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オリジナルキャラなりきりチャット
自分のトピックを作る
989:
クレア [×]
2025-09-28 13:51:32
>988
だ、大丈夫です…!まだ飲めます!
(流石に泣かれるとまで思っていなかったのか、クレアは反応に困り苦笑いを浮かべると、続いて問い掛けられた懸念には語気を強めて「大丈夫」と強調した。レドを真っ直ぐに見据えたその瞳には必死さが感じられる。勿論、クレアの体質や健康上のリスクなどを考慮すれば全く以って大丈夫ではなく、今日に至っては既に相当量の飲酒をしているため泥酔どころでは済まない可能性が大いにあるのだが、一度アル中のスイッチが入ってしまったからには自分の意思では抑えが効かないのだろう。既に自分の足では酒場に入れる状態にないため、今のクレアはレドに縋るほかにないのである。ここで止めるも飲ませるも全てはレドに委ねられていた。)
990:
レド [×]
2025-09-28 20:08:32
>989
あっいやもう飲まない方が……
「ハハッよお姉さん、そんなガキなんかほっといて俺と楽しく」
あ?しばくぞ……おっと失礼。夜のデュランダルは治安が悪い。俺もハラ減っちゃったし、早く中に入りましょう。クレア様。俺が貴女に相応しい人物かはさておき……今日ぐらいはお供します。
(これでまだ飲む気なのか……おねだりするクレアに困惑しつつも、ゴロツキ、先の帝国兵にやられたのと同類が近寄ってきたので、一瞬元の荒くれの眼光と怒気を男にぶつけて。ゴロツキが怖気ついて逃げ去ると元の紳士的な青年としてクレアに向き直り、苦笑いを浮かべながら酒場の入口まで歩くと扉を開いて。酒に溺れる傷心の未亡人、デュランダルに巣食う悪い男の格好の餌である。いつまでも外にいるのは危ない。それこそ昨日のアリシアのように徹夜で介護する決意である……自分が決してカルロスの代わりになれないとしても。)
991:
クレア [×]
2025-09-28 22:19:47
>990
わぁ…レドさんがいれば安心ですね。ふふっ。
(揉めることなく、手早く輩を追い払ったレドの手腕を目にして思わず感嘆が盛れる。下心のない、安心して身を任せられる異性と最後に触れ合ったのはいつ頃だろうか…なんて考えながら、思ったことをそのまま言葉に出してレドを称えると可愛らしく微笑み、エスコートされるまま店に踏み入った。)
さ、お礼に何でもご馳走しちゃいます!好きな物を頼んでくださいね。う~ん…私はウイスキーの水割りにしましょうか。
(席へ着くとメニュー表をレドに差し出し、助けてくれたお礼にご馳走すると告げて。実際にはそれは建前で、この感情はまるで弟への可愛がりに近いかもしれない。周囲への冷たさとは打って変わって自分に懐いてくれているところ、ちょっと暴走気味なところ…そんなレドの姿をレイラと重ねていた。差し出したメニュー表の裏側のドリンク一覧に視線を向けてしばし考えると、クレアはウイスキーの水割りに決めたようだ。アルコール度数的に身体の状態を考えれば避けるべき部類ではあるが、水割りにしたのはきっと僅かに残る理性によるものだろう。)
992:
レド [×]
2025-09-29 20:11:03
>991
ごっごちそう!?そんな、俺ひどい事したのに……あっありがとうございますクレアさん、あっクレア様!えっ、えっとじゃあ俺もウイスキーの水割りに……つまみはえっとえっと……な、なんかオススメありますか?俺ずっと山に籠ってたし、ここは港町だし、魚介でなにか……
(クレアの対面に腰かけると、すっかり頼りにされ気に入られて舞い上がり慌てて注文して。優しい女性に可愛がられて奢られる。ああデジャヴだな。この人も俺を弟のように見ているようだ。それ以上の関係には進めないし進む気も無いが、今後も目にかけてくれるかは今夜の振る舞い次第。酒の頼み方からしてクレアさんも慎みを見せている以上、こちらも相応の振舞いを見せないと。こいつは立派な「面接」だ……と緊張して、クレアを支えている時以上に身体に力が入っている。酒は同じ物を頼むとしてつまみはどうすべきか、奢りだからと言って無節操に頼んだら意地汚いよな……と、そわそわした顔をメニュー表で隠しながらオススメをクレアに尋ねることにして。)
993:
クレア [×]
2025-09-30 09:59:59
>992
あはは…そんなに畏まらないでください。オススメですか…うむむ……普段お酒以外頼まないので難しいですね…あっ、そうだ。マスター、このお店の魚介系の料理全部お願いしますっ!!
(強ばった様子から緊張を察して、自分に対する過大評価に苦笑いを浮かべながらも、レドがくつろげるように気遣いの言葉をかけた。その後、オススメを尋ねられるとクレアは悩ましげに小首を傾げる。酒が好きでというよりは、現実逃避の手段として酒に依存しているだけのクレアにとってつまみに特別に意識を向けたことはなく、普段通りの一人飲みに関してはそもそも酒しか頼んでいないのである。全く以ってこの店の魚介系の料理に覚えがない訳でもないが、テキトーに名前を上げるのも誠意に欠ける…そうして暫く思い悩んだ末にクレアはハッとした表情で衝撃の解答を導き出した。魚介系の料理を全て頼むという力技。もっとマシな選択があった筈だが、生憎今のクレアは自力で立つこともままならない酩酊状態、一見大丈夫そうに見えてもその思考回路が正常な訳がないのである。勿論少食なクレアが口にするであろう量は僅かであり、殆どレドが食すハメになるのだから新手のハランスメントと言えるだろう。店主は先に注文を受けたウイスキーの水割り二つをテーブルに置くと次なる注文を聞き届け、店の創業始まって以来の大仕事を前に、やる気満々な様子で厨房へと戻っていった。)
994:
エリーゼ/セリーヌ [×]
2025-09-30 19:10:17
同時刻 第二騎士団執務室
ただいま戻ったのにゃ。
…おかえりなさい。
(レドとの打ち合わせを終えて自らの職場、第二騎士団の執務室へと戻ったエリーゼは席に着くと同時に未だ書類仕事に励んでいる同僚に帰還を報告した。その同僚こと副団長セリーヌはエリーゼに視線を向けることもなく、事務的にただ一言返すのみであった。その後はただひたすらに気まずい沈黙が空間を支配する。たまたまセリーヌの機嫌が悪いとかそういった次元の話ではない。エリーゼの就任以降、常にこの執務室には重たい空気が立ち込めているのである。騎士としての序列も経験も、指揮能力でさえも上回っているのに、たった一つ、剣の才だけで自分の座るべき地位を奪われたのだからセリーヌのその屈辱と恨みは計り知れないことであろう。エリーゼもそれを重々承知している為に掛ける言葉が見当たらないのであった。いつまでも慣れない重苦しい空気に嫌気が差し、エリーゼは視線をデュランダルの夜景へと移すものの、暗がりで鏡と化した窓に写るのは空気を読めない自分のにやけ面。抗い難い自己嫌悪に陥ったエリーゼは小さな溜息を吐いた。しかし、いつまでも現実逃避で夜景もとい自分の顔を眺めている時間はない。明日には王都に発つのだから引き継ぎは済ませておこうと、セリーヌに向き直り意を決して話しかけた。)
あ、あの…引き継ぎについてにゃんだけど…
不要よ。自分が何をすべきかくらい分かっているもの。此処での勤務はアンタより長いんだから。
それもそうにゃんね…えーと…
もう帰りなさい。明日は早いんでしょ?後はやっておくから。
あ、ありがとにゃ…しばらく騎士団をよろしく頼むにゃ。
(優秀な部下、それも自分よりも遥かに優れている人間を下に持つと却って扱いに困るものである。薄々予想はしていたが、意を決した引き継ぎをいらないと一蹴されてエリーゼは言葉を詰まらせる。気まずそうにモジモジと指を合わせて次の言葉を探していると、その様子を見かねたセリーヌは呆れ顔を向けて帰宅を促した。部下にマネジメントされては最早どちらが上なのかも分からない。自分の不甲斐なさを噛み締めながら、エリーゼは重苦しい笑顔で礼を言って席を立つ。いっそこの体たらくに恨み言の一つでも吐いてくれれば、むしろ当たり散らしてくれるならどれだけ楽なことだろう。勤勉なセリーヌは仕事に私情を挟まない。だからこそ、この溝が埋まる機会は決して訪れないのである。執務室の扉を前にして、去り際に「しばらく騎士団を頼む」なんて言ったものの、本心ではいつまでも頼みたい。不釣り合いな地位なんて捨ててしまいたい。決して吐けないそんな弱音を胸にエリーゼは帰路に着いたのであった。)
995:
トピ主 [×]
2025-09-30 19:19:30
エリーゼと七席の関係性を書かせていただきました!エリーゼの自己肯定感が低い理由がここに詰まっています……七席が感情的な人間なら本心でぶつかって、やがて和解して…なんて展開も有り得たのかもしれませんが、如何せん彼女の人間性が真っ当なせいで心の溝が埋まる機会が訪れることがないのが辛いところです(^^;
996:
レド [×]
2025-09-30 21:41:12
>993
ヒェッ……こ、こんなどこにでもいるBランクの男のために……こんなおもてなし受けたの初めてだ……ううっ、ありがとうクレアさん……夢なら覚めないで……
(ぜんぶ!?前代未聞の注文に思わずメニューを落とすと、意図はともかく自分に対して目いっぱい接待してくれるクレアに感動してまた泣き出して。連日の政争や死闘で心身疲れ果てたレドにとって、憧れの人にここまでおもてなしをされることは最早夢に等しい光景であり、このままずっと泣いていそうな勢いである……)
>994-995
(/成り上がり者はつらいよ……レドなら「異論があるなら剣を抜け!」って凄んでそうです(そしてろくなことにならない))
997:
クレア [×]
2025-09-30 22:27:33
>996
な、泣かないでください…!とりあえず乾杯しましょう…?
