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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1575


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自分のトピックを作る
1086: ユギン [×]
2024-06-17 22:04:20



>レオ(>>1084)


ああ、……知ってるかなあ。
(話題転換の枕詞にはゆるり口角を上げて頭に角度をつけることで傾聴の姿勢を取り。問われた内容に答えようと口を開くも、初心な貴方が俗っぽい伝承に触れてきたとは思えず少し悩むように顎を擦って「 僕はね、インキュバスって言うんだよ 」夢の中に魅力的な姿で現れ蕩けるような戯れにいざなう夜の魔物。相手が無意識下に性的対象として魅力的だと感じる姿に変身する力を紹介するように自らの全身をぼんやりとした白い霧で覆う、それが晴れた時に一瞬貴方の前に現れたのは誰の姿だろうか。次のまばたきを終える頃には変身の力を解き「 山羊は悪魔の象徴でもあるんだ。ああでも、このお屋敷に住んでる悪魔のみんなには内緒にしてね 」人の心を惑わし誑かし籠絡する、本人にそんな気はなく崇高な導きを行使しているつもりでも悪魔の類であるという自覚はあるらしい。しかし少なからず悪魔兄弟には色**怪物と一緒にするなと怒られてしまうだろうと、そんな事を気にするでもなく朗らかにくすくすと笑って「 君の夢には――お邪魔出来なさそうだね 」閨の貴方はきっととても可愛らしい反応を見せてくれるだろうけれど。怪物の悪戯にしては悪趣味が過ぎる企みを察知したのか否か、竜の鱗が心做しか輝きを増した気がして。ゆったりとした態度で踵を返して扉に一歩近付き、またその慣性でくるり貴方へ向き直り「 あんまり長居するとラザロに誤解されてしまうかもしれないからね。僕の可愛い仔羊、導きが必要になったら呼んでおくれ 」呼び止められたのならば無論穏やかな表情でここへ留まり、去り際の挨拶を交わせたのならば怪物の姿は髪もトーガも全て黒い無数の蝶となり、やがて灰のようになって消え去ってゆくだろう)




1087: ハイネ [×]
2024-06-17 22:21:10



>グレン(>>1085)


毛繕いとはまた野蛮な。手入れですよ、俺の大事なコレクションのね
(人を人とも思わない傲岸不遜な怪物がこうも甲斐甲斐しく世話を焼く理由は只一つ、本当の貴方の姿を見ても自らの蒐集物として手元に残留させておくことを決めたから。貴方はそれを言葉端から感じ取れないほど鈍くはない筈だが、どこか思考回路に靄がかかったようにぼんやりとしている今夜のコレクションには特別にきちんと言葉にして伝えて。怪物にしては不自然なほど人間相手にてきぱきとコンディショナーを髪になじませ、また同じように目を閉じるように促してから濯ぎ終え「 さあ、お疲れ様でした 」冷たいか温いか判別のつかない手をトンと痩せた肩に置けば、一瞬にしてバスタブの湯は消え去り同時に髪も体も魔法の力で乾いて「 羽織りなさい。湯冷めは身体に毒でしょう 」ぽふり、上等な肌触りのバスローブを肩へと掛けて。最早空恐ろしいほど甘々な態度は今の貴方にとってどう捉えられるのだろうか、少なくとも怪物自身はそれを意に介さず手を差し出し「 歩けますか。それとも抱っこ? 」貴方が自らの足で歩くことを選ぶのならば手を取り歩を進めるだろうし、後者を選ぶなら浴室へ連れて来た際と同様の格好で抱き上げるだろう。どちらにしても行き先はひとつ、広い広い浴室から脱衣所を抜けて、複数の扉が並ぶ短い廊下の先――モノトーン調で統一された部屋の最奥に位置するのはキングサイズのベッド、どうやら怪物の寝室らしいそこに貴方を案内して「 今夜は俺の腕の中で眠りなさい 」視線を合わせるために貴方の顔をきちんと見て、平素より穏やかさの増した微笑と声でそう告げよう)




1088: レオ [×]
2024-06-18 02:01:08



>ユギン(>1086


……イン、キュバス。
(その名称はやはり馴染みが薄いらしい、耳慣れない単語を繰り返す様は鸚鵡の囀りに等しく、それでも何とか飲み込まんと口の中で何度か種属の名を転がす。それから彼の姿を覆う程の霧に瞠った目の先――凝らした向こうに葡萄色、それと紺碧色が見えた気がして。靄の晴れたそれをもっと確かめんと瞬いた次には、また山羊の二つ尾を携えた彼の姿。今の現象に思わず目元を指の背で擦って幻覚を疑った後、「悪魔……成る程。」補足されていく説明に、先程よりはまだ聞き覚えがあったか、多少腑に落ちた様子で頷く。その間に笑う彼の悪戯めいた台詞に反応を返すよりも早く、胸元に仕舞った“お守り”が熱を帯びた気がして、ぱっと其処を押さえた隙に彼は既に一歩遠ざかっていた。「……ああ。迷う事があれば、頼らせてもらおう。」また向き合った羊飼いと狩人。別れ際に放つ挨拶代わりのそれは言葉通りの意味しか無いが、彼はどう受け取っただろうか。何にせよ、また不可思議に姿を蝶へと解いて部屋を去る彼を見送った後、零れ落ちた深い吐息と共に、真後ろのベッドへと座り込む。静かになった空間で額を支えて俯き、思い出すのは彼とのやり取りで――「……そうか、」納得、というにはまだ戸惑いの大きい声が静寂を密かに割く。……山羊の彼に触れられてはっきり見えた、胸中の靄の形。「私は、ラザロでなければ――」“それ”は一度親しみや敬愛と填め込んだ感情で、確かにその名で収まる筈のもの。しかし整合が取れているようで、何か噛み合わないちぐはぐさも覚える“それ”についてぐるぐる囚われていれば、複雑に思考を回す事に不慣れな頭はあっという間に浮腫んだような熱さを持つ。主立って額の辺りと頬を支配していくその不快感に一度髪を掻き上げ、「……顔を洗ってこよう。」収拾の付かないそれに、その一言で一旦終止符を打ち。その後は一人きりの宣言に違わず洗面所にて顔に冷水を浴びせ、ひとまずの落ち着きを取り戻したその身をシーツの上へと転がした。)


