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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1582


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自分のトピックを作る
1447: 秋天 [×]
2024-08-30 19:46:15


>クォーヴ ( >>1441 )

( まるで僕の声に応えるように鳴いてみせた1匹のコウモリに目を見開く。言ってることがわかったの?そんな当然の疑問が浮かび上がるも、この屋敷の生き物は人語くらい解してもおかしくないかとすぐに思い直して。──黒薔薇のお屋敷。その言葉に顔を上げると、確かにこの屋敷の窓がどれも黒い花と不気味な蔦に覆い隠されてることに今頃気付いて眉をひそめる。中の者を外へ出さず、外の者を中へ入れないために存在しているような薔薇の格子。僕の目にはその重厚な閉塞感がこの屋敷を強く束縛しているように映った。「確かに黒薔薇のお屋敷だ。外から見てみたいな。だめ?」そんなふうにおねだりしつつ、刻んだ野菜を火にかける。同時進行で煮込んでいたコンソメスープの黄金色が食欲をそそり、久々の自炊の割にはクオリティの高い夕飯にありつけそうだと笑みが溢れた。続く彼の言葉に首を傾げると「クォーヴの正体?魔法使いでしょ……?」さも当然のように問い返し、それがなんなのかと言いたげな顔で視線を上げる。クォーヴはいつの間にか僕の隣に立っていて、それに気付なかったことに小さく驚いた。いやに静かな空間でシチューがぽこぽこと音を立て、厨房に優しい香りがあふれ出す。団欒の匂いは母と囲んだ食卓の記憶を無神経に呼び起こし、取り戻せないその風景に手が止まった。全部忘れてしまえたら楽なのに。温かな思い出を不自然な咳払いで振り切りつつ、できもしないことを考える。鈍った手付きを誤魔化すように調理を再開すると、「違うの?」と改めて質問を重ねて。 )



1448: グレン [×]
2024-08-30 19:56:17





>ハイネ( >1445


心外だな。俺にだって独占欲と不信感の見分けくらいはつくよ。
( むすりとした表情はそのままに、まるで予想外だとでも言いたげな様子の彼にじとりとした視線を向ける。以前クローゼットに大事に仕舞ってある衣類を彼が持って来てくれた夜のように、純粋な独占欲や嫉妬心の類であれば悦びを隠す事なく昇華させていたのだろうが今宵の其れは如何にも不純物質が織り混ざっている気がしてならず。元より愛情に飢えているとは言っても不特定多数の薄っぺらなものよりただ一人から注がれる重たいものの方が心地が良い。それに加えて例え誰かから彼と同じだけの物を与えられたとて、その誰かと彼を比較した後にハイネだったら…そんな風に考えてしまう未来が予想出来てしまう程に絆されてしまっているのだから。己を信用していないのか、それとも住人のことか。紡ぎ出される言葉に不満感は募っていくも、覆い被さるように抱き締められれば数回瞬いて 「 俺はハイネのもの、でしょ? 」 身体を包み込むこの冷たい体温を心地良いと感じるのも、閉鎖的な空間に二人で居て安心をするのも、姿が見えなくて不安感に押し潰されそうなのも、その全て相手が彼だからなんて事を肉声として紡ぎ出す事はせずに身を擦り寄せ 「 ハイネが手放すまで離れないって、さっき誓ったばっかだと思うんだけど 」 抱き竦める体温に不満気な顔は次第に緩和されていくものの、どうせ見えていないのだからと声にはたっぷりと不満の色を乗せて。もぞりと動き額を合わせるようにして視線を交え 「 それとも、もっと強く誓わないと俺が誰かに取られるかもって不安? 」 例えばハイネが手放す前に誰かの物になったら俺の全部をあげる、とか。普段ならあまり浮かべる事の無い不敵さの滲んだような笑みは多少なりとも己の本質を見違えた彼への意地悪も含めて。一、二分もすれば “ 冗談 ” なんて言葉と共に普段通りの様子へと戻るだろうが果たして )





1449: クォーヴ [×]
2024-08-31 10:31:16



>ニール(>>1446)


