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白む空に燻る紫煙 ---〆/4353


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自分のトピックを作る
4334: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-03 23:35:31

 






( 脳裏に焼き付いたままだった鮮明なまでの赤が徐々に色褪せ、苦しさの波が引くのにはかなりの時間を要した。それでも相手の手の温度と背中を摩る優しい感触に導かれ、恐怖心も薄らいで。あと少し、犯人逮捕に漕ぎ着けるまではしっかりと立っていなければならない。呼吸を意識的にゆっくりと整えながら、力が篭っていた手から少し力が抜ける。悪かった、と小さく囁くように告げた言葉。まだ起きるには早い時間、捜査に備えてもう少し休もうと無意識ながら相手が休めるようにベッドの半分を空けて。 )






 

4335: ベル・ミラー [×]
2024-07-04 00:08:00





( 相手からの謝罪には首を横に振る事で何も気にしていない事を伝える。例え夜中であれ、早朝であれ、何度目を覚ます事になったとしてもそれを僅かも迷惑だと感じた事などこれまでたったの一度だって無い。恐らく無意識なのだろう、己を気遣う様にして空けられたスペースに静かに横になり此方に背を向ける相手を見詰めれば、一拍程の間の後に「…エバンズさん、此方向いて。」と。相手が寝返りを打つ様に己の要望を叶えてくれたのならば、今度は苦しくない程度にその頭を抱き竦め、自身の胸元に軽く引き寄せる様にハグをしつつ目を閉じて )






4336: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-04 03:50:17

 






( 相手に抱き締められ、その心音を聴きながら温もりに包まれる事で心の内に広がっていた恐怖や不安といった負の感情が少しずつ薄れていくのを感じた。そうして気付けば眠りに落ちていて、悪夢で再び呼吸を乱す事もないまま朝を迎えて。---身体には重怠さが残っていて、出来る事ならこのまま休んでいたいと思うような調子の悪さはこびりついて離れない。しかし漸く遺体が発見された局面、きちんと捜査を行い犯人逮捕に向けて動かなければならない。ソファで相手が淹れてくれたコーヒーを一気に煽るようにして気合いを入れると、署へと出勤して。 )






 

4337: ベル・ミラー [×]
2024-07-04 07:50:54





( __相手の調子は朝を迎えても悪そうではあったが、捜査が終わってない以上仕事には行かねばならない。署では検死結果が出る迄の間、ひたすらに被疑者の話の点に可笑しな所が無いか、何か見落としが無いかを今一度確認する作業が続くのと同時に、午前中は遺体発見現場に再び赴き、何か些細な事でも…と情報を集めて。__エバンズとミラーの両方が不在の時を見計らい総務部の男は専用の執務室に来ていた。今迄と同じ様に経費に関する書類を手に、刑事課の誰かに何かを言われても怪しまれないように。そうしてデスクの上にエバンズのマグカップを見付けると、振り返る様に背後の扉に一度視線を向けた後、ポケットに忍ばせていた毒が入った小さな容器を取り出して、今度は今迄とは違いカップの縁に少量塗るのでは無く、明らかな殺意を持って底面にたっぷりと塗りたくり。無色透明のそれは当然気付かれる事が無いだろう。思わず持ち上がった口角を誰に見られている訳では無いものの片手で隠し、壁に掛かる時計を一瞥して思うのはエバンズが倒れる時。即効性のあるものじゃないこの毒が身体を蝕み死に至るのは恐らく夜であろう。その瞬間を目の当たりにする事は出来ないだろうが、1人自宅で倒れれば救急車を呼ぶ事も出来ず朝には冷たくなっている筈。完璧だ、と一度息を吐き出し無表情へと戻れば誰に何を言われる事無く執務室を、刑事課フロアを出て自分の持ち場へと戻り )






4338: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-06 04:02:00

 