***


……退き時のようだな。うむ、ここまで有り難う。
ミリアムの時とはまた違う収穫の多さではあったが…私からの 無礼の多さも目立ってしまったな。この場を借りて改めて詫びよう。
この段階で少なくとも、私はラザロ以外とのスキンシップは必要以上にはしなくなるだろう。無論、まだはっきりと感情の答えが出てはいない上、初日に告げた“もう少し誰かと話したい”という未練がある以上は、この先も暫くは他の怪物との交流も続けるつもりではあるが…話すというより、相談事の比率が少々増える可能性はあるな。

さて、ひとまずは一区切りだ。この次、特に支障がなければ最初のイベント、【九尾の神通力】といきたいが…正直、何の繋がりも無く、食の嗜好からも外れている私の部屋を、何も無しにギンハが訪れるとは考え難い。だから、私が退屈しのぎの話し相手を求めて手紙を書く――あまり読み書きに自信は無いが、そこは努力しよう。もしくは、偶々聞こえた物音の様子見にドアから顔を覗かせた所で鉢合わせ、という程度しか彼との縁を作る方法を思い付かない。…想像力に欠けた提案ですまないが、私から話したい事はこのくらいだ。後は君から何かあれば、それも取り入れさせてもらおう。

あとは……そうだ、もう一つ。近々、この屋敷にもう一人呼びたい者が居る。何でも、“愛したがりな貴族の少年”だそうだ。この彼も、私やニールほどでないにしろ…やはり癖は大いにあるとみていい。だから、此処の怪物達の嗜好に合うかは今一つ不安な面も多くてな……それでももし、この少年が扉を叩く夜が訪れた時には、彼がこの屋敷に拐われるに足る獲物かどうか、その目で見定めてほしい。
それでは、今度こそ失礼しよう。返事を待っている。




1089: グレン [×]
2024-06-18 08:05:24





>ハイネ( >1087


……そっか、
( 明確に彼の手元に未だ置いてもらえる、そう取って構わないだろう言葉を紡ぎ出されれば一瞬きょととした顔を浮かべるものの直ぐに緩く表情を崩し。再度そっか、と小さく口の中で呟く口元は見間違えよう無く口角が持ち上がっている事だろう。手際良くコンディショナーを施していく手付きはきっと蒐集癖のある彼の事、己の他にもコレクションと称し愛でていた人間が居るのか居た事があるのかのどちらかだろう。そう頭の中では理解しているのに、僅かながらモヤモヤとしたものが胸中で首を持ち上げるのは自分だけを見てくれればいいのに、そんな風に思い始めたからか。ぼう、とした思考を呼び戻したのは肩に触れた彼の手の感触。水気の取れた頭を軽く左右へと振り、そんな考えを吹き飛ばしながら 「 ありがとう 」 柔らかなバスローブの前を寄せて。「 歩くよ 」 先程の様に有無を言わさず抱き上げられたのであれば甘える様に身体を預けただろうが、選択肢を与えられたのなら当然の如く今の己が選ぶのは前者。肩にかけられたバスローブに腕を通し、差し出された手に片手を乗せて立ちあがろうとすれば目の前が揺れる感覚に顔を顰める事一瞬。そろそろと普段よりも幾らか鈍い動きで立ち上がり、然程遠くは無い道程を何度か躓きそうになりながらも自らの足で付いて行く事だろう。彼に連れられ辿り着いたのはシックに纏められた一室 「 …ハイネの部屋? 」 先程の煌びやかなバスルームとは一変、落ち着いた様相の室内だが何となく似たような雰囲気を感じ取り、ゆると首を傾げつつ確認を。普段よりも柔らかな表情と声色にぱち、と瞬きを一つ 「 ……でも、俺… 」 きっと悪夢で飛び起きるから。そう続けるつもりだった声は思う様に出てこず、やっと交わる様になった視線は僅かに斜め下へと逸らす事によって外れて。けれども素顔を見てからも側に置く事を厭わなかった彼から離れるという選択は己の中に存在せず、只々迷惑をかけるかも知れない、そんな思考が素直に受け入れる事を拒否しているだけに過ぎず。握ったままの手にぎゅっと力を込め 「 上手く寝付けないけど、それでもいい? 」 眉尻を下げ窺うように視線を持ち上げて金の瞳を見詰めようか )





1090: クォーヴ [×]
2024-06-18 20:12:26



>レオ(>>1088)


