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オリジナルキャラなりきりチャット
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1568:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-09 17:26:00
>レンブラント(>1566)
よぅし、こっからは鶴の坊主に代わって、俺の出番だな。っつう訳で、此方さんじゃあ初めまして、黒薔薇の怪物さん方。
しっかり丁寧に答えてくれてあんがとな、悪魔のアンタ。話聞いても迷っちまう所は正直多いが、そうさな…そんなら、ラミアの嬢ちゃんと道を歩ませてもらおうか。なぁに、過酷な茨道なんぞこちとら百も承知、何もかもぶっ飛ばす勢いで手を引っ張って走ってやるさ。
そんじゃ、前口上はこの辺にして、とっとと舞台に上がらせてもらうとしよう。アレコレ寄り道したり、何か問題が起きたりするかも知れねえが、まあ後の事はまた後で考えりゃ良い。
これから宜しく頼むぜ、怪物さん方よ。
***
指名:ゼズゥ様
希望ルート:秘密の共犯者ルート
名前:ナミル・アッシャムス(Namir Al-Shams)
性別:男性
年齢:46歳
職業:商人
性格:気っ風の良い豪快な人物、が第一印象。怒る事の無い余裕ある感情表現ははっきりと、言葉や態度は堂々としており、他者から扱き下ろされたとしても心一つ揺るがず笑い飛ばす自信家でもある。それを裏打ちするのは、興味を持った何事も完璧と成すまで修練を積み重ねる、粘り強く妥協の無い努力家の片鱗。『有言実行・即実行』の自銘の下、良いと思った事を直ぐ様行動に移す活発さ、自分から積極的に声を掛ける社交性の旺盛さの反面、一人きりの寂寥と退屈が苦手。それ故、一人にしておけば突拍子も無い行動に出る事もままある。
容姿:身長194センチ。幅広の骨格に筋肉が乗るがっしりとした体躯に高めの体温。黒色の髪は芯を持った固い毛質であり、一度癖が付くと直り難い為、ベリーショートに整えて額を出す形に前髪を分けている。髪と同色の眉は太めで真っ直ぐ、笑い皺の付いた切れ長のアンバーアイと相俟って、虎のような意志の強さを窺わせる。全体的に彫りが深く、やや厚い唇と浅黒の肌がエキゾチックな雰囲気を纏わせている。ゆったりとした黒の開襟シャツ、白のスラックスと至ってシンプルな格好だが、どちらも専用に仕立てられた質の良い一品。シルバーリングを左手の薬指に着用、生まれつき左側の肩と鎖骨の境界辺りに目玉のような二重丸形の赤痣がある。
備考:15歳で故郷を飛び出し、その身一つでやりたい物に片っ端から手を広げ、宝飾品から不動産まで幅広く商業を育てて財を築き上げた後、それらを子や部下に引き継がせ早々に隠居した元企業オーナー。事故や病など原因は様々ながら、親族とその伴侶全てが40代の内に終命する早世の家系であり、本人が看取った内では、両親、兄姉、弟、妻が40代の内に逝去している。多くの命の終わりに立ち会ったが故か、「いつ終わっても笑って逝ける、悔い無き人生を」としたい事を貫き通す方向に志を決め、思い立てば世界旅行やら登山やらと日々エネルギッシュに驀進している。とうに成人し独り立ちしてはいるが二人の子を持つ父親でもあり、少々荒っぽいものの年下の面倒見が良い。声は強い意志と同じく張りを有してよく通る、重ねた年の分渋みの滲むバリトン。一人称は俺、二人称はアンタ、または呼び捨て。年若い相手には嬢ちゃん、坊主などと呼ぶ事も。
ロルテスト:
(朝日が昇る少し前、熱い珈琲を片手にルーフバルコニーへ上がって紫煙を燻らせる。手摺に寄り掛かってまだ静かに眠る街を眺めていれば、遠くから顔を出す太陽がゆっくりと夜を赤く焼いていく。「おう、おはようさん。」些かの眩しさに目を細めながらも、その光へ親しげな挨拶を投げるいつもの日課の後。珈琲を啜る傍ら今日の空っぽな予定を何で埋めるか暫し思考を巡らせ、「あー……そういや、アイツ店出したっつってたな。」思い出したのは少し前の友人との会話。念願のカフェ経営を始めたと笑う若き彼の背を叩いて祝福した事が記憶に新しい。「…よし、朝飯がてら顔出すか。」そう決めるが早いか半分程吸い残した煙草を消して、準備に戻ろうと踵を返したその隣のテーブルに、真っ黒な何かが乗っているのが視界を掠めた。「……ん?」改めてよくよく見たそれは薔薇を象る封蝋であり、無論用途に適した便箋が共立って置かれていた。「ほう。今時シーリングなんて、凝った真似する手紙もあったもんだな。」思わず零れた感心する言葉はさておき、その唐突に現れた不審物を手にしてみれば紙も蝋も中々の上等品、誰かの宝物でも舞い込んできたのかと辺りを見回すが、探す素振りをする人影はどの窓にも道にも見えない。首を傾げてその黒薔薇と向き合っていると、いやに中身への興味が疼いて仕方無く、気付けばぱきりとその封を割っていた。中に書かれたその一文を目で辿り、「……迎え、ねえ。」楽しげに呟きを返す。これは己に当てた文言だと、根拠は無くともそう直感して、「カッカッカ!良いねえ、俺を選ぶたぁお目が高い!いつでも来い来い、歓迎するぞ。」大笑いしてひらり振った紙が風に浚われ、舞い上がっていくそれを見上げ――覚えていたのはそこまで。次に開いた目に飛び込んできたのは見慣れない天井、それと素っ気無いが豪奢な調度品。「……何だこりゃ。」起き抜けの嗄れ声で疑問を落として身体を起こし、室内を見回しつつ眠る直前の事を思い返す。そう、確か日課の後に妙な手紙を見付けて――「……ああ、“迎え”ってヤツか。」思い当たるのはそれくらいしか有らず、一人納得した次に、「これじゃあ“迎え”というより“誘拐”だな。」実際そうであるかもしれない可能性を一息に笑い飛ばす。……さて、少しばかり状況の情報を、と探索に立ち上がった瞬間に響いたノック音。それに思案を回したのは刹那にも満たない間、欲しいものが向こうからやってきたとばかりに口の端をにんまりと弛め、「あいよ、ちょいと待ってな。」あっさり返事をして大股にドアへ近付けば、これまた呆気なく簡単に其処を開いてノックの主を不敵な笑みにて出迎える。)
Image:※じゃろ様の「uomo」をお借りしました。
https://picrew.me/share?cd=cFnC7vbJ18
1569:
グレン [×]
2024-11-09 21:14:49
>キルステン( >1562 )
( 純粋なる興味からなる質問に真面目に思案してくれる辺り、彼が “ 良いヒト ” なのは疑いようもなく。部屋が動くなんて事のない元の世界であれば彼のアイデアも突飛だなんて感じる事は無いのだろうが、今いるのは摩訶不思議な屋敷。首を傾げ考える仕草を見せるも良い案なんて浮かんで来るはずもなく 「 仲良くなった誰かしらに連れて行ってもらう、っていうのが一番マトモそうだね 」 苦笑を浮かべて。彼の様子を見て察するに屋敷の廊下のような危険と隣り合わせと言うことは無いらしい。それが聞けて満足、とばかりに足元を彩るかのような色とりどりの宝石の中から目当てを探すべく一歩二歩とゆっくりとした足取りで歩き回っているも、呼び寄せるように手招きをされれば側にしゃがみ込み 「 ふふ、確かに 」 視界に捉えた石はダークエルフの外見を彷彿とさせるもので。すうと目を細めつつも、それに対して然程心が惹かれないのはもっと彼らしい宝石が、色があるだろうと考えているからか。隣ではしゃぐ様子にゆるりと口角を持ち上げて 「 ねえ、こっちはどう? 」 手招きをしつつ案内をするのは先程見かけたアレキサンドライトに似たそれの所 「 キルステンの好みのど真ん中からは外れるかも知れないけれど、石言葉も含めてぴったりだと思うんだよね 」 月光の差し込む洞窟内では紅いルビーのように見えるだろうが屋敷の中、少なからず人間に与えられている部屋の中で見たならば青緑色に見えるであろうそれ。傍に欠片が落ちている事に気が付けば、軽く袖口で宝石を拭ってから 「 騙されたと思って部屋の中でこれ見てみてよ 」 彼が手を差し出してくれたのならば、その手の中に宝石の欠片をコロンと転がすように入れるつもりで )
