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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/930


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自分のトピックを作る
773: 執事長 [×]
2021-10-16 11:40:23


>ご新規様・常連様・お試しの方問わず、のんびりお相手様を募集中です[ 今夜の案内役:クォーヴ ]


>日常イベントも常時受け付けております[ https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/events


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▼ 大切な" お食事 "のメニュー ▼

◆ルシアン(>>19
◆ザカリー・アーバーン(>>93
◆レオ(>>147
◆ニール・グレイ(>>244
◆シャラメ(>>395
◇ミネルヴァ(>>489
◇プリケル(>>559
◆リーパー(>>576


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●レオ × ラザロ ⇒ 【 >>772
●グレン × ハイネ ⇒ 【 >>768
●リュカ × シャルロット ⇒ 【 >>771



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774: リュカ・キャンディ [×]
2021-10-16 23:15:26





>シャルロットちゃん ( >771

わあお、ごめんなさぁい~。前回のお返事、セリフ消し忘れてて連続になっちゃってたみたい。
全然気付かなかった~、読みづらくてごめんねえ?以後気を付けまぁーす!(蹴り推奨)


( ひたりと触れる冷たい掌に光悦とした表情を隠さないまま懐くと、期待を隠さない瞳で少女を見つめるが、忙しいという言葉に徐々に表情を歪ませる。少女はこの大きな屋敷に住まう者なのだから、やることがあると言われればそうだろう。それでも大きな屋敷だからこそ、この中で少女に放置でもされてしまえば食欲よりも先に心の飢餓で飢えてしまう。その懸念も我儘であるとするならば、押し黙るほかなく。「…わかった。寂しい…、けど、我慢する。我儘は言わない、シャルロットちゃんと一緒にいたいから。」少女の言葉はまるで麻薬のようにすんなりと耳に入って。少女のものに、少女の所有物になる。そんな発言に違和感も持たないままうなずく。所有されるという背徳感といつか捨てられてしまうのではないかという恐怖感に襲われるが、その感情を発散させる場所も無く、結局発言主である少女にすがることしかできない。どんどんと雁字搦めになっていく様はひどく滑稽に見えるだろう。最初よりも色づいた声色に毒されるまま、少女のなすが儘になっていく。撫でられた頬を無防備に曝け出したまま、次の言葉に耳を傾けるが、突如の否定に目を見開く。「な、んで?…どうして?…ね、シャルロット、キャンディもう一回謝るから、許して…?あなたがいないとアタシ…!」死んでしまう。その一言を必死に呑みこむ。本心を曝け出して、受け入れてもらうということがいかに恐ろしいものか散々身に染みている心は、異常な感情の起伏を見せる自身に対して淡々とした少女にあと一歩を踏み出せないでいる。静けさに溶けてしまいそうなほど委縮した体に震える言葉だけが落ちていく。「他の怪物?食べられる…?それってどういうこと、」続けざまに放たれた言葉に気になる言葉が一つ、二つ。帰れない。そのことでいっぱいだった頭には考えもしなかったことだ。まるで浮ついた心を見透かしたように冷水を浴びせられた頭では到底理解が追い付かないことばかりで。辛うじて判断のつく少女のものでいたいか。それは当然だ。完璧ではない自分を必要としてくれた。ずっと一緒だとも言ってくれた。それは生涯に渡って求めて来た言葉。こちらの返事を待つ瞳は光を吸収し、月明かりだけの部屋の中、宝石のように輝いている。凄みを帯びた瞳に催促する言葉は、少女が自分を求めている証拠のように思えて、覆いかぶせた手と繋いだ手を目線の高さまで持ち上げれば、繋がった少女の手をリードするように下から掬い上げ頬にそっと懐かせて、「キャンディ、約束したもん。シャルロットちゃんと一緒にいたいの、ずーっと。…だから我儘は言わないし、シャルロットちゃんが嫌がることもしたくない。他の怪物さん?はよくわからないけど…、食べられちゃうのもきっと痛いからイヤ。アタシ、もし本当に食べられちゃうのなら…シャルロットちゃんがいい。シャルロットちゃんのものに、なりたい。そしたらシャルロットちゃんの傍にずっといられる。」心からの言葉は、少女がこの飢餓感を埋めてくれる存在だと確信してやまない。うっすらと浮かんだ笑みは少女に向けたものか、自身の充足感ゆえか。「ねえ、アタシのことモノにするなら、大事にしてねえ?」間延びした甘えた声色は強請っているような、懇願しているような絶妙な塩梅で尋ねて、 )





775: グレン [×]
2021-10-17 22:40:05





>ハイネ( >751 )


……だからこそだよ。僕ぐらいは僕自身の事を求めてあげなくちゃならないだろう?
( もしこの場に居るのが自分とは全くの別人であれば彼の様子に苦々しさを露わにしていたかも知れないがそんな色を微塵も滲ませる事をせず、代わりに浮かべるのは柔らかな笑み。普段求められるのは素の自分とは対極の位置にある自信に満ち溢れ王子然とした姿の自分。カップの中の液体を流し込み、これ以上は彼に何かを言われようとも軽く口角を持ち上げるだけに留めるつもりで。左手の中指へと嵌った指輪を光に透かすように僅かに持ち上げ、光の反射で光って見えるそれを見つめる視線は無邪気な子供、なんて言葉が適切だろうか。そんな事をしていたのも暫しの間。ゆったりとした歩調でこちらへと近付く彼に、脳内では警鐘が鳴り響くも足は床に縫い付けられたように動かす事が出来ず、距離を詰めた彼の手が肩に乗るまで然程時間も掛からない事だろう。触れているのに体温を感じないどころか、ひんやりとした感覚は理解したく無い事を現実だと知らしめるようで、緊張から嚥下する際にごくり、と喉を鳴らし。耳元で囁かれた言葉は甘美な誘惑と化し、見知らぬ誰かに食べられてしまうのならば、なんて思考に囚われるのは一つの悪い癖か。なるべく多くの人との関係を──それが人ならざる者であったとしても、繋ぎ止めておきたいというのは紛れもない本音。しかし、それが自分の命と交換になる可能性があるならば別問題になってくる。籠の鳥でいる事で安全なのだとすれば、今迄の生活と何かが大きく変わる訳では無いのだからそれで良いじゃないか「 ……その言葉、信じていいのかな 」彼の言葉を鵜呑みにして全て信じた訳では無いが、今現在自分が置かれている状況を聞いて判断するには彼からの情報しか無い事も事実。一つ大きく息を吐き出してから、彼の方を向くように軽く首を捻って )





776: グレン [×]
2021-10-17 22:43:45




おっと、アンカーの数字を変えるの忘れたままだったみたいだ。>775のアンカーは正しくは>768だね。
連投ごめんね、今度から気をつけるよ。





777: レオ [×]
2021-11-12 23:40:00



>ラザロ(>772

……む。
(勝敗も然る事ながら、脆いと知らず振り回した火が失せ、項垂れた感情を引き上げたのは彼の大きな手。結われた髪が解けぬ程度に加減されたその手に、ふっと目を上げた所に重なる発言に、萎れていた胸中にはむず痒い何かがじわじわと湧く。嬉しいとも違うような、恥ずかしいとも違うような、初めて味わうそれは表情さえも同じく曖昧に、だが仄かに色付いたものに変えていく。──これは、一体。そうしてその正体を探る事に意識が向いて、言葉に返事も出来ぬまま、気が付けば彼は既に立ち上がっていた。「っ、と…ああ。折角の、君との祭だからな。最後まで、楽しまなければ。」一瞬忘れてしまった祭の音や色を、また自身の内に取り込んで、差し出された彼の手を取る。それを支えに自らも両足を確と地に付け、次の──もしくは、最後の、恐らくはとっておきの楽しみである打ち上げ花火を彼と共有すべく。頬の弛む面持ちと同様に、どうにも浮かれる歩みを隣の彼の導きに合わせて、最終目的地である其処へと向かった。)




778: 匿名さん [×]
2021-11-30 22:04:47


支援上げ

779: 執事長 [×]
2021-12-07 18:13:43




>グランギニョルの大切な演者様へお知らせ

長らく連絡も出来ず申し訳ございません、黒薔薇屋敷の管理人でございます。
私達の世界は最近めっきり冷え込んで参りましたが、体調等崩されておりませんでしょうか?
お仕事や私生活等、ご多忙な日々とは存じますが、どうぞお体ご自愛下さいませ。

この度、背後事情により一時的に黒薔薇の屋敷を閉館させていただく運びとなりました。
皆様との文章交換はとても楽しく、執筆の時間を確保できない今でも羽休めに皆様とのログを読み返しては癒やしを頂いている管理人です。
状況が落ち着きましたら必ず稼働再開させて頂きますので、何卒御承知おき頂けますと幸いです。




780: 匿名さん [×]
2022-03-01 19:59:20



支援上げ



781: 執事長 [×]
2024-04-24 19:38:26




>トピ運営再開のお知らせ


皆様大変ご無沙汰しております。お変わりなくお過ごしでしょうか?
長らく屋敷を離れておりましたが、少しずつ時間を取れるようになってきたので黒薔薇屋敷の扉を再び開かせていただくことといたしました。
なりきり交流にかなりのブランクがあるため文章の量・質ともにリハビリ状態、またリアル事情によりけりでお返事のペースにもムラがある状態からの再開となりますが、それでもよろしければお屋敷にて怪物とのひとときを一緒に過ごしていただけますととてもとても嬉しいです!
かつての素敵な演者様、まだ見ぬ未来の演者様、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
以後、トピ推奨ルールに則り完也での対応とさせていただきますこと、ご承知おきの程よろしくお願いいたします。




>のんびりペースでお相手様募集を再開させていただきます[ 今夜の案内役:マリーシュカ ]


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782: 執事長 [×]
2024-04-27 10:53:49




>置き/即レス問わず、現在は常時お相手様募集中です


>世界観やルート・イベント等に対してご不明な点、また提供指名について事前のご相談も頂けると嬉しいのでご遠慮なくお申し付けください



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783: レオ [×]
2024-04-27 18:02:49



ああ――久し振りだな!随分と待ち望んだぞ。漸くこの扉が開く日を迎えられて、とても嬉しく思っている。少しばかり遅れてはしまったが、今日こそはと勇んで此処に参った。
さて、話したい事は多いが、まずはあの夏祭りの続き(>772>777)を願わせてもらおう。折角ここまで来たのだ、ラザロとの思い出を、最後まできちんと形にしたい。……頼めるだろうか?




