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 ファンシーランド ( 指名制 ) /15


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■: 案内人 [×]
2022-02-11 21:17:16 



── Welcome to the Fancyland.

ここには、君を悪く言う人も、馬鹿にする人も、無視する人もいない。

君のためだけの、やさしい世界。
さあ一緒に遊ぼう。君が、帰り道を見失うまで。


  >1 やさしい世界の歩き方
  >2 やさしい世界の住人達
  >3 やさしい世界の主人公





1: 案内人 [×]
2022-02-11 21:18:30




きらきら、ふわふわ、あまくて、かわいくて、たのしいものだけで溢れている。それがファンシーランド。
ファンシーランドへの行き方は簡単。現実で『もう嫌だ、ここじゃないどこかに行きたい』って思った時に目を瞑る。次に目を開けた時には、もうファンシーランドにいるはずだよ。

ルール
・サイトの規約とマナーは守ってね
・ロルは最低150字は書いてね
・pfの提出時と〆レス時は次回の指名をしてね
・指名時には性別が選べるよ。指名表は ( 男性 ) / ( 女性 ) の順で書いているから名前で指名してね。一度選ぶと以降変更はできないよ





2: 案内人 [×]
2022-02-11 21:22:27





「 君は何モしなくテいい、何も考えなクテいい。さァ、全部ボクに委ねテ── 」

名前: ルイ / ルナ
容姿: 頭部をそっくり覆う柔らかなブロンドの髪の西洋人形。右目がレッド、左目がブルーのオッドアイ。陶器のようなつるりとした肌に、端正な顔立ち。ワイシャツにループタイ、ベスト、ハーフパンツ、ローファーの服装。見た目は14歳ほど。身長162cm。/ 背中まで伸びる柔らかなブロンドの長髪の西洋人形。右目がレッド、左目がブルーのオッドアイ。陶器のようなつるりとした肌に、端正な顔立ち。ブラウスに細身のリボン、膝上丈のスカート、ローファーの服装。見た目は14歳ほど。身長154cm。
備考: 世話好きで甘やかし上手な西洋人形。身の回りの世話から遊び相手まで、あなたの要望を全て引き受けてくれる。常に穏やかで落ち着き払っていて、感情的になることはほとんど無い。一人称は『ボク/ワタシ』。



「 ねぇ、ここにいて。どこにも行かないで。おねがい、おねがいよ。私にはあなたしかいないの、あなただけなの 」

名前: フローレス / フローリア
容姿: 耳の下辺りまでの薄桃色の髪。繊細な髪は束ごとにゆるやかな波形を描いている。前髪は掻き上げたような右分け。琥珀色の瞳に、美しくもやや薄幸そうな顔立ち。真っ白なシフォン生地のローブに身を包み、頭には色とりどりの花を編んだ花冠が載せられている。見た目は27歳ほど。身長175cm。/ 背中まで伸びる薄桃色の長髪。毛先に行くにつれてゆるくウェーブがかかっていて、前髪はセンター分け。琥珀色の瞳に、美しくもやや薄幸そうな顔立ち。真っ白なシフォン生地のローブに身を包み、頭には色とりどりの花を編んだ花冠が載せられている。見た目は27歳ほど。身長163cm。
備考: 依存的な花の精。あなたと居る時にはとびきりの笑顔を見せ、拒絶されればこの世の終わりのような顔をする。涙ながらに縋りつく様は悲劇のヒロインさながら。一人称は『俺/私』。



