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オリジナルキャラなりきりチャット
自分のトピックを作る
1563:
グルース・リヨン [×]
2024-11-05 19:30:03
>レンブラント(>1561)
……雛鳥に似た誰かであれば、可能性はあるかもしれないね。
(とくとくと温かに脈打つ喉へ滑っていく指と、其処に備わる鋭い爪。命を遊ばれるようなその仕草の好きにさせ、己は彼の頬に当てた掌でゆったりと冷たい肌を撫でる。世間話の軽やかさと薄氷を辿る危うさを併せた会話は、首元から届いた硬い音に一度途切れる。「それは、」それから転がり落ちた声には緊張の糸が密かに縫われ、次にまた問いを積みかけたその眼前に現れたのは彼の掌上で囀り尾羽を揺らす白鷺。愉楽の混ざる言葉と共に畳まれていく指の内、その白鷺の悲鳴と雛鳥が己を呼ぶ声が重なって――咄嗟だった。彼の力に自身が敵う事は無いと解っていて、潰れる前に拳が緩められたのも見えていて、それでも気付けばその小さなものを庇うように彼の五指と白鷺の間に自らの手を隔てていた。「――…君はとても、上手なお人だね。」今の数秒、止めてしまっていた息を少しずつ取り込み、感情を抑え付けた静かな音色をまず一節。続けて、「いいよ。それならば僕は、僕の持ち得る全霊を以て“その時”まで生き延びてみせよう。だから、」芯を持って朗々並べ立てるは彼への宣誓、振り返り浮かべるは貴族の優雅たる笑み。……あの一瞬の間、恐れに粟立った背の震えも、跳ね上がった心臓の音も、今もまだ逸ったままの拍動も全て伝わっているだろう。それでも、「君も、僕の愛しい雛鳥達への約束を違えないように。」何もかも圧倒的な相手を前に、怖じ気を圧し潰し隠して高潔に見せる“強がり”を、微笑む眼差しに凛と宿して。彼が己を抱擁した際の、“もしも”の言葉を引き合いの契りと告げる。「…白鷺の彼に、誓っておくれ。」その最後、ふっと移した視線の先。彼の掌でふわふわ膨らむ羽を繕うその鳥を通し、今も遠い向こうで何も知らず生きる己が弟に馳せる慈しみを細めた瞳と柔い声に湛えながらも、己と同じ誓言を彼に確と求める。)
1564:
レンブラント [×]
2024-11-06 22:17:25
>グルース(>>1563)
……おおきに、
(取り乱すか或いは激昂するか、並の人間であれば大きく揺さぶられた感情に引っ張られて態度や行動にそれが発現してしまってもおかしくない自らの試しにも似た戯れに、期待に反さず彼は気丈を保ってみせた。無論それが虚勢だと見抜けないほど優しく無神経な怪物ではない、だからこそ自身の目には大きく跳ね上がるような鼓動も背筋の震えるような恐れも綯い交ぜに強さを圧し出す様子は大変可愛らしく好ましく映るもので。皮肉と取れる賛辞に三日月のように口角を吊り上げ背後にて小さく礼を、間髪入れずに「 君はめっちゃ魅力的な子や 」応酬を一往復だけ返すようにこちらからは心からの感想を。魔力でネジを巻いた分だけ動くに過ぎない錻力の玩具なのにやはり効果覿面だったらしい白鷺を取り囲むように、掌には黒い鳥籠が形成されていき「 勿論。悪魔は嘘吐くけど契約は守る――そういうもんや 」急に袋小路へ追い詰められ狼狽するようにきょろきょろと細い首を巡らせる自律人形に我ながら良いリアクションだと内心で微笑みながら、気を付けなければ一晩で失くしてしまいそうな小さな黒い鍵をそっと彼に差し出して。約束の夜、それと引き換えに白鷺は空へ解き放たれるのだと、そう示唆しながらぬるりと彼から離れるように姿を消しては瞬きのうちに眼前へ現れ胸に手を当て浅く礼を「 この白鷺は俺のモン。やから俺が誓うのは君自身にや、グルース 」それが未だ黒薔薇の目に留まらぬ本当の次男を指すのかそれともただ自分で作り上げた人形そのものを指すのか、煙に巻くように薄く微笑し腰を屈めてじぃっと彼の目を見つめて。もし彼が鍵を受け取ってくれたのならばその時点で契約は成立、ああ面白い愉しみが出来たと上機嫌に悪魔は微笑みを深め「 俺も作戦考えんとな。臍曲げた弟とどないして仲直りするか…どう転ぶか楽しみにしといてなあ 」サラサラと微かな音と共に足元から魔力の粒子となり掻き消えてゆく、特段呼び止められなければこのまま最後まで蛇のような笑みを残して幻の如く消え去るだろう)
1565:
グルース・リヨン [×]
2024-11-08 07:10:03
>レンブラント(>1564)
……それはどうも。
