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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1577


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自分のトピックを作る
946: ニール・グレイ [×]
2024-05-22 19:23:07



>クォーヴ(>942


そう、そっかぁ…
(目の前の死神も含む彼ら怪物は、永い永い時を過ごしているのだろう。読み取れたその一文と、“個性”の単語を飲み込めぬ釈然の不出来に、返す声には戸惑う音が滲む。しかし髪を柔く滑る感触に、目元は心地好さに細められて、自らそれを求め掌へと擦り寄る。――精霊ノッケンの、歌声のような。そんな、危ういと解っていても抗い難い甘く優しい言葉。弱気を被っていた言動は、吊り上がる口の端からひび割れて、「…お、上手ね、クォーヴ。」茶化した、つもりだろうか。紡いだその台詞は殻だけで、中身など欠片も在らず。空っぽの笑いが零れたその後に、表情は誘惑に惹かれて仄かに潤む。「……だめ、ダメ。いけない。俺を、呼んだひと。俺に、触れたひと、」回り始めた熱っぽい声には、焦った速度だけが押し込まれてちぐはぐに、さながらエラーを吐き出す機器が如く。「初めての、大事な、クォーヴ、」文にも成れず滅裂と散らばる言葉の中に、牙を堪えたその訳を。葛藤に再び唸りが洩れて、かちかち何度も主張を鳴らす牙を両手で押さえつけ一度髪を振り乱す。「…欲しい、欲しい。見えないなら、もっと、寂しくなる、のに、欲しくて、」押さえて尚、溢れる言葉。……唇に垂らされた蜜を、堪える事は叶わない。ゆっくりと、指の檻は滑り落ちて、露になる口許に、歪に大きく裂けた三日月が浮かぶ。「…クォーヴ。」何も映さない筈の目は瞳孔が見開かれて、隠せなくなった飢えと渇きが彼を獲物と捉え、炯々と貪欲な光を湛えてそちらを見つめている。――ふと、ソファーに置かれた両手が、ずるり座面を這い、触れた彼の身へ巻き付くようにじわじわと上っていく。「ひとくち、だけ。」一音一音発するだけで手一杯の、拙く途切れたねだり。是非など既に聞いておらず、ただ八重歯の尖る口を躊躇いがちに開いたまま、ゆらり頭を揺らしながら牙の標的を探し求めた。)




947: ミゲル [×]
2024-05-24 22:57:39



>グレン(>>945)


自分を食べちゃうかもしれない相手との縁も、大事…?
(どこか答えを気にするように、そわ、と指先が落ち着かなさげに開いては閉じて。肯定を返してもらえたのならば、それは怪物に他ならない自分との縁も貴重なものという意味と同義。他者に怯えながら他者に必要とされたい面倒な性分の幽霊は分かりやすく期待の色を乗せた視線でちろりと目を向けるだろう「 このお屋敷は、そういうひとを選ぶのかな 」安い価値で売買され誰に惜しまれるでもなく屠殺されるような鶏は調達係の使い魔に選ばれる事もないのだろう。目の前の貴方は紛れもなく鶏群の一鶴、つまり人知を超えた怪物の嗜好を満たすに足る或る意味異質な存在なのか、そう考えればハイネの寵愛を受けていることと貴方の異常性がすんなりと繋がって独り納得したように顎に手を当て。「 なんだ…そういう事か 」種明かしには勝手に期待をしておいて失礼なことにふっと息を吐くと同時に僅かに肩を落とし。これ、と紫に淡く輝く指輪を示されては「 ふぅん… 」どれどれ、と言わんばかりに少し身を乗り出して注目を。特段意識をしなかったこれまでとは異なり、明確な意志を以ってそれを注視して数秒、ぞわわと背中が粟立つ感覚を覚え「 っひ…! 」一瞬の間に目を瞠って歯を食い縛る恐怖の形相を見せれば脅威から身を守るように両手でキャスケットの端を掴んでぎゅっと目深に被り直して「 わかった、もういい、それだ、絶対それだ…… 」滑稽なことに、俯きながらきゅっと縮こまるその姿はまるでオバケを見た子供を彷彿とさせて「 ……呪いだよ、それ… 」うわ言のような、それでいて心から恐れるような少し震えをまとった声でぽつり落とした音は静かな部屋にやけに響くだろうか)




948: クォーヴ [×]
2024-05-24 23:17:59



>ニール(>>946)