折角二人で来てるのに、水遊びするのが片方だけなんて寂しいでしょう?
(彼が感激するほど泉の水を冷たいと感じられないのは、文字通り死を顕現したような病的に白い足がそもそも低温だからなのだろう。人間と死神、埋めようのない種族の差異があるために同じ感覚を共有できない事に今更寂しさを感じはしないが、同じ体験を出来る機会にあってそれを放棄するのは寂しい。透き通った水を遊ばせる彼の爪先を穏やかな眼差しで眺めながら緩やかに流れる二人一緒の時間を味わうさなか、投じられた確かな一石に一瞬時が止まったような錯覚を覚えて「 ……ふふ。僕が食べたいのは―――― 」一度その瑞々しくも妖しい赤色の果実を受け取って、しかし手中のそれはまるで存在ごとどこかに飛ばされてしまうかのように頂点のヘタから下へ下へと消し去られる。それはまるで神が禁忌を冒した者を彼方へ追放するような所作、空っぽになった手で差し出されていた彼の手を捕まえて自らの口元にゆったりと引き寄せて「 君が僕だけのエデンの林檎ならいいのに 」真っ直ぐに目を見て、きっと様々な住人が取り合うであろう美味しそうな獲物に願っても仕様もない望みを穏やかに呟く。本来ならば捕食者が誘惑し獲物を追い詰める筈だが、正反対の倒錯感にざわりと黒煙が騒ぎ始める。近くの枝に留まり穏やかに囀っていた小鳥たちが複数の小さな羽音を立てて逃げるように飛び去ったのは、牙を隠していた捕食者が鎌首を擡げたからなのだろうか「 ごめんね、痛くはしてあげられない 」牙と爪で肉を切り裂くでも、皮膚を突き破り血を啜るでもなく、ただ手の甲に口付けて記憶を奪う際に痛覚は一切刺激されない。その条件が奏功する相手ばかりではないのだと、痛みを存在証明の一つに数える彼という奇特な獲物に出会って初めて知ったからこそ謝意を告げて――痛みの代わりに必ず流涙を促す死神の唇を彼の手の甲にそっと触れさせて。目線はじっと彼に合わせたまま、指定された記憶がきちんと彼の脳と心に存在するものだったからこそ口を伝って流れ込んでくる不可視のそれの味わいを噛み締めるように瞼を下ろして、ほんの十秒にも満たない間に緩やかに手の甲へ寄せていた顔を離し「 ああ…。いけない、もっとたくさん欲しくなってしまうね 」そのくらい美味しかったんだよ、そんな風に名残惜しそうな響きを持たせてふと彼に微笑みかけて)


***


矢継ぎ早にごめんね。宝箱に仕舞ってくれた十三番目の子との追いかけっこの記憶、大事に読ませてもらったよ。その報告だけ伝えておくね、僕が初めて食べる君の記憶に丁寧に味付けをしてくれて本当にありがとう。こちらにはお返事不要だよ、これからもよろしくね。




1450: クォーヴ [×]
2024-08-31 10:33:17



>秋天(>>1447)


折角お屋敷の外に出るなら、また今度ピクニックでもしようか
(黒薔薇による不気味な装飾を目にしてもそれを忌避するでなくむしろ鑑賞しようとするおねだりには緩やかに微笑を淡く深めて今夜ではないいつかに繋がるかもしれない約束の提案を。もし色良い返事が貰えたのならば次に話題とすべきは行き先で、いくつかの候補を思い浮かべながら「 チウは薔薇が好き? 」そう問い掛けて見つめた横顔には自炊に満足げな笑みが認められて、可愛らしいと反射的に感じれば彼の視線の移動によって目が合い「 ふふ、ならこのお屋敷の住人はみんな魔法使いということになるね 」勿論個体によって魔法に対する得手不得手があるものの、人間とは異なる魔の世界に生きる種族ゆえその力は大変身近なもの。そんなやんわりとした表現を彼より重ねられた質問に対する回答の代わりとして「 死神、って知ってるかな? 」人間からしてみれば空想世界の産物たる種族。このタイミングでそれを話題に挙げたことで、賢い彼ならば大凡の察しはついてしまうだろうが寧ろそれを期待するようにあくまでも隠すべきことではないといった調子で「 ふふ、暖かい香りがする 」自らの正体なぞ世間話の一角に過ぎず、だからこそ彼の作り出している料理の香りにも触れる。美味しそうな香り、と表現しないのは言わずもがな生きるための糧がふたりの間で異なるから)




1451: ハイネ [×]
2024-08-31 10:36:39



>グレン(>>1448)


(強敵たる他の怪物たちが絡む不愉快な仮定、その想像の先にきっと彼が言い放つだろう台詞を今ここで肉声として得てしまえば、何もかも杞憂だったと喉奥から低い笑いが零れ続けて。依然として彼の声色には不服がありありと乗せられているものの、特にそれが気にかからないのは自身が納得した今この応酬全てが茶番であると感じているから「 フフ、いいえ必要ありませんよ 」それ以上は無用と真正面から彼のそれに勝るとも劣らない無欠たる自信に溢れた笑みを返してから席を立ち「 少々長居をし過ぎました。俺を待っている次の品のところに行かなくては 」自身の髪、服の襟、今し方の触れ合いで乱れた身嗜みを次々にてきぱき整え、次の予定という他愛もない事実が彼にとっては心乱す意地悪と成りうると知っているからこそ先程のお返しと目線を向けないまま敢えて口に出し「 それでは俺のグレン、また会う夜まで御機嫌よう 」四分の一ほど飲み残した紅茶の片付けは当然使い魔に任せ、特段彼から引き留められる事がなければそのまま部屋を後にするだろう。さあ矮小で可愛い俺のコレクション、離れている間この崇高なダークエルフの事ばかり考えて、考えて、眠れぬ夜を過ごせば良い――そうすれば次の夜はまた甘やかし甲斐もあろうというもの。どこまでも手前勝手に愉しみながら品物を愛でることだけを考えるコレクターは、背中越しにどんな笑みを浮かべていただろうか)




