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オリジナルキャラなりきりチャット
自分のトピックを作る
806:
ニール・グレイ [×]
2024-05-04 12:21:09
>クォーヴ/ハイネ(>805)
はは、ごめんねぇ。でも、嬉しいっていうのは全部本当。心からそう思ってるから、許してね。
…そう、そっか。じゃあ、待ってる時間も寂しくないねぇ。オレちゃんも、いつかクォーヴとお散歩出来る夜、楽しみにしてるね。
失礼なんて、オレちゃんきっと気にしないよ。でも、ありがとう、クォーヴ。それじゃあ、またね。貴方も、良い夜を…なんてね。ふふ。
***
――ねぇ、蝶々さん、
(月明かりの部屋の中、窓辺に寄り掛かって声を落とす。他にも使い魔が作業をするその中で、選んだ相手に理由は無かった。強いて挙げるなら、丁度伸ばした指の先を舞っていたから。「オレちゃん、誰かと散歩したいなぁ。…良い人居たら、教えてよ。」春先の木漏れ日に微睡むような、まったりと安穏が溶ける音にジョークを粧したねだりを、蝶々はどう聞いていたのだろうか。当たり前に返事も無く、己の指先から離れていくその羽ばたきを見送って、また硝子の外を見上げていた。――ふと、ノックが響く。ぱっと意識がそちらに向く刹那に、言葉が重なる。「…はーい、今開けるねぇ。」その声に、頬は一気に色めいていく。返事にも花咲くそれを織り込み歩んだドアの前、警戒や躊躇いなど放った手で緩やかに其処を開く。「……わあ、」対面した姿に、白髪のカーテンが掛かった瞳を僅かに瞠って、喜色混ざりの感嘆が漏れた。「はは、本当に来てくれたんだねぇ。オレちゃんのお誘い、受けてくれてありがとう、エルフさん。」それから、身を半歩退け部屋に招く意思を仕草で伝えながら、弧を描いた唇で第一印象の愛称を添えた謝意を捧げて、「早く貴方と出かけちゃいたいけど、まずは、」浮き上がりそうな足を退けた位置に揃え、姿勢をしゃんと正す。胸元に手を当てる何処か芝居掛けた所作は、目の前の彼の燕尾服に合わせて戯れに作った仕草。「オレちゃん、ニール・グレイ。」もう片方の手は腰に、そのまま小ぢんまりとしたボウアンドスクレープと共に名乗って顔を上げた先。「貴方のお名前教えてくれる、エルフさん?」自らの仕草にか、それとも現れた彼への嬉々か、くすくすと溢れる笑いを含ませた問いに首を傾げてみせながら、期待の熱を滲ませる瞳で彼を見詰めた。)
807:
グレン [×]
2024-05-04 17:02:10
やあ、こんばんは……には少し早い時間帯だね。久方振りにこの場を訪れてみたら屋敷の扉が開いてるようだったからお邪魔させてもらおうと思って。もし話し相手になってくれるのなら、ハイネとの話が途中だったような気がしたから一先ず僕で失礼させてもらったんだけど……勿論、もう片方の彼でも僕の方は構わないから好きな方を選んで欲しい。
僕との話をしてくれるのなら確か >775 が最後のはずだって事と、リーパーの相手をしてくれるなら君の方で彼に合いそうな相手を見繕ってやって欲しいって事を伝えさせてもらうね。
嗚呼、それと、物語を紡ぐのがかなり久方振りでね。もしかしたら不手際があるかも知れない。勿論そんな事がないように気を付けるつもりではいるけれど、何か思うことがあるのならいつでも言ってくれて構わないよ、とだけ。それじゃあ君からの返事が貰えるまでゆっくりと待たせてもらうよ。
808:
ハイネ [×]
2024-05-05 08:49:57
>ニール(>806)
(扉が開いた瞬間、雪降る日の冴えた月光を吸収したような髪が一番に視界に入って、そのまばゆい美しさに微かに目許を細め。肝心の御尊顔の半分がそれに隠されている事にはどこか真価を発揮できていないような口惜しさを感じながらも、貴方の一挙手一投足が終わりを迎えるまで口も手も出さず見守る――否、見定めるような視線は粘り付くようなしつこさではなく大蜘蛛が己の巣にかかった獲物のどこから齧ろうか思案しているような静かな欲をちらちらと燃やして「 ……勿体ない、 」ふっと喉に溜めた息を吐き出すのと共に素直な感想を。脈絡のないご挨拶の意味を明かすように鋭い爪の備わった灰色の手を伸ばせば貴方の目を覆い隠すような形にしてからそのまま上へとスライドさせ、特別な瞳を守っているかのような前髪を頭を撫でるような仕草でかき上げようと試みて。その動作で紅い瞳とかんばせの全容を拝めたのなら「 何故、隠すんです? 」初対面の相手には些か礼を欠いた二の句を次ぐも、獲物の見目麗しさを興味の頂点に置くこの怪物にとってはそれは至極当然の疑問。自分の質問にきちんと答えられるまでは貴方からの質問に答える気はなく、それもまた当然といった様子で返答を待つ口元には感情の読めない薄い弧が描かれ)
809:
クォーヴ / ハイネ [×]
2024-05-05 09:32:29
>グレン(>807)
――やあ、グレン。長い間扉が閉まっていたのに、またこうして遊びに来てくれてとっても嬉しいよ。本当にありがとう。
文を紡ぐのにかなりブランクが空いてしまったのは俺達も一緒だから、何かあればお互い様ということでその都度共有していけたら嬉しいな。何よりも楽しい夜を過ごせることを第一に、何にも遠慮はいらないからね。
そうそう、君の初めての夜はハイネがとっても活き活きしていたっけ。読み返すと本当に楽しそうで…俺まで口角が上がってしまうよ。ふふ、俺は君に会えた事はないのに何故だか少し妬けてしまうね。随分間が空いてしまったけれど、それでもよければ是非初夜の続きからお願いできるかな。ハイネとの夜が終わっても君がお屋敷に残ってくれるなら、次回からメニューにお名前を記載させてもらうね。リーパー、彼とも話したいからまた連れて来てもらえたらみんな喜ぶよ。特にレナードとレンブラントは一入だろうね…ふふ。
…ごめん、再会が嬉しくてつい長話をしてしまったね。俺はハイネと交代するけれど、何かあれば気軽に声を掛けて。それじゃあグレン、良い夜を。
***
続き(>775)
ハイネ:
おや――この俺があれ程言葉を尽くしたのに未だ信用に足りませんか?