(魂を刈る宿命に従事している時も、この屋敷へ永劫に囚われの身になってからも、ヒトがヒトでなくなる瞬間はそう頻繁にお目にかかれるものではない。死の間際に本性が出るというのは事実だが、平凡な人間の本性もまた記憶に留めておく価値もないほど退屈だった。だがどうだ、月明かりを受けて煌めく牙を持つ人面獣心の蛇の子は――黒煙の如くちらちらと揺らぐコートが、炎が燃え上がるように一瞬ぶわりと膨らんで「 ……綺麗だね、ニール 」それは心の底からの言葉。自分でも半ば肉声に乗せた事に気付いていないのかもしれない、そうして貴方が必死に衝動を堪える理由を断片的な言の葉から何となく拾い上げては思わず小さく笑いを零して「 ふふ、健気。偉いね、良い子だね… 」こちらから手を伸ばす事をしないのは、自ら引き寄せるのではなく貴方の決断、その意志で獣性に身を任せる姿こそ真に求めるものだから。手塩にかけて世話をした小さな花の蕾が今目の前でゆっくりと開花してゆくような、そんな神秘性さえ感じて「 …うん 」名を呼ばれては、目の見えない貴方の為に故意に優しく返事を。拒絶の恐怖を薙ぎ払い受容の大海原にいざなうような甘やかな声はその短い二音にぎゅっと濃縮されて「 おいで 」そう口にしたのは自身の身体を這い上がる手を受け入れ、そして余さずその牙も受け止めるという赦しに似た何かを貴方へ贈るため。ぷち、ぷちと自らのリネンシャツのボタンを外せば月明かりに透けて消えてしまいそうな白くしなやかな上体を晒して「 この“初めて”も、僕に頂戴 」屋敷で最初に貴方に触れた怪物、その栄誉にも飽き足らず更に欲する言葉を告げては貴方の髪を一度だけゆるりと撫でよう)




949: 執事長 [×]
2024-05-25 10:16:14



>ご新規様・常連様・お試しの方問わず、置きレスにてのんびりお相手様を募集中です[ 今夜の案内役:キルステン ]


>現在新たな住人(1名)を準備中


▼ 提供一覧 ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/monsters


▼ PF作成はこちら ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/welcome


▼ 世界観・ルール ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/world


▼ 大切な" お食事 "のメニュー ▼

◆ルシアン(>>19
◆ザカリー・アーバーン(>>93
◆レオ(>>147
◆ニール・グレイ(>>244
◆シャラメ(>>395
◇ミネルヴァ(>>489
◇プリケル(>>559
◆リーパー(>>576
◆グレン(>>644


▼ 現在のブックマーク(最長1ヶ月間保持) ▼

●ニール・グレイ × クォーヴ ⇒ 【 >>948
●グレン × ミゲル ⇒ 【 >>947


▼ 日常イベント ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/events


▼ 宝箱(https://www.saychat.jp/bbs/thread/646097/) ▼




950: 執事長 [×]
2024-05-25 10:18:39



>どのルートを選べばいいか分からず悩んでいらっしゃる方へご案内


【 ルートについての補足 】


>前提として
 ・どうしても選択肢を絞り切れない場合は、優先順位さえ明確であれば全てのルート分岐を視野に入れて交流することができます
 ・もしくは、ルートを" 選ばない "という選択も可能です。この場合、基本ルートである捕食ルートに進む方向性で物語が始まりますが、もちろん方向転換は可能です


>捕食ルート
 ・当トピの基本ルートです。物語中に特にアクションを起こさなければ、ほとんどの怪物は遅かれ早かれ貴方を捕食します
 ・捕食されそう!となっても、他ルートへ分岐するフラグを立てれば捕食を回避し、方向転換することが可能です
 

>恋愛ルート
 ・捕食ルートを希望しない場合は、こちらが基本ルートとなります
 ・恋愛ルートに限らず、提供との親睦を深める手段として、「怪物が人間界で唯一美味しいと感じるもの」についてのイベントを起こす事が有効です。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせを!


>隷属ルート
 ・捕食ルートとの共通点は、物語中で一度命を落とすという点
 ・捕食ルートとの相違点は、命を落とした後は使い魔に転生し、提供と交流が出来るという点
 ・恋愛的な意味では提供と結ばれませんが、同じ魔族として永久に共に過ごす事が出来ます


>共依存ルート
 ・恋愛ルートに歪みを加えてドロドロに煮詰めた、非常に濃厚なルートです
 ・達成にはとある怪物3匹の手助けが必要であり、エンド達成には積極的な行動力が不可欠です
 ・もちろん、物語の中でこちらから順次ヒントを散りばめていきますので、ある種RPGの様に楽しんでいただけるかもしれません


>秘密の共犯者ルート
 ・メリバ中のメリバルートです。基本的に黒薔薇屋敷に救いはなく、そのダークな側面に真っ向から立ち向かう勇気が必要です
 ・第三者から見れば身勝手な狂気も、一人と一匹にとっては焦がれるほど純粋な愛情。まさに恋は盲目を体現するルートとなるでしょう
 ・恋愛ルートをドロドロに煮詰めたうえ、その鍋の毒々しい中身を周囲へ容赦なくぶちまける、そんなイメージです