1452: グレン [×]
2024-08-31 11:38:37





>ハイネ( >1451


( 自分以外のコレクションを匂わす発言に心が揺れるのはいつも通りなのだが、何処か凪いでいる部分もあるのは普段であれば見れないだろう彼の表情を今宵だけで多く見ることが出来たからか。身なりを整える彼の傍、ソファから起き上がりその様子をしっかりと視線で捉えつつ 「 なるべく早く会いに来てね 」 引き止める事はせずにあくまでも見送るスタンスなのは良い子でいよう、そんなリミッターを外しきれていない為か。扉が閉まり彼の姿が見えなくなるのを見届けてから、マグに半分程残る珈琲を飲み干して片付けを始めた蝶に 「 これもお願いして良いかな 」 なんて言葉を掛けてから立ち上がり向かうのは鉢植えの花が置かれた場所。本来ならば陽の光が当たる場所が良いのだろうが残念ながら夜が明けないこの屋敷では叶う訳のないもの。悩んだ末に背の高いテーブルを窓際へと運び、その上に飾るのは普通であればこんな場所に置くのだろうなんて思いから。伸び伸びと咲き誇るそれを見詰める表情は穏やかなもので。さて、次の逢瀬までに何かしらお礼の品を絞っておかなくては。けれど無い頭を必死に回転させるのは明日以降にしようか。珍しい彼の姿を見ることが出来たのだから今宵はよく眠れるはずだ、とばかりに軽く伸びをすればバスルームと消えて行くはずで )


****


今夜はこの辺りかなって事で失礼するよ。
色々と我儘を聞いてもらえたし、珍しいハイネの顔も見られたし僕的には物凄く満足出来る夜だったよ。君も同じ気持ちだと嬉しいな、なんてね。

さて、次は前に話していた通りシャルロットかジョネル、キルステンと話してみたいんだけれど順番を今少し悩んでいてね。というのもハイネが持って来てくれた花のお礼の相談も含めてしたいって気持ちが出て来てしまって……きっとハイネの好みを知ってるのはシャルロットやジョネルなんだろうけど、キルステンも相談に乗って一緒に頭を悩ましてくれそうだし…。もし君の方でおすすめがあれば教えてくれると嬉しいな。
嗚呼、もちろん誰に対してであっても部屋に呼ぶための手紙はきちんと書いて送るつもりにしているからその辺りは考慮しなくて大丈夫だよ。とだけ付け加えておこうかな。





1453: 秋天 [×]
2024-08-31 17:10:09


>クォーヴ ( >>1450 )

いいね。ボートとか乗りたいな、近くに池か湖があれば……
( ピクニックなんていつぶりだろう。魅力的なお誘いに破顔して、口からすらすらと要望が出る。彼からの問いかけにこくりと頷くと「植物全般好きだよ、見るのも育てるのもね。動物も好き。生き物が好きなんだと思う」と弾むようなテンポで答えて。続く彼の言葉にはぽかんとした表情を浮かべ、この屋敷には魔法を使える人がたくさんいるのかと驚愕する。その驚きを上回る非現実的な単語に手を止めると「死んだ人の、魂を狩る……」としどろもどろに"死神"のイメージを答えて。冷たい汗が背中を伝う。怖いことを聞かされる、と本能的に思ったが、聞きたくないとは思わなかった。繋いだ手の体温を思い出す。痩せた体躯に白い肌。違和感ならいくらでもあって、ただ僕が目を逸らしていただけのことだった。それを今になって咎められて、彼を優しい魔法使いだと思い込んでいた愚かな自分を滅多刺しにされたような心地がする。「クォーヴが……そうなの?」震える声でそう尋ねた。僕を見下ろす穏やかな両目を覗き込む。ああ、これがそうなのかと思った。この水色こそが死神の眼差しであるのかと。「……クォーヴはお腹空いてない?晩ご飯食べた?」やわらかな声色を変えない彼に合わせてこちらも努めて平然を保つ。止まっていた手を再度動かすとそんな質問を投げかけて。 )