(突如泣き始めたレドをあたふたした様子で宥めると、気持ちを入れ替えさせるべく乾杯を促した。既にテーブルに置かれているコップの片方を手に取って突き出し、相変わらずの苦笑いを浮かべたままレドがコップを合わせるのを待つ。
クレアは今まで「尊敬」されることはあっても、何かする度に泣かれるような「崇拝」に近い感情を抱かれたことはない。そのためレイラに近いようで異なる新しいタイプに未だ適応できていないのだろう。その苦笑いが意味するのは若干の疲労であり、即ちレドの言うところの「面接」に於いて、ここで初めて減点が入った形になる。)
(/個での素質と集団での素質はまた違うので難しいところですよね…エリーゼはレド同様に個の素質に優れているので冒険者向けかもしれません(^^;)
998:
レド [×]
2025-10-01 21:13:31
>997
うっ、失礼……でもクレアさん、貴女とこうして飲み交わせることが本当に嬉しいです。では冒険者同士の新たな出会いに、乾杯!
(クレアが困惑している様子にはっとして涙をぬぐい、落としたメニューを拾って。いくら名高い「首狩り」様といえども血を見るのは好まないし、褒めすぎるのも巧言と捉えられて印象が悪いようだ。何事もほどほどに……咳払いして平静を取り戻すと、穏やかな笑みでおもてなしに感謝してコップを手に取る。クレアより低い位置でコップを合わせて乾杯し……水割りを一気に飲み干してグラスを置くと、満足げに顔を赤らめて一息吐いて。)
ふぅ……生き返る。
999:
クレア [×]
2025-10-01 23:04:52
>998
かんぱ~い!いい飲みっぷりですね。いっぱい食べて、いっぱい飲んでください!
(相当仕込まれたのであろう礼儀作法に感心しつつ、レドのその飲みっぷりに目を見張った。クレアが一口飲んだ合間に既に空になったレドのコップに目を向けて、その飲みっぷりを称えると共に再度遠慮はいらないと告げて。そうしていると続々と注文した料理が運ばれてきた。刺身は勿論ソテーにカルパッチョ、様々な調理法で仕上げられた魚料理であっという間に目の前のテーブルが埋まり、終いには両サイドのテーブルすら運ばれてきた料理に埋め尽くされる。)
1000:
レド [×]
2025-10-02 00:01:12
>999
ま、マジかよ、まるで宴会……いっいただきます!はむっ、むぐっ、うまい!うまい!うまい!ああ、デュランダルで冒険者やっててよかったっ!!
(テーブルを埋めつくす魚料理の数々。農民どころか、一般の冒険者でもこれほどの贅はお目にかかれないだろう。なんだか豊穣亭の料理より輝いて見える……すっかり目をキラキラさせたレドはフォーク片手にデュランダルの海の幸を片っ端から口に入れていき。味が淡白な刺身から味の濃いソテーに……なんて順番は一切考えず、目についたものを片っ端からもぐもぐと掘り進めては早速注文した二杯目の水割りで流し込む。連日の連戦で疲れ切った五臓六腑に、酒と魚が染み渡る。これぞ冒険者の生きがいだ!そんな風に興奮するレドの姿はもう獰猛な荒くれでも礼儀正しい紳士でもない、純朴な冒険者の青年といえるものであった。)
1001:
クレア [×]
2025-10-02 01:03:34
>1000
ふふっ、そんなに喜んでもらえると私も嬉しいです。
(食べ盛りの子は凄いなぁ…なんて思いながら、クレアは食べ物を頬張るレドの様子を微笑ましそうに眺めていた。クレア自身はというと食べ物には一切手を付けず、チビチビと手元の酒に口を付けるのみである。ただでさえ少食な上に、ギルドの食堂で飲んだくれていたせいで最早その胃には食べ物が入る余裕がないのだろう。そればかりか笑顔の裏で、酒を一口飲み込むだけで嫌な動悸を感じる始末である。いよいよ身体が発する危険信号を無視できなくなったクレアは休憩を兼ねてお喋りタイムへと移行することにした。)
レドさんはどうして冒険者になったんですか?
(食べ物を流し込んだタイミングを見計らって問い掛ける。初対面の冒険者同士がまずするであろう在り来りな話題。社交辞令や間が持たない時にこの手の話題を振ることは多いが、クレアは単純にレドへの興味からこの質問を投げ掛けていた。厳格な家で育ったかのような礼儀作法を備えた人間がなぜ冒険者をしているのか、クレアが言えたことではないが、そこに疑問符が浮かぶのは当然と言えるだろう。)
1002:
レド [×]
2025-10-02 18:47:39
>1001
お姉さん水ちょうだい!ピッチャーでな。
レドさんなんてそんな……俺はただの農民ですよ。身寄りも無いし、騎士にもなれない。他に食う方法を知らなくて東刀(コレ)で稼いでる、よくいる冒険者のひとりってわけです……どうぞ。
(さすがに大分飲んでるクレアの体調は良くないようだ。クレアを差しながら店員に水を注文しつつ、苦笑いしながら素性を語って。もう「クレアに憧れて」は見れば分かると思うので、もう一つの理由「農民である以上他に選択肢が無いから」を、椅子に立て掛けた自分の長い東刀に視線をやりながら語って。
その間にも掻き込んで空けた一皿を店員に下げさせ、空いたスペースにコップと水差しを置かせる。自らコップに水を注ぐと、気分の優れないクレアに差し出して。クレアの疑問通りここまで気配りのできる冒険者もいないかもしれないが、本人は「いっぱしの剣士ならできて当たり前」程度にしか思ってないらしく、肝心の回答が出ることはなかった。)
1003:
クレア [×]
2025-10-02 19:44:00
>1002
そう…ですよね。すいません、変なことを聞いてしまいました。お水ありがとうございま……
(身分制度のあるこの国では生まれによって就ける職業が決まる。言葉が足りないあまり意図を伝えきれず、国民の中でも最下層の地位にあると言っても過言ではない「農民」と知りながらこの質問を投げ掛けてしまったことに自らの無神経を反省した。シュンとした表情で詫びを入れると、差し出された水を受け取り礼を言おうとしたところで流しそうになっていたレドの言葉を思い出す。「身寄りも無い」、この言葉で嫌な可能性が再び頭を過ぎる。レドの年齢で農村集落、そして身寄りがないとなると、あの弾圧の被害者の線が十分に考えられるからだ。次第にクレアの思考を支配したその可能性はトラウマを呼び起こし、受け取ったコップを床に落としたかと思えば、続けざまに胸を抑え、ガシャンという音を立ててクレアも椅子から転げ落ちた。心的要因と何年にも渡る節操のない飲酒によって既にボロボロな身体、この2つが合わさることで遂にクレアは限界を迎えたようだ。ハァハァと過呼吸に陥りながら、動悸の収まらない心臓を抑えて地面に伏している。)
1004:
レド [×]
2025-10-02 20:31:59
>1003
なっ!クレアさん?クレアさんっ!しっかりして!ギルドだ、ギルドの医務室行きましょう……お勘定!
