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白む空に燻る紫煙 ---〆/4217


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自分のトピックを作る
1422: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 12:32:15

 






( 相手に声を掛けられハッとすると既に彼女の姿は無く、カップを持ち上げつつ「……いや、何でもない。」と答えて。赤の他人に妹を重ねて喪失感を埋めようとするなど、常識的に考えて良くない事くらい理解している。其れでも妹に会いたい、生きている妹の姿を遠くからでも眺めて居たいと言う何処か歪んだ感情は恐らく抑える事は出来ないだろう。コーヒーを啜りつつも先ほどまでとは違い何処か心此処に在らずな様子で。 )






 

1423: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 13:05:10




( “何でもない”と答えた相手自身、自分が今どんな表情をしているか気付いていないのだろう。心此処に在らずなぼんやりとした空気を纏いながらも瞳には陰陽入り混じる様々な感情が忙しなく渦巻いている。__胸の奥深くで確かな不安の芽が発芽したのが分かったが何から来るものなのか迄は理解出来ずに、其れが逆に心を騒つかせるものだから結局「…そっか」と言葉にする事しか出来ずに。こっくりとした甘みと仄かな苦味が舌の上で踊り柔らかな温かさが喉を通り胃に落ちる事で生まれる筈の安らぎが得られない。何とも言えない微妙な空気が漂い始め其れを飲み下す様にマグカップに残ったカフェラテを飲み干して )





1424: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 14:18:25

 





( 寂しさと喪失感を感じ続けて弱っていた心を蝕む様にして一目見ただけの彼女の存在が入り込んで来るような妙な感覚を感じていた。良くない事だとは頭では理解している、見ず知らずの、其れも赤の他人である店員に妹を重ねて痛みを和らげようなんて許される筈が無い。其れでも妹に生き写しの彼女に救いを求めてしまうのだ、接触しようなどとは考えて居ない、遠巻きにその姿を見られれば其れだけで____。当初の目的であったゆっくりしてから家に戻ると言う目的は果たされず逆に何とも形容し難い感情を抱えたまま、特段相手と会話を交わす事も無くホットコーヒーを飲み終え息を吐き出すとようやく相手に視線を向けて。「他に寄りたい場所は無いか?」特に行く場所が無ければ家に帰って少し休もうと思いつつ相手に尋ねて。 )





 

1425: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 14:48:50




( 喉を甘く落ちるプレミアムカフェラテも今や何が“プレミアム”なのかも分からないくらいに舌が味を認識する事を放棄した様だった。中身が無くなったにも関わらずマグカップから唇を離す事が出来ないのは漂う気まずい空気を払拭する術を知らないからで、相手から先に言葉を掛けられたのが此の時ばかりは救いに思えた。首を緩く左右に振る事で一応の“気晴らし”の終わりを告げる。漸く唇から離した空のマグカップをテーブルへと置いては其々お会計を済ませて喫茶店を出て。__「エバンズさんの珈琲美味しかった?」エンジンを掛けて家に向かい車を走らせる道すがら、前方に頭を向けた儘少しでも此の微妙な空気を払拭しようと他愛無い会話を持ち掛けて )





1426: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 16:03:22

 






( 店の名前を忘れないよう看板に視線を向けてから相手と共に車に乗り込み、其れから暫くは車窓に目を向けたまま口を開く事も無く、相手から向けられた他愛の無い問い掛けには「…あぁ、」とひと言だけ頷いて。家に着くと相手がエンジンを切るより前に「___ミラー、もう1人でも大丈夫だ。辞表の事は、有給を消化しきってからよく考える。引き留めて悪かった、」と告げて。相手が暫く家に居る事を見越しての買い物だったにも関わらず、暗に相手に家に戻って構わないと伝える。もう酒に溺れる様な事はしない、一人で少し休んでから今後の事は考えると言いながら自分の買ったルームウェアも相手が自分の家に置く為に買ったルームウェアも車に乗せたまま1人車を降り。妹に生き写しの女性に出逢った事が、それ以外の全てを放棄させた様だった。未だ数日は休みが残って居る為、家に来る時は連絡を入れて欲しいと言って、そのまま家へと戻って行き。 )






 

