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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/799


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自分のトピックを作る
746: ニンファ [×]
2021-08-29 12:54:16





>テオ (>739)


だっ――――…大丈夫?それ、痛くないの?(ばくばくと忙しなく脈を打つ心臓が白い頬を薄っすらと上気させ、今ひとつ噛み合わない会話に違和感を覚える事も忘れるほどに動揺と心細さでいっぱいになった心は、大きくそして頼もしく見えた父親の体躯をも凌駕するその姿にはっきりとした恐怖を抱き始めて。一方で、こめかみを貫通する大きな螺子や継ぎ接ぎの痕が残る顔、怯えながらもどこか心配そうにちらちらと相手へ視線を向けてそれらを確認しようとするのは、"彼は怪我をしているのだ"と言う受け取り方をしたからだろう。気にはなるが恐ろしくて迂闊に声を掛けられない、そんな逡巡を確と木枠に額をぶつけるその鈍い音が吹き飛ばし、思わずはっとして一歩相手の方へ近付きながら、自身の額や顔、こめかみ、痛いのではないだろうかと想像の及ぶ箇所へ自らぺたぺたと触れて具合を尋ねて。とは言え、姿を見れば見るほど、声を聴けば聴くほど、目の前の相手が自分と同じ"人間"と言う種族からはどこかかけ離れた存在である事を悟り始めており、この空間が密室と化した事を報せる音を引き鉄として急速に舞い戻ってきた不安と、関節の滑らかさに欠ける不気味に軋むようなその動きも相俟って、ひとつひとつ取りこぼしなく丁寧に応えてくれた筈の声には露骨な動揺を見せ。「つかいま…?……テオ、ニンファおうちに帰りたい。パパの所に帰りたいの。」と、混乱のあまり涙も出ない円い瞳を真っ直ぐに相手へ向けながら訴え、今自分が居る場所も分からなければ時間も帰り方も分からないと言う途方も無い状況に揺れ動く心を必死に支えて。しかし、徐に螺子を掴んだ大きな手がこれまでに人の体から発せられるのを聞いた事の無い音を伴ってそれを回す様を目の当たりにした瞬間、ひっ、とか細い声が漏れ、まさか突き付けられるとは思いもしなかった、幼い心にはあまりに衝撃的で残酷な事実を告げられる頃にはふるふると首を力無く左右に振り、「じゃあ、ニンファはテオに食べられるの?何で?ニンファは牛さんや豚さんとは違うよ、嫌だ、食べないで。食べちゃだめ、食べられたくないもん!」と強く両手の拳を握り締めながら懸命に抗議し)





747: レオ [×]
2021-08-29 17:58:09



>ラザロ(>729

…ああ!君の炎も素晴らしかったとも!
(己の驚嘆に笑う彼の指先が額に当たって、それから目の前で噴き出す火に対抗するような言葉に一度ぱちりと瞬く。だが、いつかの泉で見た彼の炎をその目の奥に浮かべた次には、また大輪の笑みを満面に咲かせて、あの日の感動を言葉として告げる。「……ふむ、この中に、生き物が…」次いで出鱈目な受けた説明を、常識知らず故の正直さで受け入れては、それを噛み砕いて飲み込まんと自身の口で繰り返す。しかし──「な、はっ!?」不稽な知識を完全に腹に落とす前に放たれ、足元を駆けずるものが発する音に意識は逸れ、思わずそれを避けんと彼の周りを慌てる足でぐるりと一周する。次いでその火の、意思を持ったように動き回る様子や、鳴き声にも思える激しい音は、彼の言葉を確かなものと信じさせるだけの要因と変わり、「…なるほど。生きているな、これは…」火花の鼠が大人しくなる頃には、そんな納得の声さえ零れる。その後、思わぬ驚きに些か逸った心臓を、一度の深呼吸で落ち着かせつつ、彼の手に掴まれているそれらにまた目を向け、ふと視界に付いた物を指差す。「…こんなに細い物にも、その……サラマンダー?、は詰められているのか?」差した先にあるのは、糸にも似た細さで縒られた手持ちの線香花火。不思議がった細い視線でそれを見詰めると同時、言い慣れない名称に少々ばかり辿々しくなりながら、彼にまた己の疑問を渡した。)




