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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1573


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自分のトピックを作る
1554: グルース・リヨン [×]
2024-10-28 20:13:44



>レンブラント(>1550


(誓いと祈りの後の申し出に相好をまた崩して、「そのお言葉、痛み入るよ。…うん。休みたい時には、君を呼ばせてもらおうかな。」何時か解らずともそれに甘える約束をする。「ふふ、きっと喜ぶよ。」可愛いと褒める言葉は無論弟妹達のものとして、ジョークに至極楽しげな吐息を零して相槌代わりの一言を。……雛鳥達が、決して己と同じ目に遭わない保証は無い。届く言葉はあまりに残酷で、けれどどうしようも出来ない事実に一層唇を結んで俯く。震えぬよう地を踏む力を籠めた身体へ回った腕と、安堵を促す声。それへ一瞬戸惑ったように彼の顔を覗いたのは、無条件に誰かへ凭れた記憶があまりに遠く淡く、思い出すまでに時間を要したから。「――ありがとう、サー・レンブラント。」それでも額を彼の胸元に寄せて、しかし重さを掛けないまま静かな礼を返す、安らぎをもたらす言葉への精一杯の応答を。一通り弟の話を終えた後に届いた感心へ笑みの苦みは蒸発し、「ああ。彼も他の雛鳥達も、皆真っ直ぐで人の言葉を素直に聞ける良い子だから、僕も善き兄として居られたのさ。」因果の順序は逆なのだと、甘やかす長兄の言葉で丸々弟妹達を褒め称す。――月を背にした彼の眼差し。その光と同じ冷ややかに見えたそれへ確かな温度を感じて、兄の温もりを湛えていた鶴の瞳はすっと細まる。「……熱烈だね、サー・レンブラント。」声に怯えは見当たらない、だが先程までの軽やかな囀りでもない。言うなれば、命尽きるまで情を奏でる小夜啼鳥の歌を思わせる甘い音。重ね合わせた視線も同じ、先程までのふんわりとした綿羽の如き上澄みとは違う、幾度も煮詰めた蜜に似た濃密な愛の一雫を滲ませて。深く深く、その彼の情熱さえも包んで口付けるような、いやに大人びた慈愛の笑みの後。それを泡沫と掻き消して悠然の微笑を整え、「もし本当に“そう”したいのならば、サー・カナニトときちんと仲直りをしたその後で、もう一度言っておくれ。」確実性など何も無い、出鱈目や嘘を言われた所で確かめようの無いそんな条件を差し返して、彼からの情熱に今ひと時の猶予を渡す。)




1555: レンブラント [×]
2024-10-29 18:29:32



>グルース(>>1554)


(たくさん雛鳥を甘やかしてきたであろう彼は、果たして誰かに同じように甘やかしてもらっていたのだろうか。反射的にそんな疑問を抱いたのは先ほど腕に収めた彼の狼狽するような様子を垣間見たからで、甘やかされ馴れた雛達と異なりどこか遠慮して大人に甘えきれない長子、そんな印象を覚えればますます甘い誘惑を重ねたくなるのを初夜の清廉さに免じて堪えて。しかし一変、こちらの熱に呼応するように彼の中の何か重く熱いものの片鱗が首を擡げた気がして、幼さの残る姿には不似合いとも言えるひとときの表情にうなじの辺りが微かにぞく、としたのを知覚しぬらりと微笑みを深め「 ……上手に仲直り出来たらご褒美くれるん? 」退屈な屋敷では喉から手が出る程欲しい刺激。その匂いを敏く感じ取れば低い声を僅かに熱に濡らしてじっと彼を見つめ、音もなく持ち上げた鏃の尻尾の先端を形の良い彼の顎についと添わせて)




1556: グルース・リヨン [×]
2024-10-30 17:55:05



>レンブラント(>1555


(触れるひやり冷たい悪魔の象徴。そちらに一度視線を寄せ、それからまた彼へ移して贈る眼差しに、一瞬の幻とした濃密さを再び浮かべる。「……勿論。僕にあげられるものなら、何だって。」おねだりにも聞こえるその問い掛けを甘く肯定し、緩やかに上げた指は顎に添うそれの形を柔くなぞる。「僕の言葉を果たしてくれた夜、部屋を訪れたその時に、」雛の羽を繕うような、子の髪を梳かすような、優しい優しい慈しみの掌で鏃を撫でさすった後、徐と五指に包んだ其処に唇を寄せて、「思うまま、満たしたいまま――君の望みを言ってごらん。どんな事でも、叶えてあげる。」彼を捉えたまま一度も逸らされぬ夜鳴鶯の瞳。陽と若葉を映す澄んだ湖面のその内、欲して手を伸ばせば何処までも沈み包んでいく底無し沼の甘露を湛えて、愛しみあやす音色で言葉を紡ぐ。「……約束するよ。」そう締め括って彼の尾を離し、後ろに両手を組んで低い靴の踵を一歩前へと、互いの距離を縮めて。「…仲直り、出来そうかい?」まるで、己の方から頼み込んだと言わんばかりの下手の問いに、拗ねる弟妹の機嫌を窺うような微笑ましい視線を添え、彼を見上げる為にほんの少し反らしたその首をゆったりと傾げて鋭い琥珀色を見詰める。)




1557: レンブラント [×]
2024-10-30 20:51:36



>グルース(>>1556)


