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オリジナルキャラなりきりチャット
自分のトピックを作る
24:
彼岸花 [×]
2023-07-30 23:55:48
名前: 一色棗(いっしき なつめ)
年齢: 19歳
容姿: スモーキーピンクに染め上げた髪は肩甲骨下辺りまでの長さのストレート、髪型は日によってまちまち。前髪は目に掛からない位置、横髪は口元辺りの位置でパツンと切り揃えられている。きりっとした猫目で、瞳の色は焦げ茶色。156cmと平均的な身長に、不摂生寄りな生活により平均に比べて若干細く見える体躯。ここに迷い込んだ時には、髪はおさげにして纏め、膝を隠す丈のシンプルな黒いチャイナ風ワンピースに裸足といった風貌。
性格: 人当たりが良く、穏やかで事なかれ主義。喜怒哀楽は隠すことなく表現し、マイナスな感情に関しては敢えてわざとらしく、相手が笑って流せる程度に収める。よく言えば愛想が良く、悪く言えば八方美人。それゆえに友人と呼べる相手は多い半面、親友と呼べるほどの深い関係になることは少ない。全ては良くも悪くも子に無関心で共働きの両親の元、手のかからない子として育った結果形成されたもの。心の内では愛情に飢えており、誰かの一番になることを諦めきれずにいる。また自分も他人に対して平等な態度を取る一方で、人・物・事に関わらず好きになったものに対しては依存的な傾向がある。
備考: 大学一年生。特に将来に対する希望を持っているわけでもなく、ただただ単位を落とさないようにしているだけ。実家からは出ており、大学付近のマンションで一人暮らし。多少の霊感を持ち合わせ、姿こそ見えないけれど何か感じる・聞こえる程度のことは多々経験済み。そのため幼い頃から所謂オカルト的なものに興味を持っている(趣味と呼べるほど熱心ではない)が、小学生の頃友人から「変」と言われてから、人から見れば変わっていることを理解し他言はしないようにしている。
要望: 最初こそその内は現世へ帰りたいと願いますが、単純に異世界への興味、また自分を見てくれる存在として九十九神様に意思が傾く可能性もあります。最終的な判断は話の流れによって決定できればと。
指名: 折化様
絡み文:
(夢も見ないほどの深い眠りから意識を浮上させる。覚醒しきらないまま布団に手をついて上体を起こしつつ、いつの間に寝てしまったのかと記憶を辿ろうとしたその瞬間、ふと違和感を覚え落としていた視線を室内へ向けて。瞳に映るのは到底現実とは思えない風景。今どき珍しい古風な柘植櫛が、それもぼろぼろになった状態で辺りに散乱する様に暫し呆然と瞬きを繰り返すことしか出来ない。しかしその質ゆえか恐れよりも何よりも好奇心が勝ってしまえば、僅かに布団から身を乗り出し近場に落とされた欠片をひとつ摘み上げて)──……明晰夢、ってやつ…は、流石に物を持てたりはしないのかな。
(/恐ろしくも美しい、どこか退廃的な和の雰囲気に強く惹かれまして、ぜひ御相手に立候補させていただきたく参加希望失礼いたします…!ご指摘ありましたらプロフィールの加筆修正は勿論喜んでお受けしますが、そもそもの相性に問題があるようであれば遠慮なく蹴ってくださいませ。お手隙の際にご確認、ご検討のほどよろしくお願いいたします!)
25:
一条文子/一夜 [×]
2023-07-31 00:51:47
>23 異割様
な、何を仰って───、
(交錯する視線は緊迫を煽り、離した分だけ近寄る距離にびくりと肩が震える。やがて再び遠のく互いの間隔に胸中で安堵を忍ばせたのも束の間、彼の独白に明らかな齟齬を覚える。まるで人身売買という概念すら知らない様な物言いは不可解な違和を生み思わず口を開き掛けたものの、続け様に目的が金銭要求ではないことを知ると人身売買に代わる新たな可能性を探ることに意識が向き。ともすれば単なる誘拐犯か、愉快殺人犯か、一層残忍な選択肢を幾許か視野に入れていると不意に両手が眼前に迫っていることに気付く。振り払いたいという意思を遮ったのは一つの問い掛け。生殺与奪を握られている様な感覚と、それに拍車をかける脅しにも近い言の葉の数々に揺らぐ双眸が見据えるのは、迫り来る両手のその向こうにある玻璃の二対。)
此処をなんだと思っているか、って……貴方は殺人犯か何か?此処が何処かは分からないけれど、売買での金銭が目的でないのならそれしか考えられないわ。
26:
折化/異割 [×]
2023-07-31 18:30:03
▼ 一色棗 様(>>24)
わぁ、好奇心が旺盛だね。でも人間は脆いから、下手に触ると怪我をしてしまうよ。
(熟睡の縁から登ってきた彼女にそう声をかけたのは、丁度死角に当たる真後ろから。にこにこと穏やかな笑みを浮かべながらきちんと正座していた足を崩し、膝を摺っては彼女の元へと近寄って。独り言と共に拾い上げられたそれに目を留めると、自身よりも幾分か小さな背中に覆い被さるようにして手を伸ばす。端が尖った欠片を握る手に掌を添え、鋭利な先端で怪我をせぬよう注意を払いつつするりと抜き取って。引き抜いたそれとは反対の掌で捕らえるように彼女の指を掬い、後ろから自身の指を絡ませようと)……ふふっ、本当の人間だ。いつ以来だろう。
(/ようこそいらっしゃいました!詳細なご確認、身に余るほどに光栄なお言葉をありがとうございます。世才に優れた中、愛への渇望を内に秘めた素敵な娘様が来てくださって浮き立つ思いです…!折化がお迎えに上がりましたが、ご質問ご指摘などあれば遠慮なくお伝えください!)
▼ 一条文子 様(>>25)
殺人犯、ねえ。それを期待されてるなら残念だけど、人を殺したことはないよ。ああ、『オレ以外』は危ないかもね。(視線を遣ったのは襖の向こう、己以外の妖も跋扈する空間。実際の所貴重な人間を害する者など滅多に居ないが、自分にとっては利用すべき情報である。とはいえ説き伏せる事など得意ではない自身では、彼女の警戒を解くのに如何ほどの刻が過ぎていくだろうか。元来飽き性の気が手伝って、これで話が進まねば多少の怪我もやむなしと物騒なことを算段する。頬を挟み込んでいた手をぱっと放したなら、くるりと掌を裏返し木台から降りるように促して。無言の指示に彼女が従うとすれば、 彼女の履物が畳を踏み締めた直後に膝裏を掬い、姫抱きにして抱え上げ。腕の中に閉じ込めた相手の顔を見下ろしながら)よっ、と。どっちにしても、しばらくはここから帰れないと考えた方がいい。オレもあまり帰したくはないしね。……それと、ここじゃ居心地が悪いなら、お前の部屋に案内してあげる。
27:
草紙 [×]
2023-07-31 18:31:25
『 覚え書き 』
>>1 / はじめに・世界
>>2 / 九十九神一覧
>11 / 追加:九十九神
>>3 / 空間・部屋について
>>4 / 申告書(プロフィール)
>>5 / 注意事項
>16 / 追記
>18 / お試しについて
『 訪問者 』
一、楠木 倫太郎 様(>>9)
∟初回:傷乃 黒幕:弟切草
一、一条 文子 様(>>19)
∟初回:異割 黒幕:紫陽花
一、一色 棗 様(>>24)
∟初回:折化 黒幕:彼岸花
(/覚え書きに情報を追加しました。ご不明点などあればお気軽にお申し付けください!)
28:
一色棗/一夜 [×]
2023-07-31 22:21:45
>>26 / 折化様
え…っ?(すっかり一人と思い込んでいた空間で、突如として現れた気配にびくりと肩を跳ねさせつつ瞠目して。穏やかな声色と、此方を気遣うように添えられた手からは悪意は感じ取られない。それでも得体の知れない『ナニか』に身体を強ばらせ、身動きも取れぬまま頭だけを働かせる。発言から恐らくは異形のものなのだろうと察せるものの、今確認できる彼の手元は完全に人間のそれ。創作話と思いながら読み耽った他人の摩訶不思議な体験に似た事象に、まさか自分が遭遇することになろうとは。ひとつ深く息を吐き出すと、戸惑いや恐れから微かながら震える声で問い掛けを)ぁ、……あの、すみません。ここはどこで、あなたは一体何者…?
(/こちらこそ、参加許可並びに娘に勿体ないほどのお褒めのお言葉をありがとうございます…!素敵なトピックで物語を紡げること、大変光栄に思います。またお気遣いの方もありがとうございます。物語の途中でも何か問題ございましたらご指摘いただき次第対応させていただく所存ゆえ、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいませ。それではこれから何卒よろしくお願いいたします!)
