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冒険者ギルドの日常/1097


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自分のトピックを作る
1047: クレア [×]
2025-10-18 19:17:08

>1046

帝国兵が…!?レドさん、すぐにシエルさんの後を追いましょう…!もし人目に付かないところで遭遇したら彼女はっ…!

(帝国兵と聞いてクレアは胸騒ぎの正体に合点がいった。過酷な環境で生きるが故に人を人とも思わない帝国人の残虐性を、騎士団時代の外交経験からクレアは熟知している。シエル一人で会わせるのはあまりにリスクが大きい。そう結論付けるとクレアは立ち上がり、ベッド脇に置いていた剣を腰に携え、すぐに後を追おうと必死な剣幕でレドに訴える。もう身近な誰も失いたくない…焦りからクレアの手は小刻みに震えていた。)

1048: セレステ/レイラ [×]
2025-10-18 20:17:48

同時刻 王城にて

ハァ…それで、本日はどういったご用件でしょうか?勇者様。

(王城の地下に備えられた取調室。質素な机と椅子しかない薄暗い地下牢のようなその空間で、セレステと、堅牢な手枷を嵌められたレイラは机を挟んで向かい合っていた。大きな溜め息を吐いてからセレステは尋問を始める。いったいどんな理由があれば衛兵ごと正門を吹き飛ばして城に侵入しようという発想に至るというのか…眉間に皺を寄せたセレステの表情には明らかな呆れの色が見えた。)

べつにお前に用があって来たわけではない。枢機卿から、私の弟子がもうじき此処(王城)に来ると聞いてな。ちょっとしたサプライズで待ち伏せしてやろうと思ったんだ。

色々と突っ込み所がありますが…馬鹿な貴女には理解が難しいでしょう。ですので、ここはシンプルに一言だけ。速やかにお帰りください。

(そんなことだろうと想像はしていたが、悪びれる様子もなくレイラの口から語られたあまりに稚拙な理由にセレステは頭を抱えて項垂れた。こんな子供のような感性の人間が「勇者」であっていいのか。あぁ、神よ…教皇よ…心の中で、この世で最も尊い存在に抗議しつつも、それらに肩を並べるべき目の前の存在への深い失望の気持ちを抑え、なんとか平静を装って顔を上げる。なぜ枢機卿が騎士団の内部事情を把握しているのか、許可なくサプライズに王城を使うなとか、聞きたいこと言いたいことは山ほどあるが、懇切丁寧に言葉を尽くしたとしてこの女との問答が成立する気がまるでしない。セレステはある種の諦めに近い感情で割り切ると、早期に面倒事を片付けるべく淡々とした口調で帰宅を促した。)

馬鹿とはなんだ貴様ッ!

ああ、一つご忠告を。この場でそれを解けば拘束具は無意味と判断して手足を折ります。

チッ…

(馬鹿呼ばわりされて直情的なレイラが我慢出来る筈もなく、感情の赴くままに手枷を破壊しようと力を込めるが、意外にもセレステの忠告を聞いてすぐに試みを諦めた。そもそも衛兵の呼び出しでレイラを拘束したのはセレステである。今しがた抗い難い力量差を分からされたばかりのレイラは、その言葉は脅しではないと理解したのだろう。まるで反抗期の子供のように小さく舌打ちをして、不貞腐れた様子でそっぽを向いた。)

それでは帰りましょうか、正門までご案内します。立ってください。

…帰らない。

また我儘を…早く立ってください。

…帰らない。

(一先ずは手荒な真似をせずとも言うことを聞かせられたことに安堵しつつ、セレステは椅子から立ち上がると、レイラの腕を引いて帰宅を促した。しかし、何度腕を引こうとレイラは断固として動かない。意地になっているのだろう。キッと睨みつつも、セレステを見上げるその瞳は今にも泣き出しそうな程に潤んでいた。まるで駄々をこねる子供そのものだが、年下で小柄の女の涙はセレステの庇護欲を大いに掻き立てた。余談だが不死鳥の翼の活動時、クレアはレイラの涙には決して逆らえなかったという。クレアに歳の近いセレステも例に漏れず効果は覿面のようだ。「ハァ…」と再び大きく溜め息を吐くと、ついにセレステが折れて幾つかの条件を提示する。)

分かりました。しかし条件があります。「私の元を離れない。」「身分を隠すために侍女服を着用する。」「お弟子さんと言葉を交わしたらすぐに帰る。」それを守れるのなら暫しの滞在を許可しましょう。

うむ、分かった!早速着替えるぞ。案内しろ!

(先程までの不貞腐れた態度はどこへやら、提示された条件をあっさり飲んだレイラは晴れやかな笑みを浮かべて立ち上がり、自ら更衣室への案内を急かす始末である。その変わり様を前にしてセレステは苦笑いを浮かべつつも、掻き立てられた庇護欲は満たされたようだ。やれやれといった様子でレイラの腕を引き、取調室を後にした。斯くして、レドへ宛てたサプライズ計画は出だしこそ盛大に躓いたもののセレステの協力を得てなんとか成功へと近付いたのであった。)

1049: レド [×]
2025-10-18 20:43:11

>1047

クレアさん!?……しかしいくら帝国でも使いの者を斬るはすが。それにそのお身体では……ご、ご心配なら俺一人で追ってきます!

(クレアの剣幕に押される形で立ち上がると、壁に立てておいた自分の長い東刀を引っ掴んで……だがいくら帝国でも外交で来ているのだ、相手の国の者を襲うだろうか?そして何より、病み上がりの彼女を戦わせるのは危険だ……とはいえシエルの無事を確認できないことには彼女のパニックも収まりそうにない……冷や汗をかきつつも焦るクレアを手を突き出して制止し、自分一人で行くと提言して。)


>1048
(/なにやってんだ姉さん……そして次席補佐官……こんなに強いのか……)

1050: クレア/シエル/エルフリーデ [×]
2025-10-18 22:52:18

>1049

分かり…ました。それではレドさん、よろしくお願いします。私の杞憂であったことを願っています…

(レドの制止にクレアは渋々頷いた。今しがた少し興奮しただけで心臓の鼓動が異様に早くなったことを自覚すると、確かに今の状態では戦いどころかシエルの元に辿り着けるかも怪しいであろうと納得する。悔しさに拳を握りしめながらも、深くレドに頭を下げて想いを託した。)

…ハァ…ハァ…

(昨夜レドが帝国兵エルフリーデと遭遇した通りの路地裏、朝だと言うのに陽も届かない薄暗がりのこの場所で、血溜まりの中にシエルは倒れていた。致命傷は免れているが脇腹を剣で貫かれたことで出血が酷く、呼吸をするのがやっとである。どうしてこんな事になったのか、薄れゆく意識の中でもはやシエルに思考する余裕などなかった。)

あちゃー…やってしまいました。私としたことがつい飲み過ぎてしまいましたねぇ。反省反省っと。どうしましょう?いっそ息の根を止めて証拠隠滅でもしましょうか。

(通路脇のゴミ箱に腰掛け、虫の息のシエルに嘲るような視線を向けながらエルフリーデは思考に耽っていた。手に持つのは度数の高いウイスキーの酒瓶と血に濡れた剣。泥酔状態で背後から声を掛けられたことでシエルを敵と誤認し、条件反射で突き刺したのが事の顛末である。すぐに治療を施して然るべき謝罪をすれば不幸な事故として処理され、大きな外交問題にはならないであろう。しかし、彼女は帝国人の中でも選りすぐりの人格破綻者。それも泥酔状態。まともな判断などする訳もなく、剣の切っ先でシエルの輪郭をなぞりながらニヤっと口角を吊り上げ、いっそ殺してしまおうかなどと物騒なことを呟いていた。)

(/レイラは思い立ったらすぐ行動してしまうので、たまにこうして暴走してしまいます。次席補佐官にお灸を据えられて少しでも反省すればいいのですが……次席補佐官は固有魔法のお陰で日中はスターマリオ状態なのでレイラに勝ち目がないんですよね。固有魔法なしでも、剣技が全盛期クレア並の技量なのでどのみちレイラでは勝ちの目は薄いですが…しかし、レドであれば今後の成長次第で倒せる可能性は十分にあると思います!日中だろうと陽が届かなければ無敵状態になれないので、地面に竜狩りを打ってセレステごと深い穴の中に落ちて、陽の届かない深い底で決着をつける等々…条件付の無敵状態なので攻略法は色々あります!一番の問題はその上でどう勝つかなのですが…)

1051: レド [×]
2025-10-19 08:13:05

>1050

ハッ!行ってまいります!