(どんな事でも――その言葉に万能の力など無いというのに、あわや〝自由〟の希求を口走りかけたのは彼に獲物の無力を知らしめる為の意地悪か、それともとうの昔に宿命を受け入れ未練の火が消えた筈の炉に一抹の燻りを感じたからだろうか。いずれにしてもランプの魔人を彷彿させる少年の魔性に刹那とはいえ中てられたのはきっと誤魔化しようのない事実、侫悪な悪魔ではなく単純な同胞の誰かであれば彼の虜になっていたかもしれない。怪物すら魅入ってしまいかねない彼の性質に思わずくつくつと肩を揺らしながら低く笑って「 こンお屋敷では無力なヒトの約束ほど儚いモンそうそうないで 」尾の先端に触れた体温の何と熱く感じた事か。その熱をもっともっとと欲しがるように窓へ預けていた体勢をふわりと直立に戻したかと思えば嘘か幻のようにその姿は掻き消える、まさに人の命が風前の灯火と揺らぎ消え去る儚さを体現するように。自身を見上げた彼のその背後に音もなく再臨すれば後ろから彼の首へと腕を回して、尻尾で撫ぜた顎を今度は冷たい指先で柔く掴み「 君こそ。その夜まで長生き出来そうなん? 」背後から彼の耳元へ寄せた唇で、その約束が果たされるのかを問い掛けても仕様のない雲を掴むような事と解っていながら微笑みのままに投げ掛けて)




1558: 執事長 [×]
2024-10-31 07:22:42



>和風テイストの演者様募集を解禁しました。忍者や花魁、山賊にお侍様、国籍問わず個性的なお方をお待ちしております。


>ご新規様・登録/無登録問わずお相手様募集中です。ご質問・ご相談だけでもお気軽にどうぞ[ 今夜の案内役:ラザロ ]



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1559: グルース・リヨン [×]
2024-10-31 20:36:34



>レンブラント(>1557


(笑う悪魔の声。皿の上の料理である己の言葉に返されたそれに眉を寄せるでもなく、嘆くでもなく、ただ微笑んだままに頷いて、「……そうだね。人の世でさえ、命も約束も夢幻と同じ。一つ瞬く内に消えていく。――このお屋敷なら、きっと尚更。」ゆらり陽炎の如く姿を散らす彼へか、それとも月を見詰める独り言か、諦観と寂寥が微かに滲む静かな音を中空へと漂わせて、そっと視線を伏せる。――直後、首へと回された見覚えのある腕。背後に彼が居る、そう気付いた所で今度は顎に尾と同様ひやりとした指が這って。耳に問う近さに擽ったげにくすりと吐息を零した後、「ふふ。僕、悪いものに食べられない術には少しだけ覚えがあるからね。君より魅力的な方が現れない内は大丈夫さ。」“悪いもの”とは人か感情か、それともお屋敷の怪物か、明言はせず曖昧なまま。ともすれば“君ほど悪い子もそうは居ない”なんて解釈も出来る、そんな危うい返答を友へのジョークに同じ軽やかさで踊らせて。「…もし口上で足りなければ、何か形ある証を残そうか。」それからまた歌うは子を愛でる夜鳴鶯の音。柔く円やかに細めた瞳を背後の彼へと流しながら、傍にある滑らかな紫髪をそっと緩やかな仕草で幾度か撫で梳いた後、「……サー・レンブラント、君はどうしたい?」そうっと、冷たい頬にその掌を添えて。まるで内緒話をするような密やかな吐息を含め、何もかも赦し包んでしまう甘やかしを存分に滴らせる問いを彼に返す。)




1560: グレン [×]
2024-10-31 22:10:50





>キルステン( >1553


キミたちに比べたらまだまだガキでしょ?
( 悠久とも言える時を生きる彼らと比べれば人間の寿命など些細なものだろう、そう理解をしている為にやや冗談地味た口調で。指輪への軽い口付けの後持ち上げた視線の先が交われば、ふっと表情を和らげて見せて。どこかの世界線ではあるかも知れない未来を想像し 「 ふふ、目に浮かぶな。きっと誰よりも目を掛けて育てるんだろうな 」 つられる様に軽やかな笑い声を漏らすものの、胸の内に燻る “ 羨ましい ” そんな想いは翳りとして表情へと表れてしまっていただろうか。その感情は自身へ向く執着が他者へ移る事を想定したものよりかは、己の幼少期の家庭環境を踏まえたものなのだが、どう捉えられたのかは近くにいる彼だけが知る事だろう。屋敷の中に何があるのか、そんな質問に答えてくれる声にハッと意識を浮上させ 「 それって例えば、人間だけで廊下を辿ったとしても辿り着けるようなものなの 」 ハイネとの約束を守っている身としては一人で出歩く事なんて無いだろうが、興味が無いといえば嘘になる。ゆるりと首を傾げ、その興味を消化させようと。部屋を出てからどれくらい歩いただろうか、辿り着いた先はこれまで廊下に続いていた扉と何ら変わりのないものだが、口振りから察するに特別な部屋に違いない事は容易に想像がつく 「 そんな特別な場所に連れて来て良かったの? 」 扉の開いた先に広がる景色は薄暗いだけの洞窟に見える。立ち居振る舞いからも、身につけている物からも、どちらかと言えば派手好きのような彼が好むだろう物とは正反対に思え、傾げた首の角度は深まるばかりで。彼の声に一歩室内へと踏み込めば足から伝わる感触も洞窟のそれに近く、履き慣れない靴では滑って転ぶ未来が容易に想像出来る為に一歩一歩ゆっくりとした足取りでその背中を追いかけて。階段を登った先、眼前に広がる景色にぱちりぱちりと瞬きを数回 「 ……すごい、綺麗 」 ぽつりと呟くように。月の光を受け、色とりどりに輝くそれらは人の手の加えられていない天然の物だろうか。視界に映る範囲だけでも数多の石があるように見えるこの中から目当ての石を探し出すのはかなり骨の折れる作業となるであろうが、この場で力を借りるつもり等更々無く 「 ねえ、キルステン。この部屋の中は一人で歩いてても安全だって認識でいいんだよね? 」 廊下を歩いている際も注意を促す発言こそあれども危険に晒されるような事は無かった為、横目で見遣りながらの質問は単なる確認。肯定の返答が返ってくるのならば探し物の為に足元から頭を見せる石へと視線を向けつつ歩みを進めるつもりで )