29:
折化 [×]
2023-07-31 22:48:24
▼ 一色棗 様(>>28)
ああ、怖がらせてしまったかな?ごめんね。……僕のことはセツカと呼んで、折れて化けると書くんだ。
(彼女の双肩が僅かに震えているのを見届ければ自身の不躾な行いに気付き、微笑みを苦笑に代えては絡ませていた指を解いて。硬直している相手の眼前へひとまず姿を表すのが礼儀かと背筋を伸ばしたなら、彼女と向き合う形で正面へ。膝と膝を突き合わせるほどの距離で漢服の裾を正し、改めて彼女の瞳を直視する。柔和に緩められた眼の中では、客人の訪れを歓迎するよう白花がぱちりぱちりと煌めいていて。己の名を口にしながら彼女の手を借りようと手を伸ばす。避けられないのならば片手で持ち上げた掌に、漢字を説明するよう指先で『折化』となぞっていくだろう。これで答えは一問目。二問目は何だったかとふと視線を上げては僅かに同情の色を滲ませて)それから、そうだな。強いて言うならここは塵溜めだよ。可哀想に、君は捕まっちゃったんだ。
30:
一色棗/一夜 [×]
2023-07-31 23:38:42
>>29 / 折化様
せつ、か…。…折化さん、(謝罪と共にいとも簡単に解放される。すぐにでも此方を害する様子はないらしいと一先ず胸を撫で下ろして。服装こそ珍しいものの一見すればただの青年、その姿に警戒心は緩みかけ、彼に釣られるようにして背筋を伸ばして居住まいを正した。そして交わる視線の先、漸く伺い見られた人外の片鱗。瞳の中で踊る花に目を奪われ半ば無意識に「綺麗」と小さく独り言ちた矢先、再び触れ合った手の感触ではっと我に返り、視線でその指先を追いながら名前を反芻して。どちらの答えも求めていたものには到底足りないが、一度それは飲み込み新たな疑問に首を傾け)
……そう、ですか。でもどうして私が、何のために?私を捕まえたって、利があるとは思えないのに。何か力を持ってるとか、由緒正しい家の生まれとか、そういう特別な人間じゃありませんよ。
31:
一条文子/一夜 [×]
2023-08-01 02:36:25
>26 異割様
(ひたりと触れた掌が、何処か無機質な温度を帯びている。放たれる一言一句を逃すまいと全神経を集中させていると、どうやら推測が見当外れだという事と他者の存在を示唆しているようで。知らずの内に悍ましい世界に迷い込んだのだろうか、という現実味のない漠然とした予想に再び恐怖を燻らせつつ、脳は彼の算段を感覚的に察知したのか、導き出した解は正体不明の相手を刺激せず様子を見ながら今は従順な姿を見せることで。示された通りに木台を降りた途端、ふわりと視界が浮いた。帰る手段が無い訳ではなさそうだと一縷の希望を見出すと、流れるように彼の肩へ腕を回し「……そう仰っても、お父様やお母様も心配しているだろうし、やらなければいけないことも沢山あるわ。頃合いになったら、元の場所へ帰してくれると嬉しいのだけれど。」努めて穏やかに、手弱女に扮してお得意の貼り付けたような笑顔でそう言いのけては、数秒後には怪訝に眉を顰め。見たところ八畳程の広さではあるが、他に部屋が存在するとしても暗澹たる雰囲気に孤独は耐えられず。)
私の部屋?…此処が居心地良いとは言えないけれど…、独りにはしないで。
32:
折化/異割 [×]
2023-08-01 18:46:42
▼ 一色棗 様(>>30)
……ありがとう。君はきっととても良い子なんだろうね。
(見ず知らずの自身へ躊躇いもなく称賛を零した彼女の声、視線と声音を理解すれば一度驚いたように瞬きを。直ぐ覆い隠した瞼の中に浮かんだのは好奇の色。礼の言葉と共に支えていた手の平を柔らかく握ると、それを挨拶として彼女の腕を解放し。同時に傾けられた唇から漏れ出るのは最もな疑問点で、賢明な彼女への答えとしてふさわしいものをひとつひとつ確かめながら目を瞑る。「僕らはね、人間が欲しいんだ。来歴だとか出生だとか、もっと言えば罪人かどうかだって気にしない。目的は一つ、僕らを愛し愛される者を探している。──今夜のそれが君だった、という話。ふふっ、可哀想にね。」ふ、と吐いた息で締め括った言葉に付け足したのは繰り返しの同情、だが憐憫と言うには些か快然の気が勝っている。未だ緩ませたままの口元は言葉を紡ぎ)他に聞きたいことはあるかな?君の望みだもの、何でも……出来る限り答えてあげる。
▼ 一条文子 様(>>31)
へえ、殊勝なことも言えるんだ。……お前が望むなら付いていてやるけど、『それ』、演技かどうか見分けがつかないな。
(可憐を体現したような彼女の腕がこちらに伸ばされ従順な笑顔を確かめると、柔らかな肢体を落とさないようしっかりと抱え直して。一方で先の毅然とした態度との乖離にふと頭を捻り、怪訝そうに片眉を上げてはそのままの疑念を口にする。疑心が生まれたとはいえ些事、煙に巻けばそれ以上の追求はないだろう。代わりに『帰して欲しい』との至極当然な欲求に答えを告げることもなく、訪れた時と同じように乱雑に襖を足で押し退けて。割れた玉の転がる自室とは違い違い酷く殺風景な廊下の先、中央に見えるのはこれまた簡素な襖。僅かに隙間が開いたそこに足袋の爪先を引っ掛けて二人が通れる程度の入口を開いたなら、六畳程の部屋の中心部に運び込みそのまま彼女を降ろそうと。畳に無事降ろすことが出来れば彼女の足元へと目を留める。破片の散らばる己の部屋ならばともかく、この無機質な部屋に外沓は相応しくない。屈み込んで彼女と目線を合わせ、ついとその爪先を突いて)ここがお前の部屋だけど……お前沓を履いたままだね。預かっておいてやろうか?
33:
一条文子/一夜 [×]
2023-08-01 20:34:31
>32 異割様
…演技?こんな状況で演技ができるほど、肝は据わってないわ。
(的を得た目敏い指摘に臓物が戦慄いたが、笑顔の仮面は決して崩れることはない。そもそも突如見知らぬ空間に連れ込まれた状況で、取り乱さず立ち所に淑女然とした振る舞いなぞ出来るものか、と胸の内で悪態をつきながらその疑心を流す様に空言を一つ。対して己が求めていた解答が返ってくる事もなく、不信がいとど募りゆくもやはり表には出さず。廊下を照らす不自然な明るさに眦を細めながら、やがて一室に到着すると身を降ろす傍ら周囲を見遣る。特段変わり映えのしない、殺風景な和室のようだが先刻とは違い割れた細れ石は見当たらない。折り良く沓のことを振られると、視線を覗き込む玻璃へ、次いで自分の足元に移す。此頃卸立のそれは、気に入っているのは勿論のこと現世への繋がりが一つ失われる様な気がして暫し逡巡を。されど礼儀作法が痛いほど身に染みている自身には室内で外沓を履き続ける選択は取れず、そろりと脱ぐと冷たい畳に足裏を置き。)
……そうね。貴方の仰る通り、預かって頂いても良いかしら。
34:
一色棗/一夜 [×]
2023-08-01 23:34:59
>>32 / 折化様
愛、を──…でも、そっか。つまりは誰でもよかったんだ。たまたま私が選ばれただけで。
(行き場を失った手を膝の上へと置き直し、聞き漏らさないようそばだてた耳に届いた一つの単語に瞳が揺らぐ。それを切望していた自身にとってはまるで釣り餌のよう。しかしゆっくりとその意味を改めて咀嚼し、納得したと言わんばかりに頷きながら溢れ出たのは何処か口惜しさを滲ませた声。疑問は山ほどあるとはいえ、依然として得体の知れぬものに変わりはない。下手をすれば敵意を見せられるかもしれない。視線を右へ左へとさまよわせて躊躇いを見せたのち、ここで右顧左眄の態度を取り続けたとて意味がないと腹を括れば不安を振り払うべく拳を握って彼を見据え)…それじゃあたとえば、ここから出る方法は。出来る限りの範疇に含まれてますか?