なあ、今黒い軍服の女の子が出ていかなかったか?……チッ、よりにもよって……ありがとう、ごちそうさま。

(案の定、満足に動けないクレアに対して直立不動の姿勢から敬礼をすると急いで退室して。だが出る直前でホットミルクを飲み干すことは忘れなかった……何だかアリシアの加護が受けられそうな気がしたから。
医務室とは一転して明るく賑わう食堂で職員を捕まえ、シエルの行き先を尋ねる。よりにもよって昨日の路地裏の方へ向かったことに舌打ちしつつも、空になったカップを渡しながら礼を言い、ギルドを出て。)

シエル、シエル!……シエルっ!?……なるほど、クレアさんが危惧するわけだ……!
そこまでだ帝国兵。彼女はこの国の近衛兵だ。罪人として裁かれたくなければおとなしく退け。

(シエルの名を呼びながら街道を駆け抜け、昨日の路地裏へ入る。血の匂いを辿れば案外彼女はすぐ見つかった……最悪な形で。朝でも薄暗い路地裏、その血溜まりに倒れ伏すシエルに呼びかけて。
それからシエルを傷つけた者……昨日の帝国兵の女を睨みつけて。血に加えて酒の匂いまで漂ってくる……この女がここまで異常だったとは、甘く見過ぎていた……!今度ばかりは間抜けの演技などしていられない。親指で刀の鯉口を切りつつ、帝国兵エルフリーデを止めるべく叫んで。)




(/うむむ、この帝国女と違ってセレステは話が通りそうだからあまり戦いたくありませんが……戦うとしたら、レドにとっては課題の多い戦いになりそうです。)


1052: シエル/エルフリーデ [×]
2025-10-19 14:49:16

>1051

あれぇ…?昨日のお兄さんじゃないですかぁ。こわ~い男達をお兄さんが差し向けるから、私の心はとっても傷付いちゃいました。これはそう、傷心を癒していた最中の不幸な事故なんです。ふふっ、なので誠心誠意の謝罪を見せてくれるならこの子を返してあげてもいいですよ?見たいなぁ…お兄さんの土・下・座。

(レドの顔を見たエルフリーデは小首を傾げて記憶を辿った。昨夜鉢合わせた青年であることに気が付くと、外向きの笑顔を浮かべて酒をあおりながらテキトーな持論を述べる。要するにレドが悪いという滅茶苦茶な論理だが、剣の切っ先はシエルの首に添えられており、エルフリーデの機嫌一つで胴から切り離されることであろう。既に破壊衝動は治まっていることもあり、今度は別の娯楽としてレドに醜態を晒すことを迫った。反応を待つ彼女の顔はまるで悪魔のように悦に浸っている。)

1053: レド [×]
2025-10-19 17:56:28

>1052

……俺は近衛隊剣術指南・レドだ。お前も近衛隊に呼ばれているのだろう。これ以上事を起こせば外交問題になる。帝国のためにもここは退くがいい。

(エルフリーデの邪悪な言動に一瞬顔をしかめつつもすぐ無表情になり、淡々と身分を明かしてはこれ以上危害を加える愚を説いて。こんな女の言われるままに土下座したところでシエルが無事でいられる保証は無い。多少の脅しなど気にも留めず平然としているのが強者のやり方だ、いつぞやの糸目女のように……人気の無い路地裏に、レドがエルフリーデへとゆっくり歩み寄る足音が響き渡り、その度にレドの黒いシルエットが大きくなっていく。)

1054: シエル/エルフリーデ [×]
2025-10-19 20:02:58

>1053

あ~あ…つまんないですねぇ。昨夜にその調子を期待していたのですが、生憎今は気分ではありません。玩具としては不適格なのでこれはお返ししますかぁ…

うぐ…

(期待していたものとは違うレドの反応を見て落胆したエルフリーデは剣を鞘に収めると、腰掛けていたゴミ箱から降りて、襟首を掴んで乱雑にシエルを立ち上がらせる。意識が混濁しているシエルは痛みに反応して小さな呻き声を上げるのみであった。)

これが死んだら私も帰りが面倒ですし、貴方の言うように外交問題にもなるでしょう。それは少しばかり困ってしまうので。あぁ、安心してください。使った玩具はしっかり綺麗にしてあげますから、私は誇り高き帝国軍人なので♪

…っ…!?やめっ…ゲホッ…たすけ…ゴホッ…

(レドの説得は一応はエルフリーデにも届いていたようだ。確かに外交問題となっては計画が破綻しかねない。その為に彼女は剣と同時に敵意も収め、努めて友好的な振る舞いに切り替えたのである。しかし、クレアが懸念していた帝国人の倫理観、価値観の違いが尚のこと顕著に現れることとなった。彼女の言う玩具の掃除、これは純粋な善意によるものだが、そもそも自然に「玩具」と呼んでいる時点で王国人を人として見ていない。その方法も常軌を逸したもので、まだ半分以上残っている決して小さくはない酒瓶の飲み口をシエルの口に差込み、殆どまっすぐに傾けて無理やり飲ませる。消毒のつもりなのであろう一連の行動だが、文字通り酒に溺れて呼吸もままならず、飲みきれず口から溢れる酒は服を伝い傷口を刺激する。あまりの苦しさと激痛にシエルは意識を覚醒させるが抵抗する力は残っておらず、涙を流しながら目の前のレドに助けを求めた。)

1055: レド [×]
2025-10-20 06:23:09

>1054

…………治療はこちらでやる。手当の術も知らないとは、帝国軍も練兵でお困りと見える……せっかくだ、この国で一流の兵学を学ぶといい。

(な、なんだこいつ……!人を人とも思わぬ態度。今すぐ斬り捨てたい!……そんなはやる気持ちを無表情で抑え、エルフリーデの手首を掴んでシエルの口から酒瓶をはがし、酒瓶を投げ捨てて。投げた酒瓶が砕け散り中身が撒き散らされると同時にシエルの身体も奪い、シエルを壁に座らせて。淡々とした口調で冷静に話しつつも、王国人を見下す女に言い返すことも忘れない。)

もう大丈夫だぞシエル、ギルドへ帰ろうな……
……あんたもさっさとアリシア様の下へ向かうがいい。騎士団に捕まらない内にな……では、またいずれ。

(シエルが怯えないよう自分の身体でエルフリーデを隠しつつ、穏やかな口調と表情でシエルに話しかけ、傷口に布を当て包帯を巻く応急処置を済ませるとシエルを背負って。影の中で光る灰色の眼光を背中越しにエルフリーデへぶつけると、ギルドへ戻るべく歩を進めて。いずれこの借りは返す!……シエルとそんな覚悟を背負いつつ。)

1056: シエル/エルフリーデ [×]
2025-10-20 12:39:28

>1055

あら?何か無礼を働いてしまったようですね。それならば申し訳ありません。外の文化に併せるのも大変でして。

(酒瓶を投げられ、強引にシエルを奪還された挙句に皮肉まで添えられると、エルフリーデは呆気に取られた様子で小首を傾げた。相手の要求を呑んで友好的に振る舞い、ゴミに等しい王国人に治療まで施してあげたというのに…と、終始無礼を働いておきながらその自覚はないらしい。未知の価値観など考えても無駄なことだと割り切り思考を停止して、きょとんとした表情のまま建前上の謝罪を述べると軽く頭を下げた。)

それではレドさん、また後で♪あぁ、私の名前はエルフリーデと申します。覚えるも忘れるもご自由に~。

(トラブル(自分で起こした)は解決し、もはや此処に留まる理由はない。新しい玩具(レド)も見つけたことで、よくよく考えれば大きな収穫を得られた事に気が付いたエルフリーデは再び笑みを浮かべると、「また後で」と何やら含みを持たせた別れの言葉を残して歩み出した。去り際に名乗りを上げると、軽い足取りで大通りへと出て人混みの中に消えていく。)

うぅ…怖かったっす……レドくんが助けに来てくれなかったら…今頃は…

(エルフリーデが去ったことでシエルはようやく口を開いた。いきなり刺されて死の淵を彷徨ったかと思えば治療と称した拷問で目を覚まし、シエルの感じた恐怖心は相当のものであろう。痛みと、未だに脳裏にこびりついて離れない恐怖に震える声で言葉を紡ぎ、レドに抱きつく力を一強めた。)

1057: クレア/セレステ [×]
2025-10-20 16:42:06

過去編「甘いひととき」

夕刻の執務室。窓の外では沈みゆく陽が、庭園の白い石畳を金色に染めていた。
その中でクレアはただ一人、机に向かっていた。
書類の束、無数の判、冷めきった紅茶。
金髪の束が肩に落ち、瞳には疲労の色が滲んでいる。

けれど、彼女は顔を上げない。
この国の秩序を守る――それが自分の使命だと信じているから。
感情よりも義務を、温もりよりも責務を優先してきた。

──だからこそ、気遣いを感じる控えめなノックの音が、張り詰めた彼女の心を僅かに緩めた。

「…入れ。」

扉を開けたのは、青い髪の少女。
セレステは深く頭を下げ、いつものように礼儀正しく立っていた。
けれどその手元には報告書ではなく、小さな箱。

「……何だ、それは。」

クレアの声は、いつも通りの冷静さを保っていた。
だが、セレステの指が少しだけ震えているのを見て、胸の奥に微かなざわめきが走る。

「ケーキです。……私が、焼きました。」

「お前が?」

信じられない、というよりも、ただ意外だった。
騎士学校時代から剣一筋だったこの少女が、自分のために何かを作るなんて。

「先輩、最近ずっとお忙しい様子だったので…。少しでも、リラックスできればと…」

その声は、小さく、けれど真っ直ぐだった。
まるで剣先のように澄んでいて、偽りの欠片もなかった。

クレアは息を呑む。
「首狩り」と蔑まれるようになったあの一件以降、自分が周囲からどれほど冷たく見られているか、誰よりも知っている。
けれど、この部下は――それでも自分に優しさを向けてくる。