784: マリーシュカ / ラザロ [×]
2024-04-28 14:46:39



>レオ(>783


ご機嫌よう、またお会いできてとっても嬉しいわ。すぐ来てくれたのに、応対が遅くなってごめんなさいね。
遠い夏のお祭り――最後の打ち上げ花火までお付き合いして頂けるなんて、とても感激。ふふ、黒薔薇のご機嫌なざわめきが聞こえてくるみたい。
そうそう…お屋敷の扉が閉じてから長い時間が空いてしまったから、念の為にお祭りの概要を再確認出来るようにしておいたの。あなたとラザロのお祭りが終わるまではページを閲覧できるようにしておくつもりだから、必要があれば使ってちょうだいね。
レオ、あなたに素敵な夏夜の想い出が出来ますように……。

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/fireworks?_gl=1*y9sth1*_gcl_au*MjA5ODU2NzY0My4xNzEzNzYzNTE5)


***


(ゆったりと柔らかい表情を隣から盗み見て、思わずつられて口角が持ち上がる。弾むような歩調のひとつひとつにどうにも可愛げを感じずにはいられず「 存分に燥げよ、今夜のテメェにはこの俺様がついてんだからな 」自分の頼もしさを貴方へアピールするように、分厚く逞しい胸板をドンと叩けば手の甲に犇めく群青の鱗がキラキラ月明かりを反射して。花火の観賞ポイントに至るには人喰い茨の森を抜けなければならず、貴方を無傷で守り抜くために知らずと上向いていた口脇をきゅっと引き下げて気を引き締め。紅提灯に照らされ仄明るい森の小路をしっかりと貴方の手を握ったまま一歩ずつ進んでゆく、時折その様子が妬ましいのかパキパキとこちらを邪魔するように伸びてくる茨にはぼうっと口から控えめな炎を吹きかけることで牽制しつつ「 ケッ、茨も浮かれてやがる。モテモテだなア、レオ 」少しでも不安な感情を与えまいと繋いだ手に少しの力を込めてニヤけながら軽口を叩いて。そうしている内に茨の森を抜け、二人の眼前に広がるのは――悍ましくも神秘的な真っ赤な湖、煌めく無数の星に彩られた澄み切った夜空、そこへ鎮座する不気味なほど大きな月。水際には二人掛けの長椅子とそれを守るようにポツリ建てられた小さな東屋が来客を待ち望んでいて)……着いたぜ。泉は一緒に行ったがよ、湖は初めてだよな?




785: レオ [×]
2024-04-28 18:17:33



いや、此方こそ返事が少々遅れてしまったからな、お互い様だ。出迎え有り難う。それから、わざわざ祭りの子細を載せてくれた事にも礼を言う。これを見返し、祭りも見返してすっかり懐かしさに浸っていた。
機嫌を良くした黒薔薇達、それと君達。そのどちらもの期待に応えられるかは解らないが、それでも――ああ、この祭りを最後まで、しっかりと噛み締めさせてもらおう。
それでは、また宜しく頼む。


***


>ラザロ(>784


ああ、頼りにしているぞ、ラザロ。
(彼が発した言葉に移す視線の先、月光を煌と跳ね返す腕とその身の心強さへ、浮かれ半分も真っ直ぐ信頼を返す。――一歩一歩、彼の歩みと合わせて進んでいく灯りの点る小道。ほんの僅かだが、首元を粟立てるような何かを感じた気がして目線を上げれば、今正しく自然の法則を無視した茨が此方に棘を伸ばしている所。その緊張が繋ぐ手を強張らせて、しかし、再び降る彼の言葉が、握る力の強まりが、それをすっと凪がせていく。「…ああ。だが、今は君が居るからな。」彼の軽口へ落とした、冗談めいても聞こえるそれは、雑じり気無い安堵に綻ぶ色。…そうだ、一人ではない。その事実を噛み締めるように揃えた足取りで着実に進んでいった小道の終わり――その視界に飛び込んできたものに、思わず感嘆が漏れた。「おお……」いつかのエメラルドの泉より遥かに大きな湖。その強烈な赤に負けじ輝く夜空の星々と月。屋敷に来る前、見た事などある筈も無いその霊妙な風景に一瞬ぽかんと惚けたその後で、「うむ、湖は初めてだ。あの泉と月も、美しいものだったが…」彼へ肯定を答え、もう一度景色に目を巡らせ、「此処も素晴らしいな。」その最後に隣のドラゴンを見上げて、歓喜に燥ぐ色を纏って弛む頬で飾り気の無い賛辞を。それから、「……ふむ。打ち上げ花火というものは、どの辺りに昇るものなのだろうな。」再度顔を夜空へ向け、朧の記憶と彼の話に聞くその派手な光に想像を馳せながら、ゆっくりゆっくりとだが水辺の東屋を目指して歩を伸ばした。)




786: ラザロ [×]
2024-04-28 19:53:09



>レオ(>785


……こっちには飛び込むなよ、ココの水はテメェらにはちっとばかし刺激が強いぜ
(いつだって貴方は人の身でありながら怪物の世界のものを褒めてくれる、その事が怪物の心に暖かい何かを注いでくれるようで、こちらの見上げてくる爽やかな青色の双眸を見つめ返して片方の口角を上げ。不器用ゆえ相手を喜ばせる術を知らないドラゴンには純度の高すぎる言葉に、思わず可愛げのない忠告を返して「 そりゃあ、この真っ正面じゃねえか? 」東屋に到着すれば、長椅子にどっかりと腰掛けて。片膝にもう片方の足首を乗っけるような粗野な姿勢ではあるものの、足の裏が貴方に向かない方を選んだのは故意かそれとも偶然か。こんなほぼ野晒しの場所に設置されているにもかかわらず、長椅子にはふかふかとした臙脂のクッションが敷き詰められており意外なほどに座り心地が良く「 来いよ。隣で見ようぜ 」隣にはきっちり一人分のスペースを空け、そこを顎の先で指し示せば座ったまま夜空を見上げて。ふと対岸からやや強い風が一陣だけ吹き抜け、短い髪を揺らせばその涼しさに心地よさそうに目許を細めて――ハッと何かに気付いたように貴方を見て「 寒くねえか、レオ 」身を案じるように問いかけたのは、怪物にとって涼しい程度なら人間には寒いのかもしれないと咄嗟に閃いてのこと。貴方がヤワな育ちでないことは理解しているが、平素の格好と比較すれば浴衣はかなり薄着のはずだ、と)




787: レオ [×]
2024-04-28 21:07:45



>ラザロ(>787


解った、気を付けよう。
(喜を浮かべたままに、彼の忠告を受け入れて頷く。それから問う形を取ったやり取りの内、辿り着いた東屋で促しのままその隣へ、互いの手が届くような近さに腰を下ろす。その柔らかさに目を瞬かせたのも束の間、「……正面、正面か。」先程の答えを反芻しては、今は月がその存在を存分に主張する真向かいの空を見上げた――直後。水気を含んで吹き抜けていった冷涼な風に、身体は勿論、フードや垂らす髪など覆うものの無い首筋を撫ぜられて、微かだが肩が竦んだ。思わず守るように其処へ手を当てた絶妙なタイミングで届いた気遣う声に、「いや、寒くはないが……」否定を返しかけた、途中で。――ドォンッ!!と響き、言葉を遮り身ごと揺さぶる音へ、注意は一気に取られていった。何事とそれが鳴った方向へと反射的に向けた、警戒混じりの瞳を貫いたのは、彼と二人手元で見詰めた祭りの火よりも鮮烈な炎の華。「は、っ――」月を隠さんばかりに燃える極彩色の花弁を広げたそれに、言葉も息も忘れる程に暫し見惚れて。「――凄いな!!」続け様にこの瞬間を、昂る感慨を共有する筈の彼へ、また勢い良く視線を移しては、興奮をそのまま乗せた驚喜を伝えた。)




788: ラザロ [×]
2024-04-28 22:05:41



>レオ(>787


――ッ!
(身を案じた問い掛けの答えを聞き終える前に鳴り響いた地響きのような爆発音、得体の知れない脅威から庇護するように反射的に貴方の前に腕を伸ばし「 何…ッだコレ…?! 」暗い夜空を染め上げる満開の花火を視界に入れた瞬間、動揺たっぷりの声に滲み出るのは花火に対する驚嘆ではなくズグリと腹の奥底が疼くような感覚に襲われたからで。無遠慮な何者かが無理やり体の内側に入り込んで、鼓膜の内側から脳髄に直接“食い殺せ”と何度も囁くような。これはマズい、と理性が警鐘を鳴らし距離を取るように性急に立ち上がり「 は…ッなれろ、 」残ったギリギリの理性で絞り出すように伝えた警告の語尾はまるで低いノイズが声に覆い被さるような二重の音となって。次の瞬間、爬虫類のような黄色い双眸は白目と黒目の境目もなくみるみるとどす黒く染まっていく――額にはぼんやりと黒い薔薇の紋様が浮かび上がり「 ゥがあァッ! 」それはドラゴンであってドラゴンでない、理性など欠片もないただの怪物。ただ強制的に呼び起こされた本能の呼び声に従って牙の整然と並んだ口を開いて咆哮し、貴方の双肩かあるいは両手首を抑え込むことを狙って勢いよく飛び掛かり)




789: レオ [×]
2024-04-28 23:20:49



>ラザロ(>788


……ラザロ?
(初めは己と同じく、感動の声を上げたのだと思った。しかし、明らかに様子が違う。怪訝と心配を織り交ぜた色を被り、高揚の潜んだ視線で彼を追って、その名を呼ぶ。そこに返ってくるのは、立ち上がった背越しに絞られる言葉。どうした、と問う筈だった声は、肌の痺れるような咆哮に飲まれ、身を固めたその一瞬の間に――視界が、引っくり返る。「な、っ……!?」咄嗟に掛かる重力へ逆らいかけて、だがそれは両肩を捕らえたドラゴンの手に阻まれ、倒れた身体はそのまま抑え込まれてしまう。背に受けた衝撃に驚くよりも先に、真上の彼に目を奪われる。黒く染まった月の瞳、その額にうっすら浮かぶ薔薇の紋様、そして、開かれた口から見える牙。騒いだ本能が告げる――目の前の“これ”は、己を喰らう捕食者だ。咄嗟に詰まった言葉の後に、「……私を、喰う、のか?」動揺が、解りきった無意味な確認を落とさせる。「ラザロ、」つい先程までの、逞しく、豪快で、けれども優しいドラゴンの名を、もう一度呼んだその後、「待ってくれ、今はまだ、まだ……」制止を掛けた。弱肉強食、強きを生かす命の糧。狩られ喰われるならば、抗わない。信じ従い続けたその山の摂理に反しているのに、それでも。口は止まらない。「…まだ、足りないのだ。君との話が、君の好ましいものさえ聞いていない、早過ぎる、このまま終わるのは、」ぼろぼろと、窮地に追われて吐露する感情は、恐怖でも、警戒でも、命乞いでもなくて、「――寂しい。」ただ、胸をぽっかり空かし苛む寂寥。彼を見詰めるその真っ直ぐな視線にも、寄せて下がる眉にも、震えた声にも、それはありありと滲んで、溶けて。「……ラザロ。」もう溢れ尽くした言葉の最後の最後、縋り頼るようなか細さで、また彼のドラゴンの名を紡いだ。)