748: リーパー [×]
2021-08-31 20:50:53





>レナード( >745

( 唇を離した先、常は飄々とした様子の彼が狼藉している様に、してやったりとばかりに弱々しさは残るだろうが片側の口端を持ち上げてみせるのは彼の記憶に弱った姿を少しでも残したくは無いという精一杯の強がり。しかし、普段であれば珍しく僅かだが赤みの差したように見える頬を指摘して笑い声を漏らしていただろうが、勿論のことながらそんな余裕など持ち合わせているはずもなく。終焉を迎えた後の約束事など無意味だと一笑に付しただろうが、それも悪くは無いと思えるのは彼に絆されてしまったからか、はたまた今日この日に至るまでに自分の考えが変わったからか。どちらにせよ深く考えた所で答えに辿り着ける訳も無く、早々に思考を放棄してしまえば薄く、本当に薄く表情を和らげる事で名前を呼ばれる嬉しさを表したつもりで。首筋の皮膚を突き破る牙に痛みを感じる事も無く、きっと自分が迎えるはずだったどんな最期よりも穏かな表情を浮かべたまま、力の抜けた身体を彼へと預けたまま人生の幕を降ろすまでの時間は然程かから無いはず。意識がふつりと途切れる間際「 ……すき、 」最後の吐息に乗って出た言葉は殆ど声帯を震わせる事の無い音とすら判別出来るか分からないもの。それが彼の耳に届くか届かないか、その未来を知ること無く終焉を迎え二度と目覚めぬ眠りへとついて )

****

夢の幕引きはこの辺りだろッて踏んで失礼すんな。
いつかあるかも知れねぇ夢、俺としてはすげぇいい夢見れたッて満足してるし、アンタにとっても同じだったら嬉しい。
んで、次の話だけどそろそろ俳優野郎を屋敷に引き込みたいし、アイツの方の物語を紡げたらって思ってる。一応、アイツの詳細を置いてるのは>644初回指名はハイネって話でまとまってた気がする、とだけ。

久々にレナードと話せてすげぇ楽しかったし、初対面の時のツンツンした感じ懐かしくなったから、また近々会いに行くッてアイツに伝えといて。





749: テオ [×]
2021-09-11 20:18:00



>ニンファ(>746


痛くナイ。……触って、ミル?
(痛いか、苦しいか、美味いか――YESかNOで容易に回答できる問はおつむの足りない怪物でも得意とするところ。ゆる、ゆると緩慢な仕草でかぶりを振ってから、怪物である己の身を心配してもらったのだという幸運には気付かず、反対にただの好奇心ゆえの質問だと独断し縦に長い巨躯を膝を曲げることで縮めてみせて。宝石商が見つければ喉から手が出るほど欲しがるだろう透き通った珠のような2つの青をじぃっと見つめながら「 …………ゴメン 」無力な怪物にはどうにもしてやれない。可愛らしい獲物の願いは叶えてあげられないのだと決まり悪そうに目を伏せ、家畜とは違うという言葉に視線だけを再度貴女へ向け「 ニンファ、牛と豚でお腹イッパイにナル。オレ達、ならナイ。ニンファじゃないとダメ 」生き方も食事も根源たる種族もアイデンティティも、何もかも異なる少女からの言葉には首肯を贈ることは出来ない。人の食事では満たされないことを伝えながら「 ニンファ、牛さんと豚さんにアリガトって言う。そして食べル。オレもニンファにアリガトって言う。そして食べル。何が違うノ? 」恐らくIQは若年たる貴女と同等なのだろうか、流暢とは言い難いながらもこの屋敷での摂理をゆっくりと静かに伝え、そうこうしている内にエネルギーに飢え始めた怪物は屈めていた膝のうち片方が不意に脱力し、図らずも可憐な少女の前に跪き祈るような体勢になりながら「 大事に、食べるカラ 」ひとかけらも無駄にしたりしないと、凶暴さの中にアンビバレントな穏やかさとある種の誠実さを讃えながら、貴女への冀求のままに武骨な片手を伸ばして)




