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自分のトピックを作る
425: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-10 01:07:37




……何杯だって!
──お酒にあうものいっぱい作りますから!何食べたいか考えておいてくださいね!

 ( 他でもないギデオンが、逃げずに背負うと決めたその覚悟を、背負う必要が無いだとか、忘れてしまえばいいだとか、そんなことをとても言えるわけが無い。それでも、その荷の重さは、誰より強く優しいこの人が、"数年前まで時々参っていた"と口にする程だというのに──当の本人があまりにあっさりと微笑むものだから。ギデオンがそう思えるための鎹になれている幸せと、その苦しみに慣れてしまっている姿の痛ましさに、力なく微笑み返すことしかできずに。席へと戻る寸前、慈しむような、心配するような──厳かな様子で目を細め、見合わせた頬にそっと人差し指を滑らせると。おそらく無意識なのだろう、珍しく相手から漏れた後ろ向きな発言に──これくらいは許されるだろうか、と。この先、貴方がどんな選択をしたとしても、応援するという思いを込め、力強い笑みを浮かべた顔の横で、ぐっと両拳を握って見せた。 )

 ( そうして辿り着いた街の外れ、森の入口で馬車を降り立った頃には、空の雲行きは随分と怪しくなっていた。ギデオンと出会えた朝はあれほど晴れていたというのに。春の天気は変わりやすいとはいえ、立ち込める暗雲は二人の今後を暗示していたのかもしれない。──数刻後、行きの馬車で話し合った通り、最初に見つけたフェンリルの習性をついて、巣穴を突き止め。懐かしの毒霧で燻し出し、着実に数を減らしていくことしばらく。こんな時でさえ鈍らぬ相手の頼もしさに、時に黄色い声援を上げながら、討伐数が当初想定していた数に到達した頃。以来達成の証拠かつ、重要なギルドの副収入源となる毛皮を集めていると、ポツポツと地面を濡らし始めた大粒の雨が、みるみるうちに強まっていく。二分としないうちに数m先さえ見え辛くする程の雨足に、未だうっすら見える相棒の影に必死で手を伸ばすと、この距離で聞こえ辛いほどの雨音に声を張って。 )

──ギデオンさん!
……っ、この辺、そこの川が氾濫したら浸水しますよね!?……早くどこかへ……




426: ギデオン・ノース [×]
2023-04-10 01:47:15



……っ、そうだな……せめて小道まで出られれば──

(ギデオンたちが囚われたのは、まるで元来た場所に戻らせまいとするかのような、突然の土砂降りの檻。剥いだばかりの毛皮を抱えて大樹の陰に避難したものの、激しい雨は梢さえ突き抜けて、まともに目を開けてもいられない。そんななか、ヴィヴィアンが必死に伝えてきた懸念は尤もで、ギデオンも前髪を貼りつかせながら、滴が流れ込まぬよう細めた目を四方へと巡らせた。今の状況は本当に危険だ──たかが大雨で命を落とす冒険者だって、世の中にはごまんといるのだ。しかし、ここから森の外れまで、足場の良い行きの道ですら三十分はかかったはず。途中で越えた川だって、すぐそばで水嵩を増しているそれよりも遥かに幅広で、飛び石があるおかげでようやく渡りきれたようなものだ。その不都合な記憶を思いだせば、口にしかけた計画が最後まで言い切られることはなく。「……とにかく高い方へ、」と言いかけたその時。灰色に霞む視界の遠く、木々の向こうに何か黒っぽい影が見えて、思わずヴィヴィアンの肩を掴んだ。指さした先に見えるのは、何やら大きな建物の上階部分だろうか。……あんなもの、ここらを歩き回っていたときは見かけなかったように思うが。その違和感はしかし、ざあざあとうるさい雨音にすぐさま押し流されてしまい。──春の天気は変わりやすい、この大雨も明日までは続かないだろう。そう考え、「あそこに雨宿りしよう」と言いだすと、ヴィヴィアンの濡れた手を握り、ぬかるんだ地面を踏みしめて歩き始めた。──今やだれより大切な娘を、ギデオン自ら、因縁の地獄にいざなってしまったわけだ。)




427: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-11 11:26:21




──はいっ!

 ( 激しい雨の檻の中、手を引くギデオンの背後、泥濘む地面を踏みしめながら、ひとり静かに微笑みを浮かべる。なんの躊躇いもなく取られた手に思い出すのは、行きに乗った馬車での会話。あの時は激しい怒りと心配が先行したものの、冷たい雨に頭が冷えると──やはりこの人は自分の知っている、誰より強く、誰より優しい人だった、と。例え、本当に若かりし頃の相手が罪を犯していたとしても、最早嫌うことなど出来ぬこと。その罪の重さによっては、一生待つことさえ覚悟していたのだが、なんの呵責もなくこの人を愛しても良いという事実に、どうしても表情が緩まずにはいられない。こんな天候下でも──いや、どんなに辛い地底の底だろうと、この人といられるならば幸せに違いない。そう、雨のせいで開き辛い目を更に細めて、大好きな背中を見つめると。雨で滑る手を自分から、指を絡めるようにして強く強く繋ぎ直したのだった。 )

っ、……すっごい!参っちゃいますね……

 ( そうして辿り着いた黒い館は、その構えこそ大きく立派で、雨で見えない庭もきっととても広いに違いないと思わせる程なのだが、よく見るとその視界の範囲内でも、あちこち取り繕ったような修繕──してあれば良い方で、半ば朽ち始めてるような箇所も見受けられる状態。しかしビビの恩師が若い頃に流行ったという、緩やかな曲線の美しい優美な窓枠や、その奥に見えるカーテンなどの小物の数々は、女性らしい華やかな気遣いを感じさせる建物で。まだその女性が住んでいるとすれば、随分な心変わりがあったに違いないと思わせる古び方に、あまり人が住んでるとは思えないのだが、一応「──失礼します、どなたかいらっしゃいますか」と声をかけてから、二人が並んでもまだ余裕のある玄関ポーチに佇み、先程自分たちが駆けてきた外を見返して、バケツをひっくり返した様な土砂降りに感嘆の声を上げる。できるだけ床を汚さないよう外へと乗り出し、その濡れてカールのきつくなったポニーテール、ハンカチ、鞄の中身、そしてずっしりと重くなったローブ等、絞れば絞るほど水の滴る様にくしゃみをひとつ漏らすと、恥ずかしそうにギデオンを振り返って。 )




428: ギデオン・ノース [×]
2023-04-12 02:39:28



……風邪をひいたら事だな。
暖炉を貸してもらえるとありがたいが……

(ようやく小さな屋根の下に潜り込んだことで、叩きつけるような雨を逃れることはできたものの。今度はかえって、夕刻の冷気が全身に薄くまとわりつくのを感じだす。四月末の温い雨とはいえ、これから気温が下がって行けば、芯まで凍えるような思いをさせられてしまうだろう。野営経験の多いギデオンはそれでも多少平気だが、心配なのは若い娘である相棒の方。びしゃびしゃと滴り落ちる水音、次いで弾けた小さなくしゃみに振り向けば、ちょうど同様にこちらを向いていた彼女は、まさに濡れ鼠そのものの有り様。故に、はにかむ笑顔に返すのは、心配そうに眉を顰めた表情ばかり。しかし、いくら周囲が寂れている館と言えど、明らかに他人のものである建物に、勝手に入るのは躊躇われる。国の各地に存在する、冒険者の宿泊歓迎の親切な家であれば、扉に特有の印があるが……そういったものも、よくよく調べても見当たらない。であれば、玄関に踏み込んだ瞬間魔法を撃たれても文句は言えないわけで。どうするべきか、と途方に暮れかけたそのとき。背後でギィ──……と、木が軋む音。そして生温く吹き寄せる、絡みつくような風。思わず振り返れば、閉じきっていた筈の玄関扉が、少しだが開いている。そのようにしたはずの館の人間は一向に顔を出さないが──そもそも、全く人の気配がしないが──、かといって、その材質やこの状況で、ひとりでに開くわけがあるだろうか。相手と顔を見合わせると、まずはギデオンがそっと中を窺う。玄関の先にある広めのホールは、シャンデリアの灯りが乏しいせいか薄暗い。部屋の四方には多くの廊下が、突き当りのサロンの奥には左右対称のアーチ型の階段がある。その上、二階部分にはちょっとしたバルコニー。両脇を甲冑の置物が固めているほか、壁に何か大きな絵画がかかっている。しかし、どこをどう探しても、扉を開けたはずの人影ひとつとて見当たらない。──それでいて、正面の休憩サロンの暖炉には、つい今しがたついたばかりといった様子の火が、赤々と燃えており。傍の小机やソファーには、白いタオルまで掛けられている。あまねく状況を奇妙だと感じはしたものの、背後のヴィヴィアンを再び振り返り、その酷い濡れようを確認すれば、ギデオンの腹が決まった。落ち着いた声をかけると、ドアをゆっくり押し開き、慎重に足を踏み入れ。ひとまずの安全を確認すると、相手を中に呼び寄せて。)