35:
異割/折化 [×]
2023-08-02 18:29:09
▼ 一条文子 様(>>33)
うん、預かった。返して欲しかったら一回ごとに口付けね。
(腕の内に囲った彼女の言葉には何を考えているやら判然としない一瞥を、それで話は仕舞い。下ろした視線の先、礼儀作法を叩き込まれているのだろう美しい所作で座した彼女の選択を待つ。やがて葛藤の後に揃えて置かれた沓に目を細め、空を握るようその上で掌を一払いして。僅かな振動と共に消えたのは乙女らしい深靴の気配。これで薄縁畳の面上はすっかりものがなくなった。ついでとばかり付け足した戯言に自身の頬をとんとんと叩く仕草を添え、駆け引きとも呼べないようなそれに口の端を上げ。次いでやおら人差し指の先を掲げればしゅるしゅると空中に現される古風な巻子本と筆。粗く上質な和紙の感触を確かめたなら、彼女に紙面を示すべく翻す。いつの間に引っ張り出したのか部屋の隅には真新しい欅の文机が鎮座しており、取り出したあれこれをその上に並べ指し示しては)それから、なにか欲しいものがあるなら紙に書いてオレに渡して。……墨は摺らなくてもいいよ。筆には勝手に墨が滲むから。
▼ 一色棗 様(>>34)
ここに引き込んだ奴はともかく、僕は今夜の人間は君で良かったと思っているよ。少なくとも、僕はね。
(彼女が滲ませた遺憾にはおや、と内心で引っ掛かりを覚え。半ば賭けではあるが利用出来る感情なのではないかと当たりをつければ華奢な肩に片手を添え、撫で擦るように慰めを。『自分』を強調して言葉を用いたのは紛れもなく他を出し抜く為。揺らぎの末に此方を見据える眼差しの真直さを受け止めれば内心の打算はおくびにもださず、代わりに少し悲しげな表情を浮かべ。「もちろん含まれているよ。……でも、ごめん。僕は君に帰ってほしくないから、少し足掻かせてもらう」彼女の問いかけに返した肯定とは裏腹に張ったのは攻戦の一手。相対する彼女がこの問に隙を見せるならば、その空隙を絡め取ってやろうとの魂胆で。肩へ伸びていた手を頬に滑らせて耳元に唇を寄せ。潜めた声で唆すよう囁いて)ねえ、……君はどうして帰りたいの。そうまでして帰りたい理由があるのかな。
36:
一条文子/一夜 [×]
2023-08-02 20:45:09
>35 異割様
私、元の場所で婚姻が決まっているの。嫁入り前の身で他の殿方に口付けなんてできないわ。
(事実は小説よりも奇なり、という言葉があるが成程その通りだと思う。瞬く間に姿を消した黒檀色のブーツを見詰めていた双眸が行き場を失くし、代わりに円く瞠目させる。手品の類か人ならざる者の力か現段階では判定しきれないと思考を巡らせる傍ら、冗談めいた戯言が耳朶に触れると袂を緩りと口許まで運び微笑と共にやんわりと拒否を。正確には決まっているのは縁談のみ、加えて恋慕も情もなければ顔も知らぬ相手、されど些細な抑止力にはなるだろうと浅はかな魂胆で。応酬の後に突如現れた文机と品々たちに視線を遣れば、現実では到底有り得ない現象に先刻と同様に暫し目を瞬かせ、白い指先でつ、と紙面をなぞっては彼の説明を反芻する。摺らずとも滲む筆、まるで此処に記すとそれが出現するとでも言うような口振り。沓の消失も含めやはり人智を超えている、未だ定まっていなかった彼の正体を確かめるように視線を合わせて。)
筆は勝手に滲んで、此処に望むものを書いて貴方に渡したとしたら…現れるのかしら?一体どういう絡繰?
37:
一色棗/一夜 [×]
2023-08-02 22:01:16
>>35 / 折化様
本当に?それなら嬉しいな、ありがとうございます。
(銘々に合わせて甘言を垂れるのは他の誰でもない自分の得意技、騙くらかされまいと微笑みを湛えて当たり障りのない謝意を。同情を誘うその表情とは対照に瞳を瞬かせて期待感を示したのも束の間、詰められた距離に息を呑む。嗾けるように問う甘やかな声がどうにも不安を煽って、嫌に冷えた汗が背中を伝った。考えれば考えるほどにどくどくと早くなっていく心音に伴って呼吸を浅くさせては、まるで自分自身にも言い聞かせているかのように両手を胸元で握り合わせつつ、言葉尻にかけて不安気に声量を落として)どうしてって……そんなの、当たり前です。向こうには友達も居て、両親だって私が突然消えたら心配する、…してくれるはず、なんだから。
38:
異割/折化 [×]
2023-08-03 21:04:48
▼ 一条文子様(>>36)
残念、それじゃ一生沓は履けないな。
(全く面白くないとでも言うようにぴくりと動いた口の端は、自身の暴慢な気質を体現したもの。聞き馴染みのある単語を耳に入れれば彼女の背景に思いを馳せ、癇癪を起こす寸前の子供よろしく不満をにじませて。策略に疑いもなく引っかかる姿は幼稚な横柄さを示している。小さく息を吐いて文机傍らの壁に身を預けたなら、続けられた言葉に眠たげな目を向けて「……捨てられたことがあるものなら、何でも取り出せるからね。なんでも。」謎掛けのような答えとともに畳の上に胡座をかいて座り込み、ふと彼女へと腕を伸ばす。振り払われることがないのならば伸ばされた腕は座した彼女の腰を抱え、自身の方へと引き寄せてしまうことだろう。多少の抵抗は抑え込んでしまう目算で肢体を背後から絡め取り、彼女の腹の上で指同士を組み合わせて。美しい髪に鼻先を擽られるような距離、柔肌に頬を擦り寄せては図体に見合わわぬ弱々しく拗ねたような声音を落とし。きゅ、と腕を結ぶと、言い訳じみた言葉を脈略なく連ねていき)ねえ、お前本当に帰りたいの。オレ、本当にずっと待ってたんだけど。……お前が帰りたいって言うなら、協力しないわけにはいかないけど、……でも本当に帰るの。
▼ 一色棗 様(>>37)
そっか、『はず』なんだ。随分自信がないんだね。……本当に、心配してくれるのかなぁ。
(段段落ちてゆく声量と温度を失う身体は、頼りない迷子のものによく似ていた。逃すまいと更に近づけた距離に衣擦れの音が重なって。彼女から見えない角度を良いことに漏らした吐息は、聞こえるかどうかはさておき暗い喜びを伴っている。慰撫の言葉を掛けることはせず、代わりに不安を煽るよう畳み掛け。呆気のない言葉尻を捉えたそれは非難のない代わりに随分意地が悪く響く。どこか蠱惑的な響きを伴った低い声を臓腑の底から震わせたなら、するりと耳元から離れ。果たして彼女の胸中にざわめきを残すことが出来ただろうか。素知らぬ顔で眼前の桃色に指を通して一撫でし、先の扇動などなかったかのように穏やかに微笑んでみせ。「……なんてね。本当に誰かが君を待ってるなら、僕は無理強い出来ないな。」襟元を正して立ち上がると、彼女に背を向けて屈み込む。背後に向けて手を差し向け、自身の背中に乗るよう仕草で促して)
さて、君もここじゃ落ち着けないだろう。部屋に案内してあげるから、おいで。
39:
草紙 [×]
2023-08-03 21:05:56
>>迷い込むなんて生易しいものじゃないぞ。引きずり込んだんだ、この塵溜めに。……人間、忘れるなよ。僕はいつまでもお前の幻影を追いかける。
『 覚え書き 』
>>1 / はじめに・世界
>>2 / 九十九神一覧
>11 / 追加:九十九神
>>3 / 空間・部屋について
>>4 / 申告書(プロフィール)
>>5 / 注意事項
>16 / 追記
>18 / お試しについて
『 訪問者 』
一、楠木 倫太郎 様(>>9)(>>15)
∟初回:傷乃 黒幕:弟切草
一、一条 文子 様(>>19)(>>35)
∟初回:異割 黒幕:紫陽花
一、一色 棗 様(>>24)(>>35)
∟初回:折化 黒幕:彼岸花
(/一部情報を追加しました。依然訪問者様を募集しておりますので、お気軽にお声がけ頂けると嬉しいです!)
40:
一条文子/一夜 [×]
2023-08-04 00:06:06
>38 異割様
やめ────、
(稚い反発に胸のすく感覚を覚えたなら、続け様に種明かしとは遠い返答。釈然としないと言いたげに眉を顰めるものの、それ以上の追求を今は諦め再び紙面を見遣った刹那、ぐらりと身体が後方に傾き。抱き締められていると理解するまでに時間は要さなかった。本来想い人同士でしか起こり得ない距離感に図らずとも頬が朱赤に染まり、触れ合う箇所が熱を訴えれば、視界の片隅で揺れる金糸を遠ざけようと僅かに前傾姿勢をとり。平手打ちでも喰らわせてやろうか、そんな過激思想と咄嗟に零れた制止の声は不意に投じられた一石によってぴたりと堰き止められ。何処か寥々たる色で告げられるそれらに胸の内で情が波紋を描き、彼の事情なぞ微塵も知らずとも待っていたという一言に切実さが垣間見えた。暫しの沈黙の後、俯き加減で辿々しい一音を皮切りに表明を。されど願望形での思いが一度も発せられていないことに、自分自身では気付いていない。自由意志を封じて稽古や勉学に励むことも、上流階級の家に嫁ぐことも、全てこの身に課せられた義務なのだ。背後の存在に向けてではなくまるで自分自身に言い聞かせるような物言いは、決然とした内容とは裏腹に悄らしく。)
………か、える。帰るわ。帰らなきゃいけないの。…やらなきゃいけないことが沢山あるんだから。
41:
一色棗/一夜 [×]
2023-08-04 18:22:56
>>38 / 折化様
──…っ、……。
(投げ掛けられた言葉は不安を増長するばかりで、思考は黒い靄に蝕まれていく。退く気配を追って伏せ気味だった顔を上げた先、先程までとは打って変わって『無理強いできない』なんて白々しく紡いでみせた彼をじ、と見上げる視線は懐疑心を隠そうともせず。知らず知らず張り詰めていた糸を解くよう深呼吸、その間に向けられた背の意図を掴み倦ねて瞳を瞬かせて。誰かに背負われた記憶などほぼ無いに等しく、促されたことで漸くそれを理解した。連れて行かれる先が安全かなど確認する術もない。しかし今この状況においては従う他に選択肢があるとも思えず、怖ず怖ずと立ち上がると諸腕を首へと回し身体を委ねて)……失礼、します。
42:
異割/折化 [×]
2023-08-04 19:22:25
▼ 一条文子 様(>>40)
帰りたいのかって聞いてるんだけど。お前自身はどう思うの?
