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1463:
秋天 [×]
2024-09-01 10:56:41
>クォーヴ ( >>1456 )
紅い湖?楽しみだな……
( 想像もつかない未知の場所に心が踊り、噛みしめるようしみじみと呟いて。生まれ育った島国の国花である非常にポピュラーなその花の庭園と聞くと、パッと表情を明るくして「そんな場所まであるの?子供の頃ぶりだなあ。寒くなる前に行きたいね」と喜びを隠さず返事をした。今咲いている品種は何があるかな、なんて思考しながら続く彼の話に耳を傾ける。およそ一般家庭ではお目にかかれない動物のラインナップに小さく苦笑し、きっと僕の想像する姿形のそれではないのだろうなと思いつつ「ありがとう、クォーヴの友達は個性的だね。もしかしてみんなこのお屋敷に住んでいるの?」と質問をして。
──よく知ってるね。新しく得た知識を決まって母にひけらかしていた幼い僕を、勉強熱心な良い子だと褒めてくれたあたたかい記憶がふと蘇る。僕の型にはまったような回答を彼は決して否定せず、知らなかった事実を微笑みとともに授けた。"僕らは君の記憶を食べる"。"怖がらないで、僕はお腹いっぱいだよ"……。死神は楽しそうに笑っていた。煮えた鍋の火を震える手で止め蓋をする。じわりと涙の滲む感覚がした。だって、こんなこと信じられるだろうか?僕に無償の親切を差し出したその口その舌の根も乾かぬ内に、彼は僕の記憶を食べるのだとのたまった。僕は今日この身に降り掛かった母の死が間違いなく人生一つらいことで、忘れてしまえたら楽なのにとは思ったが、いざその方法を提示されると情けないほどたじろいでしまう。忘れたいことを忘れて生きるのは残酷だ。彼はそのことに気付いているのだろうか。いてもいなくても、これまでそうしてきたようにたくさんの残酷を積み上げて生きていくに違いない。涙を流しながらも頭の中は案外冷静で、僕は目元を強くこすると一つ深呼吸をして彼へと向き直る。黒に蒼が浮かぶ不思議な双眸。その両目が僕を見下ろしている。この世界へ逃げてきた報いだと思った。僕が死んだとき、母の待つ天国に行けないのは嫌だ。きっとこれからの人生、生きているだけで苦しい瞬間が幾度も訪れるはずだから、死んだあとも苦しめられるのは嫌だった。「クォーヴに頼んだら、僕の魂をあたたかい場所へ連れて行ってくれる?そのときは僕の記憶全部、まるごとあなたにあげるから……」縋るように囁いて、死神の答えをじっと待った。 )
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