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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1574


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自分のトピックを作る
1407: クォーヴ [×]
2024-08-25 12:46:54



>秋天(>>1406)


ありがとう、勇気のある子だね
(今か今かと待ち望んだ返答には恐怖の類は感じられず、寧ろそれとは真逆の色を感じ取ればこちらもほっとしたように笑みに柔らかさが増す。その表情のまま扉の向こうの少年を見つめて導かれるまま部屋の中へ、後ろ手に音のしないようにそっと扉を閉めてからベッドの直ぐ側に置かれていたスツールに腰掛ける。ゆらゆらと立ち上っては消えるを繰り返すコートの裾に彼の視線が引き付けられていると察すれば「 ふふ、不思議でしょう。触ってみる? 」触れても害のないものだと示すように全く強制はする響きのない問い掛けは只々少年の好奇心に一石を投じるだけのもの、もっと言えばコートだけでなく自分自身もまるで貴方に害するものではないのだと醸すような穏やかさで以って「 …驚いた。賢いね、君は 」この盤面、今まで自身の接してきた大体の未成年はここはどこ、早く家に帰らせてと泣き喚くものだが、妙に落ち着き払ったその佇まいが果たして痩せ我慢かそれとも彼の本質なのか、探るような興味深い視線を向けたくなるのを押さえてあくまでも優しげな隣人の様相を保ったまま「 今夜からはこのお屋敷が――厳密にはこの部屋が君のおうちになるんだよ。身の回りのお世話や食事の事はなんにも心配しなくて大丈夫、僕も長い事このお屋敷に住んでいるけれど一度も衣食住で不自由した事はないよ 」耳触りのよい話し方を選ぶのは徒に彼を怖がらせて警戒心を抱かれないようにするため。お喋りのお誘いをしたのは自分なのだからどんな質問も拒まないよと言わんばかりにゆっくりと言葉を繋ぎながら包容力を醸す微笑を向け続けて)




1408: グレン [×]
2024-08-25 13:01:52





>ハイネ( >1403


ふふ、機嫌取りが面倒臭いよりもいいでしょ
( その分些細な事で浮き沈みが激しいのだが、そんな事も彼は承知してくれているだろうと態々言葉に出す事はせず。一人で部屋を出て辿り着けるとも、物言わぬ化物に出会して逃げられるとも思ってはいないのだが、また抱え込み深い思考の海に落ちる事に比べれば己にとっては瑣末な問題。回していた左腕を解き胸の前辺りへと持ってくれば人慣れしているのだろうか、人差し指の背に駐まる蝶へと目配せをして 「 きっとこの子が案内してくれるからさ 」 きっと主人の許可無く部屋に連れて行くなんて事はしないのだろうが、許諾さえ得てしまえば道案内はするとばかりに翅を羽ばたかせ丁度目線の高さをひらひらと舞う一匹の蝶へと笑みを向けてから再度彼へと視線を戻し 「 それに、俺が危険な目にあったらハイネは分かるでしょ? 」 慢心の一端は指に嵌る初日に渡された指輪。例えそれを通じて危険が彼に伝わったとて助けに来てくれる確証は無いのだが、やや盲目的なまでの信頼を彼に置いている己にとっては危惧する必要も無く。それに軽く唇で触れつつ視線を持ち上げ、やや上目がちに見上げるようにして「 ダメかな? 」 なんてゆるり首を傾けて )





1409: ニール・グレイ [×]
2024-08-25 22:26:22



>クォーヴ(>1405


もちろん。…一人じゃ見れない新しい世界に連れてってよ、王子様。
(歩み始めた己に差し出される手と、戯れの続き。此方もふっと笑う吐息を零しつつ伸ばし絡めた互いの指は、茉莉花、或いは巴旦杏の花弁のように淡く白く、月光を透かしていた。――星への肯定の後、傾いだ視線と合う水色。そのまま耳に届いた答えに頭はほんの少し項垂れて、「そっかぁ……」声も同じ萎れ具合、しかし直ぐに投げられた問いにそれらはあっという間に持ち上がり、「うん。だって冷たくて、静かで、綺麗で…」好きなものへの話題に生き生きと声を弾ませ、シンプルな質問を多くの言葉で彩って、「…それに、オレちゃんの跡をちゃあんと残してくれるでしょ。」彼是並べた終わり、ほんのり頬を上気させて語る一番の理由。歩いても転んでも掴んでも、その形を留めてくれる喜びを紡いで、「だから毎年、初めて雪が降った夜には外に飛び出して、くるくる裸足で踊っちゃうんだ。」その最後――“向こう”の世界で己だけの慣わしにしていた、降り頻る銀花の明かりの下、夜更けに催す一人きりの舞台の話。言の括りに彼にそれを教える間には、弛む唇を指の背で押さえた、何処か恥じらうような仕草も見せて。「…でも、そう。此処じゃ降らないんだねぇ。」ふっと指を外した声の先は、再び見上げた大きな月。独り落とす言葉や口元からは少しずつ温度が抜け、僅かな間物惜しむ沈黙が落ちて、「――…まあいっか。今はクォーヴが居るからね。」しかし最後に短い息を吐いた後、無感情にばっさりとそれを割り切り、またいつもの笑顔で彼を視界へと収める。「ふふ、ねぇ、楽園ってどの辺り?あっち?」それからまた燥ぐ子供のように景色をぐるり眺めながら、彼の言う“目的地”に使われた単語を借りて言葉を揚々回し、エスコートに繋がれる手を己から柔く引っ張って遊び始める。)




