……“ いい子 ”のグレンならば思い出せるでしょう。この俺が貴方に与えた唯一無二の鍵を 」厳しさはなく、保母が優しく子へ語り掛けるような調子で。自らが封じたこの扉をこちら側から開いて貴方を抱きしめる事など造作もないが、自力で扉の一つも開けられなかったなんて後日正気を取り戻した彼にとっては思い出すたび歯噛みするほど情けないことなのではないかと。そんな配慮と、勿論この俺を出迎える義務が貴方にはあるのだという軸のぶれない不遜を以って、表情のない面貌にて何かしらの反応を待ち)




1065: グレン [×]
2024-06-12 14:16:23





>ハイネ ( >1064


……カギ?
( 耳に届いたのは優しげな声。少なからず見限られていないのだ、それだけで多少なりとも落ち着きを取り戻すのだから随分と素直な脳をしているのだろう。口をつぐみ思考の海にて断片を探し始め。ぐるぐると過去のトラウマが蘇っている状態で一つの事を探すのは容易で無く、開けた抽斗から関連する出来事が連想ゲームのように出て来ては苦痛に顔を歪ませ。ふと左手中指に嵌る指輪を視界の内に捉えては 「 ……俺は、ハイネの、もの 」 記憶を辿りながらぽつりぽつり、然ししっかりと一音ずつ紡ぎ出した言葉を果たして鍵となるそれだと果たして認識されるのか。じぃと扉を見詰めていれば、カチャンと僅かながら確かに解錠の音が耳に届き 「 開い、た? 」 へたり込んだ脚に直ぐには力が入らず、けれど早く扉を開けたくて。不格好な事は承知の上でそのままノブへと腕を伸ばし、指先だけでも届いたのなら扉を開けようと )





1066: ハイネ [×]
2024-06-12 15:31:44



>グレン(>>1065)


(鍵を認識した錠が開く、例え扉の前に居ずしてもこの耳に届く文言に色の失せた表情は常日頃浮かべる微笑みを取り戻させ「 よく出来ましたね 」きっと現状での精一杯だったであろう事はたった九音紡ぐにもたっぷりと時間を要した事から察しは付き、であれば一度コレクションとして自らの所有物としたものにはとことん甘い怪物は柔らかな声で褒めの言葉を贈っては外側から扉を開いて。目線の位置に居ない貴方を探して足元へを目を遣れば見たことのない地面を這いずるような格好を視界に捉え、情けないと叱責するでもなく高慢な怪物ながら自らの片膝を床へと付けて幾ばくか薄くなったように感じるその身体を抱き締めよう「 いい子ですよ、俺のグレン 」耳へ寄せた唇からたっぷりと蜜に濡らした甘やかな声を紡ぎ、安心感を与えようと抱き竦めた姿勢のまま大きな手のひらで体温を持つ背中を何度も撫でて。肩越しに見える部屋の荒れ様を嫌悪するでなくただすっと目を細め「 …どうやらすっかり生身の貴方のようだ 」相変わらず声色に宿るのは柔らかな受容。穏やかな微笑みのまま「 どれ、よく見せてご覧なさい 」そっと身体を離して今の貴方がどんな顔をしているのかよく観察しようと顔を覗き込み)




1067: グレン [×]
2024-06-12 16:09:00





>ハイネ( >1066


( 自らの手がドアノブに届く前に開かれた扉。その先に見える見慣れた姿に張り詰めていた表情がまだまだ固いものの、ほんの少しだけ和らいで。次の瞬間には触れ慣れたひやりと冷たい身体に抱き締められ、人に求め愛される事を欲する己でさえ甘ったるい程に感じる声が耳元で紡ぎ出されればじわりと目尻に滲む涙。口を開けば流れ落ちてしまいそうで、緩く彼の背へと回した腕に力を込める事しか出来ず。柔らかく聞こえる言葉の裏を考えてしまうのは “ 芸能界 ” という良くも悪くも演じる事に慣れきった人間がいる場へと身を置いていた悪癖。まともに彼の表情なんて見る事が出来ず 「 ……今、きっと酷い顔してるから 」 覗き込んでくる視線から逃れるように顔を背け。己の顔を気に入りコレクションと愛でる彼に、隈が目立ち最低限度の食事と水分しか摂っていなかった為に痩せたというよりも痩けたと表現する方が適切な顔はきっと幻滅されてしまう。そう思うのは過去の経験からのもの。けれども彼ならば受け入れてくれるのでは無いか、そんな淡い期待を振り切る事が出来ないのもまた事実。真っ直ぐに目を見る事は難しいものの、遠慮がちに金色の瞳を盗み見るようにして視線を合わせる瞳は普段より幾らか濁っているのが見て取れるだろうか。どんな反応が返ってくるのか、捨てられるのでは無いか、己への自信なんてあるはずも無く不安からぎゅうっと片手でもう片方の手首を握り込んで )





1068: レオ [×]
2024-06-12 19:20:50



>ユギン(>1060


(操がどうだ、親と子がどうだ。率直な言葉しか選べない己がこの怪物の言葉を飲み込むのには、どうしても少々時間が掛かる。「……そう、か。」しかしドラゴンの話に燥いだ失態が許された事は理解出来て、いやに浮かない顔をしていた彼の微笑む姿に胸を撫で下ろす。此方の質問に飛び出してきたのはまたしても、ちかちかするほど明度の高い喜色。それに続く回答の要領は、その言葉が終わって数秒経った後に漸く得た。要は“導き”を身を以て経験してみれば良い、と。「っ、それは、」先程の事もあって、答えに辿り着いた途端身構えるように、弛緩していた背がぴんと伸び反る。だがしかし、過った葛藤がそれ以上の抵抗や拒絶を留めた。――見通しの悪い霧のような会話よりは、感覚に訴える行動の方が“彼”を掴めるのでは。初対面のあれだって、ただ戯れついただけの可能性は否めない。…数秒間巡らせる思考はやはりどうも、尾を揺らす彼を動物的なそれとして見ているらしい。迷いは泳がせた瞳が明瞭なまでに語り、「…………少し、だけであれば構わない。」一呼吸たっぷり置いて再度目を合わせ、やっと喉を通った了承の意思。そう、怪物との緊密な接触は初めてではない――祭りの終わりにドラゴンと交わしたあれも、だいぶ感情的な行動が大きいが該当する。なれば、多少程度。「…私はどうすれば良い。立った方が良いか?」唇を一旦引き結び、些か大仰な覚悟を決めた後。“導き”の為に取るべき己が動作を問いつつ腰をベッド縁から腰を上げ、続けて此方に近付く彼に自らも怖々両手を伸ばし距離を測りながら、彼の次の行動と答えを視線で窺った。)




1069: ハイネ [×]
2024-06-14 18:32:58



>グレン(>>1067)


……全く。そろそろ耳慣れているものかと思いましたが
(真正面から視界に収めることの出来るはずだったかんばせは追えば逃げる兎のように敢え無く背けられ。何度も何度も繰り返し言い聞かせてきた事がこの期に及んでも足を引っ張るとはと、鍍金も鎧も剥ぎ落とされて丸腰状態の貴方には些かの殺傷力を持つかも知れない呆れたような含みを持たせた溜息の後、濁ったアイオライトに顔を顰めるでもなく凛とした鋭さの中に受容の穏やかさを湛えるような真剣な面持ちでただ真っ直ぐに見つめて「 これが最後ですから、よく聴いて肝に銘じなさい。グレン、貴方はこの俺に様々な顔を見せるという誓いのもと魔の寵愛を得ているのですよ 」いつもの強引さで顎を掴み強制的にこちらを向かせる事も出来る。しかし敢えて今は手を出さず「 今のグレンも万華鏡の一面なのでしょう? 」決して目は逸らさない、麗しいコレクションの混濁とした双眸に輝きの戻る刹那の瞬間を見逃すなど主人にとってあるまじき失態。苛烈なほど容赦のない視線は今この時間違いなくグレンという存在だけに一心に注がれ、そして怪物はその瞬間を信じているからこそ正視を止めない)




1070: ユギン [×]
2024-06-14 18:47:43



>レオ(>>1068)


(しっかりと覚悟が決まるまでお利口に待てをしながらも、怪物の胸中は可愛い可愛いと湧き出る節操無しの博愛精神に埋め尽くされて、胸の中だけに抱えておけずに溢れた衝動が人の身に在るはずもない尾を鞭のように激しく揺さぶって。自分という肉はラザロのもの、けれど我が導きを欲さずにはいられない。貴方のことをそんな風に解釈している気狂いには、目の前の仔羊はこう見えている――夕飯の前だからと禁じられた大好物の出来立てのお菓子を、良いじゃないか食べてしまえと近しい人物に唆され、その誘惑と渾身の想いで戦っている子供のようだと「 少し。ふふ…少し、ね 」漏れ出る笑いは愛しさを多分に含む。主観的なその縛りが大した意味も強制力も持つとは思えず、だからこそやはり怪物にはこう聞こえてしまう「 やっぱり君は謙虚で可愛いなあ 」一歩、裸足を進めては同時に伸ばした冷やい片手で頬に触れる。手のひらで包むように体温を感じ、ゆったりとした所作で指の甲にて同じ場所を撫でるようにして、心の底から可愛いと訴えかける熱に浮かされた双眸でじっと見つめながら上体を包み込むように抱擁しよう。結われた髪を撫でればその純毛の柔らかさに“ ああ… ”と漏れた吐息が至近距離で耳朶を擽るだろうか、昂ぶりつつある狂心を徐々に開示するように腕に力を込めながら額やこめかみ、鼻先に触れるだけのキスをばら撒いて)




1071: 執事長 [×]
2024-06-14 18:56:06



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1072: グレン [×]
2024-06-14 19:39:53