1561: レンブラント [×]
2024-11-05 12:10:54



>グルース(>>1559)


どおやろなあ、切羽詰まった奴に迫られたらすぐ君明け渡してしまいそやけど
(顎に添えた指をつつと滑らせ、その頸動脈を長い爪にてくすぐるように横一文字にゆったりとなぞる。どれほど言葉を弄しても所詮悪魔は悪辣なるもの、それをこの短い間に理解したと解釈できる彼の言葉を否定するでも抗弁するでもなく、むしろ危うい綱渡のようなこの夜気を味わい愉しむように密やかな笑気を声に織り交ぜて「 ほんなら人質取らしてもらおか? 」耳を伝って脳を溺れ蕩かす毒の甘露のような声、悪魔でなければそれだけでくらくらしてしまいそうなそれを軽やかに受け止め頬に添う柔らかな手のひらの側面を唇で淡く食みながら家紋の浮かび上がるカメオをコツ、コツと硬く鋭い爪先で指し示し「 それともこっちのンが一生懸命自分守ろうと出来るやろか 」見せ付けるように背後から伸ばした手を彼の眼前に、図鑑を顕現させた時のように手のひらを上に魔力を込めればまたしてもぽむっと空気の弾ける音と共に掌上へ現れたのは精巧な白鷺の模型――否、手のひらサイズだが命あるように動き時折小さく鳴いている。「 俺がカナニトと仲直りして君の部屋に来た時、もぬけの殻やったら…… 」声には相変わらずの笑気を幽かに交えながら、ゆぅっくりと拳を握ってゆく――当然身体を押し潰す圧力を感じた小さな白鷺は苦し気に一声高らかに鳴き、それを契機にふっと力を緩め再度手のひらを開いて見せて)




1562: キルステン [×]
2024-11-05 12:15:50



>グレン(>>1560)


(こちらの忠告もどこ吹く風と生意気な態度に改めて小さく肩を竦め、しかしそれとは裏腹に曇った表情も横目に見逃さず色々あるのねと短く吐息して「 一度見つけた特別な扉はね、同じ場所でお利口に待ってくれてるわけじゃないのよ。アタシは自分の魔力でマーキングしてるからそれを辿ってるの 」無限の扉はその位置関係すら目まぐるしくスイッチを繰り返しており、だからこそこの屋敷では変動し続ける道順を覚えるのはまさに徒労を極めた行為。魔法を行使できる怪物だからこそ道を辿れるのだと種明かしをしながら、哀れな獲物にだって冒険の権利くらいはあるとふと思考し代替案を挙げようとぶつぶつと喋り始め「 クソ長い紐か何かをドアノブに括って、端っこを自分の部屋まで持って帰れれば――いいえ、それこそ無謀ね。一晩でこんがらがっちまうわ 」ゆるゆるとかぶりを振って思い付きに過ぎないアイデアの致命的な欠陥を受け入れて。「 アンタの飼い主にこのアタシがテキトーなモン持たせるわけないでしょ。持ってる手札は使うわよ 」これは自身の面子にかかわる問題なのだと背を向け洞窟を進みながら端的に疑問に答え、そうしてこの光景に目を奪われる彼の様子を満足げに眺めてはカツカツと歩いて宝石の物色に向かいながら「 ええ、この部屋の美しさを理解できないケダモノは締め出すように細工してるわ。荒らされたら堪ったもんじゃないからね。安心して目当ての石を探しなさい 」敢えて彼の方を向く事無く安全を告げることで理性無き化物からの干渉を受ける可能性が限りなくゼロに近いことを示しつつ、手や視線を忙しなく動かし宝石たちを観察しては黒と金の混じったような水晶型の石を発見しちょいちょいと手招きを「 …あら、こんな色前まで無かったわね。ハイネに似てるわ、ちょっとこっち来て御覧なさいよ。やァんコッチのも素敵じゃないッ 」招いておきながらそのすぐ近くに自身の好みにストライクな深くも透き通ったビリジアンの石を発見し、目を輝かせながらキャッキャとはしゃいで)




1563: グルース・リヨン [×]
2024-11-05 19:30:03



>レンブラント(>1561


……雛鳥に似た誰かであれば、可能性はあるかもしれないね。
(とくとくと温かに脈打つ喉へ滑っていく指と、其処に備わる鋭い爪。命を遊ばれるようなその仕草の好きにさせ、己は彼の頬に当てた掌でゆったりと冷たい肌を撫でる。世間話の軽やかさと薄氷を辿る危うさを併せた会話は、首元から届いた硬い音に一度途切れる。「それは、」それから転がり落ちた声には緊張の糸が密かに縫われ、次にまた問いを積みかけたその眼前に現れたのは彼の掌上で囀り尾羽を揺らす白鷺。愉楽の混ざる言葉と共に畳まれていく指の内、その白鷺の悲鳴と雛鳥が己を呼ぶ声が重なって――咄嗟だった。彼の力に自身が敵う事は無いと解っていて、潰れる前に拳が緩められたのも見えていて、それでも気付けばその小さなものを庇うように彼の五指と白鷺の間に自らの手を隔てていた。「――…君はとても、上手なお人だね。」今の数秒、止めてしまっていた息を少しずつ取り込み、感情を抑え付けた静かな音色をまず一節。続けて、「いいよ。それならば僕は、僕の持ち得る全霊を以て“その時”まで生き延びてみせよう。だから、」芯を持って朗々並べ立てるは彼への宣誓、振り返り浮かべるは貴族の優雅たる笑み。……あの一瞬の間、恐れに粟立った背の震えも、跳ね上がった心臓の音も、今もまだ逸ったままの拍動も全て伝わっているだろう。それでも、「君も、僕の愛しい雛鳥達への約束を違えないように。」何もかも圧倒的な相手を前に、怖じ気を圧し潰し隠して高潔に見せる“強がり”を、微笑む眼差しに凛と宿して。彼が己を抱擁した際の、“もしも”の言葉を引き合いの契りと告げる。「…白鷺の彼に、誓っておくれ。」その最後、ふっと移した視線の先。彼の掌でふわふわ膨らむ羽を繕うその鳥を通し、今も遠い向こうで何も知らず生きる己が弟に馳せる慈しみを細めた瞳と柔い声に湛えながらも、己と同じ誓言を彼に確と求める。)