1410: 秋天 [×]
2024-08-25 22:39:02


>クォーヴ ( >>1408 )

( 男性がベッド際のスツールに腰掛けるのを黙って見つめる。ただの子供相手に目線を合わせようとするその仕草を、優しい人だなと内心で思った。そんなふうにどこかぼんやりしていた僕へと投げ掛けられたのは"触ってみる?"の甘いお誘い。一も二もなく頷くと、彼の前腕の辺りにそっと手を伸ばしてみる。煙の奥に存在した肌の感触になぜだかすごく驚いて、僕はしばらくピクリとも動けなかった。第一印象は"冷たい"。纏うもののせいかはたまた彼の体温がそうなのか、このときの僕には判断がつかなかった。揺らめく煙をじっと見つめる。細く立ち上る姿が蛇のようだと思った。狙った獲物を絶対に逃さない優秀な捕食者。彼を覆う影にそれを思った。多分、優しいだけでは決してない。「……ありがとう」触らせてくれたことに礼を言って、ゆっくりと手を引っ込める。続く彼の話にじっと耳を傾けながら、思い出すのは母の傍らで拾った不思議な招待状のこと。本当に迎えに来てくれたんだ……とどこか他人事のように心の中で呟いて、彼が話した夢のような生活を送る自分の姿を想像する。誰かが作った食事が欠かさず届いて、それを一人で食べる毎日は寂しいなと思った。「……僕の食事は、できれば僕が作りたい。だめかな?」男性の不思議な瞳を覗き込んで、そんなささやかなお願いをする。この広い部屋に孤独を突きつけられる機会をなるべく減らしたかった。本当は一人で眠るのだって嫌だけど、それを簡単に口に出せる年齢ではなかったので、せめて食事だけはと懇願するような目で彼を見つめて。 )



1411: ハイネ [×]
2024-08-26 13:10:33



>グレン(>>1408)


ええ、勿論。ただ俺は自ら危険に飛び込むような馬鹿な子は好みませんがねえ
(不届きにもこのダークエルフの大切な所有物を害しようとする力が働くならば当然すぐにアラートは鳴るだろうし、大抵のことならば造作もなくその危険から救い出せる自信はたっぷりと持っているため躊躇いなく肯定を返すものの、果たして無鉄砲な真似をするコレクションを囲っておくべきかと問われれば疑義の残る話でもありややネガティブな見解を表する。しかし完全に拒否しないのは少なからず彼の事を現時点での特別なお気に入りとして認識しているがゆえにおねだりは叶えてやりたいという心情もあり「 どうしても我慢出来なくなったら、一度だけは許可しましょう 」守りの証たる指輪を一瞥してから彼の瞳へとそれを移して穏やかな微笑みと共に最大限の譲歩を告げて「 この俺の特別な錠がかかった部屋にいれば、貴方の身に危険が及ぶ可能性は低い。しかし一歩外へ出てしまえば、理性なきバケモノのみならず手強い怪物たちともいつ遭遇するか分からないのです。…俺のものとしてこの先も可愛がられたいのなら、自身の価値と責任を自覚なさい 」主人の気の赴くまま愛でられ守り抜かれる鳥籠の鳥としてどうあるべきか、安穏とした口調で縷々と紡いだそれには沸々と湧き上がる執着心が滲み出て。他のコレクションには与えられていない特別な錠、それだけでもどれだけハイネが彼に思い入れがあるか他の住人から客観的な意見を聴けば理解できるだろう)




1412: クォーヴ [×]
2024-08-26 13:12:46



>ニール(>>1409)