(彼の賛辞に、形のみの礼言を。それから彼の五指を塞ぐように白鷺と隔てた其処からも、震えが見付からぬ内にそっと手を離せば、掌のそれは何処からと無く組み上がった鳥籠に閉じ込められる。変化に戸惑う様子を見せるその子に“ごめんね”と、音無き唇で胸中の罪悪を詫びた後、次に眼前へ現れたのは黒い鍵。差し出された小さな小さなそれを、下から掬うようにして手の中へそっと収める。視線をそちらに取られた隙にまた失せた背後の気配は、瞬きと共に上げた視界の内に。此方を覗いて細まる琥珀を、臆さず逸らさず、真っ直ぐに見詰め返して微笑んで、「…ああ。君の行く先に幸あらん事を。」少しばかり強気な振りを。声色ばかりは穏やかに、消え行く彼へ祝福を贈って――静寂の帰ってきた室内。踏み締めていた足を緩めて座るベッドの縁で、落とした目線の先にあるのは契約の証。今頃になって押さえ付けた怯えが微かに揺らすそれをぎゅっと握り込み、その上へもう一方の手を重ねて、「――大丈夫、大丈夫。」胸に抱いて背を丸め、身ごと包んで温める言葉を溢す。「僕が守ってあげるから、君は何も知らずに、安心して眠っておいで。」泣く子をあやすように手の甲越しに鍵を撫で、此処から届く筈も無い安堵の情を、それでも淡く甘い音に乗せて。「エグレット――僕の可愛い白鷺、大事な家族。…君を愛しているよ。だから、」名を呼んだ彼へ紡ぐようで、自分を確かめるようでもあるその羽毛の愛の中、「……どうか“君まで”、消えてしまわないで。」“二度目”を恐れて悲痛に絞り落とされた、切実なおまじないと祈りを。……俯ききった顔は誰も窺えない、誰にも窺わせない。弱る姿を隠す小鳥の如く、吐息さえ潜めてベッドの陰にじっと蹲った後。ふと息を深く吸い込み、すっと窓の向こうを見上げた顔に怯えは浮かべず、ただ毅然とした笑みを湛えて、「……見ていておくれ、」凛と背を伸ばし立ち上がる姿は、目一杯に翼を広げ、気高く空へ飛び立つ鶴そのもの。「ねえ、――――。」その先に続けた名は、かの悪魔か白鷺か、それとも――知るは鶴に光を注ぐ窓辺の月ばかり。)
***
今宵も良い一時を過ごせた事に感謝を、サー・レンブラント。君は駆け引きの上手なお人だね、僕では敵いようが無い。……でも、愛しい雛鳥達のお話が出来て楽しかったよ、有り難う。
さて、それでは次は宝箱で紹介させてもらった虎の方の手番……と言いたい所だけれど、その前に少し相談かな。彼、まだ指名を決めきれていないようだから。
今、彼が候補として考えている怪物様はお三方。レディ・ゼズゥとサー・キルステン、それからサー・アッシュ。僕から見る限りどの方とも相性の不安は無いのだけれど、だからこそ迷ってしまってね。君達怪物様方から見て、このお三方の内と誰が良いのか尋ねたい、もしくは彼らと彼女以外でも気の合いそうな御仁が居たのならそちらの紹介を願いたい、というのが相談事の要点さ。……候補はあくまで候補で、正直どの方も魅力的だから、君達の思うままの答えをおくれ。
では、僕は一度休息を取るから、この先は虎の方にお任せしようか。……ふふ。またね、サー・レンブラント。約束の夜まで息災を祈っているよ。
1566:
レンブラント [×]
2024-11-09 10:55:26
>グルース(>>1565)
回収おおきになァ、俺の方こそ君の反応が可愛ゆうて楽しませてもろたわ。また遊ぼなあ。
次は早速虎の彼に会わせてもらえるんやね、相手に選ばれる怪物が羨ましなあ。そうやね、まず挙げてくれた候補は君の見立て通りこっちも何も不安ないわ。となると希望してくれとるルートと照らし合わせて誰がより適してるかやけど…秘密の共犯者の道はこンお屋敷とそれを支配する黒薔薇だけやのうて、おんなじように囚われた俺ら怪物全員を自分勝手な炎に巻き込ンで殺戮する修羅の道や。
キルステンは挙げてくれた中では一番精神が安定しとって、同じ境遇に苛まれる同胞の事もなんやかんや大事にしとる。せやから、かなり酷な道を歩ませる事になるやろなあ…まア漢気のある奴やから心中決め込んだら迷うことなく虎と並び立って突き進むやろけど。
ゼズゥは物分かりのいいツラしながら酒やら煙草やらナシやったら屋敷に囚われた運命を直視出来ひん危うい弱さを持っとる。こン屋敷と黒薔薇が憎うてしゃアないし、こっから解放されるならそれが死っちゅう極端な形であれ同胞にとっても救いになるんちゃうかて開き直れそうやね。現状に絶望しとっても自分の無力を理解しとるから動けん、そういう奴やからこそグイグイ手ぇ引っ張って道を切り拓いてくれる虎の彼ン姿はえっらい眩しゅう映るやろうね。
アッシュは自分を愛して認めてずっと傍にいてくれる存在を渇望しとるし、そんな特別が出来たンやったら何にも顧みることなくその存在の為だけに行動してどんな犠牲も厭わんやろうね。…厭えるアタマが無い、ちゅう表現の方が適切やけど。そういう意味では無垢で無邪気にいっちばん残酷な道をズカズカ無遠慮に驀進出来る奴や。喉から手が出るほど欲しかった特別な人間にこの屋敷から出たい、言われたら後先考えんと自分から「だったら屋敷を燃やしちまおうぜ」なンて言い出すかもしれんなあ。
挙げてくれた三人以外やったら、ジョネルやギレルモなんかもアッシュに近い属性で適性があるかもしれんね。どうやろ、こン情報でお相手絞れそうやろか。