1427: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 18:40:35




( 返って来たのは相変わらず素っ気ない返事。何時も通りと言えば何時も通りの筈なのだが、何処か微妙な点に置いて違和感が拭えないのは先程から流れ続ける妙な空気のせいだろうか。__程なくして車は相手のマンションの前へと到着するがエンジンを切り車を降りるよりも先に暗に“何もかもが問題無い”とばかりに制止されれば思わず目を丸くし。「ちょ、エバ__、」相手を呼び止める声は最後まで音になる事は無かった。バタン、と無機質な音を立てて扉が閉まり相手の背中は遠ざかる、そうして其の背中が見えなくなる頃言い様の無い寂しさを感じれば相手の部屋に置く筈だった残された部屋着の入った紙袋を見詰めぐ、と奥歯を噛み締めて。__其の後どうやって家に帰ったか記憶は酷く曖昧だった。買った真新しい部屋着のタグを切り洗濯機に放り込み、セシリアへの贈り物として買ったグロスと相手からプレゼントされたチョコレートの小袋を棚の上に、一目惚れしたグラスは一度洗う為にシンクへと置いて。__身体はテキパキと仕事を熟すのに心は少しも着いて来ないのだ。相手が纏う空気の変化が何から来るものなのかを明確に知る事が出来ない儘、結局朝を迎えて普段通り仕事に行く事となり )





1428: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 19:14:19

 





( 気持ち的には未だ沈んで居て不安定だったものの、彼女の存在が今を生きる活力になろうとしていた。死んだ筈の妹に会える、そんな夢のような時間が現実に舞い込んで来たのだから。有給を取っている間にも数回あの喫茶店に足を運び、“セシリア”が働いているのはお昼頃の時間帯なのだと気づいた。それと同時に、やはり自分は働いて居なければならないと思い、仕事に復帰する事を選び。体調を考慮してか大きな事件の捜査を振られる事は無く、署内での仕事が中心ながら職場に復帰したのが数日前の事。あの日から変わらず、妙に非現実的な空気の中に居る様な心此処に在らずの状態は続いて居て、ふとした瞬間にぼんやりする事が増えては妹の事が頭を過ぎる様になって居た。そして今までは決まった時間に取る事の無かった昼休憩を取り始めたのがひとつの変化。署員からすれば、有給を取る程に体調を崩して今も体調が万全では無いのだろうと、何処か普段の気丈さや威厳が欠けている様に見える上司の様子を遠巻きに窺う様な状態で。 )






 

1429: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 20:03:58




( 相手が職場復帰をした事を純粋に喜べなかったのは戻って来た相手の様子が明らかに有給を取る前とは違って居たから。ぼんやりとする事、考え込む仕種が増えた事、そんなものは変化の内に入らない。余りに細やかなものだ。__言葉では言い表す事の出来ない不安の正体が分からないから怖いのか、どんなに休めと言ってもなかなか休憩したがらない相手が決まった時間に昼休憩を取り居なくなるのが不可解なのか…。全てはあの日、喫茶店に立ち寄った事で変わった気がするのだが特別何かがあった訳では無いと思っているからこそモヤモヤは募るばかりで。__今日も相手は時間通り昼休憩をとってフロアを出て行った。其の背中に視線を向けるも声を掛ける事がどうしても出来ず、そんな折『そう言えばこの前お昼に警部補見たよ。珍しくカフェに居てさ、そんなタイプじゃないと思ってたから驚いちゃった。』と声を掛けて来た同僚の発言によって相手が此処数日お昼に何処に行っているのかを知る事となった。相手が自ら進んで行くカフェ……思い当たる場所は一つしか無く心臓がドクンと嫌な音を立てて )


女性店員

( 此処数日毎日の様にお昼の時間に訪れる様になった相手に気付いて居たのか何時も通り一番奥の席に座った相手に水を持って来た時に『いらっしゃいませ。…最近良く来てくれますよね。』と挨拶をした店員は柔らかく微笑んで )









1430: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 20:33:08

 






( その日も昼の時間になると署を出て、真っ直ぐに向かう先はいつもの喫茶店。あまり見ては不躾だろうと働いている姿を遠巻きに眺めるくらいに留めて居たものの、いつもの様に奥の席に座ると水を持って来た彼女に声を掛けられ驚いて顔を上げる。初めて近くで顔を合わせた彼女はやはり妹が生きて居るのだと錯覚する程によく似ていて、相手を見つめる瞳に切なさと愛おしさが滲み。「___えぇ、此処のコーヒーが好きで。…軽食でおすすめはありますか、」彼女と談笑する姿を署員の誰かが目にしたとしたら、完全に彼女に惚れていると取られるだろう。自分では然程意識して居なくても、彼女を見上げる瞳は其れ程に優しく柔らかな表情を向けている。軽食のおすすめを聞いたのは、折角生まれた彼女との会話を少しでも長くと考えた反射の様な物で、窓から差し込む日差しを受けて煌めく薄緑色の瞳を見詰めて。 )