(好きなものについて滔々と語る姿は、例え見目が普遍的な人間とは離れていようとも疑いようもなく愛らしいと思えるもので「 ふふ、ニールらしい理由だね。可愛い 」その冷たく白い粒は降りしきる限り無尽蔵の存在証明を彼に与えてくれるものだと理解し、であればどれだけ彼がそれを気に入るのかもすんなりと得心がいって静かに笑って。白銀の夜、穢れのない純白の絨毯を遠慮なく蹂躙し自らの痕跡を刻み付けるたった独りの獣。ああ、なんて魅力的な響き「 見てみたいなあ 」ぽつりと呟いた言葉は独り言に近く、彼をじっと見つめてから「 夜雪の下で舞うニールのこと 」遅れて付け足したのは鑑賞したい対象が美しい雪景色ではなくただ一人彼のことであると明白に示すため。そんなにも焦がれる雪、叶わないと知って残念がる様子を見ては何かが死神の心を衝き動かし「 …もし、僕が雪降る世界を用意できるとしたら。ニールは喜ぶかな? 」それは如何に魔法に通ずる怪物とて途方もないこと。静かに語り出した表情は依然として柔らかな微笑のまま「 王子様は、お姫様のお願いを叶えてあげる存在。そして、そのための力を王子様に分け与えるのはお姫様にしか出来ない事だと思うんだ 」国のために悪しきドラゴンを討たんとする王子を傍らで支え応援し力を漲らせる姫。そんな関係性をイメージしながら、しかし核心的な言葉は未だ吐かずにとても聡い彼の反応を待つつもりで「 そうだよ、もう降りておこうか 」楽園が近いことを示しては先程は淡い引力を感じていた手を今度は自らの方にそうっと引き寄せ方向を示し、ゆっくりと地上に向けて下降を開始して。地面にはふかふかの柔らかな芝生が敷き詰められ、前方には半透明なドーム状の建物のようなものが聳え立ち)




1413: クォーヴ [×]
2024-08-26 13:13:45



>秋天(>>1410)


……ごめんね、冷たくて驚いてしまったかな?
(触れるようで触れられないコートを通過した温もりが腕に触れた瞬間、文字通りフリーズしたように見える彼に何も恐れることはないとばかりに小さく短く笑ってから驚かせてしまった事に謝意を、そして「 君の手は温かいね。…お名前を、教えてくれるかな? 」冷たい怪物と温かい生きた獲物。そんな関係性を暗示するかのように体温の差異に触れてから未だ手に入れられていなかった唯一無二の呼称を伺って。次に届いた言葉にもまた驚きを覚えたのは、何故ここに住まなければならないかとか、何をして何のために過ごせばいいのかよりも先に食事に関する疑問が挙がったから。困ったように眉尻をハの字に落として、しかし紳士然とした微笑みはそのままに「 ……どうして、そう思ったの? 」端から無理だと却下する怪物も中には存在するだろう、しかし未だ大人の庇護が必要な年齢の獲物に心から乞うような眼をされて無慈悲な宣告を出来るような性分ではなく、回答に至るまでの判断材料の収集のためにまずは自炊を強く希望する理由を問うて)




1414: 秋天 [×]
2024-08-26 14:51:54


>クォーヴ ( >>1413 )

( 悪くないことで謝らせてしまったので、慌てて首を横に振る。名前を尋ねられてまず思ったことは、"知らないんだ……"。僕は招待状をくれた誰かに求められてやってきたものだと思い込んでいて、その誰かはこの人じゃないんだとぼんやり思った。実際彼は自分をこの屋敷の住人だと称していたので、他にも人が住んでいる場所なのだろうと想像がつく。そんな考え事をしつつも、「チウティエン。言いづらいだろうから、チウで大丈夫」と英語話者に対する気遣いを交え、できるだけ丁寧に自分の名前を発音して。ささやかだと思っていたおねだりに困った顔を浮かべられたことに気がつくと、こちらも答えに窮して僅かに思考のラグが生じた。寮にはたくさんの学生がいたし、実家にはあちこちに母の名残がある。この見知らぬ部屋で過ごすにあたって、何かにつけて一人を突き付けられてしまわないかと不安なのだ。何らかの郷愁を思うようなことがあったとして、それが食事にまつわるものであることが最も嫌だった。悲しい気持ちでご飯を食べるのは、きっとすごくつらいから。だけどそれを素直に口にするのはどうにも子供っぽくて憚られたので、「料理をしているときは、複雑なことを考えなくて済みそうだし……」と一番の理由からは少しずらした回答をする。この言葉も嘘ではない。母を殺した人間への憎しみ、それを考えなくてよい世界へつれてきてくれた誰かに甘える厚かましさ、何より亡くなった母への申し訳なさ。そういうの全部、できれば今は考えないでいたかった。「毎日作るのがだめなら、今晩だけは?ここでする初めての食事になるし、よければあなたにも振る舞いたいと思って……」と言葉を続ける。彼の養分となるものが何なのか、このときの僕は知る由もなかったから。 )



1415: クォーヴ [×]
2024-08-26 18:33:15



>秋天(>>1414)