やあレオ、こちらこそ楽しい夜をありがとう。
ユギンは大らかだから何にも気にしていないよ、きっと。だから謝らないで。
そうだね、いよいよ小さくなった君に会える夜が近いと考えるととてもわくわくするよ。ギンハとの出会いだけれど、色々と考えてくれてありがとう。どちらも素敵だから、最初のロルを回しやすい方を選んでもらえると助かるよ。そうすればすぐにギンハが君の元を訪れるだろう。

おや、新しい演者を紹介してくれるのかい?それはとっても嬉しいな。コンセプトを聞くだけでどんな子が来てくれるのか興味を惹かれてしまうね…ふふ。お披露目してもらえる時を楽しみにしているよ。




1091: ハイネ [×]
2024-06-18 21:40:31



>グレン(>>1089)


(立ち眩みの類だろうか、どこか覚束ない足取りは横目で感じ取っていながらも貴方の選択を尊重するためか手は出さず、代わりに確認に対しては首肯と共に「 よく頑張って歩きましたね 」と甘い声で褒めればふわりと頭を撫でて。高貴なダークエルフの寝所にてその腕に包まれながら眠れるなんて一介の獲物には過分な僥倖だが、それに二つ返事ではなく剰え難色を示す貴方を急かすでもなくじっと見つめ「 俺の隣でもそうなるか、今夜試してご覧なさい 」より過密に密着することで濃く体温を感じる手のひらに自らも力を込め返しながらそっと目を伏せ微笑んで。淡く手を引いて導くようにして完璧にベッドメイキングされたその縁へと連れて行き、後は座るなり何なりと自由にしなさいと言わんばかりに手を離して「 すぐに戻りますから 」そう告げて今度は単身浴室に繋がる扉へと消えて。静かな寝室には額縁に入れられていくつかの絵が飾られている、幻想的な森林の風景画から黒と金と灰色で描かれた抽象画に似たものなどテイストは様々で。壁に取り付けられた棚にはそれこそ規則性のない蝶ネクタイやコサージュ等が並び、どれもこれもがモノトーン調の部屋に飾っておくにはあまりにカラーコーディネートという概念を無視したものばかり。数分して戻ってきた怪物は上等なサテン生地の黒いバスローブを纏い、普段三つ編みにされた黒髪は洗い髪とばかりに結われることなく垂らされて。貴方はどのように待っていたのだろう、部屋の中にきちんとその姿を見つけられたのならば自ら率先してベッドへと入り「 おいでなさい、 」と呼び掛けるだろう)




1092: グレン [×]
2024-06-18 22:38:47





>ハイネ ( >1091


( 甘い声も頭を撫でる手も、普段であれば満足気な笑みで受け取っただろうが、今の己では少し照れたような様子ではにかむ事ぐらいしか出来ず。でもでもだって、と言い始めればきっと終わりは無いのだろうが、それで一人部屋へと帰されてしまえばまた眠れぬ夜を繰り返すのは想像に易い。握り返された手と向けられる穏やかな表情に声を発する事無く首肯で返答を。整えられたベッドの側で握られていた手が離れれば追い縋るような視線を一瞬向けるも、浴室へと消える背中を引き止める事無く見送って。借りてきた猫のようにちょこんと大人しくベッドへと座り帰りを待つも慣れない室内では落ち着かないようで、何処かそわそわと視線を動かした後一枚の絵画で視線を止め。ふらふらとした足取りで近寄っていき見上げるそれは深い緑の中、一本の道が続く風景画。すうっと目を細め、見詰めている事数分程。いつの間にか戻ってきていたのであろう彼の声のした方へと目を向ければ視界に入るのは如何にも今から寝るところだと言わんばかりの彼の姿。髪を解いている見慣れぬ様子に数回瞬きを繰り返し 「 …髪下ろしてると雰囲気違うね 」 招かれるままにベッドへと近寄り、自分の場所はここだとばかりに彼の隣──身体が触れ合う程の距離に横たわれば、睡眠不足のせいか眠たげな瞳を向けて 「 ハイネ、ありがとう 」 礼の対象を定める事はせず緩い笑みと共に。彼が寝転がり、拒否をされないのであれば首元辺りに鼻先を埋める程近く、密着して微睡始めるつもりで )





1093: レオ [×]
2024-06-18 23:59:54



>クォーヴ(>1090


そうか、なら良いのだが。
…うむ、解った。それでは、手紙を書かせてもらおう。折角ミリアムに名を教わっているからな。ふむ、しかし……その、字が拙い事には目を瞑っておいてくれると助かる。

ああ。礼儀作法の整った少年でな、今は人前に出るのならと身なりを正している真っ最中のようだから、もう暫くは待っていてやってほしい。…だが、彼が扉を叩くのはそう遠い日でもないだろう。私も、彼を紹介出来る日を楽しみにしている。
それでは、私はこれにて下がる。互いに良い夜を過ごそう。