750: ラザロ [×]
2021-09-11 20:57:42



>レオ(>747


ッたりめえだろ。
(炎において右に出る者なし、自分ではそう不遜に信じていてもなお相手の心はそうは感じないかもしれない。いくら獲物の身体を力で捻じ伏せ貪れても心までは掌握出来ないことを理解していたがゆえに、およそ毒気や計算とは程遠い純粋な笑みを目にすれば、内心の安堵を悟られないようにケッとそっぽを向いて。横目でちろりと鼠が最初に爆ぜる瞬間を見遣れば、見たことのない玩具に驚く猫のような挙動を見せた彼に「 ――ック、ハハハハ!テメェはマジで可愛い奴だよなァ、レオ 」碧い鱗にびっちりと彩られた野太い尻尾をビタンビタンと地に打ち付けながら吹き出すように大笑いし、その素直なリアクションの数々を堪能すれば次に指差された線香花火を手に取って「 そりゃそうだろ?火着けて燃えるモンにゃあ大体宿ってンだよ 」一度披露した似非の知識に引っ込みがつかなくなりまたしても出鱈目を重ねて。花火のために出しっぱなしにしていた小さな火の玉の前にヤンキー座りの要領で身を屈めながら「 これァ今までみてえな派手さは無ぇがよ、ひとつ面白ぇ勝負が出来るんだ。パチパチ燃えるコイツを長く維持出来た方が勝ち、逆に先に燃え尽きた方が負け。分かり易いだろ?俺ァ今んトコ2勝0敗だぜ 」祭が始まる前に、花火の屋台を任された怪物3体で総当たり戦でもしたのだろう。イカれたゾンビと吸血鬼もどきには勝利したとしたり顔で告げながら、2本の線香花火を下から手を伸ばすことで差し出して好きな方を選ぶように示唆して)




751: ハイネ [×]
2021-09-11 22:05:48



>リーパー(>748


リーパー、素晴らしい幕引きを感謝申し上げます。黒薔薇達の拍手喝采がここまで聴こえてきそうですね。
あの気難しいヴァンパイアが可愛らしく頬を染める姿など、俺ですら見たことがありません。後で少し揶揄ってやりましょうかね、――無論あれは胡蝶の夢と一蹴されかねませんが。
ああ、首を長くして待っていましたよ。ようやくあのお顔の綺麗な俳優さんと相見える事が出来るのですね。
彼のプロフィールや事前の相談内容については、再度熟読させて頂きました。巧妙な仮面と弱々しい本体の狭間で揺れ動く彼の姿には実に唆られます。願わくば彼を俺だけの獲物として永劫に閉じ込めたいものですね。……無論、抵抗はご自由にどうぞ。フフ。

さあ、彼への期待を綴ればキリがありませんから、早速もうひとつの初夜を始めましょうか。
俺は一度下がりますが、何か追加のご相談があれば遠慮なくどうぞ。


***


>グレン(>644


――――ああ、壊れてしまった。
(心から惜しむような表情とは裏腹に、仄暗い部屋へぽつんと落とされた声はひどく淡々としているようにも思えて。ベッドに横たわるのは弱冠二十歳前後の美しい青年で、眠っているような横顔は透き通るほど白く生気はまるで感じられない。羽毛の下に隠された裸体を"可愛がって"いた張本人は、ギシ、とスプリングを軋ませてベッドを降り、直ぐ側に控えていた蝶の姿をした使い魔へ「 また新しいお気に入りを探さなければなりませんね 」と声をかけ。主の要求に応えるようにリン、と澄んだ鈴の音を響かせながら翅を羽ばたかせた使い魔に、ダークエルフは僅かに瞠目した後 薄い笑みを口許へ流し「 ……流石、お前は有能ですね 」美しい男性の新入りがいるとの報告に賛辞を言い終えるや否や、燕尾服の裾を整えて砂のように姿を消し、再度顕現したのは貴方の部屋の前。統計的に多くの獲物は怪物からのノックに対して警戒心を以って応えなかなか扉を開けないものだが、拍子抜けなほどあっさりと開かれた扉の奥に認めた美丈夫の佇まいには一瞬呼吸を止め「 さて、今宵の俺には些か幸運が過ぎますね。まさか貴方のような綺麗なヒトに出会えるとは 」大袈裟な台詞は狂言ではなく、心から涌き溢れたもの。この新入りは他のどの怪物の目にも触れさせてはならないと即座に決断し、紳士然とした微笑みを絶やさぬまま「 どうやら人違いをなさっているご様子。俺はハイネ、誇り高きダークエルフの一族です。以後お見知り置きを 」拉致されてきたばかりの貴方に種族を述べても荒唐無稽だと切り捨てられるのが関の山だが、それでも素性を宣言しておくのは種族に対する誇り故か。胸に手を当て恭しく一礼した後、手のひらで貴方の部屋の中を指し示し「 今、お茶の用意をさせますよ 」"貴方が礼節を弁えているなら席につきなさい。"そんな有無を言わさぬ圧力をお茶のお誘いへ言外に醸し出しながら、貴方が踵を返したならば自分もそれに付き従う形で部屋へお邪魔しよう。もちろん、後ろ手に静かに鍵をかけるのも忘れずに)