……、入ろう。だれも見当たらないが、迎えられてはいるようだ。




429: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-12 13:40:18




──……、

 ( 森の奥にひっそりと打ち捨てられたような古い洋館、突如降りしきる土砂降りの雨。極めつけに、不気味な音を立てひとりでに開いた扉を目の当たりにして、未だ尚認めてはいない かの天敵の存在が頭をよぎる。正直、再度“アレ”に遭遇するくらいなら、いっそ氾濫した川に落ちた方が幾分かマシだと内心現実逃避しながらも、最愛の相棒に信頼に満ちた視線を向けられてしまえば、精一杯の凛々しい表情を取り繕ってしまうのが乙女の性で。そうして頼もしい背中の半歩後ろで、己の獲物をきつく握り締めながら様子を窺うこと暫く。扉をゆっくりと押し開けたギデオンに──その感情赴くまま、信じられないといった表情で泣きわめき、地面を転がり廻ってでも反対していたのなら、何かが変わっていたのだろうか。──しかし、結局警戒しながらも、相手の誘いに無言で頷くことを選択したのは、「風邪をひいたら事だ」と先程相手が呟いた言葉のためで。今日の依頼に同行することとなったその理由、何年も目を覚まさない子供を受け入れているような病院は、見舞いといえど体調不良の気がある人間を入れてはくれないだろう。よもや相手の選択が己への心配から来ていたものだとついぞ思わず、覚悟を決めたような表情で館の中へと踏み込めば、絶対ありえないとわかってはいながらも。ここの家主が冒険者たちに気配を辿らせないほど優秀かつ、とんでもなくシャイな可能性に賭け、「すみませーん、どなたか……」と、甲冑や石膏像から伸びる陰に度々びくつきながら、周りを見回して。早くギデオンさんを温めなくては。その想いに、再びギデオンの手を取り──決して、決して! 亡霊が怖かったからではない──勝手にタオルを拝借するのは気が引けるため、せめてその暖かな暖炉へと近づこうとした時だった。生暖かい突風がホールを吹き抜けたかと思うと、それまで赤々と燃えていた暖炉の火が消える。そしてその途端──ガシャン、と。背後の扉から響いた閂が落ちる音に飛び上がると、薄暗闇の中ギデオンと顔を見合わせてから、入ってきた扉へと駆け寄ると震える手で扉をゆするも、帰って来るのはガチャガチャと虚しいそればかりで。 )

……嘘。
あか、開かない……どうしましょう、裏口とか……




430: ギデオン・ノース [×]
2023-04-12 15:53:09



(手を握られる感触に、ふとそちらへ目をやれば。如何にもおっかなびっくりといった表情の相手が、全身濡れているというのに毛を逆立てる猫よろしく、周囲を警戒しまくっているものだから。そういや、シチュエーション的には“それ”っぽいよな……なんて、ギデオンも呑気に微笑みかけていたのだ──火が掻き消されると同時、無情な金属音が──やけに冷たい残響音を孕んで──ホールじゅうに鳴り響くまでは。顔を見合わせた次の瞬間、思わずといった様子で玄関扉にすっ飛んでいった相棒は、しかしどうやら、上手く開けられない様子だ。「……手がかじかんでるからだろう、落ち着け」と言い聞かせながら、ギデオンも歩み寄り。相手をどかせ、代わりに扉の取っ手を掴む。が、先ほどよりも大きな音で、がちゃん、と拒絶の音がこだますだけ。それにぴたりと動きを止め、無表情の目を一瞬漂わせてから、もう一度。今度はより強く扉を押し開けようと力を込めて試みるが、分厚いそれは頑として動かず、眉をひそめながら手を離す。そんな馬鹿な、いったい何故。施錠の音は確かに聞こえたが、普通閂は扉の内側についているものだし──実際目につくそれらしい金具には、しかし棒の一本も差し渡されていない。だというのにこの感触。まるで、扉の外側のほうに閂がついているかのような。でも、そんなものはなかったはずだ。つい先ほど入念に扉を調べたばかりなのだから。不可解の滲む顔を扉から相手に振り向かせ、彼女の言う通り本当に開かないことをようやく認めると、そのまま暗いホール全体に視線を巡らせる。上空のシャンデリアはまだ薄ぼんやりと灯っているが、そばの暖炉の火ひとつ消えただけで、こんなに暗くなるものだろうか。そもそも、先ほどから吹いているこの生温いいやな風は、いったいどこから吹くものだ? 少しずつ、冒険者の本能が警鐘を鳴らしはじめる。……何か、良くない事態が起きているのではあるまいか。)

……、施錠魔法か何かをかけていて、その術式が壊れていたのかもしれん。ほら、見てのとおり、随分古い屋敷のようだから。

(が、ただでさえ若手の冒険者である彼女を、これ以上怖がらせるわけにはいかない。そう考えて、こつり、こつりと歩き出しながら、それらしい言葉を並べ立てる。手に持っているこの毛皮の山は、嵩張って邪魔になるから、一度そこの机に置かせてもらおうか。自分もヴィヴィアンも、それぞれの武器を咄嗟に使える方が良い──その考えが行動に見て取れる辺り、実際ギデオンが口にしているのは気休めであるとバラしているようなものだが。)

……どこかしら、勝手口なり何なりがあるはずだ。とりあえずはそいつを探そう。そのうちここの住人に出くわせれば、わけを話せるだろうし──

(相手を振り返り、もう一度。大丈夫だ、と言うように、落ち着いた声音で呼びかけた、そのときだ。いくつかある廊下の一つに、先ほどまでいなかったはずの何者かが当たり前に佇んでいるのに気が付いて、咄嗟にヴィヴィアンの傍に寄り、その肩を掴んで自分の後ろに下がらせた。右手は無論、腰に吊った剣の柄に触れている。いつでも構えられるよう気を張りながら、相手を観察してみれば。そこにいたのはメイドらしき──妙に白い肌の人物。『シャバネ』を案内してくれたいつぞやの彼女そっくりに、きっちりと髪を引き詰めているその女性は、人形のような不動の状態から、ようやくこちらに、機械人形めいた動きで向き直ると、こちらに頭を下げたのだ。『──おかえりなさいませ。ご入浴のご用意が整っております』と。)



(/※注文の多い料理店的な、「状態を整えてから食ってやろう」的なあれとして、モブのメイドを試しに登場させております。共有NPCですので、ギデオンの言動なども合わせ、やりやすいよう自在に動かしてくださいませ。)




431: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-15 18:17:49



そっ、そうですよね──……ッ、

 ( それは、ギデオンの穏やかな声音に、依然無駄な虚勢を張ったまま、声の方を元気よく振り仰いだ瞬間だった。ぐいと肩を強く引かれ ふらつく足元で、何事かと見上げた先に"それ"を捉えると、とうとう声もなくフッと遠ざかる意識を、相棒の剣にかけられた手を見て、何とかやっと繋ぎ戻す。──こんな事態に気を失って、相手の重荷になるわけにはいかない。そうかくつく膝に力を込めて。己も自分の獲物を握りしめることでメイドに向き直ると、深々と下げられた頭にぽかんと口を開けて。 )

…………。勝手に立ち入ってしまい、申し訳ございません……ですが……何か、勘違いされているのでは……

 ( ゆっくりとギデオンに並びながらも、そう口にしたビビの瞳には当然、色濃い警戒が浮かんでいたのだ。外からあれだけ呼びかけた際は無反応だったものを、二人が館に立ち入ってから、それを捉えるかの如く閉じる扉も、このメイドの態度も不自然極まりない。しかし、こんな状況でさえビビを庇うように立ちはだかったギデオン。その大好きな広い背中がじっとりと濡れているのを再確認した直後、メイドから放たれた提案はあまりにも魅力的で。今は預かり知らぬこの館の主人、甘く人に囁きかけ、その煩悩を喰らう魔物に──これが何かの罠だったとして。せめて、本当にギデオンさんだけでも……と揺らいだ心の隙を見逃されるわけがなかったのだ。夜闇に慣れぬ人の目では分からぬ程度、ビビとメイドの合わさった目が淡く光ると、ビビの思考から何故か、先程までの警戒心が溶解していく。──このメイドの、ひいてはこの館の主人の、好意に従った方がいいのではないか。という思考が脳を占拠して、握っていた杖を下ろすと。自らの手で大好きな人を、過去のトラウマへと誘っている自覚など微塵もないまま。寧ろ相手への心配一心で、その剣を握る腕へと絡みつき、緩くその腕を引いて。 )

ギデオンさん。私、ちょっと寒くて……良かったら、お言葉に甘えていきませんか?