>ハイネ( >1069


……あ、……いや、いや、だ
( 拒絶の言葉が後に続きそうな、うんざりとしたような溜息はきっと彼が思っているよりも深く心に突き刺さり、今にも泣き出しそうな顔をして小さく首を左右に振る姿はまるで幼子のように映るだろうか。彼が離れていかないよう、無意識のうちに手は彼の服の裾をきゅっと握り込んでいて。真っ直ぐに注がれる視線に、おずおずと持ち上げたアイオライトはきっと平素の輝きも自信も覆い隠され今は不安と翳りが全面的に出て来ている事だろう。それでも、見せろと言うのであれば、見せる事で少なからず今彼の元から放り出されないのであれば。一見すれば交わっているような目線は少し焦点が定まっていない為か、よくよく観察するのであれば僅かに逸れている事に気付くであろうが今現在の己にはこれが精一杯 「 …………中身のない万華鏡だよ 」 自虐のようなそれは演じていなければ認められない、そんな人生を送ってきたがための考え方。せめて表情だけは、その一心で作り出した笑みは泣くのを堪えるような、変に力の籠った歪なもので。「 満たして、愛して、……俺のこと、必要だって言って… 」 ただでさえ睡眠が足りておらず正常に働いていない脳は最早何を欲しているのかすらも分からない。懇願するかのように喉の奥から絞り出すように徐々に細くフェードアウトしていくようで )





1073: レオ [×]
2024-06-14 21:29:04



>ユギン(>1070


(笑う柔らかな言葉の後に彼の手が己に触れ、ひんやりとしたそれが頬を撫でる。此方はといえば、持ち上げた両手の置き場に迷って少しの間互いの周りをふらつき、最終的には彼の尾を怖々と指先でなぞる。「……おお。」そのふさふさと豊かな感触に興味を取られたのも束の間、耳に掠めた吐息に微かに肩が跳ね、慌てたように間近の顔に目を戻すと、野羊の瞳に宿った熱と視線がぶつかって。――瞬間、肌の粟立つ警鐘が首元と頭に、もやつく妙な違和感が胸の奥に。「……ユギン、」言わねばいけない何かがあるようで、しかしまだ形には出来ず、ただ曖昧な音で名を呼ぶだけに終わってしまう。そうこうしている内に更に近付いてきた彼は、己の緊張した面持ちへと小鳥の啄みに似た口付けを落とし始める。冷たく擽ったいそれに堪らず少しばかり身を捩ったが、先程よりも確りと彼の腕に固定された身体は思った通りには動かない。零れかけた吐息を結んだ唇の内に飲み込み、「……くれぐれも、首には触れないよう頼むぞ。」警鐘に従った固い声で、初めの注意をもう一度。彼の熱っぽい目や籠る力に、単なる戯れつきと違う事には徐々に気付き始めてはいたものの、その境界を見定めるだけのものまでは見付からず、膨れる胸中の靄の正体の見極めも未だ為せない。それ故面持ちは反って曇りだし、尾から離れて無抵抗に下がっていた諸手に一旦強張る拳を握り締めた――その後。彼の事を知る目的の他に、己の内に凝る大きなそれを明かす糸口も掴むべく。細く息を吐き、未開の地に踏み込む気構えを整えて。それから強張りを緩めた指をそろそろとそちらへ伸ばし、今度は此方から彼の頬へと恐る恐る掌を当てながら、険しさと惑い半々の眇めた目で意識的にその紫色の瞳孔を覗き込んだ。)




1074: ハイネ [×]
2024-06-14 22:35:57



>グレン(>>1072)


……では貴方は俺に愛されるに値しないと、自分で認めるのですか?
(右へ傾けても左へ傾けても一切の模様を描く能を持たず、ただ他者に満たされたいと願う空虚な器であると。貴方の言い分をそう理解した怪物は、約束が違うではないかと眉根を寄せて。所詮は下等生物、他者を用いなければ自らの価値を認められない惰弱な生き物なのか――?「 …驚いた。切り捨てられないとは 」それは自分自身に向けた独り言。音の鳴らなくなった楽器を捨てるなんて造作もない筈なのに、服の裾を握る手が文字通り後ろ髪を引き、一部の欠けもない絵画のような笑みとはかけ離れた歪な顔が価値あるものだと思えて仕様がない。今これを打ち捨てれば他の住人が拾うだろう、そうして愛でるなり喰らうなりするのだろう――そうすれば、まだ自身が見たことのない貴方の顔を、その住人に見せる事になる。そこまで思考が育つのに数秒、答えは自ずと出ていた「 誓いを投げ出すのなら、この俺が貴方を終わらせます 」ダークエルフの映えあるコレクションとして囲っておく価値がないと、他でもない貴方自身がもしも認めるのならば。伸ばした手は細い喉元へと「 今、ここで 」今際の際でも輝きを取り戻さないのならば致し方ない。そうそう出会えないであろう美丈夫、無論歯噛みするほど惜しいが、他の者の手に渡すよりは良いと)




1075: ユギン [×]
2024-06-14 22:49:46



>レオ(>>1073)


大丈夫、わかっているよ
(神がその存在を崇められる度に力を増すように、真意がどうあれただ肉声で名前を呼んでもらえるだけで嬉しそうに眦を緩め、注意事項には十分留意していると伝えるように冷たい指先をそっと体温のある唇へと添えて。もう片方の手はまさしく羊毛を彷彿させる柔らかな髪質を楽しみ、一際大きく尾が揺れた次の瞬間には右耳を甘噛みしよう。首には触れてはいけない、では首以外ならば愛でても構わない筈。人の柔肌を傷つけてしまわないように甘ったるいほど力加減をしながら何度も耳の輪郭を食み、温度のない舌でなぞりながら時折吐息を吹きかけて。次の標的が唇に定まろうとした刹那、頬に体温が触れれば「 …ん? 」砂糖菓子のようにゆったりと微笑みかけ、視線を合わせて――そして、山羊の双眸はハッと瞠られて「 …………レオ。君は僕を見てくれていないね 」溶かすような微笑みはそのままの形に維持され、それでも眉だけは困ったように、或いは哀しむようにしゅんと垂れ下がり「 君は、僕を通してラザロを見ているんだ 」無論それは主観的な解釈。とはいえ不名誉な事に違いはなく、相手が相手なら気分を害するところだが色々な意味で異なる常識の基に生きる怪物は声を荒げることもなく「 違うかな? 」そう問い掛けてはゆるりと小首を傾げて)




1076: レオ [×]
2024-06-15 02:56:52



>ユギン(>1075


(口は冷たい指先に結ばれる。確かに首には触れてはいない。しかしそれ以外の、主立っては耳への刺激に、また背筋がぞわぞわとした粟立ちに襲われる。食んでくる唇も、輪郭をなぞる冷たく濡れた舌も、決して痛みも荒々しさも無いのに喰われる寸前のような錯覚を覚えて。――困り顔で微笑む彼からの言葉。今夜初めて、漸く互いの焦点が噛み合った感覚を覚えるのと同時、その事に狼狽え、「いや、そんなつもりは、…」無い、と否を被せかけて、しかしそれは霧散する。……そう、否定しきれない事に気が付いた。この胸中に燻る靄の中に、“ラザロならば”という比較の一文がある。かのドラゴンならばもっと荒々しく触れる、もしこの冷たい手があの彼であれば、戸惑わない、もし、もしも――ラザロであれば。自分は、こんな触れ方もきっと嬉しく思って、「…………すまない。」静かな、雑じり気無い謝罪が落ちる。退いた掌、それに伏せた眼は、哀しそうな彼への罪悪感から。けれどもまた瞳は真っ直ぐと、今こそきちんと目の前の怪物を捉えて、「……始めは本当に、君を知ろうと考えていた。言葉よりも感覚を用いた方が、君を知れるだろう、とも。」言い訳がましい、だがそれは確かな本心だと見据える視線が最も真摯に語り、「しかし途中から、別の事に気が逸れた。“これがラザロの行いであれば、果たしてここまで身構えてしまうものだろうか”と。…勝手に君と彼を比べて、その疑問の答えを探し始めた。」さっき形になったばかりの靄――生まれたての思慕も、真っ正直に続ける。秘するが花だの、嘘も方便だのと柔らかい表現で他者を傷付けない為の言葉選びなど、澄みきった愚直さで全て蹴散らし、ただひたすら想いをそのまま言の葉に乗せて。「……今目の前にいるのはユギンだというのに、私は君と向き合う事を後回しにした。…本当に、申し訳無いと思っている。」二度目の詫び言。今度は瞳を見詰めたまま、此方もしょぼくれ萎れた面持ちで。「…ユギン、私を許してくれるだろうか?」彼の顔に怒気は見えないようだったが、それでも己が愚行の容赦を願い、今だけは彼の仕草を真似て首を僅かに傾げてみた。)




1077: グレン [×]
2024-06-15 04:53:44





>ハイネ( >1074


……いままで愛されてたのは “ 僕 ” であって “ 俺 ” じゃない。
( あくまでも貼り付け演じていた虚像だ、その考えはきっとどんな言葉を並べられたとしても変わる事が無いのは幼少の頃から刷り込まれたものだから。一人称を使い分けている、その認識が無い人間相手では人格が乖離しているかの如く映るのだろうがそんな事まで頭が回らず紡ぎ出した言葉は決して彼だけに向けられたものでは無く、彼を通して数多を見ている事に気が付くだろうか。 「 それなのに、どうやって “ 俺 ” に愛されるだけのものがあるか判断しろって? 」 すぅ、と目を細め本日初めて彼の瞳を正面から捉え。生意気に映るやも知れないが、彼がどう捉えるかは果たして。光の無い瞳を僅かに瞠目させたのは今迄虚像でも見ていてくれればそれでいい、そう思っていたはずなのに目前の彼には今際の際でも良いから本来の己を見て欲しい、そんな風に思う気持ちに気づいてしまったから 「 それで、ハイネが “ 俺 ” を見てくれるなら 」 体温の感じられない頬へと左手を添え、欲に満ちた受諾の言葉と共に浮かべるのは今迄見せてきた中で一番穏やかで飾りの無い微笑み 「 ハイネに愛されないなら、きっと俺はここにいる意味なんて無い 」 価値が無いと決して言い切らないのはそれを決めるのは己では無く彼だと思っているから。きっと意図も容易く命を刈り取る事が出来るであろう喉元へと伸びてくる手を拒む事はせずに。嗚呼、それでも 「 ……もっと側にいたい 」 目尻に溜まっていた涙と共に零れ落ちた言葉は近くにいる彼の耳にも届いているだろうか )





1078: ユギン [×]
2024-06-15 09:42:57



>レオ(>>1076)