「 何があろうとおれはあなたの味方だ。あなたがこの世界で最も美しくて、最も正しい。たとえ、あなたが誰かを殺しても、おれを殺しても、自分自身を殺したとしても 」

名前: キーファ / エーファ
容姿: 片目を隠す輝く白銀の髪。頭部からは獣耳が生え、尾骨の辺りからは尻尾の生えている。何の動物に見えるかはあなた次第。翠色の瞳と、ツンと澄ました顔立ち。薄手のマフラーとかっちりとしたジャケット、スラックスの格好。見た目は18歳ほど。身長173cm。/ 片目を隠す前髪と、後ろでゆるく編まれた白銀の長髪。頭部からは獣耳が生え、尾骨の辺りからは尻尾の生えている。何の動物に見えるかはあなた次第。翠色の瞳と、ツンと澄ました顔立ち。薄手のマフラーとかっちりとしたジャケット、ショートパンツ、ブーツの格好。見た目は18歳ほど。身長158cm。
備考: 盲目的な獣人。あなたに全幅の信頼を寄せ、あなたのどんな言動も全肯定する。物腰は柔らかいが表情筋はあまり仕事をしない。一人称は『おれ/わたし』。



「 君は僕が今まで出会った中で一番綺麗だし、僕が知る中で一番賢い。君の長所を挙げ出したらキリがないからこの辺にしておくけれど、要するに君は神の造りたもうた最高傑作というわけさ。……え? この世界に人間は自分しかいないのだからそんなのは当たり前だって? さすがだ。やはり君は聡明だね 」

名前: ロキ / ロア
容姿: サラサラと流れるような純白の髪。顔の上半分は笑う目元を描いたハーフマスクで覆われていて、下半分からしか表情は読み取れない。スタンドカラーのシャツに七分丈のワイドパンツの全身黒の格好。見た目は16歳ほど。身長170cm。/ ツーサイドアップの純白の長髪。顔の上半分は笑う目元を描いたハーフマスクで覆われていて、下半分からしか表情は読み取れない。黒を基調としたゴシック調ドレスの格好。見た目は16歳ほど。身長156cm。
備考: よく口の回る仮面の男・女。あなたを褒め称えてくれるけれど、表現が大袈裟でちょっと胡散臭い。いつも仮面に合わせて口元に笑みを浮かべている。一人称は『僕/僕』。



「 あー、かったりぃ。やってられっかよこんなこと。決まり事なんざ糞食らえだ。あんたもそう思うだろ? 」

名前: マーチ / マリー
容姿: やや硬質な塗り潰されたように真っ黒の髪。吊り目がちな菫色の瞳に、気の強そうな勝ち気な顔立ち。黒い縦長の帽子に、赤のナポレオンジャケット、黒のスラックスの格好。肩には装飾の施された銀の銃を担いでいる。見た目は23歳ほど。身長178cm。/ まっすぐで艶のある黒の長髪。吊り目がちな菫色の瞳に、気の強そうな勝ち気な顔立ち。黒い縦長の帽子に、赤のナポレオンジャケット、黒のスラックスの格好。肩には装飾の施された銀の銃を担いでいる。見た目は23歳ほど。身長167cm。
備考: 決まり事が嫌いなおもちゃの兵隊。一緒にいれば自由で刺激的な経験ができるはず。何もかもが気に食わない破壊衝動の権化。一人称は『オレ/アタシ』。



「 待っていたよ、僕のお姫様。君が望んでくれるのなら、愛の言葉だって口づけだって何度でも贈ろう。だからどうか、この手をとって。君に触れたくって堪らないんだ 」

名前: シャルル / シャルロット
容姿: チョコレートのようなダークブラウンの髪。つむじの辺りには雪のような粉砂糖が降っている。淡い瑠璃色の瞳と、清潔な色香の漂う顔立ち。髪より少し明るい茶系のスーツにベリー色のポケットチーフの格好。見た目は25歳ほど。身長177cm。/ チョコレートのようなダークブラウンの長髪。つむじの辺りには雪のような粉砂糖が降っていて、ハーフアップにした髪を留めるのはベリー系の果物がモチーフになったバレッタ。淡い瑠璃色の瞳と、清潔な色香の漂う顔立ち。髪より少し明るい茶系のワンピースの格好。見た目は25歳ほど。身長162cm。
備考: ひたすら甘く甘くあなたを求め続けるお菓子。四六時中愛の言葉を囁き、四六時中べたべたと触れ合っていたがる。一人称は『僕/私』。