( 恨みを抱いた1人の男によって普段使っているマグカップに致死量の毒が塗られている事などつゆ知らず、相手に淹れて貰った紅茶を口にしていた。味に違和感を覚えるでもなく、未だ半分以上残っている紅茶に時折口を付けつつ作業を進めていると部屋の扉がノックされ顔を上げる。入って来たのは紙を持った_____男ではあったのだが、彼は総務部の人間ではない。結果が出るのを待ち侘びた検死を担当している人物だと気付けば「どうだった、」と開口一番に尋ねて。監察医は頷くと資料をデスクに置き『被害者の死因は首を絞められた事による窒息死です。手ではなく紐状の物が使われています。それから…被害者は、妊娠していました。亡くなった時には妊娠3ヶ月ほどだったと見られます。』と説明して。思いがけないその言葉に思わず言葉を失う。被害者はまだ学生で結婚もしていない、これ迄の捜査では誰の口からもそんな事実は語られなかった。ただそうなると、付き合っていたジェイの子と考えるのが妥当だろう。被害者の妊娠を知り、それが動機になり得る人物____ジェイとハンナ、この2人への疑惑が一気に強まる事実に、険しい表情のまま資料に視線を向け。 )








 

4339: ベル・ミラー [×]
2024-07-06 09:33:15





( 相手に紅茶を淹れ、一度デスクに戻り再び相手の部屋を訪れ捜査の話をしていた丁度その時。待ち侘びていた検死担当の監察医が来れば自然と視線は彼へと向き。__告げられた検死結果は驚愕するもの。窒息死、とそこまでは驚くべき事では無かったが問題は続けられた“妊娠”の言葉だ。思わず息を飲み相手を見れば、相手もまた言葉を失い険しい表情で資料を見ている所。『失礼します。』と、頭を下げ監察医が執務室を出て行った後。「__妊娠、してたんだね…。」今しがたそう言われた言葉を至極小さな声で呟く様に繰り返すが、相手に向けたと言うよりはまるで独り言の様な響きを持って落ち。「…ハンナは兎も角、ジェイがこの事を知らなかったとは思えない!只でさえリリーとハンナの間でどうしたら良いのかわからないで居たのに、急に子供が出来たって言われて__エバンズさん、明日もう一度2人の所に行こう。他にも何か隠してる事がある筈。」リリーの妊娠の話が出なかった事で一気に疑惑が強まった2人。感情の昂りのままに前半はやや早口で、後半口調こそ落ち着いたものの表情は確実に怒りの色を宿していて )






4340: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-06 11:22:09

 






( 相手の言う通りジェイとハンナに話を聞くのは急務と言えよう。遺体が見つかればその事実も公になると分かっていて、発見を遅らせるためにわざわざ錘を付けてまで隠蔽をはかろうとした。身勝手で悪質な犯行である事は間違いない。---夕方になると、現場の捜査が概ね完了し残っていた証拠品などが署に運び込まれた。遺体を沈めるのに使われた錘や遺体に巻きつけられていたナイロン製のロープ、足跡やタイヤ痕の有無に関する資料。それらを確認し、何か容疑者の絞り込みに繋がる証拠がないか見極める作業は何度やっても骨の折れるもの。「…遺体の発見が遅れた事で足跡のような痕跡は全滅だ。」資料に目を通しながら溜め息混じりに告げる。しかしその頃には、視界が眩むような感覚を覚える程に毒は体内に回り始めていて。 )








 

4341: ベル・ミラー [×]
2024-07-06 12:18:25





( 普通ならば見逃しても可笑しくは無い程に微細な証拠だったとしても、人が殺されその捜査にあたる以上“見落としました”は絶対に許されない。“ジェイとハンナは黒”と言う目線だけで証拠品を見極めるのはある意味“別の容疑者”を見逃す可能性に繋がるとは思うのだが、あの2人が事件に無関係だとは到底思えず眉間に皺を寄せた険しい表情で確認作業を続け。時間の経過と共に消えてしまった痕跡はもうどうする事も出来ない。もっと早く発見出来ていれば、と歯痒い思いを抱えたまま「別の証拠を何としても見付け出して明日2人に突き付ける。」尚も真剣な表情で資料を見詰め、今夜は徹夜も厭わない覚悟の言葉を。__感情の昂り、検死結果、届いた証拠品の確認、ある種の使命で相手の不調がほんの一瞬頭から抜け落ちていた )






4342: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-06 13:46:36

 





