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終夜語~ヨスガラガタリ~【和風/BML/指名制】/55


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自分のトピックを作る
5: 操觚者 [×]
2015-12-29 15:45:58



●参、『化ケ猫』
~あらすじ~
貴方様には幼き頃より家族のように可愛がり大切にしている白猫がありました。白猫もまた貴方様によく懐き、飯を食うのも床へ入るのも一緒という始末。
そんな白猫が、ある日を境にふっつりと姿を消してしまいます。家出か、よもやどこかで死んでしまったのでは…悲しみに暮れる貴方様の前にこれまたある晩、奇妙な成りをしたひとりの男が訪れ、白猫と同じ金目銀目の瞳を細めて事もなげに言ったのです。「ただいま」と――。

(注釈)

飼い猫をなくした貴方様と、飼い猫によく似た奇妙な男の摩訶不思議な日常譚。
怪談の類を嫌う貴方様は、男がいくら"己は貴方様の飼い猫である"そう訴えても信じようとは致しません。風変わりな男、気の触れた青年と軽くあしらうばかり。「ならば猫の姿を見せてみろ」と言っても男は口ごもるばかりですから、まあ信じられなくとも致し方ありません。それでも夜ごと現れる男を無下にできないのは、やはり寂しいからでしょうか。男の瞳が愛猫のそれと瓜二つだからでしょうか。
信ずるか否かは貴方様次第。化け飼い猫との堂々巡りの日々、どうぞご堪能くださいませ。


「俺はずうっとずーっと、こうしてアンタと話がしたかったんだ。」
『俺だってアンタとひなたぼっこがしたいし、アンタと一緒に昼寝もしたい。アンタの膝にも乗っかりたいけど…でも駄目だ。俺のほんとうの姿を見たら、きっと驚いて死んじゃうからな。』

名前/シロ
年頃/十八、九頃
容姿/手触りの良い白髪はひとつに束ねて尾のように背中へ垂らし、貴方様がくださった鈴つきの赤い紐を飾っている。前髪は所謂M字、猫の如きつり目を縁取る睫毛もまた白く、瞳は金目銀目といわれるように右が金色で左が水色。
人懐こそうな顔立ちの青年ながら歯や爪は随分と鋭く、ツンと取り澄ました表情などにはどことなく猫の面影を宿す。そして何より、貴方様がふと振り向くと獣の耳と二股に裂けた尾を揺らしていることも…。裾を絡げた灰色の着物はそれでも着慣れていないためよくはだけており、帯には白い毛皮を、手足首には白い布を巻き素足。背丈は175cmほどでしなやかな体。

性格/人の姿をしていても気性は猫そのもの。呑気で気楽、心の赴くままに昼寝をしたり散歩に出たり、貴方様に擦り寄ったり。他の猫に比べれば幾分か甘えたではあるが獣らしい野生味もあり、不満は言葉ではなく爪や牙で訴えてしまう。人間の常識というものを知らぬため、奇怪な行いをすることもしばしば。貴方様と言葉を交わせるのが嬉しくてつい喋りすぎることもあるそうな。

備考/一人称は「俺」、貴方様の呼び方は「名前/アンタ/ご主人」とコロコロ変わる。
夜が来る度に人に化けて貴方様のもとへ現れ、手土産――夕餉になりそうな鳥や魚、時には猫らしく虫の類――を得意顔で渡してくる。たとえ信じてもらえなくとも冷たくあしらわれようとも、また貴方様と一緒に過ごせるだけで満足な様子。

正体/長い時を生き妖怪へと変化した化け猫。尻尾はばっさり二股に裂け、薄ぼんやりと光る毛並みに死人を操り火の玉を起こし人をたぶらかす妖力を纏い、目にしたものは呪われるという厄介な獣。元をたどれば貴方様が可愛がってくださっていた猫の「シロ」。
本当の姿を見られて嫌われてしまったら、何より万が一にも貴方様を呪ってしまったら…そんな不安からたとえどれだけ疑われようと、化け猫の姿を晒そうとはしない。


募集/
・できれば二十歳以上の飼い主様。
・少々頑固と言いますか、疑り深いと言いますか…妖など信じない、そんな方を募集致します。
・あれこれ言いつつも奇妙な男を受け入れてくださる優しさも持ち合わせていただければ幸いです。

6: 操觚者 [×]
2015-12-29 16:05:04

長らくお待ちくださり有り難うございます。
丑三つどころかすっかり誰そ彼時となりましたが、これより募集を始めさせていただきたく存じます。

が、所謂受け受けしい方、女々しい方はご遠慮願います。左右は決めておりませんが気持ちの上では双方左ということで…。
では以下にご記入願います。


●貴方様の名簿

名前/
年齢/
御噺/(希望の噺の数字か題名をお書きください。)
容姿/(詳しくお願い致します)
性格/(〃)
備考/
希望・要望/(展開、関係性、細部の変更など何なりと)


なお、参加を希望される際は私のように劇中人物の口調でも、勿論背後様のお言葉でも構いません。
また先に申しました通り質問指摘はいつでもお待ちしております。何せこの場をお借りするのは初めてのこと、アラや矛盾も多々あるかと…


さてさて無駄話はこれにてお終い。
良き縁を願い、開幕とさせていただきましょう。




7: 匿名さん [×]
2015-12-29 17:02:53

keepありですか?

8: 操觚者 [×]
2015-12-29 17:10:30

>匿名様

はい、勿論受け付けおります。わかりづらくて申し訳ありません…。



9: 迷い人 [×]
2015-12-29 17:20:38

少し、お邪魔するよ。
どうもこの素敵な雰囲気を壊してしまうのは気が引けてね…生憎丁寧な言葉遣いは苦手なんだけど、俺からの声掛けで許して欲しい。無礼は謝罪するよ。

さて、どれもこれも俺好みな異形サンがお揃いで非常に困ってるんだけど…そうだな、蜘蛛の糸に絡め取られてみたい気分だね。

名簿…とやらは、旦那の所望する時までには間に合わせよう。何せ自己紹介の類いは苦手なんだ。俺は自分の事が分かった事なんか一度も無いからね。

…おっと、お喋りが過ぎたか。ここらで一旦失礼するよ。では、また夜に。

10: 匿名さん [×]
2015-12-29 17:36:34

名前/葦原 嘉瑞(ヨシワラ カズイ)
年齢/24歳
御噺/壱、『夜蜘蛛』
容姿/何処と無く地味な印象。艶のある黒髪を襟足に整え、人の良さそうな垂れ目の瞳は色素が薄く赤茶色をしていて八重歯がある、よく見れば整った顔立ち。身長178cmで細身だが筋肉質で健康的な肌の色。青地に黒の龍が描かれた着物と白の羽織をよく着てる。

性格/真面目で誠実を絵に書いたような善人。爽やかな優男。どうにも断ることが苦手で、面倒な事を押し付けられてはそれをしっかりこなすということを繰り返している。どこか自分を卑下しているため自信がない。好きな人が出来たことがないため恋をわかっておらず、甘い言葉の一つも言えない不器用者。相手の好意に気づかない鈍感。

備考/ 語尾を残してのんびりとした口調で喋る。酒豪で酔うと甘言を垂れたり口吸いを求めたり抱擁をしたりとめんどくさいところが出る。蜘蛛を助けたことはぼんやりと覚えている程度でまさか恩返しに来たとはつゆともおもっていない。

彼岸花
(/遅くなりましたが参加希望です。不備等ありましたらご指摘ください)