***


 以上、ルートについてのご不明点やご質問等ございましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。




951: ニール・グレイ [×]
2024-05-25 10:48:55



>クォーヴ(>948


(声が聞こえる。己の全てを包むように柔らかで、温かな、絹の如き甘い声が。たった三文字、誘うそれに彼の身を絡める腕は淡くも確かな力が籠もり、開いた唇は、纏うものの払われた肩へと緩やかに落ちる。髪を滑る感触に短い吐息が洩れた後、触れているそこに、齧り付く。――刹那。追憶への微酔いが瞳に滲み、夢見心地にうっとり溶けて伏せられて、「……ん、ぅ…」鼻に抜ける儚い声も同じく惚ける。肌へ立てた牙は、その一箇所だけに幾度もぐっと押し込んで、真っ新なそこに濃く深い印章を残してようやっと持ち上がった。くらり一瞬揺れた顔が彼を覗く位置へと擡げられ、まだ微酔いの余韻を残した目が、窺える筈も無い水色の虹彩を探して惑った数秒後、「――見えない。」さあっと、表情も声色も失せた呟きが零れ、頭は再び牙の痕跡の上に落下する。「見えない、見えない。貴方の瞳が、俺が、俺の痕、見えない、」ぶつぶつと譫言を紡ぐ音からは熱が冷えきった代わり、自らを絞めあげるような、拘泥とした仄昏い執着が。「……ない、俺が居ない、いない、いない…何処にも、俺が…っ、」それを見留めねば己を失うと、自分が消えてしまうと、承認欲求とは似て非なる“存在証明の希求”こそを、悲痛に、苦痛に叫び訴えて。彼を捕らえる指先が、白く染まるほどに強張る。「俺は何処、嫌、いや、こわい、」はらはらと瞳から流れる雫が、反して一つも動かないままの眦と頬を伝って譫言と彼を濡らし、「……“寂しい”。」その一言に、出尽くした煩悶と懊悩の何もかもを詰め込んで。「寂しい、よ。…クォーヴ。ねぇ、クォーヴ、俺を見て、」一度齧ったからこそ飢えを増したケダモノは、浅い呼吸で彼の名を何度も縋り呼び、一口だけと決めた筈のその牙を今度は首筋に向けんと、じわじわ唇を開いていく。)




952: クォーヴ [×]
2024-05-25 14:21:24



>ニール(>>951)


(肩にじくじくと疼くような熱を感じたのは決して痛覚の類ではなく、人が持つ体温とその吐息を間近に感じたため。噛みついた先が人肌だったのであれば赤く血が滲むのだろうが、死神のそれは圧力によって一時的に無色の痕が残るに留まる。噛み心地は極めて人肌に近いだろうが決定的に違うのは人の咬合力では決して傷一つつかないこと。その肩へ凭れ掛かる重さを受け止めながらいくつも吐き出される言葉を邪魔しないように沈黙を守り、そうして貴方は自らの噛み跡を自らの眼で捉えることによって自分が存在している実感を得ているのだろうとまたひとつ新たな気付きを得て「 ああ…ニール、 」なんて哀れで、なんて愛おしい。人にも怪物にも成り切れないその半生はきっと孤独と苦悩に満ちていたのだろうと容易に想像できれば労うように濡れた頬を撫で。首筋に狙いを定めた唇を拒むことはせず、むしろ受け入れるようにそっと頭を傾けて首を露わにしながらも、黒い靄のコートの裾をゆっくりと伸ばしては鏡合わせのように貴方の首へと巻き付け「 見えなくても、君がここに居ることを教えてあげる 」まさに真綿で首を絞めるが如く、黒煙はしかし質量を以ってゆるゆると真っ白なそこを絞め上げていき「 その窒息感も、きっと君の存在証明になるよ。味わって 」一貫して優しく甘い声はどこまでも貴方を本能の最果てに導くようで)




953: グレン [×]
2024-05-25 15:17:41





>ミゲル( >947


うん、僕にとってはね
( 期待を滲ませる問いに間を置く事無く肯定を返すのは、彼の望む回答をと考えた訳ではなく己にとってそれ以外の答えを出すという選択肢が浮かびすらしなかった為。少なからず自分は、その意を含ませたのはきっと求めているものが己と似ているゴーストが、小さなものだったとしてもきっと自身に興味を抱くだろうという撒き餌にも似た期待を込めて。「 どんな形であったとしても、求められたいって思ってしまうんだよね 」 薄く笑みを浮かべながら視線はぱっと見彼へと向けられているように感じるであろう場所へと向けられているも、過去の体験を思い出している為かどこか遠くを見つめているようで。「 どうだろう。ただ、僕が歪んでいるのは確かだろうね 」 屋敷が呼び寄せる基準なんて知った事では無いが、事実己が一般的な思考とかけ離れている事だけは理解している。底なしに求めてしまうこれがきっかけになったのならば、なんて考え込んでいては彼の落胆した様相に気がつく事は無く。覗き込むようにして彼が指輪を見詰め数秒、小さな悲鳴にも似た声に僅かに瞠目した後原因を察すれば眉尻を垂れさせ「 ごめんね、ミゲル。キミを怖がらせたかった訳じゃないんだ 」 一目見て怯えていると、そう思わない人はいないであろう程の様子を見せる彼に、しまったと思うのは対面してから今迄の間に自身をコレクションだとそう名言するダークエルフに対する恐怖心を見せていたにも関わらず軽率に指輪を差し出してしまったから。差し出さずとも尋ねる事は出来たのに、そう反省しながら左手は背の後ろに持っていき彼の視界に入らないように。椅子から立ち上がり中腰の状態で右手を彼の方へと伸ばし、振り払われないようであれば頬へと触れようと )