( / お返事大変お待たせ致しました。
メイドさんの立ち位置とその意図について確認致しました。最初から悪意フルスロットルの、初代バイオハザードや、魔女の家的な展開を想定していたため、方向転換に強引な点等がございましたら申し訳ございません。

ギデオン様におかれましては、ビビの違和感に気づいていただいても熱いですし。このまま饗しを受け、食事を口にしてしまう→(提供されたベッドなり、その場なりで)そのまま寝入ることで、過去のトラウマ再燃、デバフ状態で探索スタートも自然かなと。

以前お話しした際、館のギミックについてはその場のアドリブで、とお答えしましたが。今回のやり取りで、そこに至るまでの導入は、ある程度ご共有いただいた方が進めやすそうだと感じております。
当方のイメージとしては上記の通りですが、背後様に具体的なイメージがあれば、ぜひお聞かせください。 )




432: ギデオン・ノース [×]
2023-04-16 00:47:18



……? ああ、

(それは完全に無自覚だったが(だからギルドの旧友連中に時折しこたまどやされるのだが)、ギデオンはこれでいて、相棒のしたたかなボディタッチを何だかんだ受け入れ、よく馴染んできた方だ。彼女がどんな風に自分に触れ、どんな風に絡みつき、どんな風に腕を引くのか、もはや細胞で知りはじめてい。……だから一瞬、小さな違和感が、たしかにあった。今己の腕に縋ったのは、相棒の彼女のはずだが、同時に彼女ではないような──からくり人形が動かされてそうしたような──そんな感触。しかしそちらを見下せば、そこにあるのはいつも通り、言葉と裏腹にギデオンの方を案じるような緑色の双眸で。……少しぼんやりして見えるのは、早くも体調を崩し始めているからだろうか。そう考えてしまったからこそ、一瞬の奇妙な不安感より、目の前にいるヴィヴィアンの状態そのものをどうにかするほうに思考を切り替えた。ようやく相手の言葉にうなずけば、メイドの方に向き直り。「案内を頼む」と──剣を離した手にヴィヴィアンを取りつかせたまま、薄い暗闇へ歩を進めた。)

(──それから、というものの。浴室は二ヵ所ございますが、というメイドの言葉を固辞して、ヴィヴィアンが無防備になる入浴中、念のため脱衣所の外で番をしたが。不審な出来事は何ひとつ起きなかった上、ほこほこして出てきたヴィヴィアンに「何故自分だけまだ体を冷やしているのか」と真剣に叱られて、ようやく己も熱い湯を浴び。──さっぱりして脱衣所に戻ったギデオンは、当然のようにそこに佇むメイド相手に、一瞬平和な意味でぎょっとした。が、「当家のご用意するナイトがウンと、先ほど洗って乾かしましたお客様のお召し物がございます。どちらになさいますか」と問われば、迷わず後者をくれと選ぶ。貴族の家のメイドは、洗濯に関する魔法をよく躾けられているものだが、今夜ほどその教育に感謝したことはない。なんだかんだ、馴染みの布鎧(一見普通の服に見えるそれも、冒険者用の魔力が籠った軽装備の一種だ)を脱ぎ捨てることに、多少の抵抗はあったのだ……この館は、あまりに静かすぎるから。食事を用意したという部屋に案内される道すがら、それを遠回しにメイドに尋ねてみたところ。館の主人夫妻はともに臥せりがちで、ここで静養しながら旅人をもてなすのが余生の楽しみであるという。そう言われれば、それ以上のことを訊くのは躊躇われるというもので。『主人は既にお休みになられていますので、挨拶は明日とさせてくださいませ。──では、ごゆっくり……おかえりなさいませ』と。本来なら、「お寛ぎください」などというような脈絡で、再びその言葉を繰り返し頭を下げたメイドに。やはり、肝がうっすらと冷えるような思いは、するにはしていたのだ、けれども。今夜一晩警戒し続ければいい、明日の朝にはすぐに発とう、と。そう己に言い聞かせ、与えられた部屋の扉を押し開けて。)

悪い、遅くなった……体調はどうだ。



(/いえいえ、お疲れさまでした!
展開について、全く問題ございません。説得力もホラー感も増し増しで最高です。寧ろ想定と異なる出だしにしてしまいすみません、ご迷惑をおかけしました。

上記のようにしたのは、ずぶ濡れのままの館探索だとふたりとも風邪でダウンしそうだな……片方だけでも一旦服を(入浴中の時間など使って)乾かしてやりたいな……という程度の、どうしても主人公たちを可愛がってしまう考えに端を発しておりますので、その後の筋書きをきちんと持っていたわけではなく……。
ですので、主様提案の【食事→就寝→トラウマ再燃→デバフ状態で探索スタート】、という素晴らしい流れにさせていただければと思います。
作中世界観的には、「ふたりを閉じ込めたヘレナ自身はすぐに抹殺しようとしているものの(数々の即死系・鬼ごっこ系ギミック)、過去の犠牲者たちの残留思念がヘレナの目からふたりを隠し、探索&脱出の余裕を与えようとしている(数々の謎解きやヒント)」……ということになるでしょうか。
(現状の、「互いに相手を案ずるあまりどんどん引き返せなくなっていく」展開が非常に好きでして、ギデオンにも一旦促されるまま行動することにさせていただきました。また、作中のメイドの『おかえりなさいませ』は、操られている死体のメイドが、本当は「ここからお帰りください(ヘレナから逃げて!)」と伝えようとしている……という蛇足な裏設定のものです。)

また別件で、出だしこそ捻ってしまったものの、当方も方向性の参考として『魔女の家』をイメージしておりました。バイオはプレイ経験がないのですが、Youtubeで初代の動画を見たところ、まさに“黒い館”と形容すべきステージで大興奮しております。そのまま間借りすることはなくとも、おおよそのギミックや構造などを参考にして良さそうですね。
こちらについて、主様的に、「こちらの要素強めが好き(参考として重きを置くとよりやりやすい・没入しやすい)」などありましたら、それもお聞かせいただければと。)




433: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-19 14:01:34




……え、ええ。お陰様で、ありがとうございます。
ギデオンさんも温かくしないと駄目ですよ。

 ( ああそうだ──確かに寒いと言って、この人を館に誘ったのは自分に違いない。だというのに、この拭えない違和感はなんなのだろう。夕食後、メイドに案内された二間続きの客間、その手間側の部屋に招き入れると、相手の質問に歯切れの悪い笑顔を返して。靄がかった思考なりに、さりげなくギデオンの手を取って冷えていないか、冷えていれば自分の体温で温めるように、自分より分厚いそれをそっと撫でる。それから、互いの明日の予定等、数点の確認事項を処理してから、早々に(と表現するには、中々に雰囲気ある部屋で一人寝ることを嫌って、随分と渋りはしたが)それぞれの間に用意された、いつかの宿のそれより広い寝台に入れば。夕刻よりずっと付きまとう違和感の正体が、とうとう二人に牙を剥くだろう。 )

 ( 噎せ返る様な酒精の匂いが鼻をつく。ここは……?と、周囲を見渡し──……そうだ、パパを探しに来たんだと、頬を濡らした少女は、暗い廊下を小さな手を振り必死に駆ける。きっと、またお仕事をしてるのね。ダメよパパ、夜はおやすみしなくちゃ。そう言えば、パパは嬉しそうに あたし を抱っこして、朝まで隣で寝てくれるから。キスはうざいし、朝のお髭は痛いけど、あたしがそうしなくちゃ、パパは眠るのを忘れてしまうんだもの──「シェリー……」パパの誕生日に描いた似顔絵、父の日にプレゼントした紙細工のお花、ビビが何かをプレゼントする度に全部そこに飾るものだから。随分と不格好になってしまったリビングの扉を押し開けた矮躯が、低い嗚咽にびくりと固まる。──ああ嫌だ。その途端、靄がかっていた記憶が、ぶわりと色濃く蘇る。『マスター代理も気の毒になあ……ビビちゃんはいい子だけど、』"本当"は、その言葉の続きを父からだけは聞きたくなくて、このまま部屋へ逃げ帰ったのだ。明らかにぐったりとテーブルに伏せる父をおいて、卑怯者、お前さえ産まれて来なければ。そう脳内に響く声は、己の後悔なのか違うのか。……今度こそ、意を決して振り返らずに、その背中へと手を伸ばせば。しかし、その手を拒絶し振り払ったのは父ではなく、昨年からずっと恋焦がれ続けてきた──ギデオン・ノースその人だった。少し埃っぽくかび臭い……ここは、そうだ、舞踏会の夜、インキュバスを追って辿り着いた地下の倉庫。見下ろしていたはずの大きな背中は、いつの間にかヴィヴィアンに馬乗りになっていて、そうでなくとも重いドレスでは身動きが取れない。しかし、己の身などどうでもいい。早くしなければギデオンさんが死んでしまう。その恐怖でみっともなく泣き叫びながら、やっと。やっと利き手を引き抜いて、その手を必死の思いで相手に伸ばしたというのに。──……『シェリーを殺した手で触れるな』と、大好きな手がビビを拒絶した。それに、傷つく暇さえ、ない。その間にも、相手の肩に蔓延る魔素は刻一刻と色濃くなっていき──そこで、終わってくれないから悪夢なのだ。最悪の瞬間をしっかりと、目の前で捉えさせられてから、あまりに激しい心臓の拍動に目を覚ますと、寝ていただけだと言うのに息が上がっていて。固い床の上、息も整えずギデオンを探したものだから、ヒュウッと苦しそうな音をたて激しく咳き込んで。 )

…………ッ!! ギデ、ォ……さ……ッ!!