***


(山羊、もといインキュバスの彼と話した頃より、幾夜か眠った後。山に居た頃であれば生きる為に必要な作業や工程をこなす内に時は瞬く間と過ぎたが、此処ではそうもいかない。余るばかりの時間、部屋に閉じ籠もり過ごすには長過ぎて、ただ座っていては毎秒と感覚が鈍っていくような――「……退屈、か。」溜め息と共に零れ落ちた独り言。幾年ぶりに感じたのだろうその感情の解消に、顎に手を当て目を彷徨わせて、ほんの少しの思案。……頭に真っ先に浮かぶのはドラゴンの彼、それに連なって一つ目の彼女、そこから更にもう一転、「……ああ、そうだ。」記憶を辿り至ったとある怪物にほんの少し軽やかさを含んだ声を柔く響かせ、備え付けのペン、それに短冊と変わらぬ大きさの便箋を一枚手に取る。――“話、したい。君と。レオ”。相も変わらない幼いままの小さく丸い文字で、綴りの怪しい単語を数語並べた辿々しい手紙に、自身の名前を添えて。それを一回だけ折り畳みながら腰を上げ、作業中の使い魔の一匹へと歩み寄る。「君、少し構わないだろうか。」すっとしゃがみ込んで使い魔に目線を合わせ、「これを、ギンハという者の所へ届けてほしい。」手に持ったそれを目の前へ伸べ、簡潔に用件を。「…頼んだぞ。」手紙を託したその姿が消える直前にもう一言、期待を籠めた後押しを告げて見送った後。再び立ち上がってはまず、寝起きに乱れたまま放っていた髪に簡単に手櫛を通していく。続けて寝癖の解けたそれを項に纏めて結んだり、脱いでいた上着に袖を通したりと、来客を迎えるに当たって相応の身支度を整えつつ、呼んだその怪物の訪問を待った。)




1094: ハイネ [×]
2024-06-19 01:56:22



>グレン(>>1092)


今夜のグレンほど幸運な人間は屋敷中どこを探しても居ないでしょうね
(人権の保証されないこの異世界ではあくまでも人間は個室という名を借りた檻に囚われた生き餌であり、それを喰らう怪物とは到底対等に成り得ないのが常識。ましてや捕食者の自室を見つけることはおろか立ち入る事が出来る者は大変に稀有で、況んやその寝床にて同衾を許されるだなんてまさに空前絶後――ハイネの事を知る他の住人がその事実を知れば全員揃って驚くだろう。人前で解くことのない髪をさらりと指の背で持ち上げながら流し目を向けて「 俺の寝所に招かれた、史上初の人間なのですから 」そう事実だけを伝えては虚空で指を軽く振るって部屋の照明を落として。眠る時は真っ暗闇にしておく派だが、敢えて肩と肩の触れ合う距離ならば双方の表情が分かる程度の仄暗さに留めたのは悪夢を懸念する彼がしっかりと眠りに落ちるまでそのかんばせを見守っておくため。肩から肘で自重を、手のひらで頭を支える体勢を取ればきっとそこに暖かなもう一つの頭の重さも加わるのだろう「 おやすみなさい、俺のグレン 」額を隠す柔らかな前髪をそうっと除けて、顕にした形の良いそこへ触れるだけのキスを。悪夢に魘されず安らかに眠れますように、おまじない或いはそういった優しい魔法を行って、最初からそうすると決めていた通り完全に眠りに落ちてしまうまで見守り続けよう。次に貴方が目を覚ませば忙しい怪物は隣にいないだろうけれど、ベッドサイドには流れるような文字で“可愛いお寝坊さん、朝食は貴方の部屋に”との書き置き。浴室に繋がっている筈の扉には昨夜ハイネが開いたのと同じワープホールが用意されていて、そこをくぐればたちまち到着するだろう――荒れた痕跡はなくすっかり片付いた貴方の部屋に。その功労者である使い魔が、出来立ての食事と共に部屋の主の帰還を出迎えるだろう)




1095: クォーヴ / ギンハ [×]
2024-06-19 02:26:37



>レオ(>>1093)


はは、きちんと目を開いてしっかりと読ませてもらうよ。君の文字はとても可愛いから。
ああそうだ、気になっていた事が一つあって。全く不備でもなければ必須の情報でもない、只の興味なんだけれどね……レオは元いた世界ではどの辺りに住んでいたんだろうなって。僕達のイメージでは、レオは色素が薄めだし広大な自然と山に生きるって所から何となく北欧っぽいなーと思ってたんだ。ニールは喧騒の中に孤独を抱えた人々が行き交う都会――アメリカやイギリス辺りの、ちょっと治安の悪い所かな。いやごめんね、何となくふと考えてたってだけで…だからもし気が向いたら、物語の中で君達の故郷についても聞かせてもらえたら嬉しいなって、ただそれだけの事なんだ。
突然ごめんね、もちろん僕の方にお返事は不要だよ。まだ見ぬ彼のことも楽しみに待たせてもらうね。レオにとって刺激的な夜になりますように。


***


ギンハ:
(――カコォン、どこからか夜空に抜けるような鹿威しの音が響いてふっと瞼が持ち上がる。自らの趣味で作り上げ日常的に手入れをしている東洋文化をありありと顕現した庭園にて、いつの間にか微睡んでしまったらしい。好みの獲物も現れず、目新しい楽しみもなく、庭の手入れも今しがた終えたばかり。「 ……退屈じゃ 」胸中に倦んでいる無聊を僅かでも吐き出さんとしたその台詞は、奇しくも貴方と全く同じタイミングだったかもしれない。ふとそこへトコトコ駆けてきたのは子狐の姿をした自身の使い魔、口には何やら便箋を咥えている。新たな始まりの予感を敏く感じ取れば一層背筋がしゃんと伸び、催促するように手をくいくいと振って手中に招待状を収め「 ……フフ、愛いではないか 」浮かれたようににんまりと表情が緩むのは、幼さが全面に押し出されたそれの差出人もまた誰かから九尾の存在を紹介された幼子であるに違いないと誤解したため。“のう?”と機嫌よく使い魔に同意を求めて立ち上がる、何か言いたげな使い魔には目もくれない。まさに砂を噛むような日々に舞い込んだ僥倖、考える間も惜しく向かったのは貴方の部屋。コツ、と静かなノックにて来訪を報せて「 レオとやら、招待状を受け取った。ギンハ、ここに参ったぞ 」相手は初対面、ゆえに威厳を示すため凛とした声を張るも背中では豊かな九つの尾が待ち遠しそうにゆらゆらと揺れて。もし扉が開いて差出人の姿を視界に収めたのなら――露骨に表情は落胆に塗れ、尻尾たちも意気消沈とばかりにくたりと垂れるだろう。終いには「 ……幼子ではないではないか。紛らわしい文を寄越すな、全く 」と勝手な期待を裏切られたことを口に出し、手紙の主というより使い魔に対してぼやきを落とすだろう)