(ああ、横顔も美しい。貴方にとっては自身の一つしかない命の懸かった場面であるにもかかわらず、圧倒的優位を強く自覚するあまりその愉悦を噛み締めようともしない傲慢な怪物はただただその造形美を間近にじっと見つめながら挑発するように眉尻を八の字に下げて「 貴方は本当に強欲だ 」ぽつり、部屋の静寂を揺らすように嫌に冷たい声を落とせば貴方の肩に置いた手で素早く顎を掴みぐいと引き寄せ、背後から唇を奪おう。それはダークエルフにとっては捕食行為の一端だが、食より欲を取るこの怪物にとってはこの屋敷に来たばかりの雛鳥に残酷な真理を教えるためのデモンストレーションのつもりで。すっと唇を放すも顎を掴む手は緩めないまま強制的にこちらを向かせ「 今夜貴方に出会ったのが俺以外の怪物だったら、今頃貴方は一山いくらの肉塊ですよ 」すっと細めた双眸には呆れるほどに嘘も凄みもなく、それもまたこの世界ではただ当たり前の出来事と陳腐に思わせるほどあっさりと残酷な内容を。少々大袈裟な表現にしたのはその方が己にとって都合が良いからだろう、そうしてするりと貴方から離れては背を向けるようにして唯一の出入り口である扉へと近付いて行きながら「 その他大勢の怪物にとって、獲物の価値は味によって決まるでしょう。ですが俺にとっては、獲物の美しさは最も価値あるもの。貴方がどれだけ高価か、そのお顔を鏡で見ればご自身でもお分かりになるのでは? 」最後に背中越しに首だけ巡らせて振り向けば、今度その顔に張り付くのはどこか試すような性悪な微笑み。稀有なほど高い価値を持つ獲物をこの佞悪な怪物はみすみす簡単に殺してしまったりはしない、故に貴方にとって最も大切なものが命であるならば選ぶ道は一つでしょうと、そこまでは敢えて言葉にせず黄金の流し目を向け続け)
810:
ニール・グレイ [×]
2024-05-05 12:48:00
>ハイネ(>808)
(己の問いに答えは無い。しかしそれを気にした様子も無い。伸びてきた指を視線で追いながらも、その所作を見詰めるばかりで怯えも怒りもせずに、されるがままに彼に触れさせる。「……どうして、って?」開けた視界の明るさに瞬きを幾度か。それから彼からの疑問を意を捉えかねたようで、先の挨拶より尚の事きょとんと気の抜けた仕草で首を捻る。しかしそれはまた直ぐに戻されて、また口元は笑みを浮かべる。「オレちゃんねぇ、眩しいものに弱いから、これをカーテンの代わりにしてるの。」すらり淀まずにこやかに、己が白髪を指して返した答えは、この部屋の絞られた照明が裏付けを示して尤もらしく。「それとねぇ、」そこに続けて、もう一つ。「目は口ほどに物を言う、って言葉があるよねぇ。だからこうやって隠してる方が、オレちゃんちょっとでもお行儀良く――」楽しそうな笑顔を頬は形作って、巻かれた綿飴のような曖昧な茶化す調子で連ねていって、「――“人間らしく”見えるかな、って。」その、最後に。眼前のエルフを隔たりの無い真正面から見据える。口元は愉快そうに微笑む弧を描いたまま、声も戯けた音を置いたまま――彼を覗く瞳だけが不釣り合いに、底無しに喰らう貪欲なケダモノ、はたまた愛を求める幼子が如く、歪に渦巻いた仄昏い火焔にぎらついて。それから一秒、二秒、三秒……不意に身一つ分だけ後ろに足を移して、彼の手からゆっくりと退く。「あ、でもねぇ、」また瞳を隠した後には、ころり一転。出会った瞬間と同じ嬉々が飛び出す言葉に顕れる。次いで今度は彼を真似て、自ら前髪を緩く掻き上げ、「エルフさんが望むなら、貴方と過ごす内はこうして“カーテン”を開けててもいいよ。」純粋そうなそれに直した笑い顔を向けながら、「その代わり、オレちゃんのお願いも聞いて欲しいなぁ。ほら、オレちゃんの招待状、受け取ってくれたんでしょ?」いかが、なんてまた大袈裟に首を傾いで、遊びに誘う無邪気を纏わせた、駆け引きとも言えぬ稚拙な台詞を彼へと並べた。)
811:
ハイネ [×]
2024-05-05 14:27:13
>ニール(>810)
……異な事を。この屋敷へ導かれたことが、貴方が紛れもなく人間だという証明でしょうに
(期待に胸が膨らむのは、貴方が見目だけでなく内面すらありふれた有象無象とは異なっているという片鱗を覗けたからだろうか。暗くも赫々と煌めく二つの紅には形振り構わない飢えた獣のような乾きが垣間見え、思わず笑みが強まってしまう。饒舌に紡がれた言葉には貴方に興を惹かれたのだという好感を惜しむことなく滲ませ、招待状にしたためられた外出という要求に応える気があることを示唆するためか一向に貴方の部屋にはお邪魔しようとはしないまま「 丁度、ここは永遠に眩い太陽の昇らない世界。フフフ、良かったですねえ 」眩しいのが苦手、という情報へのアンサーを。この屋敷に攫われる事は並大抵の人間にとっては不幸でしかないが、それでも良い事のようにすり替えたそれは甘言にも似て。触れる先のなくなった手を自身の胸元に添え、お辞儀の代わりに顎を引くようにして真っ直ぐと視線を向け「 唯のエルフではありませんよ。ダークエルフのハイネ、お見知り置きを 」そんなもの人間からしてみればどちらでも大差のないことであるにもかかわらず、態々種族を正しく認識させたのは高々とそびえたプライド故だろう。不意に指をパチンと鳴らせば蝶の使い魔が何の変哲もない黒のアメピンを数本、小さなバスケットに入れて貴方へ差し出す。俺と会うときはカーテンを留めておきなさい、という指示を形にしたのはお近づきの印のつもりか。「 貴方はオレチャン、ですか? 」同胞に紹介されて貴方へ辿り着いたわけではないため獲物の名を知る由はなく、やや腰を折り曲げ上から顔を覗き込むようにして冗談めかして「 行きましょうか。目の弱いオレチャンの為に、暗いところへ 」具体的な行き先を告げないまま、エスコートの為くの字に曲げた腕を差し出して)