ああまたなぁ、グルース。長生きしてや。
1567:
執事長 [×]
2024-11-09 12:51:14
【 黒薔薇屋敷の扉は開かれており、演者様を歓迎します 】
◆統一された世界観で、複数のキャラクターを気軽にCCしながら遊びたい
(基本的には各演者様にそれぞれの別の世界線があり人間同士の関わりを持つ事はありませんが、兄弟や姉妹等の設定であればCCしながら同じ世界線で遊ぶ事も可能です)
◆キャラメイクしたけれど満足に動かせず眠ったままのキャラクターの供養をしたい
◆亡国のお姫様、失地した忍者、古代のアマゾネス等々の一風変わったキャラメイクをしたい
――他にも、黒薔薇のお屋敷が演者様の楽しめる場となれれば幸いです
1568:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-09 17:26:00
>レンブラント(>1566)
よぅし、こっからは鶴の坊主に代わって、俺の出番だな。っつう訳で、此方さんじゃあ初めまして、黒薔薇の怪物さん方。
しっかり丁寧に答えてくれてあんがとな、悪魔のアンタ。話聞いても迷っちまう所は正直多いが、そうさな…そんなら、ラミアの嬢ちゃんと道を歩ませてもらおうか。なぁに、過酷な茨道なんぞこちとら百も承知、何もかもぶっ飛ばす勢いで手を引っ張って走ってやるさ。
そんじゃ、前口上はこの辺にして、とっとと舞台に上がらせてもらうとしよう。アレコレ寄り道したり、何か問題が起きたりするかも知れねえが、まあ後の事はまた後で考えりゃ良い。
これから宜しく頼むぜ、怪物さん方よ。
***
指名:ゼズゥ様
希望ルート:秘密の共犯者ルート
名前:ナミル・アッシャムス(Namir Al-Shams)
性別:男性
年齢:46歳
職業:商人
性格:気っ風の良い豪快な人物、が第一印象。怒る事の無い余裕ある感情表現ははっきりと、言葉や態度は堂々としており、他者から扱き下ろされたとしても心一つ揺るがず笑い飛ばす自信家でもある。それを裏打ちするのは、興味を持った何事も完璧と成すまで修練を積み重ねる、粘り強く妥協の無い努力家の片鱗。『有言実行・即実行』の自銘の下、良いと思った事を直ぐ様行動に移す活発さ、自分から積極的に声を掛ける社交性の旺盛さの反面、一人きりの寂寥と退屈が苦手。それ故、一人にしておけば突拍子も無い行動に出る事もままある。
容姿:身長194センチ。幅広の骨格に筋肉が乗るがっしりとした体躯に高めの体温。黒色の髪は芯を持った固い毛質であり、一度癖が付くと直り難い為、ベリーショートに整えて額を出す形に前髪を分けている。髪と同色の眉は太めで真っ直ぐ、笑い皺の付いた切れ長のアンバーアイと相俟って、虎のような意志の強さを窺わせる。全体的に彫りが深く、やや厚い唇と浅黒の肌がエキゾチックな雰囲気を纏わせている。ゆったりとした黒の開襟シャツ、白のスラックスと至ってシンプルな格好だが、どちらも専用に仕立てられた質の良い一品。シルバーリングを左手の薬指に着用、生まれつき左側の肩と鎖骨の境界辺りに目玉のような二重丸形の赤痣がある。
備考:15歳で故郷を飛び出し、その身一つでやりたい物に片っ端から手を広げ、宝飾品から不動産まで幅広く商業を育てて財を築き上げた後、それらを子や部下に引き継がせ早々に隠居した元企業オーナー。事故や病など原因は様々ながら、親族とその伴侶全てが40代の内に終命する早世の家系であり、本人が看取った内では、両親、兄姉、弟、妻が40代の内に逝去している。多くの命の終わりに立ち会ったが故か、「いつ終わっても笑って逝ける、悔い無き人生を」としたい事を貫き通す方向に志を決め、思い立てば世界旅行やら登山やらと日々エネルギッシュに驀進している。とうに成人し独り立ちしてはいるが二人の子を持つ父親でもあり、少々荒っぽいものの年下の面倒見が良い。声は強い意志と同じく張りを有してよく通る、重ねた年の分渋みの滲むバリトン。一人称は俺、二人称はアンタ、または呼び捨て。年若い相手には嬢ちゃん、坊主などと呼ぶ事も。
ロルテスト:
(朝日が昇る少し前、熱い珈琲を片手にルーフバルコニーへ上がって紫煙を燻らせる。手摺に寄り掛かってまだ静かに眠る街を眺めていれば、遠くから顔を出す太陽がゆっくりと夜を赤く焼いていく。「おう、おはようさん。」些かの眩しさに目を細めながらも、その光へ親しげな挨拶を投げるいつもの日課の後。珈琲を啜る傍ら今日の空っぽな予定を何で埋めるか暫し思考を巡らせ、「あー……そういや、アイツ店出したっつってたな。」思い出したのは少し前の友人との会話。念願のカフェ経営を始めたと笑う若き彼の背を叩いて祝福した事が記憶に新しい。「…よし、朝飯がてら顔出すか。」そう決めるが早いか半分程吸い残した煙草を消して、準備に戻ろうと踵を返したその隣のテーブルに、真っ黒な何かが乗っているのが視界を掠めた。