(彼女の告げる拒絶は意思を感じられず、不満げな表情を隠そうともしないままに髪を擦り付けて。下へ視線を向けている故にくぐもった声色は慰めなど含まれていない。自分勝手な振る舞いに添えたのは尚も追求、彼女が答えるにせよ答えないにせよ、性急に過ぎるのは確かで。柳腰を抱えていた腕の力を緩めると埋めていた顔を上げ、ぎこちない手付きで髪を撫でたのを境に僅かに腰を浮かせて。少しの移動と伸ばされた腕の行く先は彼女の為に用意した文机の上、筆を取っては紙面に文字を走らせる。達筆とは言い難い字体で書かれたのは『夜具』と『夜着』、書き終えたならば軽やかな音と共に寝具類が出現することだろう。部屋中央にトスと現れたそれは素朴な布団に白一色の綿の夜着、何の変哲もない代物だが清潔さと寝心地は保証されよう。使えと言葉にすることはせず、ただ視線だけで彼女のものだと促して。文机の端に肘を付き、掌で顔を預けるようにして頬杖を付く。どうやら腰を落ち着けて彼女の挙動を見守ることにしたらしく、傲岸不遜な態度を崩すことなくゆっくりと瞬きを。彼女がこのまま無事に寝支度を終えるのならば傍らで夜を過ごしていく心積もり。瞼は下ろされ寝言のような独り言、下手な気遣いは不器用な自身の精一杯。)この辺で勘弁してあげる。ゆっくり考えてくれていいよ、後悔してほしくないのは本当。……何かあるなら、袖でも引っ張って。
(/キリが良い頃かと思いまして、一度回収させていただきます……!次の指名は異割でも他九十九神でもどちらでも大丈夫です。もしご希望の展開などあればお伝え下さい!)
▼ 一色棗 様(>>41)
(猜疑を滲ませた瞳も何処吹く風で表情を変えることはせず。やがて選択肢がないことを理解したのだろう、預けられた背中の体温に「偉いね」と独り言を漏らして。細身に見合った軽い身体を抱えなおすと、負った背の子を落とさないように歩を進め。黒色の足袋は部屋中に散らばった櫛に引っ掛かることはなく、襖を開いた先にあるのは無機質な廊下。板張りの廊下の中央を目指して迷いもなく進んで行き、静かに片手で襖を開いては室内がよく見えるよう中央へ。彼女に降りるよう促して、それが無事に見届けられればもう一度「良い子」と繰り返すだろう。子どもに対するような褒めの言葉に付随するよう、にこりと笑みを浮かべながら人差し指を一振り。音もなく指先の延長に現れるのは所々が擦り切れた古い巻物、それに筆。それらを握り込むようにして纏め取ると、彼女に紙片の端を握らせるよう巻物ごと掌を取り)ここが君の部屋だよ。まだなにもないけど、君が望むなら、一通りのものは揃えられるからね。
43:
一色棗/一夜 [×]
2023-08-04 21:43:00
>>42 / 折化様
(一歩でも踏み出せば刺さってしまいそうな櫛は、何故だか彼の足取りを邪魔することはないようだ。不思議そうに改めて室内を観察していると、不意にその中央に一つだけきらりと輝く物体を発見して。目を眇めてその正体を探ろうとしている内、景色が変わってしまえば視線は前方へ。程なく辿り着いたのは質素と呼ぶことすら躊躇われる無機質な部屋、自らの足を下ろすと辺りを軽く見回して。何一つ、家具すらないことを確認してから彼に向き直っては、何も無かった空間から突如として現れた筆記具に「わ」と小さく喫驚の声を上げ、その行く末を追うまま目線は手元へと)どこから……なんて、聞いても仕方なさそうですね。それで、この筆と巻物は?なにか書き残しておく必要があるんですか?
44:
一条文子/一夜 [×]
2023-08-04 22:03:58
>42 異割様
───…、
(鋭い一手は一等強い余韻を残し、五月蝿いほど脳に反響する。自分自身でさえ踏み込むことを禁じた深層心理には幼少から今に至るまで頑丈な蓋が閉められていて、一度溢れ出してしまえば取り返しがつかないだろうという事はどこかで分かっている。紅の差された唇はきつく真一文字に結ばれるだけで役割を果たさず、抗弁が叶わなかった矢先、頭頂部に微かな温もりが灯ったかと思えば背後の重みが消え失せ。先刻の言葉が呪いのように耳朶に纏わり付き、動き出した彼の動向を追うことができないまま畳だけを見詰めていたものの、僅かな物音と共にゆくりなく出現した物体をちらりと覗いて。傍らにあったのは簡素な布団と夜着、特段指示がなくとも用途は直ぐに理解できた。初めこそ不遜な態度が憎らしい印象を強めた彼でも、その行動と続いた独白に不器用な温情を見出したのなら、自然と眉尻の下がった微笑が浮かんでしまう。瞼が閉じていることを再び確認し、慣れた手つきで帯を解いては肌襦袢と裾除けの状態の上から夜着を纏い、するりと横向きに布団の中へ身体を滑り込ませ。目を瞑っているのをいいことに頬杖を付く端正な顔立ちを少しばかり見据えてから、世辞ではなく率直な感想を囁いてからやおら双眸を閉じ。)
……案外優しいのね、貴方。
( /回収ありがとうございます…!素敵な一夜目を過ごさせて頂いて感謝の一心で御座います。つきましては次の指名についてなのですが、やはり出会い頭のみで異割さんとお別れは名残惜しくもし宜しければ二夜目も異割さんの元で目を覚ませたら、と思っております。聞きそびれたお名前も二夜目でお聞きできたらなと。異割さんとの関係を軸(メイン)にしたいという思いはあるのですが、とはいえ一人くらいは他の九十九神の方々と交流したい気持ちもあり、異割さんとは二夜目、三夜目まで共にして次の一夜もしくは間隔をあけて計二夜ほど違う方の元で目覚めるというのはどうだろうかと考えておりました。如何せん七夜目までなので他の方とお話する夜が沢山あると、やはり異割さんと過ごす夜が少なくなってしまうかなと…、黒幕の存在含め物語的にたくさんの九十九神様と交流した方が良かったりするのでしょうか?長々とご相談してしまい申し訳御座いません…! )
45:
折化/草紙 [×]
2023-08-05 12:55:36
▼ 一色棗 様(>>43)
君は聡いね。その通り、この筆はこれに書きつけるためにある。
(落とされた視線の先で紙面をさらりと撫でては型通りの説明を。言うより見るが早いと判断したか口先の傍らで墨も磨っていない筈の筆先が動かされる。抑えもなく支えもない中で巻物に走らされた文字はそれでも乱れが見られることはなく、整い過ぎて逆に不気味なほどの印象を与えるかもしれない。整然とした墨で描かれたのは『寝台』、檜の匂いが微かに漂うそれは一人が寝られるほどの小さなもので、六畳程の部屋の壁に沿うよう煙の如く出現した怪異。簡素なそれへの一瞥を最後に自身の握っていた筆を同じく彼女に握らせたなら、その手に自身の掌を添える形で促して)試しになにか欲しいものを書いてご覧。取り出せるものなら、僕が取り出してあげるよ。
▼ 一条文子 様(>>44)
(/こちらこそ素敵な娘様と楽しい一夜を過ごさせて頂きありがとうございました!美しい幕引きもありがとうございます。また今後の展開に関して、異割メインとのこと承りました。背後様のご提案ぜひとも取り入れさせていただきたいのですが、もしご希望であれば異割+他九十九神両者との遭遇も可能です。二者と同時に遭遇する際は廊下一択になり、どちらかとは短時間の邂逅になりますがもしよろしければご検討ください……!
それから、物語交流に置いて必ずしも多くの九十九神と交流する必要はなく、背後様のご判断にお任せしております。ただ確実に現世帰還を目指す場合、余りにも黒幕の存在に話が向かないようであれば多少のテコ入れはさせていただく所存です。現時点では異割をメインとした展開であり二夜目も異割の元ということで、部屋で眠られた娘様にこのまま繋げる形でお話を紡がせていただこうかと思っております。その他ご意見があればお聞かせください。
ご相談ご質問大歓迎ですので、今後もお気軽にお声掛けください!)
46:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-05 16:02:59
>45 主様及び異割様
( /ご提案して頂いた異割さん+他九十九神様との遭遇、とても魅力的で面白そうなので是非そのような展開を入れて行きたいです…!二夜目でも三夜目でも構わないのですが、流れで良さそうな時に廊下に行き遭遇させて頂けたらと思います。どの九十九神様も素敵ですので遭遇するのが何方かはお任せしたく、遭遇回数は一回、または夜を跨いで二回程度、ぼんやりとした構想ではありますが、他九十九神様に遭遇する→話には聞いていたものの、本当に異割さん以外にも人ならざる存在が居ると知る→四夜目か五夜目かで一度だけ違う九十九神様のお部屋で目覚める→都度異割さんの元で目覚めると過信していた為やや緊張した一夜を送る→再び異割さんの元で目覚める→安心感と共に異割さんの存在が大きくなっていることに気付く…といったような段階が踏めたら嬉しいな、と思いました。
又、質問にご回答頂きまして有難う御座います!現世帰還については七夜目まで決断し切れなさそうな娘ではありますが、適度に他九十九神様と出会いつつ異割さんとお話を紡いで行けたら嬉しく思います。二夜目はまた異割さんの元ですので、こちらが起床したところからが定石かと思いその場面からまた下記に書かせて頂きましたが差し支えなかったでしょうか。そしてお優しい言葉、ありがとうございます。また何か相談や質問があったら都度顔を覗かせようと思いますので、宜しくお願い致します。 )
(晴れぬ視界、ぼやけた風景を見せる水晶体が映し出すのは、自宅の内壁ではなく昨夜通された一室のもの。再び目を醒ませば元の場所に戻っているやもしれぬ、という淡い期待は儚くも散り、とは言え義務も使命も存在しない此の空間に滞在できるという事実に、微かな安堵と一抹の心地好さが知らず知らず顔を覗かせ。何時間意識を手放していたのだろうか、時計は疎か時間の概念すら不慥かな世界では知る術がなく、すずろに思考に耽っているとふと自身の身体の向きが入眠時と変わっていることに気付く。確か彼の方を向いて眠りについた筈だが、寝返りを打ったのか反対側を向いていたらしい。幾ら昨夜頼んだとはいえ起床するまで傍らにいることはないだろうと思いつつ、彼の所在を確認しようと開き掛けた口は直ぐに閉ざされた。そういえば名を聞いていなかったと今更ながらに気付いてしまえば、小さな溜息と共に寝ていた向きのまま上体を起こし。)
47:
一色棗/一夜 [×]
2023-08-05 17:14:34
>>45 / 折化様
欲しいもの。欲しい……えっと、そうだなぁ……。
(インクもないまま文字を綴る筆もさることながら、寸分の乱れもなく刻まれていく『寝台』の線を食い入るように見詰めては、印刷したようだと心の内で。見入る意識を引き戻したのはふわりと鼻腔を擽る檜の香り。先程までは明らかに無かった、あれば気付かないはずがない物体が鎮座する様に、声こそ上げなかったものの衝撃を受けるには十分。本当に一通り揃えられるらしいと理解した頃、実践を促されたとてすぐには思い浮かばず首を傾げて。暫しの思案をした結果、今日は髪を結っていたことを思い出した。心做しか緊張した面持ちで書いた『櫛』は少し丸みを帯びた文字、彼との差に妙な羞恥を覚えては小さく咳払いをして)…た、たとえばこれとか。
48:
異割/折化 [×]
2023-08-06 18:40:23
▼ 一条文子 様(>>46)
起きたの。おはよう、逃げてないみたいだね。
(微睡みもせぬまま文机に凭れるのは数刻前に飽きていた所。彼女の無事を確かめる名目で敷いた布団の傍へと近寄って、呼吸のために上下する掛け布団を見詰めていた。不寝番に託つけたそれは彼女が目覚めるまで動くことはなく、ゆっくりと起こされた上体の反対側、彼女の視線の死角で簡潔な朝の挨拶を。彼女が振り向けば己の髪に鼻先がかかるほど近い隔たりは、意図したものではなく単に対人距離に難のあるこの九十九神の特質のようなもの。まじまじと観察してどうやら異常がないことが確認できたならば、胡座を解き文机に置かれた筆へと手を伸ばして。さらさらと書きつけた『水』はその文字が完成された瞬間に湯呑みに入ったものとして現れる。湯呑みに描かれている文様は八重咲きの赤い花、簡素な部屋の中で唯一の装飾と呼べるだろう。杜撰に湯呑みの腹を掴みずいと突き出すその仕草には風情もあったものではないが、彼女をじっと見つめながら徐ろに口を開き)……水、飲むでしょ。人間は起き抜けの一杯を飲むものだって聞いた。
(/しっかりとしたご構想をありがとうございます!ありがたくご提案に乗らせていただきます。展開にもよりますが今のところは三夜を迎えた辺りで他九十九神との遭遇場面を入れようかと考えておりまして、二夜にて多少の匂わせ→三夜で遭遇といった形で物語を進めていけたらと。七夜を迎えた娘様の選択を楽しみに待っております!
また数々のお気遣い、二夜の初回を綴って頂きありがとうございます。お言葉に甘えてこちらに続けさせていただきます。それでは、特にご質問等なければ此方は蹴っていただいて構いません。今後ともよろしくお願いいたします!)
▼ 一色棗 様(>>47)
……君は随分と、いや何でもない。うん、承ったよ。
(眼前に現れた文字は自身と関わりの深い櫛の一文字、目にした途端に異形の瞳孔を見開いては口の端を引き結び。狩りの獲物を見つけた直後のような煌きを一瞬その瞳に宿したものの、すぐに柔和な笑みを浮かべて覆い隠すこととして。英明な彼女のことであるからそんな小細工も見抜かれているかもしれないけれど、だからと言って牙を剥き出しにするものでもない。失態を隠すべく親切な仮面を被り直して文字の上を人差し指でなぞった瞬間、かちゃりと音を立てて華やかな花櫛が空中へ浮く。添えていた手を放し、ゆるりと落下する柘植櫛を両手で受け止めれば、透かし彫りの青海波がよく見えるよう片手で掲げ直して微かな笑みを。ふと思い立ったように畳の上に正座で座り直してはぽんぽんと膝上を叩き、櫛を持った手で手招きして。『座れ』と言うよう視線で促しては)おいで、梳かしてあげるから。
49:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-06 23:05:56
>48 異割様
……そうね。ありがとう。
(予期せぬ声が鼓膜に触れ勢い良く顔を反対側に向ければ、一寸先には見慣れた美しい顔。驚倒ゆえに挨拶を返すことが叶わず、無遠慮な視線に曝されては居た堪れなさそうに当て所なく目を彷徨わせ。体勢を崩した彼が紙面に手を伸ばしたのを皮切りに、一連の動きを目で追っていると如何やら水を出現させている様子。やがて差し出された細やかな装飾が可愛らしい湯呑みをゆっくりと受け取れば、粗雑な動作ではありながらの甲斐甲斐しい気配りに自然と相好が崩れてしまう。余所行きの笑顔ではない素のそれに自身では気付かぬまま短く礼を告げ、下と側面に手を添えた丁寧な所作で口に含むと半分まで嚥下したところで起床時の疑念が再び脳裏に蘇り。まさかとは思うが、やはり就寝中離れず傍に居てくれたのだろうか。ふと湯呑みを下げ徐ろに彼を見遣り、恐る恐るといった体で問い掛け。)
もしかして…、私が寝ている間ずっと傍にいてくれたのかしら?
( /流れにつきまして了解致しました!此方もどのように進んでいくのか楽しみにしております。返信不要とのことだったのですが、お返ししてしまって申し訳御座いません…!それではこれからも何卒宜しくお願い致します。 )
50:
異割 [×]
2023-08-07 18:45:40
▼ 一条文子 様(>>49)
オレがいないと、誰か入ってくるかもしれないから。別にお前に何かしようとしたわけじゃない。……でも、
(湯呑みが無事に受け取られれば文机に頬杖を付き、ややあって告げられた問にはどこか決まり悪げな返答を。逸らされた瞳は瞼に覆われ、続けざまの言葉は言い訳じみた響きを持って。自身の失態に気づいてか取り繕おうとした言葉はしかし言葉に出すことは叶わなかった。頼りなげな襖の向こうからカタリと板張りの廊下が軋む音、何かが徘徊する音とともに視線はそちらに吸い寄せられて。「……どれが、起きたんだろう。」腰を浮かせて彼女をちらりと見遣り、襖へと足を進める。少しだけ開いた隙間は意識しなければ外側からは見えない筈。そんな憶測を盾に耳をそばだてて、外側を覗き込む形で空隙に目を走らせてはふぅん、とつまらなそうな独り言を。何事か逡巡の後改めて彼女を振り返り、片手を襖に掛けたまま瞳の奥に暗い光を宿らせて。彼女が己の袖を掴まないとすれば、そのまま無機質な廊下へと吸い込まれていくことだろう)ちょっと見てくるから。すぐ戻る。
51:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-08 12:19:50
>50 異割様
──…?