11: 葦原 嘉瑞 [×]
2015-12-29 17:42:06

あゝ!すまない…先のお方と被ってしまったようだ。
僕も夜蜘蛛の糸にかかってしまったらしいねぇ…
どうしたものか…もしよかったら僕が変えてもいいのだけれど…



12: 迷い人 [×]
2015-12-29 17:54:49

>11

嫌だな、譲るなんて野暮な真似は止してくれよ。お前様も相当に素敵なお人だ。折角の自己紹介、無下にしては詰まらない。今回、俺は参加を見送らせてもらうよ。
なァに、俺だって野暮な事をする人間じゃないさ。元より欲に負けて声を掛けちまったが、参加するにはそれだけの時間が足りないんだ。丁度良かったよ。
だから今回の事は気にしないでおくれ、青年。

また喋りすぎてしまったな…申し訳無い。俺は此処で退散としよう。

それでは、良い夜を。

13: 葦原 嘉瑞 [×]
2015-12-29 18:00:13

>12

本当にすまない…でも、ありがとう。
貴方もとても素敵なお方だ。
貴方が良い御噺に出会えるよう祈っているよ。

あゝ、良い夜を。

14: 匿名さん [×]
2015-12-29 18:07:19

(/解禁お待ちしておりました。折角のすばらしい雰囲気のところを壊してしまうようで申し訳ない気持ちはあるのですが、今現在語り口調で文章を書ける時間が無いもので……背後で失礼します。勿論keep期間には間に合わせますので、大蛇様のkeepをお願いしてもよろしいでしょうか?)

15: 顔隠し [×]
2015-12-29 21:02:44


名前/ 淡島 藤吉
年齢/ 21
御噺/ 弐『手負蛇』

容姿/ 艶を失った黒髪は胸辺りまで伸び一纏めにゆるく前で結わえられている。身丈は174程。嘗ては均整のとれた体つきであったものの、日に日に痩せ衰え日を浴びずにいた肌は蒼白く変化している様。凛とした見目は苦痛に苛まれ見る陰もなく、地に這いつくばろうとも残された元来の我の強さだけがギラギラと目を光らせており人を寄せ付けにくくする。金通縞の着流しに白藤の羽織。

性格/ 算術に優れ頭がよく商才もあったが 故に驕り、他人の話を疎かにしがちであった。そのため怖いもの知らずで古い言い伝えや妖の類はものともしてこなかった。また何れは家をお江戸一の店にと大きく野望を持っていたものの病により打ち砕かれ、更に病が治らぬと知れば掌返しする人々により人間不信と卑屈さを産むこととなった。しかし根は真面目で勉強家、願望を成就させる為ならば努力は惜しまず自他共に妥協を許さぬ厳しさが故のこと。
赤の他人であるにも関わらず自身の苦痛を何の代償も下心もなく和らげてくれるであるとか、端々から感じられる知性であったりに尊敬や敬愛の念をこめ相手を「先生」と呼び慕っている。相手が自分以外に唯一信用信頼できる相手。

備考/ お江戸で名高い呉服屋、大店 高砂屋の一人息子。次期当主の筈であったが病により床に伏せてからは養子を別にとることが検討されている。最初のうちは方々の医者を呼び寄せては治療を試みていたものの現在は諦められたのかたまに明らかなヤブが訪ねる程度でめっきり。それにあわせこちらも名高い乾物屋の娘と結ばれていた婚約関係も破棄された。本人は忘れかけつつあるが、屋敷内で妖しくも美しい見目の蛇を見つけ、さてこれで煙管入れなどを作るのも一興と自ら殺めたもののふと目を離した隙に消えていたという奇妙な体験をした。

希望・要望/ 此方からはどっぷりになるや否やはわかりませんが唯一信頼できるものとして愛情に酷似した依存をさせていただきたいです。御覧になってお気付きかと思いますが何かと難有りな息子で御座いますから、灸据えで更に懲らしめてやるもよし、殺してしまうもよし、はたまた転がり転がって愛してやってくださっても構いません。朽縄様の御心のままにどうぞお願い致します。



楽しみに待ってた解禁の文字を見てはつい馬鹿みてえに喜んじまってさ、こんなもんを作っちまったようだよ。…どうも遅筆でね、数時間前に囲い込みの申し出があったことにも気付けねえ始末だ。
ただ俺はどうも諦めの悪い性分だから 「はい、これで終いだよ。」 とはいけねえ性分でね。もうお一方には悪りいとは思うが主様の仰ってた選定にさせちゃあくれねえかい?

定家葛

16: 操觚者 [×]
2015-12-29 22:57:10

>迷い人様

かように奇怪な御噺へ迷い込んでくださったこと、そしてお優しい御心遣いに心より御礼申し上げます。

貴方様のような素敵な御仁に手ぶらでお帰りいただくのは誠に心苦しいのですが、宵闇にはまだ紹介しきれぬ異形どもがひしめき己の出る幕を今か今かと待ち侘びております。
いずれ貴方様のお気に召す御噺が現れるやも知れません。時折ふらりと足を運び、ひやかしに覗いてやってくださいませ。己を知ろうが知るまいが、貴方様は私どもにとっては大切なご客人ですので…。

それでは、どうか良き夜半の冬を過ごされますよう。

>葦原様

此度は御噺に目を留めていただき有り難う御座います。名簿の方、確と頂戴致しました。
いやはや、化け蜘蛛にやるには勿体ないほどお優しい御仁…彼岸花を愛でられるとはまたお目が高い、蜘蛛なんぞより私と戯れていただきたいほどで…おっと、これはとんだ戯れ言を。

日付が変わる頃までに蜘蛛をご所望の方が現れぬ限り、是非ともお相手をお願い致します。どうか今しばらくお待ちくださいませ。

>匿名様

否否、とんでも御座いません。お声を掛けていただいただけで御の字というものです…大蛇の御予約、確と承りました。
しかし他の方の名簿も預かっております故、決まりごとの通り選定となりますことをご了承ください。
どうか焦ることなく、ごゆるりとご記入くださいませ。

>淡島様

甘美なお言葉を有り難う御座います。是非ともそのお顔を拝見し、まなこを見ながら御礼を申し上げたいものです…嗚呼、名簿は確と頂戴致しましたのでご安心くださいませ。

ではお言葉に甘え、蛇のお相手は僭越ながら私めが選ばせていただきます。十四の匿名様が名簿をお持ちになるまで今しばらくお待ちください。
それにつけても定家葛…かの妄執の花を愛でるとは、いや、御見逸れ致しました。

17: 匿名さん [×]
2015-12-29 23:14:15

(/>>14の者です。 他の希望者様がいらっしゃったようなので、安定して顔を出すことが難しいこともあり失礼ながら辞退させていただこうと思います。背後の都合により参加することはできませんでしたが、素敵なトピに巡り合うことができて幸運でした。またどこかでお目にかかれる機会があれば幸いです)