812:
グレン [×]
2024-05-05 15:57:59
>クォーヴ / ハイネ( >809 )
お出迎えありがとう。ここでの記憶は僕にとっても彼奴にとっても楽しいものだからね。屋敷の扉が開いていて、訪れる機会がある間は遊びに来るつもりにしているよ。
うん、そう言ってもらえると助かるよ。相変わらず綺麗な文だし、僕の方から君の綴る文章に何かを言う事は無いと思うんだけれど、君も遠慮なく言って欲しいな。
初めての夜が終わった後も君たちさえ良ければ屋敷に僕も残らさせてもらうつもりにしているから、クォーヴとも話せる日があると嬉しいな。…と言っても、ハイネが許してくれそうなら、が大前提なお願いになってしまいそうだけれど。ほら、彼独占欲が強そうだからね。勿論だとも、リーパーも出て来たくてうずうずしている事だし、また相手をしてやってくれって言伝を頼んでもいいかい?
長話はお互い様の事だし気にしないでおくれ。僕の方もこちらは一度引っ込ませてもらうけれど、何かあれば遠慮無く呼び出してくれて構わないよ。それじゃあクォーヴ、君も良い夜を。
****
──……は、
( 口を開こうとした瞬間、顎を掴まれ重なる唇。その行為に対して幼少の頃に感じていたような不快感は無く、然し驚いたのもまた事実。数回瞬きを繰り返し状況を飲み込もうとしている間に彼の口から紡ぎ出される言葉の半数程は理解をする前に右から左に流れ出てしまう。そんな中でも自分の生死に関わる情報の取捨選択は出来てしまうのだから困ったものだ。「そう……だね、この顔は僕が生きていくのに一番重要なものだ 」 例えそれが原因で歪で汚れた愛しか受け取る事が出来なかったのだとしても。そんな一言を付け加えるのは無粋だろう、と途中で口をつぐみ代わりに緩やかな笑みを浮かべ一歩、また一歩と彼の方へと歩を進め。 「 ここでもこの顔が財になるとは思わなかったよ 」 この場で平穏無事に生活を送るための命綱、そして若しかすれば欲しいものを与えてくれるかも知れない相手をみすみす見逃す訳にはいかない。伸ばした手で彼の手首の辺りを緩く掴み、向けられる視線に真っ直ぐに青紫を向け「 ……ただ、残念な事に僕は欲張りなんだ。君は僕を満たしてくれるかい? 」 乾く唇を軽く舌で濡らし、若干の本心を織り込ませ紡ぐ言葉は震えてはいないだろうか。先程引き止めるように取った手を振り払われることが無いのであれば、そのまま誘導し自身の頬を寄せるつもりで )
813:
ハイネ [×]
2024-05-05 16:49:06
>グレン(>812)
フフ……フフフ、
(導かれるがまま、人間離れした冷たい手のひらが暖かな頬に触れるのを知覚すれば堪えようのない高揚感から肩を震わせて笑いを耐えるも、御しきれなかったそれは唇から溢れて。じわじわと温もりが自身に染み込んでくるような感覚に――まるで貴方の体温を奪っているような錯覚に、食欲よりも遥かに大きな支配欲という胸中の器に一滴、また一滴と満足感が注がれていくのを感じて「 ああ…可愛い。可愛いですね、本当に 」美しくて、儚げで、綺麗で、可愛い。この怪物の目には最早貴方はそのようにしか映っていないとでも言いたげに熱を帯びた賛辞を繰り返し、手はされるがままに預けたまま片足を軸に踵を返して貴方に向き直る形を作っては空いている手で同じように頬に触れ「 勿論、来る日も来る日も貴方を愛でますとも 」満たす、その抽象的な言葉を良いことにあくまでも自分本意な表現にすり替えて。お気に入りが手に入った事に大層ご機嫌な様子で明後日の方向に視線を向けて何かを思案し、思い出したようにまた貴方を見つめ「 人間界の……ああそうだ、万華鏡。ご存知ですか?ほんの少し角度を変えるだけで、次々と意匠の違う美麗な模様を描く玩具です。俺はね、フフ、色々な貴方を堪能したいのですよ 」命ある獲物を無機質な玩具に例えたことに全く悪気はなく、貴方の頬へ添えていた手をそのままするすると後ろへ滑らせていき項を手のひらいっぱいに抱え込むようにして自分の方へと力を込める。その間に金色の双眸には昂った狂気の光が渦巻いていき「 俺の中にあるグレンの器が満たされたら――その指輪は効力を失うでしょう。貴方は満たされたいのに、…フフハハ、俺とは逆さまですね? 」要するに、このどうしようもなく凝り性な怪物を飽きさせたらその後の命は保証しない、と。まだ貴方から明確な答えは貰っていないのに、普段の落ち着き払った態度からは想像に難い熱狂的な様子で愉悦に溺れるようにまた笑いを零す。徹頭徹尾声こそ荒げることはなかったものの、だからこそ部屋の静けさにシンと染み渡るような執念を孕んだ声色で「 最後まで、逃がしませんよ。 」額と額が触れそうな距離まで貴方を引き寄せ、それが叶わないのなら自身が半歩踏み込んで、珍しくも大きく開かれた瞳の水晶体いっぱいまで貴方の姿を焼き付けよう)