(弁明のような言い草に何もそこまで穿った見方はしていない、と不服を顕に口を開き掛けたその時。微かな足音のようなものが聴こえると彼に倣い襖の向こうを見遣り、次いでぽつりと零された呟きに意識を向け。起きるという行動の動作主に「どれ」という言葉は奇妙で不適切な印象を受け、視線を襖に固定したまま不安気に揺らし。一体誰が、何が起きたのだろうか。薄らと開かれたその間を確認する玻璃が、暫しの間を置いて自身に差し向けられれば、色彩に翳りが落ちていることはすぐに分かった。浮かべた疑問符はついぞ消えないままに、不穏な空気の漂う廊下へと足を踏み入れるその大きな背に向けて「…わかったわ。」と、そう短く了承すれば、その姿が完全に溶けてゆくまで見詰め続け。戻るまでの何分か、湯呑みに残る水をくいと飲み干し手持ち無沙汰になった手元で後頭部に結われたリボンを外すと、やや乱れている髪を均したりと落ち着かない様子で。)
52:
異割 [×]
2023-08-08 17:09:12
▼ 一条文子 様(>>51)
(彼女の返答へ手短に首肯した後、傲慢な九十九神は廊下へと身体を滑り込ませた。彼女が座すその室内は緊張した静寂を保つ筈、廊下の向こう側では何某かの話し声が聞こえるかもしれないが、それも意味を持つものではなく。呼吸を何度か繰り返す程の間、徐々に収束していく話声に反して頭上の天板から不穏な音が覗く。まるで誰かがその上に乗っかっているような不調和の音と共に、『おおっ、人間か!道理で彼奴らが浮かれていたわけよ。』と間延びした声が掛けられた。素っ気ない天板とは裏腹に喜色を持った声音は、その他に面白がるような響きを含ませており、ニンマリとした顔を想起させるかのようで。全く姿を見せないその存在は天板から降りることもせず、ただ呵呵とした笑い声に矢継ぎ早の質問を重ねて)わっはは、なかなかどうして面白いことになっているじゃないか。お前さん、どの捨て子に会ったんだい?
53:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-09 13:15:56
>52 異割様
だ、誰…!?
(何やら障子一枚隔てた向こう側では、内容までは聞き取れないものの会話が為されている様子。早く戻ってきて欲しいという願いも虚しく、代わりに頭上から物音がすると髪を撫で付けていた手を止め直ぐ様天板を見上げ。姿形は見えぬというのに、正体不明の快活な声だけが大きく響く。小さく零した言葉尻は恐怖からか微かに震えているが、見据える双眸は敵対心を抱いていると錯覚するほど鋭いもの。空間に似つかない呑気な声音から危害を加えようとする意思は見受けられず、されど警戒するに越したことはない、そう自身に言い聞かせると逸らすことなく上を睨め続け。そして性急に降ってきた問、正確にはその問の「捨て子」という単語に妙な引っ掛かりを覚える。捨て子とは一体どういう意味か、何を指し示しているのか。彼の言葉の意味するところを上手く掴むことができぬまま率直に事実のみを返し。)
どの捨て子…?……私が此処で出会ったのは、…金色の髪に象牙色の色留袖を着ている、背丈の大きい方よ。
54:
?/異割 [×]
2023-08-09 16:21:52
▼ 一条文子 様(>>53)
ほう、勾玉の!それはまた難儀なことにな。……ふふ、どうれ吾が一肌脱いでやるか。真相を知りたくば赤い小包を、今すぐ帰りたくば青い小包を選ぶと良いぞ。
(睨まれている事実を知ってか知らないでか、鷹揚に紡がれるのは構うこと無く進む選択の余地で。天井裏で何が行われているのか窺い知ることはできないだろうが、言葉終わりの一音と共に、紙製らしい小箱が文机の上へコトリ。片手の上に乗るようなそれは示す通り一方が赤一色、一方が青一色のもの。白く頼りない細紐を解けば前者に現れるのは割れた赤と紫が交互に編まれた組紐の一房、後者に現れるのは立ち昇る白煙。選ばれなかった贈り物は結末を見届けた後、すぐに虚空の彼方に消え溶けるはず。彼女の選択の直ぐ後に乱暴に開かれる襖は、少し眉根に皺の寄った九十九神の手によるもので。緩やかな曲線を描く金髪を煩わしげに払い除けると同時に、彼女の頭上にある存在は鳴りを潜めることとなり)
───はぁ、時間がかかった。ただいま。
55:
草紙 [×]
2023-08-09 16:23:30
『 覚え書き 』
>>1 / はじめに・世界
>>2 / 九十九神一覧
>11 / 追加:九十九神
>>3 / 空間・部屋について
>>4 / 申告書(プロフィール)
>>5 / 注意事項
>16 / 追記
>18 / お試しについて
『 訪問者 』
一、楠木 倫太郎 様(>>9)(>>15)
∟初回:傷乃 黒幕:弟切草
一、一条 文子 様(>>19)(>>54)
∟初回:異割 黒幕:紫陽花
一、一色 棗 様(>>24)(>>48)
∟初回:折化 黒幕:彼岸花
(/一部情報を更新しました。質問等御座いましたら、お気軽にお声掛け頂けると嬉しいです!)
56:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-09 21:46:33
>54 異割様
───勾玉…?
(勾玉、確かに謎の存在はそう口にした。最初に目覚めた部屋には割れた勾玉が散乱していたが、それの事を指しているのだろうか。考える暇も与えず突然迫られた二択は目の前に形となって顕れ、青と赤のそれらを交互に見遣る。数秒にも満たぬ逡巡を経て、するりと青に伸び掛けた指先はしかし触れることなくぴたりと静止し、小さく揺れ動いた後に徐ろに赤へと行先を変え。掌に小箱を乗せてやればもう片方で細い紐をするりと解き、躊躇いなく開けたその先にあったものは精巧な組紐のようなもの。赤と紫が綾なす色彩は綺麗ではあるものの、何を以てこれが「真相」足り得るのか分かる筈もない。首を捻った所で襖が勢いよく開くとびくりと肩を揺らし、手元にある組紐はそのままに顔だけ其方に向け。姿形が見慣れた人物であることが分かれば緊張状態にあった身体は弛緩し、僅かに安堵の色を滲ませつつ小さく言葉を返し。)
──!?…よかった。おかえりなさい。
57:
異割 [×]
2023-08-10 12:04:24
▼ 一条文子 様(>>56)
うん、ただいま。……?
(愁眉を開いた彼女の目線を受け止めるのは存外悪い気分ではなく、まるで長年の掛け合いを模すかのようにもう一度帰宅の言を告げて。訪れた時とは正反対に後ろ手で静かに襖を閉めると、彼女へと向き直りその背を目指して歩を進め。傍らに座り直そうとした最中、ふと目に止まるのは彼女の掌に掛かる見慣れた組紐。鮮やかな色彩に驚いたように目を瞬かせ、中腰でぐいと距離を詰めてはその贈り物を見遣る。己の装飾品ではない組緒は誰かの独占欲を示すもの。理解した途端に眉尻が釣り上がり、明らかな怒気を滲ませて。険しい顔で華奢な双肩に手を掛け、鬼気迫った様子を押し出しながら問いかける。その剣幕にはどこか焦燥が垣間見え、捲し立てる途中ではっと気が付いたように机上の赤箱へ視線を向けて。それを区切りに知らず強めていた力と言葉を窄ませながら)ねえ、それ、どうしたの。まさかオレと会う前に会っ、……いや、そうか。耄碌の仕業か……。
58:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-10 16:26:44
>57 異割様
…あ、これ、さっき──、…?