「 見てて見てて! いっくよ~~……はい!アクロバット! からの~~、マジック! からの~~!変顔!! 」

名前: ララ / リリ
容姿: 耳の下辺りまでの亜麻色のショートボブ。ぱっちりとした鴇色の瞳と、幼さの残る顔立ち。ショートジャケットにバルーンシルエットのショートパンツ、ショートブーツ、頭には小さなハットが載せられている。見た目は15歳ほど。身長155cm。/顎辺りまでの亜麻色のショートボブ。ぱっちりとした鴇色の瞳と、幼さの残る顔立ち。ショートジャケットにバルーンシルエットのショートパンツ、ショートブーツ、頭には小さなハットが載せられている。見た目は15歳ほど。身長155cm。
備考: ひとりっきりのサーカス団。いつだってどんな期待にだって応えてくれる最高のエンターテイナー。あなたを笑顔にすることだけが生きがい。一人称は『ぼく/あたし』。



「 ーー、ーーーーーーーー 」

名前: ーー ( 指名時は『影』と記載 )
容姿: あなたと同じシルエットをしている。
備考: ファンシーランドを彷徨う謎の影。見えるようになったり見えなくなったりと姿が定まらない。あなたが一番聞きたくない言葉を投げかけてきて、『遭遇』の場合は3ラリー経過後、他のキャラクターが強制的に影を殺しに来る。自分から会いに行った場合はそういった制限は無し。初回指名では必ず『遭遇』となる。あなたが影と向き合った時、ファンシーランドから現実へと帰ることができる。






3: 案内人 [×]
2022-02-11 21:23:50




名前: 
読み: 
性別: 
年齢: 
容姿: 
性格: 
備考: ファンシーランドに来た経緯など
指名: 
ロルテスト: ファンシーランドに迷い込んだ場面を





4: 案内人 [×]
2022-02-11 21:26:26




さみしくなったらいつでもおいで。ファンシーランドは君を否定しない。ファンシーランドは君を脇役にしない。ファンシーランドは、君を帰さない。

( / これよりレス解禁です! あなたのご参加をお待ちしております。 )





5: 匿名さん [×]
2022-02-12 18:34:37



名前: ロベニカ・アーティス
性別: 女
年齢: 17
容姿: 毛先がくるりとカールした腰下までの長さの鴇色の髪。キツい印象を与えがちな吊り目に深みのある柘榴色の瞳、丁寧にケアされた白い肌。上等な白いブラウスの襟には紺のリボン、紺の生地のロングダーンドルスカートはタータンストライプ柄。肌と同色のストッキングに赤いエナメル質のパンプスを履いている。背丈は160cm程度で年齢よりも大人びた雰囲気を持つ。
性格: 気位が高く、どこか高圧的で上から目線。ツンとした印象を受ける容姿と相違ない性格をしているが、懐に入れた相手には本来の寂しがり屋の依存的な性質を発揮しよく懐く。また言動は高飛車気味であるものの人を気にかける優しさを持っており、目標のために懸命に励む努力家でもある。冷めた態度は臆病の裏返し。
備考: 財閥の一人娘にして親族の中では鼻つまみ者。平凡な能力を努力で補っているものの、能力至上主義の一族には受け入れられず愛なき家庭で育ってきた。さらには彼女を産んだ際に母が身体を悪くしてこれ以上の子を望めず、彼女のみが本家の血を引く唯一の人間のために余計に重圧がかかる日々でただ一人の味方であった母も病で亡くなり、世界に絶望したことによりファンシーランドへとやって来た。
指名: ロキさん
ロルテスト:

( 母の葬儀は昨日執り行われた。しとしとと降る重い雨はまるで己の心の内を表すようで、それが無性に腹立たしかった。その翌日、母の死を悼むという体で行われた親族会議ではやはり本家の血を引く己が如何に出来損ないかという話題で大盛り上がりで、いつものように針のむしろ。ただ違ったのは、この世でただ一人味方で居てくれた母を失ったということ。優しく語り掛けてくれるあの声も、庇ってくれる背ももう存在しない。けれど日常は何事もなく回っていき、何事もなく責められる。怒る気力などとっくの昔に置いてきてしまった心でただ、もう嫌だとぽつりと思ったのだ。その一つはすぐに溢れて、段々と"嫌"に塗りつぶされて、逃げたい気持ちが抑えられずに堪らず目を閉じた。するとどうだろうか、あれほど耳障りだった声はすーっと引いていき、怪訝に思い目を開ければ親族も屋敷も全て消えていた。あまりの変貌に愕然とし、足の力が抜けてぺたりとその場に座り込めば震える声音で誰に聞かせるわけもなく呟き。 )
なによ……ここ。親族たちは?あたし、どうしちゃったのよ。

( /初めまして。素敵な世界観に一目惚れし参りました。早速pfを作りましたので、御手数ですがチェックをお願い致します。 )




6: 仮面の男 [×]
2022-02-12 20:15:57




>ロベニカ

【 >5 / 小高い丘の上 / ロキ 】

( だだっ広い野原の上に、少女が一人座り込んでいる。カールのかかった鴇色の長髪、皺一つない真っ白なブラウスにタータンストライプのスカート、つるりと光るエナメルの赤い靴の、気取った淑女のような女の子。僕は彼女を知っている。ロベニカ・アーティス。血筋のためにありふれた人生を許されなかった、ひとりぼっちの女の子。今まさに、一人知らない世界へと迷い込んだ彼女の元へ、ゆったりとした足取りで歩み寄る。彼女のいる場所まで来ると、このファンシーランドの街並みが見渡せた。まるで絵本に出てくるようなカントリー風の家々、遠くにはおもちゃの王宮、色とりどりの木、空には綿菓子みたいな雲が浮かんでいる。彼女の目の先に広がるものを一目、一緒に眺めた後、それを遮るように前に立つ。口元ににっこりと笑みを浮かべると、へたり込んでいる彼女を見下ろしながら一方的に言葉を投げ掛けて )
ロベニカ。ロベニカ・アーティス。ようこそ、ファンシーランドへ。ずっと君を待っていたよ。一人で立てる? 立てない? 手を貸す? 貸さない?


( / ご興味を持っていただきありがとうございます。pfに不備等ございませんのでロルテストへの返信を書かせていただきました。何か不都合や気になる箇所があればご遠慮なく仰ってくださいませ。これからよろしくお願いいたします。 )





7: ロベニカ [×]
2022-02-12 23:22:09



>ロキ( >6)

ふぁ、ファンシーランド?なによこれ、夢?それにどうしてあたしの名前を──ああもう、夢ねこれ。そうでなきゃ有り得ない。
( 生まれてから一度だって現実で見たことの無い世界、幼子の空想の具現の如き景色にポカンと惚けていれば足音が。衝撃と油断で混乱していたこともあり、前に立たれるまで気が付かずに、毛を逆立てる猫の如くビクリと肩を跳ねさせれば冷や汗を一粒流して。顔の半分を仮面で覆った男、弧を描く口元しか見えない表情からは感情が窺い知れずに警戒を露わにして。名乗った覚えのない己の名を呼ばれればますます眉間に皺を寄せて怪訝そうに見上げるが、あまりにも奇想天外な出来事を夢だと思い込んだようだ。さらに目線を上へ、己の心中とは真逆にのどかな空を睨めつければ大きな溜め息を吐き出して、不遜な態度で遠慮無く腕を伸ばし。 )
手を貸してちょうだい、明晰夢なんて初めてで力が抜けてしまったの。何処から何処までが夢なの?お母様が亡くなったのも、もしかして夢?