1564: レンブラント [×]
2024-11-06 22:17:25



>グルース(>>1563)


……おおきに、
(取り乱すか或いは激昂するか、並の人間であれば大きく揺さぶられた感情に引っ張られて態度や行動にそれが発現してしまってもおかしくない自らの試しにも似た戯れに、期待に反さず彼は気丈を保ってみせた。無論それが虚勢だと見抜けないほど優しく無神経な怪物ではない、だからこそ自身の目には大きく跳ね上がるような鼓動も背筋の震えるような恐れも綯い交ぜに強さを圧し出す様子は大変可愛らしく好ましく映るもので。皮肉と取れる賛辞に三日月のように口角を吊り上げ背後にて小さく礼を、間髪入れずに「 君はめっちゃ魅力的な子や 」応酬を一往復だけ返すようにこちらからは心からの感想を。魔力でネジを巻いた分だけ動くに過ぎない錻力の玩具なのにやはり効果覿面だったらしい白鷺を取り囲むように、掌には黒い鳥籠が形成されていき「 勿論。悪魔は嘘吐くけど契約は守る――そういうもんや 」急に袋小路へ追い詰められ狼狽するようにきょろきょろと細い首を巡らせる自律人形に我ながら良いリアクションだと内心で微笑みながら、気を付けなければ一晩で失くしてしまいそうな小さな黒い鍵をそっと彼に差し出して。約束の夜、それと引き換えに白鷺は空へ解き放たれるのだと、そう示唆しながらぬるりと彼から離れるように姿を消しては瞬きのうちに眼前へ現れ胸に手を当て浅く礼を「 この白鷺は俺のモン。やから俺が誓うのは君自身にや、グルース 」それが未だ黒薔薇の目に留まらぬ本当の次男を指すのかそれともただ自分で作り上げた人形そのものを指すのか、煙に巻くように薄く微笑し腰を屈めてじぃっと彼の目を見つめて。もし彼が鍵を受け取ってくれたのならばその時点で契約は成立、ああ面白い愉しみが出来たと上機嫌に悪魔は微笑みを深め「 俺も作戦考えんとな。臍曲げた弟とどないして仲直りするか…どう転ぶか楽しみにしといてなあ 」サラサラと微かな音と共に足元から魔力の粒子となり掻き消えてゆく、特段呼び止められなければこのまま最後まで蛇のような笑みを残して幻の如く消え去るだろう)




1565: グルース・リヨン [×]
2024-11-08 07:10:03



>レンブラント(>1564


……それはどうも。
(彼の賛辞に、形のみの礼言を。それから彼の五指を塞ぐように白鷺と隔てた其処からも、震えが見付からぬ内にそっと手を離せば、掌のそれは何処からと無く組み上がった鳥籠に閉じ込められる。変化に戸惑う様子を見せるその子に“ごめんね”と、音無き唇で胸中の罪悪を詫びた後、次に眼前へ現れたのは黒い鍵。差し出された小さな小さなそれを、下から掬うようにして手の中へそっと収める。視線をそちらに取られた隙にまた失せた背後の気配は、瞬きと共に上げた視界の内に。此方を覗いて細まる琥珀を、臆さず逸らさず、真っ直ぐに見詰め返して微笑んで、「…ああ。君の行く先に幸あらん事を。」少しばかり強気な振りを。声色ばかりは穏やかに、消え行く彼へ祝福を贈って――静寂の帰ってきた室内。踏み締めていた足を緩めて座るベッドの縁で、落とした目線の先にあるのは契約の証。今頃になって押さえ付けた怯えが微かに揺らすそれをぎゅっと握り込み、その上へもう一方の手を重ねて、「――大丈夫、大丈夫。」胸に抱いて背を丸め、身ごと包んで温める言葉を溢す。「僕が守ってあげるから、君は何も知らずに、安心して眠っておいで。」泣く子をあやすように手の甲越しに鍵を撫で、此処から届く筈も無い安堵の情を、それでも淡く甘い音に乗せて。「エグレット――僕の可愛い白鷺、大事な家族。…君を愛しているよ。だから、」名を呼んだ彼へ紡ぐようで、自分を確かめるようでもあるその羽毛の愛の中、「……どうか“君まで”、消えてしまわないで。」“二度目”を恐れて悲痛に絞り落とされた、切実なおまじないと祈りを。……俯ききった顔は誰も窺えない、誰にも窺わせない。弱る姿を隠す小鳥の如く、吐息さえ潜めてベッドの陰にじっと蹲った後。ふと息を深く吸い込み、すっと窓の向こうを見上げた顔に怯えは浮かべず、ただ毅然とした笑みを湛えて、「……見ていておくれ、」凛と背を伸ばし立ち上がる姿は、目一杯に翼を広げ、気高く空へ飛び立つ鶴そのもの。「ねえ、――――。」その先に続けた名は、かの悪魔か白鷺か、それとも――知るは鶴に光を注ぐ窓辺の月ばかり。)