1454: ニール・グレイ [×]
2024-08-31 17:57:46



>クォーヴ(>1449


(受け取られた建前の赤い果実は、彼によって何処かへと追いやられる。それに驚くことも無く、眼前の捕食者に囚われるのを受け入れるように、ほんのりと握り返す力を指に籠める。我先と飛び去る小鳥の羽音を後ろに見詰め合う瞳が願う声、それには沈黙の下ゆぅらり首を傾けて、妖しさを窺わせる微笑みを作るのみ。「…いいよ、大丈夫。」苦痛も自己証明と喰らう己の為と、態々告げてくれた一言。思わずふっと喜ぶ吐息が零れて、そのまま眦を弛ませ緩やかにかぶりを振った後、淡い青の瞳へ、己に触れる死神の唇へ、一瞬とも逸れぬ深紅の眼差しが一心に注がれて――ふと、視界がぼんやり滲む。それを正さんとぱたり瞬きをすれば、目尻から輪郭を伝う温い雫の感触。「っ…、……?」自分に何が起きたのか、理解出来ない。ただ頭が勝手に何かを惜しむように、心が何かを吐き出したように、意思を無視してぽろぽろと落ちる涙。その困惑は表情を忘れた相貌と、言葉も声も作り損ねた口のぎこちない空振りに。戸惑うばかりの意識を連れ戻してくれたのは、彼の声。「……ふふ、そっかぁ。」ようやっと、顔は“いつもの笑み”を象って彼と向き合う。「…でも、今夜はこれだけね。」これ以上無い褒め言葉に頬を色付かせながら、しかし果たされた約束に違いは無しと、くすくす悪戯な勿体振りを投げ返したかと思えば、未だ繋いだままの彼の手を今度は己が引き、「次は、そう――」白い手の甲に顔を寄せ、冷たい肌をそろりと柔く食んだ濡れた唇。…それは紛れもなく、死神の捕食を真似る所作。「――真っ白な世界で貴方と踊る夜に、ね。」只の戯れか、それとも何かの意図を持ってか。その底を読ませぬ無邪気を描いた懐っこい仔猫の笑顔を向けて、次なる契りを彼へ持ちかける。)




1455: ユギン [×]
2024-08-31 21:40:30



>グレン(>>1452)


やあ、僕の――いいや、ダークエルフの仔羊くん。確かに今夜の彼は珍しかったね、きっとその一面を引き出したのは君の力だと思うな。素敵な夜をありがとうね。
次のお話だけれど、相談相手という主旨ではまずシャルロットは後回しになるかなあ。彼女は自分を好きだと言ってくれる獲物になら協力を惜しまないだろうけど、だからこそ自分よりもハイネの事を信頼している獲物の相談にはすっかり拗ねちゃって積極的に乗ってくれないと思うんだ。残るはジョネルかキルステン、ハイネの好みに沿うものを考慮したお返しを探したいならジョネル、基準をハイネの好みじゃなくて…何ていうのかな、独創的なものにしたいならキルステンかな。
もしこの情報で指名が決まったら、招待状を出してあげてくれるかい。ふふ、まだ見ぬ怪物との邂逅が楽しみだね。




1456: クォーヴ [×]
2024-08-31 21:42:48



>秋天(>>1453)


丁度、とても広くて紅くて綺麗な湖があるよ。水上でおやつを食べようか
(彼が乗り気であることは表情や言動からしっかりと伝わって、そのリクエストに応えられる事を喜ぶように死神もまたにっこりと目を緩やかな弧の形に垂らして微笑んで。湖の畔には手漕ぎボートがあった筈、それを使って澄んだ湖上でのピクニックを提案し「 そう、良かった。それじゃあ今度、薔薇庭園を案内したいな 」この屋敷で薔薇が嫌いとなれば大変気の毒な事だと懸念していたが、杞憂に終わった事にほっと安堵したようにまた未来への約束の種をひとつちゃっかりと忍ばせて。それから、動物が好きだと得た情報に応ずるように「 …狐、狼、蛇、ライオン、翼の生えた大きな蜥蜴。君が望むなら僕から紹介しておくよ。狐とライオンとは特に親しいから、きっと君にも良くしてくれるんじゃないかな 」動物、そう呼ばわっては憤慨する者も多少含まれているものの現時点では彼に分かりやすい表現を選びながら彼らもまた死神と同じこの屋敷に住まう“魔法使い”なのだと示唆して「 そう。よく知ってるね 」ステレオタイプなイメージは蓋しどう足掻いても否定しようのない内容。しかし不都合はないとばかりに変わらぬ微笑を凪がせて「 魂は、最期の最後。僕らが食べるのは、君の記憶だよ 」“クォーヴは何を食べるの?”数刻前の問い掛けに対する明確な回答を渡すことで自身が死神であると言外に告げる。この屋敷では珍しい部類に入る真っ黒な双眸を空恐ろしいほど害意のない穏やかな眼差しで見つめながら、途端に自身の空腹状態を気にする彼の可愛らしさに思わず“ あはは、 ”と珍しく控えめながらも口を開けて快活に笑って「 怖がらないで、チウ。僕はお腹いっぱいだよ 」安心を導くための言葉は、彼の知らぬ所で一人の人間が死神の腹を満たした事を意味する。しかしそれを隠す素振りもないのは自身にとってそれが日常生活の一場面に過ぎない事だから――そう、自分の命を明日に繋ぐためにラム肉を切り刻む彼と同じ)




1457: クォーヴ [×]
2024-08-31 21:48:51



>ニール(>>1454)