(紡がれた最初の謝罪には変わらず莞爾として笑い、淡くかぶりを振ることで負い目を感じる必要はないと告げ「 そんな夢見の悪い顔をしないでいいんだよ 」妖しげな夜の魔物でありながらも春風駘蕩とした態度のままに背中を一度だけさすれば腕に抱いていた貴方をそっと解放するように一歩引いて。感じていたこと、考えていたことをうん、うんと数回の首肯を以って静かに聴き入れ「 君は賢い仔羊だね 」理路整然と自らの思考をまとめ的確に言語化する能力を対象としてか、はたまた緩やかな情緒ながらいつ獲物を縊り殺すか知れない異形の気を鎮めようとしての打算か、それ以外の思考回路であったって何でも認め受容してしまうであろうある種泰然とした柔らかな視線を正対させて「 もちろん許すとも 」明朗な声で暖かく願いを受け入れて、片手でただ一度トン、と貴方の肩に手を置いて「 でも君のそれは罪じゃないと僕は思うな。だって僕はとっても寛容な羊飼いだもの 」よく手入れされているのだろう、艶々とした生地のトーガは非常に手触り滑らかでほつれも汚れの一つもなく、踊り子が水面で踊るようにゆったりと一回転してはその黒い裾が月光を浴びきらきらと輝くだろう。相変わらず婉曲的な台詞回しは貴方の得手とする所ではないだろうけれど、要するに貴方の導き手が己ただ一人でなくとも構わないと「 でも、たまには僕にもお世話をさせてね?そうして可愛い顔で語っておくれ、君の信じるもうひとりの羊飼いのことを 」この屋敷に拐かされた迷える仔羊は一匹たりとも見捨てはしない、そのやり方が極端に押し付けがましい接触型であるだけのこと。ラザロに遠慮する気があるのかないのか定かでないが、少なくとも貴方にとって最も心許した存在のことはしっかりと胸に刻んで「 楽しみに見守っているからね。異なる導きが必要ならいつでも僕を頼っておいで 」捕食者と被食者、その結末がどのようなものになるのか。興味を惹かれるそれを見届けるためならば協力は惜しまないつもりらしい)




1079: ハイネ [×]
2024-06-15 10:05:00



>グレン(>>1077)


ごちゃごちゃと往生際の悪い。恨み言は美しくありませんよ
(そこにはいつもの調子で上から見下ろすような不遜な笑みを湛える怪物の姿。貴方が何を抱えようと何を見ていようと、自身にとって肝要なのは眼前の青年を囲っておきたいと未だ思えるかどうか。それはコレクション側に課せられる課題であって所有者がお膳立てするものではないが、自分自身の価値に自信を持てない貴方を作り出したのはきっと「 何もかも、貴方の責任ではないのでしょう? 」そう、きっと大人たちの情欲の結果に自意識の介入の余地もなく産み落とされ、同じように周囲の大人たちに利用されてきたのだろうと。知ったことではない獲物のバックボーンも、特別目をかける対象にであれば話は別で「 ……しょうがない子ですね 」至上のご馳走である涙が誰のものにもなることなく無駄にされていく光景を見ても、今度は勿体ないとは感じなかった。自分が守ってやらねば容易に淘汰される非力な小動物に向けるような愛しさ、憐憫、今怪物の胸に去来したのはそういった類の何かなのだろう。首筋を捉えていた手を解いて、大きく体格の変わらない貴方を物理法則を無視した膂力で軽々とお姫様の形に抱き上げて。向かう先は何も無い壁面、その前に立ちじっと見つめれば暗い紫の光が渦巻き空間を通り抜けるワープホールのようなものを生成、そこを腕に抱いた貴方とともに通り抜ければ金と白の装飾で飾られた浴室へと繋がって。まるで今からすぐに誰かが入浴する予定だったかのように、豪奢なバスタブにはちょうどよい温度の泡湯が張られていて「 さあ、まずは綺麗にしてあげますから 」にっこり、胡散臭いほどの笑みにて洋服ごと貴方の肉体をその浴槽へと投下して)




1080: レオ [×]
2024-06-15 12:52:08



>ユギン(>1078


(背中に回っていた手の感触が初めて、己に安堵を与える。「……そうか、良かった。」そうして話を聞いてくれる鷹揚さに、願いを聴許する言葉に窪んだ面持ちは持ち直し、彼への緊張や警鐘が掻き消えてしまうのだから、其所にこの狩人の動物の如く至極単純な素直さが際立つ。そっと肩に置かれた感触の後、ゆらり回り舞う彼の衣装が黒曜石のように柔らかく煌めき、余裕の生まれた視線はそちらに見惚れて。「……ああ。」だが一つ瞬いた次には彼と瞳を合わせ、その言葉一つ一つを受け止め、ゆっくり噛んで、確と飲み込む。「ありがとう、ユギン。」かのドラゴンについて話す気楽な隣人、または良き相談相手になってくれるのだと、そう解釈すれば顔には暖かな笑みが一面と晴れ渡る。「時間が許す時には、君からも話をしに私を訪れてくれて構わない。」その後に此方からも、いつかの彼の再来を歓迎する意を示した後、「…ああいや、しかし。先程のような近しい触れ方は、“君相手では”やはり困ってしまう。特にいきなり抱き付かれてしまうと……どうしたら良いものか、解らなくなる。」表情に一抹の渋い曇りを垂れ込めて、あの優しくも刺激の過ぎる接触の受容を、知れず引き合いを含む物言いで躊躇う。「…だから、何かを表す時には握手だとか、そういった手元の接触までにさせてほしい。」それでも初めに考えた、彼を理解したいという心に誇張偽りは無し。なればこそ視線は誠実に、今出来る目一杯の歩み寄りを真っ直ぐ示してみせる。「……構わないだろうか?」その了承を窺うのと同時。出遅れた今更の歓迎の印、失態を赦された安心、言葉への感謝、そして――この先もあると信じる親交の期待を籠めて。靄の一切を払い朗らかに笑む狩人から、自らの導きを迷い無く信じながらも、寛容にそれを認めた羊飼いの彼へ、緩やかに片手の平を差し向け握手を求めた。)




1081: グレン [×]
2024-06-15 14:50:43





>ハイネ( >1079


( 骨をへし折る事も、気道を塞ぐ事も容易いであろう手が喉から離れていけば小さく 「 え、 」 と漏れ出た声と間の抜けたような表情が浮かび上がった後、手に掛け喰べる程の価値も無いのかと悪い方向へと思考が動くのは悪癖でしか無く。いやだ、そう紡ぎ掛けた声は急な浮遊感への驚きで喉元で止まり、代わりに飛び出したのは何とも形容し難い言葉と認識するのも難しいような驚嘆の声。彼によって横抱きに持ち上げられたのだと気付くのは背中や膝の裏に感じるひんやりとした感触を感じ取っての事。元より抵抗するつもりも無いが判断力の鈍った頭と、どうやら今直ぐに捨てられる事は無さそうだという安心感から大人しく体を預けて。壁に出来た人一人くらいであれば優に通り抜けられそうな渦。彼が生成し、彼が通ろうとするのだからぶつかるはずも無いそう思う頭とは裏腹、渦へと入る直前にぎゅうと目を瞑るのは元いた世界の物理法則的な思考が邪魔しているのか。次に目を開けば目の前に広がるのは荒れた自室……では無く豪奢な内装の浴室。ぱちぱちと瞬きを数回繰り返した後 「 ここは? 」 見た事もない景色に場所の推察など到底出来るはずも無く、彼を見上げゆると首をかしげるようにして。煌びやかな浴室に目を奪われていれば突如支えを失う身体は重力のままに湯船の中へと。予期していない出来事に咄嗟の踏ん張りも効かず、濡れた服の重みも相まって一度頭まで湯の中へと浸かってしまい顔を出した時には毛先からポタポタと雫を垂らしていて 「 ……急に落とすのは反則でしょ 」 どうやら人間、驚きすぎた時は声すらも出ないらしい。口に入ってしまった湯をけほり、小さな空咳と共に吐き出しつつ不機嫌そうな表情を。水を含み肌に張り付く布が気持ち悪い。首元を人差し指で引っ掛け、少しでも剥がそうと 「 服、気持ち悪い 」 遠回しに服が邪魔だと告げつつ視界を遮る前髪を片手で掻き上げるように後ろへと送って )





1082: ユギン [×]
2024-06-16 10:36:54



>レオ(>>1080)


そうだなあ……、
(これまで貴方のお願い事には一つ残らず快く応えてきたが、今回の申し出ばかりは二つ返事とはいかず悩んでしまうように口許に手を当てて明後日の方向へと視線を向けて。根幹にあるのは全ての仔羊に例外なく自らの導きが必要であるという固定観念、それは最早思い込みの範疇ではなく怪物自身の生きる意味や哲学にまで枝の伸びる重要なこと。それに手だけで導ききれる保証もなければ安易な約束は出来かねる、そんなある種の誠実さから回答に迷うさなか、ふわり鼻腔を擽った鱗の持ち主のことを思い出して「 善処するよ。ただし、それがもうひとりの羊飼いと君の総意なら、ね 」視線を貴方のそれと重なるように戻しながら、それが願いであることは理解したという意でこちらからも差し出された手を握り返し「 ラザロがきちんと君を導くなら、そしてラザロが僕の導きを君に施す事を拒むなら――同胞同士で争いたくはないからね。だから、今度彼と相談してごらんよ 」ゆったりとした語り口調に人好きのするような微笑み、言い終われば握った手にきゅっと力を込めて自らに引き寄せてはその手の甲にまた優しいキスを。そうして握力を弱めてはそっと誰かに返還するように貴方の手を自由にして)




1083: ハイネ [×]
2024-06-16 10:56:14



>グレン(>>1081)


そうでしょうねえ。此方としては良い眺めですが
(他人事のようにくつくつと笑いながら、自らには煽情的に映る濡れた服や髪と整った顔面のコントラストを観察するように楽しんで。気持ち悪い、と言いながら自力で脱ごうとしない所を甘えただなと内心で判断しながら燕尾服の袖を捲って丁寧に上半身の服を脱がせにかかり「 下も脱がせて欲しいですか? 」流し目で顔を見ながら半ば冗談めいた口調で問い掛ける、そうすれば自ら脱ぐだろうと勘繰っての事だがもし脱がせと言うのならば仰せの通りに着手するつもりで。どちらにせよ脱いだ衣服は浴室の床に置き、使い魔がそれを回収していくだろう。先ほどの落下の衝撃の影響か、湯はもこもこと一層泡立って肩から下の湯に浸かっている部分は一切見えず「 ここは普段俺が使う浴室です。貴方は幸運な人間ですね 」問い掛けに対する答え合わせをしながら、怪物のバスルームに常備されている筈もない人間用のシャンプーを蝶の使い魔へと持ってこさせては数回プッシュしたそれを軽く手で泡立てながら浴槽の周りを歩いて移動し貴方の背後に当たる位置から優しく頭を洗い始めて。黙々と丁寧に洗髪をする間も穏やかな微笑を絶やさないのは位置的に貴方からは見えないだろうか、数分の後にバスタブに備え付けられた金のシャワーヘッドを手に持ち「 流しますよ。目、閉じていなさい 」注意喚起から少しの間を与えて、頭の天辺にシャワーの湯を当てて。もう片方の手で柔く濯ぐようにしながらしっかりとシャンプーを洗い流し、一度シャワーを止めてはまた黙々とコンディショナーの準備を始めて)