「……セレステ。」

名を呼ぶ声が、かすかに揺れた。
セレステははっと顔を上げ、金の瞳がまっすぐにクレアを見つめる。

「ええと…先輩。お口に合うかどうかは……その……」

クレアは言葉を遮るように、そっと箱を開けた。
甘い香りがふわりと広がる。
その香りに、ずっと張りつめていた心の糸が少しだけ緩んだ。

フォークで一口。
やわらかな生地が舌の上で溶け、ほんのりとした甘みが広がる。

「…お前らしい味だな。」

「えっ……?」

「まっすぐで飾り気がない。でも、温かい。」

セレステの頬がわずかに赤く染まる。
それを見てクレアの口元も、ほんの僅かにほころんだ。

「ありがとうセレステ。お前の気持ち、確かに受け取った。」

静かな部屋に、二人の小さな笑みが重なる。
それはどんな名声よりも求めていた、僅かな温もりの瞬間だった。

(/過去編に於ける書きやすい文章スタイルを模索中でして、読みにくかったら申し訳ありません!)

1058: レド [×]
2025-10-20 19:37:30

>1056

いや、すまないシエル。俺もついていくべきだった。まさかあれほどの屑だったとは……とにかくギルドへ戻ろう。お前の看病があるし、拝謁も延期してもらわないと。それに……あいつの非道を訴えなきゃならないからな。

(自分の背中で怯えるシエルに首を向けながら、申し訳なさそうに詫びて。とにかく今はシエルのことが第一。険しい顔を正面に向け、シエルを背負いながらギルドへ戻りつつ、今後の方針を伝えて。こんなアクシデントがあった以上、とても今日中に王都へ赴くなんてできない。何より王国兵が領内で帝国兵に殺されかけたのである。立派な外交問題だ、しかるべき所に訴えなければ……そのように逸るレドの足はどんどん速くなっており。)

ちくしょう、こんなことなら巡回中の騎士を捕まえてくりゃよかった。帝国兵エルフリーデ……同じ「エルフ」でも、あのバカエルフの方がまだマシだったな。



>1057

(/いえいえ、これはこれで見やすいと思います!
エリーゼに対しては外道なセレステも、クレアにとっては救いだとは……この国の信仰問題は根深いですね。)


1059: シエル [×]
2025-10-20 20:58:59

>1058

…延期……?だ、ダメっす…!今のアリシアちゃんには…レドくんが必要なんです…!ハァ…ハァ…私は大丈夫ですから…どうか、アリシアちゃんの元に…駆け付けてあげてください…!

(拝謁を延期すると聞いてシエルの顔は青ざめる。不穏な動きを見せる宮廷と第二騎士団長を前に、自分のせいで親友を無防備な状態で曝すことなど到底納得が出来なかった。自分の容態よりも、そして帝国兵の横暴を訴えるよりも、シエルにとっての最優先事項は常にアリシアである。痛みに耐えながらも必死に言葉を紡ぎ、自分をギルドに捨て置いてでもアリシアの元へ駆けつけるように懇願した。)

(/ありがとうございます!
教義を元にした価値観というのは変え難いですもんね…ただ、セレステはこれでも獣人に対して温厚な方なので、実はエリーゼが安易に触りさえしなければあそこまでブチギレなかったんです…
セレステは基本的に自分含めて4人分(団長・バカエルフ・首席)の仕事をしていて、会議後の尚のこと心身共に疲弊しているタイミングでデカイ虫(聖教徒視点の獣人の見え方)にダル絡みされた挙句に触られるというブチ切れ要件を満たしたからこその衝動なんです。なので、仕事の話であれば獣人相手でも普通に対応してくれます!)

1060: レド [×]
2025-10-21 06:51:30

>1059

シエル!私情を挟んでいる場合じゃ……!……それでも俺に行けと言うのだな、シエル。分かったよ、お前のため、アリシアのため……涙を呑んで馳せ参じるとしよう。
誰か、急患だ!兵士が刺されたっ!

(シエルの主張はとても呑めない。泣き寝入りさせたくないし、そして最早シエル一人の問題では無いからだ……だがそれでも、彼女は病室を抜け出してでも俺をアリシアの下へ行かせるだろう。それに、アリシアがあの帝国の女と組んで取り返しのつかない事をする前に止めなければならない……振り向いてうなずくと、シエルの命がけの懇願を受け容れて。
気が付けばもうギルドの前にいた。扉を勢いよく開けると、また昨日のように受付に向かって叫んで。)

1061: シエル [×]
2025-10-21 12:36:28

>1060

ありがとう…レドくん…!私のことはもう大丈夫…です。レドくんは取り急ぎ準備を…あんまり遅いと、アリシアちゃんが怒っちゃいますから…

(レドの決断を聞いて、冗談交じりに話せるくらいには元気を貰えたようだ。駆け付けた職員に抱きかかえられ、医務室へと運び込まれるのを制止してレドに向き合うと、別れを惜しみつつも強がりの笑みを浮かべてレドを急かして。予期せぬトラブルにだいぶ時間を取られてしまったが、レド単身であれば今から準備をして近衛隊の馬車に乗り込めば予定時刻には間に合うことであろう。シエルが言葉を言い終えると同時に職員は足早に医務室へと歩みを進める。シエルはレドに心配をかけまいと、その姿が見えなくなるまで小さく手を振っていた。)

1062: レド [×]
2025-10-22 12:37:36

>1061

シエル!お大事にな、後のことは任せろ……!

(心配そうに手を上げてシエルに別れを告げて。シエルの言う通り急いで準備すべきだが、レドが焦る様子は無い……こんな事もあろうかと、実はもう用意を済ませてあるのだ。)

「う、うわぁ……これが掲示板……」
「どうだい、実績稼ぎには丁度いいだろう?アボット」「「月追いの城」近辺の道路整備……ちょっと寒くない?タルボット」
「フン、「首狩り」なんて過去の遺物さ。今日から俺が賞金首狩りで名を上げてやるぞ!」
「トロルの群れの討伐!?Cランクの俺らに務まるとも思えないぜ」「大丈夫!私にいい考えがあるの」

……Bランクのレドだ。預かってた荷物を引き取りに来た。ああ、「アレ」も忘れずに……「アレ」?それはだな……

(朝からガヤガヤと依頼掲示板に殺到する冒険者達を脇目に見て。俺達も不死鳥の翼の皆も、昔はああして掲示板の前で騒がしくしていた。だが今はもう……と、一瞬切なそうな表情を浮かべると、音も無く静かに歩き出し、出立に備えて預けていた荷物一式を渡すよう受付に伝えて。)

「おっおい、あんたそこは……」
いいんだよ、減るもんじゃなし。
「しっ、知らねえぞ」

(受付に用件を伝えると、そばにあった「勇者」専用席に平然と腰掛けて。事情を知る他の冒険者に注意されても気にせず、むしろ睨み付けて追い返すくらいだ。
三年前に冒険者ギルドの門を叩いた持たざる農民が、今や聖教国の英雄「勇者」に認められ、そして近衛隊剣術指南として王国の闇に迫る者となった。もう自分はBランクという型にはめて語れる存在では無い……自らの数奇な運命に想いを馳せつつ、目を閉じて。)

…………行く前にクレアさんに挨拶した方がいいかなあ。

(それでも出発前に、自分の冒険者の原点たるクレアさんには挨拶しておくべきだろうか。シエルを守れなかった負い目はあるが……と考えを巡らしながら、天井を見上げて。)

1063: クレア [×]
2025-10-22 17:35:57

>1062

…お疲れ様でした、レドさん。無事…という訳ではありませんが、シエルさんが助かったようで何よりです。

(急患としてシエルが運び込まれたことで病床の余裕がなくなり、既にそれなりに回復しているクレアは医務室からの退室を余儀なくされた。ふらいついた足取りで医務室を出て、ギルドの出口へと歩みを進めていると一際目立つ席に腰掛けるレドが目に付く。進路を変えてそちらに歩み寄り、友人の負傷に気を落としているであろう彼を少しでも元気付けようと、控えめな笑顔を作って労いの言葉をかける。今のクレアは酒が抜けたことで健康状態は確かに回復しているが、その反面精神的に不安定な状態にある。笑顔を作っているものの、手は小刻みに震えてどこかソワソワとした様子であった。そのせいなのだろう、普通ならレドを想ってレイラの特等席に腰掛けていることをそれとなく指摘すべきなのだが、そこまで注意が回っていない。)

1064: レド [×]
2025-10-23 06:12:45

>1063

く、クレアさん!?貴女が懸念された通りでした。俺も同行していれば……申し訳ありません。
ひとまずおかけください。まだご気分が優れないようですし……ああご安心を。貴女がここに腰掛けること、誰にも文句は言わせませんから。