954: ミゲル [×]
2024-05-25 16:56:16



>グレン(>>953)


そっか……、へへ
(少なくともミゲルとの縁が大事と名言されたわけではないのに、もじもじ照れ臭そうに小さく身体を数度横に揺らしては一瞬子供のような無邪気さで小さく笑って。獲物に好感を抱きつつある幽霊と、幽霊ではなく追憶を見つめる獲物。幽霊の方は向けられた言葉が上辺だけなのではという最初の疑いを徐々に溶かしつつあるのは、もっと耳触りの良いことを聞きたい、更に言えばそれを自分への心からの好感だと信じたいからなのだろうか「 ……?……うん、わかるよ 」どんな形であっても、の部分にはいまいちピンと来なかったのは腐っても捕食者だからかもしれない。例え怪物の糧となり生命や魂を黒薔薇に奪われるとしても、怪物がグレンだけを切望するのならば――そんな仮定は欠片も想像がつかず、だけれど求められたいという欲求には頷きを返して。「 …いつだか、ハイネが誰かと話しているのを聞いたことがあるんだ。美っていうのは、何もかも完璧に整ったものじゃなくて、特別な歪みを孕んでいるべきなんだって 」歪んでいる。その自己評価にはさらに辻褄が合ったようにぱっと顔を上げ、パズルのピースが上手くはまっていくような細やかな高揚感が普段吃りがちな口を饒舌にさせ「 ハイネはそれを…なんだったかな…そうだ。揺らぎ、って言ってた 」それがあの怪物が所有物に望むものの一つであると。あくまでも主観だが幽霊はそう結論付け、でもそれ以上この話題にどう触れればよいか分からず一旦口を噤んで。手がこちらへ伸びてくる、それだけを視界の端で察知すれば思わず腕を淡く交差させて拒むような姿勢を取るも、指輪がはまっていない方の手だと分かればそれ以上の抵抗はなく頬に触れる体温を受け入れ「 その…僕……っ、 」情けなく怖がる姿を獲物に晒してしまった羞恥心と、それを起点に湧き上がる自分へか貴方へかの区別もつけられない苛立ちと、予想外に他者から与えられた温もりに対する喜びと、全てが綯い交ぜになってキャパオーバーを起こした幽霊は言葉の続きを紡ぐことを放棄する代わりに性急な動作で立ち上がり「 だめ…もうむり…っ 」これ以上醜態を晒したくない、その自分勝手な一心でぼそり呟けばまた顔を隠すようにキャスケットをぐいと引っ張って、例え引き留めてもらえたとしても急いで部屋から出て行こうと扉へ向かうだろうか)




955: ニール・グレイ [×]
2024-05-25 17:52:23



>クォーヴ(>952


(頬を撫でる冷たさも、己を呼ぶ声も、今は“寂しさ”を埋めるほどの要ではなくなって。せめて遠い記憶に残る充足の残り香を、煮詰まり溢れる衝動の慰めを求めて、その牙を振り下ろす。……一口目と違ったのは、痕跡を残すよりも前に、彼の言葉を捉えて理性を一雫帰した事。「……なに、」その意味を問い返しかけ、ぎぎ、と錆びた動作で頭を持ち上げた直後、首に巻き付く何かの感触を認識する。「あ、……っ?」それが徐々に絞まっていく事に気が付いたのはもう少し後、呼吸の狭まる感覚が確かなものになってから。両手は彼から離れ、そこにあるものを触れて視んと自らの身に移る。しかし、指は己が首筋をなぞり空振るばかりで何も解りはしない。「っ、クォ、ヴ……?」かふ、と呼吸をし損ねた音に混ざり、彼の名を疑の代わりに掠れた声で質した、その甘い答えに。全ての動きがぴたり止まって、頬や瞳の表情さえ抜け落ちきった後――顕れたのは、喜悦と心弛びの薔薇色。尖りを押し込まれて反れる喉から十指は下り、また彼の身にゆっくりと這っていく。……肺に何も満たせなくなる、意識だって白んでいく、己以外から与えられる強烈なその苦悶を無抵抗に甘受する瞳は、状況とは不釣り合いに、親に抱き締められた子供のような安堵に温む。やがて這い上って見付けた彼の頬に両手を添え、クォーヴ、と息を持たない唇だけで彼を呼び、『ありがと』などと。幼いケダモノは酷く歪に、でも純粋に、大きく口を開けて無邪気に笑みながら、上気した血潮に釣られて深い紅に染まった、熱を湛える盲の瞳で彼を見詰め声無き礼を告げた。)