( / そう仰っていただけて非常に安心致しました。
背後様のご配慮のおかげで、より周到に絶望へ落とされるスタートに、ワクワクが止まりません。いつもありがとうございます。

館探索パートの前提設定も確認致しました。まさかのメイド様が味方サイドだったことに驚くと共に、テンションが上がってまいりました。彼女達の無念のためにも是非、二人には頑張って貰わねば……。

世界観については双方すれ違いがなかったということで、非常に良かったです。個人的には館の雰囲気=バイオ。ギミックの悪趣味度は魔女の家、といったイメージでしょうか。この館がヘレナちゃんの世界、ということもあり、悪意と手助けのバランスはそちらの方が取りやすそうかなと。

こちらからも別件で、アドリブでとお答えしておきながら次々お手数お掛けして申し訳ございませんが、館で彷徨うパートについてはどれくらいの長さを想定されてますでしょうか?
個人的には、一年前以前の状態に戻ったデバフ状態のギデオン様との探索、という雰囲気を楽しめる程のサクサク進行の方がダレないのかなと思いつつ……
ギデオン様の折角の見せ場()ですので、ガッツリ楽しみたいということであれば、全力で楽しませて頂く所存です。
今回のトラウマ描写もビビよりは、ギデオン様がメインだと思っておりますので、鬱展開の塩梅等お気になさらず。よろしくお願い致します。 )




434: ギデオン・ノース [×]
2023-04-22 00:31:19



(四半刻ほどで再会した相棒は、やはりどうにも落ちつかない様子で。ギデオンの手を確かめるその様子に、しかしギデオン自身、どこか慰めを得てしまうほど、窓の外の長雨に閉塞感を覚えていたのだ。何だかこの館は酷く奇妙で、目の前にいる相棒の体温だけが、唯一確かなもののように感じられたから。──その後、メイドの目がないのを良いことに、ふたりで毒など盛られていないか充分確かめてから、ごく軽く食事を摂ると。明日の朝早くに発つべく、すぐにも休むことにして。用心のために互いの部屋に続く扉を開けておき、二間全体に防衛魔法を施す。そうして灯りを消して暫く、忍び込んでくる者がいないのを確かめてから、ようやくギデオンも浅い眠りに沈み込むことにして。……だが、知らなかったのだ。既に怪物の腹の中にいる以上、そんな警戒は何の意味も為さぬことを。この世には、古株の戦士の経験でも、優秀なヒーラーの聖属性の魔法でも見抜けない、古い古い悪魔の呪いが存在していて──それがあのメイドの晩餐に、しっかりかかっていたことを。)

(──母が、震えていた。父からの手紙を意味する封蝋を開け、中身を取り出してすぐ。見たこともないほど真っ青な顔になって。幼いギデオンの両肩を掴み、もうこの家にはいられない、そして一緒にもいられなくなってしまったと、懸命に伝えてきた。『おまえは都で働きなさい。お母さんを探しちゃダメよ』──あの言葉、今も耳に残っているあの言葉を。しかしギデオンは、そのあとすぐに裏切った。母の知り合いを頼ってすぐ、その大人とはぐれてしまって、心細くなったせいで。もしや母に会えやしないかと、家まで戻ってしまったのだ。けれども、そこに母はおらず。まさかギデオンが戻ってくると思わなかったノース家の使用人たちが、ぎょっとした顔でギデオンを振り返った。……少し気まずそうな顔をしていたのはきっと、悪事を働こうとしていたからだろう。家の主人である母がいなくなった後でこっそり戻り、金になりそうな調度品を盗もうとしていたのだ。母が一度、彼らをきちんと逃がしておいたにも拘わらず。──それほどの危険が、差し迫っていたにも拘わらず。
そんな火事場泥棒たちは、しかし幼いギデオンを、必死にどこかへ隠そうとした。憲兵団の馬車が、家のすぐ外まで猛然とやって来たからだ。台所の床下の蔵に咄嗟に押し込まれてすぐ、どかどかと押し入ってくる大勢の軍靴の音が聞こえた。怒号、何か言い返す声。それからすぐ、床下に隠れるギデオンの真上で、「ぐぇっ」だの、「ギャッ」だの、異様な呻き声がした。何故か、肉屋の親父さんが鶏や仔牛を絞める時の、あの嫌な鳴き声を思い出した。重いものがどさどさと倒れる音。呆然と上を見上げるギデオンの額に、床の板目の隙間から、赤い滴が滴り落ちる。生暖かいそれにびくっとして、頭を抱えて縮こまる。それでもまだ垂れてくる。家じゅうを荒らしまわる音がする。苛立たし気に指示を出す、厳めしい声が聞こえる。いつここに気づかれるだろうかと甕の間で震え続ける。……何時間経ったろうか、軍靴の音がしなくなった。もう随分待ってから、おそるおそる扉を押し開けて上に戻ると……窓から差し込む月明かりの下で、使用人たちが眠っていた。喉を裂かれ、赤黒いしみを床一杯に広げ、薄く目を開いたままで。高価な壺を盗んでしまおうと悪心を働いた癖して、最後の最後には、自分が逃げるための時間を──かつての女主人の息子を匿うべく使ったのだ。『お母さんを、探しちゃダメよ』。その言葉だけが、もう一度ギデオンの頭の中にはっきりと響いた。今は、嫌でも理解できる。横たわる大人たちを呆然と眺めながら、今度こそ母の言葉を、しっかり胸に刻みつける。そこでようやくギデオンは、生家を離れることにした。もう二度と、戻るつもりはなかった。──己の過ちのせいで、人が、死んだのだ。)

(────目が、覚める。否、無理やり藻掻くようにして浮上する。心臓がばくばくと、肋骨を叩き割らんばかりに暴れている。全身がぐっしょりと汗だくで、体温の高さも気持ちが悪い。息が荒い、ヒュウヒュウと荒い。──今のは、一体。夢か、それとも、本当に起きたことなのか。まさか己は、今までずっと、記憶の奥底に封じ込めてしまっていたのか。それとも、過去にあった恐ろしい体験が、実際以上の惨劇の幻を作り出しただけなのか。こんな……異様な雰囲気の、暗い館にいるせいで。と、溺れる子どものような目つきで辺りを見回してすぐ、耳に届くものがあった。──ヴィヴィアンのか細い声だ。意識が瞬時に覚醒し、跳ね起きざまに剣を差したままの鞘を引っ掴みながら、大股でそちらに向かった。二間続きの部屋の扉、何かあればすぐ駆けつけられるよう開けておいたその辺りに、ヴィヴィアンが立ち竦んでいる。傍に行ってその肩を掴み、「ヴィヴィアン、」と気付けのために相手の名を呼び。そのあとすぐ、何やら様子の可笑しい相手を、「大丈夫か……」と宥めかけたものの。──空間が歪むような、奇妙で気持ち悪い感覚がしたて、思わずがくりと膝をつく。いったい何がを見回せば、そんなことはあり得ない筈なのに、周囲の景色が本当に、ぐにゃりと歪んで見えた気がする。咄嗟に傍の木枠を掴み、「掴まれ!」と叫びながら、彼女を胸元に抱き寄せた。この感覚が己の錯覚かどうかなど、確かめる余裕もなかった。──ぐにゃり、ぐにゃりと、己の視界が歪むなか、せめて腕の中の相手だけは守ろうと、歯を食いしばって異常な感覚に耐え忍ぶ。──そのうちいつしか、全く見知らぬ暗い部屋に、相手ともに蹲っていて。)



(/平時よりお待たせしており申し訳ありません! 落ちつくまでもうしばらくかかりますが、ここに来る際は無理のないよう調節しておりますので、その点ご安心くだされば幸いです。(余談ですが、悪夢ならではのめくるめく場面転換の鮮やかさに感嘆しつつも、幼いビビの「キスはうざいし」で声を出して笑いました。先代ェ……)