(突然倒れたクレア。その理由は知る由も無いがクレアの酒害がここまで進んでいたこと、何より地面に伏して苦しんでいる事自体にうろたえつつも、慌てて駆け寄っては倒れた彼女を抱えて。もうごちそうどころでは無い。まだ料理の残るテーブルにおそらく足りているであろう銭袋を置き、刀を差し直すと店を出ようとして。とにかくここから近いギルドの医務室に一刻も早く運ばねば……レドは焦りまくっていた。)
1005:
クレア [×]
2025-10-03 10:07:19
>1004
ごめん…なさい…
(朦朧とする意識の中、クレアは弱々しい声で謝罪した。折角の食事の席を台無しにしてしまったことに対しては勿論、かつて命乞いに聞く耳も持たず、自らが斬り伏せた農民達の幻影に。ピクリとも動かない身体とは裏腹にクレアの動悸は時間の経過と共に徐々に大きくなり、きっと抱き抱えているレドにまでその鼓動が感じられることであろう。生死の境と言っても過言ではない深刻な状況にあった。)
1006:
レド [×]
2025-10-03 12:52:50
>1005
大丈夫、大丈夫ですからクレアさん。何も心配はいらない。さ、ギルドですよ。
(クレアを背負いつつ、急に衰弱した彼女に声をかけながら夜道を走り抜ける。また何か粗相したのかと気がかりに思いつつも、背中に伝わる彼女の弱々しい感触に哀れみを覚える。この三年、これほどにまで身も心も傷ついていたなんて、こんなことならもっと早く寄り添えばよかった。そんな後悔と、一農民が騎士の名門・ライデン家に連なる者を二度も背負って走る運命の奇妙さを胸に抱きつつ、ギルドの門を空けて。)
急病人だ!医務室!医者!早く見てくれ!
(完全に焦って全身に汗を吹き出しながら、受付に向かって叫んで。正直レドの手に負える状況ではない。今頼りになるのはギルドの医者しか思い付かなかった……)
1007:
クレア/医者 [×]
2025-10-03 16:29:33
>1006
(ギルドへ着く頃には既にクレアは意識を失っており、レドの背中でぐったりとしていた。騒ぎに気付いた気怠げな医者はその様子を見て溜息を吐きながらも、すぐに医務室へと誘導すると、クレアをベットに寝かせて診察と治療を行った。)
これは酷いねぇ。もう既に身体の内側はボロボロだよ。それに加えて何かの呪い…彼女の心臓に何重にも巻かれたドス黒い鎖が見える。おそらく力の代償の類いだろう、解呪は不可能だ。ただ、この呪いは今回の発作に因果関係はなさそうだねぇ。節操のない長年の飲酒と過剰なストレス、主な原因はそれだろう。医者の立場から言わせてもらうと、少しでも長生きしたいなら酒はやめるべきだろうねぇ。ま、そんなことをしたら彼女の精神が耐えられないだろうけども。起きたら聞いてあげなよ。酒をやめて廃人になるか、命を削りながら正気を保つか、どっちがいいかね。これにて私は失礼するよ、ハァ…今日はなんでか急患が多いんだ。
(医者は上位の治癒魔法でクレアの容態を落ち着かせると、魔力を込めた瞳で要因を見定める。まず目を見張ったのは心臓に取り憑く禍々しい呪い。「これは長くはないな…」とボソッと不穏な事を呟いてから呪いの概要を説明しつつ、今回の発作には因果関係がないと付け加えて。根本原因は飲酒とストレスであると断定すると、非情な選択肢を突き付けた。応急処置は出来ても、もはやクレアの身体は治癒魔法でどうにかなる域ではない。酒をやめて廃人になるか、命を削りながら正気を保つか、起きたらクレアに選ばせるようレドに言伝を託し、医者は背を向けて再び溜息を吐いた。クレアの少し前に、なぜか三人もチンピラが運ばれてきたせいで医者には余裕がない。既に出来る処置は終えたため、クレアのことはレドに任せて足早にその場を後にした。)
1008:
レド [×]
2025-10-03 20:49:48
>1007
はぁ?呪い!?いったいなんでまた……おい待てよ!
……「酒をやめて廃人になるか命を削りながら正気を保つか」だと?なめやがって。聖教国の件でクレアさんに尻拭いしてもらったくせに!なんて雑な扱いだ……やっぱりギルドも頼りになりゃしないよ。俺がこの人に尽くすしか……
(治療もそこそこに、まるでクレアに寄り添うことなく足早に去る医者を睨みつけて。この前聖教国の司祭がギルドで無礼を働いた時、ギルドの連中は何もできずクレアさんが黙らせたと聞いた。それをなんて恩知らずな扱い……怒って地団駄を踏んで。それにしても「呪い」ってなんだろう。そういえば3年前、姉さんが正気を失ったクレアさんに余生がどーたらと叫んでたけどそれのことか?気がかりになりつつも、眠るクレアの側に椅子を寄せては腰掛けて。
医者の提言など論外である。どちらにしても彼女は死に急いでしまうから。どうせ今後クレアさんが倒れても今回みたいに対症療法だけして捨て置くのだろう。ギルドも彼女の事などどうでも良いようだ。冒険者の雑な扱いに顔を歪めつつも、自分がこの人を救ってみせると誓い、心身共にボロボロになり倒れ伏すクレアの手を静かに握り、穏やかな顔で誓って。)
……クレアさん、必ず貴女を癒してみせます。たとえ国中焼き尽くしても……そして俺が滅びることになっても!
1009:
クレア [×]
2025-10-03 21:42:51
>1008
…ん……ここは…あっ…!レ、レドさん…!本当にすみません…!あの…これ、今日の支払い分です。どうか受け取ってください…!
(小一時間程してクレアは目を覚ました。ぼーっとした頭で周囲を見渡せば見覚えのある光景が広がっており、ここがギルドの医務室であることはすぐに分かった。次第に意識が覚醒していき、手の温もりとその主に視線を移して、大方の状況を察することとなる。ご馳走すると意気込んだ挙句に途中で倒れて会計まで任せた…その事実に慌てふためいた様子で謝罪すると、すかさず普段から胸当ての中に忍ばせてある金貨を一枚取り出し、まだ温もりの残るそれを自身の手を握るレドの手に滑り込ませて。今日の会計分は勿論のこと、もう一度魚介フルコースを堪能出来る程の金額だが、これはクレアなりの誠意である。クレアの潤んだ瞳から、恐らく受け取らないなんて選択を取ればきっと彼女の気は済まないことであろう。)
1010:
レド [×]
2025-10-03 23:02:51
>1009
あっクレアさん、よかった気が付いて……えっなにもそんな!当然のことしたまでで……ありがとうございます。大切に使います!