956: クォーヴ [×]
2024-05-25 19:45:09



>ニール(>>955)


(片方は首を噛み、片方は首を絞める。倒錯的という表現では生ぬるいほど甘い猟奇に満ちた月下の庭園、ふと二人を包むように淡く鳴り始めたのはまるで鈴虫が秋の夜長に奏でるような澄んだ音色で。蛇の子と死神が絡み合うソファーをまばらに囲うように、或いは羨ましげに火に寄る羽虫のように、ある人は蛍、ある人は鬼火と表現するような妖しい光がぽつぽつと現れゆらゆらと浮遊するたびに鈴の音を儚く響かせて。それはまるで貴方をこの黒薔薇屋敷にて祝福する最も聖なる福音のようで、死神はゆるりと微笑みを深めては唇の動きで謝意を伝えてくれた貴方の耳へと顔を寄せ「 聴こえる?…夜の調べがやって来たよ 」優しい声は窒息寸前の貴方にとっては暢気な響きを持つだろうか、首を絞め上げる黒煙は絶妙に弛緩のタイミングを挟んでいるため継続的な苦しみを与えながらも意識を刈り取る程ではなく「 今夜は一等良い音だ…きっとこの子達もニールを気に入っているんだね 」片手で貴方の後頭部を引き寄せ自らの胸板へと体重を預けるように促してみようか。酩酊感に似た息苦しさと、心地よく鼓膜を揺らす人外の音色――それはいつしか疲れ切った貴方を微睡みの縁へ誘うに足るのだろうか)




957: ニール・グレイ [×]
2024-05-25 21:50:51



>クォーヴ(>956


(真っ暗で、己の姿も曖昧な中。自らの手では成し得ない苦しさが延々と続いて、しかしそれにこそ安心を得た頬は歪な嬉々に惚ける。生きる本能だろうか、喉が弛む瞬間に身体は勝手に呼吸を取り込んで、白む意識をこの場に引き戻し、また窒息を享受する。――ふと、耳に美しい調べが擽った。幻聴かと疑いを思考の回らない頭に浮かべた直後、それが現実だと彼の言葉が注がれて、音や首肯で答えられない代わりに、潤んで溶ける瞳を意図的にゆっくりと瞬かせ、『きれい』と唇だけの言葉を紡ぐ。すっかり強張りの抜けた身は任せるまま、彼へと重さを預けて、流れて滑り落ちた両手も畳んで相乗る。……甘く痺れ、考える事を止めた頭の内。子守唄のように優しく響く鈴の音、冷たくも確かに抱き留める身体。ろくに眠れていなかった己が身は、今度は休息を求めて瞳に帳をかけ始める。頬を寄せているのは、今以て自分の首を絞めている死神の胸元だというのに――とろり安堵しきった、夢うつつの笑顔で。浅い眠りを往き来する最中にもう一度彼を見上げて、“クォーヴ”と弛んだ口から浅い吐息で呼んだ後、至福を滲ませた顔のまま瞼を下ろした。)


***


こんばんはぁ、退き時みたいだからお顔出してみたよ。
今夜からは人魚さんが案内役なんだねぇ。ふふ、宜しくぅ。
クォーヴにはいっぱいいっぱい甘えちゃって、何だか申し訳なくなっちゃうっていうか、ちょっぴり照れくさいっていうか…でも、とびきり嬉しくて楽しい時間だったよ。

次はいよいよ、ハイネとの約束の夜だね。…はは、今のオレちゃんと会って、ハイネはどんなお顔するのかな。今から楽しみだなぁ。
それでさ、約束の夜はどうしようか。オレちゃん目を返して貰う瞬間まで飲まず食わずにはなると思うから、大人しく部屋で丸まって訪問を待ってるのももちろん良いけど、到底歩けなさそうなこの身体で、それでもふらふらお部屋の外を“散歩”して出会すのも捨てがたいなぁって思っちゃってねぇ。…どっちにしても、シーツをくるくる頭まで巻いて包まってるから、初見じゃオレちゃんのお顔は見えない感じを想定してるかな。あとはどっちでも、必要があればどんな状態か描写を綴る事も出来るから、気軽に喋ってね。