1096: グレン [×]
2024-06-19 07:32:34





>ハイネ ( >1094


……ほんとうに?
( 瞠目の後尋ね返したのは、この場で彼が嘘を吐く必要性も無いだろうが自身では嘘か真かの判断をつけかねた為。然程長くは無い期間ながらも舞台の上で生きていた人間、暗い中でもある程度の視界は得られるが室内の薄ぼんやりとした灯りは彼の心遣いだろうと言及する事はせず。彼の腕へとそっと頭を乗せて 「 おやすみ、ハイネ 」 額に触れる冷たい感触にくすくすと小さな笑い声を漏らすも、瞼を閉じれば時間をかける事無く眠りに落ちるはずで──昨日までの夢見の悪さが嘘のように安眠の後目を覚ませば隣に彼の姿は無いものの、不安感に襲われる事は無いのは言葉を尽くし甘やかしてくれた為か。ベッドサイドのメモに気が付けば、ゆると口角を持ち上げた後代わりに “ 昨日はありがとう。また近いうちに ” そう記したものをベッドの上、己が寝ていた辺りに置き彼からのメモ片手にワープホールを潜ろうか。辿り着いた先は片付けが終わり綺麗になった自室。テーブルの上に用意された食事は碌に固形物を摂取していなかった体でも摂りやすいもの。テーブル周辺にふよふよと留まっている蝶に手を伸ばし 「 …ありがとうね 」 指の背でそっと触れた後、席に着き食事を始めようか )

****


今夜の幕引きはこの辺りかなって事でお邪魔させてもらうよ。
今夜は、……うん。ハイネに物凄く甘やかしてもらっちゃったな。実のところを言うと、このまま捕食エンドに行くかも知れないなって思っていたのだけれど……ふふ、まさか部屋に招かれるなんて嬉しい誤算だったよ。
嗚呼、そうだ。ハイネに対してって大前提が付くんだけれど、この先望まれない限りは “ 僕 ” じゃなくて “ 俺 ” のまま話す事になると思う。勿論色んな僕を見せるって約束はあるから演じはするんだけれど……本性本音は隠さなくなるって言い方をしたら分かりやすいかな?どちらにしても、大差は無いはずなんだけどきっと今まで以上に嫉妬心とかを隠さなくなるし、子供っぽいところとか見せる事になるとは思う、かな。

さて、次はピアニストの娘の初日だね。念の為にだけれどプロフィールは >1041 に置いてあるよって残させて貰うね。お迎えは悪魔の兄弟のどちらでもお好きな方で迎えに行ってやってって言伝だけ残しておくね。





1097: クォーヴ / カナニト [×]
2024-06-19 09:18:17



>グレン(>>1096)


素敵な締めをありがとう、グレン。
僕も見ていて冷や冷やしたよ、今夜で君に会えなくなっちゃうかと思った。でも、ある意味ハイネは腹を括ったみたいだね。彼が人間を自分の部屋やベッドに入れるなんて……グレン、君は本当に凄い子だ。
うん、きっと素の君の方がハイネも可愛がりやすいんじゃないかな。だから願ったり叶ったりかも。…安定しているのかいつ崩れてもおかしくない危うさがあるのか分からない関係性だけれど、だからこそ毎晩を目一杯楽しんでいこうね。

あの可愛いピアニストさんに会えるんだね、ふふ…とっても楽しみだな。プロフィールの在処もありがとう。とっても悩んだけれど、今回は弟の方でお迎えに上がらせてもらおうかと思うんだ。勿論、交流中に何か違和感や指名替えがしたければ遠慮なく言ってね。
グレンに会えるのは暫く先かな、寂しいけれど元気にしているんだよ。


***


>リリー(>>1041)