1084: レオ [×]
2024-06-16 12:26:17



>ユギン(>1082


(それまで此方の言い分を寛闊と受け入れていた彼が、此度ばかりは言い淀んだ。その表情にほんの僅か疑に顔を曇らせる内、返ってきたのは“善処”という単語。それに何故を落とすより先に彼からの言葉は続いて、「……そうか、」今までよりもずっと飲み込み易いそれに納得を零す。――己に狩人として譲れない矜持があるように、彼にもまた導く者として退けない信条がある。「解った、有り難う。」それでも随分な譲歩をくれた目の前の羊飼いに、雲を晴らした朗笑で心からの謝礼を。繋がり握り返しかけた手が引かれた先、やはり慣れない――慣れようがない触れ合いには多少指が跳ねたが、今だけはひやりとした口付けを笑んだままに受け止める事で折合とする。彼の手と唇が離れた後、無抵抗にしていた手を下ろし、一通りの騒動が落ち着いた頃合いに、「……時に、」ぽつりと話題の切り替えを。「…君の種属は何だろうか。」緊張や動揺も無くなった口は元来の好奇が滲み始め、それを穏和な彼の空気に甘えて直球に溢れさせる。「遊牧の羊を先導するのは確かに山羊だが……君を見る限り、ただ単純にそういったものだとは思えなくてな。」その種にしては多い揺れる尾か、それとも狼の彼女との差異を無意識と感じ取ってか。どちらにしても七割方は己の経験則による直感、それ故若干の曖昧さを曲げた口元と寄る眉に顕し、「…君が良ければ、教えてもらえないだろうか?」無遠慮に向けてしまいそうな観察の視線は、人狼との一件もある為瞬く回数を増やす事で意識的に和らげつつ。せめて彼が己の部屋を去ってしまう前に、このやや子供じみた関心の疑問を解いておきたいと、率直な言葉で彼自身について問い掛けてみた。)




1085: グレン [×]
2024-06-16 13:56:33





>ハイネ ( >1083


( 主観的な事実を述べただけに過ぎないつもりだったのに、彼の手によって脱がされる上半身にぱちと瞬きを一つ。普段であれば、じゃあお願いしようかなんて妖艶な笑みと共に冗談を返す言葉も、何の仮面も被っていない生身の己として口にするには気恥ずかしく 「 …自分で脱ぐ 」 視線を逸らし少し唇を尖らせた、拗ねた子供のような表情を浮かべつつ僅かな身動ぎの後に濡れたズボンと下着をシャツと同じ位置に置くつもりで。服が取り払われた身体はたった数日と言えど食事を摂っていなかった為か泡から出ている部分だけでも少し肉が落ちている事が見て取れるはず。「 ハイネの…?…そっか 」 与えられた答えに口元に緩い笑みを浮かべるのは、きっとこの自尊心の塊のようなダークエルフが普段人間を連れてくる事は無いのだろう場所にいる事で僅かながら芽生えてきた満たされる気持ちによるもの。つい先程、己の命を摘み取ろうとしていた手が今度は甲斐甲斐しく世話を焼くように触れる様にくすくすと小さな笑い声を漏らし。時折普段人に触られる事の少ない頸や耳裏に、湯の温度が移ったのだろうかいつもよりほんの少しだけ温かみがあるように感じる彼の指が触れれば僅かに肩を跳ねさせる等をしている事数分。投げかけられた言葉に 「 うん、 」 小さく返して忠告に従って瞼を閉じ。シャワーの音が止まれば念の為片手で顔に伝った湯を拭い取ってから瞳を開き、背中を浴槽の壁に預けながら丁度背後に立つ彼の姿を見上げるようにして視界に捉え 「 俺、毛繕いでもされてる?」 少しぼんやりとしたような瞳は身体が温まり、彼に髪を洗われる心地好さから睡魔が触発されたもの。未だ平素通りとはいかないものの、真っ直ぐに視線を合わせて冗談めかした事を口に出来るだけの元気は戻ってきた事は伝わるだろうか )





1086: ユギン [×]
2024-06-17 22:04:20



>レオ(>>1084)


ああ、……知ってるかなあ。
(話題転換の枕詞にはゆるり口角を上げて頭に角度をつけることで傾聴の姿勢を取り。問われた内容に答えようと口を開くも、初心な貴方が俗っぽい伝承に触れてきたとは思えず少し悩むように顎を擦って「 僕はね、インキュバスって言うんだよ 」夢の中に魅力的な姿で現れ蕩けるような戯れにいざなう夜の魔物。相手が無意識下に性的対象として魅力的だと感じる姿に変身する力を紹介するように自らの全身をぼんやりとした白い霧で覆う、それが晴れた時に一瞬貴方の前に現れたのは誰の姿だろうか。次のまばたきを終える頃には変身の力を解き「 山羊は悪魔の象徴でもあるんだ。ああでも、このお屋敷に住んでる悪魔のみんなには内緒にしてね 」人の心を惑わし誑かし籠絡する、本人にそんな気はなく崇高な導きを行使しているつもりでも悪魔の類であるという自覚はあるらしい。しかし少なからず悪魔兄弟には色**怪物と一緒にするなと怒られてしまうだろうと、そんな事を気にするでもなく朗らかにくすくすと笑って「 君の夢には――お邪魔出来なさそうだね 」閨の貴方はきっととても可愛らしい反応を見せてくれるだろうけれど。怪物の悪戯にしては悪趣味が過ぎる企みを察知したのか否か、竜の鱗が心做しか輝きを増した気がして。ゆったりとした態度で踵を返して扉に一歩近付き、またその慣性でくるり貴方へ向き直り「 あんまり長居するとラザロに誤解されてしまうかもしれないからね。僕の可愛い仔羊、導きが必要になったら呼んでおくれ 」呼び止められたのならば無論穏やかな表情でここへ留まり、去り際の挨拶を交わせたのならば怪物の姿は髪もトーガも全て黒い無数の蝶となり、やがて灰のようになって消え去ってゆくだろう)




1087: ハイネ [×]
2024-06-17 22:21:10



>グレン(>>1085)


毛繕いとはまた野蛮な。手入れですよ、俺の大事なコレクションのね
(人を人とも思わない傲岸不遜な怪物がこうも甲斐甲斐しく世話を焼く理由は只一つ、本当の貴方の姿を見ても自らの蒐集物として手元に残留させておくことを決めたから。貴方はそれを言葉端から感じ取れないほど鈍くはない筈だが、どこか思考回路に靄がかかったようにぼんやりとしている今夜のコレクションには特別にきちんと言葉にして伝えて。怪物にしては不自然なほど人間相手にてきぱきとコンディショナーを髪になじませ、また同じように目を閉じるように促してから濯ぎ終え「 さあ、お疲れ様でした 」冷たいか温いか判別のつかない手をトンと痩せた肩に置けば、一瞬にしてバスタブの湯は消え去り同時に髪も体も魔法の力で乾いて「 羽織りなさい。湯冷めは身体に毒でしょう 」ぽふり、上等な肌触りのバスローブを肩へと掛けて。最早空恐ろしいほど甘々な態度は今の貴方にとってどう捉えられるのだろうか、少なくとも怪物自身はそれを意に介さず手を差し出し「 歩けますか。それとも抱っこ? 」貴方が自らの足で歩くことを選ぶのならば手を取り歩を進めるだろうし、後者を選ぶなら浴室へ連れて来た際と同様の格好で抱き上げるだろう。どちらにしても行き先はひとつ、広い広い浴室から脱衣所を抜けて、複数の扉が並ぶ短い廊下の先――モノトーン調で統一された部屋の最奥に位置するのはキングサイズのベッド、どうやら怪物の寝室らしいそこに貴方を案内して「 今夜は俺の腕の中で眠りなさい 」視線を合わせるために貴方の顔をきちんと見て、平素より穏やかさの増した微笑と声でそう告げよう)




1088: レオ [×]
2024-06-18 02:01:08



>ユギン(>1086


……イン、キュバス。
(その名称はやはり馴染みが薄いらしい、耳慣れない単語を繰り返す様は鸚鵡の囀りに等しく、それでも何とか飲み込まんと口の中で何度か種属の名を転がす。それから彼の姿を覆う程の霧に瞠った目の先――凝らした向こうに葡萄色、それと紺碧色が見えた気がして。靄の晴れたそれをもっと確かめんと瞬いた次には、また山羊の二つ尾を携えた彼の姿。今の現象に思わず目元を指の背で擦って幻覚を疑った後、「悪魔……成る程。」補足されていく説明に、先程よりはまだ聞き覚えがあったか、多少腑に落ちた様子で頷く。その間に笑う彼の悪戯めいた台詞に反応を返すよりも早く、胸元に仕舞った“お守り”が熱を帯びた気がして、ぱっと其処を押さえた隙に彼は既に一歩遠ざかっていた。「……ああ。迷う事があれば、頼らせてもらおう。」また向き合った羊飼いと狩人。別れ際に放つ挨拶代わりのそれは言葉通りの意味しか無いが、彼はどう受け取っただろうか。何にせよ、また不可思議に姿を蝶へと解いて部屋を去る彼を見送った後、零れ落ちた深い吐息と共に、真後ろのベッドへと座り込む。静かになった空間で額を支えて俯き、思い出すのは彼とのやり取りで――「……そうか、」納得、というにはまだ戸惑いの大きい声が静寂を密かに割く。……山羊の彼に触れられてはっきり見えた、胸中の靄の形。「私は、ラザロでなければ――」“それ”は一度親しみや敬愛と填め込んだ感情で、確かにその名で収まる筈のもの。しかし整合が取れているようで、何か噛み合わないちぐはぐさも覚える“それ”についてぐるぐる囚われていれば、複雑に思考を回す事に不慣れな頭はあっという間に浮腫んだような熱さを持つ。主立って額の辺りと頬を支配していくその不快感に一度髪を掻き上げ、「……顔を洗ってこよう。」収拾の付かないそれに、その一言で一旦終止符を打ち。その後は一人きりの宣言に違わず洗面所にて顔に冷水を浴びせ、ひとまずの落ち着きを取り戻したその身をシーツの上へと転がした。)