……うん、オレちゃんからはこんな所かなぁ。他に何かあったりしたら、何でも言ってねぇ。それじゃあ、またねぇ。




958: グレン [×]
2024-05-25 22:16:30





>ミゲル( >954


へぇ……、なるほどね、
( すっと目を細めるのは件のダークエルフが求めるものの話へとなったせい。歪み、その言葉に思い当たる節が無いわけではない。口元に手を添えてからたっぷり数十秒程、添えた方の人差し指でトントンと口端を軽く叩きながら思考を巡らせるのは次なるダークエルフとの時間をどう過ごすかを思案するため。そんなことをしている間に饒舌に回っていた彼の口が止まった事を確認すれば軽く首を傾げ 「 ミゲルは、どう思う? 」 彼が口にしていたのはあくまで自身をコレクションだ、とそう言うダークエルフの話だろうと首を傾げて見せ。頬へと添える手を受け入れられたなら、ひやりと冷たい頬へと触れ親指の腹で隈の目立つ目元を軽く撫でるように動かし。然し彼が立ち上がり踵を返すのを引き止めることはせず、扉を開く間際に口を開き 「 ……ミゲルさえ嫌じゃなければ、また話し相手になってくれる? 」 もし部屋の扉へと急ぐ彼が少しでも振り返ってくれるのならば、孤独への不安を滲ませる表情で首を傾げる姿が視界に入るだろう。無論、返答が無かったとしても彼宛の手紙を送る算段を頭の中で巡らせて )


****


こんばんは、そろそろミゲルとの邂逅は終わりかなって事でお邪魔させてもらったよ。いつもの事ながら描写の返答はあっても無くてもどちらでも構わないよ。
ミゲルとは求めてるものが似てる部分があるから、何回も素が出ちゃいそうになってヒヤヒヤしたよ。でも、そうだな……飾らないでいられるし、またミゲルと話せる機会があると嬉しいかも。

さて、次はハイネとのお出かけの約束だね。僕の方から出させてもらうなら【 服を選びながらハイネを待つ 】ところで出させてもらうし、勿論キミから出してくれても構わない。どこに連れて行ってくれるのか楽しみにしているね。





959: クォーヴ / キルステン [×]
2024-05-26 08:06:55



>ニール(>>957)


(貴方が意識を手放す直前、まるで安眠のおまじないでもかけるように指先で目許をそっと撫でて「 おやすみ、ニール 」極めて静かな声でそう告げれば、何かを察した夜の調べはゆらゆらと包囲網を解いて各々庭園へと散っていき。親がソファーで寝てしまった子をベッドに運ぶように、壊れ物のようにそうっと抱き上げてはここへ来た時と同じように今度は貴方の部屋へと空間を飛び越え。きっとそれはそれは安らかな寝顔なのだろう、ふと困ったような微笑みを浮かべて「 …ハイネに悪いことをしてしまったかな 」そう呟いたのは魔の言語、人には理解はおろか聞き取ることも困難な発音。旋風に舞い上げられる砂埃のように、死神の姿は無へと霧散した)


***


Hi、アルビノちゃん。そ、今夜はアタシの番ってワケ。
なァに言ってんの、アイツは甘ったるいことやらしてなんぼなんだから何にも気にせず甘やかされときなさい。お互い幸せな夜に変わりはないんだから。

そうねえ、あの性悪を呼んで来なくちゃ。お部屋でお利口にしてるかどうかはアンタにお任せするわ、どんな状態かもきちんと把握しておきたいから導入文をお願いしてもいいかしら。
アンタこそ、何かあればすぐアタシに言いなさいよ。例えば――ハイネに何かヤなことをされたりとか。その時はこのアタシが間に入ってあげるわ。




960: キルステン / ハイネ [×]
2024-05-26 08:30:25



>グレン(>>958)


ハァイ、Hottie。ミゲルに優しくしてくれてアリガト。
自己中チキンゴーストの事だもの、あの場面でアンタに対して何も言えやしないわ。でも招待状には応える筈…多分ね。
ああ、アンタの素が拝める時が楽しみね…それを引き出す促進剤として役に立つなら、またあの子を呼んでやってちょうだい。

アンタはおめかししながら待ってなさい、その間にアイツを呼んできてあげる。
何処に、……そうねえ。あのヘンタイのことだから、良くも悪くも普通の場所じゃあないでしょうね。何かあればすぐアタシを呼ぶのよ、あの高飛車なニヤケ面を引っ叩いてやるわ。


***


ハイネ:
(美しいものを見せびらかしたい気持ちと、誰の目にも触れないよう閉じ込めておきたい気持ち。その狭間で揺れる感覚を思い出させてくれた獲物――コレクションに思いを馳せながら、別のそれらの手入れに忙しない夜を過ごし。ふと魔力を経由して貴方の部屋にかけた封の解錠される音が聞こえてくれば、ニンマリと微笑みを深めたのだろう。さてようやく貴方をエスコートする場所の準備は整った、向かった先の扉はノックすることなく廊下側から開いて「 こんばんわ、俺の可愛いグレン 」指先までぴしりと伸びた手を恭しく胸元に添えて挨拶を。後ろの扉は魔力にて勝手に閉まり、その音の直後「 貴方の我儘を叶えに来ましたよ。早く準備をなさい 」敢えて恩着せがましい言い方を選びながら、自分の部屋のように遠慮なく歩を進めてどっかりとソファーの真ん中に腰を下ろしては長い脚を組み「 ああ、そうそう。鍵、きちんと使えて偉かったですねえ 」くすくす、ささやき声のような喉奥の笑いを転がしてはご機嫌そうに褒めそやして)