どんな記憶を僕にくれたか、思い出せる?
(優しげな微笑みのままに不可能だと分かっていながら問い掛けるのは、記憶を喰われるとはそういう事だと彼にはしっかりと理解しておいて欲しかったから。きっと記憶の棚を探ることすら出来ないだろう、獲物にとって死神に記憶を捧げるとは即ち最初からその記憶が存在しなかった事になるのと同義なのだから「 ありがとう、ニール 」だからこそ、甘美な糧を与えてくれた彼に心からの感謝を。言葉だけでなく行動でも伝えようとしてハグをするために身動いだ刹那、彼に手を引き寄せられてはぴたりと動きを止めてされるがままに深紅を見つめ「 次…? 」ざわり、またしても黒煙が質量を増して死神の背後に控える近衛兵のように膨れ上がる。それは主を守るための力ではなく、ただ獲物を捕えるための力。ああ、彼の唇が触れている箇所が燃えるように熱い「 次は、途中で止めてあげられないよ 」捕食者とは思えないほど静穏な微笑みは逆に空恐ろしい程の透明な凄みを内包する、もしそれを受け入れるならば彼にとっては死刑宣告であると同義。漆黒に囲まれたクリアブルーの奥、確かに渦巻くのはこれまで見せた事のない熱烈なまでに叫ぶような“君が欲しい”という純烈な欲望一色で「 用意ができたら、僕から招待状を送るね。少し時間が掛かってしまうだろうけど…ニールとの約束だもの、必ず守るよ 」彼に取られたままであろう手をゆっくりと反転させ手の甲を下に、そのまま死神と比べれば随分温かであろう頬にそっと添わせて「 だから、誰にも食べられないでね 」不思議とその声色に乞い願うような響きを持たないのは、賢い彼ならばきっと無事で居るだろうと思っているからだろうか「 僕に白銀の夜を独り占めさせないで 」泉の水面を反射した月光を吸い込んでしまうような内側から発光する煌めきを持つ眼差しでじっと見つめて)




1458: グレン [×]
2024-08-31 22:19:06





>ユギン( >1455


そうだと嬉しいんだけど、僕の力なんて微々たる物だと思うよ。
ふむふむ……きっとハイネの好みに合わない物を贈っても喜びはしてくれるだろうけれど、僕の優柔不断さは知られているはずだから今回は好みに沿う方向で考えようかな。て事でジョネルに手紙を送らせて貰ったけれど、いつもの事ながら繋げにくいとか何かあれば遠慮無く言ってね。
こちらは何事も無ければ返信不要だよ。いつかユギンに会える夜が来るのも楽しみにしているね。


****


>ジョネル


( 先日ダークエルフが鉢植えを贈り物として置いていった夜から幾夜経っただろうか。あの翌日から頭を悩ませているのは贈り物に対するお返しの品の事なのだが、一向に決まる気配すらないのは単純にこの摩訶不思議な世界の事を未だよく知らない事が原因か、はたまた別のことが原因なのか。そのどちらにせよ誰かに相談をしたいと思い始めたのは二日程前のこと。こんな時に頼りに出来る怪物は今現在頭を悩ませている原因の当人しか思い浮かばず、屋敷の中での自身の交友関係の狭さに思わず苦笑が漏れる。そんな折にふと頭に過ったのは先日彼が親しい間柄だと名前を挙げていた二名。確かジョネルとシャルロットだと言っていたはず。二人のうちどちらが相談するに適しているかなんて分かるはずも無いのだが、己の知らぬ彼の話を聞けるやも知れないなんて淡い期待を抱きながら向かうのは物書机。便箋なんて洒落た物はない上に、特段文字が綺麗な訳でもない自覚もある。どちらかと言えば文を綴る事自体に苦手意識はあるものの、この屋敷で何も言わずに自室を訪れる可能性があるのはきっと自身をコレクションだと呼ぶ相手だけ。手にしたペンをゆっくりと紙の上に走らせて 『 こんばんは、初めまして。ハイネの事で相談があるのだけれど、時間があれば僕の部屋まで来てくれると嬉しいな 』 文の最後には署名も忘れず、普段よりもやや丁寧に時間を掛けて書き上げたのは初対面の相手に対する自身を良く見せなければという意識故。手紙を書き終える前から視線を上げた先に待つ蝶に 「 これをジョネルのところまで届けて欲しいんだ 」 と手渡し、飛び去る姿を見届けてから身支度へと移ろうか )





1459: ジョネル [×]
2024-08-31 23:50:00



>グレン(>>1458)