カナニト:
(にいちゃんばっかりズルい、と。そんな鬱憤が溜まる近頃は今に始まった事ではない兄弟間の戯れに似た獲物の取り合いっこに負け続けている所為で。どんな魔法を張り巡らせているのか、はたまた兄の使い魔が自分のと比べて優秀なのか、かなりの高確率で新入りの獲物に粉をかけるのは兄に先手を取られてしまいがち。最初に遅れを取れば当然関係値の構築にもその分差が出るわけで、なんだかんだと兄が美味しい部分を掻っ攫っていく――メランコリックに溜め息を吐いた直後、カラスの使い魔が自らの肩に留まりカァと鳴いて。それは新入りが到着したという報せ、思いも寄らない嬉しいニュースにぱっと目を輝かせて立ち上がり“でかした!”と一本指で使い魔の頭を撫でて。「 よおし、今度はにぃちゃんに負けへんでえ 」嬉しそうに、或いは主人を応援するようにカアカアと鳴いて送り出してくれる使い魔を自室に置いて、早足で向かったのは件の新入りの部屋の前。まだどの怪物の気配も匂いもない事にほっと安堵して、柔らかいノックを三回。どんな反応が返ってくるだろう、神経を扉の向こうに集中させればどうやらこの場所を人間の世界と未だ勘違いしている様子――ああ、ぼくがきみの初めてや、と確認しては優越感に胸は満たされて「 こんばんわあ。ご免なぁ、きみの叔父さんちゃうくって 」ふにゃり、ほどけるような笑顔は大変人懐こく毒気のないもの。穏やかで朗らかな好青年然とした笑みを彩るのは異形の証たる角や尻尾等々のパーツで、鏃のついた細い尾をゆぅらゆぅら楽しそうに揺らしながら「 ぼくなあ、カナニトゆうねん。可愛いお嬢さん、きみの名前ももろていい?ほんでさ、よかったらお喋りしよお。色々と聞きたいこともあるやろし、ぼくもいーっぱいきみのこと知りたいからさあ 」種族に触れないのは相手がこのお屋敷の事に対して全くの無知で怪物に対する耐性もないと鑑みてのこと。萌え袖を口許に当てながらゆら、ゆらと身体を揺らして、ちろりと部屋の中を見ては“あかん?”と付け足しじぃっと見つめて)




1098: グレン / リリー・フリント [×]
2024-06-19 12:16:59





>クォーヴ ( >1097


ハイネが思い直してくれたお陰でなんとかね。そう、かな。僕は何もしていないはずだよ。
僕も気を抜ける相手がいるっていうだけでだいぶ落ち着くだろうし、それで甘やかしてくれるなら万々歳だ。きっと崩れるのは積み上げてきた時間よりも一瞬の事だと思うし、そうなるまでに沢山の僕を残しておかなきゃね。

お迎えありがとう。きっと見た目的な年齢の近い弟くんの方があの娘も話しやすいだろうし、その分状況の理解も早くなると思うよ。それはこちらこそだよ。何か違うなって思うところがあれば遠慮無く言ってやってくれて構わないからね。
そうだね、少なくともリーパーの日常イベントが終わるまでは僕はお休みかな。ありがとう、クォーヴも元気にしててね。

嗚呼、そうだ。今週中にあの殺人鬼の書いてた物語までの過去と、僕が三日間部屋に閉じこもっていた間に見ていた悪夢の過去を宝箱の方に仕舞いに行くつもりにしているよ。とだけ残して、こっちは何も無ければこのまま流して貰って構わないからね。


****


>カナニト


( 扉を開き視線を持ち上げれば見えるのは見慣れた姿と耳に入る聞き飽きた言葉──そう思っていたのだが扉の先に立つのは角に尻尾、見慣れぬものを身に付けた見た目的には恐らくそう歳が変わらぬだろう青年。聞き慣れない方言混じりの言葉も相俟って、ぱちくり大きな瞳を瞬かせる事数回。ゆらゆらと揺れる尾を視線だけで追うのはそれが作り物で、風で揺れているのだと確証を得たいから。彼の問い掛けから考えるに、どうやら私が誰なのかは知らないらしい。人前に立つ人間として知名度を気にする人種であれば憤怒したのだろうが己は全くの逆。扉を開けた際の驚きに強張った表情はどこへやら、穏やかな笑みを浮かべて 「 私、リリー・フリントって言うの。気軽にリリーって呼んでちょうだい? 」 ワンピースをつまんで持ち上げ、緩やかなカーテシーと共に。己の肩越しに室内をちらちらと見る彼につられて振り返り、そこで初めて元の自室で無い事に気付いた──否、意識が浮上した時から気付いてはいたのだが、勘違いだと思おうとしていた事実を知り眉尻を下げ 「 ……ええっと、私ここに居たのだけれど、私の部屋とは違っていて… 」 言葉で説明しようとしても中々に難しい事実に、どう言えば伝わるのかと首を捻り。それでも良いのなら、と室内への侵入を許すように半歩ほど身を避ければ彼が通ることの出来る程度の道が出来るはずで )





1099: カナニト [×]
2024-06-19 13:15:51



>リリー(>>1098)


これ気になる?こんお屋敷ではとくべつ珍しいもんでもないけど、
(予想していたよりもずっと可愛い少女の姿、それもどうやら過度に警戒心や恐怖心が強いタイプでもないらしく俄然都合が良い。嬉しそうにほくほくとした視線を向けるものの一向に噛み合わない相手のそれが尻尾に注がれていると気付けば首を捻って揺れる尾を見下ろしながらあっけらかんと。そんなものよりもっと関心を向けて欲しいものがある、だから尻尾は背中の裏に隠すようにして視界から消し去り「 リリーちゃん、かわええ名前。何遍も呼びたなる 」久しぶりに見つけた可憐な新入り、その名を知れたのも己が初めてという事実にまたしても甘い優越感を胸中で味わって「 あはっ、ちゃうちゃう!ここは正真正銘、リリーちゃんのお部屋やでえ 」突然のことに上手く状況説明が出来ないのは至極当たり前、そんな中でも一生懸命に言葉を紡ごうとする姿が可愛くて思わず笑って「 せやからぼくがさき入るんはむしろ失礼なんよ。ほら、入って入ってぇ 」だぼついた袖越しに両掌をトンと温かな肩に乗せては、そのままくるっと身体の向きを反転させ後ろからやさしぃく押すように入室を促し「 お邪魔しまあす 」彼女の背に続く形で部屋へと入りながら楽しさの滲む挨拶を。ささっと目敏く部屋を見回しては他の怪物の痕跡など一切目につかず、誰かが押し入った残り香もない。にんまりと緩みきってしまいそうな表情筋を微笑みの形に押し留めては内側から扉を閉じ「 リリーちゃんはほんまに来たばっかりなんやねえ。頭痛いとか、おなか減ったとか、のど渇いたとかない?ぼくはぬるめのココア飲もかなあ 」ちゃっかりとソファーにぽすり腰を落とし、カラスの使い魔をどこかから呼び出して用意をさせる。ココア、怪物には味も風味も感じられない人間のためだけの液体なんて好きではないけれど態々選んだのは少しでも可愛い新入りがリラックスするきっかけになればという打算。しっかりマグカップ2人分用意された内の片方を向かい合う位置に置けば「 はい、これはリリーちゃんの。 」のんびりと机に両手で頬杖をつけば穏やかな眼差しで見つめて)