館の雰囲気(見た目)=バイオ、ギミックの悪趣味さ(ファンタジー具合)=魔女の家、というのは当方としてもベストな塩梅ですので、是非ともそちらでお願いいたします。個人的に、バイオを知ったことで『黒い館』へのリアルな没入感が高まり、非常に助かっております……ありがとうございます……
以下、この先に登場させられそうなギミックの要素を挙げておきますね。

メモ:
・廊下いっぱいの大きさの怪物や頭蓋骨、絵画や彫像などの「脅威が追いかけてくる」展開
・謎解きのため、模擬的なバラバラ殺人・何かの生け贄化・破壊など、「後味の悪い行動をしなければならない」展開
・毒見をする、怪物のねぐらから何かを取ってこなければならないなど、「片方もしくは双方が危険を冒さねば前に進めない」展開
・二つの部屋を鏡合わせにしなければならないなどの「協力頭脳プレイが必要となる」展開
・死体の山などの「おぞましい空間に身を隠さねばならない」展開
・振り返ってはいけない、息をしてはいけないなどの「制約がある空間を進まねばならない」展開
・先に進むためのヒントが書かれた本を書架から抜き取らねばならないのに、「事前のヒントに基づいて正しいものを選ばねば、攻撃される・最悪即死する」展開
・今まで襲ってきたトラウマ級の脅威(巨大な頭蓋骨や絵画など)が静止状態で鎮座している、助けられたはずの過去の誰かを(幻覚と分かっているから)見捨てて行かねばならないなどの、「精神的に苦痛な空間を進まなければならない」展開

確認:
「館でさ迷うパートの長さ」、について、齟齬のないよう念のため確認させていただくのですが、「ヘレナとの対決までにかかる時間(謎解きパート全体)」の方でしょうか。もしくは、「目的意識を持って行動するまでの、まだ状況が呑み込めていない序盤の時間(魔女の家で言えば目覚めてから『エレンの家』に入るまで、Ibで言えばフロアの人影が一切なくなり『深海の世』に踏み込むまで)」でしょうか……? 読解力不足でお手数をおかけしてしまいすみません……!
謎解きパート全体のことでしたら、シルクタウン編程度のボリュームの謎解きが少なくとも三、四つほどは挟まると、その後のヘレナとの対決にクライマックス感が出るかなあと考えております。とはいえ、見せ場をいただくシリアス編であるとはいっても、「デバフ状態の推したちが探索・謎解きをする様」を楽しもう程度のサクサク進行にしたいというのは、当方も同じです。(※実は現状、ギデオンをどのように追い詰めるかは、まだあまり考えておりません)
また、ギデオンだけでなくビビのことも虐めたいので()、クライマックスの少し前に、ビビのトラウマである「お前がこの世に生まれてこなければ!」をテーマとしたフロア(?)(ビビに自己犠牲を強いるフロア?)があるといいなあと思っていたり。

余談:
また、こちらも念のため共有なのですが、現状はヘレナとどのように戦うのかなども全く考えておりません。
強いて言えば、この先のギデオンとビビの目的意識について、案がひとつ。当初は「館への脱出」だったのが、やがて「館のどこかにいるヘレナとの対決」に変わる、とかはあり得そうかなと。その背景として、『館』に殺されそこに魂を囚われている犠牲者たちが、「子どもたちを救いたいなら悪魔ヘレナを殺せ」とギデオンを唆す(そうすれば自分たちも解放されるから)……というのが理に適うかな、などと。子どもたちを救いたいというのはギデオンの個人的な悲願ですので、危険な謎解きにビビを巻き込むことを頑固に拒む展開もありそうです。こちら急ぎの相談ではありませんので、必要な折に触れていただければ。)




435: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-24 02:39:12



──……! っ、これ、は……

 ( 他の誰でもない、世界一愛しい相棒が己の名を呼んでいる。たったそれだけの事で、一気に呼吸が楽になり、ずっと焦点のぶれていた瞳に光が宿る。巧妙に隠されていた闇の魔素にやっと気が付き、そのあまりの濃度に目を瞠った途端。正体を表すかのように、崩れ落ちる世界に唖然とするも、咄嗟に響いたギデオンの声に考えるよりも先に身体が動いた。
──……ぐにゃり、ぐにゃりと歪む視界を、互いをきつく抱き締め合いながら、ただ呆然とやり過ごす。その歪みが治まってからも暫く、目の当たりにしても尚信じ難い光景に、口をきくことすら忘れていると。静まり返った静寂に相手の鼓動が伝わって、これが夢では無いという現実感とともに、相手が生きているということを強く実感して。どうやら、己は自分で思っているより余程単純だったらしい。ギデオンの温もりと心臓の鼓動、生きている証明を身をもって感じた途端。強ばっていた身体から力が抜けて、得体の知れない状況を冷静に分析できてしまう。廊下の奥が見えない暗い部屋。まるで古い城の地下牢のような、剥き出しの床や壁は薄気味悪いが、どこからか空気が流れ込んでくるということは、出口がないということは無いだろう。この状況自体が異常事態だということを除けば、見回す限り差し迫った危険も感じられず。念の為身につけて就寝した装備を探って、魔導ランプを取り出し息を吹きかけると、温かなオレンジが二人の顔を照らし出し。その光でまず、肩、腹、鎖骨、胸……相手の許す限りぺたぺたと、その身体に怪我がないことを確認すれば、彫りの深い瞳を真っ直ぐ射抜いて、場違いな程の微笑みを蕩けさせ。 )

ありがとうございます……ギデオンさんが、ご無事で良かった……


( / 大変お疲れ様です!
此方こそ毎度お時間をいただき、誠に申し訳ございません。季節の変わり目ですので、くれぐれもご無理なさらず、ご体調にお気をつけてお過ごしくださいませ。Petuniaのことは、お時間ある際に思い出していただければ幸いです。

ギミックの詳細と、こちらの質問へのお返事もありがとうございます。 「ヘレナとの対決までにかかる時間(謎解きパート全体)」で間違いございません。シルクタウン三、四つ分以上の旨、承知致しました。だいたい同じくらいの長さを想定しておりましたので、是非そちらでお願い致します。

最後に、本日これ以上時間の捻出が難しく、誠に申し訳ございませんが、まずは最低限ロルだけお返しさせてください。此方から相談したにも関わらず、お返ししきれず本当に申し訳ございません。
詳細や余談、設定置き場の方も(アクキー進捗の報告ありがとうございます、奇声あげて喜びました)ちゃんと確認させて頂いておりますので、明日お返しさせていただきます。/蹴り可 )




436: ギデオン・ノース [×]
2023-04-24 13:31:43



…………、
異常は……なさそうだな。

(緩慢な巨大地震に襲われるような感覚は、数十秒ほども続いただろうか。初めて遭遇する異状が鎮まった確証を得られずに、まだしばらくそのままでいたものの。相手の身動きする気配を感じて視線に焦点を取り戻し、相手を捕えていた腕を緩めれば、いつしか周囲には、相手が持ち出していたらしいランプの灯りが温かく広がっている──人心地のつく色合いだ。そのなかで、すぐ目の前にいるヴィヴィアンが、安心したような微笑みを綻ばせるのを見下ろせば。全身の無傷を目視で確認したギデオンもようやく、目を細めて小さな安堵の声を漏らして。
──互いに相手の無事を確かめたなら、次に注意を向けるのは、やはり周囲の光景だろう。立ち上がりながら鞘のベルトを腰に巻いたギデオンは、慎重な様子で辺り一帯を見回した。照明としてほとんど意味を為さない小さな松明が灯されている、古い地下牢のような場所だ。しかし己もヴィヴィアンも、こんなところで夜を明かそうとした覚えはない。まったく見知らぬ空間に迷い込んでしまったのであれば、やはり何らかの魔法攻撃を受けたものとみてよいだろう。……やはりあのメイドの様子を見て引き返すべきだった、と遅すぎる後悔に顔をしかめつつ、思考はすぐさま、次にとるべき行動の選択へ及んで。相手に片手を差し伸べて立ち上がる手助けをしながら、相棒の身を案じるように、自衛手段の有無を尋ね。)

とにかく、ここからの出口を探そう。あのメイドや館の主人の仕業なら、一刻も早く立ち去るに越したことはない。……杖やポーションは持ってきてるか。



(/温かいお言葉、ありがとうございます。
当方は幸い、寧ろ大好きな『Petunia』に思いを馳せることで日々元気に過ごしております(しかし春にしては寒い日が続きますので、主様も風邪などひかれぬようお気を付けくださいませ)。

諸々のご確認もありがとうございました。
前回の返信で「ロルも背後相談(+余談)も冗長になりがち」という悪癖が大爆発していた自覚が重々ありますので、どうか謝らないでくださいませ。大変ご負担をおかけしました……!
取り急ぎ確認が必要なのは「謎解きパート全体の長さをどうするか」で、そちらは既に回答をいただいておりますので、あとのことはお気遣いなく。この先の話し合いをスムーズにするための、思い付きのメモ書き程度に捉えていただければ幸いです。
ビビのアクキーもたしか本日が発送予定日とのことで、主様のお手元に届く瞬間を背後も楽しみにお待ちしております。/蹴り可)