( 証拠品の確認に没頭している間に、フロアからは1人また1人と署員が仕事を終え出て行った。暗くなったフロアの奥にある執務室にだけ煌々と明かりが灯り、相手と共に確認を進めて行く中で息がしづらくなるような、周囲の酸素が薄いような感覚を感じていた。しかしそれは座っていれば耐えられる程度のもので、軽くネクタイを緩める事でやり過ごした。遺体が見つかった地域の周辺でボートを扱っている会社がないか、或いはアンカーが盗まれた船がないか。ナイロン製のロープは何処で購入できるものか。其れらの事に集中して作業を進めている内に、耐えられる程度だった不調は気付けば重いものになっていた。資料から顔を上げると、既に部屋の中の間取りを認識できない程に眩しく感じられるような強い目眩の症状。トイレに立とうとしたものの立ち眩みによって平衡感覚が分からなくなり、咄嗟に身体を支えようと手を置いた場所はファイルと資料の積まれた場所で。 )








 

4343: ベル・ミラー [×]
2024-07-06 14:32:47





( 遺体発見現場に監視カメラは無かったが、そこに続くまでの道路、街中、お店、はたまたタクシーの車内カメラには容疑者としてあがった人達が映り込んで居る可能性がある。港の方まで足を運べばもっと確実な映像を見る事も出来るだろう。しかし今日この時間からでは流石に店も会社も開いていない為、矢張り明日朝一で確認し確実な証拠を手に入れる必要が__と、今は既にこの部屋しか明かりが点いていない事にも気が付かない程に考えを巡らせていた矢先。しん、と静まり返り秒針の音や書類を捲る小さな音しか聞こえていなかった部屋の中、ふいに響いた紙の束が床に落ちる音に反射的に双肩は持ち上がり弾かれた様に顔を上げ。果たしてそこには散らばった大量の資料と__「…ッ、エバンズさん!」そんなものは後で片付ければ良い事。顔面蒼白と言っても過言では無い程に血の気を失った様な顔色で、今にも崩れそうな身体を懸命に支える相手の姿。不調を抱えたままこんなに遅い時間まで仕事をしていた事で、身体に限界が来たのかもしれない、と。立ち上がるや否や倒れてしまわぬ様に相手の身体を抱き支え一先ず床に座らせようと試みる。散らばった書類の上であっても今は構わなかった。「エバンズさん、目を閉じて。直ぐ落ち着くから。」ぐるぐると回る様な目眩にも、ぐにゃぐにゃと歪む様な目眩にも、視界を閉じる事で僅かでも軽減させる事が出来る筈だと背に手を当てたままそう促して )






4344: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-06 15:06:06

 





( 呼吸が上手く出来ず、呼び掛ける相手の声も一枚膜を隔てたかのように遠くに聞こえた。酷い目眩に加えて焼け付くような喉の痛み。あまりの苦痛に、このまま息が出来なくなって死んでしまうのではないかとさえ思った。空咳をする度に喉に強い痛みが走り思わず首元に手を添えたものの、息が出来ない苦しさと痛みに加えて不快な感覚が押し寄せる。「…っ、ごほ、…ッ」床に蹲ったまま、咄嗟に口許を覆ったものの床に散ったのは鮮血。多量の出血ではなかったものの、紙が散乱している事でその色は余計に鮮明な赤として主張した。それでも尚視界が歪むような目眩は落ち着く事なく、身体を起こしている事が困難になり。 )







 

4345: ベル・ミラー [×]
2024-07-06 16:52:54





( 相手は此方の声を認識していないようで、目を閉じる事も無く苦しげに眉を寄せ乾いた咳を何度も繰り返した。その度に丸くなる背中が跳ねる様に揺れ一秒でも早く落ち着く様にと背を撫で続けるのだが。「___え……」一層強い空咳の後、床に散乱した白い資料の上、散ったのは“赤”。内蔵に損傷を受け吐き出される大量の血液では無く、それは微量のものだったが量の問題では無い。多かろうが少なかろうがそれは“吐血”だ。身体は硬直し、双眸を見開いたまま薄く開かれた唇から何の言葉も発せないでいる中、蹲り苦しんでいた相手はまるで力尽きた、と言う言葉が正しいか、そのまま床に倒れヒューヒューと浅い呼吸を繰り返す。明らかに、明らかに不味い状況だ。“体調不良”なんて言葉で片付けられる程軽いものじゃない。「大丈夫…っ!今救急車呼ぶから!」半ば叫ぶようにそう言葉にし一度相手から離れ、デスク上の電話で救急病院に連絡をし救急車の手配をする。それからはあっという間だった。救急隊が駆けつける迄の間、これ以上の吐血で呼吸が阻害されぬよう相手の身体を横向きに寝かせ、懸命に声を掛け続ける。そうして救急隊が到着し相手が救急車に乗せられれば共に病院へと向かって )