***


今宵も良い一時を過ごせた事に感謝を、サー・レンブラント。君は駆け引きの上手なお人だね、僕では敵いようが無い。……でも、愛しい雛鳥達のお話が出来て楽しかったよ、有り難う。
さて、それでは次は宝箱で紹介させてもらった虎の方の手番……と言いたい所だけれど、その前に少し相談かな。彼、まだ指名を決めきれていないようだから。
今、彼が候補として考えている怪物様はお三方。レディ・ゼズゥとサー・キルステン、それからサー・アッシュ。僕から見る限りどの方とも相性の不安は無いのだけれど、だからこそ迷ってしまってね。君達怪物様方から見て、このお三方の内と誰が良いのか尋ねたい、もしくは彼らと彼女以外でも気の合いそうな御仁が居たのならそちらの紹介を願いたい、というのが相談事の要点さ。……候補はあくまで候補で、正直どの方も魅力的だから、君達の思うままの答えをおくれ。

では、僕は一度休息を取るから、この先は虎の方にお任せしようか。……ふふ。またね、サー・レンブラント。約束の夜まで息災を祈っているよ。




1566: レンブラント [×]
2024-11-09 10:55:26



>グルース(>>1565)


回収おおきになァ、俺の方こそ君の反応が可愛ゆうて楽しませてもろたわ。また遊ぼなあ。
次は早速虎の彼に会わせてもらえるんやね、相手に選ばれる怪物が羨ましなあ。そうやね、まず挙げてくれた候補は君の見立て通りこっちも何も不安ないわ。となると希望してくれとるルートと照らし合わせて誰がより適してるかやけど…秘密の共犯者の道はこンお屋敷とそれを支配する黒薔薇だけやのうて、おんなじように囚われた俺ら怪物全員を自分勝手な炎に巻き込ンで殺戮する修羅の道や。

キルステンは挙げてくれた中では一番精神が安定しとって、同じ境遇に苛まれる同胞の事もなんやかんや大事にしとる。せやから、かなり酷な道を歩ませる事になるやろなあ…まア漢気のある奴やから心中決め込んだら迷うことなく虎と並び立って突き進むやろけど。
ゼズゥは物分かりのいいツラしながら酒やら煙草やらナシやったら屋敷に囚われた運命を直視出来ひん危うい弱さを持っとる。こン屋敷と黒薔薇が憎うてしゃアないし、こっから解放されるならそれが死っちゅう極端な形であれ同胞にとっても救いになるんちゃうかて開き直れそうやね。現状に絶望しとっても自分の無力を理解しとるから動けん、そういう奴やからこそグイグイ手ぇ引っ張って道を切り拓いてくれる虎の彼ン姿はえっらい眩しゅう映るやろうね。
アッシュは自分を愛して認めてずっと傍にいてくれる存在を渇望しとるし、そんな特別が出来たンやったら何にも顧みることなくその存在の為だけに行動してどんな犠牲も厭わんやろうね。…厭えるアタマが無い、ちゅう表現の方が適切やけど。そういう意味では無垢で無邪気にいっちばん残酷な道をズカズカ無遠慮に驀進出来る奴や。喉から手が出るほど欲しかった特別な人間にこの屋敷から出たい、言われたら後先考えんと自分から「だったら屋敷を燃やしちまおうぜ」なンて言い出すかもしれんなあ。
挙げてくれた三人以外やったら、ジョネルやギレルモなんかもアッシュに近い属性で適性があるかもしれんね。どうやろ、こン情報でお相手絞れそうやろか。

ああまたなぁ、グルース。長生きしてや。




1567: 執事長 [×]
2024-11-09 12:51:14



【 黒薔薇屋敷の扉は開かれており、演者様を歓迎します 】


◆統一された世界観で、複数のキャラクターを気軽にCCしながら遊びたい
 (基本的には各演者様にそれぞれの別の世界線があり人間同士の関わりを持つ事はありませんが、兄弟や姉妹等の設定であればCCしながら同じ世界線で遊ぶ事も可能です)

◆キャラメイクしたけれど満足に動かせず眠ったままのキャラクターの供養をしたい

◆亡国のお姫様、失地した忍者、古代のアマゾネス等々の一風変わったキャラメイクをしたい


――他にも、黒薔薇のお屋敷が演者様の楽しめる場となれれば幸いです




1568: ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-09 17:26:00



>レンブラント(>1566


よぅし、こっからは鶴の坊主に代わって、俺の出番だな。っつう訳で、此方さんじゃあ初めまして、黒薔薇の怪物さん方。
しっかり丁寧に答えてくれてあんがとな、悪魔のアンタ。話聞いても迷っちまう所は正直多いが、そうさな…そんなら、ラミアの嬢ちゃんと道を歩ませてもらおうか。なぁに、過酷な茨道なんぞこちとら百も承知、何もかもぶっ飛ばす勢いで手を引っ張って走ってやるさ。

そんじゃ、前口上はこの辺にして、とっとと舞台に上がらせてもらうとしよう。アレコレ寄り道したり、何か問題が起きたりするかも知れねえが、まあ後の事はまた後で考えりゃ良い。
これから宜しく頼むぜ、怪物さん方よ。