(行く前にクレアに挨拶すべきかと思案していると、彼女の方から声をかけてきた。思わずハッとして椅子から立ち上がると、シエルを守れなかった事を頭を下げて詫びて。
医務室を出られたというより追い出されたのだろう……どう見ても調子が戻っていないクレアに空いた椅子を手の平で指し示し、着席を促して。これはレイラの特等席だがそれを気に留める様子は無い。それどころか、この席の事情を承知の上でクレアを座らせる気でいるようだ……)

1065: クレア [×]
2025-10-23 10:47:43

>1064

いえ、レドさんが謝ることでは……悪いのは帝国の方ですし…
ええと…その…お気遣いは有り難いのですが、私は少し用事が…

(シエルと今日知り合ったばかりの自分よりもレドの方が当然辛いはず…それにも関わらず頭を下げて誠意を示すレドを宥めると、謝るべきは帝国の方だと諭した。そして、続け様に腰掛けるように勧められると、クレアは申し訳なさそうにモジモジと指を合わせて遠慮する。それには幾つか訳があり、レイラとの決別に負い目を感じているのは勿論、喫緊の理由としては手の震えからも分かる通りアルコールの禁断症状が出ているためだ。このまま無理に酒を我慢しては精神が持たない。傷心のレドを後目に酒を求める自分の弱さを内心で蔑みつつ、用事があると言って断りを入れた。)

1066: レド [×]
2025-10-24 06:29:23


>1065

待ってください、まだ例の帝国兵がうろついてるし危ないですよ。そ、それに、俺も出発までクレアさんとお話していたいですし……あー、そうだ。もう少し休憩していきませんか?その、個室で……

(理由を付けて帰ろうとするクレアの正面に回り込んで、こちらもあれこれ理由を付けて引き留めて。中腰姿勢からの上目遣いであたふたと説得する有り様からは、帝国兵と対峙していた時の冷徹なオーラは見られない。どこにでもいる青年と化している。
クレアの手の震えを見て「こっ、ここまで症状が進んでるのか……」と内心で冷や汗をかきつつも、適当な個室を借りて休憩することを提案して。これ以上彼女に酒を飲ませていいのか、そもそもギルドの個室で朝っぱらから飲酒なんてできるのか……と不安になりながらも、酒が飲みたくてたまらなそうなクレアに「……クレアさんレベルだったら打ち合わせだとか称して個室で酒飲むくらい、ギルドも許してくれるでしょう……たまには人目を気にせずお飲みください。」と耳打ちして。)

1067: クレア [×]
2025-10-24 11:31:40

>1066

わ、分かりました…レドさんがそう言うなら…

(相変わらず年下のおねだりに弱いクレアは上目遣いされたことで心臓がバクバクと音を鳴らす。真意を知られているのなら断る理由もないと判断すると、高鳴る心臓を抑えながらも何とか言葉を紡ぎ、小さく頷いて了承した。)

その…本当にすみません。私だけこんな時間にお酒なんて…

(場所は移りギルドの応接室。やはりS級冒険者だけあり職員に事情を説明すればあっさりと使用許可が降りた。テーブルを挟んでレドと対面する形でソファに腰掛けるクレアの前にはビールの入ったジョッキが置いてある。友を傷付けられて傷心中の人間の前で平然と酒を飲めるほど冷徹でも鈍感でもないクレアは、手を付ける前にしっかり断りの謝罪をしてからジョッキを口に運ぶ。半分程飲んでようやくジョッキをテーブルに戻すと、未だ申し訳なさそうに眉尻を下げているものの頬は酔いで赤みを帯びており、手の震えはすっかり止まっていた。命を削って正気を保つとは正しくこの事なのであろう。)

1068: レド [×]
2025-10-25 09:16:19

>1067

いやいや!大丈夫ですよ……俺、どういうわけか王城に呼ばれちゃって、クレアさんとお話して緊張をほぐしたかったですし。なにせBランクの農民が王城入りなんて有り得ないことですから。あはは……

(手をバタバタさせながら、謝るクレアを制して。朝から飲酒する彼女を責めるどころか、前向きになれと促す様子さえ無い。昔は酒に溺れるクレアに失望と困惑を抱いたものだ。だが自分も仲間と死に別れ、そして彼女の現実を間近で見た今となってはもう咎める気など起きない。いや、下手な慰めさえも意味を為さないだろう……
密室で憧れの人と二人きり、そしてこれからの任務の重さ。緊張で頬は赤く染まるし、つい頭をかいてしまう。それでもクレアに罪悪感を抱かせまいと、引き止めた理由を説明して。今のクレアにあんまり下手な事……特にアリシアやレイラとのつながりを明かしてしまうと余計に気を重くしてしまいそうだが、シエルとのやり取りやギルド前で待機している馬車の存在からして、自分が今から王城へ行くことは彼女も把握しているだろう。ひとまずそこから話すことにする。)

1069: クレア [×]
2025-10-25 10:30:28

>1068

王城…ですか。それは大変名誉なことですねっ!しかしお気を付けください。あそこは様々な謀略が渦巻く魔境…下手に政治に干渉しては碌な目に遭いませんから。

(王城と聞いてクレアは顔を引き攣らせて暫しの間固まった。幾つかの思い出と、それを覆い隠す程の苦難の日々。様々な情景がフラッシュバックしてフリーズしたのだろう。ハッとした表情で意識を現実に戻すと、無理をして笑顔を作り、努めて明るい声色で王城に招かれた名誉を称えた。なぜBランク冒険者が招かれるに至ったのか、近衛隊とはどういう繋がりなのか、腑に落ちない点は幾つかあるが、王城に関連する話には秘匿義務があっても可笑しくはない。あえて詮索せずに、経験に則った王城でのアドバイスのみを伝えることにした。)

1070: レド [×]
2025-10-26 13:51:36

>1069

……!心得ております。あの栄華な王宮こそ、地獄の門。俺の剣の師は事ある毎にそう呟いていましたから。
オヤジ……いや師匠はこの国を快く思っていませんでした。その様子では貴女も……そんな国に剣士として尽くすのが果たして正しいのか……俺には分かりません。

(引き攣る顔、痛々しい作り笑い、重い言葉……そんなクレアの様子に自分も真顔になって、冷や汗をかいて。彼女の様子から騎士時代は名誉どころかむしろトラウマであったことを察すると、師匠の言葉を交えて同調しつつ自らの長い刀を膝の上に乗せて。
宮廷に従いアリシアを止め、救うことは、クレアを虐げた宮廷を増長させることになる。本当に密命を受けて良かったのか?いっそアリシアに従って腐り切ったこの国を転覆させる方が、クレアやアリシアの救済になるのではないか……迷いを語りながら両手に取った自らの刀を見つめるその視線は下に落ちており、表情も憂鬱で。)

1071: クレア [×]
2025-10-26 14:56:16

>1070

なるほど、お師匠様が宮仕えを…それならば無用な心配でしたね。
正しさというのは曖昧なもので、立場によって如何様にも変わります。焦って決めずとも、実際に色んなものを見てから決めても良いかもしれません。とは言いっても、間違いだらけの人生から今も逃げ続けている私が偉そうに言えたことではありませんが…

(師匠が宮仕えだったことを知ると、今さら要らぬ心配だったことを悟り苦笑いを浮かべる。それでも、自らの正義を見い出せずに憂鬱な表情を浮かべるレドを放ってはおけず、余計なお節介かもしれないとは思いつつ、「正しさ」への持論を述べた。早計な判断の連続で後悔まみれの自分の経験から、物事を見極めることの重要さを解くクレアの顔は至って真剣である。しかし、言い終える頃には、何もかも間違えて大切なものを全て失った自分の現状を自虐気味に笑ってみせた。)

1072: エルフリーデ [×]
2025-10-26 21:08:11

過去編「美しい世界」

凍てついた風が吹き荒れるグラキエス帝国北辺。
その雪原の外れに、ひとつの貧しい農村があった。
そこに生まれた少女――エルフリーデ・グリムハルトは幼くして飢えと寒さを知り、弱者が踏みつけられるこの国の「掟」を身をもって学んでいた。

ある晩、村が闇に包まれたとき、使いに出ていた彼女は運悪く人攫いの一団に捕まった。

「嫌だ、離してっ!お願い誰か、助けてっ…!」

助けはない。叫んでも誰も振り向かない。
こんな光景は、この国では日常の一幕に過ぎないからだ。

「グヘヘ、上玉じゃねぇか。売れば銀貨十枚はくだらねぇ。」

必死の抵抗も虚しく、数発殴られて大人しくなった彼女は、鎖で繋がれ馬車に押し込まれた。虚ろな瞳には月光が冷たく映る。
同乗した人攫いの下衆な言葉も既に届かない。混濁した意識の中で、ただ積荷と共に揺られていた。

希望なんてない。
力こそが全てのこの国の不条理を呪い、そして受け入れたとき、皮肉にもその「力」こそが彼女の運命を変えた。

道中、馬車が立ち寄った廃墟の教会。
かつて聖教の神を祀っていたその場所は、帝国軍によって焼かれ、黒く炭化した木材と崩れた石壁が残るだけだった。
しかし、そこにはまだ“何か”が潜んでいた。