752: 執事長 [×]
2021-09-12 14:59:57



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753: グレン [×]
2021-09-12 16:27:52





>ハイネ( >751


やあ、ハイネ。随分と待たせてしまったみたいで悪かったね。何か追加での相談、という訳ではなくて簡単にでも挨拶をさせて貰えたら、と思って出てきただけなんだ。
ハハ、暫くはフラフラとするだろうけれど、首輪を付けられて囲われるのも悪くは無いかもね。唯その時は俺も君のこと離してあげられそうに無いかも知れないけれど。

なんて冗談はこの位にして、物語の方に集中しようか。嗚呼、これには返信不要だけれど、何かあった時には何時でも呼び出してくれて構わないからね。

****


( 扉を開けた先にあったのは見慣れたマネージャーでは無く、凡そ人だとは言い難い外見をした人物。起き抜けの頭の霞がいきなり晴れる訳も無く数回瞬きを繰り返し、僅かに眉根を顰めたまま耳に届いた名に聞き覚えがあるかと巡らせたところで思い当たらず。ならば勝手知ったる人物と同じように、では無く普段通り人前に出る仮面を被り求められる限り完璧な何処に出しても恥ずかしくない" グレン "を演じる方が早く、自分を護るにも確実だ。そんな風に思い至ってしまう程に演じる事が日常へと溶け込んでしまっている。浮かべ慣れた人当たりの良い笑みに表情を和らげ「 嗚呼、僕の所を訪ねて来るなんてエドくらいのものだと思っていてね。早とちりしてしまったみたいだ 」告げられた日常生活では耳馴染みのない言葉は悪い夢か聞き間違いのどちらかだろうか。室内を指す掌と言外の様相に、はっと気が付けば促されるように踵を返し。振り返り今一度内装を見たところで気が付いたのは、今いるこの場所が自室以外の何処かだという事。否、扉を開け見知った人物以外がそこにいた時点で、若くは目が覚め見慣れぬ天井を目にしていた時点で理解したく無いと頭が否定していただけで気が付いていたのやも知れない。ガチャリ、鍵を閉める音が実際に聞こえているはずの音よりもやけに大きく鼓膜を揺さぶる。表面上では何でもないような表情を浮かべ平常を取り繕っているが、心臓が早鐘を打ち頭の奥底では警鐘が鳴り響く。ごく自然な流れで扉に近い下手側の席へと浅く腰を掛けたのは警戒心ゆえのものと、出自故の日常で染み付いたものとが半々といったところか。一頻り視線を動かすだけで見渡せる範囲をじっくりと観察した後、彼へと視線を戻して「 ……えぇと、先ずは僕も名乗るべきだね。自己紹介が遅くなって済まない、僕はグレン、しがない新人俳優だよ 」精一杯の虚勢で何時も通りを演じてはみるものの、目が覚めたら知らない場所でした、なんて現実離れした現状に焦りと緊張で喉の奥の方が張り付いている感覚が離れない。乾く唇を舌先で軽く舐め濡らし、テーブルの上へと組んだ手を置いて「 ねえ、ハイネ。此処が何処で、僕が置かれているのがどんな状況なのか聞いてもいいかい?実はさっき目が覚めたばかりで何も分からないんだ 」最低限声の震えは無いはずだが、心の内を上手く隠し通すのは難しい。彼が目前へと座り真正面から自身を捉えているのであれば、上辺だけを取り繕い瞳の奥が不安に揺れているのが目視出来るはずで )