「……ん?」改めてよくよく見たそれは薔薇を象る封蝋であり、無論用途に適した便箋が共立って置かれていた。「ほう。今時シーリングなんて、凝った真似する手紙もあったもんだな。」思わず零れた感心する言葉はさておき、その唐突に現れた不審物を手にしてみれば紙も蝋も中々の上等品、誰かの宝物でも舞い込んできたのかと辺りを見回すが、探す素振りをする人影はどの窓にも道にも見えない。首を傾げてその黒薔薇と向き合っていると、いやに中身への興味が疼いて仕方無く、気付けばぱきりとその封を割っていた。中に書かれたその一文を目で辿り、「……迎え、ねえ。」楽しげに呟きを返す。これは己に当てた文言だと、根拠は無くともそう直感して、「カッカッカ!良いねえ、俺を選ぶたぁお目が高い!いつでも来い来い、歓迎するぞ。」大笑いしてひらり振った紙が風に浚われ、舞い上がっていくそれを見上げ――覚えていたのはそこまで。次に開いた目に飛び込んできたのは見慣れない天井、それと素っ気無いが豪奢な調度品。「……何だこりゃ。」起き抜けの嗄れ声で疑問を落として身体を起こし、室内を見回しつつ眠る直前の事を思い返す。そう、確か日課の後に妙な手紙を見付けて――「……ああ、“迎え”ってヤツか。」思い当たるのはそれくらいしか有らず、一人納得した次に、「これじゃあ“迎え”というより“誘拐”だな。」実際そうであるかもしれない可能性を一息に笑い飛ばす。……さて、少しばかり状況の情報を、と探索に立ち上がった瞬間に響いたノック音。それに思案を回したのは刹那にも満たない間、欲しいものが向こうからやってきたとばかりに口の端をにんまりと弛め、「あいよ、ちょいと待ってな。」あっさり返事をして大股にドアへ近付けば、これまた呆気なく簡単に其処を開いてノックの主を不敵な笑みにて出迎える。)
Image:※じゃろ様の「uomo」をお借りしました。
https://picrew.me/share?cd=cFnC7vbJ18
1569:
グレン [×]
2024-11-09 21:14:49
>キルステン( >1562 )
( 純粋なる興味からなる質問に真面目に思案してくれる辺り、彼が “ 良いヒト ” なのは疑いようもなく。部屋が動くなんて事のない元の世界であれば彼のアイデアも突飛だなんて感じる事は無いのだろうが、今いるのは摩訶不思議な屋敷。首を傾げ考える仕草を見せるも良い案なんて浮かんで来るはずもなく 「 仲良くなった誰かしらに連れて行ってもらう、っていうのが一番マトモそうだね 」 苦笑を浮かべて。彼の様子を見て察するに屋敷の廊下のような危険と隣り合わせと言うことは無いらしい。それが聞けて満足、とばかりに足元を彩るかのような色とりどりの宝石の中から目当てを探すべく一歩二歩とゆっくりとした足取りで歩き回っているも、呼び寄せるように手招きをされれば側にしゃがみ込み 「 ふふ、確かに 」 視界に捉えた石はダークエルフの外見を彷彿とさせるもので。すうと目を細めつつも、それに対して然程心が惹かれないのはもっと彼らしい宝石が、色があるだろうと考えているからか。隣ではしゃぐ様子にゆるりと口角を持ち上げて 「 ねえ、こっちはどう? 」 手招きをしつつ案内をするのは先程見かけたアレキサンドライトに似たそれの所 「 キルステンの好みのど真ん中からは外れるかも知れないけれど、石言葉も含めてぴったりだと思うんだよね 」 月光の差し込む洞窟内では紅いルビーのように見えるだろうが屋敷の中、少なからず人間に与えられている部屋の中で見たならば青緑色に見えるであろうそれ。傍に欠片が落ちている事に気が付けば、軽く袖口で宝石を拭ってから 「 騙されたと思って部屋の中でこれ見てみてよ 」 彼が手を差し出してくれたのならば、その手の中に宝石の欠片をコロンと転がすように入れるつもりで )
1570:
ゼズゥ [×]
2024-11-09 23:37:56
>ナミル(>>1568)
(物憂げな視線を落とす先は両手の内に収まるグラス。あと少しで飲み干せてしまう量まで減った透明の液体に目を伏せ、傍に控えるトカゲの使い魔は空っぽになったボトルの上にちょろちょろと登り心配そうに主人を見つめ「 …分かってる。今夜は一本って約束だもんね 」力なく微笑しグリーンを基調としたネイルに彩られた指先でつるつるとした使い魔の鱗をそっと撫でる。小さなトカゲは心地良さそうに目を細め、また主人の深酒を止められなかったら…という懸念が杞憂に終わった事に安堵するようにその場でくるりと一周してからぷきゅいと鳴いて「 この近くに新入り?……そう、また… 」またひとつ、理不尽に黒薔薇へ縛られる命が増えてしまった。陰る表情を引き摺ったままとぐろを巻いていた下半身をしゅるしゅると解いて立ち上がり、手慣れているというよりすっかり癖になってしまったという手つきでテーブルの上のシガレットケースから黒い煙草を一本取り出し咥えながら自室を後にし、向かうのは件の不運な新入りの部屋。