18: 葦原 嘉瑞 [×]
2015-12-30 00:42:11


日付が変わったようだねぇ。
いやはや、僕は随分とのんびりしているようだ。今日になってすでに半刻もたっているのに気づかないだなんて…自分が嫌になるよぉ。

迷い人さんに譲っていただいた…いや、また僕は野暮な事を言ってしまったらしいね。忘れておくれよぅ。

とにかく、日付が変わったからお相手して頂きたいのだけれど…如何かな。

長くなったけど後一つ、僕は優柔不断のようでね。彼岸花も好きだけどさ、毒人参や紫陽花の時もあるから…よろしくね。

19: 操觚者 [×]
2015-12-30 01:34:30

>匿名様

畏まりました。
至極残念では御座いますが、迷い人様にも申しました通り、御噺というのは目を離した隙にふと新しく生まれているもの。いつ匿名様のお気に召す御噺が書き加えられているやも知れません。
いつか再び相見え、良き縁で結ばれる日を心よりお待ちしております…というのは些か情が重いでしょうか。
ともあれ、貴方様が良き冬の夜長を楽しめますよう夜のとばりから祈らせていただきます。
お声掛け誠に有り難うございました。

20: 操觚者 [×]
2015-12-30 01:47:19

>葦原様

いやはや、半刻もお待たせして申し訳御座いません。年の瀬が慌ただしいのは妖とてまた然り…そう思ってどうか許してやってくださいませ。

それでは改めまして。中々厄介な毒虫ではありますが、愛想が尽きるまで何卒お相手をお願い致します。
迷い人様の御厚意もまた何かの巡り会わせで御座いましょう。ええ、お優しい計らいへあれこれ言うのは粋とは呼べぬ…私も口を噤むと致しましょう。
彼岸の花に人参紫陽花。可憐な毒花が彩る日々がうつくしい夢物語となりますよう願わずには居られません。

さて書き出しで御座いますが、我が儘を聞いていただけるのならば葦原様から御噺を始めてはいただけないでしょうか。
行き倒れの男を拾う場からでも、共に暮らしはじめて幾日か立った頃合いからでもお好きな所から手をつけていただいて構いません。
無論、少々難儀ということでしたら私めのほうから書き出させていただきますが…何卒よろしくお願い致します。

21: 操觚者 [×]
2015-12-30 02:25:25

>淡島様

丑三つ時までお待たせしてしまうとは、何とお詫びを申し上げたら良いものか…いやはや申し訳御座いません。

かような夜更けに口にするのもぞくりとするものがありますが…蛇のお相手は是非、淡島様にお願いしたく存じます。
お江戸では目病み女に風邪引き男と申しますが、艶やかに病まれてなお光を失わぬ貴方様のまなこには大蛇も鎌首もたげて見入ることでしょう。その光を忌むか愛でるかはまた別の御噺ということで。

御噺のほうですが、叶うならば淡島様の好まれる文体、形式に合わせたいなどと考えている次第でして…どうか手本を見せると思って、其方から書き出してはいただけないでしょうか。
場は初めて蛇が忍んできた夜、二度三度と逢瀬を重ねた幾度目かの夜…お好きなように考えてくださって構いませんので。
いえ、勿論私から始めることも出来ない訳では御座いません、お望みとあらば悪文をお披露目致しましょう。お手数をお掛けしますが何卒よろしくお願い致します。

22: 葦原 嘉瑞 [×]
2015-12-30 02:32:47

合いわかった。かなり拙い文章になってしまうと思われるため先に謝っておこう、すまない。
では…御噺を始めようか。

>ALL
(しんしんと雪の降る今日はお天道様まで寒さで早く引っ込んでしまうほど寒く、暗い。まだ巳の刻になる前だというのにもう日はあんなに沈んでいるとは…なんて考える仕事の帰り道、雪道の中やっとこさ少し人里離れた場所にある自宅へと着くと、家の前に目を疑う光景があって)
人?…っ大変だ!早く暖めねば死んでしまう!
(これは大変とすぐさま倒れているお方を持ち上げ、家の中に運び込んだ。とりあえず囲炉裏の近くに寝かせると、急いで火をつけて)

23: 八雲/操觚者 [×]
2015-12-30 13:39:30

我が儘を聞き入れてくださり有り難う御座います。言の葉の彼方に雪景色が透けて見えるかのような語り口…いやはや、私めも見習わせていただかなければなりません。

では、私めはこれにて御暇させていただきます。
長居をして蜘蛛にやっかまれては堪りませんので…。それではどうか良い御噺を。



>葦原

(冬の宵は蜘蛛の体も人の体も分け隔てなく凍えさせる。不慣れな足で雪道を彷徨い、ようやっと恩人の家を探し当て…それからどうしたのだったか。ちらちら瞼の裏を掠める灯りにふと目を開けば、そこには彼の日から一時も忘れえぬ恩人、焦がれる男の姿があり)
……此処は、あんたは一体……
(暫し口を利くのも忘れて火に照らされた横顔に、見入る。横たえた体がふつふつと熱を帯びてくるまでそうしていたが、やがて乾いた唇を開くとさも気怠そうな声音でとぼけ、徐に身を起こそうとし)

24: 操觚者 [×]
2015-12-30 13:54:20

「御噺目録」

●壱、『夜蜘蛛』(葦原 嘉瑞様)(>10)
●弐、『手負蛇』(淡島 藤吉様)(>15)
●参、『化ケ猫』(空き)


幾度目かの追記となりますが、所謂"持ち込み"も歓迎しております。
「とっておきの噺があるのだが…」かような御仁には是非ともお声を掛けていただきたいものです。


25: 顔隠し [×]
2015-12-30 15:01:02

>17

俺のような生半可のために折角の縁を断ち切らせて申し訳ないね。
匿名の旦那のように細やかなお人が紡ぐ御噺が如何なるものか、実は俺も楽しみにしていたのだが…お人が善すぎたのかな。至極残念だ。あんた様なら俺よりよい語り手であったであろうよ。

とはいえ、お陰様で此方の妖美な夢語りに加わらせていただけるようだ。勿論此の御恩は忘れちゃあしねえさ。
匿名の旦那がより良い縁に恵まれるように…まあ祈るくれえしか出来ねえがね、祈らせていただこう…
えぇ?迷惑だって?……そりゃあ、失敬。

では、昼時ではあるがね、どうか御幸せな夢を。



>操觚者様

ほう、これは嬉しいことだね。
高砂の坊主も一先ず生き永らえたってえ体だな。

だがね、主様や。悔いはないかい
坊主は癖有り、俺はあまり知恵が足りんのだよ。
他のお人が蛇を囲いたいと申し出てるのをみて俺は些かほっとしていてね、主様も御選びいただくことができると。ただどうやらお止めになったようだから…
はて、怖じ気付いたと馬鹿にしておいでかね。
傍目からそう見えようと俺は双方共に愉しく御噺をやりてえだけだ。

まあ、愚図愚図減らず口ばかり叩くのもみっともねぇことだろうしさ、主様の仰有るように拙くはあるが俺から御噺は始めさせていただこうか。其方さん始まりも魅力的だろうけどもこれ以上に迷惑をかけちゃあ男がすたるってもんだ。そうさな…幾度かの逢瀬の後ってえのでやらしてもらいてえ。

けど一つ、最後に花の話だけでもさせておくれよ
彼の花は霊となり尚愛しき人の墓に絡み付いていた歌人様の逸話があるそうじゃねえか。
俺は散歩途中に朽ち木に絡み付くのを偶々みかけたんだが、あながち偶然ではなかったのかも知れねぇな。坊主も殺されようとも葛に化け蛇の旦那に絡み付いて枷となるやも知れねえし、俺も此処にひょいひょい来たのは葛に足をとられたのかもわからねえ。

与太話ばかり長くなっちまったなあ。そろそろ坊主に化ける刻だろうね
主様と言えど俺の醜悪な面はお人に見せるのには心苦しい。だから覆いは此のままに俺は消えさせて貰おうか