(穏やかな青い双眸がある一点に釘付けになるのが分かれば、先刻の不思議な出来事を伝えようと口を開き掛けた所で彼の様子の変化に気付き。至近距離で手中の組紐を見据える面差しが、次第に憤怒を顕に柳眉が逆立ってゆく。その様相に戸惑いが生じ、言葉を紡ぐのを躊躇していると途端掴まれる肩と矢継ぎ早の尋問。常に眠たそうで時には不機嫌そうな彼の、初めて見る焦燥に滲む表情。驚愕からぱちぱちと幾度か目を瞬かせつつ、身動ぎ一つせずに彼が全て言い終わるまで遮ることなく耳を傾け。どうやら犯人の見当がついたであろう口振りに、補足は不要かもしれないが言いかけていた説明を再開し。一通り言い終えた後、彼の心情を知ってか知らずか摘んだ組紐をじい、と柔和に見詰め純粋な褒め言葉を付け足し。)
貴方が廊下に出た後、いきなり天上から声が聞こえて…突然これを。赤と青があったのだけれど、どっちかを選ぶよう言われて赤を開けて…姿形が全く見えなくて少し恐かったわ。…でもこれ、凄く綺麗な組紐ね。
59:
異割 [×]
2023-08-11 19:24:02
▼ 一条文子 様(>>58)
……ふぅん、オレはそうは思わないけど。ていうか、怪しいと思わないの、それ。
(純粋な賛美を添えて説明を終えた彼女の顔を面白くなさげに聞き終えると、率直に過ぎて礼を欠いた返答を。どうやら推測は間違っていなかったらしいが、この事態をどう収めるのが正解か怠惰な頭の中は何時になく回転していて。緩めた力とともにぱっと手を放し、考え込むように顎に手を当てる。暫くの沈黙を経た後でも妙案は思い浮かばず、額のシワを深くするだけの結果となり。視界の端に映る鮮やかな紐がちらつく度に鬱陶しい考えがこびりつき、どうにも逃せそうにない。ふたたび覗いた微かな苛立ちに任せるまま彼女の持つそれを目掛けて手を伸ばし、いっそ奪い取ってしまおうと目を細めて。彼女がこの手を避けないならば組紐は奪い取られ、避けるのならばそのまま手元に残ることとなるだろう。どちらにせよ機嫌は治ることもなく、淡々と疑問への答えを付け足して)多分お前が聞いたのは、彩葉の声だろうね。チッ、あの耄碌……。
60:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-12 18:01:23
>59 異割様
怪しい…まあ、そうね。言われてみれば…
(捻くれているのか、本心からそう思っているのか。感想に共感は得られなかったものの、尤もな指摘には多少頷いてみせる。組紐を与えた人物がどういう存在なのか露も存ぜぬ自身にとっては、懊悩に耽る彼の悩みの度合いは測れない。其方を見向きもせず、茶色い眼差しは一向に赤と紫の組紐に注がれ続け。ふと迫り来る指に寸での距離で気付いてしまえば、反射的にするりとそれを躱す。漸く視界に映った彼の機嫌が、一層腹立たしげな雰囲気を纏っていることに気付いたものの時は既に遅く。別に組紐自体に執着心はなく、とは言えそう見える行動を取ってしまった。瞬時に取り繕った不自然な笑顔を口元に貼り付け、どうにかこれ以上機嫌を損ねないようにと画策する脳が捻り出した解決策は、話を拡げて組紐から意識を逸らすこと。)
アヤハ、さん?可愛らしい名前をしているのね。その方は貴方の友人か何か?一体どのような方なのかしら。
61:
異割 [×]
2023-08-13 01:28:47
▼ 一条文子 様(>>60)
アヤハじゃなくて、イロハ。友人でもなんでもない、ただの老人だよ。……余計なことばかりする。
(躱された指先を未練がましく追っては息を吐く。先程は低く睨め付けるあまりに不明瞭となってしまっていた名を正しく言い直すと、どこか仮面じみた笑顔を浮かべる彼女にようやく気がついたらしく、しまったとばかりに顔を歪めて。行き場を失った指先をぎゅっと握り締め、恐る恐るといった調子で畳の上に腰を下ろす。どこか顔色を伺う調子を滲ませては何事かを尋ねるように唇を開けるも、その先の言葉はなかなか出てきてはくれず。代わりに彼女との距離を詰め、片手で空を掴む仕草。再び指を開いた後は、握り込んでいたはずの掌に筆を現していて。ぱさりと風に靡く巻物は、いつの間にやらもう片手に。それらをぐいと彼女に押し付けたなら、やっと意味のある言葉を発して)……ねえ、書いて。『異なる、割れる』。それでイサキ。
62:
草紙 [×]
2023-08-13 01:29:25
(/所用により暫くの間更新が停止します、ご了承ください!)
63:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-14 22:06:27
>61 異割様
(行き場を失くしたのは己の手も同様で、躱した体勢のまま留まっていた組紐を持った隻手は迷いの末にすとんと降ろされ。改めて告げられる名は如何にも先刻遭遇した人物像と合致せず、老人と呼ぶには声が余りに若々しいものだった。些細な疑問は塵の如く積もるものの、傲岸不遜がひっそりと息を潜めた様な彼の煮え切らない挙動にはより意識が行くというもの。傍らに座した彼が筆と巻物を出現させると、昨晩体験したとは言え現実的には見慣れない光景に双眸を瞬かせる。半ば強引に筆と巻物を受け取れば立て続けに意図の掴めぬ頼み。恐らく自身の頭上には数多の疑問符が可視化できるだろう、それ程までに理解が及ばず、怪訝な視線を一度寄越しながらも巻物を僅かに広げ反芻しながら筆を滑らせる。流麗な手付きで書かれる文字は手本の様な楷書であり、最後の跳ねを終えた所でふと一つの仮定が浮かび。この勘が当たっているのならば、この二文字が意味するものは。)
異なる、割れる…。──…イサキ、…もしかして、貴方の名?
( /本編の方も下げていらっしゃったので、此方もそうした方が良いかと迷い下げにてお返しさせて頂きました…!更新停止の旨、畏まりました。また彩葉様のお名前をイロハと認識していた筈なのですが、何故か読み方を間違えてしまいまして、お詫び申し上げます。大変申し訳御座いませんでした…! )
64:
異割 [×]
2023-08-20 14:35:00
▼ 一条文子 様(>>63)
……ん。これでオレはお前の物。
(何の欠点も見当たらない綺麗な字を目に止めては墨の上に指先を重ね。分かりにくい肯定と共に零されたのは自身らしからぬ淡い笑み。ぱっと巻物を掠め取り、まるで大切な宝物を眺めるような色をその瞳に滲ませて。何刻が過ぎただろうか、満足気な頷きを最後にようやく気が済んだと見えて、ふっと指先を向ける。向けられた途端に空気に溶ける巻物にその瞬間まで愛しげな眼差しを注ぎながら、表情は幾分か柔らかいままで。「……うん、オレの名前、異割。お前の名前は?」心做しか語調にも柔和な響きが混じり、どこか浮き立つ心を抑えたまま彼女への問を。もしもその答えが聞けたのならば、今度ははっきりとした笑顔を浮かべよう。答えが無いのならば淡い笑みはそのままに、どちらにせよ明確に雰囲気が和らぐのは確かで。口元に微笑を湛えたまま、彼女が座す傍ら頭を傾け、腕を組んでは華奢な肩に僅かに体重を掛けて。静かに目を閉じ身を寄せながら)──少し眠る。お前も、寝ていいよ。
(/大変お待たせいたしました!また下げでのご配慮ありがとうございます。名前変換についてはお気になさらず。むしろ展開の中に組み込むことが出来て面白いと思いますので、憂慮せずとも大丈夫です!同時にこちら区切りが良いかと思いましたので、二夜の〆を回させていただきました。三夜について廊下での【遭遇】の場面を考えておりますが、現時点で【遭遇】をご希望の九十九神はいらっしゃいますでしょうか?ご見解をお聞かせ願えれば幸いです!)
65:
草紙 [×]
2023-08-20 14:39:15
『 覚え書き 』
>>1 / はじめに・世界
>>2 / 九十九神一覧
>11 / 追加:九十九神
>>3 / 空間・部屋について
>>4 / 人間申告(プロフィール)
>>5 / 注意事項
>16 / 追記
>18 / お試しについて
『 訪問者 』
一、楠木 倫太郎 様(>>9)(>>15)
∟初回:傷乃 黒幕:弟切草
一、一条 文子 様(>>19)(>>48)
∟初回:異割 黒幕:紫陽花
一、一色 棗 様(>>24)(>>64)
∟初回:折化 黒幕:彼岸花
(/覚え書き情報を変更しました。ご不明点などあればお気軽にお申し付けください!)
66:
一条文子/二夜 [×]
2023-08-22 15:44:19
>64 異割様
……一条、文子よ。
(巻物、否そこに書かれた自身の筆跡をなぞる指先はまるで割れ物を扱っている様に繊細で、垣間見える温かさが如何にも面映ゆい。見慣れぬ相貌に動揺して脈打つ心臓に手を当てたのと、名を聞かれたのは同時だった。目線こそ直ぐに交わったものの、口元は開かれない。明らかな逡巡の裏では、名を開示することへの漠然とした不安が燻り。然し徐ろに発したそれは己の名前そのもので、恐る恐るといった色が見て取れる。その瞬間彼の表情が更に華やぐものだから、何故か堪え切れず目線をまた逸らし。やがて肩に負荷する確かな重みにぴくりと肩が動くものの、跳ね除ける事などせずにその行為を黙認する。昨晩と今の彼に対する印象が明確に変化し、その差異に戸惑いと一抹の淡い感情を抱きながら蓋をするように目を閉じる。「そうするわ。」短く肯定の意を示せば、彼の言う通り、少しばかり意識を手放し。)
( /お心遣いありがとうございます…!そして二夜の〆も同様にありがとうございました。二夜も素敵な夜を過ごさせて頂きました。三夜における遭遇につきましては、今回少しだけ登場した彩葉さんでも流れに沿って面白いと思いますし、別の九十九神の方でも良いなと思っております。別の九十九神様でしたら、錆波さんや暗間さんが気になっております。委ねてしまって申し訳ないのですが、主様に三人の内から選択して頂ければと…! )
67:
異割 [×]
2023-08-22 22:13:32
▼ 一条文子 様(>>65)
……、ねえ、そろそろ起きて、文子。
(物である身に就寝は不要とはいえ、人の真似事は随分と満たされるものであった。どこか懐かしい夢さえ見た気がする──とゆっくりと瞼を開けば傍らの温もりに委ねるように一度身を寄せ、それがバレないのであれば細腕を揺さぶって彼女の寝覚めを促そうか。無事にその双眸が現れたのを見届けた後一度頷き、頬に手を伸ばしペタペタと健康を確かめて。避けられないのならば柔い肌に触れる手は異常がないことを確信したが最後、それ以上の接触はないままに腕を下ろす。昨夜以降明確に態度が和らいだ自身の変化にも気が付くことはなく、先に呼んだ名が零れ出たことにも頓着することはなく。少し乱れた着物の帯をきちんと直しながら、廊下の方へと目を向ける。独り言のように呟かれるのは決まり悪げな言い訳の台詞。目線を合わせないのは自分でも悪かったと思っているからなのか、小声で落とされる説明は早口で要領を得ず)……今更だけど、色々説明を飛ばしたと思うんだよね。だからとりあえずここを案内しようと思って。
(/承知致しました!それでは三者の内の誰かを廊下に向かわせます。またご質問、ご相談などあればお申し付けください!)