1570:
ゼズゥ [×]
2024-11-09 23:37:56
>ナミル(>>1568)
(物憂げな視線を落とす先は両手の内に収まるグラス。あと少しで飲み干せてしまう量まで減った透明の液体に目を伏せ、傍に控えるトカゲの使い魔は空っぽになったボトルの上にちょろちょろと登り心配そうに主人を見つめ「 …分かってる。今夜は一本って約束だもんね 」力なく微笑しグリーンを基調としたネイルに彩られた指先でつるつるとした使い魔の鱗をそっと撫でる。小さなトカゲは心地良さそうに目を細め、また主人の深酒を止められなかったら…という懸念が杞憂に終わった事に安堵するようにその場でくるりと一周してからぷきゅいと鳴いて「 この近くに新入り?……そう、また… 」またひとつ、理不尽に黒薔薇へ縛られる命が増えてしまった。陰る表情を引き摺ったままとぐろを巻いていた下半身をしゅるしゅると解いて立ち上がり、手慣れているというよりすっかり癖になってしまったという手つきでテーブルの上のシガレットケースから黒い煙草を一本取り出し咥えながら自室を後にし、向かうのは件の不運な新入りの部屋。あまり煙の出ない仕掛けをしているのか、僅かな紫煙をくゆらせながらノックの応答を待つ事数秒。怯えなど微塵も感じさせない、寧ろ微かな喜色さえ含むような声が扉の向こうから聞こえてくればきょとんと眉を上げ、その表情のまま想像だにしなかった剛毅な笑みと対面し「 ……こんばんわ。あんた、人間にしちゃデカいね 」些か抑揚に欠けるトーンで思ったままを告げながら相手の顔を見上げ「 新入りって聞いたよ。色々困ってるだろうから説明しに来た 」端的に訪問の用件を伝えれば答えを待つこともなく上げていた視線を真正面に戻し、明らかに人ならざる下半身を器用にくねらせその鱗をずるずると引き摺りながら彼の横をすり抜けるようにして室内へと進み、まだどの怪物の残り香もない部屋に一番乗りだと悟りながら特段それを嬉しいとも面倒とも感じることなく彼の方に顔を向けて「 …煙草、苦手だったらごめん 」言いつつ消す気は無いのか、灰が床へ落ちる代わりに微細な粒子となってハラハラと消えてゆく不思議なそれを咥えたままソファーの背凭れ部分に両腕を置くようにして体重を僅かに預け「 あたしゼズゥ。あんたは? 」自然と視線の先にある、不気味なほど巨大な銀色の満月を見据えながら問い掛けて)
1571:
キルステン [×]
2024-11-09 23:39:24
>グレン(>>1569)
そういうコト。いいじゃない、アンタは他のコと違って頼む相手に事欠かないんだから
(この屋敷では風前の灯火に近い儚さをもつ命の炎、それが燃え尽きてしまう前に不思議なこの屋敷を探検したいと願う気持ちは理解できる。だがそれを易々と叶えられる獲物は決して多くない、彼のように特定の怪物から深い寵愛を受けるのならば話は別だが「 なあに? 」お気に入りの場所で煌めいているものに囲まれてすっかり上機嫌なのか、幾許か刺々しさが抜け丸みを帯びた声にて手招きに応じてカツカツとヒールを運び「 あら情熱的ね。嫌いじゃないわよ 」自身の顎に手を添えまじまじと見つめる紅は率直に綺麗だと感じるものの確かに選抜して自らの手元に持ち帰るほどのものではない。だからこそ光源が異なる場所でそれを見る機会もなく、どこか腑に落ちない様子のまま彼の意を汲んで片手を掌を上に向けて差し出し「 アンタ、石言葉なんていちいち覚えてンの?ロマンチストなのねえ 」指先でつまんだその欠片をあちこち透かして観察しながら、しかし変わる気配のない色合いに首を傾げてポケットへと仕舞い込み「 それじゃあ、ハイネにあげる石にも意味のあるもの選ぶワケ? 」ゆったりとしたテンポで洞窟を歩くヒールの音を響かせながら、自らも再度物色へと戻りながら語りかけて)