では、どろんとおさらば。

26: 淡島 藤吉 [×]
2015-12-30 15:01:58

不慣れなもので面目ない、部屋の説明もいれたくてね…些か長すぎただろうか。
先生、拙い語りだがどうか此れから宜しく頼み申上げます。


>朽縄

(夜路を照らすお月さんも、今晩だけはと休みをとるとは朔の日のこと。辻斬り夜盗ら悪党も、こんなに暗くてはおっかなくて出やしない。然し惨めに離れの奥部屋に押し込められては、四方の襖と天井しか見るものはありゃしなく、お外の様子など知る由もなし。只只ヤブよりばか高く買わされた香炉から悪趣味な匂いが立ち上るばかり。原因もわからぬ病と言えど何もせずにじっとするのは己の道理に反するというもの。何分未だに店を諦められちゃいない、病にかかった程度で抜け作になってやる気は更更なくて。本心では店のこと帳簿つけなどをやりたいところ、だが病で満足に喋るのも難しい自分に其のような大事なもの持ち出す許可の出るわけもなく、お付きの爺やにせめて蘭学書の写本でもと無理に頼んだ次第。だがこうも胸が痛んでは矢張どうにもやりようはなくて、先刻に筆をとったきりぶるぶると震えるだけの手は一文字も書かぬままぽたりぽたりと墨溜まりだけを大きく作り。はやく書き上げねば、己にまだ力のあることを証明せねばと焦る心を裏切り痛みはキリキリキリキリ締め上げる様強まるようで。一際強い痛みが遅いかかれば我慢に到頭限りが出たか思わず筆をとりおとすと、ガクリと倒れ伏して。その尋常ならざる痛みに全身に脂汗を滲ませながら身悶える頭に浮かぶは唯一人。浅ましくも救いを求めるよう畳に手を這わせ乍ひんやりとした灰白の肌に思いを馳せるよう譫言の如く一人を呼び続け。)
……っう、先、生…っどうか、どう…か、っ…先生……こ、此処でくたばるわけには…っ

27: 葦原 嘉瑞 [×]
2015-12-30 16:49:04

>八雲
(囲炉裏の焔は徐々に温度を上げた。倒れていたお方の頬も少し色味を増したように見えてホッと一息つくと、こうしちゃおれないと言わんばかりに立ち上がり台所に向かい。数分後、帰ってきた手には鍋が抱えられており、ガチャガチャと音を立てながら囲炉裏に鍋をかけるとやっと腰を下ろし笑みを見せて。ーー鍋が出来るのを待っていると横から透き通るような声が。ついと視線を向けると行き倒れていたお方が目覚めたようで、早くも起き上がろうとしていて)
っちょっと!まだ寝ていなきゃだめですよぅ!
(驚きを隠さず慌てたように相手と距離を詰めると、そっと彼を抱きしめるかのような状態で寝かせようとして)

28: 朽縄/操觚者 [×]
2015-12-31 01:31:09

>顔隠し様

おっと、行ってしまわれましたか…。
独言というのも物寂しいものですが、小夜風に言伝てを頼むと思って好きにやらせていただきましょう。

ひとたび御覧になればお分かりかと存じますが、高砂の坊ちゃんに憑けるとあって、蛇も私めも喜びにのたくらんばかりに御座います。
口先ではなんとでも言えると。否否、何せ妖というのは人の道理を解さぬ無法者ばかり、誰ひとりとして譲歩に気遣い、世辞というものを知らぬのです。
たとい獲物が高砂の坊ちゃんしかおらずとも、気に食わねばついとそっぽを向いて藪にでも消えていることでしょう。
…はて、そう思えば葛に足をとられているのは大蛇の方やも知れません。絡み絡まり地獄の底まで共に落つ、それもまた一興。

此方も与太話が過ぎたようで。
妙なる語りも有り難く頂戴致しましたところ。私の戯言で邪魔をするのは藪蛇というものです。
いずれ相見えました時にはお互い醜い面を明かし、茶でも飲みながらゆるりと与太ると致しましょう。それではどうか良い御噺を。



>藤吉

(先生、と。己を呼ぶ怨敵に応え、薄闇にスウと瞳を開く。傍から見れば赤い三日月がふたつのぼったようにも紛うであろう、蛇のようにのたうつ男を見下ろす顔には血も涙もない畜生めいた笑みが広がっており。筆が転がり香煙立ち込め屋敷に暗夜が訪れる、その遥か以前より其処に座していたかの如くしんとした居住まいを崩し、畳みを這う手を掬い上げては両の指で撫でさすり心臓の戒めをほどいてやって。とうに骨と化したのでは。そう疑いたくもなるほどほっそりと白い腕、それを濡らす大量の汗は呪いの苦しみを此方へまざまざと伝えてくるが。さして哀れむ様子もなく傍らの墨へ目を寄越し、ぜえぜえ言う相手の背中に触れてやりながら零した声は場違いなほど和やかであり。)
……おや、月明かりもなしに写本とは。病んだ体に鞭を打つのは果たして賢いと言えるかな、坊ちゃん。

29: 八雲 [×]
2015-12-31 03:09:26

>葦原

……嗚呼わかった、寝る、寝るからそう慌てなさんな。
(抱擁まがいの行いに目を丸めるがしかし、間近に見る人の良さげな面差し、何より己が身を抱く手の懐かしさに唇もゆるりと綻べば、相手にくったり身を任せ為されるがまま今一度体を横たえて。床に頭をくっつけても未だすぐそこに男の顔がある。コトリコトリと良い音のする鍋に視線を逃がしつつ、さてどう話を運んだものかと僅かな間にあれやこれや考えを巡らせ一先ず口を開いては)
日暮れ頃に人里へ降りて、ひどい雪に降られた辺りまでは憶えちゃあいるんだが……まさか行き倒れてたんじゃあるめぇな、俺は。
(まだひんやりと夜風の気配が残る手を額にのせ、記憶の糸を手繰り寄せようと瞼を下ろし訥々と語る。そんな小芝居を挟み、最後には軽く首を傾けて男に尋ねかけるようにして)

30: 葦原 嘉瑞 [×]
2015-12-31 14:25:14

>八雲
(素直に寝てくれるという相手に口角を緩めると、今更ながら抱擁まがいのこの体制に気付き慌てて離れて。嘉瑞はかなりの初心、抱擁なんか今迄の人生辿っても一度もしたことがなかった為初めての感触に顔が赤くなるのが止められず、それを隠すように鍋へと顔を向けた。お方の噺を聞くと倒れていた事を覚えていないらしい、あの寒波なら仕方ないと納得しことの次第を話し出して)
そのまさかですよ。僕の家の前で行き倒れていて…本当にびっくらした。
(安堵の溜息と共に吐き出した言葉は囲炉裏の火を揺らした。ちらりと視線だけを相手に向けると濡れた衣服が目に飛び込み毒だった)