4346: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-09 14:10:49

 





( 救急車に乗せられたのと時を同じくして意識が途切れる。少量の吐血と異常な脈拍、呼吸困難、意識の喪失______酸素マスクを取り付けられ病院に搬送される間に、何かしらの中毒症状が疑われる状態だと病院に情報が共有された。病院に到着するとエバンズを乗せたストレッチャーは直ぐに処置室へと向かい、相手には外の待合室で待つようにとの声掛けがされて。---深夜1時を回った頃、ようやく担当の医師と見られる男性が相手の元へやって来て。『…未だ油断は出来ませんが、今は点滴による処置を行っています。_____多量の毒物を摂取した事による中毒症状で間違いないでしょう。体内から致死量に近い成分が検出されました。あと少しでも多く接種していたら、命を落としていた。…自殺、あるいは悪意を持って毒を盛られたか、その2択しかあり得ない状況です。』声を落として、今回の原因を相手に伝える。毒の成分を中和するために点滴での処置を行っているものの、未だ集中治療室から出られる状態ではないと。『血を吐いた事自体は、幸い命に関わるものではありませんでした。内臓がダメージを受けているのではなく、強い刺激によって喉が炎症を起こした。つまり、経口で毒物を摂取した事は間違いありません。』と続けて。 )








 

4347: ベル・ミラー [×]
2024-07-09 16:33:03





( 救急車の中で辛うじて繋ぎ止められていた意識が途切れたのを見て更なる恐怖から背筋が凍る思いをした。そしてその恐怖は病院に着き、告げられた医師の言葉で更に膨れ上がる事となる。__自殺?毒を盛られた?一瞬頭が真っ白になり目前の医師の顔を見詰めたまま口を開く事が出来なくただただ混乱を呼ぶだけ。「…毒って…でも、そんな__誰が、」漸く唇から僅かな息が漏れ、それに続く様に言葉がぽつ、ぽつ、と落ちるがエバンズが毒を摂取してる場面に身に覚えなど無い。そして絶対的に自殺では無いと言えるからこそ必然的に選択肢の1つは除外される訳で。倒れる前、相手が吐き出し書類に散った血が今尚頭を離れない。だが医師は内蔵の損傷では無く毒の経口摂取による喉への炎症だと説明するものだから、そこに関してだけはまだ唯一、僅か安堵出来るものだろう。「…警部補が口にする物は基本的に限られています。」と、伝えた後、此処で漸く少し頭が働くようになったのか「…警部補の事、よろしくお願いします、」と頭を下げ。__まだ集中治療室を出る事が出来ないとなれば、当然リリーの事件を追う事は不可能。この状況を警視正にも伝え何よりも相手に毒を盛った犯人を並行して見つけなければならない。絶対に許さない、と湧き上がる怒りをそのままに細い息を吐き出して )






4348: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-16 01:28:20

 






( 相手から事情を聞いた警視正は、それが署内で起きた毒殺未遂事件である可能性も考慮して、エバンズに関する詳細は周囲に明かさないよう相手に指示した。彼は急遽対応しなければならない案件でレイクウッドを離れた、というのが表向きの理由。そして相手の他に本当の事情を知る存在として、信頼できる刑事に応援要請を打診すると告げて。---その後、早朝に相手のスマートフォンにメッセージを送ってきたのはダンフォードだった。“警視正から話は聞いた。お嬢ちゃんは大丈夫だったか?エバンズと捜査してた案件は俺が引き継ぐ。昼前には着けると思う。詳細は追って聞かせてくれ”と。 )







 