790: ラザロ [×]
2024-04-29 00:46:14



>レオ(>789


(獲物を押し倒し組み敷くことに成功した今、距離がぐんと縮まったことで旨そうな匂いが一呼吸ごとに嗅覚を刺激して、ガチン!と鼻先のほんの寸前で鋭い牙同士を打ち鳴らし。噛み付くに至らなかったのは未だ自我と理性が黒薔薇の悪戯な魔法に抵抗しているからだろうか、最初の問には苦しげに何度も首を左右に振りながらも「 喰う、喰う、喰いたい…ッ 」拒否を示す仕草とは裏腹にノイズで濁った低い声は壊れた玩具のように本能的な食欲を肯定して。貴方の言葉に耳を傾けられているのか、それとも理性なき怪物には届いていないのか。食い縛った牙の隙間、口角からは狂ったけだもののようにボタボタ涎を垂らしながら、けれど確かに渾身の力で耐え堪えるような必死の形相で「 ――――グ、っう 」無意味で無価値な呻き声を漏らして。貴方の素直な感情を告白されれば黒く染まった眼窩は微かに揺らぎを見せて、しかし黒薔薇がそれを許さないように額の紋様がボゥと淡く発光し「 ガぁアッ! 」まるでその光に本能を後押しされたように吠えれば喉笛に食らいつこうと――牙で頸動脈を掻っ切る直前、寸でのところで皮膚を傷つけず首を甘噛みするに何とか押し留めて「 ……だ…ッ、 」まだ声は濁りきっている。首元が弱点であることを思いやれる余裕など当然無く、痛みや苦しみを堪えるように激しく息をして「 ぃやだ…ゆる、さね…ッンなの…… 」貴方を喰らうならば、せめて自分の意志で。そんな男臭い意地で抗っているのだろうか、誰かに操られているような声の歪みは末尾に近づくにつれて澄んだドラゴン自身の声に近づき、それに比例して額の薔薇の紋様は苛立ちや焦りを見せるように点滅を繰り返す。不躾にもドラゴンを支配せんとする黒薔薇の魔力の湧き出る場所、その紋様を無力化できるような何かがあれば、あるいは。)




791: レオ [×]
2024-04-29 02:09:31



>ラザロ(>790


(降ってくる涎、届くノイズに覆われた肯定の声。それでも“獲物”を映すその瞳が揺れた瞬間を見逃さず、もう一度呼び掛けに口を開き――名が喉を通るその前に、彼の額の薔薇は光を帯びて。再びの咆哮と共に迫った牙が、首筋の鋭敏な皮膚に当たった事で言葉は失せる。ぞわり背に粟立ちが抜け、心臓が、早鐘を打つ。呼吸も浅くなる。“摂理”が迫っている。身体は動き一つも取れない程に強張った後に、「…ラザロ?」聞こえた、届いた彼の声。この状況を否とする確かな、ノイズの晴れていく抵抗の意志。それを理解した刹那に、それまでの弱々しさを覚悟に消し飛ばして、一度深く呼吸をして。――抑え込まれた瞬間に袂から手元へ転び出てしまっていた、彼からの“お守り”を、指先で捕らえて握り締めた後。「……ラザロ、聞こえるか。」呼び掛ける。「私は、もっと君と話をしたい。君を知りたい。」無意味では無いと信じて言葉を紡ぎながら、明滅を繰り返す黒薔薇のある額を、お守りを握り込む手の甲でそうっと撫でる。「君も、この終わりが不本意であると言うのならば、」それから、彼の方へ顔を向ける。いつ喉を食い千切られてもおかしくはない、そんな状況下で、恐れも無く凛と声を張って、彼を見据えて。しかし――揺れる感情は堪えきれず、目元に雫を滲ませて。「戻ってくれ、ラザロ。」頬を伝ったそれもそのまま、頼み、乞い。「……お願いだ。」邪な薔薇が浮かぶ額へ、ただ子供がまじなうように、雫一筋に濡れた唇を押し当てた。)




792: ラザロ [×]
2024-04-29 14:03:32



>レオ(>791


(頭の中がひどく煩い。無数の声が早く食い殺せと何重にも煽り立て、脈動の一回ごとに薔薇の噎せ返るような香りの魔力が流れ込み体中に循環するような。想い出の中の貴方の姿を思い出しては、黒い茨に覆い尽くされて闇に消え、しかし諦めずまた思い出そうと足掻く。それを何度も繰り返しているうち脳内を侵す声はどんどん大きさを増してゆき、視界いっぱいに広がる貴方の笑顔が茨に蹂躙され光が閉ざされそうになった刹那「 ――れ、オ……ッ 」呼び掛けに応えるように、ドラゴンとしての声で苦しげながらもしっかりと名前を呼び返す。そうだ、呼んでくれ俺の名を――そうすれば何度でも応えられる。額に触れた体温に、それに握り込まれた貴方が自分の獲物であるという証に、脳内にひしめく茨は押しのけられるようにパラパラと砂になって霧散するようで「 いま…いくぜ、 」口元には凄みさえ感じさせる笑み。しかし戻りたいと願う意志を強制的に折らんとばかりに黒薔薇の魔力はさらに出力を増して紋様を輝かせ――柔らかな唇がそこに触れた瞬間、パキンと小気味よい音を立てて黒薔薇の紋様はヒビ割れて。それを契機にドラゴン自身からザアアアと不可視の何かが放出されていく、その際に周囲の空間を響かせた男女の甲高い悲鳴のような音とエキスを煮詰めたような強烈な薔薇の香りはきっと貴方の五感にも届いているだろう。黒く染まった双眸には通常通りの黄色い光が戻り、まるで長時間呼吸を止めていたかのようにぶはぁっと息を吐きだして貴方の上に覆い被さるように脱力し「 レオ……ッ、…ハ、戻った、ぜ…… 」何よりもまず先に安心してもらいたい。折角の祭の夜なのに貴方を危険な目に遭わせてしまった、黒薔薇による不可避な奸計だったとしてもそれを悔いながら疲れ切ったような笑顔を見せようと腕を突っ張って視線を合わせようと努めて)




793: レオ [×]
2024-04-29 15:22:38



>ラザロ(>792


(己を呼ぶ彼の声が聞こえる。苦し気でも、確かに、強かに。願いを籠めたまじない擬きの直後――何か、割れるような音がして。梔子よりも濃い薔薇の香と、何とも形容し難い多くの悲鳴が響き、その余韻を己に残していった。しかしそれに構う余裕など無かった。何故なら、「ラザロ…っ!」“彼”が、目の前に居たからだ。全身が逆立つ被食の脅威など消え失せた、豪放磊落で、短気さはあれども優しい、己の知るあのドラゴンが――彼の笑う顔、月の輝きに似た黄色の瞳と目が交わったその瞬間に、覚悟を張り詰めた糸はプツリ切れて、綻び咲いた満面の笑顔の後には、「良かった……良かった、良かった…っ!!」彼が身体を支えようが倒れ込もうが構わずに、その肩へ伸ばした両手を回して、しがみついて、首元に額を寄せ当てる。「……君が、君に戻ってくれて、本当に…」籠る力の強さは歓喜の大きさだけ、先程以上に溢れる雫は安堵の数だけ。整えた髪の乱れも、浴衣の着崩れも全て意識の外に追いやって、只、今在る彼の無事を噛み締めた――その後。「……あ。」感情の揺らぎが凪いだ今頃、自らの無遠慮な抱擁に気が付いたらしい。「…すまない。」若干の気まずさにもごついた詫びの次、そろりと巻き付けていた腕を解いて、彼の顔を窺う。「……ラザロ。」再度の脅威が訪れていない事、何より彼が苦しむ何かから解放された事を、また改めて確かめ、頬を弛めた息を吐いた後に。「……先程のは、一体何事であったのだろうな…」今し方己と彼を襲ったものについて、疑問の声を落としながら、薔薇の紋様が浮かんでいた彼の額を眺め、視界に残るあの光の明滅をなぞるように指先を其処に伸ばした。)




794: ラザロ [×]
2024-04-29 21:46:02



>レオ(>793


――くはッ、
(恐ろしい怪物を見る目を向けられても仕方がないのに、こうも純粋な喜色を浴びせられてはこちらもそれにあてられて珍しいほど屈託のない笑みが溢れ。片腕で二人分の体重を支えながら、この際髪型が崩れるようとも二人がまた出会えた喜びを分け合うために空けた手で柔らかな後頭部をわしゃわしゃと撫でくり「 泣くんじゃねーよ 」男がそう簡単に、という余計な枕詞を省略したのはその涙が自分のために流されたものであると素直に思えたからで。気恥ずかしいような嬉しいような、そんなむず痒い心中を「 ありがとな、レオ 」不器用ゆえに短い言葉にぎゅっと詰め込んで、言い終えれば貴方を不本意な形で失わずに済んだことにこちらも心から安堵して後頭部に添えた手にぐっと力を込め。首元を覆っていた体温が離れれば「 テメェが謝ることなんざひとつもねェだろ 」ふっと鼻で笑いながら上体を起こして姿勢を整え。二人で危機を乗り越えた安心感や高揚感は落とされた問と額に触れる僅かな体温によって現実へと引き戻され、きゅっと眉間に力を込めて怒りと微かな諦めに似た感情を表せば「 ……テメェは知らなくていい 」つい、と顔を逸らして夜空を見上げる形でこの屋敷の真理の片鱗から貴方を遠ざけるように答えになっていない言葉を返し「 無事で済んだことを喜べよ 」下手くそな話題転換も上手くいっていると信じて、先刻の我を失った自身が乱してしまったのであろう貴方の浴衣の襟をぐいと引っ張って整えようと試みた時、またしても派手な爆発音と共に夜空に繚乱な華が咲き乱れてはパラパラと火花の散る音がそれを追いかけ「 な…?! 」まだ黒薔薇の悪戯は続いていたのか、と焦ったように瞠目するうちに次、また次と趣向を変えた花火が続々と打ち上がり「 ……これは…イケる、やつか? 」此度の花火には佞悪な魔力は宿っていないらしい。誰の計らいかは分からないがようやく一人と一匹で純粋な夏夜の花を愛でられる時間を手に入れられたようで「 そう出来るなら最初ッからそうしろっつーんだよ。なァ、レオ? 」きっと隣りにいてくれているであろう貴方の肩をぐいと自分の方へ抱き寄せ、文句をつけるような口調の中にも貴方と一緒にきちんと花火を見られることへの喜びが滲み。きっとこの花火はどちらかが、あるいはどちらもが身を寄せ合い眠ってしまうまで止まないのだろう――花火を肴に語らえる時間は二人への、否、勇敢な人間へのご褒美なのだろうか)