***


指名:ゼズゥ様
希望ルート:秘密の共犯者ルート
名前:ナミル・アッシャムス(Namir Al-Shams)
性別:男性
年齢:46歳
職業:商人
性格:気っ風の良い豪快な人物、が第一印象。怒る事の無い余裕ある感情表現ははっきりと、言葉や態度は堂々としており、他者から扱き下ろされたとしても心一つ揺るがず笑い飛ばす自信家でもある。それを裏打ちするのは、興味を持った何事も完璧と成すまで修練を積み重ねる、粘り強く妥協の無い努力家の片鱗。『有言実行・即実行』の自銘の下、良いと思った事を直ぐ様行動に移す活発さ、自分から積極的に声を掛ける社交性の旺盛さの反面、一人きりの寂寥と退屈が苦手。それ故、一人にしておけば突拍子も無い行動に出る事もままある。
容姿:身長194センチ。幅広の骨格に筋肉が乗るがっしりとした体躯に高めの体温。黒色の髪は芯を持った固い毛質であり、一度癖が付くと直り難い為、ベリーショートに整えて額を出す形に前髪を分けている。髪と同色の眉は太めで真っ直ぐ、笑い皺の付いた切れ長のアンバーアイと相俟って、虎のような意志の強さを窺わせる。全体的に彫りが深く、やや厚い唇と浅黒の肌がエキゾチックな雰囲気を纏わせている。ゆったりとした黒の開襟シャツ、白のスラックスと至ってシンプルな格好だが、どちらも専用に仕立てられた質の良い一品。シルバーリングを左手の薬指に着用、生まれつき左側の肩と鎖骨の境界辺りに目玉のような二重丸形の赤痣がある。
備考:15歳で故郷を飛び出し、その身一つでやりたい物に片っ端から手を広げ、宝飾品から不動産まで幅広く商業を育てて財を築き上げた後、それらを子や部下に引き継がせ早々に隠居した元企業オーナー。事故や病など原因は様々ながら、親族とその伴侶全てが40代の内に終命する早世の家系であり、本人が看取った内では、両親、兄姉、弟、妻が40代の内に逝去している。多くの命の終わりに立ち会ったが故か、「いつ終わっても笑って逝ける、悔い無き人生を」としたい事を貫き通す方向に志を決め、思い立てば世界旅行やら登山やらと日々エネルギッシュに驀進している。とうに成人し独り立ちしてはいるが二人の子を持つ父親でもあり、少々荒っぽいものの年下の面倒見が良い。声は強い意志と同じく張りを有してよく通る、重ねた年の分渋みの滲むバリトン。一人称は俺、二人称はアンタ、または呼び捨て。年若い相手には嬢ちゃん、坊主などと呼ぶ事も。

ロルテスト:
(朝日が昇る少し前、熱い珈琲を片手にルーフバルコニーへ上がって紫煙を燻らせる。手摺に寄り掛かってまだ静かに眠る街を眺めていれば、遠くから顔を出す太陽がゆっくりと夜を赤く焼いていく。「おう、おはようさん。」些かの眩しさに目を細めながらも、その光へ親しげな挨拶を投げるいつもの日課の後。珈琲を啜る傍ら今日の空っぽな予定を何で埋めるか暫し思考を巡らせ、「あー……そういや、アイツ店出したっつってたな。」思い出したのは少し前の友人との会話。念願のカフェ経営を始めたと笑う若き彼の背を叩いて祝福した事が記憶に新しい。「…よし、朝飯がてら顔出すか。」そう決めるが早いか半分程吸い残した煙草を消して、準備に戻ろうと踵を返したその隣のテーブルに、真っ黒な何かが乗っているのが視界を掠めた。「……ん?」改めてよくよく見たそれは薔薇を象る封蝋であり、無論用途に適した便箋が共立って置かれていた。「ほう。今時シーリングなんて、凝った真似する手紙もあったもんだな。」思わず零れた感心する言葉はさておき、その唐突に現れた不審物を手にしてみれば紙も蝋も中々の上等品、誰かの宝物でも舞い込んできたのかと辺りを見回すが、探す素振りをする人影はどの窓にも道にも見えない。首を傾げてその黒薔薇と向き合っていると、いやに中身への興味が疼いて仕方無く、気付けばぱきりとその封を割っていた。中に書かれたその一文を目で辿り、「……迎え、ねえ。」楽しげに呟きを返す。これは己に当てた文言だと、根拠は無くともそう直感して、「カッカッカ!良いねえ、俺を選ぶたぁお目が高い!いつでも来い来い、歓迎するぞ。」大笑いしてひらり振った紙が風に浚われ、舞い上がっていくそれを見上げ――覚えていたのはそこまで。次に開いた目に飛び込んできたのは見慣れない天井、それと素っ気無いが豪奢な調度品。「……何だこりゃ。」起き抜けの嗄れ声で疑問を落として身体を起こし、室内を見回しつつ眠る直前の事を思い返す。そう、確か日課の後に妙な手紙を見付けて――「……ああ、“迎え”ってヤツか。」思い当たるのはそれくらいしか有らず、一人納得した次に、「これじゃあ“迎え”というより“誘拐”だな。」実際そうであるかもしれない可能性を一息に笑い飛ばす。……さて、少しばかり状況の情報を、と探索に立ち上がった瞬間に響いたノック音。それに思案を回したのは刹那にも満たない間、欲しいものが向こうからやってきたとばかりに口の端をにんまりと弛め、「あいよ、ちょいと待ってな。」あっさり返事をして大股にドアへ近付けば、これまた呆気なく簡単に其処を開いてノックの主を不敵な笑みにて出迎える。)