1572:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-10 11:24:59
>ゼズゥ(>1570)
(己が文字通り頭抜けた体格である自負から、ドアを開きつつ下げる癖の付いた視線の先で、躑躅を彷彿とさせる濃色の瞳と搗ち合う。「おう、こんばんは。嬢ちゃんこそ随分イカした格好だな。」初めの挨拶に添えられたものを褒め言葉として受け取り、それに此方からも一言お返しをした後、「そりゃあまた、わざわざと有難い。」礼の一声と共に、入室の素振りを見せた彼女へ一歩退き、少し離れた所でやっとその全身に気付く。――作り物とは思えぬ動きをする蛇の胴と尾。それにタトゥーかと思えた肌の鱗も、照明や月光を反射して艶々と煌めいている。しかしながらそれらに呆気に取られたのは一瞬の話、今は情報収集と頭を切り替え、丁度彼女の真正面へと当たる位置まで己も移動する。それから詫びる彼女へ上げた片手をひらひら軽く振って、「いい、いい。気にすんな。俺も煙草はやるクチよ。」そう寛大に笑みながら、どっかりと傍の椅子に脚を開いて座る。「俺はナミル・アッシャムス。宜しくな、ゼズゥの嬢ちゃん。」続けて名乗りに応じて此方からも堂々あっさり答えを渡したその次、「さて、自己紹介も済んだ事だし、アンタの親切にちょいと甘えさせてもらおうか。」本題とばかりに話の道を開拓しつつ、人ならざる何かへ対して距離を縮めるように、膝の間で手を組み上体を彼女の側に傾ける。「そうだなあ…まず此処が何処で、何の目的で此処に俺を置いたのか、その辺りを訊かせてくれ。」一番初めの小手調べ、まるで交渉事でもするかの如くじっくりと彼女の瞳を見据えた問いの後、「なにぶん、誰ぞに拐われる理由に心当たりが多くてなあ。こればっかりは見当がつかん。」ジョークなのか本気なのか、少なくとも喋る当人は些事とからから笑って質問の補足をし、そのまま彼女の返答を待つべく一度言葉を締める。)
1573:
ゼズゥ [×]
2024-11-13 10:47:02
>ナミル(>>1572)
……嬢ちゃん?
(どこか気怠い気性をそのままに僅かに瞼を押し上げることで眠たげな双眸を軽く瞠ったのは明らかにヒトよりは数段長い時を歩んできた自負から来る違和感、しかし何の説明も受けないまま理不尽に囚われた彼にそんな事は知る由もないと理解しているためそれ以上の追及はせず「 この姿がイカしたカッコに見えるなら、あんたの感性は〝こっち側〟だね 」人を堕落させる悪しき存在、毒牙によって命を蹂躙し自身の体積より遥かに大きな獲物をも丸呑みする貪食の怪物。蛇という生物が人間界で忌避される側だと自覚があるうえに、事実ここへ攫われてきた人間たちも往々にしてこの鱗や異形の風体をおぞましいものを見る目で眺めるもの。ゆえにあっけらかんと告げられたポジティブな感想は世辞の類であると解釈し、ふたりの間を隔てる埋めようのない種族の差を示唆するようにじつと見つめなければ見逃すほど幽かに口角を上げて。「 そう、気の毒。ここじゃあんた達は煙草一本味わう事もままならないのに 」此処で人間に対して保証されるのは最低限の衣食住であり、嗜好品は自動で支給される対象には含まれない。もし酒と煙草に依存する自身が彼らの立場に置かれればと思うとぞわりと背中に冷たいものが奔り冷汗が滲んでしまう心地で「 ……あんた、あっちで悪い事してたの? 」豪快に笑う彼に好奇でも嫌悪でもない純粋な疑問を宿した目を向けるが、しかし彼の態度の通り善人も悪人もこの屋敷では些末な事。どこから話そうかと一度煙を吐いてから食指と中指で吸いかけの煙草を挟み「 あの月見てよ。あれだけであんたが昨日までいた世界とは全くの別物でしょ?