チウティエン……、亜細亜の音かな。字はどう書くの?
(道理で美しい黒壇のような髪とオニキスのような瞳が似合う顔立ちな訳だと内心で納得する。人間界の知識に乏しい他の住人であれば漢字の概念を知らないはおろか舌を噛んでしまいそうな発音だが、永く生きた年の功か少しでも彼のことを知りたくてこの屋敷ではややマニアックな質問を。「 …複雑なことって? 」現時点で最大の興味の対象であった回答は些か抽象的なもの。きっともっとクリティカルな理由がある筈だとアタリを付けて、静かながらも冷たさのない控えめなトーンで問い返し、そうして続けられた言葉にはまた困ったように微笑んで「 …ありがとう。初対面でそんな風に言ってくれた子は初めてだよ 」例え、相手が自分を喰らう人食いの怪物だと知らなかったからだとしても、自分の寂しさを満たす都合の良い駒として充てがわれただけだとしても。料理を振る舞いたいだなんて獲物から言われたことはなくて、嬉しいような心配なような複雑な心地のまま「 でもごめんねチウ、僕は人間じゃない。だから君たちと同じ食事では栄養を得られないし、味も感じられない。それでもよければ、食材と器具の揃っている場所に案内するよ 」未だ自炊に対してNGを突きつけたわけではなく、ただ提案に対する回答だけを告げて自分だけ立ち上がり、もし彼がその条件下でも首を縦に振るのなら手を差し伸べてエスコートをするつもりで)




1416: グレン [×]
2024-08-26 20:11:58





>ハイネ( >1411


( 条件付きとは言え下りた許可にぱあと表情を輝かせて。恐らく彼にとってはただおねだりへの許諾を出しただけなのだろうが、己にとってはかなり大きな精神安定剤に違い無く満面の笑みを携えて、ぎゅうと彼に抱き付いて 「 ありがとう、ハイネ。その時はうんと甘やかしてね 」 普段から甘やかされている自覚はある為にお礼の後のそれは冗談を織り交ぜた戯れである事は笑い声混じりの声色からも伝わるだろうか。執着心の滲み出る諭すような言葉にぱちぱちと瞬きを二回。その後すう、と双眸を細め 「 ハイネが俺の事愛してくれてる間は無謀な事はしないって約束するよ 」 己の事をコレクションの中で特別視してくれている、そんな自負はあるものの足りない物を補うために行動する事がどうしても悪い事だという考えに至らないのは今迄の生活故か。“ だから、ちゃんと十二分に可愛がってね ” なんて事は紡ぎ出す事はしないものの、冷たい唇へと軽くそれを触れ合わせた後にじいと瞳を見詰めて。こちらから視線を逸らす事はせずに暫く、ふと思い出したようにパチンと軽く両の手を叩き合わせて 「 あ、そうだ。ねえ、今日最後のおねだり聞いてくれる? 」 先程まで纏っていた空気感は何処へやら。マグを手に取り中身を一口飲んでから甘えるように体を擦り寄せて )





1417: ニール・グレイ [×]
2024-08-26 22:22:53



>クォーヴ(>1412


(まだまだ言われ慣れない褒め言葉には、擽ったげにむずがる吐息を。彼の視線を此方も見詰め返したその直後、届いた呟きへ眉を下げて、「…誰かに見せられるような踊りじゃないよ?」そんな返しを口にしたけれど、はにかむ唇と綿菓子の如く浮かれる音に、それが吝かでもない事が如実に顕れていた。ともあれ望む六花をすっかり諦めた矢先、思わぬ問いにぴたり動きは止まって、「……できるの?」溶けた希望がまた現れた事への“心底”の驚嘆を、ぎこちない質しと錆びた首の動きに窺わせる。ぱたり、作られたような瞬きの後。彼が喩える寓話の意味を嵌め込み、「……ふふ。そう、」再び表情を染め上げたのは、無邪気に見えてぎらぎらと熱っぽい、継ぎ接ぎを破る炎蛇の罅割れた笑顔。――お姫様、否、“人間の己”が分け与えられるものなど、決まっている。「それなら――お姫様のどんな“力”を分けたら、王子様はお願いを叶えられる?」くすりくすり、何処までも嬉しそうに、あくまでも楽しそうに。お伽噺の浪漫に見せかけた“それ”を飲み込む意思を、彼の物言いに乗って遊び問う形で投げ込み、“王子様”を見据える紅を煌々輝かせる。――また穏やかに引かれたその手へ戯れる足は素直に従い、緩やかな下降の景色さえのんびり眺めた終わり、付いた足の裏に伝わる柔らかさにふっと笑みを零し、「…此処もふかふかだねぇ。」その場でゆったり足を擦り、その芝生の感触を和やかに堪能してから上げた視界の向かい、建物らしい何かの存在に気が付けばわあっと小さな感嘆が洩れ、「もしかして、あれがそう?」今までに見た事も無いそれを指差しては彼を見遣り、些かそわそわ逸る好奇を、彼へ正解を確かめる声の弾みに示してみせた。)