31: 淡島 藤吉 [×]
2015-12-31 21:52:30


>朽縄

…先生、ああ本当に来てくださるとは
(焦がれ待ち望んでいたひやりとした手が硬張る手指を撫ぜ擦ると、躰を酷く苛んだ締め付けがほろりと解け落ちる様に消え失せて。何度此を体験しようと矢張奇跡に違わぬであろう。その手に摺り寄る其は甘えか縋りか。答は意識の外にあり、否然し綻んだ顔に全て物語られると言えようか。未だふらつきの残る躰を手近にあった文机に支え乍半身を起こせば、整わぬ息を隠すよう片腕で押さえ。今しがた迄の乱れようを一寸忘れさせるような程力こめた瞳で相手の方を見)
わたしは…わたしは強くあらにゃならんのです。此式のことで草臥れて、どうして商いなぞを出来ましょうか。待つのみの軟弱ものは消し去られて終いです…
(呟く一語一語は心の底からのもの。周りにもう殆ど将来を期待されていないことは病床からでも犇犇と感じていて。己の野心を叶えるために必要とする舞台が遠退くことへの焦りが心を掻き乱しているためか言葉尻に近付くに連れ次第に表情へも弱りの色が見え始め)

32: 八雲 [×]
2016-01-01 10:47:30

>葦原

そうか……二度もあんたに救われるとは、本当に優しいお人だ。
(頬が火照って見えるのは、赤々と燃える炎のせいか。あるいは化生相手にもどぎまぎするほど初々しいのか。ふたたび見つめたその顔にあれこれ夢を見つつ、いきさつを聞くと堪らず声を漏らし。それは鍋の煮える音に掻き消されるほど小さな小さな声だったが実に愛おしそうな響きで)
——そういや、まだ恩人に名も名乗ってなかったか。俺は八雲、こいつを連れて彼方此方を渡り歩いている身の上でね。あんたが居なきゃあとうに野垂れ死んでたところだ……こんな身構えで悪いが、礼を言わせてくれ。
(ゆるく首を持ち上げては、相手が運んでくれたのだろう、傍らの三味線を一撫でしてツンとつま弾き名を明かす。獲物を絡めとるための銀糸は今や妙音なる弦に化け、甘い音色を零すだけであり)

33: 朽縄 [×]
2016-01-01 12:54:24

>藤吉

気ばかりせいだところでどうにも成るまい。「もののふの矢橋の船は速けれど…」、嘗て歌人が詠んだように、商いがしたければ先ずはゆるりと身を休めることだ。そのように気色ばんではいけないよ。
(物病みとは思えぬ勇ましき物言いと眼差しはいっそ見事と言えようが、蛇の耳には虫の羽音や風鳴りに同じ。粗末な戯言にともすると欠伸何ぞを零しそうにもなる。されどその面が翳り出すと途端ににんまりと唇を歪め、今一度表舞台へ向かおうとする足を絡めとるかの如く甘く優しく宥めてやり。しかし、何故この顔に縋ろうと思えるのやら…鏡を見ずとも己の目も口も非道な笑みを作っていることがありありと感ぜられるというのに、平気で弱みを晒け出す姿にこの者がどれほど己へ入れ込んでいるのか手に取るように分かり、いよいよ可笑しくて堪らず)
坊ちゃんは、少しばかり焦れているんだろう。病に商才も良い所の娘も、取り巻きさえもとられてしまったものだから。傍に控えているのは縁もゆかりもない後釜のみ…きっと其奴は、坊ちゃんが事切れるのを今か今かと待ちわびている。大人しく寝る気にならないのも当然のことだ……
(少しばかりつついてやろう、とあくまでも労り慈しんでいる体で彼が己に奪われたもの、呪いがもたらした災厄をわざわざ言葉として眼前につきつけてやり)

34: 葦原 嘉瑞 [×]
2016-01-01 22:19:42

>八雲
(微かに、微かに声が聞こえた、寒風が鳴らした音なのかそれとも。だがそれを突き止めるのは憚られた、そんな事を考えていると ”ちン” 空気を震わせるような音が一つ。フと顔を向ければ、彼が三味線を弾いたらしく銀色の弦がクワァンと震えていて。次に聞こえたのは彼の声、彼の名は八雲というらしい。彼は三味線一つで各地を回る旅芸人、あゝ道理で…と納得の声を洩らすと彼に向き直って。そのまま聞いていたが御礼を言いたいという言葉にすぐさま謙遜して)
御礼だなんて…そんな大層な事しちゃいませんよ。ただのお人好しってぇだけです。そんなことより、僕も名乗らせてください。えぇと…嘉瑞、と申します。言いづらいでしょう?
(言い淀んだ名前を誤魔化すように笑顔をむけた…強張った笑顔を)

35: 八雲 [×]
2016-01-02 21:11:59

>嘉瑞

嘉瑞……、いや、良い名だよ。何遍だって呼びたくなる。
(彼が名を名乗った途端、囲炉裏の火が風もないのにあやしく揺らぎ、確かめるように繰り返す男の顔へ昏い影を落とす。つっかえることもなく嘉瑞、嘉瑞となめらかに唱える姿はどこか楽しげで、ようやっと名を知れた喜びが暗がりのなかにも滲んでおり)
嘉瑞。あんたに礼をしたいのは山々だが、生憎この身ひとつしか持ち合わせがないもんでな……何か、してやれることでもありゃあいいんだが。
(ふたたび淡々と灯る火を伏せた目に映し、言いながらそろっと良いだろうと身を起こそうとすれば溶けた雪を吸った着流しがなかなかに重たく、ちらと相手に目をやると掴んでくれと言わんばかりに腕を伸ばし)

36: 淡島 藤吉 [×]
2016-01-02 22:28:24

>朽縄

(身を休めるという勧めは弱った心身に余りに甘すぎて思わずこくりと首を縦に振りそうにもなる。けれども己の信条とは対極の位置にある其れを、例え随一に信頼する者の言葉とて安易に是とすることは出来ぬもの。揺れる思考は不安定に歪みをつくり始め ゆらゆら己を揺さぶって堪え難い。ふらつかせた両の眼が捉えた先は相手の口許。薄く照される唇がほどけては血とも見紛う朱が見える。其処から洩れ出す声は魔のようにやさしい声色、然しやさしくやさしく聴こえる其れは承知こそすれ奥底が受け入れ切れぬ現実を己に差し向けては、ぐさりぐさりと刺すもので)
あ…そんな…違います違います、違うのです。わたしが手前の体さえも管理の出来ぬ不精ものであったが故のこと、商いへの努力と熱の不足故のことでしょう。お願いします、どうか此以上はお止し下さい……
(はくはくと無意味に開閉させた口は小さく細切れの悲鳴の様な叫びを洩らし堪えきれなくなり耳を塞いで。正に其の通りとは言え、簡単に認められるものではないもの。商いごとの出来ぬのは勿論、己の持っていた全てを奪う男が憎いこと、更に同様に他の人間も病に伏せ乍も治りもくたばりもせぬ自分に煩わしく感じているであろうこと、此らがどっとのし掛かってくるように頭を重くして。)

37: 葦原 嘉瑞 [×]
2016-01-04 18:00:07

>八雲
(彼が自分の名を紡いだ時、ゾクリと何かが走った。其れは恐怖でそして…甘美であり。自分でも此れはおかしいと分かっている、だがそれでも赤面する一方で。仕方なしに小さくゥウと呻き声ならぬものを上げながら、恥ずかしげに掌の甲で顔を隠した。彼の口が結ばれた時やっと顔の火照りがとれホッと胸をなでおろすと、伸ばされた腕に先程顔を隠していた手で掴み、優しくも力強く引っ張って。)
…ヤァだ八雲さん。礼だなんて、僕にはもったいないで…あゝ!!そうだ鍋を忘れていた!うわっと!…
(二人とも体制を整えたのち御礼を断ろうとしたが思わぬ邪魔者が入った、暖めていた鍋である。実はこの嘉瑞、かなりの料理ベタである。それと共に仕事が忙しくあまり家事が出来ないのもあり、料理の腕は一向に上達の兆しが見えなかった。唯一得意な鍋も、話し込んでいたりするとすぐ忘れてしまうからさぁ大変、高確率で焦がしたりする。今回も忘れていたようで、吹きこぼれた鍋の残念なこと。嘉瑞は苦笑いで首を掻いた)