( /参加許可ありがとうございます。よろしくお願い致します。)



8: 仮面の男 [×]
2022-02-13 00:14:40




>ロベニカ

【 >7 / 小高い丘の上 / ロキ 】

夢? ──ああ、そうだね。そうとも。その結論に辿り着くのが最も自然だ。君はとても理性的で合理的な頭脳の持ち主だということが今、証明された。
( 弧を描いていた口が、彼女の発言によって一瞬ぽかんと開く。自分の存在を疑われたのは初めての経験だった。自身が幻でないと断言することも証明することも僕にはできはしない。それでも〝ロキ〟は確かにここに存在するのだ。その自意識さえ不確かだと言われてしまえば、もはや僕の手には負えないのだけれど。とにかく、小難しい話はやめだ。半ば強引に思考を断ち切ると、また笑みを浮かべる。そして、至極真っ当な結論を導き出した彼女に一時の肯定と共に称賛をおくる。ここは彼女のためだけの世界。『向こう側』からやって来るのは彼女くらいなものだから、こういう時どういう反応をするのが普通なのかなんて知る由もないけれど、冷静さを失わない辺りがさすが我らのロベニカ・アーティスだ。訝しげな目を向けていたにもかかわらず、こうして素直に腕を伸ばして手助けを求める適応能力の高さも評価されるべき点。その頼りないほど細い手を取って、彼女が立ち上がろうとするのに合わせて腕を引く。彼女が立ち上がったのを確かめて、そして、子どもに言い聞かせるように注意深く続きの言葉を紡ぐ )
けれど、ロベニカ。これは夢じゃない。君の母親の葬儀は確かに今日執り行われたし、この場所だって僕だって確かに存在している。幻がこんなに強く君の手を引けるものか。





9: ロベニカ [×]
2022-02-13 16:16:57



>ロキ( >8)

( 初対面、少なくとも彼女にとってはそのはずだがペラペラと放たれる褒め言葉はずっと誰かにかけてほしかったもの。何処と無く軽薄で胡散臭さはあるものの、たとえそれが世辞であろうとも渇望していた言葉には気分が悪くなることもなく、引き結んでいた口元を僅かに緩めて大人しく手を引かれれば、よろめきつつも己の足でしっかりと立ち上がり。そして、言い含められる事実には愕然と目を見開き、震えた吐息を漏らしたものの、次の瞬間には平常を取り繕い澄まし顔を。環境への適応も諦めの早さも培われてきたが故にお手の物、逃げたいと願った環境から逃げることができた、目の前の彼もこちらに害を加えようと思えばいつでもできたはず。ならば少なくとも己の脅威にはなり得ないと判断して、彼の言葉の真偽を再度確かめるようにそっと己の手に視線を落とせば、曖昧ではなく確かに存在する実体に触れた感覚が残っている。夢幻の類ではなく現実と認識すれば、知らない世界に飛ばされたにも関わらず不思議と落ち着いた心持ちの己がいた。改めて見渡せば広がる世界はさながら不思議の国、では彼が兎や猫のような導き手なのだろうか。)
そう、夢ではないのね。何もかも本物なら、大嫌いな親族から逃げられたのも本当のことよね。……ファンシーランド、ね。貴方が不思議の国の案内役とでも言ったところかしら、名前はなんと言うの?