(それは退屈凌ぎにコミックでもと図書室に向かって口笛を拭きながら廊下を闊歩している時のこと。ちり、と鈴の鳴るような清廉な音が聴こえた気がして、思わず「 ハイネ? 」と声に出しながら振り返ったのはそれが友人の使い魔の翅音だと知っていたから。しかし背後には彼の姿はなく蝶だけが浮遊しており、ふよふよと自身の周囲に浮かせた手紙に気付けば「 なんだろ 」全く心当たりのないそれを訝しがりながらも受け取って、中を検める内に曇った表情はみるみると晴れ間を見せ「 …いーじゃん。こっちの方が面白そう 」くるり、踵を返したその勢いのまま黒煙のコートの裾が自らの足元に巻き付いていき、やがて廊下には小さな蝶が一匹残されるのみとなって。黒煙の中から顕現したのは彼の部屋の扉の前、陽気さのありありと表れるリズミカルなノックの後「 グレンの部屋で合ってるよね?ジョネル、只今見参っ 」相手の懐にするすると入り込んでしまうような人懐っこさのある明るく緩い語り口調ながら、最後の一節は誰かの真似をするように態とらしい低い声を演出して。もし彼が扉を開けてくれたのなら得意げな顔を浮かべて、閉まったままなら表情はそのままに「 今の挨拶渋いっしょ?最近ハマってるかなーりマニアックな漫画の台詞なんだよねー 」彼の事を知己として話しかけるようなまるで初対面らしさを感じさせない雰囲気を纏いながら、閑話休題とばかりに小さく咳払いをして「 ハイネの事で相談?って書いてたけどさ、なんでおれの事頼ってくれたの? 」手紙を受け取った時から感じていた些細な疑問を特に他意なく問い掛けて)




1460: 執事長 [×]
2024-08-31 23:51:49



>新規住人(ラミア♀)を追加しました!
 【https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/monsters


>ご新規様・常連様・お試しの方等々、演者様を募集中です[ 今夜の案内役:ラザロ ]


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1461: ニール・グレイ [×]
2024-09-01 08:05:27



>クォーヴ(>1457


(零れ落ちた涙も止まる頃。問う言葉に頭を捻り答えかけて、「どんな…?それは、」口はそのまま固まる。連綿と想い出を手繰る指が急に虚ろを空振り、闇に迷った為だ。忘却の穴が空いているとも違う、そもそも“初めから持っていない”という、奇妙に記憶を均されたような。彼から離れた五指が自らの白髪をくしゃり握り乱して、「……ああ、思い出せない、」しかしそれこそが彼に己を捧げた確かな証左と、嘆くような言葉は全く正反対の喜悦を含んで、歪に蕩ける蛇の笑顔が表情を染めている。「っ……!」長閑な彼の微笑みと声、だが其処に在るのは紛れも無い捕食者の貌。言葉以上に己を貫く眼差しに、背筋はぞくぞくと粟立ち全身を震わせる。それは恐怖でも不安でもなく、身を焼き尽くす程焦がれた光を見付けて爪先まで駆け抜ける高揚感がさせたもの。このまま今すぐ全てを、等と契りを打ち壊しかねない衝動にがちり鳴らされた牙を諌めたのは、顔を撫ぜたひんやりとした感触。「……うん、待ってる。」吐いた吐息は未だ夢見心地に酔いしれて熱っぽい。添えられる雪のような手を上から包むように捕らまえて頬を擦り寄せた後、今度はその掌に唇を押し当てて。「貴方が連れ出す白銀の世界を、良い子で待つから。」何もかも受け入れる言葉を綴るのは、終わりの十三階段へ踏み出す事と同義。けれど、それが何だというのか。欲しくて欲しくて堪らないものが絞首の縄の向こうに有るというのなら、喜んで駆け上がり輪に頭を潜らせる。ただ、それだけの事。「だから――」泉の煌めきを我が物に変え、湧き溢れる光を湛えた黒布のジルコンへ、思慕と呼ぶにはあまりにどろつく執着の瞳を向けて、「どうか貴方も、それまで誰も食べないで。」駄々を捏ねる子供の物言いでそんな我が儘を口にしながら、烈々とした懇願の牙を彼の薬指へと振り下ろす。)