814:
ニール・グレイ [×]
2024-05-05 17:56:40
>ハイネ(>811)
――ふふ。うん、そう。だから、本当に夢みたいな場所だねぇ。
(そう返したのは、屋敷に招かれた理由にか、それとも陽の昇らぬ常夜の世界にか。どちらにしても、先程よりも感情の滲む彼の甘言に、うっとりと悦を潜ませた吐息の後。今度こそ、彼は己の問いかけに答えてくれた。「……うん、うん。ダークエルフのハイネ、だね。宜しくねぇ。」互いの瞳を合わせ、教わった名と種族を自身の唇でなぞる事で、“彼”の認識を、何処とならず歓を含めて正確に定める。それから、彼のスナップに合わせて此方へと舞う蝶が運ぶ小さな籠の内、髪留めの品に意図を汲み取ったようで、「ありがと、ハイネ。」控えた三日月に弛ませる口元で礼を告げた次、贈られたそれらを指先で挟んで掬い上げる。そのまま一方の耳元へと流した白いカーテンを、貰った全てで一本残らずぴたり留めて、また遮光を失くし眩しげに瞬く紅で彼と向き合う。覗く金色が問う声へ、ふふ、と綿毛を吹くような笑いを零しながら、「ごめんね、紛らわしかったねぇ。オレちゃん――俺はね、ニール。ニール・グレイって名前なんだ。」言葉通りの詫びは一雫ばかり、後には戯れを編み込んでの自己紹介を。その続け様に、差し出された腕へと自身の片手を柔く絡めて、隣に寄り添って。「…ハイネ。ねぇ、ハイネ。」曖昧にされたとて、己の瞳を加味した共出の案。どうあれ彼が自分の事を考えている、と高揚の熱が薄く浮き出す色を名を呼ぶ声と頬に籠めながら、「貴方が知ってる素敵な場所、早くオレちゃんに教えて?」リードを任せ最初の一歩を堪える半面、待ちきれずに乞う上目でそちらを見詰めて、彼へ催促とおねだりを告げた。)
815:
ハイネ [×]
2024-05-05 18:48:36
>ニール(>814)
おや、それではさぞかし夢でなくて安心したでしょうね。貴方、怪物に会うのは俺で三度目でしょう?
(言の葉の一つから、そして吐息の一つから伝わってくるのは貴方の言葉が嘘偽りないものであるということ。やはりこの獲物は複数の意味で珍しい、と内心で興味を増しながらも鼻につくのは微かな同胞の匂い。ゾンビの方は脳足りんで警戒に値しないが古い死神の方となると話は変わってくる、きっと優しい言葉や柔らかい態度、甘い約束でこの奇麗な獲物の気を引こうとしているに違いない、と内心で舌打ちをしながら独占欲をちらつかせるように台詞の末尾をやや強くして。しっかりと露見した紅は少し控えめな色合いだろうか、それでも人間の中では稀有なその色彩をしっかりと見つめて「 よく似合いますよ、ニール。やはりこちらの方が良い 」明かしてもらったばかりの名をこちらも倣うように反芻して、なんだか先刻より少しだけ幼く見える貴方のアンバランスな髪の長い方を指先でサラリと弄び「 慌ててはいけませんよ、既に聞いているでしょうがこのお屋敷には意思疎通も出来ないケダモノがうろついているんですから。今から向かう場所に着くまでは、この腕を解かないように。ニール、分かりましたね? 」よく回る舌で丁寧に注意喚起するのは、この希少な獲物を有象無象にくれてやるなんて事態は想像するだけで腹綿が煮えくり返りそうになるから。組んでいない方の手で白い鼻先にツンと触れては歩みを始めて。長い永い廊下は片側に大窓、もう片側には無数の扉が規則正しく並んでおり、そこに紛れて曲がり角や階段が点在している…かと思えば振り返れば先程すぐそこにあった筈の階段が消えている、といったまさに迷宮の様相。どう見ても目印になりそうなものなんて無いのに、怪物の歩みは淀みなく進むこと数分、一本道の廊下の先にあるのは下り階段――そして偶然にもその門番のように黒い影に覆われたような理性なき魔獣が飢えた唸り声を上げており「 ああ、丁度いい 」怪物の方はそれを脅威と見做していないためあっけらかんと言えば貴方の耳へ口を寄せて「 アレが先ほど教えたケダモノです。ニールという個を認識せず、ニールという名を呼ぶことなく、ただの餌として貴方を喰わんとするのですよ。ねえ、そんなの嫌でしょう? 」どこか愉しげで、でもどこか悲しげな絶妙な声で縷々と紡がれる言葉はまるで詩のような響きを持ち、その合間にもケダモノは涎のような粘ついた液体を口から垂らしながら不気味な唸り声と共ににじり寄ってくる。いつでも消し飛ばせるその雑魚をわざと泳がせることで、きっと普通の人間よりずっと怖い物知らずな貴方に身を持って屋敷の危うさを知ってもらおうという算段で)
816:
グレン [×]
2024-05-05 19:39:22
>ハイネ( >812 )
……ははっ、可愛いだなんて言われたのはいつ以来だろう。けれど、……うん、嫌な感じはしないな