10: 仮面の男 [×]
2022-02-13 20:48:25




>ロベニカ

【 >9 / 小高い丘の上 / ロキ 】

僕はロキ。君のような素晴らしいひとに一番に会えて光栄だよ。
( 彼女はどうやらこの状況をひとまず受け入れることにしたらしい。最初に比べると大分落ち着いた様子で、現状把握を試み始める。彼女がこの世界を夢ではないと心から信じているか否かは定かではないけれど、もしそうならばその心根の素直さを、そうでなければその思慮深さと柔軟性を褒め称えずにはいられない。彼女の問い掛けに対して、とりあえずはすぐに答えられる自身の名を名乗り、それだけではあまりに味気ないので挨拶代わりの社交辞令と共に恭しくお辞儀をして見せる。彼女がいかに素晴らしい人かという説明は、長くなる上言うまでもないことなので割愛した。続けて、彼女の発した〝不思議の国の案内役〟という呼称について言及する。疑似的な名称や役割を与えてある程度の輪郭を掴むというのは事象を単純化して捉えるのに非常に有効な手段であり、今のこの複雑な状況を整理するには必要な行程だ。その過程で本来のニュアンスが多少変わってしまったとしても、それは彼女の落ち度ではない。しかし、それをそのまま伝えれば彼女は『間違えた』と自分の能力を低く見積もってしまいかねない。ロベニカ・アーティスは自身の能力について敏感で、自分に厳しい少女だった。彼女にマイナスな感覚をできるだけ与えず、ニュアンスを本来の位置まで修正するとなると、これはなかなか至難の業だ。言葉を尽くす以外の方法がない。そんなわけで注釈だらけの本のように迂遠で曖昧な説明と相成ったそれは、果たして彼女にどのように受け取られるのだろうか )
しかし、僕が〝不思議の国の案内役〟というのはある意味ではそうだし、ある意味ではそうじゃない。もちろん、今の一瞬でこの単語を引っ張り出してきた君の瞬発的想像力と言語性知性には頭が下がるばかりなのだけれどね。この世界では、すべてが君の裁量で決まっているんだ。つまり、ロベニカ。正確に言うと、僕が案内役としてここに来たわけじゃなく、君が僕をここに呼んだんだよ。


( / ということで本当に長くなってしまって申し訳ないです。次からはもっと短くします… ( ) )





11: ロベニカ [×]
2022-02-13 23:31:22



>ロキ( >10)

そう、ロキというのね。呼びやすくて良い名前だわ。……気を悪くしないでね、あたしは貴方のように褒め上手ではないの。
( どこかの神話の神を彷彿とさせる名は彼によく似合っている気がした。なによりも響きが良い、だが彼のように滑らかに回る口は持っていないので出た言葉も少々上から目線のものとなってしまった。感じ悪く取られてやしないかと心配になったのは、目の前の相手に先程よりも警戒心を抱かなくなったが故だろう。とはいえ失礼だったと思い直し弁解を付け加えて。語られる話はやはり現実味が薄く、地頭がよいとは言い難いために内容を噛み砕こうと口元に手を持っていき考える仕草をとり。きっと、逃げたいと思ったからこの世界に来たのだろう。しかし、招かれたものと自然に認識していたために己が彼を呼んだのだという自覚はなく。彼女にとってみれば目を閉じて開けると未知の世界へと転移していたので、知覚と体感の伴わない知識はやはり飲み込み難いらしい。それでもなんとか立てた考察は、"己に都合が良い世界"ということ。彼以外の情報源がない中では漠然とした結論止まりで。とはいえ本で見た物語に則ればこういう幻想的な出来事に課題は付き物、現実にまで当て嵌めるのは滑稽だろうが、気掛かりは解消しておきたい。彼の巧みな言い回しのおかげで劣等感が刺激されることもなく、またそれほどまでに気を回してくれているとは知らずに疑問を投げ掛けて。 )
あたしが、貴方を呼んだ?それにあたしの裁量でって、なんだかまるで女王様にでもなってしまったみたいな話ね。……文学ではこういう場合、何かしらの成すべきことが課せられたりするけれど、そういうものもないの?