ヤブ……医者がとりあえず治療しましたが、今日はここで休んだ方がいいでしょう。たまにはゆっくり寝てください。付き添いますから。
(目を覚ましたクレアにほっとして声をかけると、彼女から金貨を渡される。その優しさと温もりに顔を赤らめ、素直に両手で受け取りありがたく胸にしまい込んで。疲れ切っているクレアを安心させようと再び彼女の手を握り、今日はここで休むよう穏やかな顔で伝えて。昨日のアリシアの時と同じように、今日も徹夜でクレアを見守る所存である。一見好青年のようだが、うっかり「ヤブ医者」と言いかけた時は一瞬眼の鋭い荒くれ顔に戻っていた。どうも医者の態度が気に入らなかったらしい……)
1011:
クレア [×]
2025-10-04 08:11:44
>1010
い、いえ…お礼を言うのはこちらの方です。その…では、お言葉に甘えて…
(金貨を受け取るなり礼を言うレドに、首を横に振って、ここまで世話になってむしろ感謝するのは自分の方だと告げて。そして、ここで休むように促され、さらには付き添うとまで提案されると、その抗い難い魅力にクレアは頬を赤くして了承した。普段は酒で誤魔化しているがクレアの心は繊細である。誰かが傍に居てくれる…それだけで彼女が安心を得るには十分であった。自身の手を握るレドの腕を無意識に手繰り寄せ、抱き枕のようにして瞳を閉じる。感じるのは心地良い温もりと罪悪感。もし頭を過ぎった最悪の可能性が真実ならば、クレアの心はきっと耐えられないことだろう。未だ真相を聞けずにいる自分の弱さを軽蔑しつつ、今はただ身体を休めることに専念した。)
1012:
レド [×]
2025-10-05 03:56:55
>1011
ちょっ、クレアさん!?ま、まいったな……いいか、幸せそうだし。
……「己が持つ力を愛に使うか我欲に使うかは、人に委ねられた最後の選択肢だ。レド、おめぇは剣だけでなく心も磨け」か。師匠(オヤジ)、いまやっと実践できた気がするよ……
(クレアに自分の腕を抱き枕にされ、顔真っ赤にして。だがその興奮もすぐ安らぎに変わる。これ以上の関係になれない事は承知の上。憧れの人が自分の腕で癒されている、今のレドはそれだけで嬉しい。
クレアの温もりで落ち着き頭が整理されると、さっき帝国兵にやられていた輩がタチの悪いBランク冒険者だったことを思い出す。同じBランク、アイツも俺も紙一重の存在だが、幸い自分の方は今こうして傷ついた冒険者に癒しを与える存在になれたようだ。師匠の言葉を思い浮かべていると、椅子の中でウトウトしだして。憧れの人の体温を腕に感じていると自分まで眠くなる。これが、強く優しい理想の剣士の腕……)
あぁ、あったかいな……こういう人にこの国を導いてほしいなぁ……
(遠のく意識の中、うわごとを呟いて。目の前の憧れの人の、かつての所業を知らぬまま。)
1013:
クレア/シエル [×]
2025-10-05 11:15:14
>1012
…んっ…だめです…カルロス……こんな所で…もぅ…ばか…
(どれ程の時間が経ったであろう、医務室にはすっかり朝日が差し込んでいた。未だ心地良さそうに眠るクレアは、レドの温もりをカルロスに見立てて在りし日の過去を夢に見ているようだ。艶かしいその声色から見ている夢の内容は明らかで、カルロスという男は優男の見た目ながらなかなかのやり手のようである。ばかとは言うものの、カルロス(レドの腕)を抱きしめる力は一層強くなる。)
あっ!レドくん、こんな所に居たっすね!昨日からずっと探して……って何やってるんすか!浮気っすかッ!
(そこにタイミング悪く、近衛隊一の雑用係ことシエルが現れた。その口上から、指南役に関わる言伝を預かってレドのことを探していたようだ。何処を探しても見当たらない為、まさか怪我なんてしていないだろうと、駄目元で訪ねてみたギルドの医務室でレドを見つけたはいいものの、何やら女性の冒険者とイチャついている(シエル視点)。女性の艶かしい声からしておそらくは事の最中…レドがアリシアと一夜を共にした事は近衛隊である彼女からすれば周知の事実であるため、浮気現場に遭遇したと勘違いするのは仕方あるまい。ムスッと頬を膨らませて分かりやすく怒りを示すと、親友アリシアの為に声を張り上げて詰め寄った。)
1014:
レド [×]
2025-10-05 17:38:37
>1013
………………やばっ、寝ちゃっ………なっ、んなあああっ!?
(気が付けばすっかり寝入ってしまい、差し込む朝の陽ざしで目が覚めると……憧れの人が自分の腕にしがみついて発情している!ああ、クレアは未だ亡き恋人に囚われているのだな、カルロスも意外と床上手だったんだな……と分析する余裕は剣一筋で生きてきたレドには無い。彼女の喘ぎ声と身体の感触に耐えるべく、汗の垂れる真っ赤な顔を片方の手で必死に押さえるばかりであり。)
ばっバカ野郎!病室だぞ!
(そこに見覚えのある顔・近衛隊のシエルがやってきて声を上げるので、顔を赤くしたまま静かに叫んで。病室で叫ぶという非常識に呆れつつも、肩の力が抜けてかえってほっとしており。亡き恋人の想い出に浸っている以上この腕は振りほどけない。さりとて未亡人に手を出す気の無いレドは彼女の艶かしい姿と声に必死で抗うしかない。だが今の騒ぎでクレアは目覚めるはずだ。シエルが現れなければ、彼にとっては拷問に等しい時間が続いたことだろう……)
1015:
クレア/シエル [×]
2025-10-05 20:49:54
>1014
それもそうっすね…って!そんなんじゃ誤魔化されませんよ!それに、そこの淫乱女っ!いつまで他人の男に抱きついてるんすかっ!
んぅ…ふぇ…?な、なんのことでしょう…
(ここは病室だと言うレドの忠言にシエルは一時納得しかけるものの、浮気現場にしか見えない光景を前にして平静を取り戻すことなど出来なかった。未だ頬を赤らめてレドの腕に抱きつくクレアを指差すと、そう見えるのも仕方ないが「淫乱女」のレッテルを張って糾弾を始める。あまりの騒がしさにとうとう瞳を開いたクレアは、目覚めと共に夢のことなどすっかり忘れ、状況が読み込めずに困惑した表情で首を傾げた。)
惚けないでください!レドくんとナニしてたんすか!
ああ…これはすいませんっ!恋人がいたとは知らず。その…なんと言いますか。凄く…固くて大きくて…抗いがたい魅力を感じてしまって、つい…
んなっ…!レドくんのサイズなんて聞いてないっすよっ!?