795: レオ [×]
2024-04-29 22:59:37



>ラザロ(>794


(彼が問いをはぐらかし、顔を反らす直前。それまでの表情から明らかに険しさが顕れたのを見て、疑を重ねかけたその前に、もう一つ言葉が被れば、意識は容易にそちらへ逸らされる。「ああ、そうだな。互いの無事が何よりも一番だ。」そのまま疑問は霧散して、拒む事の無い彼の手元を視線で追う。――刹那。聞き覚えのある火の爆ぜる音に、身を再び竦ませながら、反射的にそちらに顔を上げる。ぴんと緊張を巡らせ見開く視線で光を見詰め、それからまた彼を窺いに目を動かし、ドラゴンの姿を捉える、前に。肩を抱き寄せる手、澄んだ彼の機嫌良い声が己の元に届いて。「…ああ、確かに。」その安堵に溢れた笑いを編んで、肯定を返した。「……君に聞いていた通り、派手で凄まじいな、花火は!」幾つも幾つも、昇っては咲く炎の華。音にさえ慣れてしまえばその瞳に映る絢爛さに心を踊らせて、燥ぎ色付く笑顔を彼に向かわせる。……それから、暫し。「…あ、今のは君に似ていたな!」身を寄せたままに空の大輪の色を指差し、あれはどうだ、これはどうだと口を何時に無く雄弁に回し、彼との夜を過ごす。「……どれも素晴らしいな。」高揚のまま語る声が少し鎮まった辺り。瞬いた瞼の重さを自覚して、微かな唸りを漏らす。「この夜は生涯、忘れられんだろう、な…」言葉は緩やかに沈みかけた意識に辿々しく、身体は彼の方へと傾ぐ。――先程の事など無かったように、警戒も無く、恐怖も無く、彼へと凭れて。「……ありがとう、ラザロ。」至極心地良さそうに、柔らかく、安心しきった顔で何度も舟を漕ぎ、夢と現を曖昧に往来しながらも、その一言だけははっきりと彼へ伝えた。)





796: ラザロ [×]
2024-04-30 13:10:04



>レオ(>795


(見飽きた夜空を飾る火の色彩を眺める胸中は正直やや複雑だった。何よりも貴方に怪我が無かったことは素直に喜べることだが、その原因を作った黒薔薇には怒気を禁じ得ず、またその中にも黒薔薇に対してはどうしようもないという諦観も――知らぬ間に珍しく少し難しい顔をしていたが、隣から幾たびも贈られてくる闊達な言葉の数々にふっと凝り固まった何かが和らぎ「 …ああ。俺も忘れねえ 」この先、人間である貴方の数百倍数千倍、幾星霜の時を生き長らえるとしても。そんな風に思える記憶がひとつでも出来たことは囚われの怪物にとって奇跡に等しい僥倖なのだろう、それを与えてくれた貴方に「 安心して眠れよ、レオ。…最後まで俺はここにいるぜ 」それが祭の終わりか、それとも貴方の命の終わりを意味するのかはともかくとして決意に似た約束を。すっかり深い眠りに落ちたことをたっぷりの時間を掛けて確認すれば、ドラゴンは大切な獲物を壊れ物のように抱えて翼を広げ静かに飛び立つ。次に貴方が目を覚ますのはきっと自室のベッドの上だろう。いつの間に回収していたのか二人で飲んだラムネの空瓶が、一夜の想い出にベッドサイドに並べられていた)


***


随分と時間がかかっちまったがよ、夏祭りを最後まで一緒に過ごしてくれてありがとうな。
テメェの機転で捕食を回避してくれたおかげで俺達の想い出がまた一つ増えて、なんつーか、…嬉しいぜ。
この先は日常に戻ることになるが、動かす演者の選択も指名も自由だ。テメェにも、白くて紅いヤツにも、これから先一日でも多く幸せな夜が訪れることを祈るぜ。…俺のガラじゃねえが。
そうだ、テメェの水風船の戦利品(>609)だが、「人間界のブツお取り寄せチケット」と「参加賞」が手に入るぜ。次回の指名をミリアムにすれば直接届けさせるし、そうじゃなけりゃラムネの空瓶の隣にこいつらも置いてあると解釈してもらって構わねえ。好きな方選んでくれな。
…ホントに、ありがとうな。




797: レオ [×]
2024-04-30 19:00:35



>ラザロ(>796


此方こそ有り難う、ラザロ。ああ、長い……本当に長い夏祭りであった。そしてだからこそ、今この物語を一つ果たしきる事が出来て…何より互いが無事に、大切な想い出をこうして形にする事が出来て、とても喜ばしい限りだ。
いいや、君にそう祈ってもらえるだけで、これ程嬉しい事は無い。…今夜の事、ニールは大層羨ましがっていたようだから、次は恐らく、彼が此方に訪れるだろう。その時は、また宜しく頼む。
それから、参加賞とチケットに関してだが……うむ、そうだな。どちらの解釈になっているかは、私がまた次の夜を迎えた時に伝えさせてもらおう。わざわざすまないな。
……ああ。私からも、改めて。ありがとう、ラザロ。今宵はこれで終わってしまうが、また相見えるその時まで、息災を願っている。




798: ラザロ [×]
2024-05-01 17:20:51



>レオ(>797


勿論、どっちも大歓迎だぜ。俺ァちゃんと筋肉のついたレオのが好みだが、白っちぃ方みてえな獲物を好むヤツもこの屋敷には多いからな。
思えば白い方もユギンに喰われたり、クォーヴやアッシュも世話になってんだな…てこたァ両方が特殊な怪物3体とも既に出会えるってわけだ。…俺としちゃあレオにはあんまし危ねえヤツに出会って欲しくねえが、…まァ今のは聴かなかったことにしてくれ。
また来いよ、楽しみにしてるぜ。




799: 執事長 [×]
2024-05-02 20:58:49




>のんびりペースでお相手様募集中です[ 今夜の案内役:クォーヴ ]


 ※PF常時受付中!無登録でのお試し交流、王様や女王様等一風変わった職業のお子様や未使用のお子様のご供養も大歓迎です!


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https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/world


▼ 大切な" お食事 "のメニュー ▼

◆ルシアン(>>19
◆ザカリー・アーバーン(>>93
◆レオ(>>147
◆ニール・グレイ(>>244
◆シャラメ(>>395
◇ミネルヴァ(>>489
◇プリケル(>>559
◆リーパー(>>576


▼ 日常イベント ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/events



▼ 宝箱(https://www.saychat.jp/bbs/thread/646097/) ▼




800: ニール・グレイ [×]
2024-05-03 21:16:08



――こんばんはぁ。このお屋敷が見えたから覗きに来ちゃったけど、今って扉は開いてる?…ふふ。ちょっとの間なら待っていられるから、もしオレちゃんの姿が見えたら、肯定でも否定でも、一度声掛けて欲しいなぁ、なんて。…ね、どうかな?




801: クォーヴ [×]
2024-05-03 22:22:25



>ニール(>800


やあ、今晩わ。ごめんね、少し返事が遅くなってしまったね。
このお屋敷は置きレスでの交流も可能になったから、いつでも扉は開かれているよ。だから、月明かりを反射してきらきら輝く美味しそうな君の姿がよく見える。
久し振りに声を聞けて嬉しいよ、ニール。また俺達と一緒に過ごしてくれるのかな?





802: ニール・グレイ [×]
2024-05-03 22:43:31



久しぶり、クォーヴ。…ふふ、お返事が貰えただけで十分嬉しいよ。
そう、オレちゃんもね、あのお祭りみたいな想い出が欲しくなっちゃってさ。それでまずはオレちゃんの事、もっと沢山の怪物さんに知ってもらいたいなって、思わず此処まで駆けてきちゃった。見えてたなら、何だかちょっと恥ずかしいかも、なんてねぇ。
…あ、そうだ、本題話さなきゃね。今日はさ、初めての怪物さんでも、お話した事ある怪物さんでも、どっちでも構わないから、一緒にお庭の散歩したいなぁって。それが難しい怪物さんなら、談話室とか図書室とか、そういうお屋敷の施設に行ってみるのも良いかもねぇ。…兎に角、お部屋の外にお出掛けしたいんだ。
誰と何したって楽しいだろうから、優しい怪物さん、慎重な怪物さん、気難しい怪物さん、特別な怪物さん、誰だって大歓迎だけど……ああでも、今夜オレちゃんを食べちゃわない怪物さんが良いなぁ。…だから、今夜の気分をみんなに訊いてきてくれる?オレちゃんはお返事来るまで、窓辺で歌でも口遊んだり、使い魔ちゃん口説いたりして、ゆーっくり待ってるからさ。
それじゃあ、長くなっちゃったけど、宜しくねぇ。




803: クォーヴ [×]
2024-05-03 23:45:25



>ニール(>802


一緒に特別な想い出を作る…とても素敵だ、大賛成だよ。…今、君の記憶を肥えさせようって下心があると思った?ふふ、鋭いなあ。
うん、うん。しっかりと君の要望を伝えてくれてありがとう、とても嬉しいよ。通常住人組ならミリアム、マリーシュカあたりは快く君のお願いを聞いてくれるだろうし、少しの説得が必要でも良ければヴィンス、ハイネもお供に着いてくれるだろう。特殊住人組なら、ミゲルかレオニダスなら君を頭から食べようとはしないはず。
通常組をご指名なら、「 使い魔へ屋敷散策のお供になってくれる怪物を呼んできて 」とお願いした体で怪物がお迎えに上がるし、特殊組なら「 気紛れに自室の扉を開いて外に出ようとした瞬間に怪物に鉢合わせする 」という展開で夜がスタートするかな。
さて、名前の挙がった住人の中に君に選ばれる幸運な怪物はいるかな?…勿論、俺を呼んでくれるのも大歓迎だよ。




804: ニール・グレイ [×]
2024-05-04 00:20:08



>クォーヴ(>803


…ふふ、貴方はそういう怪物さんだからね。でもそんな下心だって、オレちゃんに向けてもらえるのなら嬉しいなぁ。
そうだねぇ…どの怪物さんも魅力的で、いつかはみんなとお話したいし、もちろん初めての夜のクォーヴとの口約束も果たしたいけど、今夜の所はハイネとお話させてもらおうかなぁ。…説得なんて、オレちゃんそんな得意じゃないけど、それもお話の内だと思えば楽しそうだねぇ。
それじゃあ、使い魔ちゃんにお願いしたいんだけど…オレちゃんの方から文を綴って来た方が良い?…それとも、もうお迎えに来てくれる?