( /いえいえ!こちらも長さが安定しませんのでどうかお気になさらないでくださいませ!/蹴推奨 )



12: 仮面の男 [×]
2022-02-14 12:29:15




>ロベニカ

【 >11 / 小高い丘の上 / ロキ 】

気を悪くなんてするものか。僕にとっては他でもない君に褒められたという事実が重要なんだ。それに、褒め慣れている相手より、褒め慣れていない相手から褒められた方が喜びもひとしおというものさ。
( 自身の褒め言葉が失礼にあたるのではないかと気にする彼女に、変わらぬ笑みを浮かべたままつらつらと答える。僕が彼女を褒めることは当たり前だけれど、彼女が僕を褒めることは当たり前ではない。彼女はその辺のことをあまりよく理解していないのだろう。つまり、褒め言葉ひとつ取ってもその価値がまるで違うのだ。しかし、僕はロベニカのそういう謙虚で高潔な性格を好ましく思っている。これも付け足そうかと考えたけれど、たった一言に対して面接のように何文も返すのは如何なものか、なんて今更過ぎることを考え、口に出さないでおくことにした。その他にも彼女に伝える言葉ならいくらでも浮かぶのだけれど、コミュニケーションはキャッチボールなのだと聞いたことがある。僕は投げ過ぎだろうか。まあ、会話が成立しているうちは良しとしよう。顎に手を当て、僕の説明を咀嚼している彼女をしげしげと見る。摩訶不思議な世界に放り込まれても思考を止めないその姿は、どんな理不尽にも投げ出すことなく立ち向かってきた彼女の生き様を表しているようだった。じき、目を上げて、未だ思考はまとまっていない様子ながらも一つ二つ質問を投げ掛けてくる。それは明らかに警戒の色を含むものだったけれど、『これからどうすれば』なんてこちらに委ねる訊き方ではないのが彼女らしくて、僕はまた笑う )
僕たちが君に望むことは何もないよ。何たって君は女王だからね。それも力で従わせる女王じゃなく、皆に愛される女王だ。皆ロベニカのことが好きで、ロベニカのために何かしたいと思ってる。ここは、そういうごく単純な仕組みで成り立っているんだよ。





13: ロベニカ [×]
2022-02-14 18:38:45



>ロキ( >12)

このあたしが、好かれる?それこそ夢のような話だわ。──でも素敵ね、つまりあたしが努力したらその分認めてもらえるってことでしょう?
( 好意にも愛にもとんと無縁だった彼女にとってみれば夢物語と相違なく、確かに目の前の彼も好意的に接してくれてはいるがよもや己が誰かに好かれるなんて想像もつかなかった。いつかはいつかはと渇望し諦めたもの、どんな宝石よりもずっと価値がある暖かさ、普通に授かるはずの尊いそれが当然に与えられるだなんて、きっとそれは過ぎた褒美だ。棘すらも覗くことのある言動とは裏腹に自罰的、身に余るほどの砂糖菓子のような世界でまでも自発的に何かをしなければならないという思考は染み付くほどに当たり前で、無条件に愛されることは端から排斥してしまっている。彼女にとっては頑張ればその分返ってくる、綺麗事のサイクルが成り立つことが重要なようで努力からは離れられず。しかし澄ましてはいるもののやはり寂しさに埋められた心には希望を齎したのか、彼と出会ってから──母が亡くなってから初めて笑みを見せて。控えめではあるものの嬉しさが微かな頬の紅潮として滲み出る。きっとこれは、神様が与えてくれた休息の機会なのだと解釈し、小難しいことは抜きにして己がための世界を楽しんでみようと決めた。無理に課せられる試練もなければ嫌いな人間もいない、常に除け者にされたが故に主役として立たされた舞台は雛鳥のように右も左もあやふやだが、立て続けの悲劇に見舞われたのだから一時でも赦されたいと幼少の頃に封じた甘えが首を擡げる。冷静な頭の片隅で甘言に乗る彼女を諌める声もあるが、少しの間ぐらいはとそれも封殺した。どのみち、いつかはきっとあの地獄に戻らなければならないのだから。来たのだから戻る術とてあるはず、その方法はわからないが、帰りたくなったら聞けばいいとある意味で楽観的な考えでようやくファンシーランドを受け入れれば、喉が乾いていることに気が付いて街並みを眺めて。 )
折角来たんだもの、あたしの心の踏ん切りがつく間、少しだけ楽しませてもらうことにするわ。……ところで、ここにお茶がいただける場所はあるのかしら、たとえばカフェとか。