1462: グレン [×]
2024-09-01 08:43:53





>ジョネル( >1459


( 着慣れた服に癖のない髪、鏡に映る目元に寝不足の印たる隈も浮かんでいない事を確認していれば耳に届くのは軽やか且つリズミカルなノック音。心当たりとすれば先程手紙を持って行くように蝶に頼んだ先の人物 「 嗚呼、ちょっと待ってね 」 ドレッサーの前に座したままでも鍵を口にすれば簡単に扉は開くのだろうが、それをしないのは気を抜いた表情や態度を表に表さないようにするため──無論それは彼が人喰いだからというよりも自身の弱い部分を見せないようにする目的で。左側の横髪をピンで軽く留めてから立ち上がり、向かう最中に聞こえた登場の挨拶へは “ ふふ ” と軽やかな笑い声を漏らし 「 ごめんね、娯楽の類には疎くって 」 事実元の世界にいた頃も最低限度の情報以外を入れる暇など無く、それが余計に王子様キャラを世間に印象付けていった節もある。扉の前に立てば、すうと息を吸い込んで 「 僕はハイネのものだよ 」 特段声を張る訳でもないが、きっと部屋の外まで聞こえるであろう声量で告げるのは錠前を開くための鍵。カチャリ、開く音が耳に届けば扉を開け 「 いらっしゃい、来てくれてありがとう 」 廊下に立つ姿は確かに初めましてなのだけれど、初めて会ったような気がしないのは人懐っこさの滲む口調が原因か。部屋へと招き入れるために道を開けようとしたところで届いた疑問へ “ うーん ” なんて悩む素振りを見せるも、直ぐにゆるりとした笑みを浮かべて見せては 「 この前の夜にハイネから友達だって聞いてたから、ってのは理由になるかな? 」 名指しで部屋に呼べる程の交友関係が己にある訳もなく、彼が疑問に思うのも尤もの事 「 恥ずかしいんだけど、この屋敷に来て言葉を交わした事があるのがハイネとミゲルだけでね 」 きっとその先は言わずとも伝わるだろうと視線を持ち上げて。微かに首を傾けて見せるのはこれで先程の問いの答えになったかどうかを確かめるため。彼の中の疑問が解消されていたのであれば満足そうな表情を浮かべるだろうし、そうでないなら頭を悩ませながらも言葉を紡ぐだろう。どちらにしても一先ずは室内へと招き入れるつもりで )





1463: 秋天 [×]
2024-09-01 10:56:41


>クォーヴ ( >>1456 )

紅い湖?楽しみだな……
( 想像もつかない未知の場所に心が踊り、噛みしめるようしみじみと呟いて。生まれ育った島国の国花である非常にポピュラーなその花の庭園と聞くと、パッと表情を明るくして「そんな場所まであるの?子供の頃ぶりだなあ。寒くなる前に行きたいね」と喜びを隠さず返事をした。今咲いている品種は何があるかな、なんて思考しながら続く彼の話に耳を傾ける。およそ一般家庭ではお目にかかれない動物のラインナップに小さく苦笑し、きっと僕の想像する姿形のそれではないのだろうなと思いつつ「ありがとう、クォーヴの友達は個性的だね。もしかしてみんなこのお屋敷に住んでいるの?」と質問をして。
──よく知ってるね。新しく得た知識を決まって母にひけらかしていた幼い僕を、勉強熱心な良い子だと褒めてくれたあたたかい記憶がふと蘇る。僕の型にはまったような回答を彼は決して否定せず、知らなかった事実を微笑みとともに授けた。"僕らは君の記憶を食べる"。"怖がらないで、僕はお腹いっぱいだよ"……。死神は楽しそうに笑っていた。煮えた鍋の火を震える手で止め蓋をする。じわりと涙の滲む感覚がした。だって、こんなこと信じられるだろうか?僕に無償の親切を差し出したその口その舌の根も乾かぬ内に、彼は僕の記憶を食べるのだとのたまった。僕は今日この身に降り掛かった母の死が間違いなく人生一つらいことで、忘れてしまえたら楽なのにとは思ったが、いざその方法を提示されると情けないほどたじろいでしまう。忘れたいことを忘れて生きるのは残酷だ。彼はそのことに気付いているのだろうか。いてもいなくても、これまでそうしてきたようにたくさんの残酷を積み上げて生きていくに違いない。涙を流しながらも頭の中は案外冷静で、僕は目元を強くこすると一つ深呼吸をして彼へと向き直る。黒に蒼が浮かぶ不思議な双眸。その両目が僕を見下ろしている。この世界へ逃げてきた報いだと思った。僕が死んだとき、母の待つ天国に行けないのは嫌だ。きっとこれからの人生、生きているだけで苦しい瞬間が幾度も訪れるはずだから、死んだあとも苦しめられるのは嫌だった。「クォーヴに頼んだら、僕の魂をあたたかい場所へ連れて行ってくれる?そのときは僕の記憶全部、まるごとあなたにあげるから……」縋るように囁いて、死神の答えをじっと待った。 )



1464: クォーヴ [×]
2024-09-01 22:13:20



>ニール(>>1461)