(惚けているようにも見えるクレアの態度にシエルは尚のこと腹を立てて、指した指をぶんぶんと振りながら問い詰める。クレアの方も寝起きの回らない頭で何とか目の前の状況を整理すると、自身がレドの手どころか腕にまで抱きついていることに気が付いて慌てて放した。きっと、目の前の女性はレドの彼女で、恋人の腕を抱き枕にして眠っていたことに腹を立てているのだろう…聖教国の意匠の入った剣から察するに、厳しい戒律を重んじる敬虔な信徒であるならば恋人に気安く触れただけで激高するのも無理はない…と、誤った解釈に行き着き、身を起こすなりベッドの上で正座をしてぺこりと頭を下げた。レドの腕を枕にしてしまったことを、誠心誠意、言葉を尽くして弁明しようとするが寝起きの語彙力では限界があり、これまた誤解を生む表現をしてしまう。そして、案の定言葉の意味を誤解したシエルは、あまりの衝撃と羞恥心に顔を真っ赤にして後ずさる。その様子を未だ怒りが収まっていないと捉えたクレアは顔を上げ、気まずそうな表情と視線でレドに助けを求めた。)
1016:
ザルヴァド・レティシア [×]
2025-10-07 07:39:47
過去編「戦場の花嫁」
(政変から半年、共和制へと移行した反動でフリード共和国の国内情勢は混迷を極めていた。噴出した国民の不満を外へ向けるべく「王家に弾圧されている民衆の保護」なんていう大層な建前を掲げ、共和国首脳部が王国に対し宣戦布告を宣言したのがつい三日前である。初日こそ不意打ちじみた侵攻で優位に立っていたが、やはり兵力・経済力ともに勝る王国に分があり、たったの数日で共和国軍は王国の地を追いやられ、逆に越境される始末であった。そして今まさしく、ザルヴァド・ライデン率いる一団が国境付近の共和国の地方都市「ヴァルモン」を包囲していた。)
ハァ…いつかはこうなるとは思ってましたが、案外早かったですね。
始まってしまったものは仕方あるまい。我々がすることはただ一つ、勝利を決定的なものとして敵の戦意を挫くだけだ。
(都市を一望できる丘の上で、ザルヴァドと副官は攻撃準備が整うまでの間雑談に興じていた。ヴァルモンの街並みは辺境の都市ということもあり閑散としており、聖教会の立てた一際大きな教会だけが異様な存在感を放っている。今回の戦に聖教国は中立を表明しているが警戒するに越したことはない。介入の口実を作らない為にも教会への被害を最小限に抑えるべきだろうと、雑談の傍らにザルヴァドが作戦を思案していると、風に乗せられて、耳触りの良い鈴のような声色の歌が聞こえてきた。古代語で紡がれるその歌が何を意味しているかはまるで分からないが、不思議と耳をすまさずにはいられない魅力が感じられる。名残惜しくも歌声が聞こえなくなった頃、上空に都市を覆う程に巨大な魔法陣が現れ、そこでようやくその場の全員が、歌の正体が魔法の詠唱であったことに気付かされた。)
伏せろッ…!
(ザルヴァドは叫ぶ。それと同時に魔法陣から剣を模した光の雨が降り注ぎ、都市諸共王国の軍勢を一掃した。攻撃が止み、舞い上がった砂塵が落ち着いた頃に姿を見せたのは瓦礫の山と化した都市と、無数の死体と負傷者。今この都市周辺で立っているのは二人だけ、並外れた反射神経で攻撃を躱したザルヴァドと、崩れた教会の中から姿を現した女の司教。魔法の発動者は此奴に違いない…そう確信すると、少なくない仲間を失った怒りに拳を握り締めて司教を睨み付け、司教もまたこちらに気が付いたのか振り返ってザルヴァドに視線を向けた。その瞬間ザルヴァドの中の怒りは消え去り、代わって初めて抱く感情を自覚する。神々しさすら感じる白い祭服に同系色の白髪。日差しを遮る建物が全て倒壊したことでそれらは一層輝いて見えた。「天使が…舞い降りた…」そう呟くと、ザルヴァドは丘を下り、一心不乱に彼女目掛けて走った。なぜ教会が攻撃に踏み切ったのか、本国の意思が働いているのか、考えるべきことは山ほどあるのだが、今はそんなものはどうでもいい。ただ彼女と言葉を交わしたい。溢れんばかりの気持ちを胸に、ものの数十秒で教会の跡地に辿り着くと、ついに二人は対峙することとなる。)
まだ動ける人間がいたとは…恐れ入りました。王国の野蛮人ともなると生命力もお強いのですね。
結婚しよう。
(仕立ての良い祭服に、身に纏う魔力の性質。彼女こそがこの国の枢機卿であることをザルヴァドは一目で見抜くが一切動じることはない。しばらくの見つめ合いの末、先に口を開いたのは枢機卿ことレティシアであった。穏やかな口調とは裏腹に、心底軽蔑した眼差しを向けて皮肉交じりの賞賛を述べる。彼女は聖教の信徒である前に一人の共和国人であり、王国へ恨みや偏見を抱いているのは当然であろう。今回聖教国の意思に反して攻撃に踏み切ったのも彼女の独断であった。そんな敵愾心丸出しのレティシアを前にして、ザルヴァドは片膝を着き、真剣な面持ちで衝撃の一言を放つ。)
……え?は…?い、意味が分かりません…!なぜそうなるのですか…!?
結婚とは男女が生涯を共にする契りを交わすことで…
そんなことは知っています!そういうことではなくてっ!今しがた私は貴方の仲間を大勢手にかけました。そんな相手に求婚するなどとても正気とは思えません!
(初対面、敵同士、それも第一声でプロポーズするなど正気の沙汰ではない。ある種の狂気すら感じる行動を前に枢機卿たる威厳はどこへやら、レティシアはすっかりたじたじになっていた。意味が分からないという言葉を文字通り受け取ったザルヴァドは表情を変えず淡々と結婚の意味を説明するが、彼女が言いたいのは当然そういうことではない。首をぶんぶんと振って、仲間の仇に結婚を申し込むなど有り得ないと、至極真っ当なツッコミを入れた。)
ならば失った命の数だけお前が産めばいいだろう。
なっ…!?そんなに産めるわけないじゃないですか!野蛮人は発想も野蛮なのですねっ!私の身体が目当てなんですかっ…!?
一目惚れだからな、突き詰めればそうなる。で、何人なら産めるんだ?
二人くらいなら…って何を言わせるのですか!そもそも私の純潔は神に捧げるものであって、断じて貴方などに…
そうか…じゃあ信仰を捨てろ、そして結婚しよう。これで解決だな。
(尚もザルヴァドは臆することなく常軌を逸した発言を続ける。奪った命の数だけお前が産めなど、到底まともな倫理観を持った人間からは出ない言葉であろう。恋は盲目と言うが、ここまで来ると狂信の域である。狂信者と狂信者、後のおしどり夫婦なのだから皮肉にもこの時点で既に相性は良かったと言える。ザルヴァドが運命を感じたのも必然であった。瓦礫と死傷者が散乱する凄惨な戦場の真ん中で、その場に似つかわしくない漫才はしばらく続いた。)
あぁ…もうっ!埒が明きません。分かりました…どうせ今日が貴方の命日となるのです。その戯言を聞き入れましょう。貴方が勝てたらですけどねッ…!
(どこまで行っても平行線…というよりは話が通じないことに痺れを切らしたレティシアは実力行使に打って出た。元より王国の軍勢など一人とて生かすつもりはなかったのだ。戯言など適当に流して最初からこうすれば良かったと、無駄な時間を浪費したことに苛立ちを感じながら無詠唱で魔法を放つ。先程の大魔法の簡易版、しかし規模こそ小さいとは言え数百の光の剣がノータイムでザルヴァドに降り注いだ。並の人間であれば為す術なく細切れになることであろう。枢機卿たる超越者にのみ許された理不尽。レティシアは勝利を確信して微笑んだ。舞い上がった砂塵が次第に落ち着きを取り戻し、その先には肉塊…となっている筈のザルヴァドがなんの気なしに立っていた。手には剣が握られており、それは即ち数百発の光の速さの攻撃を全て見切った上で捌いたことを意味する。その現実を見てレティシアは「は…?」と再び間の抜けた困惑の声を漏らす。)
話が早くて助かる。では、次は俺の番だな。
…ちょっ…まっ……うぐっ…!