人攫いたちが焚き火を囲む中、馬車を引き摺り降ろされ、男達の欲望に染まった視線を一身に受けた正にそのとき、エルフリーデは囁きを聞いた。

――「力が欲しいか?」

それは耳ではなく、魂に直接響く声だった。
次の瞬間、焼け焦げた祭壇の奥から黒い霧が溢れ出す。
それは「腐敗の悪魔」――聖教会が祀っていた未知の存在だった。

叫び声とともに人攫いたちは一人、また一人と崩れ落ち、腐り果てた。
血と肉が溶ける匂いが辺りに漂う。
焚き火が消え、静寂と暗闇が支配する中で、少女の瞳だけが青く輝く。

「……あぁ、これが、力。…ふふっ、あははっ!」

返事を待たずして、未知の存在が自分の魂と溶け合ったことを実感する。心臓が高鳴り、言い知れない不快感に自らの身を抱くが、それが治まった時、青黒く禍々しい魔力が全身を覆った。
この力があれば、もう理不尽に怯えることなんてない。これからは私が奪う側に立つんだ。
自信に満ちた彼女の瞳が捉えた世界は、生まれて初めて美しく見えた。

1073: レド [×]
2025-10-28 01:31:40

>1071

ありがとうございます……そのお言葉、痛み入ります……!
自分が苦しくても、こうして人のために寄り添える……クレアさんは強い人です。それにひきかえ俺は……クレアさんに憧れて冒険者になって三年、貴女のために何もできなかった。「少しくらい話したら」って仲間の声も聞かずに、今の貴女から目を背け続けた……逃げ続けてるのは俺の方なんです。すみません……

(クレアの諭しにはっと顔を上げると、姿勢を正し、深々と頭を下げて。経歴に見合わぬ自信の無さ。よほど苦しい人生を送ってきたのだろう……それでもこうして自分に手を差し伸べてくれる彼女の優しさが胸に沁みる。
一方の自分はそんな苦労も知らず、酒で苦しみを紛らわせるクレアを敬遠するばかりだった。自分の方こそクレアの側に立つ資格は無い。でもこればかりは白状しなければならない……と、涙を流しながら今一度頭を下げて詫びて。)


>1072

(/レドより先に破滅による救済を願っていたとは……エルフリーデ、案外レドと似た者同士かもしれませんね……)

1074: クレア [×]
2025-10-28 11:13:55

>1073

あ、謝らないでください…!決してレドさんが負い目を感じることでは……それに、謝るべきは私の方なんです。お聞きした素性から薄々勘づいていましたが、ずっと…黙っていたことがあります。到底、許されることではないのは重々承知の上で、それでも謝らせてください…

(頭を下げられたクレアは慌てた様子でレドを宥めた。自分の心を蝕む数々の要因とレドは当然ながら何の関係もない。それでも彼が負い目を感じているのは偏に優しさ故であろう。その優しさが一層クレアの罪悪感を膨れ上がらせる。自分の犯した罪を知らずに、あまつさえ憧れを持っている。その姿を見ていられず、覚悟を決めたクレアは姿勢を正してレドを真っ直ぐに見つめた。許されるなんて思ってもいない。今すぐにでも逃げ出したい。そんな臆病な気持ちを無理矢理抑えつけて、震える声でクレアは前置きを述べる。)

…かつて行われた農村への大弾圧、その全ての指揮を執ったのは私です。本当に…申し訳ありませんでした…

(深々と頭を下げて己が罪を告白した。何をされても構わない。奪った命は決して戻らないのだから、それくらいは当然のことだ。そんな覚悟を持っての行動だが、やはり本能には抗えず、レドの次なる言葉と行動を待つクレアの身体はビクビクと震えていた。まだ何を言われた訳でもないのに涙が止まらない。レドの気が済むのなら、罵声を浴びせられた方が、殴られた方が、何もされず贖罪の機会を奪われるよりきっと良い筈なのに、人間の身体というのは難儀なものである。本能的に恐怖する一方で、クレアは自分のその臆病な振る舞いが間違ってもレドの優しさに付け入ることのないように祈っていた。)

1075: トピ主 [×]
2025-10-28 11:16:19

>1073

(/同様に辛い境遇を持ちながらも、曲がりなりにも真っ当に生きているレドを見て、エルフリーデが人の心を取り戻すことを信じています!)

1076: レド [×]
2025-10-29 21:43:13

>1074

なっ……!?嘘だ、そんな……!

(まさかのクレアの懺悔に、思わず立ち上がって。静まり返った応接室に、膝に乗せた刀がガチャンと床に落ちる無機質な音が響く。
自分は別に被害を受けてない。それでも「首謀者に会ったら斬り捨ててやりたいぜ……」と憤慨した非道な弾圧。目の前の憧れの人がその首謀者だったのか。無辜の人の血に塗れた手で、俺にリンゴを分け与えていたのか……今までの人生すべてを否定されたような気がして、何もかも切り刻みたくなる。)

………………。

(一方で落とした刀を拾う素振りは無い。ガタガタと震えたまま、青ざめた顔でクレアを見つめるばかりだ。レドは葛藤している……なぜ斬れる。自分一人の罪では無く国家の罪と言えるのに、明かさなければ目の前の青年はクレアを慕う無垢な存在でいられたのに……それでも逃げずに自ら十字架を背負わんとする人をなぜ斬れる?罪の報いにしては重すぎる生き地獄を味わってきた人をなぜ斬れる?手が血に塗れてもなお、人に尽くし、人のために戦い、優しくリンゴを分け与えてくれる人をなぜ斬れる!?斬れるわけねぇだろ!!!)

………………………………。

(レドの次なる言葉と行動を待つクレアであったが、肝心のレドは立ち尽くしたまま一向に動かず、口さえ開かずにおり。否、動けないし何も言えないのだ。冷や汗と震えが止まらぬ身体が崩れ落ちないよう全身に力を入れ、吐き気を抑えるために口を噤むので精一杯だから。
レドは激情に駆られてクレアを斬るほど馬鹿では無いが、罪を背負うクレアに救済を与えられるほど人間が出来ているわけでも無い。だから何もできない……それでも今度こそ、今度こそ、憧れの人の真実から逃げずに向き合うんだ……何もできないレドであったが、瞳孔の開き切った瞳を泣き崩れるクレアから逸らすことだけは決してしなかった。)

1077: クレア [×]
2025-10-30 08:19:39

>1076

…レド…さん?…ひっ…

(いつまで経っても殴られるどころか罵声の一つもない。恐る恐る顔を上げると、瞳孔を開き切ったレドと目が合い、反射的に小さく悲鳴を上げてびくりと身体を震わせる。きっとこれがレドなりの向き合い方なのだろう。そうとは分かりつつも、心の奥底では報復的手段を以ての救済を求めていたクレアにとって、それはあまりに残酷な現実であった。レドが救いを与えてくれないのなら、いっそ自分の手で…と無意識に腰に携えた剣に手を伸ばす。リンゴの皮剥きと同様、首を落とすにしても、腹を貫くにしても、クレアの技量であれば柄に触れた瞬間に事は済む。本能的な生への執着からか、柄へと伸ばしつつある手には僅かな躊躇があった。)

1078: レド [×]
2025-10-31 01:14:04

>1077

……!まっ、待ってください。

(ついにクレアが剣に手を伸ばし始めると、愕然と口を開いて。自分に恥をかかせた相手すら血を流さずに赦す人が、自らの罪を命で贖おうとしている。な、何か言わなきゃ……と、震えながら手の平を突き出し、何とか言葉を絞り出しながら制止して。)

俺は……ちっぽけな男です。貴女を裁くことも、慰めることもできない。だからせめて、貴女のご決断を見守らせてほしい……ただご決断の前に……これだけは言わせてください。

(突き出した手を胸に置き直すと深呼吸して気持ちを落ち着かせ、口を開いて。この短時間で急激に疲れ果てたのか声は弱々しいが、それでも瞳孔が元に戻った灰色の瞳をしっかりとクレアに向け、「ただ見守る」という決意を語って。
この人の闇は深すぎる。俺などが裁いたり慰めたりする資格は無い。だからせめて見守りたい……自分が挫折に沈んだ時そばで見守ってくれた、バカエルフとは比べ物にならないほど優しいエルフの人のように。)

逃げて……逃げてくださいクレアさん。俺には貴女が重荷を背負いすぎて……どうにも立ち行かなくなっているように見えます。
俺は貴女と向き合うことから逃げない。でも貴女はもう逃げていい……もう逃げてもいい頃だと、俺は思うんです……

(クレアの側に寄って跪くと、クレアを見上げて涙を流しながら「もう逃げていい」と懇願して。優しいエルフの人はそっと依頼書を差し出すことで俺を奮起させた。が、この人の場合は逆だ。この人はもう戦い過ぎた。これ以上自分一人で何もかも背負わないでほしい……捉え方によっては自決を促すような残酷な発言に聞こえるかもしれない。それでもいい、このどうにも立ち行かなくなって絶望した魂が救われるなら……静まり返った応接室に、クレアを想って流す涙が床に落ちる音までもが響き始める。)