961: ニール・グレイ [×]
2024-05-26 10:05:51



>クォーヴ/キルステン(>959


ふふ、そっか。じゃあこの甘い一時、胸張って自慢しちゃおうかなぁ、なんてね。

うん、うん、了解。それじゃあ、遠慮無くお外出ちゃおうかな。お部屋でじっと待つだけじゃ、何だか勿体無いからねぇ。ここまでじっくり育てられたオレちゃんが、どんな事になってるか……ちゃあんと知っておいてね。
ありがとねぇ、キルステン。貴方、とっても頼もしくて素敵だねぇ。そう、何か言いたい時は貴方に耳打ちしに行くから、その時は受け止めてねぇ。

それから、今お支度中の怪物さんの事も楽しみに待ってるよ。ふふ、早くお話したいねぇ。
それじゃあ、オレちゃんハイネに会いに出掛けてくるね。いつか貴方と会えた夜には、一緒にお歌でも歌おうねぇ。


***


(幾夜を経て、ベッドの中で目を覚ます。瞼を閉じても開いても変わりの無い暗闇で思い出すのは、牙に残る感触と、甘い甘い窒息感。ひたり自らの喉に掌を当て、それから口許に指を這わせて、幾度もそれを反芻しては頬を弛めていた。――しかし。繰り返し至福を飲み込む度、肚が空いていく。“あれ”はあまりにも強烈で、鮮烈で、だからこそより一層とケダモノは貪欲に満たされたがって思考を食い荒らす。「……たりない。」シーツに包まるその内側、痕がびっしりと犇めき、所々赤が滲む程に立てた牙を肌から離し、呟く。「寂しい、」ヒトらしい感情の色など、含み忘れた音声で、言葉と裏腹に口の端を大きく裂きながら。……牙が疼いて仕方が無い、ヒトの営みなんてしている暇は無い。今はただこの飢えを、己が消える寂寥を、“存在証明の渇求”を、苛烈な甘味で埋めなければ。――ふらり、立ち上がる。栄養も摂らず削れた身体を、衝動と熱が突き動かす。世話をする使い魔を振り切って、覚えたドアまでの道を辿り、部屋の外へ。何処にも頼らない鈍い歩調、故に進む度ぶれる上体。乱れた髪も痩けた手足も、纏めて包み目深に被るシーツの尾を、ずるりずるり引き摺って。「……だれ、か、」裸足が鳴らす弱々しい音の陰に、他者を求める吐息を時折零しながら、いつ何があるとも知れない通路を彷徨い歩いていく。)




962: グレン [×]
2024-05-26 10:11:41





>キルステン / ハイネ ( >960


はは、それを聞けただけでも良かったよ。応えてくれるまで何回でも出すつもりにしてるから、さ。
そんなに普段と変わりないと思うけどね……嗚呼、でもミゲルと会ってる時に見せたら人間嫌いに拍車をかけちゃうかな。そこだけ気をつけておかないと。

お言葉に甘えて着飾りながら待たせてもらおうかな。一応僕の方ではミゲルと会った日から何日とかの記載はしていないから、擦り合わせでもし必要だったりしたら提示してくれると嬉しいな。
ふふ、どこに連れて行かれたとしてもキルステンが飛んできてくれるなら安心だね。こっちは何も問題が無ければ返信不要だよ。


****


( 起き抜けからほんの少しそわそわとしている様子の窺える使い魔たちに、ふと察しがついたのは経験の積み重ねか。食事もそこそこにクローゼットに向かい、考え込むのは “ 自分で ” 何かを選ぶという事が少なかったのが起因だろう。動きやすい服、動きやすい服、なんてブツブツと小さな声で服を探し最終的に手に取ったのは白いシャツに緩くタイを結び、パンツとベストは同色の、所謂スリーピーススーツをラフに着崩したような格好で。これでメガネでも掛けて腕時計をすれば商社勤だと言っても信じる人が出てきそうだ、なんて考えつつ髪を弄るためにドレッサーの辺りへと移動をしたところで何の前触れもなく開いた扉。緩慢とした動作で視線を向ければ、この部屋の鍵を外から開ける事の出来る唯一の姿 「 おはよう、ハイネ。やっぱり来てくれたんだ 」 普段着用している服とは異なり衣装然とした節があるからか、緩い弧を描く口から出るのは暗い窓の外には似つかわしくない挨拶。ソファへと座る彼の姿を鏡越しに視線で追いかけながら、慣れた手付きで片側サイドの髪を編み込んでいき 「 でしょ?もっと褒めてくれても良いんだよ 」 上機嫌な彼の様子に、一瞬鍵の存在を忘れていたなんて言葉にするのは無粋かと胸中に仕舞い込みつつ満足気な笑みを浮かべ。編み込みが丁度耳の後ろ辺りまで到達すれば普段の癖でドレッサーの上を探した後、探し物が見付からない理由を思い出し 「 ……ねぇ、ハイネ。ヘアピンか何か貰えたりしないかな? 」 片手で解けないように押さえつつソファへと足を運び、彼の隣にすとんと腰掛けて )