38: 朽縄 [×]
2016-01-05 01:10:28

>藤吉


嗚呼、すまない、ならばこの話はもう終いにしよう……現のことなぞ考えず、君は唯々寝ていると良い。
(人の子は何故、幸も災いも皆すべて己等の手柄にしたがるのやら……此方の口を閉じさせる悲痛な言葉は病に蝕まれた身をなお責め立てるものばかり、やれ不精だの不足だのと偉そうに自惚れる様は少しばかり腹立たしい。詫びてあやしてやる口ぶりにも聞き分けのない赤子へ言い付けるような投げ槍の色が滲むというものだが、素知らぬ顔で彼の頭に手を伸ばせばトンと己の胸に押し当て)
夜が明ければ私は去り、君はまた日が沈む迄病に耐えなければならない……休息は然りとっておくべきだ。
(とうに艶は失せているものの、はらはらと良い手触りのする黒髪を弄り、嘗てどこぞの人間がそうしていたのを真似て抱き竦めるように背中にもやんわり腕を回し)

39: 八雲 [×]
2016-01-05 03:19:02

>嘉瑞


(優しく引き起こす腕の何と温かいことか。その温もりが篝火のように虫けらを魅入らせ惚れさせるのだと、人の良い言葉を遮って告げてみたくもなるが、ささやかな気の迷いは突として泡を吹いた鍋に寸での所で掻き消され。勢いよく流れ出た汁につい身を引いたのも束の間、やれやれ困ったと聞こえてきそうな苦笑と顔を見合せれば釣られて此方もくすくす肩を揺らしてしまい)
……嘉瑞、あんたどうにも家事の類は苦手と見たが。普段は嫁さんに任せっきりってとこか。
(遅ればせながら火箸をとって引っ掻き回し、火の勢いを殺してやりながらぐるりと見やるは二人の影が伸びるばかりの家の中。そこいらに置かれた道具を数えれば独り身であることは明らか、それでも横目で彼を見つめては揶揄うように首を傾け)

40: 操觚者 [×]
2016-01-05 19:01:27

・追加


●肆、『夢喰ヒ』
~あらすじ~
貴方様は夜ごと不思議な夢を見ております。
夢の中の貴方様は見知らぬ男と恋仲であり、同じく見知らぬ座敷や野原で仲睦まじく夜を過ごすのです。はじめこそ訝しんでおりましたが、やがて現でも男に心惹かれ、夢での逢瀬が楽しみになる貴方様。
しかし何時からでしょう。ふと目を覚ますと、真っ暗な夜道にひとり立っているようになったのは。
何時からでしょう。今見ているのは現かはたまた夢のまた夢か、とんと区別がつかなくなったのは——。

(注釈)

貴方様と、見知らぬ恋人との甘い甘い夢物語。
何せ夢の中の御噺、恋人は貴方様が望むのならば異国の街にも御伽草子の国にも手を引いて誘ってくれることでしょう。万華鏡の如き目まぐるしい蜜月をお過ごしください。
ただし恋人とて所詮はあやかし、貴方様に惚れ込むあまり所謂"夢遊病"のような術をかけ、現の貴方様の身さえ手に入れようとするやもしれません。それが叶わなければ貴方様が目覚めぬよう小細工を仕掛けることもあるでしょう。
どうぞお気軽に、されどお気をつけてお戯れくださいませ。

「あァ良かった、来てくれた。今夜は会えないのかと思ったよ。」
『目覚めない夢があったとしたら、それを現と呼ぶんじゃないかな。まァそんなのはどうでも良いね、僕には寝ても覚めても君だけだから。』

名前/漠(バク)
年頃/二十代
容姿/黒檀の髪は耳の上あたりで切り揃えられ、右耳には飾り紐がなびき結わえた鈴がちりんと澄んだ音を零す。唐人のような見慣れぬ群青の衣装には香が焚きしめてあり、袖を振るたびに甘い匂いが貴方様を包み込む。顔立ちもまた唐の色が強く、一重の瞳はスッと小刀を入れたかの如く切れ長で涼やか、笑えば目を閉じているよう。背丈は179cmほど。着込んだ衣装からのぞく首筋はしっかりとしている。

性格/貴方様が傍にいるためか何時もニコニコと楽しげで、物腰柔らかな男であるが時折貴方様を悪戯に振り回すような奔放さが顔を出す。とにもかくにも貴方様が愛しくて愛らしくて仕方がない様子、暇さえあれば指を絡めたり接吻をしたりと
所構わず可愛がる。貴方様を好いている、それは紛うことなき事実であるものの、そこに慈しみやいたわりが在るかと問われれば話は別。己と貴方様が永久に共にいられるならば、現の貴方様の身がどうなろうが構うものかという身勝手さを隠し持っている。

備考/一人称は「僕」、二人称は「君」。甘く深みのある声は優しい物言いに反して低く響く。
夜であろうと現の貴方様の前にはあらわれず、夢の中で貴方様が眠りにつくのを唯々待ち侘びている。時折恋しさのあまり我慢が効かなくなれば、貴方様へそっと術をかけ寝かせてしまうことも。

正体/熊の躯に虎の脚、男の腕ほどの牙を備えた象の顔といびつな成りをした妖「獏」。
人の悪夢を喰らって生きており、ある夜食事を求めて彼方此方をさまよい歩いている内にうなされていた貴方様の枕元へたどり着き、その寝姿へ一目惚れ。悪夢を喰らい、空になった貴方様の夢の中へと住み着いた。
今は夢での睦み合いで心満たされているものの、何時現の貴方様にも手を伸ばすか知れたものではない。


募集/
・此れといった指定や条件は御座いません、年齢、性格、容姿等はご自由に。どんな御仁であれ獏は愛しい可愛いと喜ぶことでしょう。

41: 葦原 嘉瑞 [×]
2016-01-05 23:48:21

>八雲
…僕には良い縁が無いようでねぇ、お嫁さんなんて影も形も全く。寂しく1人暮らしを謳歌しています。
(謳歌しているというにはあまりにも切なげに。何かを思い出す様に細められた瞳には弱まった火がちらちらと映る、だが脳裏には遠い昔の思ひ出が掠めていった。首に置いていた手を膝へと戻すと、表情を緩めへらりと笑った。まるで記憶に蓋をするように、そう、何もなかったかのように、そしてその赤茶色の瞳にはもう何も映ってはいなかった。よし、と呟きぐるりと首を一周回すと、再び台所に立とうと立ち上がろうとして)