1079: クレア [×]
2025-10-31 10:49:05

>1078

レドさん……ありがとうございます。であれば…もう少しだけ逃げてみます…

(レドの言葉を聞いてクレアは剣に伸ばしかけた手を膝の上に置いた。「逃げていい」、その言葉は偶然にもかつての主人が最後に下した命令と同じものであった。このまま命を絶つこともある種の逃避ではあるが、きっと、あのお姫様はそんな事を望んでいない。それに、元より長くはない命。今それを捨てたところで何になるのか。自分の軽率な行動を恥じると共に、大切な事を思い出させてくれたレドに礼を言った。何かが解決した訳ではない。けれど、今はそれでいいのかもしれない。先程まで泣き崩れていたクレアの表情は、ほんの少しだけ憑き物が取れたように晴れていた。)

1080: レド [×]
2025-11-01 14:21:02

>1079

(思い止まってくれたようだ。緊張の糸が解け、大きく息を吐くと、両腕がだらんと垂れ下がって。このつかの間ですっかり力が尽きてしまった。アリシアとの会食や第一王子に連なる政治屋との交渉……なんならバカエルフ、副団長との戦い以上に消耗したかもしれない。)

……貴女の血塗られた手は、俺とシエルを赦し、リンゴを分け与えてくれた手でもある。そのように……俺は信じています。

(涙を拭い、床に膝をついたまま、安らぎの見え始めたクレアの片手に自らの両手を添えて。俺は忠義や信念から逃げた情けない男。クレアさんの家を奪った一族のアリシアと、クレアさんとその主君の仇である第一王子……騎士としてのクレアさんを追い詰めた者どもに与する男だ。本来ならこんな汚い手でクレアさんに触る資格など無い。恨まれるべきは俺の方……それでも今だけは、一人の人間としてクレアさんの側にいたい……俯きながら膝をつき手を添える姿は、まるでレドの方がクレアに赦しを乞うているように見える。)

1081: クレア [×]
2025-11-01 21:03:18

>1080

こんな手で良ければ、またいつでもリンゴを切ってあげますね。

(すっかり消耗した様子のレドを見て、無理をさせてしまったことを反省して眉尻を下げると、握られていない方の手で優しくレドの頭を撫でた。己が罪を告白しても、こうして慕ってくれることにクレアの心がどれ程救われていることであろう。レドのサラサラの髪の感触を確かめるように、しばらく気の向くままに撫で回していると、応接室の壁に掛けられた振り子時計が十一時を伝えた。もうじきギルドを発つべき頃合のようだ。)

1082: リズリット [×]
2025-11-02 20:08:09

こらこら、お菓子は逃げませんからちゃんと並んでくださいね~

(王都に聳える聖教会の大聖堂、その隣に併設された孤児院に第三王女の侍女リズリットは、クッキーやチョコなど個包装された菓子が満載された台車を引いて訪れていた。彼女の姿を見つけるなり、孤児院の中から駆け出してきた子供達はきゃっきゃと興奮した様子で台車を取り囲む。子供達の元気な様子にリズリットは柔らかな笑みを浮かべ、手馴れた様子で一列に並ばせた。なぜ宮仕えの彼女が孤児院で菓子を配っているのか、答えは同じ第三王女陣営に属する近衛隊副長のアリシアにある。大の子供好きであり、聖教国との繋がりを持つアリシアは時たまこのような形で孤児院の面倒を見ており、多忙な自分に代わって身近な侍女、とくに人間種であり性格の良いリズリットを派遣しているのであった。)

(/アンナ背後様、絡み文を投下させていただきました!)

1083: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-02 21:09:29

>1082

午前の外回りはこれで終了、大分信徒も増えてきてこの国で活動するのも楽になってきたものね。"獣臭い"のが難点だけど


(先程までフィリア王国内の信徒の集まりに参加していた様で一息つきながら、大聖堂までの道を歩いており。大通り1つ見ても聖教国の国章や、関連する建物が増えてきている事を感じ取れてか、自分や同じく活動する同志達、そして本国の威光が徐々にこの国を侵食していくその様子に、満更でもない顔を浮かべる。人間種以外の種族も住まうこの土地は、古くから聖教国で育った自分にとっては人間種以外の存在は度し難い苦痛もあったがこうして王国に住む人間が自分の信ずる国の信徒になっていく事は救済であると信じて今まで活動してきたので些細な障害にしかならない。決して態度に出さずに仮面の笑顔を浮かべて道行く信徒や民に会釈しながら大聖堂の近くまで来ると何やら大聖堂の横が騒がしい事に気付いて)


…?何か催し物でもあったかしら…はっ!?あの御方は!!

(疑問符を浮かべながら考える仕草をして、何か行事でもあったかと考え込むのも束の間、姿が見えたのか慌てた様子で小走りに大聖堂の横…孤児院へ向かい)

ふぅっ…いつもありがとうございます、リズリット様。アリシア様からのお恵みにございますか…?

(自分も何度かギルドでも見た事のある、この王国に住むものならば知らない者は少なくない、そしてこの王国の大聖堂で働く者ならば馴染も深い人物である彼女を見て、急いで駆け付ければ声をかけ、恭しく頭を垂れる。こうして何度も孤児院へ来訪してはさまざま事情でこの孤児院に身を寄せる孤児たちの面倒を見てくれている存在である為、聖堂や教会の聖職者の間でもとりわけ人気の人物を前に、山積みのお菓子の台車を見ながら来訪の目的を聞き)



(/ありがとうございます!!早速絡ませていただきます…!気難しい子ではありますがどうぞよろしくお願いいたします!)


1084: レド [×]
2025-11-02 23:44:57

>1081

クレアさん……へへっ。

(クレアに愛おしく頭を撫でられると思わず彼女を見上げ、子供のようにはにかんで。もう彼女には届かないと思っていた自分の手が、彼女の安らぎになれたことが何より嬉しい。この手の温もりこそ、血塗られた過去の哀しみを乗り越えた先にある優しさか。やっぱり俺は間違っていなかった。彼女に憧れた俺の目に狂いは無かった……と、しみじみしながら頭を撫でられて。
だがふと視線を逸らした途端、その瞳は怜悧な戦士の目つきへと変わる。視線の先にあるのは十一時を指す振り子時計。クレアのような優しき者が排除される魔境。人を手にかけても何の罪悪感も抱かぬ悪漢どもの伏魔殿……王都への旅立ちの時だ。)

おっと、そろそろ出発しないと。このまま一緒にいたかったのに……
あの……もしよろしければ、最後に教えていただけませんか。リーダー……貴女にずっと寄り添い続けたカルロス様のことを。いや、なんというかその、貴女が愛するに足ると信じた男なら、同じ男として目標にすべきだと……そう思いましてね。

(一歩下がってクレアの手から離れつつ、膝をついたまま彼女を見上げ、神妙な表情で尋ねて。「不死鳥の翼」リーダー、カルロス。今もクレアの胸の中にある長年の恋人……否、半身の事をだ。
今回の任務は危険極まりなく、生きて帰れる保証は無い。これがクレアさんとの最初で最後の出会いになる可能性は捨てきれない以上、今聞いておきたいのだ。彼女には酷かもしれないが、同じ女性を愛した男として俺も心に留めておきたいから……と、恐る恐る言葉を選びながらも、その眼差しは真剣で。)

1085: リズリット [×]
2025-11-03 00:11:50

>1083

こんにちは、アンナさん。ええ、そうなのです。ふふっ、アリシア様ったら本当に子供が大好きなのですから。

(顔馴染みの司祭アンナに声をかけられると、リズリットも軽く会釈を返した。子供達のみならず、わざわざ駆け寄ってきてくれた司祭様も元気なことだなと感心しつつ、アンナの推察通り今日もアリシアの使いで来たことを告げる。あの冷徹で、人を人とも思わない副長の人間らしい一面を改めて認識すると、安心感からか思わず笑みが零れた。)

私としても、ずっとお城勤めだと息が詰まってしまいますので、こうして息抜きが出来る機会は有り難い限りです。最近では帝国の武官が視察に訪れているので気が気ではありませんよ…はぁ…

(続けて、こうして使いに出されることへの自身の心境を語る。王位継承を巡る謀略が渦巻く王城では些細な事でトラブルに巻き込まれる為、誰が誰を支持しているだとか、小難しい政治の話を常に意識して振る舞わなければならない。それに加えて今は帝国の人間までも招かれており、情勢は混沌を極めているのである。そんな魔境から離れることを許される時間はリズリットにとって束の間の休息のようなものであり、開放感から大きな溜息を吐いた。)

1086: クレア [×]
2025-11-03 01:04:44

>1084

カルロス…ですか?ええと、彼は…顔は良いですけど、ちょっとおバカで、変態で、剣もダメダメで……う~ん…言葉に表すと難しいですね。ただ一つ、はっきりと言えることがあります。彼は誰よりも優しかったです。