ずっと夜だし、魔法やら怪物やらで溢れてる。此処は黒薔薇のお屋敷、有り体に言えばあんたの死に場所。 」視線だけで示すのは窓の先に鎮座する滑稽なほど巨大な満月。次いで異世界を証明する自身の尻尾の先で一度だけ床をぽふりと叩いて見せて、初対面だがずいぶん剛毅な人物に思える彼に回りくどい表現は無用と抑揚に欠けた調子で淡々と紡ぎ「 このお屋敷に住んでるのは怪物とその使い魔、それと攫われた人間たち。あんたは数十億の中から怪物の食事に選ばれたの 」そこまで言い終えてから、まるで息継ぎでもするように当然のような手つきで一口煙草を吸って。屋敷に住まう存在についての言及にひとつ言い洩らした種があると気付けば視線を斜め上に向け「 ああ…忘れてた。もうひとつ、腹ペコのケダモノも屋敷のあちこちを徘徊してる。言葉の通じる相手じゃないから、見つかれば人間はすぐ食べられちゃう。あんた達はあくまでもあたしらの為の食事、だからそんな勿体ない目には遭ってほしくない。…この部屋はもうあんたのものだよ、ナミル。だから気兼ねなく過ごせばいいし、生活に必要なものは使い魔が世話してくれる 」同じく黒薔薇に囚われた身としては何百と説明してきた当然の事柄、しかし今しがた拉致されたばかりの彼には荒唐無稽と唾棄されて然るべき内容。ゆえに「 質問は? 」と余計な悲壮感を醸すこともなく惜しみなく求められた情報は与えると意思表示をして彼に視線を向け)
1574:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-15 21:14:23
>ゼズゥ(>1573)
(気怠そうな彼女の言葉の含みに異常事態である事は察しながら、動揺する様は微塵も無い。「いんや、別段何も。ちっとばかし好き勝手はしたが。」彼女が恐らく想像したような悪事には首を横に振り、しかし付け加えたそれが言葉通りの“ちょっと”ではない事は、不敵な悪戯顔で伝わるだろうか。――まず指し示された窓の大月に同じく視線を、次に揺れた蛇の尾にも瞳を。暈す真似をしない蓮っ葉な物言いで綴られる、妄誕出鱈目に思える話にも茶々や顰蹙一つ入れずに只黙って真剣と聞き入り。「……成る程なあ。」向けられる目と搗ち合ったのを切っ掛けに前のめりだった上体を背凭れへと移しつつ、五指で顎を擦ってまずその状況を飲み込む一声を打ち、思案するような数秒の沈黙の後。「――フハッ、ハッハッハ!」思わずといった具合に零れた息を呼び水に、顔を上げて呵々と笑い声を部屋に響かせ、「ああすまん、別にアンタの話を嗤った訳じゃあなくてな。」それから顎元の手をひらり彼女へ振って謝意を口にはするものの、それはどうにも未だ大笑の跡を引き摺った説得力に欠ける震え声。「いやあ、そろそろ俺もくたばる頃合いだとは思ってたが…そうかそうか、こりゃまた凄い奇跡に選ばれたもんだ。」その合間に気触れにも見える一連への説明とも、単なる独り言とも聞こえる言葉と、治まらない笑いにばしばしと膝を掌で叩く豪快な音を互いの間に置いてから少々。「おっとそうだ、質問だったな。……ちょいと失礼。」一つ息を吐いた折に問いを思い出し、首を捻る所作に続けて断りと共に椅子を立って、そのまま踏み出した足が向かうのはついさっき彼女が示した窓。其処から始めに空を、次に地を覗くようにじっくりと視線を動かして外を観察し、ほんの微か感嘆らしき声を落とした後に、その場から室内にも改めて目を巡らせる。「…ふむ、待たせた。」それが一通り済んだ所でまた椅子へと座り直し、「まず、此処が俺ら人間にとって死が隣り合う屋敷だってのは解った。この部屋に居りゃ比較的安全な事もな。その上で訊くが、」彼女の瞳を至極真摯に真っ直ぐ見詰め、己なりの解釈を告げる事で話を丸々飲み込む意を記す。だがその先には、「アンタらみてえな話の出来る怪物さん方と屋敷を歩くってのは可能か?…いやなに、折角知らん世界に来たんなら探検の一つでもしてみたいんだが、それが一人じゃ味気無えなと思ってよ。」危機感など無い――否、危険も承知で立ち向かう放胆な冒険心を、細めた琥珀の眼と吊り上がる口端に目映く宿して、それこそ無稽と評されかねない問いを堂々彼女へ投げ掛ける。)
