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ID:896f7f474 2023-12-23 17:28:01
>49 レイチェル
>50 乙骨憂太、禪院真希&漏瑚&脹相
>54 鮫島美夜子&早瀬灰音
>58 沖田総悟
>BAR・アシュリー周辺ALL
【BAR・アシュリー(店内)/“サイレン”発生中→“赤い津波”/ダグラス、ジム、八尺様、ゾンビ×多数】
ぽっぽっぽっぽっぽ―■■■■■
掴み掛かったが逆に(掴まる)形で“怪物”に腕を掴まれてそのまま凄まじい力で投げ飛ばされそうになる八尺の大女の怪異、しかし常人ならば簡単に投げ飛ばされるかそのまま握り潰され兼ねない力に対して地面に溶接でもされたかの様な動じる事もない拮抗した状態で――投げ飛ばすまでいかずその場で固まった様に動かなくなる。
其処へ追撃になる形で彼(乙骨)から放たれた飛ぶ斬撃――はその長身の身に直撃した途端にバチリッという音を立てて両断まではゆかずとも大女の怪異(八尺様)に手傷を負わせた様だ。
そのまま速やかにBAR内へ避難、その後それらの面々を確認して壮年の私立探偵(ダグラス)と何処かの地下鉄スタッフの制服姿の黒人系の若造(ジム)はそれぞれ入口のドアを閉めて内鍵をパチリと掛けバリケード代わりの樽やつっかえ棒の角材の類で塞ぎ、固定する。
――鳴り終えた大音量の奇妙な(サイレン)の後、――地鳴りにも似た震動と共にBARのガラス窓から見せるのは(赤い水)の鉄砲水めいた凄まじい水量の奔流――否、文字通りの“赤い津波”
呪力や霊的な素養、あるいは魔法の類に精通しているモノは本能的に(触れる)事を身体が拒否する様な血の様に真っ赤な得体の知れない(波)
―――――
―――
―
それがBAR前の通りをそのまま(飲み込んで)ゆく、当然あの動く死体(ゾンビ)の群れも――あの大女の怪異(八尺様)も―
不思議な事にこの木造のさして頑丈な造りでも無さそうなBARは、津波自体に直接巻き込まれる事なく無傷だ。まるであの(赤い津波)がこのBARを避けて行ったかの如く。
―(津波)が流れていった後のBARの外は再び濃霧と不気味な静寂に包まれる。
――
―
ジム「……ジーザス!(前)とまんま同じだ。」
ダグラス「――取り敢えず、一難去ったか」
そうして改めて此処(BAR・アシュリー)に逃げ込んで来た面々を見回しながら――
ダグラス「此処まで来られたのは幸運だなお前ら、少なくとも此処は外に比べれば安全で多少一息つける。――状況は進展しないが…まぁ酒はタンマリあるのが慰めかね。」
と、壁に寄り掛かりながらスコッチの瓶のコルクを親指でポンッと飛ばしてグイッと呷る。
ジム「冗談言ってる場合かよ!――あぁごめんよ。このオッサン少しヤサぐれてんだ、オレはジム、このおっさんはダグラス、…えーっとアンタらは?」
>ギデル、エル、シックス、遊園地ALL
【遊園地/メリーゴーランド付近/L、Lダミー×4、ライイングフィギア×多数】
―機材や施設そのものは稼動していそうだが、そもそも客もスタッフも“誰もいない”奇妙な遊園地、遊具やアトラクションも特に特徴的なモノは無く極々一般の在り来たりな場所であると言えるかも知れない。
共通して在るモノはと言えば、飽きもせずそこいらに漂う濃く深い霧ぐらいだろう(この街全体の特徴でもあるが)
何処か陰鬱ながらも綺麗なオルゴールの音に誘われたかは不明だが、――遊園地内の霧の中、三名の周囲に奇妙な動きで近付いてくるモノ(ライイングフィギア)達
奇妙な錆び臭さを伴って現れ始めるのは歪なヒトガタの異形…その姿は両腕を拘束された人間が、頭から全身をゴム状のもので覆われた様な形態をしている。その体躯のあちこちに裂け目があり、腐食性の黒い硫酸めいた液体を垂れ流しにしながら形容し難いおぞましい異音と共に数体、身をくねらせて歩み寄って来る。
――
―
TATATATATATAN!TATATAN!TATAN!TATATATAN!(銃声)
そして不意に遊園地内に響く自動小銃の連射音
霧の中で閃く断続的なマズルフラッシュ、甲高い小口径高速弾特有の発砲音。金臭い飛沫を上げてラバー生地の化け物が次々と撃ち抜かれて斃れていく。
それらの異形の屍を平然と踏み越えて硝煙と霧に特徴的なヘアピン付のアッシュグレーのウェービーヘアをなびかせながら進むタクティコーな特殊作戦要員染みた装備をした剣呑な雰囲気の少女と複数の“その少女と判を押した様に全く同じ姿をした”者達が標準射撃姿勢で構えたタンカラーのベルギー製モジュラーアサルトライフルを時折発砲して周囲のラバー生地めいた怪物を機械的且つ冷徹なほど効率的に撃ち斃していく。
L「αよりβ、進路上の未確認脅威を排除――引き続き目標地点までの掃討を継続します。」
Lダミー1「任意の自由射撃継続…索敵中」
Lダミー2「後方警戒、接敵無し」
Lダミー3「――前方目標地点にて動態反応検知…」
Lダミー4「直協火力支援待機中、弾種・HE」
L「このまま接近する、各自ウェポンズ・フリーを維持」
口元のボーンマイクにそう抑揚の無い声で通達する同じ姿の少女ら――とある第三次世界大戦後の近未来の世界に於いて大戦による人的資産の希少さから来る人手不足故に代替兵士として運用されるT-Doll、即ち“戦術人形”と呼称される一種の軍用アンドロイドとそのダミーである。
元来彼女らには現地指揮官が存在している筈だが、その指揮官(アリ)自身は単独で霧の中、別行動を取っているらしく。随時無線通信で指示を出している様だ。
PMSCs(民間軍事請負企業)に属する彼女らもこの(霧と灰の街)にとある任務中に紛れ込んでしまったらしい。
L「…生存者?」
バラバラと纏まった足音を立てながら三人(ギデル、エル、シックス)を周囲から囲む様に(同じ姿)の武装した少女(戦術人形及びダミー人形)が近付いて行く。物騒なアサルトライフルを装備してはいるが、全員銃口はローレディ(下に向けている)状態だ。
>モノ、保安官事務所ALL
【保安官事務所/エディ・ドンブラウスキー】
ガチャッバタンッ!(入口のドアを不意に開き慌てて閉じる音)
ハァッハァッハァッハァッ…ゼェゼェ
全力疾走して来た様な苦しげな息遣いとやや重苦しい足音と共に入口付近で少し歩いたあとどうにか息を整えているらしい。トラッカー帽を逆被りにした青と白のストライプのシャツにズボンという井出立ちの小太りの青い双眸の青年(エディ)
と
エディ「ヒッ!?……だ…誰か…いるの?」
彼(モノ)が斧を引き摺る音に気付いたらしき青年は少し怯えが入った声色でそう事務所内に呼び掛けて見ながら、恐る恐るポケットから無造作に拳銃(コルトSAA)を引き抜く。
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