(不意にカルロスについて尋ねられると、クレアは暫し苦い表情で固まった。当然、カルロスのことを片時も忘れたことはないが、だからこそ自ら心の傷を抉るような真似をしたくはないのが正直なところである。しかし、レドの真剣な眼差しを見て、きっと彼にとって必要なことなのだろうと意を決すると、ついに重たい口を開いた。何年も連れ添った、隣に居るのが当たり前だった半身とも言える恋人を言語化するというのは思いのほか難しく、クレアはたどたどしい様子で思い立った特徴を一つ一つ挙げていくが、咄嗟に出てくるものと言えば悪いものばかりである。事実であるのだから仕方ないが、これは不味いとクレアは唸りながら小首を傾げ、今一度カルロスについて考える。自分はカルロスの何処に惚れたのか…長考の末に一つの結論に辿り着いた。「優しさ」、それこそがカルロスの本質である。辛い時に常に寄り添い、求めている言葉を掛けてくれる。クレアにとって、勉学や腕っ節などどうでも良いと思える唯一無二の魅力であった。)

1087: クレア [×]
2025-11-03 01:14:35

>1084

カルロス…ですか?ええと、彼は…顔は良いですけど、ちょっとおバカで、変態で、剣もダメダメで……う~ん…言葉に表すと難しいですね。ただ一つ、はっきりと言えることがあります。彼は誰よりも優しかったです。

(不意にカルロスについて尋ねられると、クレアは暫し苦い顔で固まった。当然、カルロスのことを片時も忘れたことはないが、だからこそ自ら心の傷を抉るような真似をしたくはないのが正直なところである。しかし、レドの真剣な眼差しを見て、きっと彼にとって必要なことなのだろうと意を決すると、ついに重たい口を開いた。何年も連れ添った、隣に居るのが当たり前だった半身とも言える恋人を言語化するというのは思いのほか難しく、クレアはたどたどしい様子で思い立った特徴を一つ一つ挙げていくが、咄嗟に出てくるものと言えば悪いものばかりである。事実であるのだから仕方ないが、これは不味いとクレアは唸りながら小首を傾げ、今一度カルロスについて考える。自分はカルロスの何処に惚れたのか…長考の末にハッとした表情を浮かべて一つの結論に辿り着いた。「優しさ」、それこそがカルロスの本質である。辛い時に常に寄り添い、求めている言葉を掛けてくれる。クレアにとって、勉学や腕っ節などどうでも良いと思える唯一無二の魅力であった。カルロスの優しさを語るクレアの表情は最初の苦い顔から一転して、温かな笑みを浮かべていた。)

(/少し訂正致しました!)

1088: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-03 02:04:35

>1085


教会としてもアリシア様のご厚意には感謝のしようもございません。子供達もリズリット様がいらっしゃるのを楽しみにしておられましたよ?ふふっ…子供は私も好きです。元気いっぱいで純粋で穢れを知らない。此処にいる子供達はそれぞれ事情がありますが…私も元気を貰っています

(既に多数の聖教国の司祭や諜報員…果ては工作員が多数入り込み、策謀が巡り人間種至上主義が着々と根付きつつあるこのフィリア王国で例え偽善であっても、孤児に対して救いの手を差し伸べる存在には打算抜きで感謝を述べる。お菓子を貰ってはしゃぐ子供達を見て、笑みを浮かべながら自分も子供が好きだと零す。だが彼女の言う「好き」の中には純粋あるが故に政治思想を植え付けやすく、知恵をつけて賢しくなった大人よりも信徒化させやすいからという邪悪な感性も入っている。)


確かに…お付きともなるとご苦労も絶えないでしょう。こうして少しでも息抜きが出来るならば今後もいらして下さい、子供達も待っていますから。何ならば私で良ければお話をお聞きしますよ?



(聖教国の教会内でも派閥闘争なんてものは多々あった。彼女にとっては教皇を信ずる者同士何を争う必要があるのか無意味な争いにしか見えなかったが王国の、ましてや彼女は第三王女の侍女と記憶している。王族内では日常茶飯事なのだろう。相手の声色からもその気苦労が聞いて取れたため労う様に言葉をかけて。ゆっくりと大聖堂を指差し、司祭として祈りのポーズを見せれば告解もやりますよ、と笑みを零す)

…帝国の武官までも…ですか。色々としがらみも多い中で遠方の国とも牽制合戦…心中、お察し致します。教会としても帝国とは因縁浅からぬ間柄故、何も起きなければ良いのですが

(だがその後に聞こえてきた帝国の武官、というワードを聞けばその顔からすぐに笑みが消える。彼女にとっては仇敵にも等しい国でもある為憎悪の感情が滲み出そうになるが気取られないように言葉を選んで、既に国交断絶状態にある祖国と帝国に対して王国がどうなってゆくのかを憂いて)



1089: リズリット [×]
2025-11-03 09:35:00

>1088

あぁ…聖教は帝国との間に色々あったのですよね…では、暗い話題はこのくらいにして、お言葉に甘えて世間話でも致しましょうか。罪の告白は少々気恥しいので…またの機会に。

(笑みの消えたアンナの表情から帝国の名前を出したことは迂闊だったと反省し、告解まではいかずとも世間話でもしようと提案して。自らの罪、主君を裏切る行為の数々はとても人に明かせるものではない。いつか罪悪感に苛まれ自死すらも選択肢に入れることがあるのなら、その時に利用しても良いかもしれないと、気恥しさを装う照れ笑いの裏で重たい考え事をしていた。話しているうちにも並行して菓子を配り終え、孤児院の中へ戻っていく子供達の笑顔に、リズリットの荒んだ心も幾分か癒されたようだ。)

1090: レド [×]
2025-11-03 21:38:06

>1087

ふっ、あははっ!俺の師匠(オヤジ)も似たような男でしたよ。つまりなんとも人間臭くて……誰より人間らしい方だったわけですね。

(ハハ、カルロス様は聖人どころか案外抜けてる男だったとはと、思わず大笑いして。だがそこに師匠(オヤジ)……剣の教えは立派だったけど、その実ガサツで寂しがり屋で未練がましいダメ男……たとえ不完全でも、人に愛を与える優しい男の事を見出だした。カルロスも師と同じように、なんとも人間らしい方と締めくくると、同じく温かな笑みを返して。その笑みには感心とあきらめが含まれる。「あぁ……こりゃ勝てんわ」と。)

クレアさん、貴重なお話をありがとうございました。俺はちっぽけなカラスに過ぎないが、剣士として行ける所まで羽ばたこうと思います……貴女方おふたりの、優しさを胸に。

(そろそろ退室する頃合いだろう。立ち上がって落とした刀を拾い、差し直して。カルロス様……クレアさんを長年支え続けたその優しさは尋常では無い。そして罪に苦しみながらも人を救わんとするクレアさんもまた……二人に届くのはいつの日か。改めてクレアの側に立つとカラスのように黒ずくめの身体をピンと伸ばし、穏やかに微笑みながらの敬礼を別れの挨拶として。)

1091: クレア/エルフリーデ [×]
2025-11-03 22:48:09

>1090

ふふっ、そうかもしれませんね。
…はぁ…それではレドさん、お城勤め頑張ってください。レドさんならきっと、どんな壁も乗り越えられると信じています。

(「人間らしい」。この表現にクレアは心底納得がいき、レドの大笑いに釣られたことも相まって思わず吹き出した。よく食べ、よく寝て、夜にはどこに隠していたのであろう体力を発揮する。まさに人間らしさを体現したカルロスの振る舞いを鮮明に思い出し、笑わずにはいられなかったのである。しばらく思い出し笑いで肩を震わせていたが深呼吸をして平静を取り戻すと、レドを真っ直ぐに見つめて激励の言葉を掛けた。)

…スー…スー…

(ギルド前に停められた近衛隊の馬車の中、エルフリーデは片側の座席を占有して横になり、心地良さそうに眠っていた。夜通し遊び呆けた挙句に朝から酒瓶を空けていたため眠気に抗えなかったのであろう。悪魔のような性格とは裏腹に、窓から差した光に照らされて輝く銀髪も相まり天使のような寝顔である。別れ際にレドに告げた「また後で」という台詞はこの馬車での再会を指していたのである。シエルが任務を優先するあまり刺されたことを事件化しないことを見越していたようだ。帝国の武官を連れ帰れというアリシアの命令もあり、馬車の御者も特段気にする素振りはない。)

1092: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-03 23:18:10

>1089


はい…お察しの通りかの国と聖教国は既に敵対関係といっていいもので。リズリット様もお気を付けください。帝国の者達は危険な思想を抱いております

(帝国内の教会で働いていた彼女にとってはまさしく思い出したくもない思い出の1つでもあった。幸い地理的にも王国と帝国は遠く、互いに牽制し合っている段階の為まだ脅威という脅威は見えてはいないが帝国で受けた焼き討ちの被害者でもあった為か、王族に近い位置にいるリズリットに忠告の意味も込めて気をつけろと零して)

ふふ、神はいつも皆を見ておいでです。悩まず告解する事できっとお許しになられます…いつでもお待ちしておりますよ。して、貴女は第三王女の侍女であった筈。第三王女…ルイーズ様はご息災であられますか?