(勝てば結婚。随分とシンプルに話が纏まったものだと、ザルヴァドの脳内は歓喜に支配されていた。口角を二ッと吊り上げ、ここで初めて笑顔を見せる。まるで獲物を前にした捕食者のような顔に、レティシアは恐怖して半歩後退った。ザルヴァドは傷付けることなく花嫁を迎える為に剣を鞘に収めると、瞬く間に距離を詰め彼女の腹に目掛けて拳を突き出す。これにさすが枢機卿、未だたじろいでいるもののしっかり攻撃に間に合わせ、生み出した魔力障壁で攻撃を受け止める。しかし、既に大魔法の発動で相当量の魔力を消耗しており、目の前の捕食者を止めるには強度が不足していた。バリンと音を立てて障壁は砕け散り、拳が腹にめり込むとその衝撃から痛みを感じる間もなく気を失った。)
うむ、実に清々しい気分だ。まさかこんな場所で運命の出会いを果たすとは。失った同胞達には申し訳ないが…俺は俺の幸福を追求するとしよう。元よりあのような攻撃、防ぎようがないのだ。こうなる運命だったのだと割り切るほかにあるまい。それに、無礼を承知で言うならば失った戦力は彼女一人で十分に補完できる。否、補完どころではないな…払い値の倍額で釣りが来るようなものだ。しかし、気持ちが昂るあまりすっかり失念していた。まだ彼女の名を聞いていないではないか…帰ったらまずは互いに名乗ろう。
(レティシアが倒れる前に先回りして、お姫様抱っこで迎え入れる。ザルヴァドは己が腕に天使を抱いているという事実に、まるで天井知らずの高揚感に浸っていた。そのまま後方部隊と合流すべく歩みを進めながら、報告を取り纏める為に此度の損失について思考する。ハッキリ言ってしまえば失ったものよりも得られたものの方が遥かに大きい。個人的な感情を抜きにして、戦力的な一面だけを見ても枢機卿クラスの大司教というのはそれ程の価値があるのだ。人の上に立つ者としての冷酷な勘定を終えると、ザルヴァドはハッとした表情で天を仰ぐ。ザルヴァドは気持ちが昂るあまり、レティシアは勝利を確信するあまり、方向性は違えど、どちらも目の前のことのみに気を取られて名乗っていなかったのである。斯くして、互いに名前も知らぬまま、ここに一組の夫婦が誕生したのであった。)
1017:
トピ主 [×]
2025-10-07 07:44:21
少々長い文章になってしまいましたが、クレアの両親であるザルヴァドとレティシアの馴れ初めを書きました!自分で書いておきながら、この両親からまともな感性を持つ子が生まれて良かったと思います…
ちなみにクレアの素の口調が敬語なのは母親の影響です。
1018:
レド [×]
2025-10-07 23:15:19
>1015
……ああもう……この駄犬が。
(……ダメだこりゃ。いったいどんな会話してんだよ……顔を手で覆い、天を見上げて呆れ果て。とにかくこのバカ、シエルがいる限り収拾がつかない。腕の拘束が解け自由になったレドは立ち上がり。)
あークレアさん、楽にしててください。この大バカをシメてきます……身の程を弁えない駄犬には、教育が必要です。
(正座するクレアを制しつつ、シエルの背中を片手で引っ掴んで持ち上げると、廊下へと向かって。顔を強張らせ、髪を逆立てる怒りの表情からはまるで悪魔のような殺気が溢れている……)
>1016
(/こ、これは団長が一目置くのも当然か……S級クラスの騎士の父に枢機卿の母、クレアもとんでもない血統だなぁ……二人ともクレアの親とは思えないくらい、なんかおかしいですけど。特に父親……)
1019:
クレア/シエル [×]
2025-10-08 00:12:17
>1018
えーと…わ、分かりました…
レ、レドくん…?顔が怖いっすよ…?騒いだことは謝りますから…痛いのだけはやめてくださいね…?
(レドの気遣いに頷き脚を崩すと、クレアは心配そうな面持ちで二人の背中を見送った。クレアは未だ二人が恋仲にあると誤解している為、シエルの身を案じながらも下手に口を出すべきではないと判断したのだろう。一方でシエルは、レドの殺気に完全に萎縮して、まさに飼い主に叱られることを察した犬のような状態である。その困惑が感じられる青ざめた表情から、何を反省すべきなのか未だ理解していないことは明らかだが、恐怖で抵抗する気すら起こさず成されるまま連行される彼女に出来ることは必死の命乞いのみであった。)
(/クレアの父親は直情筋肉ダルマなので、一言で言えばバーサーカーですね…一方で母親は典型的な聖教の信徒らしく特定の相手を除けば基本的には温厚です。父親の強さと母親の容姿・内面を上手いこと受け継いだ結果がクレアになります(o^^o))
1020:
レド [×]
2025-10-08 19:42:21
>1019
まったく……とりあえず、あの夜の襲撃から無事生還できて嬉しいと言っておこう。シエル。
だがな、お前は謝らなきゃいけない。俺にじゃなくて、あの人に……Sランク冒険者・「不死鳥の翼」のクレア・ライデン様にだ!
(シエルを引っ掴んだままズンズン廊下を歩き、人気のない所でシエルを下ろして壁を背に立たせて。再会を喜びつつも、腰に手を当て困り顔で説教を始めて。さらには顔をずいっと近づけるとクレアに謝れと迫って。その顔は殺意より呆れが強く、犬の飼い主というより子供を叱る母親のようである。)
1021:
シエル [×]
2025-10-08 21:10:57
>1020
レドくんこそご無事でなによりっす…一時はどうなる事かと…ってクレア・ライデンってあの…!?で、でも…何を謝れと言うんですか…相手が誰だろうとアリシアちゃんを差し置いてほかの女とイチャつくなんて到底許せないっす!むしろレドくんの方こそアリシアちゃんに謝るべきっすよ!
(再開の喜びにシエルも同様にほっとした様子で返すも、クレアの名を聞いて目を見開いた。騎士団においてクレアの名を知らない者などいない。ましてやシエルにとって、親友であるアリシアと縁のある相手なのだから尚のことである。しかし、相手がクレアだから何だと言うのだ。浮気は浮気、アリシアの為にもここは自分が間違いを正さなければならない。そう覚悟したシエルは先程までの怯えを振り払い、真っ直ぐにレドの瞳を見据えて抗議した。誤解とは言え、真っ直ぐな心魂の持ち主であるシエルは親友の為に本気で怒っていた。まずは誤解を解かないことにはクレアへの謝罪はないであろう。)
1022:
レド [×]
2025-10-09 13:09:56
>1020
イチャつく……?……俺の手など、あの人には届かん。
(怒りに震え浮気を問い詰めるシエルに対し、レドはその怒りを流すかのごとく、何も知らぬシエルを哀れむがごとく、ただ無表情で溜息を吐いてシエルの脇を通り抜け)
クレアさんは3年前に恋人を亡くされてな。それ以来酒浸りの毎日だ。これは冒険者なら誰でも知っていること……今のも倒れたクレアさんを介抱していただけだ。
……「淫乱女」か。むしろそうであった方が俺も憧れなくて……あの人も幸せだったかもしれない……
(力なく廊下をゆっくりと歩いては、ぽつぽつとクレアの過去と今朝の事情を話して。窓の前に立つと両手を後ろに組んで外を眺めつつ、クレアも「淫乱女」である方がよかったと呟いて。あの人は今も亡き恋人、いや半身の幻影に囚われている。そしてこれからも……そんな憧れの人を男として抱くのは不可能だが、その姿を捨て置くこともできない……残酷な運命を悲しむレドの横顔を伝う涙が、窓から漏れる朝陽でキラキラと輝きを放っており。)
1023:
シエル [×]
2025-10-09 17:44:07
>1022
三年前に…恋人を……?…その…ごめんなさい。私…そんなことも知らないで、浮気なんか疑っちゃって…酷いこと言って…後でクレアさんにもちゃんと謝ります……あ、あの…こんな雰囲気で言うのも気が引けますけど…戻る前にレドくんへの要件を先に伝えてもいいっすか…?内容が内容なんで、部外者に聞かれる訳にもいかないので…
(事情を聞くなりシエルは暗い表情で俯いた。レドの涙からこれは嘘ではないと確信すると、自分の犯した軽率な行動を振り返り、罪悪感に胸が締め付けられるような感覚に陥る。何とか自分まで泣くのを堪えて言葉を紡ぎ、浮気と決めつけて詰めたことをレドに謝罪すると、勿論、酷い暴言を吐いてしまったクレアに対しても後ほど謝罪すると誓った。そして、顔を上げると潤んだ瞳のまま彼女は自分の職務を遂行しようと言葉を続ける。こんな雰囲気で切り出すのも気が引けるが、本来ここへ来たのは指南役に関わる重要な言伝を預かっているからである。空気を読めていないことは承知の上で、人気のない場所にいる今だからこそ話を切り出した。)
1024:
レド [×]
2025-10-10 21:22:25
>1023
ん……分かればいい。
(潤んだ瞳で誤解を謝罪するシエルに向き直ると、心底ほっとした顔で彼女の肩をポンと叩き。)
内容?……下手に他の冒険者に聞かれたら殺し合いになる事……指南役の件だな。
(辺りを見回しながら人気の無いのを確認し、シエルの正面に立って。灰色の瞳は涙で輝きながらも静かにシエルを睨み、声は冷たく、閉じた口は真一文字に結び、シエルの言伝を真剣に待つ。近衛隊の彼女が来たからには重要な内容だと察している。おそらくは他の冒険者が耳にしたらレドから名誉を奪おうと争い血が流れるであろう話……近衛隊剣術指南の件だと。)
1025:
シエル [×]
2025-10-11 12:44:27
>1024
お察しの通りっす。肝心の日程なんですけど、準備が出来次第速やかに王城に参じて欲しいとのことです。今まさしく第二騎士団長が庁舎に視察に来てるんですけど、どうにも裏がありそうで…アリシアちゃんとしてはレドくんにその監視を任せたいみたいっす。ギルドの前に馬車を停めてあるので、午前中には出発出来るように準備を済ませてください。
(察しの良いレドの言葉に頷くと、シエルは自らの涙を拭ってから詳細を話し始めた。この時期の第二騎士団長による視察、その動きを怪しんだアリシアはどうやらレドにその監視を任せたいようである。指南役という中立的ポジションに置かれているレドを内偵に使うという点は、奇しくも宮廷もアリシアも考えることは同じであった。特にアリシアに至っては一夜を共にした仲である為、レドに向けている信頼は相当なものであろう。急な依頼の為、少しでも早く伝えるべくシエルは昨日から夜通しレドを探していた訳だが、結局こうして当日に伝える形になってしまったこともあり、その表示は申し訳なさそうに眉尻を下げていた。)
1026:
レド [×]
2025-10-12 00:36:03
>1025
おいおい急な話だな……フン。成り上がりの田舎者が近衛隊に挑むとは、愚かな……
……了解した、言伝ありがとう。他に用件は?