437: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-25 09:10:41




 ( / 此方こそお気遣いいただき、お優しいお言葉ありがとうございます。まずはお返事のみお先に失礼致します。
背後様のロルやお話には毎回とても楽しませていただいております。当方が遅筆かつ語彙力がないために、お返事が滞りがちで申し訳ございません。冗長などということは全くございませんので、今後とも背後様に一番負担のない形でお付き合いいただければ幸いです。

謎解きパートの長さについても確認ありがとうございます。双方のイメージに相違がないことが確認できましたので、まずはこの館の正体を二人が思い知る所まで、全力で駆け抜けられればと思います。よろしくお願い致します。

具体的な事件としては、この館から脱出を図る中で、アーロン様の生存が判明する、というのがやはり一番分かりやすいのかなと。どのような形で登場するかは、アーロン様の現状(完全に囚われ監禁の身なのか、一定の範囲内んであれば自由に身動き可能なのか。極端な話、現在も人型を保っているのか)にもよると思いますので、背後様の中でイメージがあればお伺いしたいです。

また、 ギデオン様の追い詰め方()については、やはりギデオン様にとって"自分のせいで誰かが傷つく"というのが地雷かと認識しているのですが如何でしょうか……
死体の山を見て、13年前に片をつけられていればと突きつけられたり、謎解きミスでビビが怪我をしたり。というのが定番かなと思いつつ……当方も現状あまり良い案が思い浮かばず。
いっそ館の正体が判明する流れで、ビビに状態異常を伴う怪我をさせて、タイムリミット=ビビの命として、段々弱っていく相棒と探索させるとかでも良いのかなと。かなり先の話にはなりますが、からがら生き延びたビビが入院する先が、子供たちの入院先と同じことにすれば、ビビが入院患者として疑われず病院や医師のことを探れる布石になったり……?
この辺の塩梅ですが、背後は割と自キャラが痛めつけられる描写は、理不尽でない限り見せ場としてある程度ウェルカム派なのですが、鬱展開に対しては得意不得意あると思いますので、背後様お好みの展開があればお申し付けください。 )




438: ギデオン・ノース [×]
2023-04-26 00:54:46



(/特にロルについて、現状問題ないようで安心しました……! 今後も自分の中でできるだけ磨きつつも、主様に楽しんでいただいている安心感のもと、のびのび綴っていきたいと思います。
以下、前回あのように描いたにもかかわらず、またとんでもなく長いメモ集となっております。主様のご負担にならない範囲で、余裕のある時に必要部分のみかいつまんで触れていただければ幸いです。


●アーロンの生存が判明する(=ここが「あの館」だと判明することにもなる?)展開について。
・考察:
ヘレナの目的が「アーロンの理性のよすがである親友ギデオンの抹殺」なので、ギデオンを手元に置いている今、自由に出歩かせる=ギデオンと再会する危険を冒させる、ということはなさそう。
・よって、アーロンはどのように登場するか:
ギデオンとビビが過去の犠牲者たちから(ヘレナの思惑に反する)協力を得るうちに、「偶然アーロンの監禁場所に辿り着く」という筋書きになりそう。
・追加のイメージ:
(1)ヘレナはそれに気づき次第、猛然と引き離しそう(この際、初回の空間転移のように強引な手段で距離を取らせそう。『鬼滅の刃』の鼓屋敷的な感じ、と例えて伝わりますでしょうか……?)
(2)ここから、「アーロンはまだ生きている」「あいつを助けなければ」「でもそれにヴィヴィアンを巻き込むわけには」……といった葛藤、対話にも繋がっていきそう。


〇提案:最終的にどうやってヘレナ・アーロンに辿り着くかについて。
(前提1)ヘレナは生まれてこのかたアーロンの精しか摂取していないため、肉体強度は非常に弱く、悪魔の力で召喚した「黒い館」経由で人間の生き血という代替食を摂っている。
(前提2)このため、ヘレナとアーロンは館のどこかに引きこもって身を隠している状態。自身は姿を現さぬまま、捕食システムである「黒い館」がギデオンを喰い殺すのを待っている。
(前提3)それに抗っているのが、かつて館に喰われた犠牲者たちの魂。様々なヒントを主人公たちに与え、ヘレナたちの居場所に導こうとしている。
(提案)謎解きを幾つかこなして、(最初は出口に向かっていると思っていたが、実際には)ヘレナに近づいていくうちに、業を煮やしたヘレナが自らギデオンたちを誘い込み、直接対決に持ち込む……という展開。
(備考)特筆事項がなければ、本件のお返事は省略でも大丈夫です(逆に別のご意見や追加点があればそちらの共有もお気兼ねなく)。


●ギデオンの地雷・トラウマについて。
・主様のイメージで完全に相違ありません。
・「13年前に片を付けていれば新たな犠牲者が出ることはなかったはずだ」というのも、言われてみればまさにぴったりの題材過ぎて……! 「己のミスでビビが怪我をしてしまう」と同じく、思わぬ美味しさに大変テンションが上がっております。
「後の横領事件発覚も意識した流れで、ビビのライフにタイムリミットをつける」と言うのも、物語に緊迫感が生まれてとても面白そうです。


●主人公たちの加虐展開の度合いについて。

・当方も、最終的にハッピーエンドであれば、その過程は寧ろキャラの見せ場として大変美味しく味わえるタイプです。
・ただし、「鬱展開とは?」と考えて「https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/8329.html#:~:text=%E6%A6%82%E8%A6%81,%E3%81%AA%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82」の具体例を参照した結果、「こ……ここまでは……」となりました。そんな感じです。
・例えとして、『ミッドサマー』系のガチでグロい・精神的にも救われない・特に“復旧不能”な鬱展開が苦手。最後には立ち上がって勝つタイプの特撮ヒーローや戦う美少女が、絶望的な強敵に心身ともに散々痛めつけられる展開は大好物……という感じでしょうか。要は日曜朝に放送できる程度かどうか。
・今思い浮かぶ展開で、軽めの加虐系としては、「謎解きクリアのために、ギデオンが一定のあいだ闇の魔素責めに耐えなければならない」「ビビが水槽に囚われ、ギデオンが早く解決しなければ溺れ死んでしまいかねない」だとか。
鬱系の展開で言えば、「愛しい相手の闇の幻覚と対話することになり、『おまえが生まれなければシェリーは死なずに済んだのに』『子どもを死なせた手で私に触らないでください』などと言われてしまう」「『子どもたちもアーロンも無事に救えた』『お母さんが生きている』夢の世界を見てしまい、あの苦しい思いの方が悪夢だったのか、とそのまま目覚めなくなりそうなのを、必死に呼び戻す現実世界の相手の声で結局振り切ることになる」「幻の相手が他の異性に寝取られる」「相手を救うために、仮想世界で自殺しなければならない」「謎解きクリアのために幻覚の相手を殺さなければならないが、どうしてもそれができずに自らが瀕死となっていく」だとか。ベタベタのベタですが……。この辺りは、それぞれで幻の相手を動かすのでも、或いは一時的に幻の自キャラ自体を動かすのでも。

・一点、お願いしたい路線として。
ギデオンは性格上、自分が痛めつけられるのはある程度耐えられると思うのですが、ビビが長らく痛めつけられていると、そちらの方が余程堪えてヘレナに屈しそうです。本音を言えば背後的にも……その……ギデオンは別にいくら虐めても良いんですよ……元々自虐的な傾向のある、体だけは頑丈な中年男ですので……でもビビは……頼むビビだけは……可愛いビビだけは……ウワ──!!! となりがちなものでして()。
軽度の加虐や状態異常のジワジワ進行は全然大丈夫なのですが、後の入院に繋がるレベルの深刻な衰弱・重傷に関しては、最終決戦の見せ場的なアレで、終盤寄りにしていただけますと……(ギデオン・背後双方が)助かります……
・上記の要望を踏まえたうえでの提案。
謎解きの初動段階(或いは基本的な役割分担)は、「戦士とヒーラー」であることを理由に、主にギデオンが肉体的ダメージを引き受け、体力を温存しているビビがそれを回復する……という動きにしてみるのは如何でしょうか。それで内心耐えがたくなっていたビビが、いよいよ終盤になって、今度こそ私がと自己犠牲(以前話した「ヘレナへの服従」もこれに含む?)を引き受けてしまい、ギデオンが必死に救うことになるだとか。)