 

1431: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 21:18:57




女性店員


( 此処の珈琲が好きだと言う言葉に女性は嬉しそうに笑うと『嬉しいです。実は最近バリスタの資格を取る事が出来て、此処の珈琲を任される様になったんです。』何処と無く気恥しそうにそう自身の話をした後に写真付きのメニューを広げて軽食のページを相手の前に置けば『__このローストビーフのサンドイッチは味が確りしていてオススメですよ。もう少しお腹に溜まる物が良ければこっちのキッシュも。』相手の真横で僅かに腰を折り一つ一つを指差しながら丁寧に説明していき。最後『甘い物の方がいいですか?』陽の光を蓄えて柔らかく煌めく緑の虹彩を向けては相手の嗜好をまだ知らぬ為に別のチョイスが良いかと問うて )





1432: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 21:56:05

 






( 此のコーヒーを淹れているのが相手だと知り「…とても美味しいです。」と少し微笑んで答え。続く問いには首を振り、相手が初めに勧めてくれたサンドイッチにしようと「___それじゃあ、此のサンドイッチとホットコーヒーを。」と答えて。酷く幸せな瞬間なのだ、彼女が妹本人では無いと分かっていても其れを忘れてしまう程に、彼女が生きて今も人生を刻み続けているのだと感じられる此の瞬間が。ずっと長い間胸に渦巻き続けている悲しみも喪失感も寂しさも、___其れが虚像だとしても、全てを埋めてくれる様で痛みを感じなくて済むのだから。注文を受けてキッチンの方へと戻っていく相手の背を見送り、穏やかな心持ちのまま水をひと口飲んで。 )






 

1433: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 22:08:53




女性店員


( 相手からの注文を手元のオーダー用紙に書き記してからキッチンの奥へ其の姿を消して。__お客様に“美味しい”と言われるのは何より嬉しい事。其れが自分の煎れた珈琲ならば尚更の事で。口許に小さな笑みを携え丁寧に丁寧に煎れた珈琲とローストビーフのサンドイッチを両手に戻って来たのは注文を受けてから5分程が経った頃で。『お待たせしました。他にも用事がありましたら遠慮なく呼んで下さいね。』其れらを相手の目前に静かに置き再び緑の虹彩を細めて柔らかく微笑むと、店員呼び出し用のボタンも一緒に置いて一度席を離れて他のお客様への接客をして )





1434: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-22 23:12:59

 







( 彼女の淹れたコーヒーは矢張り香ばしく華やかな香りを漂わせ、シンプルなホットコーヒーだからこそ引き立つ旨味も存分に感じられる物で。礼を言いコーヒーをひと口飲んでからサンドイッチを食べると、勧められた通り確りとローストビーフの塩気や肉の旨味も感じられる其れは野菜やソースとの相性も良く美味しく食べる事が出来て。途中視線の重なった彼女に少しだけ目を細める様にして美味しいと伝えると確りとした昼食を楽しんで。---そろそろ署に戻らなければと思うと少し気持ちは落ちるのだが、此処に来れば彼女に会えると言う事が今の生きる糧になって居た。食事を終え、呼び出しボタンを使う事は無くレジに向かうと伝票を差し出して。「___どちらも凄く美味しかったです。」と告げて会計を済ませると「ご馳走様でした。…また、」と軽く会釈をして店を出て。誰かに対して此処まで友好的に、優しい気持ちで接する事が出来るのはあの事件以降初めての事だったかもしれない。店を出てしまうと途端に世界は色褪せてしまう、其れがこれまで過ごしていた普通の世界だとは思えずあの店の中だけが鮮やかな現実の様な、そんな感覚さえ胸に渦巻いて。 )






 