14: 仮面の男 [×]
2022-02-16 23:45:37




>ロベニカ

【 >13 / 小高い丘の上 → 市街地 / ロキ 】

ああ、もちろん努力には相応の敬意を払うし、努力なんてしなくても君はここにいるだけで尊い存在のまま誰にも貶められない。
( 彼女は僕らの崇めるべき女王であり、創造主たる神であり、孝行すべき母であり、守るべき赤子だ。この世界にいる限り、僕らの手が届く限り、何者にも穢させはしない。彼女の見せた、張りつめていた糸がほんの少しだけ緩んだような控えめな微笑みに湧きあがったのは、一体どの存在としての感情だっただろう。彼女の年相応の表情を見ると、暖かくて優しい気持ちになる反面、それを奪ってきたもの全てが頭を過ってすうと心が冷めていくような心地がする。〝努力すれば認めてもらえる〟、そう信じさせないのは誰だったか。〝ここに存在するだけで無条件に愛される〟、そんな言葉さえ封じたのは何だったか。しかし、ここはファンシーランド。楽しくて、明るくて、素敵な場所。そして、その住人である自分もファンシーランドをつくる一部であり、この場所に似つかわしくない感情は抱えてはいけないのだ。温度の消えた表情を隠すように努めて明るく、意識的に口角を上げる。彼女のお望みの場所はこの丘から少し歩いたところ、四六時中お祭りのように所々に風船が括りつけられている市街地にある。連れ立ってそこまで歩くと、こじんまりとしたアンティーク風の店のドアを開ける。店の中では、背中に大きなネジ巻きをつけた絡繰人形たちがカタカタと音を立てながら動いていた )
さあ、どうぞ。君専用だから、席はどこでも好きなところでいい。それから、彼女たちは喋れないけれど、注文はちゃんと聞いてくれるよ。





15: ロベニカ [×]
2022-02-18 18:28:27



>ロキ( >14)

なら、外が見える窓際がいいわ。それにしてもすごいわね、自律人形だなんて初めて見た。
( 彼女が知覚した一瞬、彼の表情が冷めた気がするがすぐにニコニコ笑顔に戻ったので気のせいかと思い突っ込むようなことはせず、大人しく彼についていけばパレードの類の催し物が開催されている真っ只中のように風船等が飾り付けられた街並みに、上流階級が好む煌びやかなパーティとはまた違った趣の華やかさに心が踊る。己は足を運ぶことを許されなかった町のお祭りに憧れたこともあるぐらいには夢見がちな節もあったため、言葉には出さないもののキラキラと光が点った瞳で周囲をキョロキョロと見渡して。やがて辿り着いたそこでは操り手のいない人形たちが店内を回っていた。風変わり、しかしファンシーランドでは当たり前なのであろうそれらに感嘆しつつ、そっと視線を巡らせると日当たりの良い窓際の席を指定する。シックで落ち着いた内装はそれだけでも心を安らげてくれるようで、心地が良い。椅子をそっと引いて座ればすぐにメニュー板を手に取り、パラパラと捲って絡繰人形に注文を伝え。気に入りの紅茶とともに軽く腹を満たしてくれるものが欲しくなれば顔に影を降らした髪の束を避けつつゆったりと頬杖をつきながら、彼に笑いかけて。戯曲の登場人物の如き風体の彼ならば、紅茶にはどんなものを合わせようとするのかという興味からお勧めを尋ねる。彼女に馴染みのある菓子から知らない菓子、財閥令嬢だからといって特に高価なものにこだわりがあるわけでもなく、また好き嫌いのない彼女はなにを勧めたとしても喜ぶだろう。)
アールグレイを一杯いただけるかしら。そしてロキ、なにかオススメのデザートはある?洒落ている貴方のセンスに折角なら任せてみたいわ。




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