(両手を合わせて祈りの格好を取ったまま、目を瞑って静かに告げる。彼女の抱える事情の全てを知っている訳ではない為聖職者としての言葉で、優しく諭すように声色を落とし、そして目を開けて笑みを浮かべて。ふと、思い出したかのように彼女が仕える主君、第三王女について問うて。孤児院へは王国騎士副隊長、アリシアの名代で来てはいるが本当の主君は第三王女ではないのかという口調でリズリットを見ては、その主君の身を案じて)




1093: リズリット [×]
2025-11-04 19:21:44

>1092

ご忠告痛み入ります。はい…ルイーズ様は今朝も変わらず元気なご様子でしたよ。最近では嫌いだったピーマンも食べられるようになられたのです。うぅ…立派に成長されました。

(本音を言えば聖教徒でないリズリットにとって、帝国も聖教国も似たようなものだと考えているのだが、当然ながらそんな失礼な印象は心の内に留めて素直に忠告に感謝を述べた。続けてルイーズの話題に移ると、リズリットは己が抱える罪悪感から一瞬だけ視線を逸らすもののすぐに戻し、今朝の様子、そして嫌いな食べ物を克服できたことまで伝える。ルイーズの成長を語る際には大袈裟にもハンカチで涙を拭う仕草を見せる。ルイーズのことが好き過ぎてという訳ではなく、これは罪悪感を紛らわす為の空元気である。)

1094: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-05 02:13:43

>1093


まぁ…それはそれは。まだまだお若い身ではありますが1つ1つ、成長なされているのですね…アリシア様もさぞお喜びでしょう。


(彼女の素性を知らないアンナは、その心に住まう闇と罪の重さを測り知る事は出来ない。しかしながら聖教国とも関わりの深い王国の近衛騎士の長たるアリシアが擁立する王位継承者候補の微笑ましい一面に、聖教国出身者としての思惑抜きで若き第三王女の成長を喜んで)


しかし…こうしてお恵みを下さるアリシア様とは一度お会いしてお話を聞きたくはありますね…もしかすれば聖下(教皇)や聖女様あたりは既に会われているのかもしれませんが。

(こうして孤児院へ寄付や孤児たちに施しを与えてくれる存在は、いち聖職者としても尊敬に値するものであり羨望の眼差しを向けながら、王城のある方向を見て。派閥闘争うず巻く伏魔殿とも言えるその場所は何も知らないアンナにとっては手の届かない、高みにある場所のようで)




1095: レド [×]
2025-11-05 06:52:12

>1091

ありがとうございます!ではこれにて。……あっ、またリンゴ食べさせてください!

(クレアさん、いい顔になった。満面の笑みで激励の言葉に応えて退室……そして廊下に出ると無邪気に笑いながらリンゴの話を持ち出すと一礼してドアを閉め、今度こそクレアの前から姿を消して)

ふぅ…………分かったか?俺が会うのをためらった意味が。
「あー……うん、まあね。昔のレドが相手しちゃダメな人だったわあれは……メンゴメンゴ」
「アハハ……ごめんよ、ボクも見抜けなくて……いい顔になったねレド。あの人の言う通り、今のレドなら何でも乗り越えられそうだよ。」
「いってらレド。生きて帰ってくるんだぞ。愛しのアリシアちゃんと一緒にね。」
ああ、行ってくる。土産話ならたっぷり持って帰るから楽しみにしていろよ、お前たち……

(静まり返った廊下。ふと脇を見やれば、光差す窓の下に昔の仲間・眼鏡の魔法使いと褐色の女戦士の姿が見える。彼らには「敬遠してないでクレアと会え」と尻を叩かれたが、昔の未熟な自分がクレアと会っていたらお互いを傷つけるだけで終わってただろう、と、仲間に呆れ顔を向けて。しかし十分な経験を積んだ今の自分は多少なりともクレアさんの癒しになれた。剣術指南としてもやっていけるだろう……仲間の見送りの言葉に親指を上げて応えると、踵を返して廊下を出て。もっとも、傍から見ればレドが誰もいない窓の光にブツブツ独り言を吐き、親指を立てているようにしか見えないが……)



「あっお前!向こうに「首狩り」がいただろう!俺と会わせろっ!」
ああ?何だよ急に。いいからどけよ。というか、会ってどーすんだよ。
「知れたこと!あの女を倒して、今日から俺が「首狩り」として名を上げてやる!」
…………バカなことを。
「なっ、なんだと!?」
そんな二つ名、喜んでお前にやるよ。その方があの人も安心するだろう。というか、もういないんだ「首狩り」は。今あそこにいるのは「首狩り」でも騎士様でもない。長い戦いで哀しみを背負った、一人の女性……
「ふざけんな!」

(食堂に戻ると、先ほど掲示板の前で「首狩り」に代わり名を上げると息まいていた男に絡まれる。レドは元の荒くれとして冷たく睨みつけていたが、やがて目の前の男が「賞金首狩りとして悪を倒す剣聖」などと「首狩り」の意味も知らずに崇めていた昔の自分と重なって憐れみを覚え、静かに説得し始める。そんな姿に逆上した男が襲い掛かってくるが……)

「グッ……!?ガハッ……!」
……お前じゃあの人には勝てない。いや、あの人を斬って名を上げたところでその先には何も無い……無駄なことだ。
「たっ、たす……ぐがっ……」
覚えとけ。これこそが、首を狩られる痛み……血に酔う前に引き返すんだな。
(突っ込んでくる男の首に左手を差し込むと、そのまま壁に叩きつけて。首から血が流れるほどにきつく締め上げられ苦しむ男をレドは冷徹に睨み、淡々と諭し、諭し終わったところで手を離す。)

あぁ……やっちゃった。俺もまだまだ、あの二人のように優しくなれねぇなぁ……

(首を押さえてせき込み泣きながら去る男を尻目に、男の血の付いた左手を残念そうに眺めて。俺もクレアさんやカルロス様には程遠いな……血を見ずにはいられない性分という意味では、俺もあの帝国兵の女と同類かもしれない……と溜息を吐くと、手近にあった布巾で血を拭って。唖然とする周囲の冒険者には目もくれず受付に向かって静かに歩き、預かっていた荷物一式を引き取ると、新たなる試練……外に控える近衛隊の馬車に乗り込むべく、扉を開けてギルドを出た。)

1096: リズリット [×]
2025-11-05 14:59:09

>1094

はい、つい先月に聖教国に赴かれて、その際に教皇様に謁見し、聖女様とは会食をされたと聞いているのです。こちらにも何度か予定の合間を縫われてお伺いしていたのですが…ご多忙の身ゆえ滞在時間も限られますし、おそらくアンナさんとはタイミングが合わなかったのでしょう。私の方からもアリシア様にそれとなくお伝えしておきますね。

(アンナの推測通り、アリシアは既に教皇や聖女との接触を図っていた。リズリットにはその目的は不明だが淡々と知り得る事実を告げる。上位の騎士とはいえ一国の長に謁見出来ることには確実に裏がある。諜報機関に属する者として、あわよくばこの機会に教会側の人間から情報を収集出来ればと考えていたが、反応を見る限りアリシアとの接点がないアンナは白のようだ…と、笑顔の裏で品定めしていた。であれば詮索は程々に通常の会話を維持すべきだろうと判断し、会って話をしてみたいと言うアンナの要望をアリシアへ伝えることを約束した。)

1097: クレア/エルフリーデ [×]
2025-11-05 15:01:11

>1095

ええ、勿論です。はぁ…

(応接室を去るレドの後ろ姿を、クレアは温かな笑みを浮かべたまま手を振って見送った。完全に姿が見えなくなると、また一人になってしまった寂しさから小さく溜息を吐き、ビールに口を付けてその孤独を紛らわす。しばらく感傷に浸っていると、応接室のドアがノックされギルドの職員が顔を出した。職員の手には王家の家紋の封蝋で閉じられた手紙が握られており、事態を察したクレアは顔を引き攣らせる。レドのお陰もあり少しだけ前を向けるような気がしていたタイミングで、黒い鷲の紋章が新たな波乱の幕開けを告げた。)

貴殿が冒険者のレド殿とお見受けする。シエルの救出ご苦労であった。さ、あまり時間は残されていないんだ。準備が済んだのなら速やかに乗車してくれ。

(全身黒ずくめのポニーテール、この特徴からレドを特定することは容易かったことであろう。レドがギルドから出てくるなり甲冑に身を包んだ馬車の御者が声を掛けた。近衛隊は当番制で御者を回している為、面識のない様子から以前会食の場に手配された御者とは別の人物である。御者は同じ近衛兵としてシエルの一件で建前上の礼は言うものの、随分あっさりと話を済ませて乗車を促した。近衛隊一の雑用係と自称するだけあって、シエルはアリシア以外にも邪険にされていることが容易に窺える。そのことを一層肯定するかのように、御者が馬車のドアを開けると、中には騒動の犯人であるエルフリーデが心地良さそうに眠っているのであった。)

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