754: ハイネ [×]
2021-09-13 11:32:55



>グレン(>753


(ダークエルフが稀有なほど美しい種族という自負はあれど、人間の価値観から見れば禍々しい異形であると理解していた故に、畏怖でも狼狽でもない飾り気なしの微笑を貴方が浮かべた事に違和感にも似た感心を抱き。無闇に泣き喚かれたりヒステリーを起こされないのならばそれに越したことはなく、その微笑が純粋なものかそれとも虚勢であるかは一旦度外視して「 エド、とやらは貴方のご友人ですか?何にせよ親しい間柄なのだとすれば、さぞ貴方の事を心配しているでしょうね 」世間話のような調子でマネージャーの彼について慮る口調はやけに他人事じみており、背後で貴方がお行儀よく下座へ着いたのを知覚しながら巨大な月を映す窓を優雅に開け放ち。すると蝶の使い魔が数匹ひらひらと飛来して、同時に魔法の力で浮かせたティーセットとお茶菓子の類をテーブルに並べてゆく。人間界の上質なホテルでお目にかかれるアフタヌーンティーと遜色のない飾り付けを手早く終えた使い魔たちに「 ご苦労 」と労いの言葉をかけ、窓は開けたまま貴方の向かいに腰掛けて。向かい合っていない時間でもしっかりと貴方の声に耳を傾けていた事を示すべく「 成程、合点がいきました。そのマスクならスポットライトに照らされても何も恥ずかしくない――むしろ輝きを増すでしょうね 」職業について言及した後、カチャリとティーカップを手に取って。ここが貴方の部屋といえど今宵のお茶会のホストは自身、ゆえに先に手を付けねば可愛らしい新入りが恐縮してしまうだろうと思っての事で、怪物にとっては特に味も感じられない人間のための紅茶を一口嚥下して。核心に迫る問には真っ直ぐな視線で貴方の瞳を捉えたまま数秒沈黙し、再度ささやかな音と共にソーサーへカップを戻し「 ……心中お察しします。さぞ不安でしょうね 」相手が何も分からない無垢な雛鳥ならば、例え屋敷の真実と相違があろうとも自身が教えた事が彼にとっての真実であり常識となるのではないか。折角巡り会えた新しい有望株に対する支配欲を卑劣な手段で満たすことも出来た筈だが、高潔さがそれを思い留まらせ「 ここは黒薔薇の屋敷、貴方の元いた世界とはまた別の場所。今は信じられずとも、永遠に沈まない月が時間と共にそれを証明してくれるでしょう 」背後の窓から後光に月を背負う形で、静かに事実を語り始め「 貴方の次の役柄はこの屋敷の住人となる事。もちろん俺は貴方を歓迎します。……俺以外の住人も恐らくそうでしょうね 」語尾にわずかに忌々しさを含ませたのは、美しい獲物を嗜食する怪物は自身以外にも多く存在するから。ゆっくりとソファから立ち上がりながら言葉の調子を流れるようなそれに戻し「 俺のように言葉の通ずる隣人ばかりとは限りません。だから一人で出歩いてはいけませんし、俺以外の訪問者も拒むのが吉でしょう。それが出来ないのなら、俺とグレンだけの特別な部屋を用意して差し上げますが、いかがです? 」獣が牙を隠して歩み寄るように、人面獣心のシリアルキラーが刃物を背にして忍び寄るように。自分以外の怪物と接触しないことを約束させるか、拒むのならば閉じ込めてしまおうと遠回しに欲望を滲ませて)




755: 執事長 [×]
2021-09-13 21:48:13



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756: 執事長 [×]
2021-09-16 11:39:34




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2021-09-18 15:34:18




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759: グレン [×]
2021-09-19 23:01:02





>ハイネ( >754 )