1418: 秋天 [×]
2024-08-26 22:45:38


>クォーヴ ( >>1415 )

( 自分の名前を告げたとき、……なんて?と聞き返されなかった試しがほとんどない。だから一度で聞き取った上綴りまで尋ねられたことに驚きを隠せず彼の顔を見て。それがなんとなく気恥ずかしかったので慌てて視線をそらすと、近くに紙とペンがないかを目だけで探る。すぐには見つけられなかったので左の手のひらを差し出すと、右手の人差し指を突き立て自らの名前をそっとなぞった。「秋の天(そら)、って意味なんだって」書いた文字に合わせてその由来を話すと、もう一度彼の顔を見てふっと微笑んだ。続く質問には困ったような顔を浮かべて、僅かに思考する。言語化するのが難しい内容で、だからこそ適当なことは絶対に言いたくなかった。「ここに来たのは正しかったのかとか、どうすれば一番いいのかとか、傷付かない方法とか……そういうこと」直接的なことを言うのは憚られたが、それでもひとつひとつ丁寧に打ち明けて、なるべく正しく伝わることを祈った。気にしないでの意味を込めた微笑を向けて、彼の話に耳を傾ける。段々と雲行きが怪しくなって、微笑みはいつしか困惑の表情へと変わった。──人間じゃない。その言葉を聞いた心臓がどくどくと早鐘を打ち始める。心が波立つ感覚がして、握った指先がじっとりと冷たい。彼の皮膚に触れた瞬間の記憶が蘇って、その時脳裏をよぎった予感めいたものが僕に頷きを返した。立ち上がった彼の瞳を覗き込み、一生懸命に向かい合う。初対面の僕に親切を差し出してくれた人。鮮やかな虹彩に何か別の真実を探そうとして……諦める。やっぱりそうだ。彼は優しいだけの人では決してない。圧倒的な捕食者の眼差しだった。「……そっか。じゃあ僕が食べたい物を作っちゃおう」震える声を律するように立ち上がり、僕より少し上にある彼の顔に精一杯の笑顔を返す。彼の思いやりを信じることに決めた。僕のためではなく、彼自身の目的のため打算的に行われている気遣いでもいいと心から思えた。腹の中で何を考えているかは全く重要ではない。優しくしようとして優しくしてくれたことが僕には何より大切で。彼が何者であるかも全く重要ではないのだ。僕のアイデンティティが人間であることではないように、彼もそうだと信じている。 )



1419: ハイネ [×]
2024-08-27 20:26:36



>グレン(>>1416)


…フフ、その時はとびきり可愛くお強請りなさい
(一度しか使えない強力な切り札、その存在が彼に齎す影響は自身の予想よりずっと大きかったらしい。屈託なく破顔する顔を口元は笑顔のまま少し目を瞠ってじっと見つめたのは一瞬たりとも見逃すことなく目に焼き付けたいから、そうして密着してきた体温を受け止めながら彼の戯れを理解しながらも此方からは本気と冗談の区別のつかないいつも通りの声色で告げて温かな背中を上から下へ数度撫で下ろし「 約束、ですか。その指輪に誓えますか? 」言葉だけでは物足りないと感じたのはそれだけ自身の預かり知らないところで彼を失うことを回避したいがため。じ、と紫の指輪を見つめては何かに感応しているのか、リング全体がぽわぽわと淡く紫色の輝きを発して。誓えば当然破る事は許されない、そんな風に訴える魔力は肌を打つようなプレッシャーではなく黒く分厚い布で包み込むような閉塞感を醸すもので「 ええ、何ですか? 」叶えるとは言わないまま、まずは聞くだけ聞こうといった調子で肩を抱き寄せてそうっと頬を撫でては愛おしそうに整ったかんばせを見つめよう)




1420: クォーヴ [×]
2024-08-27 20:29:50



>ニール(>>1417)