***


……退き時のようだな。うむ、ここまで有り難う。
ミリアムの時とはまた違う収穫の多さではあったが…私からの 無礼の多さも目立ってしまったな。この場を借りて改めて詫びよう。
この段階で少なくとも、私はラザロ以外とのスキンシップは必要以上にはしなくなるだろう。無論、まだはっきりと感情の答えが出てはいない上、初日に告げた“もう少し誰かと話したい”という未練がある以上は、この先も暫くは他の怪物との交流も続けるつもりではあるが…話すというより、相談事の比率が少々増える可能性はあるな。

さて、ひとまずは一区切りだ。この次、特に支障がなければ最初のイベント、【九尾の神通力】といきたいが…正直、何の繋がりも無く、食の嗜好からも外れている私の部屋を、何も無しにギンハが訪れるとは考え難い。だから、私が退屈しのぎの話し相手を求めて手紙を書く――あまり読み書きに自信は無いが、そこは努力しよう。もしくは、偶々聞こえた物音の様子見にドアから顔を覗かせた所で鉢合わせ、という程度しか彼との縁を作る方法を思い付かない。…想像力に欠けた提案ですまないが、私から話したい事はこのくらいだ。後は君から何かあれば、それも取り入れさせてもらおう。

あとは……そうだ、もう一つ。近々、この屋敷にもう一人呼びたい者が居る。何でも、“愛したがりな貴族の少年”だそうだ。この彼も、私やニールほどでないにしろ…やはり癖は大いにあるとみていい。だから、此処の怪物達の嗜好に合うかは今一つ不安な面も多くてな……それでももし、この少年が扉を叩く夜が訪れた時には、彼がこの屋敷に拐われるに足る獲物かどうか、その目で見定めてほしい。
それでは、今度こそ失礼しよう。返事を待っている。




1089: グレン [×]
2024-06-18 08:05:24





>ハイネ( >1087


……そっか、
( 明確に彼の手元に未だ置いてもらえる、そう取って構わないだろう言葉を紡ぎ出されれば一瞬きょととした顔を浮かべるものの直ぐに緩く表情を崩し。再度そっか、と小さく口の中で呟く口元は見間違えよう無く口角が持ち上がっている事だろう。手際良くコンディショナーを施していく手付きはきっと蒐集癖のある彼の事、己の他にもコレクションと称し愛でていた人間が居るのか居た事があるのかのどちらかだろう。そう頭の中では理解しているのに、僅かながらモヤモヤとしたものが胸中で首を持ち上げるのは自分だけを見てくれればいいのに、そんな風に思い始めたからか。ぼう、とした思考を呼び戻したのは肩に触れた彼の手の感触。水気の取れた頭を軽く左右へと振り、そんな考えを吹き飛ばしながら 「 ありがとう 」 柔らかなバスローブの前を寄せて。「 歩くよ 」 先程の様に有無を言わさず抱き上げられたのであれば甘える様に身体を預けただろうが、選択肢を与えられたのなら当然の如く今の己が選ぶのは前者。肩にかけられたバスローブに腕を通し、差し出された手に片手を乗せて立ちあがろうとすれば目の前が揺れる感覚に顔を顰める事一瞬。そろそろと普段よりも幾らか鈍い動きで立ち上がり、然程遠くは無い道程を何度か躓きそうになりながらも自らの足で付いて行く事だろう。彼に連れられ辿り着いたのはシックに纏められた一室 「 …ハイネの部屋? 」 先程の煌びやかなバスルームとは一変、落ち着いた様相の室内だが何となく似たような雰囲気を感じ取り、ゆると首を傾げつつ確認を。普段よりも柔らかな表情と声色にぱち、と瞬きを一つ 「 ……でも、俺… 」 きっと悪夢で飛び起きるから。そう続けるつもりだった声は思う様に出てこず、やっと交わる様になった視線は僅かに斜め下へと逸らす事によって外れて。けれども素顔を見てからも側に置く事を厭わなかった彼から離れるという選択は己の中に存在せず、只々迷惑をかけるかも知れない、そんな思考が素直に受け入れる事を拒否しているだけに過ぎず。握ったままの手にぎゅっと力を込め 「 上手く寝付けないけど、それでもいい? 」 眉尻を下げ窺うように視線を持ち上げて金の瞳を見詰めようか )





1090: クォーヴ [×]
2024-06-18 20:12:26



>レオ(>>1088)


やあレオ、こちらこそ楽しい夜をありがとう。
ユギンは大らかだから何にも気にしていないよ、きっと。だから謝らないで。
そうだね、いよいよ小さくなった君に会える夜が近いと考えるととてもわくわくするよ。ギンハとの出会いだけれど、色々と考えてくれてありがとう。どちらも素敵だから、最初のロルを回しやすい方を選んでもらえると助かるよ。そうすればすぐにギンハが君の元を訪れるだろう。

おや、新しい演者を紹介してくれるのかい?それはとっても嬉しいな。コンセプトを聞くだけでどんな子が来てくれるのか興味を惹かれてしまうね…ふふ。お披露目してもらえる時を楽しみにしているよ。




1091: ハイネ [×]
2024-06-18 21:40:31



>グレン(>>1089)


(立ち眩みの類だろうか、どこか覚束ない足取りは横目で感じ取っていながらも貴方の選択を尊重するためか手は出さず、代わりに確認に対しては首肯と共に「 よく頑張って歩きましたね 」と甘い声で褒めればふわりと頭を撫でて。高貴なダークエルフの寝所にてその腕に包まれながら眠れるなんて一介の獲物には過分な僥倖だが、それに二つ返事ではなく剰え難色を示す貴方を急かすでもなくじっと見つめ「 俺の隣でもそうなるか、今夜試してご覧なさい 」より過密に密着することで濃く体温を感じる手のひらに自らも力を込め返しながらそっと目を伏せ微笑んで。淡く手を引いて導くようにして完璧にベッドメイキングされたその縁へと連れて行き、後は座るなり何なりと自由にしなさいと言わんばかりに手を離して「 すぐに戻りますから 」そう告げて今度は単身浴室に繋がる扉へと消えて。静かな寝室には額縁に入れられていくつかの絵が飾られている、幻想的な森林の風景画から黒と金と灰色で描かれた抽象画に似たものなどテイストは様々で。壁に取り付けられた棚にはそれこそ規則性のない蝶ネクタイやコサージュ等が並び、どれもこれもがモノトーン調の部屋に飾っておくにはあまりにカラーコーディネートという概念を無視したものばかり。数分して戻ってきた怪物は上等なサテン生地の黒いバスローブを纏い、普段三つ編みにされた黒髪は洗い髪とばかりに結われることなく垂らされて。貴方はどのように待っていたのだろう、部屋の中にきちんとその姿を見つけられたのならば自ら率先してベッドへと入り「 おいでなさい、 」と呼び掛けるだろう)




1092: グレン [×]
2024-06-18 22:38:47





>ハイネ ( >1091


( 甘い声も頭を撫でる手も、普段であれば満足気な笑みで受け取っただろうが、今の己では少し照れたような様子ではにかむ事ぐらいしか出来ず。でもでもだって、と言い始めればきっと終わりは無いのだろうが、それで一人部屋へと帰されてしまえばまた眠れぬ夜を繰り返すのは想像に易い。握り返された手と向けられる穏やかな表情に声を発する事無く首肯で返答を。整えられたベッドの側で握られていた手が離れれば追い縋るような視線を一瞬向けるも、浴室へと消える背中を引き止める事無く見送って。借りてきた猫のようにちょこんと大人しくベッドへと座り帰りを待つも慣れない室内では落ち着かないようで、何処かそわそわと視線を動かした後一枚の絵画で視線を止め。ふらふらとした足取りで近寄っていき見上げるそれは深い緑の中、一本の道が続く風景画。すうっと目を細め、見詰めている事数分程。いつの間にか戻ってきていたのであろう彼の声のした方へと目を向ければ視界に入るのは如何にも今から寝るところだと言わんばかりの彼の姿。髪を解いている見慣れぬ様子に数回瞬きを繰り返し 「 …髪下ろしてると雰囲気違うね 」 招かれるままにベッドへと近寄り、自分の場所はここだとばかりに彼の隣──身体が触れ合う程の距離に横たわれば、睡眠不足のせいか眠たげな瞳を向けて 「 ハイネ、ありがとう 」 礼の対象を定める事はせず緩い笑みと共に。彼が寝転がり、拒否をされないのであれば首元辺りに鼻先を埋める程近く、密着して微睡始めるつもりで )





1093: レオ [×]
2024-06-18 23:59:54



>クォーヴ(>1090


そうか、なら良いのだが。
…うむ、解った。それでは、手紙を書かせてもらおう。折角ミリアムに名を教わっているからな。ふむ、しかし……その、字が拙い事には目を瞑っておいてくれると助かる。

ああ。礼儀作法の整った少年でな、今は人前に出るのならと身なりを正している真っ最中のようだから、もう暫くは待っていてやってほしい。…だが、彼が扉を叩くのはそう遠い日でもないだろう。私も、彼を紹介出来る日を楽しみにしている。
それでは、私はこれにて下がる。互いに良い夜を過ごそう。


