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215: エレナ [×]
2023-12-05 20:01:20

>>212 レアリゼ様

銃撃の轟音が鳴り響き、鮮血が一滴エレナの頬にも飛び散ってきた。それから一拍置いてからレアリゼが絶叫する。その声を聞いて思わずエレナは眉をひそめた。ただ知らないキメラが相手であれば無表情でトドメを刺しに行くのだが、知人が相手なだけで普段は湧かないはずの罪悪感がエレナの脳内にじわりと広がった。だが、レアリゼの言葉を頭で理解した途端に広がっていた罪悪感は困惑に置き換わった。そのせいで本来見逃さないはずの相手の動きから一瞬注意が離れ、レアリゼが拳銃を取り出す仕草に気付くのが一瞬だけ遅れた。

「拳銃!?……ぅっ!!」

どれだけ目が良くても、運動能力はただの人間。拳銃に気付いた時点でとっさに体を捻ったが、不運にもエレナの下半身目掛けて飛んできた弾丸を避けることはできなかった。弾はエレナの左脚に命中し、声にならない呻き声と共に思わず膝をつきそうになるのをぐっと堪えた。

「残念だけど、私はこれを素敵だとは思えないわ」

痛みに耐えながらレアリゼに話しかけ、傷口を銃を持った左手の甲で押さえる。なんとか動けるが、出血が酷そうだ。長期戦は避けるべきだろう。そこまで判断して自分が冷静さを保てている事を悟って一安心する。それに対して、とレアリゼを見る。あれは一体なんなんだろうか。パニックになっているだけには見えない。もしかするとあれがレアリゼの本性なのだろうか。
撃たれた弾数は4発。4発しか装填できない拳銃は珍しい。恐らくまだ弾は残っていると判断し、残りの銃撃に備えて素早く近くの柱の裏側に移動し、柱に背中を預けてレアリゼの豹変を分析するために会話を試みる。

「次は左腕を狙うわ。投降するなら今しかないわよ!」

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