Image:※じゃろ様の「uomo」をお借りしました。
https://picrew.me/share?cd=cFnC7vbJ18




1569: グレン [×]
2024-11-09 21:14:49





>キルステン( >1562

( 純粋なる興味からなる質問に真面目に思案してくれる辺り、彼が “ 良いヒト ” なのは疑いようもなく。部屋が動くなんて事のない元の世界であれば彼のアイデアも突飛だなんて感じる事は無いのだろうが、今いるのは摩訶不思議な屋敷。首を傾げ考える仕草を見せるも良い案なんて浮かんで来るはずもなく 「 仲良くなった誰かしらに連れて行ってもらう、っていうのが一番マトモそうだね 」 苦笑を浮かべて。彼の様子を見て察するに屋敷の廊下のような危険と隣り合わせと言うことは無いらしい。それが聞けて満足、とばかりに足元を彩るかのような色とりどりの宝石の中から目当てを探すべく一歩二歩とゆっくりとした足取りで歩き回っているも、呼び寄せるように手招きをされれば側にしゃがみ込み 「 ふふ、確かに 」 視界に捉えた石はダークエルフの外見を彷彿とさせるもので。すうと目を細めつつも、それに対して然程心が惹かれないのはもっと彼らしい宝石が、色があるだろうと考えているからか。隣ではしゃぐ様子にゆるりと口角を持ち上げて 「 ねえ、こっちはどう? 」 手招きをしつつ案内をするのは先程見かけたアレキサンドライトに似たそれの所 「 キルステンの好みのど真ん中からは外れるかも知れないけれど、石言葉も含めてぴったりだと思うんだよね 」 月光の差し込む洞窟内では紅いルビーのように見えるだろうが屋敷の中、少なからず人間に与えられている部屋の中で見たならば青緑色に見えるであろうそれ。傍に欠片が落ちている事に気が付けば、軽く袖口で宝石を拭ってから 「 騙されたと思って部屋の中でこれ見てみてよ 」 彼が手を差し出してくれたのならば、その手の中に宝石の欠片をコロンと転がすように入れるつもりで )





1570: ゼズゥ [×]
2024-11-09 23:37:56



>ナミル(>>1568)


(物憂げな視線を落とす先は両手の内に収まるグラス。あと少しで飲み干せてしまう量まで減った透明の液体に目を伏せ、傍に控えるトカゲの使い魔は空っぽになったボトルの上にちょろちょろと登り心配そうに主人を見つめ「 …分かってる。今夜は一本って約束だもんね 」力なく微笑しグリーンを基調としたネイルに彩られた指先でつるつるとした使い魔の鱗をそっと撫でる。小さなトカゲは心地良さそうに目を細め、また主人の深酒を止められなかったら…という懸念が杞憂に終わった事に安堵するようにその場でくるりと一周してからぷきゅいと鳴いて「 この近くに新入り?……そう、また… 」またひとつ、理不尽に黒薔薇へ縛られる命が増えてしまった。陰る表情を引き摺ったままとぐろを巻いていた下半身をしゅるしゅると解いて立ち上がり、手慣れているというよりすっかり癖になってしまったという手つきでテーブルの上のシガレットケースから黒い煙草を一本取り出し咥えながら自室を後にし、向かうのは件の不運な新入りの部屋。あまり煙の出ない仕掛けをしているのか、僅かな紫煙をくゆらせながらノックの応答を待つ事数秒。怯えなど微塵も感じさせない、寧ろ微かな喜色さえ含むような声が扉の向こうから聞こえてくればきょとんと眉を上げ、その表情のまま想像だにしなかった剛毅な笑みと対面し「 ……こんばんわ。あんた、人間にしちゃデカいね 」些か抑揚に欠けるトーンで思ったままを告げながら相手の顔を見上げ「 新入りって聞いたよ。色々困ってるだろうから説明しに来た 」端的に訪問の用件を伝えれば答えを待つこともなく上げていた視線を真正面に戻し、明らかに人ならざる下半身を器用にくねらせその鱗をずるずると引き摺りながら彼の横をすり抜けるようにして室内へと進み、まだどの怪物の残り香もない部屋に一番乗りだと悟りながら特段それを嬉しいとも面倒とも感じることなく彼の方に顔を向けて「 …煙草、苦手だったらごめん 」言いつつ消す気は無いのか、灰が床へ落ちる代わりに微細な粒子となってハラハラと消えてゆく不思議なそれを咥えたままソファーの背凭れ部分に両腕を置くようにして体重を僅かに預け「 あたしゼズゥ。あんたは? 」自然と視線の先にある、不気味なほど巨大な銀色の満月を見据えながら問い掛けて)




1571: キルステン [×]
2024-11-09 23:39:24



>グレン(>>1569)


そういうコト。いいじゃない、アンタは他のコと違って頼む相手に事欠かないんだから
(この屋敷では風前の灯火に近い儚さをもつ命の炎、それが燃え尽きてしまう前に不思議なこの屋敷を探検したいと願う気持ちは理解できる。だがそれを易々と叶えられる獲物は決して多くない、彼のように特定の怪物から深い寵愛を受けるのならば話は別だが「 なあに? 」お気に入りの場所で煌めいているものに囲まれてすっかり上機嫌なのか、幾許か刺々しさが抜け丸みを帯びた声にて手招きに応じてカツカツとヒールを運び「 あら情熱的ね。嫌いじゃないわよ 」自身の顎に手を添えまじまじと見つめる紅は率直に綺麗だと感じるものの確かに選抜して自らの手元に持ち帰るほどのものではない。だからこそ光源が異なる場所でそれを見る機会もなく、どこか腑に落ちない様子のまま彼の意を汲んで片手を掌を上に向けて差し出し「 アンタ、石言葉なんていちいち覚えてンの?ロマンチストなのねえ 」指先でつまんだその欠片をあちこち透かして観察しながら、しかし変わる気配のない色合いに首を傾げてポケットへと仕舞い込み「 それじゃあ、ハイネにあげる石にも意味のあるもの選ぶワケ? 」ゆったりとしたテンポで洞窟を歩くヒールの音を響かせながら、自らも再度物色へと戻りながら語りかけて)