エドは、…そうだね、友人みたいなものだよ。心配しているかは分からないけど。
( 頭に過ぎるのは飽くまで仕事の内なのだろうが、自身の損得勘定を抜きにして自分を見てくれていたマネージャーの事。慣れた顔を思い浮かべた事でふ、と肩の力が抜けたのは彼が此方へと背を向けているのも一端を担っているだろう。彼が窓を開けたと思えば室内へと舞い込んでくる蝶に宙へと浮かぶティーセット。今までの生活では見た事のない光景に数回目を瞬かせているうちに、目前へと用意されたのは写真でしか見た事が無いようなアフタヌーンティーの一式。言われ慣れた事もあり、最早感じるものがなくなってしまった褒め言葉だが、父親と比較をされないというだけで多少心に余裕が生まれたのも事実。礼の言葉の代わりに柔らかく口角を持ち上げてから彼に倣い、カップの紅茶を一口。柔らかいながらに心地のよい渋み、ほんのりと舌に残る甘さに、こんな時でさえじんわりと緊張感が解れるような気さえするのだから不思議なものだ。ふう、と軽く息を吐き出してから殆ど音を立てる事なくソーサーへとカップを置いて。同情をするかのような言葉に次いだのは俄には信じ難い事実。確かに昨夜急足で帰路に着いたのは夕刻だったはず。だがしかし、今もなお月が顔を出しているのは自分が寝過ぎたせいか、それとも彼の言葉通り元の世界とは別の場所なのか。もし前者なのだとしたら、仕事の話だと叩き起こしに来るマネージャーはどうしたのだろうか。後者であればあの真面目な彼が顔を見せない事も、太陽でなく月が未だ顔を出している事も納得がいく。ならば決まっていた仕事は、舞台に立つ者として認められつつあった自分の立場はどうなるのだろう。言いようのない不安や緊張でどくりどくり、と耳の近くで心臓が脈打っているのかと思う程鼓動がはっきりと分かる。彼が話終わるまでじっと耳を傾けて「 成程……分かったような分からないような 」深い溜息を細く吐き出す事でマイナス思考に陥り掛けた思考を押し留め、煩い程の脈を僅かに抑えてから苦笑を浮かべ「 …ただ、今の話が本当だとして。閉じ籠もっているのが安全なんだろうけど、他にも人が居るのなら会ってみたいっていうのが僕の本音かな。嗚呼、勿論君さえ良ければ一番に頼らせてもらうつもりだよ 」四六時中誰かと同じ場所へと居るのはずっと完璧な姿を演じる事になるのと同意。幾ら演じ慣れていようとそれは出来る事ならば避けたいが彼の言葉を鵜呑みにする程頭が弱いわけでも無い。折衷案として付け加えた言葉で彼が納得してくれるかは不明だが、どうだろうかと問わんと首を傾げて )





760: ハイネ [×]
2021-09-21 05:45:08



>グレン(>759


――――、成程。肝の据わったヒトですね、貴方は
(数秒の沈黙の後、第二関節で淡く折り曲げた人差し指を自身の青い唇に添える形でくつくつと含み笑いを。他の怪物の危険性を理解しきれていないのか、はたまた理解していてもなおナニカとの繋がりを求める寂しがり屋か。強欲だな、と抱いた感想を耳触りの良い言葉に置き換え評価しつつ長い足を組んで「 新入りの存在を同胞達へ秘匿するのは難しい。貴方の存在は火が朽木を伝わるように止めどなく住人の耳に入り、興味を持った者がこの部屋を訪れる。貴方は拒否ではなく受容を選んだのですから、どんな怪物が来ても文句を言ってはいけませんよ? 」ここで自身の寵愛を受け入れなかった事を後悔すれば良いのに、そんな悪戯心は哀れみを隠そうとしない微笑の奥に仕舞い込んで小首を傾げて。伸ばされた鋭い爪のせいで異様なほど長々として見える指を指揮棒のように振るえば、黒とも紫ともつかない淡い光が二人の間に小さく渦を巻き、やがてそれは黒く煌々と輝く指輪の形を成して「 貴方を最初に見つけたのはこの俺です。そして貴方が水先案内人として選んだのも。これはその証です 」手のひらを上に向けて左手を差し出す、それはご令嬢をエスコートせんとする貴族にも似た所作。貴方が左の手を重ねてくれたのならばそのまま、もし拒むのならば不可視の魔力を行使してでも片方の手を差し出させる算段で、形の良い中指へと指輪を嵌め込ませ「 貴方が他の怪物と逢瀬を楽しむ間、俺も貴方を吟味させて頂きますよ。結論が出るまで、貴方が誰にも食べられませんように――これはその御呪いも兼ねて差し上げます 」人肌のぬくもりを名残惜しむように指先へ冷たい唇を寄せてから、飛び立つ前の小鳥をそっと自由な空へ解き放つように緩やかに手を引いて)