僕が――死神が何から力を得て生き永らえているか、未だ話していなかったね
(懐古するのは彼と出会った最初の夜のこと。死神が彼の何を食べるか、話題には挙がったものの答え合わせはずっとずっと保留になっていた。エスコートのために繋いでいた筈の手、その目的を彼との距離を詰める事にすり替えてそうっと此方に引き寄せ自らの口元へ運ぶ。手の甲へのキスは死神の食事の作法、ゆえに口付ける事はしないまま丁度彼の手で口元を隠すようにして視線だけを真っ直ぐに注ぎ「 それは、人が人として生きるのに欠かせないもの。あの夜そう伝えた時、ニールは“きっと自分には無いものだ”と言ったね。……君の記憶、想い出。それが僕にとっては最高のご馳走なんだよ 」ありふれた日々の記憶、忘れたくない幸せな想い出と今すぐ記憶から消し去りたい苦々しい想い出、その何もかもが美食のスパイスであり落ち着き払った死神の酩酊を誘う美酒でもある。幾つもの夜を超えて答えに辿り着いた謎に死神の双眸は月光を反射し底光りのような煌めきを見せて。まるで小さな子供みたいに純粋な反応をしてくれるのが嬉しくて“ ふふ ”と漏れ出た微笑の後「 そう、よく分かったね 」明朗な肯定を返して数歩、両開きの扉の前に辿り着き「 ようこそニール、今夜は心ゆくまで楽園を楽しんで 」隣立つ彼を見つめてふっと微笑んだ直後、ふわりと黒煙のコートが広がったかと思えば伝播した魔力によって彼の来訪を歓迎するようにひとりでに扉が開いてゆき――途端にぶわりと漂うのは様々な果実の熟れた甘い香り。そこは多種多様な果実の成る果樹園であり、少し奥には瑞々しいヤシの木と透き通った泉という麗しいオアシスが鎮座しており「 ここにはね、ニール達の世界の果物しか無いんだ。だから何も危なくないんだよ 」それが人間たる彼にとっての楽園を意味するのだと、今夜二度目の種明かしを。もし彼が自由に散策を開始するなら、繋いだ手をするりと解いて微笑みながら動向を見守るつもりで)




1421: クォーヴ [×]
2024-08-27 20:33:02



>秋天(>>1418)


美しくて清廉な響きだね、君によく似合ってる。チウは秋に産まれたの?
(柔らかく温かそうな手のひらをじっと見つめて指の軌跡を目で追う。比較的画数の少ないそこまで複雑な文字ではなかったためしっかりと脳に刻み付けながら彼の微笑を見つめて、思ったままの感想と疑問を落ち着いた調子で贈って。笑ってくれていたのにその表情を曇らせてしまったことにつられて此方も少し切なそうに口角を平坦に近づけ「 それは確かに難しいね。…そういう事を考える時はね、ひとりじゃない方がいいと僕は思うんだ 」随分と肝の据わった子だという評価は、この問答によって心根は未だ熟しきっていない危うさと幼さを内包したままなのだと変化して。若さは無鉄砲さにも通ずる、だから先手を打っておかなくては。ふと斜め後ろあたりを向いて“ おいで ”と穏やかに呼べば、ぽむっというコミカルな音とともに何もない空間から艶々と黒光りするカラスが現れ死神の肩に止まり「 これは僕の使い魔。別の住人だとコウモリや黒猫の姿だったりするんだよ。これから君のお世話をしてくれるのも彼ら。もしまた僕とお喋りしたくなったら、この子たちに伝言かお手紙を託して。そうすれば、きっと会いに来るよ 」使い魔は誇らしげにカァと一声だけ鳴いて、紹介という役割が終わったことを敏く察してばさばさと羽搏きまた何処かに消えて「 だから、一人でこのお部屋を出ないで欲しいんだ。…一歩でも外に出れば、危険がいっぱいだからね 」その“危険”とは一体何なのか、更に言えば部屋に閉じこもっていさえすれば安全というわけでもないのだが最初の夜の忠告としては十二分だろうと敢えてここで一度言葉を止めて。どこか無理しているような声音と笑顔に応えるように柔らかい微笑みを返して「 手を。僕から離れないでね、チウ 」差し出した冷たいそれを彼が握ってくれたのならば、扉を内側から開けて廊下を歩み始めよう。薄暗い廊下を照らすのはぽつぽつと設置された燭台の灯りと、大きな窓から差し込む不気味なほど巨大な満月の光で)




1422: グレン [×]
2024-08-27 21:27:41





>ハイネ( >1419


とびきり可愛く、かぁ……出来るかな
( くすくすと小さな笑いを織り交ぜるのは上機嫌の証。きっと彼のことだからその時になれば可愛い可愛いと受け入れてくれるのだろう。そんな風に考えているために特段の不安感を抱く事も無く、口角の持ち上がった口から紡ぎ出される言葉は緩いもので。リングが発する淡く軽やかな雰囲気さえ感じる色の光とは裏腹、そこから感じるのは息の詰まる程の閉塞感。それすらも心地良いと感じるのはそれが彼の愛で方だと理解をしているから 「 いいよ、誓う 」 この一言で誓約が掛けられるのだろう事を理解していない訳ではないも、躊躇うことをしないのは愛情を与えてくれる相手から離れるという選択肢が己の中には無いためで「 ハイネが俺のこと面倒だって、手放したいって思うまで居なくならないよ 」 おまけとばかりに付け足したのはあくまで彼の思考が主体となるもの。指輪へと向いている視線をこちらへと戻す為に彼の両頬に手を添え、拒まれなければ掠め取るような口付けを交わして 「 だから、それまで大事にしてね 」 真っ直ぐに視線が交わったのなら抱き寄せられる力に抗う事無く身体を冷たい体温へと寄せ 「 ハイネのだってシルシ薄くなっちゃったから、付け直して欲しいなって 」 トントンと人差し指で指し示すのは先日彼に付けられた鬱血痕があった場所。よくよく目を凝らせば僅かに周囲の皮膚と色の違いが見受けられるかどうか程度まで治っているだろうか。頬を撫でる手を両手で捕まえ、掌へと頬を擦り寄せて )