あまり煙の出ない仕掛けをしているのか、僅かな紫煙をくゆらせながらノックの応答を待つ事数秒。怯えなど微塵も感じさせない、寧ろ微かな喜色さえ含むような声が扉の向こうから聞こえてくればきょとんと眉を上げ、その表情のまま想像だにしなかった剛毅な笑みと対面し「 ……こんばんわ。あんた、人間にしちゃデカいね 」些か抑揚に欠けるトーンで思ったままを告げながら相手の顔を見上げ「 新入りって聞いたよ。色々困ってるだろうから説明しに来た 」端的に訪問の用件を伝えれば答えを待つこともなく上げていた視線を真正面に戻し、明らかに人ならざる下半身を器用にくねらせその鱗をずるずると引き摺りながら彼の横をすり抜けるようにして室内へと進み、まだどの怪物の残り香もない部屋に一番乗りだと悟りながら特段それを嬉しいとも面倒とも感じることなく彼の方に顔を向けて「 …煙草、苦手だったらごめん 」言いつつ消す気は無いのか、灰が床へ落ちる代わりに微細な粒子となってハラハラと消えてゆく不思議なそれを咥えたままソファーの背凭れ部分に両腕を置くようにして体重を僅かに預け「 あたしゼズゥ。あんたは? 」自然と視線の先にある、不気味なほど巨大な銀色の満月を見据えながら問い掛けて)
1571:
キルステン [×]
2024-11-09 23:39:24
>グレン(>>1569)
そういうコト。いいじゃない、アンタは他のコと違って頼む相手に事欠かないんだから
(この屋敷では風前の灯火に近い儚さをもつ命の炎、それが燃え尽きてしまう前に不思議なこの屋敷を探検したいと願う気持ちは理解できる。だがそれを易々と叶えられる獲物は決して多くない、彼のように特定の怪物から深い寵愛を受けるのならば話は別だが「 なあに? 」お気に入りの場所で煌めいているものに囲まれてすっかり上機嫌なのか、幾許か刺々しさが抜け丸みを帯びた声にて手招きに応じてカツカツとヒールを運び「 あら情熱的ね。嫌いじゃないわよ 」自身の顎に手を添えまじまじと見つめる紅は率直に綺麗だと感じるものの確かに選抜して自らの手元に持ち帰るほどのものではない。だからこそ光源が異なる場所でそれを見る機会もなく、どこか腑に落ちない様子のまま彼の意を汲んで片手を掌を上に向けて差し出し「 アンタ、石言葉なんていちいち覚えてンの?ロマンチストなのねえ 」指先でつまんだその欠片をあちこち透かして観察しながら、しかし変わる気配のない色合いに首を傾げてポケットへと仕舞い込み「 それじゃあ、ハイネにあげる石にも意味のあるもの選ぶワケ? 」ゆったりとしたテンポで洞窟を歩くヒールの音を響かせながら、自らも再度物色へと戻りながら語りかけて)
1572:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-10 11:24:59
>ゼズゥ(>1570)
(己が文字通り頭抜けた体格である自負から、ドアを開きつつ下げる癖の付いた視線の先で、躑躅を彷彿とさせる濃色の瞳と搗ち合う。「おう、こんばんは。嬢ちゃんこそ随分イカした格好だな。」初めの挨拶に添えられたものを褒め言葉として受け取り、それに此方からも一言お返しをした後、「そりゃあまた、わざわざと有難い。」礼の一声と共に、入室の素振りを見せた彼女へ一歩退き、少し離れた所でやっとその全身に気付く。――作り物とは思えぬ動きをする蛇の胴と尾。それにタトゥーかと思えた肌の鱗も、照明や月光を反射して艶々と煌めいている。しかしながらそれらに呆気に取られたのは一瞬の話、今は情報収集と頭を切り替え、丁度彼女の真正面へと当たる位置まで己も移動する。それから詫びる彼女へ上げた片手をひらひら軽く振って、「いい、いい。気にすんな。俺も煙草はやるクチよ。」そう寛大に笑みながら、どっかりと傍の椅子に脚を開いて座る。「俺はナミル・アッシャムス。宜しくな、ゼズゥの嬢ちゃん。」続けて名乗りに応じて此方からも堂々あっさり答えを渡したその次、「さて、自己紹介も済んだ事だし、アンタの親切にちょいと甘えさせてもらおうか。」本題とばかりに話の道を開拓しつつ、人ならざる何かへ対して距離を縮めるように、膝の間で手を組み上体を彼女の側に傾ける。「そうだなあ…まず此処が何処で、何の目的で此処に俺を置いたのか、その辺りを訊かせてくれ。」一番初めの小手調べ、まるで交渉事でもするかの如くじっくりと彼女の瞳を見据えた問いの後、「なにぶん、誰ぞに拐われる理由に心当たりが多くてなあ。こればっかりは見当がつかん。」ジョークなのか本気なのか、少なくとも喋る当人は些事とからから笑って質問の補足をし、そのまま彼女の返答を待つべく一度言葉を締める。)
1573:
ゼズゥ [×]
2024-11-13 10:47:02
>ナミル(>>1572)
……嬢ちゃん?