1575:
ゼズゥ [×]
2024-11-16 08:56:08
>ナミル(>>1574)
確かに悪人には見えないね。……もうすぐ死にそうにも見えないけど
(この屋敷に攫われてきた人間は、その理由を明かされた時幼いほど泣き喚き老いるほど憤慨する傾向にあると感じていた。からこそ彼の静寂を打ち破る呵呵大笑には波紋の双眸を一度ぱち、と瞬かせ、豪快で活気に満ち溢れたように感じる眼前の獲物が自身の死期を示唆するような発言をしたことに違和感を覚えて小さく息を吐きながら見たままの感想を。窓から見える景色は果てしなく広がる黒い森と窓枠に這うように咲く黒薔薇と、人間だけでなく怪物をも矮小な命だと嘲笑うような無遠慮に巨大な月輪。それを眺める彼の魂胆を図れずただ黙して待ち、その間に吸い終わってしまった煙草の吸殻を指先で粒子のように消し去って、また彼と視線を合わせ「 無理。――って言っても、あんたなら独りで出て行っちゃいそうだね 」これまでの話を踏まえても恐れるどころか好奇に満ちたような目、それを真っすぐに見つめてしまえば何よりの説得力を感じて点々と鱗の這う両腕を組んで「 使い魔を経由すればあんたからでも怪物にコンタクト出来る。伝言なり手紙なり持たせたらいい 」ちらと視線だけで見遣るのはベッドの傍のデスクの上に備え付けらえた簡易なメモ用紙とペン一式。しゅるり、鱗同士の擦れあう音と共にまるでろくろ首のように伸びるのは蛇の肢体、腰から下を伸ばすことで立ち位置を変えることなく上身のみを彼に近づけ、グリーンのネイルに彩られた食指の先、その腹を彼の額にそっと押し当て「 話が通じるって言っても所詮あたしたちは怪物。それなりの役割を持って此処に居るから、食事の我儘に付き合うには何かしらの対価を求められるケースが大半と思っときな。中には無償で人間の世話焼きたがる変わり者もいるけど、当然引っ張りだこよ 」このまま指を当てていれば体温で火傷してしまいそうに錯覚して、言い終われば指と共に伸ばしていた体の部分をしゅるしゅると元のとぐろへ収納していき「 ラクシュエリとラザロ…それからキルステンもか 」五指を折りながら彼には馴染みのない名前を列挙、そうしてまた彼を見つめ「 ナミル、あんたは今言った三人の大好物。冒険のお供に選ぶのはやめといた方がいい 」彼からは死を忌避するような所感はないが、とはいえそれを歓迎し早死したがっているようにも思えない。余計なお世話と半ば分からぬ無意識のまま、熱を感じる指先をふうと吹いて)
1576:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-17 12:35:53
>ゼズゥ(>1575)
おう、倅やダチにもよく言われたな。“あと二百年は生きそう”だとかよ。
(彼女からの言葉にまたにっかりと口を緩め、親しいものとの軽口のやり取りを再現しては笑う声を噴き。己の問いに素気無い返答、しかしそれでも思案してくれている姿へ、「まあな。じっとしてんのは苦手な性分さ。」更にもう一つ意志を裏打ちする質を補足して。続けて彼女の視線を追って筆記用具を認識し、再び戻した視界の真ん前には濃色の瞳と細い指。「…成る程。なあに任せておけ、交渉事は得意な方よ。こちとら、それで食い扶持稼いだ人間なもんでな。」冷たい温度が伝わる額はそのまま、互いの立場をより明確にされる助言にも臆さず胸を張り、今までの経験に支えられた自信を全面に威勢良く言葉を返す。それから退いていった彼女の口からは、それだけでは人物の想像が付かない名の羅列。「ラクシュエリ、ラザロ、キルステン……解った。忠告あんがとよ。」それらを己の口でもなぞる事で確かに記憶へ貼り付けた後で、姿勢はまた彼女の方へと前のめりに。「そんじゃあ嬢ちゃん。――いや、ゼズゥ。」切り替えの一呼吸と瞬きの次、先程までの豪快な笑いを潜めつつも、余裕あるどっしりとした態度は崩さぬまま、茶化す真似をしない真剣な声で彼女を呼んで、「アンタなら、どんな対価がありゃ付き合ってやってもいいと思える?」一歩一歩ゆっくりと獲物との距離を縮めていく虎が如く、油断も不敬も無く確と瞳に彼女を捉えながら、話の参考とも交渉の開始とも取れる一声を立てる。)