439: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-26 15:44:58




※今回、一部死体描写ございます。


ええ、はい。一通り、
…………。寧ろ、不思議なくらい全部揃ってます、何が目的でこんなことを……。

 ( 差し出された手を、お礼と共にとって立ち上がると、黴臭いような生臭いような、何とも言えない不快な香りと魔素に……この状況は自分のせいだ、と。この館で初めてメイドと遭遇した時のことを思い出して、気分が落ち込む。しかし共にいるギデオンは、対等どころか自分より余程優れた冒険者。彼もまたビビの提案に是と頷いたものを、己が謝罪するのは失礼に思えて。謝ることさえ出来ない罪悪感を滲ませた顔を、ぷるぷると振り払うと、真剣な表情で背中の杖を元気に振りぬいて見せた。そうして、特別追加で言葉を交わすでもなく、自然と先方をビビ、殿をギデオンという列を組んで歩き出せば、腰紐に括り付けたランプと壁の松明周辺以外は真っ暗な空間に、二人分の足音だけがやけにひたひたと耳につくようだった。
右側の壁に手をついて、迷路のように入り組んだ通路を進むこと暫く。視界の数m先の足元に、何か人間くらいの大きさの──……否。丸い頭に上半身のライン、確かに人間が倒れているのを見つけて、「どうされました!?」と思わず駆け寄り、迷わず床に膝をついた瞬間だった。顔の横で──ビィンッ! と音が響いて、目の前に横たわる影を跨いで進んでいたら確実に当たっていた高さ、ビビの動きに合わせてふわりと揺れたポニーテールの先を射抜いたナイフが、右の壁の隙間に刺さって揺れている。栗色の毛が舞い散り、ランプの光を反射してキラキラと床に落ちる。思わず硬直したビビの腕の中、バランスを崩した“それ”は、確かに倒れた人間“だった”に違いない。いつからここに横たわっていたのか、体の一部が腐敗し白い骨がところどころ見えている痛ましい姿。その太腿にも錆びて朽ちてはいるが、先程のナイフとよく似た形状のそれが刺さっていて、他に大きな外傷がないことを見るに、このナイフに致命的な毒か何かが仕込まれていたと見るのが妥当だろう。──勿論、今までも油断していたわけではない。しかし、いよいよ実際に人の命が奪われているという事実に直面して、思わずギデオンを振り返ると、深刻だが冷静な表情で以上の内容を伝達しようとして。 )

ナイフに触れないでください! おそらく毒か何かが──……


( / 丁寧なご返答ありがとうございます。
こちらの時間へのお心遣いも、おかげさまで本当にいつも助かっております。

アーロン様の現状について。
・監禁されている旨、
・そこへ偶然二人が辿り着く旨、
・そのままアーロン様を助けられない理由として、即館の主であるヘレナ様に隔離される旨、全て確認いたしました。
詳細なイメージをありがとうございます。お陰様でこちらもイメージが湧いてまいりました。
偶然アーロン様のお部屋に辿り着く経緯としては、何かから逃げている際に、本来想定されていない壁や床を破壊して転がり込む等が自然でしょうか。今回のギミックに、物理的な罠その他、最終的には武器を持っている二人でも太刀打ちできないような、巨大な何かに追いかけられるという流れに繋げられるよう調整してみましたが、ビビ・背後共に脳筋が過ぎるかなと、強引な手段なのは承知ですので、背後様の方で良案があれば是非ご教授くださいませ。

それから、ヘレナ様の現状や前提についても承知いたしました。本当にヘレナ様がどうしてこうなってしまったんだ、こんなに一途でかわいいのに……と打ち震えている背後です。アーロン様ちょっと校舎裏。
「最終的にどうやってヘレナ・アーロンに辿り着くか」については、最初にアーロン様と遭遇するタイミングではなく、本当に黒い館編最後の最後、最終決戦の時のお話という認識であっておりますでしょうか。もし前者の場合は、上記の脳筋案は忘れていただいて結構です。


○ギデオン様のトラウマ、加虐度合について
こちらもご確認ありがとうございます。ギデオン様の追い詰め方()についても、そう仰っていただけて安心いたしました。
その上で加虐レベルについては、当方も救いがないレベルの鬱はフィクションでも半年引きずるタイプですので、ニチアサ基準というご提案に大賛成です。出してくださった加虐の具体例も、本当に正に考えていたのと全く同じくらいのレベルで、是非このままよろしくお願いいたします!
幻覚上の主人公たちについては、前回のビビの悪夢で既に勝手にやってしまっているのですが、互いが想像する悪夢に登場する人物ですので、幻覚にとらわれる方の背後が描写してしまうのがいいかなと思いつつ、その場の空気次第で臨機応変に対応すればいいかなと考えております。


・ビビへの描写について
あまり長時間の虐待は堪えるとのこと承知いたしました。決して背後がビビを痛めつけたいわけではなく、寧ろギデオン様を精神的に苦しめるための舞台装置として、使えるのであればアリかな程度ですので、苦手な描写ということであれば全く不要です。お気を使わせてしまい大変失礼いたしました。
最終的なハッピーエンドに向けて、どうしても必要になってしまう辛い描写ですが、背後様がご相談に乗ってくださるお陰で、嫌にならず(物語中盤のシリアス期間が辛くて、漫画投げ出した前科あるオタクです……)丁度良く楽しめております。いつもありがとうございます。

それに加えて、ヘレナ様への服従への流れのご提案もありがとうございます。以前から、ギデオン様にばかり危険な役目を負わせていることへの清算は、必ずどこかでやりたいことの一つでしたので、今から非常に楽しみです。


こちらこそ大長文失礼いたしました。基本的に背後様がご提案くださったことの確認だけですので、何かご連絡等なければご連絡には及びません。引き続きよろしくお願いいたします。)




440: ギデオン・ノース [×]
2023-04-29 14:40:41



(怪我人をみとめたヴィヴィアンがすぐさま駆け寄ったのは、普段ならばまったく正しかったろう。ヒーラーの彼女が一般人を救護し、戦士の自分はその間周辺を警戒して安全を確保する……相手とはこの一年、何度もクエストを共にしてきたから、こんな異常な状況下でも、その役割分担に落ちつくのに言葉すら要らなかったのだ。だが、まさかそれが仇になるとは思わない。本能が突然ぴりっと粟立った次の瞬間、明確に相手を狙った投げナイフが、石壁に鋭く突き刺さるのを見て。無事とわかっても瞬時に顔が強張り、二の矢が続けばすぐに庇えるよう飛び出す構えを取りながらも、凶刃が飛んできた壁をさっと一瞥して確かめる。しかしそこには、穴らしきものなど何ひとつ見当たらない。ならば──感知式魔法陣か! 闇のダンジョンの中層階から目にする、予見不能の悪質な罠だ。大抵致死性の毒が塗りこめられているそれを、ギデオン自身も何度か?い潜ってきた経験があるが故に、振り返ったヴィヴィアンが発しようとした警告に、真顔で頷きかけたものの。不意にキュイイ、と嫌な音がして、ギデオンが咄嗟に飛び退ったその場に、三本の大振りのナイフがどすどすと突き刺さる。それを見下ろす顔が途端に青褪めたのは、事の状況がより深刻であると嫌でも理解できたからだ。──こいつは、ただの感知式じゃない。侵入者の動きを感じて発動する最初の罠を皮切りに、人体魔素を自動感知して次々に発動する──要は、たとえ初撃をかわせても、その油断を突いてひとりでに狙いを定めてくるタイプの罠だ。そう理解したが早いか、猛然と飛び出してヴィヴィアンの腕を掴み。周囲の壁から聞こえ始めたキュイイ、キュイイという死の警告音に最早注意を払ってもいられず。「──ここを離れるぞ!」と声を張り上げ、全速力で前方に駆け始め。)



(/まずは大変お待たせいたしました! 今後しばらく、まだ返事が遅れがちになると思いますが、ご容赦いただければ幸いです。
ヘレナ・アーロンに辿り着く過程については、後者のお考えで間違いありません。幻覚の操作は臨機応変に、というのも了解いたしました。ビビの加虐については、苦手だから完全に省きたいというのではなく! ビビも推しですので……程度に差はあれど、推しが苦しむ姿は美味しいオタクではあるので……(我儘) これまで何度も救われてきた主様との相性に甘えて個人的な好みのラインをお伝えしただけでございまして、おそらく特別慎重を期したご配慮をいただくまでには至りません。寧ろこちらこそ、厄介なことを言いだしてお気を遣わせてしまい申し訳ないです。主様ご自身の好みとも上手く擦り合わせて、双方とも心置きなく楽しめればと思います。
また、死体などの描写についてですが、背後は完全に平気ですので(寧ろストーリー上必要な程度の残虐描写は好物の範疇です)、こちらもどうか日々お気遣いなく。もちろん、お世話になっているセイチャットの規約範囲内でになりますが、今回の話の重要なエッセンスであるホラー・サスペンス要素も、思うまま自由に綴り合えれば幸いです。
こちらこそいつもありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。/蹴り可)




441: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-04-30 21:44:05



──はいぃッ、……!!