***


(山羊、もといインキュバスの彼と話した頃より、幾夜か眠った後。山に居た頃であれば生きる為に必要な作業や工程をこなす内に時は瞬く間と過ぎたが、此処ではそうもいかない。余るばかりの時間、部屋に閉じ籠もり過ごすには長過ぎて、ただ座っていては毎秒と感覚が鈍っていくような――「……退屈、か。」溜め息と共に零れ落ちた独り言。幾年ぶりに感じたのだろうその感情の解消に、顎に手を当て目を彷徨わせて、ほんの少しの思案。……頭に真っ先に浮かぶのはドラゴンの彼、それに連なって一つ目の彼女、そこから更にもう一転、「……ああ、そうだ。」記憶を辿り至ったとある怪物にほんの少し軽やかさを含んだ声を柔く響かせ、備え付けのペン、それに短冊と変わらぬ大きさの便箋を一枚手に取る。――“話、したい。君と。レオ”。相も変わらない幼いままの小さく丸い文字で、綴りの怪しい単語を数語並べた辿々しい手紙に、自身の名前を添えて。それを一回だけ折り畳みながら腰を上げ、作業中の使い魔の一匹へと歩み寄る。「君、少し構わないだろうか。」すっとしゃがみ込んで使い魔に目線を合わせ、「これを、ギンハという者の所へ届けてほしい。」手に持ったそれを目の前へ伸べ、簡潔に用件を。「…頼んだぞ。」手紙を託したその姿が消える直前にもう一言、期待を籠めた後押しを告げて見送った後。再び立ち上がってはまず、寝起きに乱れたまま放っていた髪に簡単に手櫛を通していく。続けて寝癖の解けたそれを項に纏めて結んだり、脱いでいた上着に袖を通したりと、来客を迎えるに当たって相応の身支度を整えつつ、呼んだその怪物の訪問を待った。)




1094: ハイネ [×]
2024-06-19 01:56:22



>グレン(>>1092)


今夜のグレンほど幸運な人間は屋敷中どこを探しても居ないでしょうね
(人権の保証されないこの異世界ではあくまでも人間は個室という名を借りた檻に囚われた生き餌であり、それを喰らう怪物とは到底対等に成り得ないのが常識。ましてや捕食者の自室を見つけることはおろか立ち入る事が出来る者は大変に稀有で、況んやその寝床にて同衾を許されるだなんてまさに空前絶後――ハイネの事を知る他の住人がその事実を知れば全員揃って驚くだろう。人前で解くことのない髪をさらりと指の背で持ち上げながら流し目を向けて「 俺の寝所に招かれた、史上初の人間なのですから 」そう事実だけを伝えては虚空で指を軽く振るって部屋の照明を落として。眠る時は真っ暗闇にしておく派だが、敢えて肩と肩の触れ合う距離ならば双方の表情が分かる程度の仄暗さに留めたのは悪夢を懸念する彼がしっかりと眠りに落ちるまでそのかんばせを見守っておくため。肩から肘で自重を、手のひらで頭を支える体勢を取ればきっとそこに暖かなもう一つの頭の重さも加わるのだろう「 おやすみなさい、俺のグレン 」額を隠す柔らかな前髪をそうっと除けて、顕にした形の良いそこへ触れるだけのキスを。悪夢に魘されず安らかに眠れますように、おまじない或いはそういった優しい魔法を行って、最初からそうすると決めていた通り完全に眠りに落ちてしまうまで見守り続けよう。次に貴方が目を覚ませば忙しい怪物は隣にいないだろうけれど、ベッドサイドには流れるような文字で“可愛いお寝坊さん、朝食は貴方の部屋に”との書き置き。浴室に繋がっている筈の扉には昨夜ハイネが開いたのと同じワープホールが用意されていて、そこをくぐればたちまち到着するだろう――荒れた痕跡はなくすっかり片付いた貴方の部屋に。その功労者である使い魔が、出来立ての食事と共に部屋の主の帰還を出迎えるだろう)




1095: クォーヴ / ギンハ [×]
2024-06-19 02:26:37



>レオ(>>1093)


はは、きちんと目を開いてしっかりと読ませてもらうよ。君の文字はとても可愛いから。
ああそうだ、気になっていた事が一つあって。全く不備でもなければ必須の情報でもない、只の興味なんだけれどね……レオは元いた世界ではどの辺りに住んでいたんだろうなって。僕達のイメージでは、レオは色素が薄めだし広大な自然と山に生きるって所から何となく北欧っぽいなーと思ってたんだ。ニールは喧騒の中に孤独を抱えた人々が行き交う都会――アメリカやイギリス辺りの、ちょっと治安の悪い所かな。いやごめんね、何となくふと考えてたってだけで…だからもし気が向いたら、物語の中で君達の故郷についても聞かせてもらえたら嬉しいなって、ただそれだけの事なんだ。
突然ごめんね、もちろん僕の方にお返事は不要だよ。まだ見ぬ彼のことも楽しみに待たせてもらうね。レオにとって刺激的な夜になりますように。


***


ギンハ:
(――カコォン、どこからか夜空に抜けるような鹿威しの音が響いてふっと瞼が持ち上がる。自らの趣味で作り上げ日常的に手入れをしている東洋文化をありありと顕現した庭園にて、いつの間にか微睡んでしまったらしい。好みの獲物も現れず、目新しい楽しみもなく、庭の手入れも今しがた終えたばかり。「 ……退屈じゃ 」胸中に倦んでいる無聊を僅かでも吐き出さんとしたその台詞は、奇しくも貴方と全く同じタイミングだったかもしれない。ふとそこへトコトコ駆けてきたのは子狐の姿をした自身の使い魔、口には何やら便箋を咥えている。新たな始まりの予感を敏く感じ取れば一層背筋がしゃんと伸び、催促するように手をくいくいと振って手中に招待状を収め「 ……フフ、愛いではないか 」浮かれたようににんまりと表情が緩むのは、幼さが全面に押し出されたそれの差出人もまた誰かから九尾の存在を紹介された幼子であるに違いないと誤解したため。“のう?”と機嫌よく使い魔に同意を求めて立ち上がる、何か言いたげな使い魔には目もくれない。まさに砂を噛むような日々に舞い込んだ僥倖、考える間も惜しく向かったのは貴方の部屋。コツ、と静かなノックにて来訪を報せて「 レオとやら、招待状を受け取った。ギンハ、ここに参ったぞ 」相手は初対面、ゆえに威厳を示すため凛とした声を張るも背中では豊かな九つの尾が待ち遠しそうにゆらゆらと揺れて。もし扉が開いて差出人の姿を視界に収めたのなら――露骨に表情は落胆に塗れ、尻尾たちも意気消沈とばかりにくたりと垂れるだろう。終いには「 ……幼子ではないではないか。紛らわしい文を寄越すな、全く 」と勝手な期待を裏切られたことを口に出し、手紙の主というより使い魔に対してぼやきを落とすだろう)




1096: グレン [×]
2024-06-19 07:32:34





>ハイネ ( >1094


……ほんとうに?
( 瞠目の後尋ね返したのは、この場で彼が嘘を吐く必要性も無いだろうが自身では嘘か真かの判断をつけかねた為。然程長くは無い期間ながらも舞台の上で生きていた人間、暗い中でもある程度の視界は得られるが室内の薄ぼんやりとした灯りは彼の心遣いだろうと言及する事はせず。彼の腕へとそっと頭を乗せて 「 おやすみ、ハイネ 」 額に触れる冷たい感触にくすくすと小さな笑い声を漏らすも、瞼を閉じれば時間をかける事無く眠りに落ちるはずで──昨日までの夢見の悪さが嘘のように安眠の後目を覚ませば隣に彼の姿は無いものの、不安感に襲われる事は無いのは言葉を尽くし甘やかしてくれた為か。ベッドサイドのメモに気が付けば、ゆると口角を持ち上げた後代わりに “ 昨日はありがとう。また近いうちに ” そう記したものをベッドの上、己が寝ていた辺りに置き彼からのメモ片手にワープホールを潜ろうか。辿り着いた先は片付けが終わり綺麗になった自室。テーブルの上に用意された食事は碌に固形物を摂取していなかった体でも摂りやすいもの。テーブル周辺にふよふよと留まっている蝶に手を伸ばし 「 …ありがとうね 」 指の背でそっと触れた後、席に着き食事を始めようか )

****


今夜の幕引きはこの辺りかなって事でお邪魔させてもらうよ。
今夜は、……うん。ハイネに物凄く甘やかしてもらっちゃったな。実のところを言うと、このまま捕食エンドに行くかも知れないなって思っていたのだけれど……ふふ、まさか部屋に招かれるなんて嬉しい誤算だったよ。
嗚呼、そうだ。ハイネに対してって大前提が付くんだけれど、この先望まれない限りは “ 僕 ” じゃなくて “ 俺 ” のまま話す事になると思う。勿論色んな僕を見せるって約束はあるから演じはするんだけれど……本性本音は隠さなくなるって言い方をしたら分かりやすいかな?どちらにしても、大差は無いはずなんだけどきっと今まで以上に嫉妬心とかを隠さなくなるし、子供っぽいところとか見せる事になるとは思う、かな。

さて、次はピアニストの娘の初日だね。念の為にだけれどプロフィールは >1041 に置いてあるよって残させて貰うね。お迎えは悪魔の兄弟のどちらでもお好きな方で迎えに行ってやってって言伝だけ残しておくね。





1097: クォーヴ / カナニト [×]
2024-06-19 09:18:17



>グレン(>>1096)


素敵な締めをありがとう、グレン。
僕も見ていて冷や冷やしたよ、今夜で君に会えなくなっちゃうかと思った。でも、ある意味ハイネは腹を括ったみたいだね。彼が人間を自分の部屋やベッドに入れるなんて……グレン、君は本当に凄い子だ。
うん、きっと素の君の方がハイネも可愛がりやすいんじゃないかな。だから願ったり叶ったりかも。…安定しているのかいつ崩れてもおかしくない危うさがあるのか分からない関係性だけれど、だからこそ毎晩を目一杯楽しんでいこうね。

あの可愛いピアニストさんに会えるんだね、ふふ…とっても楽しみだな。プロフィールの在処もありがとう。とっても悩んだけれど、今回は弟の方でお迎えに上がらせてもらおうかと思うんだ。勿論、交流中に何か違和感や指名替えがしたければ遠慮なく言ってね。
グレンに会えるのは暫く先かな、寂しいけれど元気にしているんだよ。


***


>リリー(>>1041)