( 突然の普段向けられるものとは違う賛辞に、思わずと言った様子で相好を崩し。その言葉を噛み締めるかのように思案顔を浮かべた後、小さく口の中で零すように紡ぎ出す言葉尻は平素の取り繕ったような話し方とは異なるもの。こちらへと向き直った彼の、ひやりとした感触が両頬へと伝わる。それを拒む事無く、自分の体温が彼へと移り溶け合うことに自然と口角が持ち上がる。きっと、きっと彼であれば自身の端正な顔立ちが理由で、歪な形であったとしても満足のいくものを与えてくれるだろう、と。視線を持ち上げる彼の様子をほんの少し首を傾けた状態で、その様子を追いかけ。「 万華鏡、か…… 」 自嘲の意を込めて喉奥を震わせるような笑い声を漏らしながら反芻するのは気に召さなかったというよりも、喩えとして言い得て妙だという関心を含んだもの。彼の言う事に何ら疑念も不安も無い。否、寧ろ人間相手に心掛ける事と遜色無いと理解出来ただけやりやすさも生まれるというもの。頬から項へと移った冷えた感触と、黄金の中に彩る自身への興味関心、そんな全てが折り混ざったかのような狂気にも似た色が心地良く感じる程には自分も狂っているのだろう。「 はは、生憎と僕はこれでも役者だよ。色んなカオを見せるのは得意なんだ 」 今迄とやる事は変わらない。顔色を伺い、飽きて価値の無いものだと思われないように演じるだけ。その終着点が社会的なものから物理的なものに擦り変わった程度。台本が無ければ舞台構成を練る時間もない、全ては自分の力だけに掛けられた命を預けるにしては頼りの無い綱。それがどれ程難しい事か理解が出来ない程頭が弱い訳では無い。然し同時にとてつもなく心が躍る心地がするのは数年という短い間ではあるものの、舞台の上で生きた演者の性ゆえのことだろうか。引き寄せられるままにバランスを崩さないよう咄嗟に片足を前に出し、彼との距離を詰め「 一生目を離せないくらい魅せてやるさ 」 恒の王子様然とした柔らかな笑みはなりを潜め、挑戦的な色の滲む双眸で見つめ返そうか )
817:
ハイネ [×]
2024-05-05 21:49:23
>グレン(>816)
(いつだって人間というものは愚かだった。多くともたった数十年の時を永らえる為ならば己を喰らう怪物に媚び、所有され、消費される。ゆえにダークエルフにとって刹那に過ぎない筈の数十年の間すらも飽きさせなかった獲物などこれまでに存在しなかった。だがどうだ、目の前の男は。かつてこんなにも救いのない状況でこんなにも剛毅果断な眼をした人間がいただろうか――胸中の問は我ながら愚問で、ただ高揚感のままに年に数度上げるか上げないかの高らかな笑い声を響かせ「 フフハハハ!素晴らしい!泡沫の如きヒトの身でダークエルフに挑むとは! 」背中をしならせ天を仰ぎ、仄かに体温の乗り移った手を自身の額に当てる。その熱さに口角は吊り上がるばかりで、しかし数秒後には咳払いと共に涼しげな表情を張り付けては襟元を整えるような仕草を見せて「 楽しみにしていますよ、貴方の百面相。…いえ、貴方ならば百程度お茶の子さいさいですね、これは失礼 」くふ、くふふと性悪な笑いをまたしても堪えきれず零してしまいながら挑発めいた言葉を贈り返して。そうして徐ろに手の平を上に向け、先ほど無の空間から指輪を作り出した時と同じエフェクトで練り上げたのは半透明の南京錠。ふよふよと手の上に浮かぶそれを見つめながら「 これは俺以外の怪物を拒絶する特別な錠前です。何人たりとも俺の許可なしではグレンの部屋に侵入させません。安心でしょう? 」いつ暴力で破られてもおかしくない脆弱な扉に絶対的な防護の力を付与する、それはすなわちハイネ以外の怪物の不本意な侵入を跳ね除けることと同義な破格の代物。得意げな顔でちろりと貴方を見て、また唇を開き「 けれど、俺も暇ではありませんから顔を出せない夜もあるでしょう。もしくは貴方が俺を飽きさせないように他の住人に助言を求めたくなる夜もあるかもしれません。そういう時は、他の住人をこの部屋に入れることを許可してあげますよ。その際の鍵は貴方に預けておきましょう 」ハイネの都合で貴方に孤独を感じさせた時、貴方がハイネ以外に助けを求めたくなった時。条件付きではあるものの他の怪物との接触を完全に断ち切るつもりはなく、ただそれも自分が楽しむためのスパイス。指先で南京錠を空中に跳ね上げ、二人の間の頭上にふわふわ留まるそれには目もくれず貴方に手を伸ばし顎先をついと撫でて「 “俺はハイネのものです”――はっきりと、扉の向こうの住人に聞こえるように肉声で唱えなさい。それでその夜だけは解錠されますから 」悪趣味な鍵も自身の支配欲を満たすため。ゆえに勿論「 その声は俺にも届きますよ。フフフ、楽しみですねえ 」心から楽しそうににんまりと眦を緩めて)
818:
ニール・グレイ [×]
2024-05-05 22:30:18
>ハイネ(>815)
そう、オレちゃん貴方が初めてじゃないよ。