805: クォーヴ / ハイネ [×]
2024-05-04 10:22:36



>ニール(>804


…本当に、君のような人は珍しいんだよ此処では。あーあ、同胞たちと取り合いになってしまうなあ。…ふふ。
あの夜のこと、覚えていてくれたんだね。約束は寝かせるほど熟成されてゆくものだから、ゆっくりとその時を待つとするよ。…ふ、今から楽しみだなんて俺も幸せな怪物だね。
それじゃあ、ハイネをお迎えに向かわせよう。少しその…失礼なところのある怪物だから、何か違和感があったらお話中でも遠慮なく教えてね。
ニール、良い夜を。


***


ハイネ:
――では、今日はここまで。次の夜までお利口に待っていて下さいね、……何ですかその泣きそうな顔は?
(無限に等しい屋敷の部屋、そのひとつの向こう側から漏れ出るのは楽しげなような悲しげなような、どっちともつかない男性同士の話し声。やがて蒐集癖に溺れた怪物はその部屋を後にしようとして、去り際のご機嫌な声は後ろへ近付くにつれて高圧的になっていく。たっぷりの間を置いて相手の一挙手一投足を観察し「 よろしい 」と慈愛も冷徹もない抜け殻のような声で有無を言わさず結びの言葉を落として外側から扉を閉めて。これも潮時かな、と傲慢で無慈悲で自分勝手な振る舞いを悪びれることもなく短く吐息して――そこへ蝶の姿をした使い魔が自身目掛けて漂ってくればそっと手を差し伸べて止まり木の真似事を「 …ほう、珍しい色彩の美男ですか。それはそれは……他の者に先を越される前に吟味しておかなくては 」先程の底を打つような不気味さは一点、にっこりと笑ってご機嫌に早変わり。新しいお気に入りの予感に胸を躍らせながら、荒唐無稽な魔法で空間を飛び越え貴方の部屋の扉の前にて丁寧にノックを。そのまま続けて普段より幾分か朗らかな声で「 今晩わ、美しいひと。貴方が使い魔へ託した招待状、受け取りましたよ 」まだ姿を見たことがないのに歯の浮く形容詞を使ったのは使い魔への信用故だろうか。一言一句に今夜貴方を食べてしまう気はなく、あくまでもそちらからの招待に応えて参上したのだと含みながら反応を待とう)




806: ニール・グレイ [×]
2024-05-04 12:21:09



>クォーヴ/ハイネ(>805


はは、ごめんねぇ。でも、嬉しいっていうのは全部本当。心からそう思ってるから、許してね。
…そう、そっか。じゃあ、待ってる時間も寂しくないねぇ。オレちゃんも、いつかクォーヴとお散歩出来る夜、楽しみにしてるね。
失礼なんて、オレちゃんきっと気にしないよ。でも、ありがとう、クォーヴ。それじゃあ、またね。貴方も、良い夜を…なんてね。ふふ。


***


――ねぇ、蝶々さん、
(月明かりの部屋の中、窓辺に寄り掛かって声を落とす。他にも使い魔が作業をするその中で、選んだ相手に理由は無かった。強いて挙げるなら、丁度伸ばした指の先を舞っていたから。「オレちゃん、誰かと散歩したいなぁ。…良い人居たら、教えてよ。」春先の木漏れ日に微睡むような、まったりと安穏が溶ける音にジョークを粧したねだりを、蝶々はどう聞いていたのだろうか。当たり前に返事も無く、己の指先から離れていくその羽ばたきを見送って、また硝子の外を見上げていた。――ふと、ノックが響く。ぱっと意識がそちらに向く刹那に、言葉が重なる。「…はーい、今開けるねぇ。」その声に、頬は一気に色めいていく。返事にも花咲くそれを織り込み歩んだドアの前、警戒や躊躇いなど放った手で緩やかに其処を開く。「……わあ、」対面した姿に、白髪のカーテンが掛かった瞳を僅かに瞠って、喜色混ざりの感嘆が漏れた。「はは、本当に来てくれたんだねぇ。オレちゃんのお誘い、受けてくれてありがとう、エルフさん。」それから、身を半歩退け部屋に招く意思を仕草で伝えながら、弧を描いた唇で第一印象の愛称を添えた謝意を捧げて、「早く貴方と出かけちゃいたいけど、まずは、」浮き上がりそうな足を退けた位置に揃え、姿勢をしゃんと正す。胸元に手を当てる何処か芝居掛けた所作は、目の前の彼の燕尾服に合わせて戯れに作った仕草。「オレちゃん、ニール・グレイ。」もう片方の手は腰に、そのまま小ぢんまりとしたボウアンドスクレープと共に名乗って顔を上げた先。「貴方のお名前教えてくれる、エルフさん?」自らの仕草にか、それとも現れた彼への嬉々か、くすくすと溢れる笑いを含ませた問いに首を傾げてみせながら、期待の熱を滲ませる瞳で彼を見詰めた。)




807: グレン [×]
2024-05-04 17:02:10




やあ、こんばんは……には少し早い時間帯だね。久方振りにこの場を訪れてみたら屋敷の扉が開いてるようだったからお邪魔させてもらおうと思って。もし話し相手になってくれるのなら、ハイネとの話が途中だったような気がしたから一先ず僕で失礼させてもらったんだけど……勿論、もう片方の彼でも僕の方は構わないから好きな方を選んで欲しい。
僕との話をしてくれるのなら確か >775 が最後のはずだって事と、リーパーの相手をしてくれるなら君の方で彼に合いそうな相手を見繕ってやって欲しいって事を伝えさせてもらうね。

嗚呼、それと、物語を紡ぐのがかなり久方振りでね。もしかしたら不手際があるかも知れない。勿論そんな事がないように気を付けるつもりではいるけれど、何か思うことがあるのならいつでも言ってくれて構わないよ、とだけ。それじゃあ君からの返事が貰えるまでゆっくりと待たせてもらうよ。




808: ハイネ [×]
2024-05-05 08:49:57



>ニール(>806


(扉が開いた瞬間、雪降る日の冴えた月光を吸収したような髪が一番に視界に入って、そのまばゆい美しさに微かに目許を細め。肝心の御尊顔の半分がそれに隠されている事にはどこか真価を発揮できていないような口惜しさを感じながらも、貴方の一挙手一投足が終わりを迎えるまで口も手も出さず見守る――否、見定めるような視線は粘り付くようなしつこさではなく大蜘蛛が己の巣にかかった獲物のどこから齧ろうか思案しているような静かな欲をちらちらと燃やして「 ……勿体ない、 」ふっと喉に溜めた息を吐き出すのと共に素直な感想を。脈絡のないご挨拶の意味を明かすように鋭い爪の備わった灰色の手を伸ばせば貴方の目を覆い隠すような形にしてからそのまま上へとスライドさせ、特別な瞳を守っているかのような前髪を頭を撫でるような仕草でかき上げようと試みて。その動作で紅い瞳とかんばせの全容を拝めたのなら「 何故、隠すんです? 」初対面の相手には些か礼を欠いた二の句を次ぐも、獲物の見目麗しさを興味の頂点に置くこの怪物にとってはそれは至極当然の疑問。自分の質問にきちんと答えられるまでは貴方からの質問に答える気はなく、それもまた当然といった様子で返答を待つ口元には感情の読めない薄い弧が描かれ)




809: クォーヴ / ハイネ [×]
2024-05-05 09:32:29



>グレン(>807


――やあ、グレン。長い間扉が閉まっていたのに、またこうして遊びに来てくれてとっても嬉しいよ。本当にありがとう。
文を紡ぐのにかなりブランクが空いてしまったのは俺達も一緒だから、何かあればお互い様ということでその都度共有していけたら嬉しいな。何よりも楽しい夜を過ごせることを第一に、何にも遠慮はいらないからね。
そうそう、君の初めての夜はハイネがとっても活き活きしていたっけ。読み返すと本当に楽しそうで…俺まで口角が上がってしまうよ。ふふ、俺は君に会えた事はないのに何故だか少し妬けてしまうね。随分間が空いてしまったけれど、それでもよければ是非初夜の続きからお願いできるかな。ハイネとの夜が終わっても君がお屋敷に残ってくれるなら、次回からメニューにお名前を記載させてもらうね。リーパー、彼とも話したいからまた連れて来てもらえたらみんな喜ぶよ。特にレナードとレンブラントは一入だろうね…ふふ。
…ごめん、再会が嬉しくてつい長話をしてしまったね。俺はハイネと交代するけれど、何かあれば気軽に声を掛けて。それじゃあグレン、良い夜を。


***


続き(>775
ハイネ:
おや――この俺があれ程言葉を尽くしたのに未だ信用に足りませんか?
(ああ、横顔も美しい。貴方にとっては自身の一つしかない命の懸かった場面であるにもかかわらず、圧倒的優位を強く自覚するあまりその愉悦を噛み締めようともしない傲慢な怪物はただただその造形美を間近にじっと見つめながら挑発するように眉尻を八の字に下げて「 貴方は本当に強欲だ 」ぽつり、部屋の静寂を揺らすように嫌に冷たい声を落とせば貴方の肩に置いた手で素早く顎を掴みぐいと引き寄せ、背後から唇を奪おう。それはダークエルフにとっては捕食行為の一端だが、食より欲を取るこの怪物にとってはこの屋敷に来たばかりの雛鳥に残酷な真理を教えるためのデモンストレーションのつもりで。すっと唇を放すも顎を掴む手は緩めないまま強制的にこちらを向かせ「 今夜貴方に出会ったのが俺以外の怪物だったら、今頃貴方は一山いくらの肉塊ですよ 」すっと細めた双眸には呆れるほどに嘘も凄みもなく、それもまたこの世界ではただ当たり前の出来事と陳腐に思わせるほどあっさりと残酷な内容を。少々大袈裟な表現にしたのはその方が己にとって都合が良いからだろう、そうしてするりと貴方から離れては背を向けるようにして唯一の出入り口である扉へと近付いて行きながら「 その他大勢の怪物にとって、獲物の価値は味によって決まるでしょう。ですが俺にとっては、獲物の美しさは最も価値あるもの。貴方がどれだけ高価か、そのお顔を鏡で見ればご自身でもお分かりになるのでは? 」最後に背中越しに首だけ巡らせて振り向けば、今度その顔に張り付くのはどこか試すような性悪な微笑み。稀有なほど高い価値を持つ獲物をこの佞悪な怪物はみすみす簡単に殺してしまったりはしない、故に貴方にとって最も大切なものが命であるならば選ぶ道は一つでしょうと、そこまでは敢えて言葉にせず黄金の流し目を向け続け)