カナニト:
(にいちゃんばっかりズルい、と。そんな鬱憤が溜まる近頃は今に始まった事ではない兄弟間の戯れに似た獲物の取り合いっこに負け続けている所為で。どんな魔法を張り巡らせているのか、はたまた兄の使い魔が自分のと比べて優秀なのか、かなりの高確率で新入りの獲物に粉をかけるのは兄に先手を取られてしまいがち。最初に遅れを取れば当然関係値の構築にもその分差が出るわけで、なんだかんだと兄が美味しい部分を掻っ攫っていく――メランコリックに溜め息を吐いた直後、カラスの使い魔が自らの肩に留まりカァと鳴いて。それは新入りが到着したという報せ、思いも寄らない嬉しいニュースにぱっと目を輝かせて立ち上がり“でかした!”と一本指で使い魔の頭を撫でて。「 よおし、今度はにぃちゃんに負けへんでえ 」嬉しそうに、或いは主人を応援するようにカアカアと鳴いて送り出してくれる使い魔を自室に置いて、早足で向かったのは件の新入りの部屋の前。まだどの怪物の気配も匂いもない事にほっと安堵して、柔らかいノックを三回。どんな反応が返ってくるだろう、神経を扉の向こうに集中させればどうやらこの場所を人間の世界と未だ勘違いしている様子――ああ、ぼくがきみの初めてや、と確認しては優越感に胸は満たされて「 こんばんわあ。ご免なぁ、きみの叔父さんちゃうくって 」ふにゃり、ほどけるような笑顔は大変人懐こく毒気のないもの。穏やかで朗らかな好青年然とした笑みを彩るのは異形の証たる角や尻尾等々のパーツで、鏃のついた細い尾をゆぅらゆぅら楽しそうに揺らしながら「 ぼくなあ、カナニトゆうねん。可愛いお嬢さん、きみの名前ももろていい?ほんでさ、よかったらお喋りしよお。色々と聞きたいこともあるやろし、ぼくもいーっぱいきみのこと知りたいからさあ 」種族に触れないのは相手がこのお屋敷の事に対して全くの無知で怪物に対する耐性もないと鑑みてのこと。萌え袖を口許に当てながらゆら、ゆらと身体を揺らして、ちろりと部屋の中を見ては“あかん?”と付け足しじぃっと見つめて)




1098: グレン / リリー・フリント [×]
2024-06-19 12:16:59





>クォーヴ ( >1097


ハイネが思い直してくれたお陰でなんとかね。そう、かな。僕は何もしていないはずだよ。
僕も気を抜ける相手がいるっていうだけでだいぶ落ち着くだろうし、それで甘やかしてくれるなら万々歳だ。きっと崩れるのは積み上げてきた時間よりも一瞬の事だと思うし、そうなるまでに沢山の僕を残しておかなきゃね。

お迎えありがとう。きっと見た目的な年齢の近い弟くんの方があの娘も話しやすいだろうし、その分状況の理解も早くなると思うよ。それはこちらこそだよ。何か違うなって思うところがあれば遠慮無く言ってやってくれて構わないからね。
そうだね、少なくともリーパーの日常イベントが終わるまでは僕はお休みかな。ありがとう、クォーヴも元気にしててね。

嗚呼、そうだ。今週中にあの殺人鬼の書いてた物語までの過去と、僕が三日間部屋に閉じこもっていた間に見ていた悪夢の過去を宝箱の方に仕舞いに行くつもりにしているよ。とだけ残して、こっちは何も無ければこのまま流して貰って構わないからね。


****


>カナニト


( 扉を開き視線を持ち上げれば見えるのは見慣れた姿と耳に入る聞き飽きた言葉──そう思っていたのだが扉の先に立つのは角に尻尾、見慣れぬものを身に付けた見た目的には恐らくそう歳が変わらぬだろう青年。聞き慣れない方言混じりの言葉も相俟って、ぱちくり大きな瞳を瞬かせる事数回。ゆらゆらと揺れる尾を視線だけで追うのはそれが作り物で、風で揺れているのだと確証を得たいから。彼の問い掛けから考えるに、どうやら私が誰なのかは知らないらしい。人前に立つ人間として知名度を気にする人種であれば憤怒したのだろうが己は全くの逆。扉を開けた際の驚きに強張った表情はどこへやら、穏やかな笑みを浮かべて 「 私、リリー・フリントって言うの。気軽にリリーって呼んでちょうだい? 」 ワンピースをつまんで持ち上げ、緩やかなカーテシーと共に。己の肩越しに室内をちらちらと見る彼につられて振り返り、そこで初めて元の自室で無い事に気付いた──否、意識が浮上した時から気付いてはいたのだが、勘違いだと思おうとしていた事実を知り眉尻を下げ 「 ……ええっと、私ここに居たのだけれど、私の部屋とは違っていて… 」 言葉で説明しようとしても中々に難しい事実に、どう言えば伝わるのかと首を捻り。それでも良いのなら、と室内への侵入を許すように半歩ほど身を避ければ彼が通ることの出来る程度の道が出来るはずで )





1099: カナニト [×]
2024-06-19 13:15:51



>リリー(>>1098)


これ気になる?こんお屋敷ではとくべつ珍しいもんでもないけど、
(予想していたよりもずっと可愛い少女の姿、それもどうやら過度に警戒心や恐怖心が強いタイプでもないらしく俄然都合が良い。嬉しそうにほくほくとした視線を向けるものの一向に噛み合わない相手のそれが尻尾に注がれていると気付けば首を捻って揺れる尾を見下ろしながらあっけらかんと。そんなものよりもっと関心を向けて欲しいものがある、だから尻尾は背中の裏に隠すようにして視界から消し去り「 リリーちゃん、かわええ名前。何遍も呼びたなる 」久しぶりに見つけた可憐な新入り、その名を知れたのも己が初めてという事実にまたしても甘い優越感を胸中で味わって「 あはっ、ちゃうちゃう!ここは正真正銘、リリーちゃんのお部屋やでえ 」突然のことに上手く状況説明が出来ないのは至極当たり前、そんな中でも一生懸命に言葉を紡ごうとする姿が可愛くて思わず笑って「 せやからぼくがさき入るんはむしろ失礼なんよ。ほら、入って入ってぇ 」だぼついた袖越しに両掌をトンと温かな肩に乗せては、そのままくるっと身体の向きを反転させ後ろからやさしぃく押すように入室を促し「 お邪魔しまあす 」彼女の背に続く形で部屋へと入りながら楽しさの滲む挨拶を。ささっと目敏く部屋を見回しては他の怪物の痕跡など一切目につかず、誰かが押し入った残り香もない。にんまりと緩みきってしまいそうな表情筋を微笑みの形に押し留めては内側から扉を閉じ「 リリーちゃんはほんまに来たばっかりなんやねえ。頭痛いとか、おなか減ったとか、のど渇いたとかない?ぼくはぬるめのココア飲もかなあ 」ちゃっかりとソファーにぽすり腰を落とし、カラスの使い魔をどこかから呼び出して用意をさせる。ココア、怪物には味も風味も感じられない人間のためだけの液体なんて好きではないけれど態々選んだのは少しでも可愛い新入りがリラックスするきっかけになればという打算。しっかりマグカップ2人分用意された内の片方を向かい合う位置に置けば「 はい、これはリリーちゃんの。 」のんびりと机に両手で頬杖をつけば穏やかな眼差しで見つめて)



1100: 執事長 [×]
2024-06-19 16:31:49



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1101: リリー・フリント [×]
2024-06-19 17:59:28





>カナニト ( >1099


珍しいものじゃないの?
( 目で追いかけていた尾を背の後ろへと隠されれば、ようやくこちらを向く蛇の眼のような紫の瞳と視線が交わり。こてり、首を傾げる姿は知らない事を隠そうともせず、アニメや漫画であれば頭上にクエスチョンマークが浮かび上がりそうな程。「 え、でも 」 本当に私の部屋じゃ無い。そう紡ぎ出そうとした声はウソを言っているようには見えない彼の様子に続く事は無く。全く見覚えのない部屋を自室だと言われる事や、肩に置かれた手が例え布越しだとしても体温を感じられない事、それにきっと風なんかでは無く彼の意思で動いている尻尾。そんな微弱な違和感が一つずつ降り積もっていく感覚を覚えながらも押されるままに室内へと。背後に立つ彼も完全に室内へと入れば扉の閉まる音がやけに大きく耳に届いた気がする。ここが自分の部屋だと言われても慣れない内装に落ち着かず、座る場所を探して視線を迷わせていれば耳に届く声。ソファに座る彼へと視線を向けて 「 …来たばっかり、って? 」 方言のせいだろうかどこか呑気さすら感じる言葉尻に僅かながら怪訝な表情を浮かべ。机の丁度彼と対面する位置に置かれたマグカップ。きっと警戒心の強い人間であれば座る位置を定められたと感じるのだろうが、ここまでの違和感を感じておきながらも警戒心なんてものは何処かへ置いてきたとばかりに、それでも本能的な警鐘は感じているのか椅子に浅く腰掛けて 「 ねぇ、カナニトくん。ここはどこなの?本当に私、全く理解が出来ないの 」 真正面から紫の双眸を見据えしっかりと紡ぎ出す言葉とは裏腹、声は不安がありありと滲み出すもので )





1102: レオ [×]
2024-06-19 19:46:17



>クォーヴ/ギンハ(>1095


(誰かを待ってそわそわと身動ぐ事も、随分と久しい。念には念を、胸ポケットに入った鱗の存在を布越しに掌で確認してもう一度顔を上げた矢先に、ノックと思わしき音、それに続く凛然とした声が耳に届いて、表情は嬉々と華やぐ。「ああ、今開ける。」それは勿論返す声色にも、扉に近寄る早足にも顕れて。「待たせてすまない。それと、来てくれて感謝、」急ぐ手で扉を開きつつ、その向こうに謝意を告げていた口は、彼を――白金の髪と真白の耳尾を確と捉えた瞬間に止まってしまった。「――綺麗、だな…」見開かれてから眩しげに細められる目、そして忘れた呼吸の後に零れ落ちた独り言には、澄みきった感嘆が溢れて。目の前の彼の態度や言葉さえ気に留められない程見入り、しかしはっと我に返って前のめりになった姿勢を正す。「…失礼した。君の毛並みが、今まで見たどの生き物よりも見事で、うっかり見惚れてしまった。」詫びと訳を伝える表情は努めて引き締めたつもりだが、来客の喜びも毛並みへの感心も抑え込めてはおらず、頬の色と寄れる視線がそれを正直に示す。「改めて、招待を受けてくれて感謝する。…一人で何もせずにいると、どうにも時間を持て余してしまってな。誰か呼ぼうかと考えた時に、ミリアムから聞いた君の事を思い出した。」咳払い一つで閑話休題。先程は途切れた謝意と、彼を呼んだ理由も朗々滑らかに告げ、「彼女は、私と君が少し似ていると言っていたが……いや、君の方が余程美しい。」名を出した彼女と紐付いた記憶も連ねて紡いで、そこに更に語彙足らずなりの称賛を重ねて満面に笑んだ後。「それで、ええと…君が良ければ話し相手になってもらいたいのだが…」また話を元のレールに戻し、手紙にも綴った頼み事を自らの口で反芻するが、その勢いは少し消沈している。何故なら――今頃になって漸く、対面した彼の尾や表情が明白に気落ちしている事に気付いたから。「……もしや、多忙の最中だっただろうか。それならば、無理に引き留める気は無いが。」些かずれた気遣いになったのは、すっかり聴き飛ばしてしまった彼の嗜好や心中を再度知る由が無い故。此方も面持ちは解り易く、この機を惜しむ色へと全面に曇らせながら、けれども大人しく彼からの返事を待った。)