963: ハイネ [×]
2024-05-26 10:48:01



>ニール(>>961)


――おや、おやおやおや。
(約束の時が満ちる間、永いようで短いような十四回の夜を悠々自適に過ごした怪物に反して、獲物の方はどうだったのだろうか。対面すれば分かる事を考え込む性分ではなくその部屋へと向かう長い長い廊下――その向こうからのろのろと蠢く何かの影。濃くなった匂いでそれがすぐに今夜の主役だと勘付けば大仰にかぶりを振りながら肩を竦め「 悪い子ですねえ。あと少しくらい、お部屋で待てなかったのですか 」小馬鹿にするような声は平素と変わらず、何やら豹変の香りを纏う貴方とは正反対だろう。一歩、また一歩と上等な跫音を響かせながら歩み寄っていき「 馬鹿な事を。有象無象のバケモノの怖さを前夜教えてあげたと言うのに 」理性も名もなき只のケダモノ、自身の到着前にもしそれに嗅ぎつけられていたら。その先は態々想像するのすら馬鹿らしいほど陳腐な結末が待っているわけで、死神とはこれまた対照的な詰り口調に容赦はなく「 約束を反故にしたも同然の振る舞いですよ。ねえ、ニール? 」ニヤニヤと顔に張り付く佞悪な笑みはきっと声にもその笑気を滲ませているだろう。お互いがあと一歩踏み込めば手の届く間合いの距離にて足を止めれば腕を組んで貴方を見下ろし)




964: ハイネ [×]
2024-05-26 10:59:18



>グレン(>>962)


久々の響きですねえ、それ
(永遠に朝が封殺されたこの世界で、少なくとも住人たちの間では使われるのことない文句。特段何の感傷もなく、返答を求めない独り言に近い言葉すら微かに浮かれたような響きを孕むのはやはり鍵を活用されたからだろうか「 普通の、ですか?それともこの俺の? 」求められた小道具を与える気であることは勿論、そこからもう一段先の指定を要求して。前者と回答があれば蝶の使い魔が何の変哲もない黒いヘアピンを持ってくるだろう、後者を選ぶならたちまち怪物の手中にほんのりと紫の光が集約してあっという間に淡く紫に光る指輪と揃いのヘアピンが出来上がるだろう「 髪も弄って偉いですねえ。さあ、よく見せなさい 」どちらにせよ、今夜のコレクションの完成形を待ち侘びているのは事実。服を選ぶだけでなく、指定していないヘアスタイルまで自分で創意工夫をしたことに上機嫌に首を傾げてはその全体像のお披露目を待とう)




965: ニール・グレイ [×]
2024-05-26 12:54:42



>ハイネ(>963


(己以外の、音が響いた。途端足はぴたりと床に揃って、“それ”が近付いて来るのを佇んで待っている。その間に、首はぎいぎいきりきり、ぎこちなくも傾いで捻って回してと忙しなく。絡繰り仕掛けの玩具にも似たその仕草は、名を呼ばれた瞬間半端に止まる。「……ハイネ。」いやに静かな、ただ書かれた文字を読み上げたような無味の声。そこに小さな唸りを続けた後、「――ふ。ふふ、ごめんね。」シーツから覗く口元だけが、弧を描いてゆっくりとお詫びを。それから、「でも、今日が約束の日、でしょ?いっぱい、我慢したから、早く貴方に、会いたくて。」彼方此方から切って張って繋ぎ合わせた、そんな抑揚も感情も滅裂極まりない言葉を紡いで。「ねぇ、」一歩、進む。するり、捲り落ちるベール。その下から露になった、盲に濁る瞳が――寸分違わず、目の前の彼の金色を捉えた。「許して、ハイネ。」見えている筈も無い、しかし確かに彼の瞳を見詰めて離さない。その内に再び、ぎりぎりきいきい、首が回って彼の音を探り出す。「約束。破るつもりは、無かったの。」歪なまま固められた唇から、牙を数度鳴らしながらも赦しを乞うのに、その視線はケダモノそのもの。……一度人間の味を覚えた獣が、今度は意図してそれを狩るように。明確に彼を獲物と認識した蛇の赤目は、この貪欲な飢えを、強欲な渇きを、“貴方で満たしたい”と赫々煌々、雄弁に彼へと訴える。「…お願い、ね、ハイネ。」首の動きが止まる。空洞だらけのおねだりと共に、両手がゆらゆら持ち上がり。視線と同じく真っ直ぐ迷わず、彼の組まれた腕を目指して伸び始めた。)




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