810: ニール・グレイ [×]
2024-05-05 12:48:00



>ハイネ(>808


(己の問いに答えは無い。しかしそれを気にした様子も無い。伸びてきた指を視線で追いながらも、その所作を見詰めるばかりで怯えも怒りもせずに、されるがままに彼に触れさせる。「……どうして、って?」開けた視界の明るさに瞬きを幾度か。それから彼からの疑問を意を捉えかねたようで、先の挨拶より尚の事きょとんと気の抜けた仕草で首を捻る。しかしそれはまた直ぐに戻されて、また口元は笑みを浮かべる。「オレちゃんねぇ、眩しいものに弱いから、これをカーテンの代わりにしてるの。」すらり淀まずにこやかに、己が白髪を指して返した答えは、この部屋の絞られた照明が裏付けを示して尤もらしく。「それとねぇ、」そこに続けて、もう一つ。「目は口ほどに物を言う、って言葉があるよねぇ。だからこうやって隠してる方が、オレちゃんちょっとでもお行儀良く――」楽しそうな笑顔を頬は形作って、巻かれた綿飴のような曖昧な茶化す調子で連ねていって、「――“人間らしく”見えるかな、って。」その、最後に。眼前のエルフを隔たりの無い真正面から見据える。口元は愉快そうに微笑む弧を描いたまま、声も戯けた音を置いたまま――彼を覗く瞳だけが不釣り合いに、底無しに喰らう貪欲なケダモノ、はたまた愛を求める幼子が如く、歪に渦巻いた仄昏い火焔にぎらついて。それから一秒、二秒、三秒……不意に身一つ分だけ後ろに足を移して、彼の手からゆっくりと退く。「あ、でもねぇ、」また瞳を隠した後には、ころり一転。出会った瞬間と同じ嬉々が飛び出す言葉に顕れる。次いで今度は彼を真似て、自ら前髪を緩く掻き上げ、「エルフさんが望むなら、貴方と過ごす内はこうして“カーテン”を開けててもいいよ。」純粋そうなそれに直した笑い顔を向けながら、「その代わり、オレちゃんのお願いも聞いて欲しいなぁ。ほら、オレちゃんの招待状、受け取ってくれたんでしょ?」いかが、なんてまた大袈裟に首を傾いで、遊びに誘う無邪気を纏わせた、駆け引きとも言えぬ稚拙な台詞を彼へと並べた。)




811: ハイネ [×]
2024-05-05 14:27:13



>ニール(>810


……異な事を。この屋敷へ導かれたことが、貴方が紛れもなく人間だという証明でしょうに
(期待に胸が膨らむのは、貴方が見目だけでなく内面すらありふれた有象無象とは異なっているという片鱗を覗けたからだろうか。暗くも赫々と煌めく二つの紅には形振り構わない飢えた獣のような乾きが垣間見え、思わず笑みが強まってしまう。饒舌に紡がれた言葉には貴方に興を惹かれたのだという好感を惜しむことなく滲ませ、招待状にしたためられた外出という要求に応える気があることを示唆するためか一向に貴方の部屋にはお邪魔しようとはしないまま「 丁度、ここは永遠に眩い太陽の昇らない世界。フフフ、良かったですねえ 」眩しいのが苦手、という情報へのアンサーを。この屋敷に攫われる事は並大抵の人間にとっては不幸でしかないが、それでも良い事のようにすり替えたそれは甘言にも似て。触れる先のなくなった手を自身の胸元に添え、お辞儀の代わりに顎を引くようにして真っ直ぐと視線を向け「 唯のエルフではありませんよ。ダークエルフのハイネ、お見知り置きを 」そんなもの人間からしてみればどちらでも大差のないことであるにもかかわらず、態々種族を正しく認識させたのは高々とそびえたプライド故だろう。不意に指をパチンと鳴らせば蝶の使い魔が何の変哲もない黒のアメピンを数本、小さなバスケットに入れて貴方へ差し出す。俺と会うときはカーテンを留めておきなさい、という指示を形にしたのはお近づきの印のつもりか。「 貴方はオレチャン、ですか? 」同胞に紹介されて貴方へ辿り着いたわけではないため獲物の名を知る由はなく、やや腰を折り曲げ上から顔を覗き込むようにして冗談めかして「 行きましょうか。目の弱いオレチャンの為に、暗いところへ 」具体的な行き先を告げないまま、エスコートの為くの字に曲げた腕を差し出して)




812: グレン [×]
2024-05-05 15:57:59




>クォーヴ / ハイネ( >809 )

お出迎えありがとう。ここでの記憶は僕にとっても彼奴にとっても楽しいものだからね。屋敷の扉が開いていて、訪れる機会がある間は遊びに来るつもりにしているよ。
うん、そう言ってもらえると助かるよ。相変わらず綺麗な文だし、僕の方から君の綴る文章に何かを言う事は無いと思うんだけれど、君も遠慮なく言って欲しいな。
初めての夜が終わった後も君たちさえ良ければ屋敷に僕も残らさせてもらうつもりにしているから、クォーヴとも話せる日があると嬉しいな。…と言っても、ハイネが許してくれそうなら、が大前提なお願いになってしまいそうだけれど。ほら、彼独占欲が強そうだからね。勿論だとも、リーパーも出て来たくてうずうずしている事だし、また相手をしてやってくれって言伝を頼んでもいいかい?
長話はお互い様の事だし気にしないでおくれ。僕の方もこちらは一度引っ込ませてもらうけれど、何かあれば遠慮無く呼び出してくれて構わないよ。それじゃあクォーヴ、君も良い夜を。

****

──……は、
( 口を開こうとした瞬間、顎を掴まれ重なる唇。その行為に対して幼少の頃に感じていたような不快感は無く、然し驚いたのもまた事実。数回瞬きを繰り返し状況を飲み込もうとしている間に彼の口から紡ぎ出される言葉の半数程は理解をする前に右から左に流れ出てしまう。そんな中でも自分の生死に関わる情報の取捨選択は出来てしまうのだから困ったものだ。「そう……だね、この顔は僕が生きていくのに一番重要なものだ 」 例えそれが原因で歪で汚れた愛しか受け取る事が出来なかったのだとしても。そんな一言を付け加えるのは無粋だろう、と途中で口をつぐみ代わりに緩やかな笑みを浮かべ一歩、また一歩と彼の方へと歩を進め。 「 ここでもこの顔が財になるとは思わなかったよ 」 この場で平穏無事に生活を送るための命綱、そして若しかすれば欲しいものを与えてくれるかも知れない相手をみすみす見逃す訳にはいかない。伸ばした手で彼の手首の辺りを緩く掴み、向けられる視線に真っ直ぐに青紫を向け「 ……ただ、残念な事に僕は欲張りなんだ。君は僕を満たしてくれるかい? 」 乾く唇を軽く舌で濡らし、若干の本心を織り込ませ紡ぐ言葉は震えてはいないだろうか。先程引き止めるように取った手を振り払われることが無いのであれば、そのまま誘導し自身の頬を寄せるつもりで )




813: ハイネ [×]
2024-05-05 16:49:06



>グレン(>812


フフ……フフフ、
(導かれるがまま、人間離れした冷たい手のひらが暖かな頬に触れるのを知覚すれば堪えようのない高揚感から肩を震わせて笑いを耐えるも、御しきれなかったそれは唇から溢れて。じわじわと温もりが自身に染み込んでくるような感覚に――まるで貴方の体温を奪っているような錯覚に、食欲よりも遥かに大きな支配欲という胸中の器に一滴、また一滴と満足感が注がれていくのを感じて「 ああ…可愛い。可愛いですね、本当に 」美しくて、儚げで、綺麗で、可愛い。この怪物の目には最早貴方はそのようにしか映っていないとでも言いたげに熱を帯びた賛辞を繰り返し、手はされるがままに預けたまま片足を軸に踵を返して貴方に向き直る形を作っては空いている手で同じように頬に触れ「 勿論、来る日も来る日も貴方を愛でますとも 」満たす、その抽象的な言葉を良いことにあくまでも自分本意な表現にすり替えて。お気に入りが手に入った事に大層ご機嫌な様子で明後日の方向に視線を向けて何かを思案し、思い出したようにまた貴方を見つめ「 人間界の……ああそうだ、万華鏡。ご存知ですか?ほんの少し角度を変えるだけで、次々と意匠の違う美麗な模様を描く玩具です。俺はね、フフ、色々な貴方を堪能したいのですよ 」命ある獲物を無機質な玩具に例えたことに全く悪気はなく、貴方の頬へ添えていた手をそのままするすると後ろへ滑らせていき項を手のひらいっぱいに抱え込むようにして自分の方へと力を込める。その間に金色の双眸には昂った狂気の光が渦巻いていき「 俺の中にあるグレンの器が満たされたら――その指輪は効力を失うでしょう。貴方は満たされたいのに、…フフハハ、俺とは逆さまですね? 」要するに、このどうしようもなく凝り性な怪物を飽きさせたらその後の命は保証しない、と。まだ貴方から明確な答えは貰っていないのに、普段の落ち着き払った態度からは想像に難い熱狂的な様子で愉悦に溺れるようにまた笑いを零す。徹頭徹尾声こそ荒げることはなかったものの、だからこそ部屋の静けさにシンと染み渡るような執念を孕んだ声色で「 最後まで、逃がしませんよ。 」額と額が触れそうな距離まで貴方を引き寄せ、それが叶わないのなら自身が半歩踏み込んで、珍しくも大きく開かれた瞳の水晶体いっぱいまで貴方の姿を焼き付けよう)





814: ニール・グレイ [×]
2024-05-05 17:56:40



>ハイネ(>811


――ふふ。うん、そう。だから、本当に夢みたいな場所だねぇ。
(そう返したのは、屋敷に招かれた理由にか、それとも陽の昇らぬ常夜の世界にか。どちらにしても、先程よりも感情の滲む彼の甘言に、うっとりと悦を潜ませた吐息の後。今度こそ、彼は己の問いかけに答えてくれた。「……うん、うん。ダークエルフのハイネ、だね。宜しくねぇ。」互いの瞳を合わせ、教わった名と種族を自身の唇でなぞる事で、“彼”の認識を、何処とならず歓を含めて正確に定める。それから、彼のスナップに合わせて此方へと舞う蝶が運ぶ小さな籠の内、髪留めの品に意図を汲み取ったようで、「ありがと、ハイネ。」控えた三日月に弛ませる口元で礼を告げた次、贈られたそれらを指先で挟んで掬い上げる。そのまま一方の耳元へと流した白いカーテンを、貰った全てで一本残らずぴたり留めて、また遮光を失くし眩しげに瞬く紅で彼と向き合う。覗く金色が問う声へ、ふふ、と綿毛を吹くような笑いを零しながら、「ごめんね、紛らわしかったねぇ。オレちゃん――俺はね、ニール。ニール・グレイって名前なんだ。」言葉通りの詫びは一雫ばかり、後には戯れを編み込んでの自己紹介を。その続け様に、差し出された腕へと自身の片手を柔く絡めて、隣に寄り添って。「…ハイネ。ねぇ、ハイネ。」曖昧にされたとて、己の瞳を加味した共出の案。どうあれ彼が自分の事を考えている、と高揚の熱が薄く浮き出す色を名を呼ぶ声と頬に籠めながら、「貴方が知ってる素敵な場所、早くオレちゃんに教えて?」リードを任せ最初の一歩を堪える半面、待ちきれずに乞う上目でそちらを見詰めて、彼へ催促とおねだりを告げた。)