1100: 執事長 [×]
2024-06-19 16:31:49



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1101: リリー・フリント [×]
2024-06-19 17:59:28





>カナニト ( >1099


珍しいものじゃないの?
( 目で追いかけていた尾を背の後ろへと隠されれば、ようやくこちらを向く蛇の眼のような紫の瞳と視線が交わり。こてり、首を傾げる姿は知らない事を隠そうともせず、アニメや漫画であれば頭上にクエスチョンマークが浮かび上がりそうな程。「 え、でも 」 本当に私の部屋じゃ無い。そう紡ぎ出そうとした声はウソを言っているようには見えない彼の様子に続く事は無く。全く見覚えのない部屋を自室だと言われる事や、肩に置かれた手が例え布越しだとしても体温を感じられない事、それにきっと風なんかでは無く彼の意思で動いている尻尾。そんな微弱な違和感が一つずつ降り積もっていく感覚を覚えながらも押されるままに室内へと。背後に立つ彼も完全に室内へと入れば扉の閉まる音がやけに大きく耳に届いた気がする。ここが自分の部屋だと言われても慣れない内装に落ち着かず、座る場所を探して視線を迷わせていれば耳に届く声。ソファに座る彼へと視線を向けて 「 …来たばっかり、って? 」 方言のせいだろうかどこか呑気さすら感じる言葉尻に僅かながら怪訝な表情を浮かべ。机の丁度彼と対面する位置に置かれたマグカップ。きっと警戒心の強い人間であれば座る位置を定められたと感じるのだろうが、ここまでの違和感を感じておきながらも警戒心なんてものは何処かへ置いてきたとばかりに、それでも本能的な警鐘は感じているのか椅子に浅く腰掛けて 「 ねぇ、カナニトくん。ここはどこなの?本当に私、全く理解が出来ないの 」 真正面から紫の双眸を見据えしっかりと紡ぎ出す言葉とは裏腹、声は不安がありありと滲み出すもので )





1102: レオ [×]
2024-06-19 19:46:17



>クォーヴ/ギンハ(>1095


(誰かを待ってそわそわと身動ぐ事も、随分と久しい。念には念を、胸ポケットに入った鱗の存在を布越しに掌で確認してもう一度顔を上げた矢先に、ノックと思わしき音、それに続く凛然とした声が耳に届いて、表情は嬉々と華やぐ。「ああ、今開ける。」それは勿論返す声色にも、扉に近寄る早足にも顕れて。「待たせてすまない。それと、来てくれて感謝、」急ぐ手で扉を開きつつ、その向こうに謝意を告げていた口は、彼を――白金の髪と真白の耳尾を確と捉えた瞬間に止まってしまった。「――綺麗、だな…」見開かれてから眩しげに細められる目、そして忘れた呼吸の後に零れ落ちた独り言には、澄みきった感嘆が溢れて。目の前の彼の態度や言葉さえ気に留められない程見入り、しかしはっと我に返って前のめりになった姿勢を正す。「…失礼した。君の毛並みが、今まで見たどの生き物よりも見事で、うっかり見惚れてしまった。」詫びと訳を伝える表情は努めて引き締めたつもりだが、来客の喜びも毛並みへの感心も抑え込めてはおらず、頬の色と寄れる視線がそれを正直に示す。「改めて、招待を受けてくれて感謝する。…一人で何もせずにいると、どうにも時間を持て余してしまってな。誰か呼ぼうかと考えた時に、ミリアムから聞いた君の事を思い出した。」咳払い一つで閑話休題。先程は途切れた謝意と、彼を呼んだ理由も朗々滑らかに告げ、「彼女は、私と君が少し似ていると言っていたが……いや、君の方が余程美しい。」名を出した彼女と紐付いた記憶も連ねて紡いで、そこに更に語彙足らずなりの称賛を重ねて満面に笑んだ後。「それで、ええと…君が良ければ話し相手になってもらいたいのだが…」また話を元のレールに戻し、手紙にも綴った頼み事を自らの口で反芻するが、その勢いは少し消沈している。何故なら――今頃になって漸く、対面した彼の尾や表情が明白に気落ちしている事に気付いたから。「……もしや、多忙の最中だっただろうか。それならば、無理に引き留める気は無いが。」些かずれた気遣いになったのは、すっかり聴き飛ばしてしまった彼の嗜好や心中を再度知る由が無い故。此方も面持ちは解り易く、この機を惜しむ色へと全面に曇らせながら、けれども大人しく彼からの返事を待った。)