761: 執事長 [×]
2021-09-23 10:49:38


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762: 執事長 [×]
2021-09-24 21:18:46




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763: 執事長 [×]
2021-09-25 17:14:31



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764: 執事長 [×]
2021-09-27 20:14:22



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765: リュカ・キャンディ [×]
2021-09-28 19:16:29





>シャルロットちゃん/ユギンさん ( >743

なるほどー!了解でーす。
何から何まで説明ありがとお、ユギンさん!すっごくわかりやすかったあ、このままキャンディの学校の先生になってほしーぐらい!
今のところ、ほかに質問はないから、とりあえずダイジョーブ!
じゃあ、初夜が終わるまで、お付き合いおねがいしまーす!


( 肯定とも否定とも似つかない応えを返した少女に、ひとまず機嫌を損ねた様子はないようで安堵する。にこりとした笑顔と差し出した手はそのままに、機械染みた動きで首を傾げた少女の表情は最初のまま変わることがない。しかし、かけられた言葉には尋ねるような響きが含まれていて、「っうん、シャルロットちゃんと~…その~…、仲良しになりたいの!…ほらっ、袖振り合うも多生の縁って言うでしょ?シャルロットちゃんといっぱいお話しできたらうれしいなって!」興味をこちらに向けたことに、作られた笑顔からすっと緊張が抜けて、声にも喜びが混ざる。釣れた。と狸な自分が顔を出す反面、幼子のような純粋な問いにつけ込む自分への罪悪感がせめぎ合うがしかし、少女の問いはもっともだ。現時点でこの状況は誘拐に近しい。その誘拐された側から友好的な態度を寄越したのだ。その異質さを重々理解している。「え、っと、握手、知らない?」見開かれた瞳を写すようにこちらもきょとんとしたように丸くなった。相も変わらず宙を浮き続ける手に思わず視線をやってしまう。握手を知らない人なんて初めて_、いや、少女は人とは異なるものに見える。異なるものだった場合、人間たちの挨拶など知らなくても全くおかしくはないのだ。変わらぬ焦点に、まるまるとした大きな瞳に射抜かれつつ、説明をと頭をフル回転させる。「うんと…、握手っていうのはね、初めて会った人に、よろしくねって挨拶するために、お互いの手と手を合わせて握りあうことのことだよ。…アタシ、今手を出してるけど、これが握手しましょーねって合図で、シャルロットちゃんがアタシと同じ手を出して、手を繋いだらそれが握手になるの。」両手を使い、身振り手振りで手を握り合わせ説明するが、伝わっている自信はほとほと無かった。こんなことして何になるのと問われてしまえば黙りこくる他ないのだ。不安げな瞳のまま、相手を見返せば、「…選ばれた?いったいなにに…、」自分がここにいる理由。その回答をすんなりと教えてくれたことに面食らうが、肝心の主語がない。選ばれた?自分自身、家柄も性格も容姿も選別されるほど際立っていないし、秀でた特技や、まして特殊な何かなど持ち合わせていない。まったく身に覚えがないと口を開きかけるが、少女が振り向き、続いた言葉に絶句した。「は…?え、まって…、どっ、どういうこと…?」困惑のあまり発する言葉は途切れ途切れで、音にならず消えていった言葉もあった。誘拐されたものが無事に帰れることなんてそうそうない。わかっていた。しかし、はっきりと言葉にされれば、わかった、そうだと利口に振舞おうとする頭も、すっかり機能しなくなる。それまでどう懐柔しようか、どうして誘拐されたのか探っていた思考も同時に静まり返った。少女と向かい合わせの中、徐々に俯く頭と視線。それは嘘だ。大丈夫、本当だとしても逃げればいい。と慰めのような言葉も空しく強烈なまでに胸の内を支配したのは家族、友達に会えなくなるという恐怖。それは心配なんかじゃない、もっと利己的なもの。「…ひとりは、いやだ…、」ぽつりと零した言葉は無意識で。次の瞬間、ばっと、顔をあげると、先ほどとは打って変わって少女に縋るような瞳で訴えかけ、)
でっ、でも!アタシ、家族が居て…っ、か、帰らないとっ、心配させちゃう、から…。おねがい、かえして…。





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