(どこか気怠い気性をそのままに僅かに瞼を押し上げることで眠たげな双眸を軽く瞠ったのは明らかにヒトよりは数段長い時を歩んできた自負から来る違和感、しかし何の説明も受けないまま理不尽に囚われた彼にそんな事は知る由もないと理解しているためそれ以上の追及はせず「 この姿がイカしたカッコに見えるなら、あんたの感性は〝こっち側〟だね 」人を堕落させる悪しき存在、毒牙によって命を蹂躙し自身の体積より遥かに大きな獲物をも丸呑みする貪食の怪物。蛇という生物が人間界で忌避される側だと自覚があるうえに、事実ここへ攫われてきた人間たちも往々にしてこの鱗や異形の風体をおぞましいものを見る目で眺めるもの。ゆえにあっけらかんと告げられたポジティブな感想は世辞の類であると解釈し、ふたりの間を隔てる埋めようのない種族の差を示唆するようにじつと見つめなければ見逃すほど幽かに口角を上げて。「 そう、気の毒。ここじゃあんた達は煙草一本味わう事もままならないのに 」此処で人間に対して保証されるのは最低限の衣食住であり、嗜好品は自動で支給される対象には含まれない。もし酒と煙草に依存する自身が彼らの立場に置かれればと思うとぞわりと背中に冷たいものが奔り冷汗が滲んでしまう心地で「 ……あんた、あっちで悪い事してたの? 」豪快に笑う彼に好奇でも嫌悪でもない純粋な疑問を宿した目を向けるが、しかし彼の態度の通り善人も悪人もこの屋敷では些末な事。どこから話そうかと一度煙を吐いてから食指と中指で吸いかけの煙草を挟み「 あの月見てよ。あれだけであんたが昨日までいた世界とは全くの別物でしょ?ずっと夜だし、魔法やら怪物やらで溢れてる。此処は黒薔薇のお屋敷、有り体に言えばあんたの死に場所。 」視線だけで示すのは窓の先に鎮座する滑稽なほど巨大な満月。次いで異世界を証明する自身の尻尾の先で一度だけ床をぽふりと叩いて見せて、初対面だがずいぶん剛毅な人物に思える彼に回りくどい表現は無用と抑揚に欠けた調子で淡々と紡ぎ「 このお屋敷に住んでるのは怪物とその使い魔、それと攫われた人間たち。あんたは数十億の中から怪物の食事に選ばれたの 」そこまで言い終えてから、まるで息継ぎでもするように当然のような手つきで一口煙草を吸って。屋敷に住まう存在についての言及にひとつ言い洩らした種があると気付けば視線を斜め上に向け「 ああ…忘れてた。もうひとつ、腹ペコのケダモノも屋敷のあちこちを徘徊してる。言葉の通じる相手じゃないから、見つかれば人間はすぐ食べられちゃう。あんた達はあくまでもあたしらの為の食事、だからそんな勿体ない目には遭ってほしくない。…この部屋はもうあんたのものだよ、ナミル。だから気兼ねなく過ごせばいいし、生活に必要なものは使い魔が世話してくれる 」同じく黒薔薇に囚われた身としては何百と説明してきた当然の事柄、しかし今しがた拉致されたばかりの彼には荒唐無稽と唾棄されて然るべき内容。ゆえに「 質問は? 」と余計な悲壮感を醸すこともなく惜しみなく求められた情報は与えると意思表示をして彼に視線を向け)
1574:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-15 21:14:23
>ゼズゥ(>1573)
(気怠そうな彼女の言葉の含みに異常事態である事は察しながら、動揺する様は微塵も無い。「いんや、別段何も。ちっとばかし好き勝手はしたが。」彼女が恐らく想像したような悪事には首を横に振り、しかし付け加えたそれが言葉通りの“ちょっと”ではない事は、不敵な悪戯顔で伝わるだろうか。――まず指し示された窓の大月に同じく視線を、次に揺れた蛇の尾にも瞳を。暈す真似をしない蓮っ葉な物言いで綴られる、妄誕出鱈目に思える話にも茶々や顰蹙一つ入れずに只黙って真剣と聞き入り。「……成る程なあ。」向けられる目と搗ち合ったのを切っ掛けに前のめりだった上体を背凭れへと移しつつ、五指で顎を擦ってまずその状況を飲み込む一声を打ち、思案するような数秒の沈黙の後。「――フハッ、ハッハッハ!」思わずといった具合に零れた息を呼び水に、顔を上げて呵々と笑い声を部屋に響かせ、「ああすまん、別にアンタの話を嗤った訳じゃあなくてな。」それから顎元の手をひらり彼女へ振って謝意を口にはするものの、それはどうにも未だ大笑の跡を引き摺った説得力に欠ける震え声。