( 腕を強く引かれて、半ば引きずられるように駆け出すと、止せば良いものを、横目で背後をチラリと伺って、的確に二人の急所の高さを射抜いているナイフの山に、青ざめながら正面を振り向く。その途端、緑色の大きな目に映ったのは、小さな魔法陣を伴い正面から射出された鋭いナイフ。その穢れた切っ先が、此方に届くまでのコンマ数秒。──脊髄反射のするままに。前方へと左脚を放り出し 間一髪、鈍い光を放ったナイフが、仰け反ったビビの前髪を掠めていく。──不味い、まずい、マズイ! 一秒前までは、死後長い間放置された後、更に硬い床に打ち捨てて来てしまったあの死体に、同情さえしていたというのに。少しでも油断すれば、今度はビビ達がああなりかねない惨状に、そんな余裕さえ消え失せて。四方八方から跳び荒ぶ悪意を避けながら、なんとかしなければと、必死に思考を巡らせるも、思い浮かぶのは、壁に穴を空けるだとか、床に穴を空けるだとか、穴を空けるだとか──……いいから、穴を空ける以外の方法!! と、必死の惨状に対するそれ以上に、己の頭の悪さに対して聞き迫った表情で相棒を振り仰げば。元気な叫び声混じりのそれには、経験豊かなギデオンならば、何かスマートな対処法を知っているに違いないという、、根拠のない期待があらわれていて、 )

──ギデオンさ、アアア、ん!! ヒェッ……
どうしよッ……どうしましょうコレ!!
なんか、なんかコレ! 止める方法ご存知ですかッ!?




442: ギデオン・ノース [×]
2023-05-03 14:57:59



──ッ、こういうのは、術者じゃないと止められない筈だが……エリアを抜けきるか、或いは──!

(共に鍛えている冒険者同士、予兆つきの攻撃を躱すこと自体は容易い。とはいえ、全方位から絶え間なく狙われ続けるとなれば話は別だ。体力なり集中力なりが途切れた一瞬を的確に突かれてしまえば──そんな危機感をありありと横顔に浮かべながらも、横を駆ける相手の縋りつくような声に、必死で思考をフル回転させていたそのとき。探していたものをちょうど行く手に発見すると同時に、強い腐臭に口を噤み。そこへ駆けつけながら魔剣を引き抜くと、ギドデオンの頬を掠ったナイフには構わず、この仕掛けの犠牲になったらしき新たな死体に躊躇なく刃を差し込み。右肩に込めた渾身の膂力だけでそれを跳ね上げ、後方へ投げ捨てれば、一か八かの賭けだったが、果たして結果は目論見通り。弧を描いてから地面に叩きつけられたその骸に、魔法のナイフたちが集中的に突き刺さる嫌な音が響き渡る。この瞬間が唯一のチャンスだ──今までは攻撃を避けるのに必死で稼げなかったその数秒、周囲を冷静に見渡して、壁に溶け込むような色をした扉の存在に気が付けば。キュイイ、と再び唸りはじめた魔法陣の発動音を背に、相手の手を引いてそちらへ駆け込み、先に相手を入れてから自分もするりと扉の向こうへ。固く閉ざしてから本能的に飛び退ったまさにそのとき、ドドドッと扉の向こうからナイフが突き刺さり、その切っ先だけがこちら側に僅かに顔を覗かせる。荒い息を吐きながらそれを見つめ、次いで新たに迷い込んだこの空間を振り返って、新たな攻撃は見受けられないのを確認すると。ようやく相手と顔を合わせ。呼吸を整えながらその全身をたしかめ、ようやく安堵のひと息をついて。)

……、…………、怪我は……なさそうだな。




443: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2023-05-06 18:15:03




ええ、ギデオンさんのおかげで──……ッ、

 ( ──神に誓っても良い。今回こそは下心があった訳でも、弱ったところにつけこもうとした訳でも、決して無かった。こんな状況でさえ、己の身を後回しにする相棒が、少しでも早く此方側へ駆け込めるように、碌に着地のことも考えず、頭から扉の向こうへと飛び込んだその直後。空間を貫く刃先から相手が免れたのを確認して、立ち上がりながら ほっと息をついたのも束の間。その頬に薄い鮮赤が走っているのを見留めた瞬間、先程の死体の感触が、ぶわりと脳裏に蘇って、思考よりも先に体が動いていた。先程までの硬い床とは一転、身をもって確認したばかりの、弾むように柔らかい絨毯に相手を押し倒すと、その上に馬乗りになって、その傷口を至近距離から見下ろす。そうして「これ、こうして──そう……持っててください」と、傷口の位置が位置だけに、相手が濡れてしまわぬよう、その体勢のままローブを脱いで強引に相手に押し付けると。有無を言わさぬまま、ケルピー革の水筒をひっくり返して傷口を濯ぐと、それが尽きれば杖を握って、新たに生み出した水で続きを。魔法は0から1を生み出す奇跡ではない、この空気に混ざる気体の水を液体に戻しただけのそれが、何処まで信用なるかは微妙だが、明らかな毒が残るよりよりは随分マシだろう。そうして暫くそうして居ただろうか。最後にもう一度、少しだけ残しておいた水筒の水で濯ぎ終われば。もう少し、深かったような気がしたけど──と、小さく唇を尖らせたり、露骨に安堵の微笑を浮かべてみたり、兎に角、真剣な表情で傷口を観察してから、これまたゴソゴソと取りだした保湿剤を塗り広げた瞬間──パチリ、と青いそれと視線が合って、思わずヒュッと息を飲み。そうして、慌てて無罪を主張するかのように両手を離せば。場違いに染まる頬を隠しながら、後方に跳び退ろうとして。 )

あっ……ごめんなさいッ、私心配でつい、……今どきます!




444: ギデオン・ノース [×]
2023-05-10 21:07:17




ッ!?、

(相手の凍りついた表情を見た次の瞬間、ぐるりと回転する感覚、ついでどっと押し倒された事実に、驚きの表情を浮かべたが。酷く切羽詰まった様子の、それでも冷静さを失わぬよう気を保っているらしい相手は、己を治療しているのだとすぐに思い至る。故に、(相手のあまりの真剣さに少々呆然とする形で)素直に指示に従い続けてから──ふと向けた青い瞳。それが予定調和の如く、相手の明るい翡翠のそれとぴたり合わされば。何やら百面相を繰り広げていた本気の医療従事者の顔が、一瞬で多感な乙女のそれに染まり上がるのを目の当たりにして、妙な脱力感と可笑しさに、思わず表情を柔らかく緩め。「いや、いい」と、満足げに目を閉ざしながら、ローブを持っていない片手で相手の華奢な背を押しとどめる。そのまま数秒、別に相手を抱き寄せるでも、何を言うでもなく。相手を己の上からどかせず、ただ呼吸をしていたのは、完全な自己満足。──相手の温かい重みを感じる、そのぎこちない動きから無事なことが伝わる。それだけで、今はどれほど安堵できることだろう。
やがてふ、と目を開けると、「助かった、」と一言端的に礼を述べながら、何事も無かったように半身を起こし、冷静な目で周囲を注意深く見渡しはじめる。地下牢のように薄暗く粗野だった先程の空間とは違い、こちらは元の館らしく整った内装をしている。壁にかかった絵画、各所に置かれた小棚に花瓶、そして幾つか目につく黒い扉。見てくれこそ普通の館だが、その実態がそうでないことは、先程のトラップで判明している。──どこか既視感があると思ったら、魔獣や悪霊の棲みつくダンジョンだ。一見普通の森や洞窟のように見えて、そこに立ち入る冒険者を死に至らしめようとする、あれと同じようなところに迷い込んだのかもしれない。……などと、今はまだ、事の真相を掴めぬまま。息を吐き、ぐしゃりと横髪を掻くと、特にふらつきもなく立ち上がり、相手の方に手を差し伸べ。ゆるりと首を傾げて相手に問うたのは、先程のような悪質な攻撃魔法陣を簡易検知するための術。ベテランの自分も無論扱えばするが、魔力の質と保有量に大きく差がある以上、いざと言う時のために温存しておきたいのが本音──ヒーラーの相手が行動不能になれば共倒れになるわけで、窮地を救うための雷魔法はいつでも撃てるようにしておきたい、と。信頼関係を築いているからこそ、立場やプライドに拘泥せず、己よりずっとうら若い相棒を素直に頼る考えで。)

多分、たちの悪い悪霊の餌場に入ってしまったんだろう。落ちついて探索すれば、出口を見つけるのはそう難しくないはずだ。
……が、さっきみたいなトラップがあるとまずい。索敵魔導波は習得してるか?




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