(何処と無く変化を感じ取ったのか、彼の疑の形を持つそれにだけ返事を残す。その後で、褒める言葉には口元を押さえての弛いはにかみを。それから鼻先に触れた冷たい指にねだりは一度引っ込めて、「うん、絶対離さないからねぇ。」素直に注意を聞き入れる頷きを約束に、彼と歩調を合わせ廊下へ踏み出す。――くねる道、消える階段、ずらり並ぶ扉達。目の回りそうな屋敷の様相に、感嘆か興味かつかない不明瞭な音を時折口から溢しながら、視線は彼方此方と緩やかに巡る。「…どうかしたの、」ふと上がった彼の声にそちらを見遣った次に、その視線の先を追って、「……あ、」認識したモノに喉を詰める。そこに流麗な彼の言葉で頭の内へ流れ込んでくる、あのケダモノの事。…己を己と認識せず、必要ともしない、只喰らうだけのモノ。絡める手に、力が籠る。――しかし、「……嫌。」彼へ肯定を呟く音は、奇妙なほどの平坦さ。唇からも描いた弧は消えて、表情そのものを忘れたように何もかも色が抜け落ちて。唯一見開かれた瞳だけが、警戒らしき鋭い凍てつきを示し魔獣を刺している。そのまま数秒――ケダモノとの距離が己の一歩分近付いた頃に、自らも一歩退いて、「……やだ、そんなの、オレちゃん怖い。」そうした後で漸く、発条を回された玩具の如く眉を寄せて唇を曲げ、有り触れた“恐怖の表情”と“怯え震える言葉”を形作る。「ハイネ、ハイネ。」後ろに下がったままに、もう一方の手も彼を捕らえて、その背にぴったり身を寄せる。「……貴方、オレちゃんの事、守ってくれるんだよねぇ?」縋る仕草に、頼る台詞。そこに不自然な我欲の熱が混ざる視線で彼を見上げながら、己の問いへの答えを待った。)
819:
ハイネ [×]
2024-05-05 23:06:39
>ニール(>818)
(こちらの不機嫌を起爆させないよう、必要以上に導火線には近付かない。ぼんやりとしているようで非常に聡い、と内心で評価すれば正面を向いたまま口元の弧をもう少し深く弛ませて。さあ、身に沁みて理解できたでしょうか――そんな風に横目で貴方の様子を一部始終じっと観察していたからこそ、その挙動にひとつの違和感が灯る。おばけを怖がる子供のように庇護を求めるその姿を変わらぬ視線で捉えたまま「 お上手ですねえ、怖がる振り 」くす、と底の見えない控えめな笑いの後、まるで汚らしい野良犬を追い払うようにしっしと手を振れば見えない力でバケモノはあっけなく塵へと還され跡形もなく消え去って。そうして何もなかったように貴方の腕を淡く引いて歩き出し「 足元、お気をつけて 」と下り階段の一段目に差し掛かる直前で声を掛けて。とん、とんと長い階段を下りながら「 ……貴方が怖いのは、あんな陳腐なケダモノではなく“ ニール・グレイ ”という存在を無視されること。合っていますか? 」不意に問い掛けを投げて。本物の恐怖に怯えるありふれた人間を夥しいほど観察してきたからこその思考回路は、きっとゾンビには備わっていないものだろう。ここで貴方が出会ったことのあるであろう住人を思い出したのはまさに無意識、それこそ稚拙な対抗心にも似た独占欲で「 きっとアッシュには効果覿面だったでしょうねえ。怯えた仔犬のような姿に張り切って貴方を背に庇い守ったでしょう 」この場面では何の益体もない仮想は嫌味たっぷり、そもそも他の住人に先を越されたことから面白くない。いつの間にか、二人の前には両開きタイプの藍色に鈍く輝く扉が鎮座していて「 さあ、どうぞ。手塩にかけた俺のコレクションをご照覧下さい 」するり、腕を解けば恭しく胸に手を添え一礼。所作と同時に勝手に扉は開かれていき、扉の奥から漏れ出るのは照明の光――ではなく、ほぼ真っ暗と表現できる広々とした部屋の壁中に敷き詰められた淡く発光する数々の何か。そこはまるで宇宙空間、光源のない部屋は扉部分を除いて壁も床も一面が透明なガラスに似た何かで構成されており、その向こうではまるで色とりどりの星々のようにふよふよ、ちょこまかと何かが動き回って、否、泳ぎ回っている。「 人間界にもこれと似たような施設があるそうですね。水族館、訪れたことはありますか? 」室内に入って扉を閉めれば、本当に真っ暗な深海の底に沈んでいるよう。上下左右を大小様々な魚類――に似た何かが悠々と回遊し、仄かに手元足元が分かる程度の明かりを自ら放っていて)
820:
グレン [×]
2024-05-06 00:15:48
>ハイネ( >817 )
( 今の今まで声を荒げることも無かった彼の口から出る声高な笑い声は幻聴では無かろうか。驚きの表情は彼が佇まいを正したところで直ぐに引っ込められるものでは無く、贈られた挑発めいた言葉で漸くふっ、と強ばっていた体躯から力が抜けるのが見て取れるだろう。左手の中指に収まっている指輪と同じく無から作り出された錠前。彼の言葉の通りであるのならば、この室内が自分が生き延びるための──無論、彼の興味を損ねる事の無い限りという条件付きではあるが、城塞になるのでは。ふよふよと浮かぶそれと彼との間を何往復か、ゆっくりと視線を移動させ。顎先へと触れる肌の感触に真正面から見据えていた為に、鍵となる言葉に眉がほんの少しだけピクリと動いた事を認められるだろうか。その理由は以前マネージャーであった男に言い当てられた癖にも似た自身の一人称にある。今目前にいるダークエルフには、きっといつか鍍金の剥がれ落ちた素を見せなければならない日が来るだろう。けれど他の怪物には出来ることなら、役者の皮を被ったグレン、それ以外の片鱗も見せないで済む方が断然良い。然しもし鍵が一言一句違わぬ言葉で無ければいけないのならば 「 …………悪趣味だな、 」 長い睫毛を伏せ視線を爪先へと落とし、思考を巡らせている間無意識のうちにポツリ、と漏れ出た独り言に本人が気付く事はなく「 その鍵は一言一句違わぬように、かな? 」 次の瞬間には視線を元のように彼へと向け直し )