4349: ベル・ミラー [×]
2024-07-16 16:27:52





( “毒殺未遂事件”、それは言葉以上に重たく腹に落ち、その被害者となったのが相手だと言う事もまた負を助長させた。__翌朝、何故だろうか、応援に来るのは【クレア・ジョーンズ】だとばかり勝手に想像していたものだから、ダンフォードからの連絡には一度目を丸くし、続いて“私は大丈夫です。けれど何故エバンズさんが毒を盛られたのか、何もかもがわからない状態のままです。”と返信して。__時刻は午前11時30分を過ぎた頃。約束通り昼前にレイクウッドに到着したダンフォードと顔を合わせるなり、何も解決していないのだが大きな安堵を覚えたのは、きっと彼がどれ程エバンズを思っているか、その心を少しだけ知っているから。気丈に振舞っていた気持ちが僅か揺らいだ時、手が震え、思わず視界が歪みそうになったのを深い深呼吸で立て直す。リリーの事件、彼女が妊娠していた事がわかり一気に捜査は進みジェイとハンナが最重要容疑者として上がった中、今日は2人に話を聞き何としても証拠を見付ける大切な時なのだ。ダンフォードに事件の詳細が書かれた資料を手渡し、これまでの状況を説明しなきゃいけないのに。「…っ、ダンフォードさん…エバンズさんが…!」唇を開いた時、立て直した“と思っていた”不安定な揺れが顔を覗かせた。警部補専用の執務室の中、声量こそは抑えたものの、その震えまでは止める事が出来ずに )






4350: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-20 02:27:03

 



ルイス・ダンフォード

( エバンズが何者かに毒を盛られ捜査から離脱せざるを得ないとレイクウッドのウォルター警視正から聞いた時、直ぐには状況を飲み込めなかった。同時にまた彼が謂れのない悪意を向けられ一方的に傷付けられ、苦しまなければならない事に憤りを感じた。そして、ミラーも既に同じ気持ちに苛まれているだろう、と。---事情を知らないレイクウッドの署員たちは応援に入った自分を明るく歓迎してくれたものの、彼女と顔を合わせた時からその不安定さ______なんとか感情を押し殺して捜査に集中しようと必死になっている事には気が付いていた。主人が不在の執務室で相手の声が揺らぎ、本当は一番気掛かりであろう本音が漏れると『……分かってる。あいつに毒を盛った犯人は必ず見つけて刑務所にぶち込んでやる。』と、乱暴な言葉選びながら力強く告げて。自分が知りたかった“詳細”は、担当する事件を差し置いて、エバンズの事。『あいつの一番近くに居たのはお嬢ちゃんだ。エバンズの様子に少しでも違和感を感じた事を全て教えてくれ。あいつは友達が居ない上に職場以外で人と接触する事がない。生活の中で毒を盛るなら、一番可能性が高いのは此の建物の中だ。証拠を消して逃げられる前に尻尾を掴む、』と。そこまで言った所で『少女が殺害された事件を早急に解決さえすれば、並行して何をやっていようが文句は言われないだろう。忙しくなるぞ、2つの事件を同時に担当するなんて本部の超売れっ子刑事くらいだ。』と、やや戯けて付け足して。 )








 

4351: ベル・ミラー [×]
2024-07-20 11:50:37





( 同じ署で働く仲間達にもエバンズの事を言う事は出来ず、あくまでも“何も無い”振る舞い方をしなければならなかったのもまた酷く心の磨り減る要因だった。不安も恐怖も顔に出す事が出来ない時間は余りに長く感じたのだ。だからこそ本当の事情を知るダンフォードと顔を合わせた時感情が溢れ出した。己の情けない揺らぎに、犯人に対して確かな怒りを滲ませた荒く力強い言葉が返って来ればそれだけで張り詰めていた心は幾分も軽くなると言うもの。震える息を一度細く吐き出してから同じ気持ちだと言う様に大きく頷き。「…最初は頭痛からだったんです。丁度天気も悪かったから、気圧の関係か風邪をひいたんだろうって思ってて。でも症状は全然治まらないし、それどころか酷くなる一方で、」エバンズの様子は果たしてどうだったか、最初に不調を訴えた所から遡る様にぽつ、ぽつ、と言葉を落とし。「…身体の震えや、脈が早くなったり酷い目眩がしたり__でも本人は過去に関するフラッシュバックが起きてる訳ではないって言ってました。それとはまた違う、わからない不調だって。」言葉にする事でその時の彼の苦しむ姿が思い出され胸が苦しくなるのだが、記憶している事は全て目前の相手に伝えなくてはならない。そうして最後、倒れた時の姿が鮮明に脳裏に浮かび、その時の息が出来なくなる程の恐怖が蘇りそうな感覚に床を見詰めグッと拳を握り締めてから「……此処で、倒れて病院に運ばれました。血を吐いたけど、それは内蔵の損傷によるものじゃなくて、何度も繰り返し毒を摂取した事で喉が傷付いたせいだって医者は。」病院に運ばれるまでの経緯を説明しつつ、静かに顔を上げ。「違和感は特別何も、…基本的にこの部屋に居るか捜査で私と一緒に外に出てるかで__、」この建物内で毒を盛られたとして、果たして一体誰が、と考えてしまう。一瞬だけクラークの姿が頭を過ぎったのだが、恐らく彼は違うだろう。エバンズを苦しめたい願望は人一倍強いだろうが、それはあくまでも“苦しみながら生きている”姿を見たい為。クラークの歪み切った性格を考えるなら生死に関係する様な手段は選ばない筈だ。無意識の内に眉間に皺が寄り険しい表情になったものの、まるで此方の心を少しでも軽くする様な戯けた言葉が続けられれば思わずぱち、と瞬きをし相手を見詰め。それから自然と持ち上がった口角のままに「エバンズさんが起きたら自慢出来ますかね。」と、同じく明るい戯けた返事を返して )