815: ハイネ [×]
2024-05-05 18:48:36



>ニール(>814


おや、それではさぞかし夢でなくて安心したでしょうね。貴方、怪物に会うのは俺で三度目でしょう?
(言の葉の一つから、そして吐息の一つから伝わってくるのは貴方の言葉が嘘偽りないものであるということ。やはりこの獲物は複数の意味で珍しい、と内心で興味を増しながらも鼻につくのは微かな同胞の匂い。ゾンビの方は脳足りんで警戒に値しないが古い死神の方となると話は変わってくる、きっと優しい言葉や柔らかい態度、甘い約束でこの奇麗な獲物の気を引こうとしているに違いない、と内心で舌打ちをしながら独占欲をちらつかせるように台詞の末尾をやや強くして。しっかりと露見した紅は少し控えめな色合いだろうか、それでも人間の中では稀有なその色彩をしっかりと見つめて「 よく似合いますよ、ニール。やはりこちらの方が良い 」明かしてもらったばかりの名をこちらも倣うように反芻して、なんだか先刻より少しだけ幼く見える貴方のアンバランスな髪の長い方を指先でサラリと弄び「 慌ててはいけませんよ、既に聞いているでしょうがこのお屋敷には意思疎通も出来ないケダモノがうろついているんですから。今から向かう場所に着くまでは、この腕を解かないように。ニール、分かりましたね? 」よく回る舌で丁寧に注意喚起するのは、この希少な獲物を有象無象にくれてやるなんて事態は想像するだけで腹綿が煮えくり返りそうになるから。組んでいない方の手で白い鼻先にツンと触れては歩みを始めて。長い永い廊下は片側に大窓、もう片側には無数の扉が規則正しく並んでおり、そこに紛れて曲がり角や階段が点在している…かと思えば振り返れば先程すぐそこにあった筈の階段が消えている、といったまさに迷宮の様相。どう見ても目印になりそうなものなんて無いのに、怪物の歩みは淀みなく進むこと数分、一本道の廊下の先にあるのは下り階段――そして偶然にもその門番のように黒い影に覆われたような理性なき魔獣が飢えた唸り声を上げており「 ああ、丁度いい 」怪物の方はそれを脅威と見做していないためあっけらかんと言えば貴方の耳へ口を寄せて「 アレが先ほど教えたケダモノです。ニールという個を認識せず、ニールという名を呼ぶことなく、ただの餌として貴方を喰わんとするのですよ。ねえ、そんなの嫌でしょう? 」どこか愉しげで、でもどこか悲しげな絶妙な声で縷々と紡がれる言葉はまるで詩のような響きを持ち、その合間にもケダモノは涎のような粘ついた液体を口から垂らしながら不気味な唸り声と共ににじり寄ってくる。いつでも消し飛ばせるその雑魚をわざと泳がせることで、きっと普通の人間よりずっと怖い物知らずな貴方に身を持って屋敷の危うさを知ってもらおうという算段で)




816: グレン [×]
2024-05-05 19:39:22




>ハイネ( >812 )

……ははっ、可愛いだなんて言われたのはいつ以来だろう。けれど、……うん、嫌な感じはしないな
( 突然の普段向けられるものとは違う賛辞に、思わずと言った様子で相好を崩し。その言葉を噛み締めるかのように思案顔を浮かべた後、小さく口の中で零すように紡ぎ出す言葉尻は平素の取り繕ったような話し方とは異なるもの。こちらへと向き直った彼の、ひやりとした感触が両頬へと伝わる。それを拒む事無く、自分の体温が彼へと移り溶け合うことに自然と口角が持ち上がる。きっと、きっと彼であれば自身の端正な顔立ちが理由で、歪な形であったとしても満足のいくものを与えてくれるだろう、と。視線を持ち上げる彼の様子をほんの少し首を傾けた状態で、その様子を追いかけ。「 万華鏡、か…… 」 自嘲の意を込めて喉奥を震わせるような笑い声を漏らしながら反芻するのは気に召さなかったというよりも、喩えとして言い得て妙だという関心を含んだもの。彼の言う事に何ら疑念も不安も無い。否、寧ろ人間相手に心掛ける事と遜色無いと理解出来ただけやりやすさも生まれるというもの。頬から項へと移った冷えた感触と、黄金の中に彩る自身への興味関心、そんな全てが折り混ざったかのような狂気にも似た色が心地良く感じる程には自分も狂っているのだろう。「 はは、生憎と僕はこれでも役者だよ。色んなカオを見せるのは得意なんだ 」 今迄とやる事は変わらない。顔色を伺い、飽きて価値の無いものだと思われないように演じるだけ。その終着点が社会的なものから物理的なものに擦り変わった程度。台本が無ければ舞台構成を練る時間もない、全ては自分の力だけに掛けられた命を預けるにしては頼りの無い綱。それがどれ程難しい事か理解が出来ない程頭が弱い訳では無い。然し同時にとてつもなく心が躍る心地がするのは数年という短い間ではあるものの、舞台の上で生きた演者の性ゆえのことだろうか。引き寄せられるままにバランスを崩さないよう咄嗟に片足を前に出し、彼との距離を詰め「 一生目を離せないくらい魅せてやるさ 」 恒の王子様然とした柔らかな笑みはなりを潜め、挑戦的な色の滲む双眸で見つめ返そうか )




817: ハイネ [×]
2024-05-05 21:49:23



>グレン(>816


(いつだって人間というものは愚かだった。多くともたった数十年の時を永らえる為ならば己を喰らう怪物に媚び、所有され、消費される。ゆえにダークエルフにとって刹那に過ぎない筈の数十年の間すらも飽きさせなかった獲物などこれまでに存在しなかった。だがどうだ、目の前の男は。かつてこんなにも救いのない状況でこんなにも剛毅果断な眼をした人間がいただろうか――胸中の問は我ながら愚問で、ただ高揚感のままに年に数度上げるか上げないかの高らかな笑い声を響かせ「 フフハハハ!素晴らしい!泡沫の如きヒトの身でダークエルフに挑むとは! 」背中をしならせ天を仰ぎ、仄かに体温の乗り移った手を自身の額に当てる。その熱さに口角は吊り上がるばかりで、しかし数秒後には咳払いと共に涼しげな表情を張り付けては襟元を整えるような仕草を見せて「 楽しみにしていますよ、貴方の百面相。…いえ、貴方ならば百程度お茶の子さいさいですね、これは失礼 」くふ、くふふと性悪な笑いをまたしても堪えきれず零してしまいながら挑発めいた言葉を贈り返して。そうして徐ろに手の平を上に向け、先ほど無の空間から指輪を作り出した時と同じエフェクトで練り上げたのは半透明の南京錠。ふよふよと手の上に浮かぶそれを見つめながら「 これは俺以外の怪物を拒絶する特別な錠前です。何人たりとも俺の許可なしではグレンの部屋に侵入させません。安心でしょう? 」いつ暴力で破られてもおかしくない脆弱な扉に絶対的な防護の力を付与する、それはすなわちハイネ以外の怪物の不本意な侵入を跳ね除けることと同義な破格の代物。得意げな顔でちろりと貴方を見て、また唇を開き「 けれど、俺も暇ではありませんから顔を出せない夜もあるでしょう。もしくは貴方が俺を飽きさせないように他の住人に助言を求めたくなる夜もあるかもしれません。そういう時は、他の住人をこの部屋に入れることを許可してあげますよ。その際の鍵は貴方に預けておきましょう 」ハイネの都合で貴方に孤独を感じさせた時、貴方がハイネ以外に助けを求めたくなった時。条件付きではあるものの他の怪物との接触を完全に断ち切るつもりはなく、ただそれも自分が楽しむためのスパイス。指先で南京錠を空中に跳ね上げ、二人の間の頭上にふわふわ留まるそれには目もくれず貴方に手を伸ばし顎先をついと撫でて「 “俺はハイネのものです”――はっきりと、扉の向こうの住人に聞こえるように肉声で唱えなさい。それでその夜だけは解錠されますから 」悪趣味な鍵も自身の支配欲を満たすため。ゆえに勿論「 その声は俺にも届きますよ。フフフ、楽しみですねえ 」心から楽しそうににんまりと眦を緩めて)




818: ニール・グレイ [×]
2024-05-05 22:30:18



>ハイネ(>815


そう、オレちゃん貴方が初めてじゃないよ。
(何処と無く変化を感じ取ったのか、彼の疑の形を持つそれにだけ返事を残す。その後で、褒める言葉には口元を押さえての弛いはにかみを。それから鼻先に触れた冷たい指にねだりは一度引っ込めて、「うん、絶対離さないからねぇ。」素直に注意を聞き入れる頷きを約束に、彼と歩調を合わせ廊下へ踏み出す。――くねる道、消える階段、ずらり並ぶ扉達。目の回りそうな屋敷の様相に、感嘆か興味かつかない不明瞭な音を時折口から溢しながら、視線は彼方此方と緩やかに巡る。「…どうかしたの、」ふと上がった彼の声にそちらを見遣った次に、その視線の先を追って、「……あ、」認識したモノに喉を詰める。そこに流麗な彼の言葉で頭の内へ流れ込んでくる、あのケダモノの事。…己を己と認識せず、必要ともしない、只喰らうだけのモノ。絡める手に、力が籠る。――しかし、「……嫌。」彼へ肯定を呟く音は、奇妙なほどの平坦さ。唇からも描いた弧は消えて、表情そのものを忘れたように何もかも色が抜け落ちて。唯一見開かれた瞳だけが、警戒らしき鋭い凍てつきを示し魔獣を刺している。そのまま数秒――ケダモノとの距離が己の一歩分近付いた頃に、自らも一歩退いて、「……やだ、そんなの、オレちゃん怖い。」そうした後で漸く、発条を回された玩具の如く眉を寄せて唇を曲げ、有り触れた“恐怖の表情”と“怯え震える言葉”を形作る。「ハイネ、ハイネ。」後ろに下がったままに、もう一方の手も彼を捕らえて、その背にぴったり身を寄せる。「……貴方、オレちゃんの事、守ってくれるんだよねぇ?」縋る仕草に、頼る台詞。そこに不自然な我欲の熱が混ざる視線で彼を見上げながら、己の問いへの答えを待った。)