1103: カナニト [×]
2024-06-19 20:55:22



>リリー(>>1101)


ああごめん。そうやんねえ、分からんよねえ
(嘘偽りなくここはリリー・フリントただその人だけのものなのだが、落ち着かなさそうにする様子にまたしても嗚呼可愛い、と思う。それは例えるなら蟻――そう、仲間たちと共に整然と列を成し自らの勤めを全うしていた所に、何者かにひょいと摘み上げられ独りぼっちで見知らぬ場所に放置されどうしたものかとあっちこっち戸惑うような、そしてそれを無邪気に上から眺める子供のような純粋ゆえに残酷な感情。悪魔の兄弟どちらもに通ずるそれをおくびにも出さず、靴を脱いでソファーの上でゆるく三角座りをしながらあくまでも相手に寄り添うようにしゅんと眉を下げて「 ここはなあ、黒薔薇のお屋敷っちゅう所。リリーちゃんがもともとおった世界とはぜんっぜん別もんで、おひさまの代わりにずーっとお月さまが出てる世界。そんで、リリーちゃんはここに招かれてきた特別な子ぉなんよ。しゃあから、今夜からはこのお部屋がリリーちゃんのおうち。一日三食おやつ付きやし、さっきみたいなちっこいのんが身の回りのお世話はなぁんでもやってくれるんよ 」人は分からないから不安になる、と聞く。目の前の少女の声にも同じ感情がそっくり反映されていて、なら少しでも不安要素を取り除こうと丁寧に説明を連ねて、程よいぬるさの無味乾燥な液体をくぴ、と一口。肝心な部分には未だ触れずに、ここまではわかった?と問い掛けるように美しい宝石を彷彿させる水色の双眸を見つめて)




1104: ギンハ [×]
2024-06-19 21:15:11



>レオ(>>1102)


(招待状の差出人が期待外れな属性の獲物と判明した今、ここに留まる義理もない。感謝は無用、蜻蛉返りじゃ――そう台詞を紡ごうとして喉まで出掛かったそれが空気を震わすことがなかったのは、九尾のもうひとつの大好物を図らずも与えられたからで。眼前の相手は確実に疾うの昔に元服を迎えているであろう成年だが、にしては直球過ぎる言の葉の数々はどこか純真無垢な幼気さを感じさせて、どん底まで落ちたテンションがじわじわと再燃するように九つの尻尾もゆら、ゆらと持ち上がり始め「 …ほう、ミリアムとな。思えばそなたからは複数交じった匂いがするのう――――たわけ、吾(あ)の方が美しいなど至極当然であろう 」挙がった名前は特段親しい間柄ではないものの悪い印象もない怪物。少年ではないのに不思議と興味を引かれ始めてまじまじと姿を眺めている途中に複数の存在が嗅覚に訴えればどうやら住人たちに可愛がられている獲物であろうことに察しを付け、結びにはカッと叱責するように言えばふんと鼻息を吐き出し。「 ――よかったのう、今宵の吾の時間が空いていて。普段ならばそなたのような男臭く育ちきった獲物など相手にせんのだからな。それで、何を話したいのだ。退屈な話題であれば承知せぬ、そなたを小鼠にでも変えてくれるわ 」礼節を弁えた態度は内心で大変評価しており、だからこそ遠回し且つ棘のある言い方ではあるが暫し相手に付き合う意志を表明して。しかし退屈を慰めるために退屈な話題を聴くなど耐えられないとばかりに脅迫を添えて、未だ閃いていない神通力の他の使い途は“退屈”というキーワードにて発現するだろうか)




1105: リリー・フリント [×]
2024-06-19 21:41:51





>カナニト ( >1103


( 悪意に晒されてはきたものの人を疑う事を知らず、単純な頭の作りをしている少女はそれが演技かも知れないだなんて考える事は無く、目の前で眉を下げ叱られた子供のような仕草を見せる彼に安心感にも似た感情を覚えるのは、それが気持ちに寄り添ってくれているように感じられた為。彼の口から出てきた言葉をなぞるように、口の中で何度かキーワードになりそうな言葉を呟くこと数分、漸く気がついたような怪訝な声はきっと彼の耳にも届くだろうか 「 元いた世界とは全く別の世界…? 」 音楽にばかり傾倒していたから己の頭が足りていないのだろうか、到底理解が及ばず挙句そんな風に疑ってしまう言葉の羅列に顔を顰めて。単語としては理解をしているのだが、それが文章として頭の中で組み立てる事が出来ない。もし彼が言っている事が作り話などでは無く本当の事なのだとしたら。生活に対する未練は全くもって無いものの、唯一諦めきれないものへと思考が働く。膝の上に乗せた指の先に無意識のうちに力が籠ってしまいワンピースに皺が寄る。ゆらゆらと揺れる瞳で真正面から見据え 「 ……元のお家には帰れない、この認識で間違っていないかしら 」 紡ぎ出した声はその細さからどこか頼りなさはあるものの理解が追い付いて仕舞えば覚悟が決まったも同然。細い溜息の後に「 ねえ、カナニトくん。このお屋敷にはピアノを弾ける場所はある? 」 次ぐ質問へは先程までの不安気な様子はどこへやら、ゆるりとした微笑みを浮かべて小首を傾げて見せ )





1106: レオ [×]
2024-06-19 22:43:38



>ギンハ(>1104


(何とも悄気たような、声を掛けるのも憚られる彼の表情は、徐々に上昇の兆しが窺えて。それが己の言葉にあるとは露知らず、窺った答えが是であると見るやいなや、「……そうか!良かった、君と話せるのだな。」俯いた蕾がまた陽を仰いだように、脅迫など撥ね飛ばす勢いで笑顔が咲き誇り、思考は託された話題へと。「そうだな……楽しめるものなら、やはり祭りの夜の話が良いだろうか。」そう半ば独り言じみた言葉の合間、思い出す記憶に口許が弛むのはご愛嬌。彼と同じく尾でもあれば、それはもう千切れんばかりに振っていたであろう程に浮わついた呟きの後。「……だが、しかし。あれ以来どうにも物足りなさが付いて回っていてな。これが中々難儀で……暇を埋める手段云々など、前は考えた事も無く……」鼻に唸りを通して眉を寄せ、零したのは想い出に釣られて再度去来した、刺激を求めてしまう生来の好奇の旺盛さ。「……ふむ。これならもっと以前から、慣れておくべきだったな。この――」それに、それを持て余す己の悩みと自らへの咎め立て。そしてその最後、「――“退屈”、というものに。」苦々しい溜め息と共に吐き出された経験不足の悔やみ。だがそれもはっと垂れ下がった顔を上げる事で掻き消して、「……すまない、これは私の問題だな。君に聞かせるような事ではなかった。」ばつ悪く目を泳がせて、首の後ろを撫で擦って自分自身を落ち着かせる仕草を。「それに、立たせたままにしてしまったのも申し訳無い。大したものは無いが、ゆっくりしていってくれ。」それからやっと彼の前に立ち塞がったままである事にも気が付き、謝意をもう一つ重ねてから彼を部屋に招かんと、扉を押さえたままに半身を退いた。)




1107: カナニト [×]
2024-06-19 22:45:32



>リリー(>>1105)


(そんな理不尽受け入れられないと取り乱すか、お願いだから家に帰してと泣き縋るか――彼女と同年代の獲物の反応は大方そんなところだろうと身構えていたものの、想像だにしていなかった理解の早さと男前とも思える潔さに、この子にとって元の世界での営みはこうも簡単に割り切れるものなのかと驚きを表情に出すのを堪えながらこくんと首肯した、次の瞬間。「 んぇ、ピアノ? 」ぱちくりと丸い瞳を瞠って、思わずそう聞き返す。ここへ攫われてきた意味だとか、そういった謎を飛び越えてまで問いにしたということは余程思い入れのあるものなのだろうと内心で学びながら「 色んな楽器がいーっぱい揃っとる広いお部屋があってなあ、そこにでっかいのんがあるわ。けどなあ、こんお屋敷ではひとりでお部屋から出るんは危ないんよ。こわーいおばけみたいなんに食べられてまうかもせん。ぼく、リリーちゃんがそんなことなるん絶対イヤやから、どんだけピアノが弾きたくってもひとりでは廊下に出やんとってほしい 」今告げた内容は全て嘘偽りない真実と本心。言い終わる頃にはきゅ、と膝を抱え込みそこに口を埋めるようにして、ゆるゆるふわふわと浮かべていた微笑みを一転して不安げに曇らせ上目気味に“おねがい”と小さく付け足して。まだ彼女がマグに手を付けていないことを気にしながら、自らは再度自分のそれに手を伸ばしかけて「 リリーちゃんにとって、色んな分からへんことより真っ先に気になったんがピアノのことやったんやねえ。そんだけピアノ弾くんが好きなん?ぼくのにぃちゃんなぁ、ピアノ上手やねんで――、! 」言い終えた瞬間にしまった、口を滑らせたと萌え袖にて口許を隠す仕草を。命の心配より先に楽器の所在を問うほど彼女が執着しているものに共通点を持たせてしまえば、兄の方に興味が向いてしまうのは当然の流れなのではないかと――だから少し慌てたようにぷるぷる首を振って「 んでもっ、にぃちゃんはいじわるやから。ぼくは……ピアノなんて高尚なもんからっきしやけど、リリーちゃんにわざといじわるしたりしやんしっ 」だからどうか弟を、ぼくの方を見て、頼って、信じて。幼稚な競争心はどこまでが、或いは全てが真実か、少なくとも蛇の双眸だけは兄に張り合うような勢いを宿してじぃっと彼女に目線を注いで)




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