1423: ハイネ [×]
2024-08-27 22:09:59



>グレン(>>1422)


楽しみですねえ。とびきり可愛いおねだりも、花のお返しも、貴方の誂えた洋服も
(なでり、なでりと猫っ可愛がりするように形の良い頭を何度も撫でながら天井を仰いで少々大袈裟に間延びさせた口調で今夜加わった未来への期待をひとつひとつ重たそうに大切に挙げてゆく。まるで父が子の成長を心から楽しみに見守るように、そうして一片の逡巡もなく結ばれた誓いに顎を引くようにして彼を見つめ「 ンフフ、お利口ですこと 」すぅと目を細めてそう呟いた直後、唇を奪おうとする動きを拒むこと無く受け入れてから視線を受け止め「 ええ、骨の髄まで俺に大事にされなさい 」そう告げた瞬間、どこかざわりと胸中に影を落とすものがひとつ。それはいつしか彼に対して興味を持たなくなってしまうかもしれない自分の未来への恐れだったのだろうか、その得体の知れないものの正体を追求する前に件のお強請りをされれば意識はそちらへと引き戻され「 ああ、それはいけませんね。次はどこにしましょうか 」捕まえられた手の親指で数度温かい頬を撫でた後、空いている方の手で首筋に触れ頸動脈の上辺りをなぞり、そのまま鎖骨へと指を滑らせ「 この辺りですか?それとも… 」鎖骨から肩を伝って彼の右手首に辿り着けば、ゆっくりと自らの顔をそこへ寄せていき「 左手には指輪がありますが…このままでは右手が寂しいのでは? 」その中指に嵌められているはずの紫をちろり一瞥してから、下から覗き込むようにして湿っぽく熱のある挑戦的な視線を送り)




1424: グレン [×]
2024-08-27 23:04:58





>ハイネ( >1423


今日だけで随分と約束事が増えたね
( 指折り数えるかのように並べられた約束事に目元をゆるりと細めながら耳を傾け。増えた約束は恐らくどれも今直ぐに果たせるものでは無いものの、それを交わしてくれるぐらいなのだから今直ぐに彼が己のことを手放すつもりは無いのだろう。そう思える事が何よりの収穫で。触れた唇が離れればそのまま至近距離で口角を持ち上げて「 最期までちゃんと見届けてよね 」 コレクションとその主である前に被捕食者と捕食者。それを理解している為の言葉は彼にどう伝わるだろうか。返答の直前、彼の様子がどこか上の空のように感じたのはただの気の所為であろうか。直ぐに普段通りの様子へと戻ったために追求をする事は無いものの、僅かに感じたの引っ掛かりは微かに首を傾ける事で表層上に出ているはずで。首筋から鎖骨、そこから右手首の辺りまでと身体の線をなぞるように下っていく感触に身体を硬くさせたのは擽ったさを感じた故の反応。下から見上げるように送られる熱っぽい瞳を見つめ返し 「 ……見えるところが良いな 」 指輪にヘアピン、彼が仕立てた服、この場に居ても良いのだという存在証明は会えない夜の不安感を払拭する為の物でもあり、無論色濃く残っていた鬱血痕も先日まではその一端を担っており鏡や窓に映る度にその部分を指先で撫でた回数も少なくは無い 「 会えなくても、目に入るだけでちょっとは頑張れるから 」 だから、ここがいい。そう言うように頬へと添えられたままの彼の手首の内側へと唇を押し付けてお強請りを )





1425: 秋天 [×]
2024-08-28 02:35:15


>クォーヴ (>>1421 )