1577:
ゼズゥ [×]
2024-11-17 20:24:03
>ナミル(>>1576)
…………、
(倅、と。その単語に反応するように華奢な肩をぴくりと揺らし口を噤み、今まで能面のようだった表情は哀しみを帯びて長い睫毛を伏せて。守るべき存在から彼を引き離した張本人ではないと頭では理解しながらも、〝子〟に関連する内容には何か含みがあるように沈黙を破る術を見つけられずにいる中、重厚感のある声に唯一の名を呼ばれてゆっくりと俯きがちになっていた顔を上げて「 ……旨くてキツい煙草と酒。 」少しの間が空いたのは対価を考えていたわけではなくそれを要求する事に少し後味の悪い恥ずかしさを感じているのと、人間の身で用意できるものではないと理解していたから。勿論最も欲しいものはこの黒薔薇の呪縛からの解放だがそれこそ誰に願っても叶わぬ絵空事、夢見の悪さは今に始まった事ではなくふるふるっと小刻みにかぶりを振って「 …煙草、作った事ある? 」ふとそう問いかけ、ちょろちょろと忙しなさそうに窓の外を這うトカゲの使い魔に視線を遣り「 あの子たちが調達してくれる既製品じゃもう物足りないんだ。だから自家製に切り替えたいんだけど、葉の組み合わせが何百通りもあるから難航してんの 」不健全極まりない事を言っている自覚はあるものの、これは互いにとって利のある取引の筈。魔界の葉は人間にとって猛毒、ゆえに人に依頼する作業ではないと分かっているが葉っぱ同士の匂いから人間独自の感性で奇跡的に理想的なブレンドを生み出せる可能性もある。恥じるな、と内心で己を鼓舞し真っすぐだけれどどこか照れくさそうな色を混ぜた複雑な表情で「 手伝ってくれる? 」と告げてはすぐについと目を逸らし)
1578:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-18 20:15:36
>ゼズゥ(>1577)
(己とは対照的に憂いを帯びた表情に、一瞬訝しむように片眉を軽く吊り上げる。しかし此方の声に応対して顔を上げた彼女が答えた物品へ、「お、そいつぁ良いなあ。俺も欲しい。」何処か気まずさを抱えた言葉ごとからり笑って、冗談混じりに相槌の一言を打った次、「ああ、シャグが俺の愛用煙草よ。」拘りの手巻き煙草を紙に包む慣れた仕草を、顔の横に備えた片手の指先で示してみせ。動いた視線に合わせ窓向こうを自身も窺えば、作業に追われるような心配に様子を覗くような、兎に角慌ただしい爬虫類の姿が視界に入り。これが先程言われた使い魔かと数秒好奇の光を注いだ後、彼女へと再び向き直った顔には、かっと照り付けるような太陽の如く快活な笑みを浮かべ、「おうとも、お安い御用。どうせ吸うなら、とびきり自分好みに拘ったモンが良いに決まってらあ。」一も二も躊躇いも無く頷いて、続けて取引を受け入れるついでに己の信条もさらっと流す。その了承の区切りに膝を一打ち、それから立ち上がって片腕を一回し。「ようし、そんじゃあ早速やるとしよう。その葉っぱってのは何処にあるんだ?」有言実行、善行――とは言い難いかもしれないが、少なくとも己にとっては善き事と疑わぬそれを即実行、と気合い充分に身の簡素な準備を整え終えれば、わくわくと心躍る色を隠しもしないやんちゃを滲ます面持ちでその肝心な葉の居所を問い掛ける。)
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