42: 八雲 [×]
2016-01-06 01:21:19

>嘉瑞

……そうかい。だが、なぁ。どうせ歌うならひとりよりふたりの方が良いとは思わねぇか。
(ほんのひと時。瞬きをする間もないほどささやかなひと時ではあったが、赤茶の目が己ではない何かに向けられたことを察すれば笑みとはまた異なる形に瞳を細め唇を固く引き結び。ある種異様な身の上だけに目に見えぬ物事には殊更敏い、よもや瞼の裏に女の影でも見ているのではあるまいなと板の間に爪を立てそうになるがしかし、彼がふたたび笑う頃には涼しげな面を取り戻して笑顔をさえ返してやり。立ち上がろうとした手をぐいと引き止めては揶揄う声音はそのままに、熟れた紫の眼を昏く光らせて)
独り身ってんなら話は早ぇ。俺ぁ何も三味線だけ弄って生きてきた訳じゃねぇ、鍋も飯炊きもあんたよりきっと上手くやる………いや、この身でやれることなら何だってやってやるさ。……どうだ、嫁代わりとはいかねぇが。ひとつ恩を返させてやると思って、俺を暫くここに置いちゃあくれねぇかな。
(一息で、そのくせ苦しさも感じさせずにつらつらと、口上を述べるように頭の隅で用意していた言葉を読み上げる。それは何時かこの手のひらにすくわれたときからの悲願であり、揶揄の気配こそ漂わせているが瞳の奥のまた奥底は真っ直ぐ男を見据えていて)

43: 葦原 嘉瑞 [×]
2016-01-06 04:10:14

>八雲
…え…?………はい⁈
(一瞬、何を言われたかわからなかった。その言葉を、意味を、掬い取ることができなかった。間を開け言葉を咀嚼し、やっと脳へと送った頃にはもう素っ頓狂な声を上げていた。顔は赤くなったり青くなったりと忙しい。言いたいことは山程ある、同居?恩返し?なんでそこまで?喉元まで迫っていた言葉達は口を開けば出てきそうだ。だが、言わなかった。言えなかった。彼の瞳を、奥を見た瞬間、消え去ってしまったから。鈍感で野暮な己でも分かってしまう何かを、見てしまったから。立ち上がろうとした体制からすごすごと元の正座に戻った、引きとめられた手は二人分の体温で温く際立っている。頭は正常に回らなかった、でも返事だけでもと口を開いた)
えぇと…あの…ふ、不束者ですが…よろしく…お願いします。

44: 夢見し者 [×]
2016-01-06 09:52:17

そこの貴方、少しばかりこの場にお邪魔させて頂くよ。
なに、大した事ではないのですが、最近夢見が悪く、漠に喰ろうてもらいたいと思ってね。

名簿は子の刻にまでにはお渡しするよ。

ではまた、夢に捕われる時刻にお会いしましょう。

45: 操觚者 [×]
2016-01-06 20:20:38

>夢見し者様

斯様に得体の知れぬ場へお越しいただき、誠にありがとうございます。獏の御予約確と承りました。

この国では古来より寝る間が極楽と申しますが、いやはや、夢見が悪いとあればさぞやお疲れのことでしょう。子の刻と言わず朝寝を終えてからでも構いません、名簿のほうはどうぞごゆるりとご記入ください。
それでは獏共々、夢と現のあわいにてお待ちしております。

46: 八雲 [×]
2016-01-06 21:56:15

>嘉瑞

それじゃあ本当に嫁入りじゃねえか……男を娶るつもりはねぇが、まあ、俺のほうこそよろしく頼む。下男でも拾ったつもりで好きに使ってやってくれ。
(至極当然のことではあるがこれでもかと戸惑いをあらわし、それでも訴えを呑んでくれる彼を見届けふ、とようやく目を伏せる。少々人が良いにも程があると身を案じたくもなるものの、今日からは誰か悪い輩に引っ掛かったとて大事にはならないだろうと篝火に光る弦へ静かに眼差しを向ける。己の真摯さごと茶化すように彼の言葉へ茶々を入れ、全ては気ままな旅芸人の思いつき、そう惑わせるためにくつりくつり肩さえ揺らして笑うと挨拶代わりに掴んだ手を軽く握って)
っと、何時までもこうしていたって仕方がねぇな。手慣らしに早速、飯の仕度でもさせてもらおうか。
(暫く傍にいられるとあらば手を離すことさえもう惜しくはなく。ぱっと指を解いて立ち上がれば、早速なにか面倒を見させてもらおうと食事をよそう椀を探して)



47: 夢見し者 [×]
2016-01-06 23:17:50


名前/ 藤 直徳(フジ ナオノリ)
年齢/ 25
御噺/ 肆『夢喰ヒ』

容姿/ 先祖に異国の血を引いている者がいたとかで、容姿は北欧寄り。髪色は色素が薄く栗色、前髪は真ん中分けで、全体的に軽くウェーブがかかっている。後ろ髪は肩先につく程度。 瞳は光を通すと青味がかって見えるも、暗闇では黒色。形は二重瞼で、眦がきゅと上がっており、気の強そうな印象を見る者に与える。唇は薄く、平常時は機嫌が悪そうに真一文字に引き結んでいるも、一度夢の彼に出会えば笑みに緩む。肌は色白であるも、体格は厳格な父の扱きにより、適度に鍛えられている。服装は茶人であり、所謂十徳と言われるもの。(襟が衣の身の下端まであり、前で斜に合わさない。衽はない。袖は一幅で広袖。丈は短く膝位までで、襟は羽織のように折り返さず。紐はくけ紐で胸前につける。身の両脇に袖下のあたりから下に脇入れをつける。帯はなし。地は通常紗の無地の単物で、色は黒色。)

性格/ 元来は素直で自由奔放。然し容姿から周りに中々受け入れてもらえなかったり、茶道一家という家柄礼儀作法に父母とも厳しく、軈て周囲に弱みを握られないため、自分を律し、優等生を演じるように。夢で会う彼にだけは本当の自分を表出でき、どんな自分でも受け入れてくれる彼の存在に次第に溺れていくようになる。彼にだけは態と困らせるために我儘を言って振り回してみたり、という一面も。

備考/ 茶道の家元で育ち、上に優秀な兄が一人いる。兄と比較される事に徐々に辟易し、次第に悪夢を見る程追い詰められるように。いつしか悪夢は甘美な夢へと変わり、のめり込むようになる。それに伴い勉学や稽古にも勢力的に取り組むようになる。段々眠りの時間が増えていくも本人は未だ気付かず、家族友人が不審がり始めるが、聞く耳を持たず。

希望・要望/ 此方からは特にありません。漠様の見せる甘美な夢に徐々に溺れていくも、その後は話の流れは、夢の住人になるも、夜に現で会うも、此方が正気に戻るも運命へと委ねましょう。

漸く名簿が出来たので、届けに参りました。果たして斯様な者でも受け入れて頂けるかどうか…。今宵も夢で貴方様に逢える事を願いつつ、お返事を待つことにさせてもらいましょう。

まさに貴方に贈る言葉は黒種草。


48: 操觚者 [×]
2016-01-07 00:50:44

>夢見し者様

子の刻ぴったりとはいかず申し訳御座いません。名簿の方、確かに頂戴致しました。

華やかな異国の香り漂う何とも素敵なお坊ちゃんで……これでは獏が見惚れたとて無理もないでしょう、その花のかんばせに免じてどうか、夢路にてこの厄介な妖めのお相手をよろしくお願い致します。
彼奴はもう黒種草の花園で「早くおいで」と手を振っている始末…余程この花が気に入ったのでしょう。何せ貴方様がたの為だけに咲いているような花で御座いますから……。

さて書き出しですが、藤様さえよろしければ其方から御噺を始めてはいただけないでしょうか。
初めて夢で出会った場でも、幾度かの逢瀬を重ねた頃合いからでも構いません。藤様の綴りやすい形で結構で御座います、文章の書き口や長さ等、手本を見せていただけると実に有り難いのですが……。
しかし夜も休まれぬお疲れの御仁に我が儘は申しません、少しばかりやりづらいようでしたら私めの悪文を披露致します。どうぞ気兼ねなくお申しつけくださいませ。