821:
ハイネ [×]
2024-05-06 01:34:22
>グレン(>820)
(その道楽が悪趣味だというのは何も人間だけの価値観ではない。怪物の中にも人間に近しい倫理観を持つ者が居るように、この怪物もまた異端。住人の何人かはこの一連の出来事を知ればきっと眉を顰めるだろう、しかし当人には他人の評価など何処吹く風。この高尚な嗜好を理解できないなんて可哀想な方だ、と内心で小馬鹿にしたように一笑に付したっきり忘れてしまう程度のこと。ゆえに零れ落ちた独り言にも気分を害することはなく――今が特別ご機嫌だからというのもあるが――貴方の顔をぬぅっと覗き込んで「 何か不都合でも? 」問に対して問を返した理由は反応が見たいからとこれまた性悪を発揮。無論本人にその気はなくただ気に入った獲物の事は何でも知っておきたいという純粋な興味からの質問で、しかし間近にその眉目秀麗な顔立ちを収めては今となっては胡散臭さしかない愛想を纏った微笑みを向けて「 一人称の部分はお任せしますよ。グレンが俺のコレクションであると相手に明示出来れば構いません 」すっかり貴方を手に入れた気でいる怪物は今度こそ扉へと近付いて「 質問がなければ、今夜はそろそろお暇しましょう。たっぷり眠って、じっくり作戦を練りなさい 」扉に背を預けながら腕を組み、妖しく紫に発光する透けた錠前を手慰みに弄びながら反応を待ち)
822:
ニール・グレイ [×]
2024-05-06 02:19:27
>ハイネ(>819)
――…あは、
(視線が絡み合った後、笑う彼に表情は崩れ、その場には似つかわしくない破顔が零れる。「そう、上手でしょ、“普通の人間らしい”怖がり方。たくさん観て、学んで、練習だってたくさんしたからねぇ。」彼がケダモノを消し払うその短い間に、かつて“そうなりたい”と積み上げた残滓を嬉しそうに語って。口を閉じて直ぐ、腕の引かれた方向に抵抗無く合わせ、歩を再開する。ありがと、と掛けられた声に礼の定型を返し、一歩一歩、確実に階段を降りていく、途中。己の胸の底、正鵠に踏み込んだ彼の言葉で、今度は微笑んだまま固まった一瞬、その次に「――ふ、は。あ、ははっ、」唇を大きく開いて吊り上げ、そこから狂喜を響かせる。「そう、そう、そうだよ。痛いより、苦しいより、死より、俺、寂しい事が一番怖い。誰も俺を見てない事が、誰の目にも俺が映らない事が、何よりもどれよりもどんな事よりも、それだけが俺の、」“それ”は本来、獣が威嚇に牙を見せる行為だという一説を体現するような、瞳孔を瞠った恐ろしく歪な笑顔を溢し、燃え盛る焔を忙しなく捲し立ててから、「……あ、いけない。ごめんね、お行儀悪かったねぇ。」はたと気付いて口元を片手で隠し、それを自ら咎める。そのままするり顎まで撫で擦る事で元の弛い弧へと戻せば、それ以上の言葉は括って伏せた。それから彼から嫌味混じりに出た寂しがり屋の名前に、「ふふ、そうだろうねぇ。アッシュって裏も表も無くって、牙も爪も剥き出しにじゃれつく大きな子虎さんみたいだったからねぇ。」庇いもフォローもせず、己の印象だけを雑に放って談笑に塗り変える。と、その丁度に目の前へ現れた扉に驚き、そちらに意識が向けば同時に其処は開いて――「……すごいねぇ。」広がる満天の星空に勝るとも劣らない景色に惚けながら、月並みだが至極明確な感激の賛辞を贈る。彼から離れて数歩、しゃがみこんだ足元にも泳ぐ何か達の薄い光を眺めつつ、「…行った事は、無いかなぁ。街中のテレビで、ちょっぴり見たくらい。」問われる声に首を傾け唸った後、自身の生活の端を手繰って答えて。「……綺麗だねぇ。」それからはまた、心地良い暗さに漂う光達に見惚れ、指先をそれらに伸ばす。が、「ねぇ、」硝子に似た隔たりに触れる寸前に仕草を留め、「この子達は、オレちゃんの事食べちゃわないよね?」ほんの少し、眇める形を持たせた視線で彼を見上げ、きちんと魔獣に学んだ警戒を先に尋ねた。)
823:
グレン [×]
2024-05-06 02:29:02
>ハイネ( >821 )
…………いいや?そういう訳じゃないんだけれどね。
( 顔を覗き込まれた事で、はっとし柔和な笑みを浮かべて。いつか剥がれ落ちるだろう鍍金も、外さなければならない仮面も、それは今この時では無い事は確か。それであれば憂いた事柄を伝える必要性は無いだろうと。それでいて重要な部分は自身が彼のコレクションであるかどうか、だなんて口にする彼は思案していた事をどこまで知っているのだろうか。扉へと近付く背中へと鍵を了承した旨を伝え、こちらへと視線が送られれば首肯と共に 「 嗚呼、特に今聞いておきたい事は無いから大丈夫だよ。付き合ってくれてありがとう。おやすみ、ハイネ 」 彼が部屋を出て行くのであればそれを見送り、戸がしっかりと閉まるのを見届けてからベッドへと戻りこれから先の生活をどう過ごすべきか、だなんて事に思考を乗っ取られている内に次第に眠の中へと誘われていく事だろう )