1435: ベル・ミラー [×]
2022-05-22 23:47:10




( 同僚に喫茶店の話を聞いてからと言うもの、頭の中の大半を其の事が占める様になっていた。毎日毎日通い詰めたくなる程に美味しい珈琲だったのか__否、勿論珈琲は美味しかったのだろうが其れが相手をそこまで突き動かす理由にはならない筈。こんなのはまるで捜査みたいだ、と後ろめたい気持ちを抱えつつも其処に一体何があるのか確かめないと永遠とモヤモヤが燻り続けると思えば、相手が署へと戻って来たタイミングでずらした昼休憩を取る為にフロアを後にして。__向かった先はあの日“気晴らし”の最後に相手と立ち寄ったシックな雰囲気漂う喫茶店。あの日と同じく一番奥の席へと座り傍らに立つ店員に相手が飲んだものと同じホットコーヒーを頼む為に顔を上げ__言葉が出なかった。此方の注文を待つ女性店員の姿が何時かの日に相手が見せてくれた写真に映る妹、【セシリア・エバンズ】と瓜二つだったからだ。似ているなんてものじゃない、髪型も瞳の色も柔らかく微笑んでいる表情も何もかも……。途端にくらりと眩暈を覚えて一度視線を下方に落とす。落ち着け、と自分に言い聞かせてから顔を上げれば互いの緑がぶつかり合った。何時までも何も頼まない己に不思議そうな顔をした彼女が『あの、ご注文はお決まりですか?』と控え目に尋ねてきた声で辛うじて頭を縦に動かす経路が繋がれば「_…ホットコーヒーを、」と絞り出す様に注文しキッチンへと戻る背中を見詰め。_ドクン、ドクン、と心臓が嫌な音を立て始めたのは相手が何故急に此処に来る様になったのか其の理由が嫌でも分かってしまったから。珈琲が美味しいから、なんて生温い理由では無く悪く言うならもっと歪んだ執着の末の現実逃避。今はまだ其処までじゃなくても何れそうなる可能性を秘めている気がして、少しの恐怖が落とされたインクが広がる時の様に心に色を付け。不穏な気配が漂い始めている現状、其れでも相手は此処に居る時幸せなのだろうか、悲しみを思い出さなくて済んでいるのだろうか、生きる希望を見出せて居るのだろうか__もしそうだとしたら相手を此処から遠ざける事は本当に正しい事なのだろうか。穏やかで優しい笑みを浮かべた相手の表情を一瞬鮮明に思い出した瞬間、思わず泣きそうになり顔を俯かせて 。運ばれて来た珈琲に口を付ける事が出来ない時間が少しの間続き )





1436: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-23 10:16:46

 





( 相手があの店に行っている事など露知らず、いつもと同じ様にデスクに戻りパソコンに向かう。昼の時間が過ぎて仕舞えば後は翌日の昼に再び訪れる“夢の時間”を迎える為に仕事に打ち込むだけ、虚像であっても彼女が近くに居る事が心の平穏を助長し体調が落ち着いているお陰で一時的に薬を少し手放す事も出来て居て。一方で熱量が全て其方に向いている為、矢張り仕事中にぼんやりする事も多く以前までの様に大きな捜査が出来る状況では無い。其の変化を穏やかになったと表現すれば確かにそうなのだが、虚像に取り憑かれて現実を生きるだけの生気が無くなったと言えば其れも正しいのだろう。心の痛みを和らげる為にアルコールを流し込んでいた様に、“生きているセシリア”に目を向ける事で痛みを和らげると言うのは歪んだやり方でしか無く。 )





 

1437: ベル・ミラー [×]
2022-05-23 16:11:46




( 『警部補最近丸くなったよな』と嬉々として話す同僚達の言葉。果たして其の表現は本当に正しいのだろうか。まるで夢現な意識の中でゆうらり、ゆうらり、と漂う様は現実に生きとし生けるもの全てを寄せ付けず、都合の良い箇所に落とし所を見付け其れが“現実”だと錯覚し、酷く危なげな虚像に取り憑かれ取り返しが付かない様な結果を招く気がしてならないのだ。けれども此処最近相手の表情が心做しか柔らかくなった事も、目の下の隈が遥かに薄くなった事も、薬を飲む回数が減った事も、言い訳の出来ない紛れも無い事実だ。だからこそ“相手が幸せならば”と思った事も一度や二度じゃない。夜中に酷い発作で目を覚まし、何もかも忘れたいと涙を流す相手の苦しみを間近で見て来たからこそ__何もかもに蓋をして知らない振りをすれば、相手は今度こそ幸せになれるのではないのか。刑事を辞めて静かな場所で相手が望む人と共に過ごせる人生もあるのではないのか。どうするのが最も最善なのかが分からずに溜め息の数ばかりが増えていく中、無情にも日にちだけは其の歩みを止める事は無く。__明日は己も相手も休みの日、勿論相手はお昼に喫茶店へと行く予定だろう。分かって居ながら「エバンズさん、今日泊まりに行っちゃ駄目ですか?」署員達の帰宅したフロア内で相手にそう問い掛けて )