4352: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-25 00:57:21

 





ルイス・ダンフォード

( ひとつひとつ、記憶の糸を辿るようにして紡がれたエバンズの変化。その中には彼の事をしっかりと見て、彼の言葉をしっかりと聞いていなければ記憶に留まらないほど些細なものも含まれていて、エバンズに対する相手の誠実で真っ直ぐな向き合い方を目の当たりにしたような気がした。毒物を摂取し血を吐くほど状態が悪いなら命に関わる可能性もあると一瞬肝が冷える思いをしたものの、内臓の損傷ではないという言葉に思わず息を吐き出す。『外に居る時に毒を盛るのは至難の技だ。煙草のフィルター部分に毒を塗り込んで毒殺を図ったケースを担当した事があるが、あいつは煙草は持ち歩かない。普段口にするものも限られてる…ペットボトルの飲み物や薬くらいだろう。』と、毒の摂取経路について考えを巡らせて。しかしどれも本人にバレずに毒を混入するのはそう簡単ではない。_____ふと、エバンズのデスクに置かれたマグカップに視線が止まる。いつも彼のデスクに置かれているイメージがあるし、此処で話をしている最中彼がマグカップを口に運ぶ姿は何度も見た事があった。『……マグカップなら、気付かれずに毒を混入できるか、』独り言にも近い呟きが溢れて。 )






 

4353: ベル・ミラー [×]
2024-07-25 08:47:34





( 相手の言う通り、署内でも聞き込みをする車の中でも彼が煙草を吸っている姿を見た事は無く、本当にたまに柔軟剤の香りに混じる様に僅かに煙草の香りを感じる事が出来るくらいの認識しかない。薬だって彼が服用している事を知っている人物は限られるのだから、そこを選ぶのは至難の業の筈。残るはペットボトル__と記憶を呼び覚まそうとしたその時。ふ、と溢される様にして落ちた相手の独り言に息を飲み勢い良くデスクに頭を向ける。そこには主不在であっても静かに鎮座する見慣れたマグカップがあり、それを捉えた時にまるで胃液が上がる様な嫌な感覚を覚え思わず片手を口元に宛てがい。「ッ、」この部屋でマグカップに毒を塗る事は簡単だ。彼が捜査で留守にしている間に部屋に入る事は誰でも出来る。このフロアの人物も、別のフロアの人物も、ただ一言“用事がある。”と言えば良いのだから。でも、もし本当に毒物が付着していたのがこのマグカップなのだとしたら__「っは、ぁ…」私は何度、このマグカップで彼に飲み物を淹れた?__自分でもわかるくらいに身体の温度が下がった。勿論毒が付着していると知っていて意図的にそのマグカップを彼にわたし続けた訳では無い。けれどもっと早く気が付き、注意をし、別のコップか何かを選びそれをわたしていれば此処まで酷い事態は避けられたのではないだろうか。喉に息が引っ掛かりそうな感覚に、口元に手をあてたまま俯く。瞳が揺らいだ事で部屋の床が滲み、余りに大きな罪悪感の様な負の感情に飲み込まれてしまいそうで )






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