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その血は華となり【途中参加 OK】/104


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54: 京王院 唯織 [×]
2023-03-01 17:38:30


>>梵さん


初めて踏み入れた不夜城。決して明るい時間ではないのに、この場所だけまるで世界が違うかのように賑やかで、そして嗅いだことのない匂いがした。自分の御花はどうやらこの場所が好かないらしく先ほどからざわざわとこちらに早く帰れと言わんばかりにアピールをしてくるが、こんなところめったには来れないのだ。唯織はたまには冒険も大事よ、なんて心の中で御花をなだめてはカツカツ、チリン、と白状の音を。カランコロンと涼やかな下駄の音を響かせながらあまりに場違いな夜の街を歩いており。
──なにもこんな危ない所に遊びに来たわけではない。両親が帰国してこの街にいるということ、まるで自分のコレクションを見せるがごとく自分の贔屓に`花憑きの娘`を見せびらかしたいが為に唯織をこの街に呼んだこと。そうして見せびらかした後は帰れと初めての場所に放り出されたこと。それぞれが組み合わさってここにいる。護衛はもちろん控えているのだろうが、有事の際以外は働こうとはしないのはいつものこと。

折角ならば初めての場所をたのしみたいということで、唯織はご機嫌そうに歩いていた。


「…ふふ、遊園地みたいだわ。たのしい。」

ほろ、と誰に言うわけでもなくこぼれた言葉は、もう何十年も前に行ったきりの朧気な記憶。遊園地はこんなにいろんなものが混じったにおいこそしなかったものの、騒がしさであれば似たようなものだった。
人というのはどうやら`理解の範疇を超えるもの`には近寄らない・見えないふりをするのが道理なようで。白状を持った花憑きの和服少女。美人局だってどれかの要素を外して仕事をするぞと言わんばかりの怪しい彼女の外見に絡んでくるものはいない。それどころか彼女が歩く道をモーゼのように開ける始末だ。

と、こつん。と白状の先が誰かに当たる。
どうやら周囲の声に耳を傾けすぎて誰かに白状を当ててしまったようで。

「ごめんなさい、失念していました。大丈夫?」

唯織は御花で顔のほとんどが覆われているのにも関わらずあわあわと慌てているのがわかる様子で謝罪を口にして。



>>40
>>栗花落さん


美しいよ、だなんて優し気な声で御花を褒められると、途端に目元の御花がまるで喜んでいるかのようにまた騒めく。
──なんて単純な子なの。そう自分の心の中で御花に呆れながら、だがしかし牡丹の花というのは確かに美しい花だったという記憶があるので、特に彼の言葉を否定することなく

「 うふふ、お上手ね。でもわたし、キンモクセイもとても好きですよ。 」

なんて笑って見せる。視覚からの情報がない彼女にとって、彼から香る金木犀の匂いのみで彼の御花は金木犀なのだと勘違いしたのだろう、うふうふと笑いながらそう答えてはまた彼から香る金木犀の匂いに頬を緩めて。秋の訪れをその香りで感じさせる季節の花。花言葉は『謙虚・気高い人』だっただろうか。穏やかな声や雰囲気を持つ彼にぴったりと当てはまっている。
何てったって香水やハンドクリームにもなるくらい愛される香りの花だ。家の女中が金木犀の香りのハンドクリームを塗っていて、一番好きな香りなんですよとこっそりハンドクリームを貸してくれたことを思い出す。

「あら。とってもぴったりですよ。貴方の声はとても静かで穏やかに聞こえます、夜を静かにあたたかく照らす月みたい。
 …それに。ほら、ふふ。手だってとても暖かい。」

お手をどうぞ、という彼の言葉に、手探りながらそうっと自身の手を重ねる。元々正直な子なので、あまり警戒心がないのだ。
彼の手の輪郭をなぞらえるように、壊れ物を扱うように。自分よりも大きく、暖かな手に触れる。両の手で包んでも自分の小さな手では彼の手を包めないし、でもだからと言って冷たいこの手を温かい彼の手から離すのはなんだか厭で。
花憑きとして長く生きてはきたが、こうして誰かに触れるのはいつぶりだろうか。唯織はさくらんぼ色の唇を穏やかに吊り上げながら、「冷たくないですか?」と柔らかく問いながら。まるで祖母が孫の手をなでるかのように彼の手の甲をそっと撫でて。



>>41
>>カーメルさん


「まあ!あなたも!
 貴方が声をかけてくれたときにね、とっても素敵なローズの匂いがしたんです。」

彼女の抱えた花束からの香りだと思っていたこのローズの香りは、彼女の御花から漂う香りだった。
そのことに気づけばぱっと嬉しそうに頬を緩めながら、花憑きの人とこんな形で会えるなんて、と唯織はきゃっきゃと見た目の年齢らしく楽しそうに笑う。彼女の凛としながらも柔らかい声と、それから困っている人を助けられる淑女としてのやさしさは実に薔薇の花憑きらしいと唯織は思い。

それに、先ほどから自分に話しかけるときに声を明るく話してくださっている。優しい方だわ。

見えないながらもふつふつと肌で感じる彼女の優しさに唯織は嬉しくなり。彼女と友達になれたらいいなあなんてふと考える。

「薔薇の花言葉はたしか…『愛・美』だったでしょうか。
 カーメルさんにとってもぴったりです、だってこんなにきれいな声をしていらっしゃるんですもの。」

目が見えなくとも、意外と顔の美醜の判断はつくものである。
それは声のトーンであったり、抑揚のつけ方、それから?の混じり方など。判別基準は様々であるが、目の前の彼女から感じるのは清廉とした芯のある美しさで嘘偽りなどひとつもない真っすぐさ。
こんなに綺麗な声の人が見れないのはざんねんだわ。そんな言葉は言った相手を困らせてしまうから飲み込むとして、ふわふわと穏やかな笑顔を浮かべつつそう彼女へ告げては唯織はまたうふうふと笑って。




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