(午前中に王城へ来いとはまた……急な話に頭をかいて。バカエルフに不意討ちを決めるアリシアだ、流石に鋭い。第二騎士団長・エリーゼを怪しんで俺に監視せよと来たか。しかし一歩遅かったな……と、視線を逸らしつつも素知らぬ顔でエリーゼを「成り上がりの田舎者が近衛隊に挑むとは愚かな」と吐き捨てて……自分も同じ立場なんだが。
シエルも自分を探すのに苦労したようだ。ふぅ、と一つ息を吐いて肩の力を落とし表情を緩めれば、穏やかな顔で言伝を受け、他の用件を尋ねて。)
1027:
シエル [×]
2025-10-12 13:30:00
>1026
あはは…レドくんもアリシアちゃんみたいなこと言うんすね。あとは…レドくんへの用事はそれだけなんですけど、実はもう一人探してる人がいまして…帝国の武官さん、どこかで見たりしてないっすか?昨日から見当たらないんで、放っておいて外交問題になるのも面倒なんで連れ帰るよう言われてるんすよ。レドくんが支度してる間に探しておくんで、心当たりがあれば教えて欲しいっす。
(レドが吐き捨てたセリフがアリシアと重なり、シエルは苦笑いを浮かべた。演技だとは微塵も気付かず、内心でやっぱり二人はお似合いかもしれないなんて思いながら話を続ける。レドのほかにもう一人、帝国の武官を探していることを明かして。帝国の人間をあまり長時間野放しにしていると何をしでかすか分かったものではない。アリシアとしては外交問題に発展する前に庁舎に連れ戻したいのだろう。武官の所在に心当たりがないか尋ねるシエルの表情は不安から少しだけ強ばっていた。帝国の野蛮人とこれから一人で相対することになるのだから当然の反応である。)
1028:
レド [×]
2025-10-12 21:52:24
>1027
北のグラキエス帝国か。そもそもこの国で帝国の人間など見たことないが……ああそういえば。昨日の夜、灰色の軍服を着た銀髪の女がこの辺をうろついていたような。案外近くにいるかもしれないぞ。
……ところでシエル、お前はこの国に帝国の人間が来る事、アリシアが帝国を招いた事をどう見る?……少しは考えて答えを出せよ。そうでなきゃアリシアも浮かばれないぞ。
(帝国武官の所在を尋ねられ、腕を組みながらそれらしい人物、昨日の路地裏の女のことを答えて。それから腕を組んだままシエルを睨みつけ、侵略国家の帝国がわざわざ遠方のこの国に訪問する事、アリシアもアリシアで帝国の人間を招いた事に対する見解を求めて。近衛隊なのだ、ただ剣を振るうばかりでなく政治にも通じておけよ。アリシアもそのために付きっきりでお前に勉強教えたんだろ?……と冷たく睨みつけるレドの視線は厳しい。)
1029:
シエル [×]
2025-10-12 23:00:39
>1028
そうっす、まさしくその人です!ありがとうレドくん、お陰で捜索が楽になりました。
(灰色の軍服に加えて帝国人に多い銀髪、レドの語った特徴はまさしくシエルの探している人物に合致していた。捜索の手間が省けることに喜びを隠せず身を乗り出して礼を言うが、続けられた難しい問いかけと厳しい視線に怯んですぐに半歩後退る。)
か、顔が怖いっすよ…ええと……あの帝国のことですし、友好関係の促進はまずないとして…視察を建前にした何らかの取引きと見るのが無難ですかね…?
(圧に押されるままシエルは必死に頭を捻る。こうした政治ごとはシエルが最も苦手とする分野だが、アリシアの名前を出された以上はそれなりの回答を用意するのが筋である。しばらくの思考の後に、視察を建前にした何らかの裏取引きだと結論付けた。自信なさそうに答えるシエルだが、帝国の特性を考えるなら無償の友好などまず有り得ない。情報の少ない現状では具体的な狙いまでは分からないが、帝国に取って利のある何らかの取引きが行われることは間違いないだろう。)
1030:
レド [×]
2025-10-13 00:27:09
>1029
ふーむ、取引か。まあいいだろう。正直俺も連中が何しに来たのかさっぱりわからんからな……
まあ、どのみちお前にはもう関係無い事か。剣士を人前で「淫乱女」と貶めたのだからな……さあ、騎士なら腹かっさばいて詫びてもらおうか。
(どうにか答えをひねりだしたシエルにほっとして一息吐いて。正直それだけとは思えないが、なにせ自分でも帝国兵がこの国に来る意味が分からないのだ。シエルが自分なりに結論を出しただけでも満足である……が、今度はドス黒い殺気を帯びながら仁王立ちして、クレアへの非礼を切腹して詫びろとシエルを指差すが……)
……と言いたいが、それはあの人の望むことではない。しかし一剣士としてお前をこのまま帰すことはできない。捜索に行く前にお前にはやるべきことがある……わかっているな?
(すぐ殺気を納めると、すっと歩いて窓にもたれかかって。昨日出会って分かった。クレアは名誉のために血が流れることを好まない。だがせめて帰る前に一言謝るべきだ……やわらかな朝の陽ざしを背に浴びながらシエルを諭すレドは、どこか穏やかだ。)
1031:
シエル/クレア [×]
2025-10-13 10:33:13
>1030
ひえっ…わ、分かってます!ちゃんと謝りますから!
(ドス黒い殺気を前にして、シエルは自分の身を抱いて露骨に怯えた様子を見せるが、その後にレドが穏やかな様子へ変わるとホッと一息ついて、筋を通してしっかりと謝罪することを再度誓った。)
クレアさん、本当の本当に申し訳ありませんでしたぁ!