( 淀みなく告げられた褒め言葉がくすぐったくて笑みが溢れる。続く問いかけには微妙な表情を浮かべ「そうかもね……。僕は血の繋がっていない女性に育てられたから、出自にまつわることはよくわからないんだ」と悲観的でも気まずそうでもなく、ただ事実を語っただけという平坦な調子で言葉を返した。僕は自分の出自があやふなことを本当になんとも思っていない。僕の人生で起こった悲しいことといえば、ついさっき母を失ったことのみであった。僕がはぐらかした内容に心を砕く姿を見ると内心小さな後ろめたさを感じてしまい、ただ黙って彼の話に耳を傾ける。おいで、の言葉に首を傾げると何もない空間からコミカルな音と共に生き物が現れて、そのわけのわからない事象をただあんぐりと見つめた。艶のある真っ黒の体が照明の下で青い光沢を放っている。死と不吉を司るその鳥に視線を奪われて、使い魔がどうとか部屋の外は危険だとか、気になることはたくさんあったが「……魔法?」僕の口をついて出たのはそんな台詞で。相も変わらず微笑みを称える男性の瞳をうかがうように覗き込むと、「わかった。ありがとう」了承の意とエスコートに対する礼を告げ差し伸べられた手をそっと握る。背の高い彼に先導されて一歩、部屋の外へと足を踏み出した。
──寒いのとは違う。なのにやたらと冷たい感覚に全身をつうっと撫でられて、それがいやに恐ろしかった。この空気を吸い込んだ者は少しの緩みも許されないのだと肌でわかる。きっとその決まりを察することのできない者から凍り付いて滅びるのだ。月明かりが差し込む薄暗い廊下をおずおずと見渡す。まるで暗黙の了解という名の砂で積み上げられた城のようだと思った。求められる行動を常に読み取って、それを差し出さなくてはならないような緊迫感がある。言われなくたって一人じゃ出歩けないなと心の中で呟いて、それを悟られないよう平然と歩くことに神経を注いだ。そうでもしないと今すぐにでも背中が丸まって、すぐそばに己を狙う怪物か何かが潜んでいるような歩き方をしてしまいそうだったから。繋いだ手からその恐怖心が伝わらないよう自分を叱りつけて前を向き「……さっきの子、名前は?」緊張に耐えかねて口を開く。普段がどうかは知らないが、このときの屋敷は音を忘れたように静かだった。)



1426: ニール・グレイ [×]
2024-08-28 20:26:12



>クォーヴ(1420)


(それはこのお屋敷に来た夜の話。この一月余り、ずっと頭の隅に有った謎。ゆるり引かれた己が手元から射抜く視線を受け止め、語られる回答へじっと静かに聞き入った後、「…そう、良かった。」吐いた息に混ざるのは恐怖でも惑いでもなく、安堵の一声。「オレちゃん、“覚える”のは得意だもの。それならきっと、分けられるねぇ。」人でありたいと足掻いた故に、存在を見てほしいと願った故に、自身が抱えて締め上げたものの全て。拘泥と執着の結実でもあるそれらこそ、目の前の死神へ渡せる饗膳なのだと、熱を含めた目は一層と艶やかに細められていく。「……まずは、そう。貴方のお口に合うか解らないけど、」ふと区切った言葉の次。己から一歩、更に彼との距離を詰め、その己とは何もかも正反対の色をした“捕食者”の瞳を獣の深紅が見詰めて、「今から6つ前の冬、初雪の中で追いかけっこしたお話、なんて味見にいかが?」彼の顔に程近い食指の爪でその下唇を掬って弄びながら、いつもの戯れに同じのんびりとした口振りで問いを重ねて。――彼と共に着いた扉の前。開いたその向こうから漂う芳醇な香り、そして広がる色とりどりの実を蓄えた樹木の光景に、瞳は煌めきに大きく瞠られて、「ははっ、すっごーい!」まるきり幼い賛美と共に彼方此方目移りする最中、「ふふ、ホントに楽園に来たみたいだねぇ。」もう一つ届いた彼からの朗報にふわふわ浮かれた喜びを返して、彼の手を離れ果樹の林に分け入って。よく知るオレンジ、バナナに、初めて見る石榴や無花果。どれもこれもと興味津々好奇のままに幹をなぞって枝先を摘まみ、五感全てで探険しているその途中、「あ、」見付けた馴染み深い一種に漸く足は一度止まり。その樹木に生る実の幾つかの匂いや光沢を窺った後、一番大振りで甘い香をしたそれに触れ、「ねぇ、これって食べても良いの?」しかし刈り取るその前に彼の方に顔は向き、“これ”と示した果実――宝石の如く真っ赤に熟れた林檎の滑らかな肌を、掌でそろり撫で擦りつつ彼へきらきらと眼差しを投げかける。)



***


ふふ、こんばんはぁ。お話し中にごめんねぇ。
別に大した事じゃないの。今ちょっぴり話題にした“追いかけっこ”の話、後で綴って宝箱に仕舞っておこうかな、ってご報告。いつになるかは解らないけど、お暇が出来たら見においで、って。ただそれだけ。
それじゃ、今は“楽園”を楽しませてもらうねぇ。




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