68:
一条文子/三夜 [×]
2023-08-24 19:40:15
>67 異割様
───!?
(反響する声と微かな揺さぶりは浅い眠りを覚ますのに十分だったようで、緩慢な瞬きをぱちりと繰り返しやがて完全に双眸が開く。不意に頬を包む温もりに今度は意識も覚醒したのか、未だぼんやりとした色の残る茶色が驚きで鮮明さを取り戻し。とは言えその無遠慮な接触に嫌悪を示すことなく、されるがままに彼の挙動を受け入れ。次第に降ろされた腕、そして矢継ぎ早に真意の掴めない説明を受けるとどういう事だと言いたげに小首を傾げる。この異空間に来て決して少ないとは言えない時間は既に経過しているだろう。特に命を脅かされるような出来事や不便な面はなく、彼の言葉通りそれは今更なことである。それとも何か周知させておきたい理由でもあるのか、と帰結しない思考をそのまま素直に尋ね。)
説明?何か言っておかなければならないことでもあるの?
( /楽しみにしております…!畏まりました、宜しくお願い致します。 )
69:
異割 [×]
2023-08-24 22:11:50
▼ 一条文子 様(>>68)
……ほら、居る、から。お前も彩葉に会ったでしょ。あいつ以外にもオレを含めて六つ、ここには人外が居る。どこに誰がいるか、知っておいたほうが良い。
(彼女からの問に重ねた説明はますます子どもじみた響きを持ち、明後日の方向に逸らされた視線はそのままで。心做しかぎこちない喋り口調は言い切ってしまえばそれで肩の荷が降りたのか、伝える情報を終えた途端に影を潜めて。兎も角有言実行をしないことには始まらない──と寝起きの彼女に手を差し伸べ、無言のままじっと見つめて。この手の意図は先の説明で十分だろうと唇を開くことはせず、ただ彼女の行動を見守って。彼女が自身の腕に任されてくれるのならば、掌をやわらかく握り返して部屋の外へ。静まりかえった廊下は以前と同じく何の代わり映えもない殺風景、違うのは先導する九十九神の心持ちのみ。名前一つで態度に余裕が付け加えられたのは物としての性質であるのだろうか。音を立てず静かに足袋で床を擦りながら、襖のひとつで足を止め)とりあえずここがオレの部屋、お前が目覚めた場所。……一見他と同じに見えるけど、襖の右下が少し捲れてる。覚えといて。
70:
一条文子/三夜 [×]
2023-08-25 20:36:50
>69 異割様
(人外の二文字に改めてその存在が人間とは異なるものだと再認識させられ表情に怯えが滲む。比較的悠々自適に過ごしてきたとは言え、警戒心は未だ持っていた方が良いらしい。未だ見ぬ六つの存在に懸念を抱きながら、差し出された掌を少しばかり見詰め続け。意を決して重ねた己のそれは、一回りは大きい彼のものに優しく握られる。末端から伝わる温もりは強張った身体を幾分か弛緩させたものの、彼に倣い廊下に一歩足を踏み入れてしまえば再び自ずと全身に力が入る。部屋の中より随分と冷え冷えとしていると感じるのは、気の所為だろうか。不自然な蛍光灯のような色に照らされる道は、明るいというのに却って恐怖を煽る。眼前の相手の部屋であると示す小さな目印の説明に頻りに頷いては、穴が空くほど襖を目に焼き付け。同時に口元はその特徴を忘れまいと自然と同じ言の葉を紡ぎ、しかしそれきりでめっきり口数が減ったのは恐らく緊張か不安ゆえ。)
異割の部屋は、襖の右下が捲れている……。
71:
異割/??? [×]
2023-08-26 14:16:47
▼ 一条文子 様(>>70)
……怯えてるの?文子。
(現在まで気丈に振る舞っていた彼女の口数が少なくなっていることに気がつけば、繋いだ手にきゅっと力を込めて。慰める言葉を持たない己は不器用な行動で示すしかなく、彼女の反応を横目で伺い。少しでも彼女の強張りが解けたとするならば説明を続けようと、一つ一つ指さしながら「それで、オレのすぐ右がセツカ。そこからツキト、クラマ、サビナミ、ショウノ、って感じでぐるっと回って、部屋は六つ。部屋は二人までしか入れなくて……」説明の最中ぴたりと止められた人差し指は、ある物音を耳に入れたことが理由。起点とした己の部屋から三番目の襖が微かに動き、暗がりからとある彼が姿を表して。のそのそと足を運ぶ彼の真っ黒な目はやがて二人の方を向き、「えっ。あんた、異割と一緒なのか」?穏やかに波打つ瞳が大きく揺れ、彼にしては珍しい驚きを顕にする。歩み寄ってきた彼は心配げに片眉を下げると、彼女の手を両手で掬い上げ自身の胸の前で纏めようとして。それが成功に終わるとするならば、強引に解かれた指先にはお構いなしに、瞳を閉じて気配を探り)……でも、彩葉の気配も、突止の気配もする。あんた、どうしてそんなに目を付けられているんだ。
72:
一条文子/三夜 [×]
2023-08-28 19:57:54
>71 異割様
(弱々しい掌を再び握り返される感触は、それだけで鼓舞となり得たのか小さく深呼吸を一つ。「大丈夫。」そう端的に返し、弱々しく垂れる双眸に力を入れ、続く説明を真剣な眼差しで聞き入れる。しかしそれが不意に途切れると彼の顔を、次いで耳朶に触れた襖の開く音の発信源であろう方向を見遣り。今し方受けた説明通りに行けば、と心の中で順々に数え恐らくサビナミという名のものが部屋の主だろうと微かに身構える。暗がりから徐々に姿が輪郭を帯びると、余り恐ろしいとは思えない雰囲気の人物には見えるものの僅かに後退り。初めて出会った異割以外の存在のその風体に視線を奪われていると、するりと腕を絡め取られる。再び警戒を顕著にさせたものの、気丈な振る舞いを心掛けようと取り乱すことはせず。初対面の彼から紡がれる名前たちはいずれも姿の知らぬものたち、何故と疑問をぶつけられても理由を知る由もない。如何答えるべきか逡巡した様に目を彷徨せ、じきに彼へと焦点を合わせると要領を得ない曖昧な言葉を送り。)
えっと…、私はずっと異割の元にいたから、他の方達に目を付けられていると言われてもいまいち良く分からなくて…どうしてと言われても、それも私には分からないです。
73:
異割/暗間 [×]
2023-08-31 07:20:18
▼ 一条文子 様(>>72)
……!暗間、あまり文子に近付くな。というか、近い。
(解かれた掌に呆気に取られている内に、何やら勝手なことをつらつらと並べる彼の姿にむっと顔を顰める。嫉妬にも近しい感情から対面する彼の腕をパシ、と叩いて彼女の手を離すことを促し、困惑の様子を横目で見守りながら改めて「クラマ」と呼ばれた彼に見せ付けるよう、指先を絡め直そうとして。対面の黒は頬に微かな苦笑の色を浮かべてはいるものの、気にした風は無い様子。それよりも先に彼女にぶつけた疑問が未だに気に掛かっているのか、首は傾げたままで。「……居るのは分かってたけど、異割の元に居るのは意外だった。しかも今は三夜目だし、その中で一番気配の濃いのが異割……?」ぶつぶつと零しながら、目線は何処を向いているのか分からないまま瞳を揺らす。やがて結論が出ない、という結論に達したか短く首肯すると、彼女の耳に唇を寄せて)……まあ、異割なら安全圏かな。あんた、突止には気を付けろよ。
74:
終わりを告げる草紙 [×]
2023-08-31 20:10:48
※ お知らせ ※
大変勝手なお知らせではあるため本当の本当に申し訳ないのですが、このトピックについて閉幕、という措置を取らせていただこうかと思っております。理由として、自身が今現在提供キャラを扱い切れていないのではないかという不安が生まれたこと、それに伴い今後の展開に自信が無くなってしまったこと、という二点が挙がります。このような心境でお相手していただいても失礼である、ということは重々承知であり、また不毛であるとも判断しました為、こちらの下げ投稿にてお知らせいたしました。お相手していただいた皆様、ありがとうございました。こちらでご活躍されていた皆様には大変お世話になりました、お一人お一人とお話させていただく時間はとても楽しかったです!
尚、こちらにご参加頂いていた皆様は、提出していただいたプロフィールは回収していただいて構いません。また当トピック内での設定・提供九十九神も、参加者様に限り持ち出し可能と致します。(参加者様以外の持ち出しはおやめ下さい。)
最後になりますが、楽しい時間をありがとうございました。また何処かでお会いしましたら、その時はよろしくお願いします。
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