49: 藤 直徳 [×]
2016-01-07 18:37:40

>漠

無事貴方に名簿が届いたようで良かった。無論、此方から始めるのに何の異存も在りませんよ。ただ、稚拙な文章をお見せする事に対して些か恥ずかしい思いがありますが…。数度夢の中で出会った所から御話を書かせて頂きましたが、分かり辛い所等あれば、お伝え下さいね。



(本日の茶道の稽古を終え、気付けば外は月が夜空に浮かぶ時分。隙間風に冷えた長廊下を心持ち早足で抜け、屋敷の奥に位置する己の自室へと戻って来て。寒さに肩を一度震わせ、部屋の中央に置いてある火鉢に木炭をくべ、火をつけて。緩々と昇る青紫色の火元を見つめ乍、考えるのは最近続いた悪夢がパタリと消え、その変わりに現れた摩訶不思議な彼のこと。未だ二度程しか、それも短い泡沫の様な一瞬しか話しておらぬと云うのに、何故だが心許し、既に会うのが待ち遠しいほど。人に話せば笑われてしまうであろう。この自分が、若しかしたら今晩は出逢えぬかも知れぬと不安に駆られ、稽古の合間をぬい、曖昧な記憶を頼りに、彼から微かに香る匂いを求め、におい袋を買う始末なのだから。懐から取り出したにおい袋をそっと枕元に置き、着ていた服を脱ぎ襦袢姿へ。褞袍を被り、今宵も彼の待つ夢の園へ旅立つべくそっと目蓋を閉じて。白濁する意識のなか、ぽつりと零した言葉は、果たして現のものか、夢の中でのものか、既にそれを知覚する事は出来ず。)
…早く、会いに来てくれ…。

50: 漠/操觚者 [×]
2016-01-08 18:18:36

我が儘を聞いていただきありがとうございます。
稚拙だ何てとんでも御座いません、茶道家元の名の通り、知性の感ぜられる端正な文章…獏が急かすのも忘れてついつい見惚れてしまいました。

私にも至らぬ点、理解し難い点は多々見受けられるかと思います。その際はどうか御指摘くださいませ。
さて、直徳様も不可思議な夢路へ旅立たれた頃合いでしょう、私めはこの辺りで失礼させていただきます。それでは、どうか良い御噺を。



>直徳

——可笑しなこと言うね。会いに来てくれたのは君じゃないか、直徳。
(愛しい者の夢の中、今宵は地平いっぱいに広がる花園を作り上げたその場所で、ただひとつ現と変わらぬ月を見上げながら彼を待っていればふいに聞こえた言葉。振り向くと、そこには西洋の面影を宿す綺麗な綺麗な彼がいて。前の晩もその前の晩もこうして逢瀬を重ねたというのに、久方振りの再会のように満面の笑みを咲かせては、白に薄紅、青紫の花弁をつま先で舞い散らしながら傍へ寄りニッコリ先の言葉に答えてみせ。夢に住まう己は、彼の身体が眠りにつき、その魂が夢路を辿って此処へとやって来るのを待つことしかできぬ身の上。それだけに彼の言葉が可笑しく、微笑ましく、また己を欲していることが喜ばしくもあり。瞳を糸の形にして笑うとさて、今夜はどう戯れようかと白い手をとって歩きだそうとするが、ふいに鼻先を甘い匂いがかすめていくと襟のあたりに顔を寄せ)
……なんだか今夜は良い匂いがする。これは何?

51: 操觚者 [×]
2016-01-08 18:36:25

「御噺目録」

●壱、『夜蜘蛛』(葦原 嘉瑞様)(>10)
●弐、『手負蛇』(淡島 藤吉様)(>15)
●参、『化ケ猫』(空き)
●肆、『夢喰ヒ』(藤 直徳様)(>47)

・只今手に取れる御噺は『化ケ猫』、もしくは持ち込みの御噺のみとなっております。

しかしまあ、化け猫……人の成りをしていたとて中身はそっくり獣な訳ですから、得体の知れぬ、中々にぞっとくる妖では御座いますが。私の筆才の陳腐さ故かあまり目を留めて頂けぬ。
「一丁私が書き直してしてやろう」そのような御親切な方がいらっしゃいましたら是非お声かけくださいませ。

52: 藤 直徳 [×]
2016-01-08 22:38:54

>漠

…貴方がずっと、ここで待っていてくれる保証はないではないか。
(ふわふわと心地良い時の中、目蓋を開けば目の前には色とりどりの草花が咲き乱れ。鮮やかな景色にひと時の間見惚れていれば、彼方より待ちに待った彼の声。嬉しさに口元を綻ばせ乍、歩み寄ってくれる彼をその場で待ち。然し、聞こえた内容に関しては腑に落ちない所があるのか、むっすりと口を閉ざして。足元に咲く胡蝶蘭に視線を落としつつ、小さな声量で不満と不安を綯い交ぜにした言葉を零し。不意にとられた手に自然と落とした視線も上を向き。寄せられた顔と共に、矢張り彼から香るのは艶やかな芳香。懐に手を当て指先に探り当てた物を取り出してみると、其処には枕元に置いてきた筈のにおい袋が。何故、と疑問が脳裏を過るも、このにおい袋が彼へと導いてくれた気がして。嬉しさに煌めく瞳を彼へと注ぎつつ、常よりも浮かれた声色でその事を告げ乍、におい袋を彼の鼻元へと持っていこうと差し出し。)
此れは、におい袋というものです。ほら、貴方に似た香りがする。きっとこの香りが、今日も貴方の元へ俺を運んでくれたのだ。

53: 葦原 嘉瑞 [×]
2016-01-12 02:23:17

>八雲
……っあゝ、そうですねぇ。ええと、椀はあっちに…。
(離れていく手を、少しだけ惜しく思った。だがハッと気づき彼に続くように急いで台所へと向かうと、最近使っていなかったお椀を数週間前の記憶を頼りに探して。棚の奥の方に対となった二つの椀を見つけた、買ってから今まで一度も対として使われていなかった片方の椀が誇らしげに見えて笑みをこぼす)
やっと見つかりました。…そういえば八雲さん寒くないですか、着替えます?
(言葉と共にかちゃりと台に置き。ふと彼の姿を見れば今更だが気がついて着替えを進めて、と言っても彼は身一つということなので自分の着物に着替えて貰う事になるのだが。体の大きさは同じ位だと思われるし、細い細いと言っても男性なのだからそこまで緩くはないはずと考えを巡らせながらも彼の立ち姿を見ていて)

54: 操觚者 [×]
2016-01-12 23:09:58

>藤様
>葦原様


長らくお待たせしてしてしまい申し訳御座いません。予め遅筆と記したとはいえ心苦しく、不粋とは百も承知の上で妖共を押しのけ顔を出させていただきます。
お返事の方は、七日七晩とは申しません、どうか今少しだけお待ちいただければ幸いに御座います。

……また、口より手を動かせとお叱りを受けるやも知れませんが。夜毎不出来な私や妖連中のお相手をしてくださることへの御礼も書き残させていただきます。
それではまた、御噺の中にてお会い致しましょう。



55: 藤 直徳 [×]
2016-01-27 20:33:29

なに、此方もお待たせしてしまう事があるので、気に病む事はありません。
夢の中でまた貴方方に出会えることを、夜な夜な黒種草を眺めつつ、お待ちすることとしましょう。

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