819: ハイネ [×]
2024-05-05 23:06:39



>ニール(>818


(こちらの不機嫌を起爆させないよう、必要以上に導火線には近付かない。ぼんやりとしているようで非常に聡い、と内心で評価すれば正面を向いたまま口元の弧をもう少し深く弛ませて。さあ、身に沁みて理解できたでしょうか――そんな風に横目で貴方の様子を一部始終じっと観察していたからこそ、その挙動にひとつの違和感が灯る。おばけを怖がる子供のように庇護を求めるその姿を変わらぬ視線で捉えたまま「 お上手ですねえ、怖がる振り 」くす、と底の見えない控えめな笑いの後、まるで汚らしい野良犬を追い払うようにしっしと手を振れば見えない力でバケモノはあっけなく塵へと還され跡形もなく消え去って。そうして何もなかったように貴方の腕を淡く引いて歩き出し「 足元、お気をつけて 」と下り階段の一段目に差し掛かる直前で声を掛けて。とん、とんと長い階段を下りながら「 ……貴方が怖いのは、あんな陳腐なケダモノではなく“ ニール・グレイ ”という存在を無視されること。合っていますか? 」不意に問い掛けを投げて。本物の恐怖に怯えるありふれた人間を夥しいほど観察してきたからこその思考回路は、きっとゾンビには備わっていないものだろう。ここで貴方が出会ったことのあるであろう住人を思い出したのはまさに無意識、それこそ稚拙な対抗心にも似た独占欲で「 きっとアッシュには効果覿面だったでしょうねえ。怯えた仔犬のような姿に張り切って貴方を背に庇い守ったでしょう 」この場面では何の益体もない仮想は嫌味たっぷり、そもそも他の住人に先を越されたことから面白くない。いつの間にか、二人の前には両開きタイプの藍色に鈍く輝く扉が鎮座していて「 さあ、どうぞ。手塩にかけた俺のコレクションをご照覧下さい 」するり、腕を解けば恭しく胸に手を添え一礼。所作と同時に勝手に扉は開かれていき、扉の奥から漏れ出るのは照明の光――ではなく、ほぼ真っ暗と表現できる広々とした部屋の壁中に敷き詰められた淡く発光する数々の何か。そこはまるで宇宙空間、光源のない部屋は扉部分を除いて壁も床も一面が透明なガラスに似た何かで構成されており、その向こうではまるで色とりどりの星々のようにふよふよ、ちょこまかと何かが動き回って、否、泳ぎ回っている。「 人間界にもこれと似たような施設があるそうですね。水族館、訪れたことはありますか? 」室内に入って扉を閉めれば、本当に真っ暗な深海の底に沈んでいるよう。上下左右を大小様々な魚類――に似た何かが悠々と回遊し、仄かに手元足元が分かる程度の明かりを自ら放っていて)




820: グレン [×]
2024-05-06 00:15:48





>ハイネ( >817

( 今の今まで声を荒げることも無かった彼の口から出る声高な笑い声は幻聴では無かろうか。驚きの表情は彼が佇まいを正したところで直ぐに引っ込められるものでは無く、贈られた挑発めいた言葉で漸くふっ、と強ばっていた体躯から力が抜けるのが見て取れるだろう。左手の中指に収まっている指輪と同じく無から作り出された錠前。彼の言葉の通りであるのならば、この室内が自分が生き延びるための──無論、彼の興味を損ねる事の無い限りという条件付きではあるが、城塞になるのでは。ふよふよと浮かぶそれと彼との間を何往復か、ゆっくりと視線を移動させ。顎先へと触れる肌の感触に真正面から見据えていた為に、鍵となる言葉に眉がほんの少しだけピクリと動いた事を認められるだろうか。その理由は以前マネージャーであった男に言い当てられた癖にも似た自身の一人称にある。今目前にいるダークエルフには、きっといつか鍍金の剥がれ落ちた素を見せなければならない日が来るだろう。けれど他の怪物には出来ることなら、役者の皮を被ったグレン、それ以外の片鱗も見せないで済む方が断然良い。然しもし鍵が一言一句違わぬ言葉で無ければいけないのならば 「 …………悪趣味だな、 」 長い睫毛を伏せ視線を爪先へと落とし、思考を巡らせている間無意識のうちにポツリ、と漏れ出た独り言に本人が気付く事はなく「 その鍵は一言一句違わぬように、かな? 」 次の瞬間には視線を元のように彼へと向け直し )





821: ハイネ [×]
2024-05-06 01:34:22



>グレン(>820


(その道楽が悪趣味だというのは何も人間だけの価値観ではない。怪物の中にも人間に近しい倫理観を持つ者が居るように、この怪物もまた異端。住人の何人かはこの一連の出来事を知ればきっと眉を顰めるだろう、しかし当人には他人の評価など何処吹く風。この高尚な嗜好を理解できないなんて可哀想な方だ、と内心で小馬鹿にしたように一笑に付したっきり忘れてしまう程度のこと。ゆえに零れ落ちた独り言にも気分を害することはなく――今が特別ご機嫌だからというのもあるが――貴方の顔をぬぅっと覗き込んで「 何か不都合でも? 」問に対して問を返した理由は反応が見たいからとこれまた性悪を発揮。無論本人にその気はなくただ気に入った獲物の事は何でも知っておきたいという純粋な興味からの質問で、しかし間近にその眉目秀麗な顔立ちを収めては今となっては胡散臭さしかない愛想を纏った微笑みを向けて「 一人称の部分はお任せしますよ。グレンが俺のコレクションであると相手に明示出来れば構いません 」すっかり貴方を手に入れた気でいる怪物は今度こそ扉へと近付いて「 質問がなければ、今夜はそろそろお暇しましょう。たっぷり眠って、じっくり作戦を練りなさい 」扉に背を預けながら腕を組み、妖しく紫に発光する透けた錠前を手慰みに弄びながら反応を待ち)




822: ニール・グレイ [×]
2024-05-06 02:19:27



>ハイネ(>819


――…あは、
(視線が絡み合った後、笑う彼に表情は崩れ、その場には似つかわしくない破顔が零れる。「そう、上手でしょ、“普通の人間らしい”怖がり方。たくさん観て、学んで、練習だってたくさんしたからねぇ。」彼がケダモノを消し払うその短い間に、かつて“そうなりたい”と積み上げた残滓を嬉しそうに語って。口を閉じて直ぐ、腕の引かれた方向に抵抗無く合わせ、歩を再開する。ありがと、と掛けられた声に礼の定型を返し、一歩一歩、確実に階段を降りていく、途中。己の胸の底、正鵠に踏み込んだ彼の言葉で、今度は微笑んだまま固まった一瞬、その次に「――ふ、は。あ、ははっ、」唇を大きく開いて吊り上げ、そこから狂喜を響かせる。「そう、そう、そうだよ。痛いより、苦しいより、死より、俺、寂しい事が一番怖い。誰も俺を見てない事が、誰の目にも俺が映らない事が、何よりもどれよりもどんな事よりも、それだけが俺の、」“それ”は本来、獣が威嚇に牙を見せる行為だという一説を体現するような、瞳孔を瞠った恐ろしく歪な笑顔を溢し、燃え盛る焔を忙しなく捲し立ててから、「……あ、いけない。ごめんね、お行儀悪かったねぇ。」はたと気付いて口元を片手で隠し、それを自ら咎める。そのままするり顎まで撫で擦る事で元の弛い弧へと戻せば、それ以上の言葉は括って伏せた。それから彼から嫌味混じりに出た寂しがり屋の名前に、「ふふ、そうだろうねぇ。アッシュって裏も表も無くって、牙も爪も剥き出しにじゃれつく大きな子虎さんみたいだったからねぇ。」庇いもフォローもせず、己の印象だけを雑に放って談笑に塗り変える。と、その丁度に目の前へ現れた扉に驚き、そちらに意識が向けば同時に其処は開いて――「……すごいねぇ。」広がる満天の星空に勝るとも劣らない景色に惚けながら、月並みだが至極明確な感激の賛辞を贈る。彼から離れて数歩、しゃがみこんだ足元にも泳ぐ何か達の薄い光を眺めつつ、「…行った事は、無いかなぁ。街中のテレビで、ちょっぴり見たくらい。」問われる声に首を傾け唸った後、自身の生活の端を手繰って答えて。「……綺麗だねぇ。」それからはまた、心地良い暗さに漂う光達に見惚れ、指先をそれらに伸ばす。が、「ねぇ、」硝子に似た隔たりに触れる寸前に仕草を留め、「この子達は、オレちゃんの事食べちゃわないよね?」ほんの少し、眇める形を持たせた視線で彼を見上げ、きちんと魔獣に学んだ警戒を先に尋ねた。)




823: グレン [×]
2024-05-06 02:29:02





>ハイネ( >821

…………いいや?そういう訳じゃないんだけれどね。
( 顔を覗き込まれた事で、はっとし柔和な笑みを浮かべて。いつか剥がれ落ちるだろう鍍金も、外さなければならない仮面も、それは今この時では無い事は確か。それであれば憂いた事柄を伝える必要性は無いだろうと。それでいて重要な部分は自身が彼のコレクションであるかどうか、だなんて口にする彼は思案していた事をどこまで知っているのだろうか。扉へと近付く背中へと鍵を了承した旨を伝え、こちらへと視線が送られれば首肯と共に 「 嗚呼、特に今聞いておきたい事は無いから大丈夫だよ。付き合ってくれてありがとう。おやすみ、ハイネ 」 彼が部屋を出て行くのであればそれを見送り、戸がしっかりと閉まるのを見届けてからベッドへと戻りこれから先の生活をどう過ごすべきか、だなんて事に思考を乗っ取られている内に次第に眠の中へと誘われていく事だろう )

****

やあ、今晩は。僕の初めての夜を長引かせるのも何だし、この辺りで幕引きだろうって事でお返しの分が短くなって申し訳ない。

丁度キリもいい事だし、次は彼奴で話を紡がせて貰えたらって思ってるんだけどどうだろう?指名はそうだな……面識のある二人どちらか、もしくはヴァンパイアのお姉さん辺りだと嬉しいかな。ほら、彼奴が初めてこの屋敷にお邪魔した時も、久し振りに帰ってきた時も出迎えてくれたのが彼女だったから話してみたいんだって。けどあくまで希望ってだけで優劣は無いし、他の住人でも問題は無いからね。

嗚呼、それと…………俺が初めて出会ったのがハイネで良かった。楽しい時間をありがとう。これから先もよろしく。って伝えてくれると嬉しいかな。





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