1103: カナニト [×]
2024-06-19 20:55:22



>リリー(>>1101)


ああごめん。そうやんねえ、分からんよねえ
(嘘偽りなくここはリリー・フリントただその人だけのものなのだが、落ち着かなさそうにする様子にまたしても嗚呼可愛い、と思う。それは例えるなら蟻――そう、仲間たちと共に整然と列を成し自らの勤めを全うしていた所に、何者かにひょいと摘み上げられ独りぼっちで見知らぬ場所に放置されどうしたものかとあっちこっち戸惑うような、そしてそれを無邪気に上から眺める子供のような純粋ゆえに残酷な感情。悪魔の兄弟どちらもに通ずるそれをおくびにも出さず、靴を脱いでソファーの上でゆるく三角座りをしながらあくまでも相手に寄り添うようにしゅんと眉を下げて「 ここはなあ、黒薔薇のお屋敷っちゅう所。リリーちゃんがもともとおった世界とはぜんっぜん別もんで、おひさまの代わりにずーっとお月さまが出てる世界。そんで、リリーちゃんはここに招かれてきた特別な子ぉなんよ。しゃあから、今夜からはこのお部屋がリリーちゃんのおうち。一日三食おやつ付きやし、さっきみたいなちっこいのんが身の回りのお世話はなぁんでもやってくれるんよ 」人は分からないから不安になる、と聞く。目の前の少女の声にも同じ感情がそっくり反映されていて、なら少しでも不安要素を取り除こうと丁寧に説明を連ねて、程よいぬるさの無味乾燥な液体をくぴ、と一口。肝心な部分には未だ触れずに、ここまではわかった?と問い掛けるように美しい宝石を彷彿させる水色の双眸を見つめて)




1104: ギンハ [×]
2024-06-19 21:15:11



>レオ(>>1102)


(招待状の差出人が期待外れな属性の獲物と判明した今、ここに留まる義理もない。感謝は無用、蜻蛉返りじゃ――そう台詞を紡ごうとして喉まで出掛かったそれが空気を震わすことがなかったのは、九尾のもうひとつの大好物を図らずも与えられたからで。眼前の相手は確実に疾うの昔に元服を迎えているであろう成年だが、にしては直球過ぎる言の葉の数々はどこか純真無垢な幼気さを感じさせて、どん底まで落ちたテンションがじわじわと再燃するように九つの尻尾もゆら、ゆらと持ち上がり始め「 …ほう、ミリアムとな。思えばそなたからは複数交じった匂いがするのう――――たわけ、吾(あ)の方が美しいなど至極当然であろう 」挙がった名前は特段親しい間柄ではないものの悪い印象もない怪物。少年ではないのに不思議と興味を引かれ始めてまじまじと姿を眺めている途中に複数の存在が嗅覚に訴えればどうやら住人たちに可愛がられている獲物であろうことに察しを付け、結びにはカッと叱責するように言えばふんと鼻息を吐き出し。「 ――よかったのう、今宵の吾の時間が空いていて。普段ならばそなたのような男臭く育ちきった獲物など相手にせんのだからな。それで、何を話したいのだ。退屈な話題であれば承知せぬ、そなたを小鼠にでも変えてくれるわ 」礼節を弁えた態度は内心で大変評価しており、だからこそ遠回し且つ棘のある言い方ではあるが暫し相手に付き合う意志を表明して。しかし退屈を慰めるために退屈な話題を聴くなど耐えられないとばかりに脅迫を添えて、未だ閃いていない神通力の他の使い途は“退屈”というキーワードにて発現するだろうか)




1105: リリー・フリント [×]
2024-06-19 21:41:51





>カナニト ( >1103


( 悪意に晒されてはきたものの人を疑う事を知らず、単純な頭の作りをしている少女はそれが演技かも知れないだなんて考える事は無く、目の前で眉を下げ叱られた子供のような仕草を見せる彼に安心感にも似た感情を覚えるのは、それが気持ちに寄り添ってくれているように感じられた為。彼の口から出てきた言葉をなぞるように、口の中で何度かキーワードになりそうな言葉を呟くこと数分、漸く気がついたような怪訝な声はきっと彼の耳にも届くだろうか 「 元いた世界とは全く別の世界…? 」 音楽にばかり傾倒していたから己の頭が足りていないのだろうか、到底理解が及ばず挙句そんな風に疑ってしまう言葉の羅列に顔を顰めて。単語としては理解をしているのだが、それが文章として頭の中で組み立てる事が出来ない。もし彼が言っている事が作り話などでは無く本当の事なのだとしたら。生活に対する未練は全くもって無いものの、唯一諦めきれないものへと思考が働く。膝の上に乗せた指の先に無意識のうちに力が籠ってしまいワンピースに皺が寄る。ゆらゆらと揺れる瞳で真正面から見据え 「 ……元のお家には帰れない、この認識で間違っていないかしら 」 紡ぎ出した声はその細さからどこか頼りなさはあるものの理解が追い付いて仕舞えば覚悟が決まったも同然。細い溜息の後に「 ねえ、カナニトくん。このお屋敷にはピアノを弾ける場所はある? 」 次ぐ質問へは先程までの不安気な様子はどこへやら、ゆるりとした微笑みを浮かべて小首を傾げて見せ )





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