(そう、それでいいんだよ、良い子だね。そんな死神の声が聞こえてきそうなほど何もかも受容するような微笑のままに数度ゆっくりと深く頷いて。もしかして、万が一彼ならばと心の片隅で僅かに期待していたこと――最後の約束を叶えたら記憶を喰らい尽くされ自分は黒薔薇へと変わってしまう事を知っても一切恐怖せず寧ろ悦に入るのではないかと――そんな、この屋敷で幾星霜の時を重ね数千数万の黒薔薇の屍を築いても巡り逢えるか分からない蕩けた笑顔を逆さまの双眸で捉えてしまってはもう止められず、考えるより先に溢れ出た魔力が制御を失ったように黒煙が彼へと飛び掛かり、このオアシスに二人のためだけの暗い帳を下ろすようにテントのような膜を張って「 …ごめんね。折角の景色を閉ざしちゃった 」いくら死神でもこの時は形ばかりの謝罪になってしまったと確信犯だった。何故なら自身が今、彼のことしか見えていないように、きっと反対もそうであると信じていたから「 ――――。ふふ…君から貰った力だけでどこまでやれるか、試してみるよ 」痛みの代わりに感じるのはこれ以上にない重くて粘ついた甘やかな誓約が結ばれた事に対する愉悦。更に言えばこの先に待ち受ける疑いようのない美食への大きな期待、最後に一振りする雪夜というスパイスをより芳醇なものにするために更に多くの材料、即ち獲物を魔法の糧としようと密かに計画していたからこそ見透かされたようにそれを封じられてしまえば困ったように微笑む。沈黙の後、もしかしたらこれが彼にとって最後の我儘に成りうるのかもしれないのだから出来る限り叶えようと思考はまとまり是を返して。「 だから、これも約束 」制御を失ったように見えた黒煙の一部が砂とも霧ともつかない粒子となって彼の薬指へと纏わりつく。それは肌に触れる感触のない半ば皮膚から浮かんでいるような不思議な材質で、けれど水に浸そうがどれだけ手を早く振ろうが約束が果たされるまでは絶対に彼から離れないであろう代物。ああ、きちんと淑女を――フェロメナをハイネへ返しておかなくちゃね、そんなお節介が思い浮かんでは声に乗せるのは無粋と断じて脳内に留めて)




1465: ジョネル [×]
2024-09-01 22:15:18



>グレン(>>1462)


……え。え?何、いまの台詞
(まだ見ぬ扉の向こうの応答から、かなりこの屋敷に慣れた獲物だなというのが率直な第一印象で。近頃忙しそうにしているハイネとは歓談の時間を設けられていなかったため彼がダークエルフの特別なお気に入りだとは知らないまま此処に来ており、だからこそ人前で聞かせるような内容ではない台詞を唐突に彼が吐いた事に一度キョトンとしてから遅れて頭いっぱいの疑問符を示し「 わーお。滅多にお目にかかれないイケメンだね、こりゃハイネが放っておかなさそうだ 」自身とさほど変わらない目線の位置にあったかんばせは万人が美丈夫と評するものだと感じて嫌味のない軽やかな調子でそれを表現して「 えーなになに、ハイネがおれのこと友達だって?ったくもうしょーがないんだから 」きっと高慢なダークエルフは日頃死神を友と認めるような言動行動を見せる事は少ないのだろう、だからこそ大変機嫌良さそうに白黒反転した双眸をにんまりと緩めて「 マジ?ミゲルに会えるなんてラッキーじゃん。いや、君かなり人当たり良さそうだし運ってよりかは君の力か 」交友の少なさを恥じるような彼にさっぱり理解できないとばかりに怪訝そうに首を傾げたのは、そもそも獲物にとって怪物は自分の命を奪うかもしれない存在なのだから出来る限り邂逅は少ない方がいいと思うのが普通ではないかと感じたから。ハイネに次いで挙げられた名前にはまた目を瞠って驚きを示しながら彼の誘導に従って部屋の中にお邪魔するだろう)




1466: クォーヴ [×]
2024-09-01 22:17:36



>秋天(>>1463)


この世界にはね、季節という概念は無いんだよ。お日様だって昇らない、空の支配者はずっとずっとあのお月様なんだ
(彼が攫われて来てしまったこの異界について説明をする良い機会とばかりに、全く以って生気も血の気もない真っ白な細い食指をピンと立てゆったりとしたテンポで講釈を。日光失くして立派な薔薇が咲くのだろうか、そんな当然の疑問も魔法の有り触れたこの屋敷では歯牙に掛ける価値のない事「 そうだよ、きっとみんなチウに興味津々さ 」列挙した動物、もとい怪物の所在について問われればこくり首肯しながら正解を返し、良くも悪くも彼を拒む者は挙げた中にはいないのだと付け加えて。「 ……? 」微笑のまま口を閉じて彼の様子を控えめに覗き込むようにして、彼が泣いている事に気付き「 チウ…、 」理由は分からなかったけれど、死神や他の怪物の事が恐ろしくてそうなったわけではないと明白な根拠は持たないながらも感じられて、泣き顔を見るのは至極辛そうな切ない声色で一度名を呼ぶ。そうすると再び彼が目を合わせてくれた、何となく決意に似た何かを宿していそうなその眼差しを変わらぬ微笑みでもって受け止め「 …チウにとって、あたたかい場所は何処?――もしかして、君を育ててくれたひとの所かな? 」答えは一つしかないのに、今の彼に何の緩衝材もなくそれをぶつけてしまう事は憚られて結果的に問を返す形となる。無論彼の口から養母の死を教えられたわけではなく、その胸中をテレパシーのように読み取れるわけでもなく、彼の心を大いに占めるものは育ての親であるのだと今しがた学んだばかりの情報を頼りに仮定を構築したに過ぎない)




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