1572: ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-10 11:24:59



>ゼズゥ(>1570


(己が文字通り頭抜けた体格である自負から、ドアを開きつつ下げる癖の付いた視線の先で、躑躅を彷彿とさせる濃色の瞳と搗ち合う。「おう、こんばんは。嬢ちゃんこそ随分イカした格好だな。」初めの挨拶に添えられたものを褒め言葉として受け取り、それに此方からも一言お返しをした後、「そりゃあまた、わざわざと有難い。」礼の一声と共に、入室の素振りを見せた彼女へ一歩退き、少し離れた所でやっとその全身に気付く。――作り物とは思えぬ動きをする蛇の胴と尾。それにタトゥーかと思えた肌の鱗も、照明や月光を反射して艶々と煌めいている。しかしながらそれらに呆気に取られたのは一瞬の話、今は情報収集と頭を切り替え、丁度彼女の真正面へと当たる位置まで己も移動する。それから詫びる彼女へ上げた片手をひらひら軽く振って、「いい、いい。気にすんな。俺も煙草はやるクチよ。」そう寛大に笑みながら、どっかりと傍の椅子に脚を開いて座る。「俺はナミル・アッシャムス。宜しくな、ゼズゥの嬢ちゃん。」続けて名乗りに応じて此方からも堂々あっさり答えを渡したその次、「さて、自己紹介も済んだ事だし、アンタの親切にちょいと甘えさせてもらおうか。」本題とばかりに話の道を開拓しつつ、人ならざる何かへ対して距離を縮めるように、膝の間で手を組み上体を彼女の側に傾ける。「そうだなあ…まず此処が何処で、何の目的で此処に俺を置いたのか、その辺りを訊かせてくれ。」一番初めの小手調べ、まるで交渉事でもするかの如くじっくりと彼女の瞳を見据えた問いの後、「なにぶん、誰ぞに拐われる理由に心当たりが多くてなあ。こればっかりは見当がつかん。」ジョークなのか本気なのか、少なくとも喋る当人は些事とからから笑って質問の補足をし、そのまま彼女の返答を待つべく一度言葉を締める。)




1573: ゼズゥ [×]
2024-11-13 10:47:02



>ナミル(>>1572)


……嬢ちゃん?
(どこか気怠い気性をそのままに僅かに瞼を押し上げることで眠たげな双眸を軽く瞠ったのは明らかにヒトよりは数段長い時を歩んできた自負から来る違和感、しかし何の説明も受けないまま理不尽に囚われた彼にそんな事は知る由もないと理解しているためそれ以上の追及はせず「 この姿がイカしたカッコに見えるなら、あんたの感性は〝こっち側〟だね 」人を堕落させる悪しき存在、毒牙によって命を蹂躙し自身の体積より遥かに大きな獲物をも丸呑みする貪食の怪物。蛇という生物が人間界で忌避される側だと自覚があるうえに、事実ここへ攫われてきた人間たちも往々にしてこの鱗や異形の風体をおぞましいものを見る目で眺めるもの。ゆえにあっけらかんと告げられたポジティブな感想は世辞の類であると解釈し、ふたりの間を隔てる埋めようのない種族の差を示唆するようにじつと見つめなければ見逃すほど幽かに口角を上げて。「 そう、気の毒。ここじゃあんた達は煙草一本味わう事もままならないのに 」此処で人間に対して保証されるのは最低限の衣食住であり、嗜好品は自動で支給される対象には含まれない。もし酒と煙草に依存する自身が彼らの立場に置かれればと思うとぞわりと背中に冷たいものが奔り冷汗が滲んでしまう心地で「 ……あんた、あっちで悪い事してたの? 」豪快に笑う彼に好奇でも嫌悪でもない純粋な疑問を宿した目を向けるが、しかし彼の態度の通り善人も悪人もこの屋敷では些末な事。どこから話そうかと一度煙を吐いてから食指と中指で吸いかけの煙草を挟み「 あの月見てよ。あれだけであんたが昨日までいた世界とは全くの別物でしょ?ずっと夜だし、魔法やら怪物やらで溢れてる。此処は黒薔薇のお屋敷、有り体に言えばあんたの死に場所。 」視線だけで示すのは窓の先に鎮座する滑稽なほど巨大な満月。次いで異世界を証明する自身の尻尾の先で一度だけ床をぽふりと叩いて見せて、初対面だがずいぶん剛毅な人物に思える彼に回りくどい表現は無用と抑揚に欠けた調子で淡々と紡ぎ「 このお屋敷に住んでるのは怪物とその使い魔、それと攫われた人間たち。あんたは数十億の中から怪物の食事に選ばれたの 」そこまで言い終えてから、まるで息継ぎでもするように当然のような手つきで一口煙草を吸って。屋敷に住まう存在についての言及にひとつ言い洩らした種があると気付けば視線を斜め上に向け「 ああ…忘れてた。もうひとつ、腹ペコのケダモノも屋敷のあちこちを徘徊してる。言葉の通じる相手じゃないから、見つかれば人間はすぐ食べられちゃう。あんた達はあくまでもあたしらの為の食事、だからそんな勿体ない目には遭ってほしくない。…この部屋はもうあんたのものだよ、ナミル。だから気兼ねなく過ごせばいいし、生活に必要なものは使い魔が世話してくれる 」同じく黒薔薇に囚われた身としては何百と説明してきた当然の事柄、しかし今しがた拉致されたばかりの彼には荒唐無稽と唾棄されて然るべき内容。ゆえに「 質問は? 」と余計な悲壮感を醸すこともなく惜しみなく求められた情報は与えると意思表示をして彼に視線を向け)




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