わ、私は大丈夫ですから…汚れちゃいますから、どうか顔を上げてください…
(場所は移り医務室。ベッドに腰掛けたクレアの前でシエルは額を床に擦り付けて土下座をした。立った状態からのスムーズな土下座への移行、洗練された所作から、シエルは相当土下座に慣れている様子である。アリシアの下で日頃から叱責されているのが丸分かりだ。
戻ってきたかと思えば速攻土下座。その光景を前にしてクレアは苦笑いを浮かべながら、シエルに顔を上げるように促した。これは明らかに引いている。必死に謝るあまりクレアの言葉が届いていないシエルのことは一旦放っておいて、反応がオーバーなところを若干レドに重ねながら、クレアは視線をそのレドに移した。)
ひとまず誤解が解けたようで安心しました。レドさん、何から何までありがとうございます。私の介抱はもう大丈夫ですから、あとはご自分のことをなさってください。
(ぺこりと綺麗な所作で頭を下げると、クレアは事態を収拾してくれたこと、そして一晩介抱してくれたことに礼を述べた。近衛隊の人間が尋ねて来たと言うことはレドには何らかの仕事があるのだろうと察し、憂いを断つために、一晩休んだこともあり自分の体調は大丈夫だと告げる。)
1032:
レド [×]
2025-10-13 19:34:31
>1031
そんな、お構いなく……まだ出立まで間はありますし、一服くらいしてから行きますよ。クレアさんもいかがですか?ホットミルク……疲れた身体には丁度いいかと。
(ひとまずシエルは謝ってくれて安心した……所作がアレだが、と安心した顔を見せる。だがクレアに対しては帰るどころか、手をもじもじとさせながらお互いにホットミルクで一服しないかと提案して。その顔には安心の陰にさみしさが滲んでいる。正直レドは帰りたくない。もっと憧れの人と一緒にいたいのもあるが、何よりクレアの精神面が心配なのである。アリシア、レイラ、あーハゲはいいや。そして……。……次々と親しい人に去られた今、自分が去ってしまったら、誰が彼女の孤独を癒すというのだ……)
聞こえたなシエル?さ、ホットミルク2つ、持ってこい。もちろんお前のおごりでな。それで手打ちにしてやる。いいな?
(土下座ばっかりしているシエルの側にしゃがみ込み、背中をバシバシ叩くと、指二本立てて「ホットミルク2つ持ってこい」と指示して。剣士に向かって人前で「淫乱女」と叫ぶなど斬られてもおかしくないが、これで和解としよう。よろしいかと、クレアにちらりと視線を向けて。低い声に荒い所作、クレアに対する純朴な青年の姿とはまるで異なる、剣に生きる荒くれ者の姿があった。)
1033:
シエル/クレア [×]
2025-10-13 21:42:28
>1032
では…お言葉に甘えて。シエルさん、よろしくお願いしますね。
イテテ…は、はい!こういった雑用は得意なので任せてください!
(レドの提案を聞いて、クレアは顎に手を添えて少しだけ考える素振りを見せる。かつて騎士であった身の上から、シエルのことを考えれば贖罪の機会を奪うほど残酷なものはないだろうと結論付けると、小さく頷いて提案を了承した。シエルに向き直り、よろしくと使命を託す様は、窓から差した陽が後光となりまるで聖女のようである。レドに叩かれた背を擦りながら顔を上げたシエルはその様を目に焼き付けて、ぴょんと立ち上がると自信満々に駆け出した。普段ならアリシアに土下座をすれば頭を踏みつけられたまま延々と詰られるのだが、姉妹のごとく容姿が似ているクレアの振る舞いはまるで優しかった頃のアリシアと相対しているような高揚感を与え、シエルはすっかり浮かれていた。しばらくして廊下からは「走るな!」と咎める職員の怒号と「ごめんなさいー!」と情けなく謝るシエルの声がこだました。その声を聞いて、しばらく無縁だった平和な喧騒を身近に感じたことでクレアは思わずクスッと笑みを零して見せた。)
1034:
レド [×]
2025-10-14 18:39:11
>1033
ふぅ、やれやれ。まだまだ教育が必要と見えるな…….
(しゃがんだ姿勢のまま、騒々しいシエルの様子に思わず苦笑いを浮かべて。シエルが織りなす平和なギルドの喧騒が、気心の知れた冒険者仲間と共に歩んだ昔を思い出す。小言を呟きながらも、どこか穏やかな微笑みを浮かべており。)
クレアさん……一度とならず二度までも、お見事な取り計らい。不名誉は血ですすぐばかりが剣士では無いと……一剣士として勉強になるばかりです。
(後光を背負うクレアに片膝をつき、自分に続いてシエルの事も穏便に解決したことに礼を述べて。「屈辱には血の贖いを」。そんな剣士の在り方を貫いていたら自分の命も、今の平和な光景も無かっただろう。聖女様は聖教国だけではない、この国にも存在する……目を伏してクレアの慈悲に感謝するその姿は実に静かで、穏やかだ。)
1035:
シエル/クレア [×]
2025-10-14 21:55:54
>1034
えへへ…私はそんな大層な存在じゃありませんよ。
(照れくさそうに頬を掻きながらレドの言葉に謙遜して。だいぶ酒も抜けたことでテンションが落ち着いたこともあり、さて何を話そうかと小首を傾げて思案していると、丁度よくシエルが戻ってきたのが見えた。盆には二つのホットミルクに加えて皿に乗せられたリンゴとフルーツナイフが置かれていた。)
ただいま戻りました!食堂のおばちゃんに気に入られたみたいでリンゴもサービスしてもらったっす!
おかえりなさい。ふふっ、丁度小腹が空いていたので有難いですね。では、皆で頂きましょうか。
(戻るなりシエルは盆ごとベッドの近くに備えられた机に置くと、フフンと鼻を鳴らして誇らしげに自分の胸に手を添えて、リンゴをサービスしてもらえたことを自慢した。食堂のおばちゃんに初見で気に入られるとは相変わらずのコミュ力である。クレアはシエルを労うと、すかさずナイフを手に持って…瞬間、リンゴは皮を綺麗に剥かれ、一口大に切り分けられた状態で皿に盛り付けられた。シエルにはその動きを目で追えなかったようで、目を見開いて思わず皿を二度見する。腐ってもSランク冒険者、落ちぶれてなおその剣技は健在であった。クレアはナイフを盆に戻し手を合わせると、二人に視線を向けて優しい声色でたった一言放つ。)
いただます。
(かなり軽めの朝食だが二日酔いには調度良い。こうして誰かと朝食を共に出来るだけでクレアの心はいくらか救われたことであろう。)
1036:
レド [×]
2025-10-15 22:42:40
>1035
お、戻ったかシエル。すごいじゃんかオマケしてもらえるなんて。こればかりは俺も……!?
(椅子を引っ張ってクレアのそばに腰掛けると、ホットミルクに加えてリンゴまで持って戻ってきたシエルに微笑んで。こればっかりはシエルに敵わんなと笑みを浮かべたままリンゴを持つクレアの手元に視線を向けていたが、彼女がナイフを手に取った途端……顔が凍り付いて。な、なんという早業、これがSランク……正直俺が真似できるだろうか。同じく呆然としているシエルを肘で小突いて、耳打ちして。)
な?パネェだろ。これがクレアさんだよ……
1037:
カイナ [×]
2025-10-15 22:55:34
参加してもいいですか?参加したいですよ。いいですよ。
1038:
シエル/クレア [×]
2025-10-15 23:14:01
>1036
そ、そうっすね…まったく以って真似できる気がしないっす…
ほら二人とも。早くしないと全部食べちゃいますよ~
(追う気すら起きない圧倒的な技量の差を前にして、シエルは未だ呆然とした様子でレドの言葉に頷いた。一方で、何か芸を披露したつもりなど更々ないクレアの目には、二人が自分を蚊帳の外にして何やら仲睦まじく喋っているように映ったらしい。焼きもちで少しだけ頬を膨らませると、リンゴを一片頬張りながら「全部食べちゃいますよ」と、二人の気を引こうと可愛らしい試みをしていた。)
1039:
トピ主 [×]
2025-10-15 23:16:31
>1037
すみません。現在新規参加者様に対応できる人間がいない状態でして、心苦しいですがお断りさせていただきます。
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