「いやあ、そろそろ俺もくたばる頃合いだとは思ってたが…そうかそうか、こりゃまた凄い奇跡に選ばれたもんだ。」その合間に気触れにも見える一連への説明とも、単なる独り言とも聞こえる言葉と、治まらない笑いにばしばしと膝を掌で叩く豪快な音を互いの間に置いてから少々。「おっとそうだ、質問だったな。……ちょいと失礼。」一つ息を吐いた折に問いを思い出し、首を捻る所作に続けて断りと共に椅子を立って、そのまま踏み出した足が向かうのはついさっき彼女が示した窓。其処から始めに空を、次に地を覗くようにじっくりと視線を動かして外を観察し、ほんの微か感嘆らしき声を落とした後に、その場から室内にも改めて目を巡らせる。「…ふむ、待たせた。」それが一通り済んだ所でまた椅子へと座り直し、「まず、此処が俺ら人間にとって死が隣り合う屋敷だってのは解った。この部屋に居りゃ比較的安全な事もな。その上で訊くが、」彼女の瞳を至極真摯に真っ直ぐ見詰め、己なりの解釈を告げる事で話を丸々飲み込む意を記す。だがその先には、「アンタらみてえな話の出来る怪物さん方と屋敷を歩くってのは可能か?…いやなに、折角知らん世界に来たんなら探検の一つでもしてみたいんだが、それが一人じゃ味気無えなと思ってよ。」危機感など無い――否、危険も承知で立ち向かう放胆な冒険心を、細めた琥珀の眼と吊り上がる口端に目映く宿して、それこそ無稽と評されかねない問いを堂々彼女へ投げ掛ける。)
1575:
ゼズゥ [×]
2024-11-16 08:56:08
>ナミル(>>1574)
確かに悪人には見えないね。……もうすぐ死にそうにも見えないけど
(この屋敷に攫われてきた人間は、その理由を明かされた時幼いほど泣き喚き老いるほど憤慨する傾向にあると感じていた。からこそ彼の静寂を打ち破る呵呵大笑には波紋の双眸を一度ぱち、と瞬かせ、豪快で活気に満ち溢れたように感じる眼前の獲物が自身の死期を示唆するような発言をしたことに違和感を覚えて小さく息を吐きながら見たままの感想を。窓から見える景色は果てしなく広がる黒い森と窓枠に這うように咲く黒薔薇と、人間だけでなく怪物をも矮小な命だと嘲笑うような無遠慮に巨大な月輪。それを眺める彼の魂胆を図れずただ黙して待ち、その間に吸い終わってしまった煙草の吸殻を指先で粒子のように消し去って、また彼と視線を合わせ「 無理。――って言っても、あんたなら独りで出て行っちゃいそうだね 」これまでの話を踏まえても恐れるどころか好奇に満ちたような目、それを真っすぐに見つめてしまえば何よりの説得力を感じて点々と鱗の這う両腕を組んで「 使い魔を経由すればあんたからでも怪物にコンタクト出来る。伝言なり手紙なり持たせたらいい 」ちらと視線だけで見遣るのはベッドの傍のデスクの上に備え付けらえた簡易なメモ用紙とペン一式。しゅるり、鱗同士の擦れあう音と共にまるでろくろ首のように伸びるのは蛇の肢体、腰から下を伸ばすことで立ち位置を変えることなく上身のみを彼に近づけ、グリーンのネイルに彩られた食指の先、その腹を彼の額にそっと押し当て「 話が通じるって言っても所詮あたしたちは怪物。それなりの役割を持って此処に居るから、食事の我儘に付き合うには何かしらの対価を求められるケースが大半と思っときな。中には無償で人間の世話焼きたがる変わり者もいるけど、当然引っ張りだこよ 」このまま指を当てていれば体温で火傷してしまいそうに錯覚して、言い終われば指と共に伸ばしていた体の部分をしゅるしゅると元のとぐろへ収納していき「 ラクシュエリとラザロ…それからキルステンもか 」五指を折りながら彼には馴染みのない名前を列挙、そうしてまた彼を見つめ「 ナミル、あんたは今言った三人の大好物。冒険のお供に選ぶのはやめといた方がいい 」彼からは死を忌避するような所感はないが、とはいえそれを歓迎し早死したがっているようにも思えない。余計なお世話と半ば分からぬ無意識のまま、熱を感じる指先をふうと吹いて)
1576:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-17 12:35:53
>ゼズゥ(>1575)
おう、倅やダチにもよく言われたな。“あと二百年は生きそう”だとかよ。