1438: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-23 17:50:46

 






( 相手に声を掛けられ顔を上げると、泊まりに来たいと言う突然の申し出には相手を見上げたまま数回瞬いて。しかし、最近は眠れていない訳でも無く明日も出掛ける用事がある。「…悪いが、明日は用事がある。それに、最近は幾らか眠れるようになった___心配要らない。」と答えて。最近は“セシリア”の影響か、あれ程頻繁に見ていた夢を見ない日も増え不眠に悩まされる事も無くなっていた。妹が生きていると思い込む事で抱え続けて居た罪悪感から逃れる一方で、ずっと意識に靄が掛かったような感覚なのだ。夢から覚めてはいけないと自分で過去に蓋をして居る様な、辛く苦しい記憶を見ないフリをしている様な。相手からパソコンへと視線を戻すと再び資料を纏め始めて。 )






 

1439: ベル・ミラー [×]
2022-05-23 18:59:42




( 此処で“YES”と答えてくれたらどれ程救われたか。相手はまだきっと大丈夫だと思えたのに。己と視線を合わせる時間もそこそこにパソコンの画面へと視線を移した相手を酷く悲しげな表情で見詰める。__相手の言う通り眠れている事は薄くなった隈を見ても、少しばかり威厳の無くなった様な表情を見ても分かるのだが其れがどうしても“本物”じゃない気がしてしまうのだ。大人しくデスクに戻る事無く暫し其の場に立ち尽くした儘頭を垂れ沈黙を落とす事数秒、意を決した様に頭を持ち上げて再び相手を真っ直ぐに見詰めては「__だったら来週の何時でもいいです、お昼一緒に食べて下さい。…モールの帰りに寄った喫茶店で。」緑の虹彩に真剣な色を携えて次なる要望を口にする。“セシリア”が居る喫茶店に行けば自ずと己に其の存在を知られる事になり、此処数日の変化を勘繰られると相手ならば分かるだろう。其れに疚しい気持ちが生まれるのか…。一種の賭けの様な要望に相手は何と答えるか、身体の横に下ろした両の手をギュッと握り締めて )





1440: アルバート・エバンズ [×]
2022-05-23 19:44:27

 







( 相手は引き下がる事無く、次の要望を口にした。あの喫茶店で昼食を食べたいと言われると一瞬動きが止まる。妹の写真を見せた事のある相手ならあの店員が妹と瓜二つな事に直ぐに気付くだろう。既に店員とは顔見知りになっている為、いつもの様に会話をすれば通い詰めている事にも気付かれる筈だ。彼女の存在を相手に知られる事に、既に何度もあの店に通っている事に何処か疾しい気持ちを抱えるのは何故だろうか、何にせよあの時間は誰かと共有したい物では無く一人で過ごしたい物なのだ。「____食事をするなら夜にしてくれ。」再び相手に視線を向けると、暗に昼食は駄目だと言う意味を込めて返事をして。 )





 

1441: ベル・ミラー [×]
2022-05-23 20:23:25




( 返す言葉が無いとはこういう時に使うのだろう。夜ならば良いだなんてあの店員の勤務時間をある程度把握しているからこそ出る言葉ではないのか。此の儘では相手は自分の時間を生きる事が出来なくなってしまう。どんなに辛く苦しくても現実から目を逸らしてしまったら、妹を誰かに重ねて執着してしまったら、相手の抱える絶望を傍で見てほんの僅かであっても触れたからこそ虚像に囚われてしまう可能性がある事をひしひしと感じて居て。掌に爪が食い込むくらいに拳を握り締めればそんな言葉は聞きたく無いとばかりに数回首を左右に振り。「……エバンズさん、今幸せですか…?」目の奥が熱を持ち鼻の奥がツンとした痛みを帯びた。気を抜けば泣き出してしまいそうな気持ちを懸命に奮い立たせ紡ぐ問いは自分でも驚く程に小さく不安定に揺れて )





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