****
やあ、今晩は。僕の初めての夜を長引かせるのも何だし、この辺りで幕引きだろうって事でお返しの分が短くなって申し訳ない。
丁度キリもいい事だし、次は彼奴で話を紡がせて貰えたらって思ってるんだけどどうだろう?指名はそうだな……面識のある二人どちらか、もしくはヴァンパイアのお姉さん辺りだと嬉しいかな。ほら、彼奴が初めてこの屋敷にお邪魔した時も、久し振りに帰ってきた時も出迎えてくれたのが彼女だったから話してみたいんだって。けどあくまで希望ってだけで優劣は無いし、他の住人でも問題は無いからね。
嗚呼、それと…………俺が初めて出会ったのがハイネで良かった。楽しい時間をありがとう。これから先もよろしく。って伝えてくれると嬉しいかな。
824:
ハイネ [×]
2024-05-06 21:45:26
>ニール(>822)
ということは、貴方はこれまでずっと怖がらせる側だったのですね。
(でなければそう何度も貴方の言う“学習”の機会は訪れなかっただろう、と推測を。一体周囲の人間はこの美しい生き物の何を恐れたのだろう――安直な興味は質問の形を取ることさえ無かったが貴方が続ける言葉を確かに期待するような調子を含み。真の恐怖の話題についてはきっと不用意に触れてはならない心の奥底の部分を無遠慮に握ったという自覚があるからこそ、負の感情ではなく寧ろ荒れ狂うほどの歓喜を魅せられたことに意外そうに少し瞠目して「 ……暴かれる事を恐れないのですね 」それは半ば独り言のように軽やかに喉を通過して。的確にゾンビを表現した解釈には彼をよく知る自身ですらすんなりと得心し「 フフ…そうですね。アレと遊ぶ時は、害意なく切り裂かれても文句は言えませんよ 」遠回しに、そんな危ない怪物に比べればよっぽどお行儀の良い俺を選んだ方が懸命ですよ、なんてちゃっかりとしたアピールを滲ませて。しゃがみ込んで伸ばされた指の先、きちんと教わった事を実践しようとする貴方の姿には覚えの早い愛玩動物に向けるような感心に近い愛くるしさを感じてくすくすと笑い「 誤って水槽へ落ちないようにご注意を。 」敢えて明確な答えは渡さず冗談めかすに留めて。自身もアクアリウムに入室すれば扉は独りでに閉まってゆき、やがて廊下から差し込む僅かな光すらも鎖されたその空間は夜空や深海に似た静けさと安寧をもたらすような暗黒に包まれ「 此処ならば、目の負担にはなりませんか 」それが心からの気遣いかそれとも打算かはさておき、光に弱いと教えてもらった貴方の両目を慮っては隣に並び立ち、頭上をも泳ぎ回るそれらを眺めるように天井を仰いで「 これらもまた、俺のコレクションです。使い魔に任せずこの俺が直々に世話をしているのですよ 」この怪物が持つ蒐集癖と拘りの強さ、それを向けられた対象を雁字搦めにするような執着心を隠そうともせず却って誇らしげに両腕を広げ)
825:
クォーヴ / マリーシュカ [×]
2024-05-06 22:05:58
>グレン(>823)
今晩わ、綺麗な仕上げをありがとう。これ以上ハイネを喋らせるのが無粋に思えるくらいに素敵だから、君の初夜はこれで完成とさせてもらったよ。…ふふ、本当に伝えていいの?彼、得意になって更に調子に乗ってしまいそうだなあ。楽しいと思ってもらえて俺達も嬉しい、こちらこそ引き続きよろしくね。
さて、今度はリーパーに会わせてもらえるんだね。彼を知る住人はどちらも会いたがるだろうけど――今回はまだ本編ではお話してもらったことのないマリーシュカを向かわせようかな。レナードをよく知る住人でもあるし…共通の話題があるって何だか素敵だね。
ロル内でも描写はするけれど、レナードからマリーシュカに「面倒を見てやってくれ」とお願いをした体で訪問させようと思うんだ。勿論変更や追加も出来るから、何か希望があれば遠慮なく言ってね。
***
マリーシュカ:
(自室を去ってゆく同胞の後ろ姿を見送りながら、珍しいこともあったものね、と内心で呟いた。このお屋敷で最も古い悪魔は貴方の相棒である刃物をレナードへ返却したらしく、そこで初めて彼は自身の気紛れが危険な悪魔を貴方に引き合わせてしまったと気付いたのだ。あんなに傲岸不遜なヴァンパイアが『気にかけてやって欲しい』だなんて――よっぽど血が美味しかったのかしら、なんて怪物の域を出ない些か猟奇的な思考を巡らせながら辿り着いたのは貴方の部屋。柔らかな調子でノックをすれば「 こんばんわ、リーパー。レナードの紹介で来たのだけれど…今、大丈夫かしら 」夜闇に溶け込むような、夜霧を透過するような、凛としているのに全く高圧的ではない穏和な声色は特段意識したものではなく。貴方からすれば自身は突然の招かれざる訪問者であると弁えているからこそ、例え扉が開かれなくとも催促をすることもなく「 はじめまして、私はマリーシュカ。あなたを食べに来たのではなくて、彼からのお願いを受けたの 」害意なく明確な目的を持って訪れたのだと真摯に伝えては、腹の前で白い手を上品に重ねながらそれ以上の追い打ちはせず反応を伺おう)
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