(彼女からの言葉にまたにっかりと口を緩め、親しいものとの軽口のやり取りを再現しては笑う声を噴き。己の問いに素気無い返答、しかしそれでも思案してくれている姿へ、「まあな。じっとしてんのは苦手な性分さ。」更にもう一つ意志を裏打ちする質を補足して。続けて彼女の視線を追って筆記用具を認識し、再び戻した視界の真ん前には濃色の瞳と細い指。「…成る程。なあに任せておけ、交渉事は得意な方よ。こちとら、それで食い扶持稼いだ人間なもんでな。」冷たい温度が伝わる額はそのまま、互いの立場をより明確にされる助言にも臆さず胸を張り、今までの経験に支えられた自信を全面に威勢良く言葉を返す。それから退いていった彼女の口からは、それだけでは人物の想像が付かない名の羅列。「ラクシュエリ、ラザロ、キルステン……解った。忠告あんがとよ。」それらを己の口でもなぞる事で確かに記憶へ貼り付けた後で、姿勢はまた彼女の方へと前のめりに。「そんじゃあ嬢ちゃん。――いや、ゼズゥ。」切り替えの一呼吸と瞬きの次、先程までの豪快な笑いを潜めつつも、余裕あるどっしりとした態度は崩さぬまま、茶化す真似をしない真剣な声で彼女を呼んで、「アンタなら、どんな対価がありゃ付き合ってやってもいいと思える?」一歩一歩ゆっくりと獲物との距離を縮めていく虎が如く、油断も不敬も無く確と瞳に彼女を捉えながら、話の参考とも交渉の開始とも取れる一声を立てる。)
1577:
ゼズゥ [×]
2024-11-17 20:24:03
>ナミル(>>1576)
…………、
(倅、と。その単語に反応するように華奢な肩をぴくりと揺らし口を噤み、今まで能面のようだった表情は哀しみを帯びて長い睫毛を伏せて。守るべき存在から彼を引き離した張本人ではないと頭では理解しながらも、〝子〟に関連する内容には何か含みがあるように沈黙を破る術を見つけられずにいる中、重厚感のある声に唯一の名を呼ばれてゆっくりと俯きがちになっていた顔を上げて「 ……旨くてキツい煙草と酒。 」少しの間が空いたのは対価を考えていたわけではなくそれを要求する事に少し後味の悪い恥ずかしさを感じているのと、人間の身で用意できるものではないと理解していたから。勿論最も欲しいものはこの黒薔薇の呪縛からの解放だがそれこそ誰に願っても叶わぬ絵空事、夢見の悪さは今に始まった事ではなくふるふるっと小刻みにかぶりを振って「 …煙草、作った事ある? 」ふとそう問いかけ、ちょろちょろと忙しなさそうに窓の外を這うトカゲの使い魔に視線を遣り「 あの子たちが調達してくれる既製品じゃもう物足りないんだ。だから自家製に切り替えたいんだけど、葉の組み合わせが何百通りもあるから難航してんの 」不健全極まりない事を言っている自覚はあるものの、これは互いにとって利のある取引の筈。魔界の葉は人間にとって猛毒、ゆえに人に依頼する作業ではないと分かっているが葉っぱ同士の匂いから人間独自の感性で奇跡的に理想的なブレンドを生み出せる可能性もある。恥じるな、と内心で己を鼓舞し真っすぐだけれどどこか照れくさそうな色を混ぜた複雑な表情で「 手伝ってくれる? 」と告げてはすぐについと目を逸らし)
1578:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-18 20:15:36
>ゼズゥ(>1577)
(己とは対照的に憂いを帯びた表情に、一瞬訝しむように片眉を軽く吊り上げる。しかし此方の声に応対して顔を上げた彼女が答えた物品へ、「お、そいつぁ良いなあ。俺も欲しい。」何処か気まずさを抱えた言葉ごとからり笑って、冗談混じりに相槌の一言を打った次、「ああ、シャグが俺の愛用煙草よ。」拘りの手巻き煙草を紙に包む慣れた仕草を、顔の横に備えた片手の指先で示してみせ。動いた視線に合わせ窓向こうを自身も窺えば、作業に追われるような心配に様子を覗くような、兎に角慌ただしい爬虫類の姿が視界に入り。これが先程言われた使い魔かと数秒好奇の光を注いだ後、彼女へと再び向き直った顔には、かっと照り付けるような太陽の如く快活な笑みを浮かべ、「おうとも、お安い御用。どうせ吸うなら、とびきり自分好みに拘ったモンが良いに決まってらあ。」一も二も躊躇いも無く頷いて、続けて取引を受け入れるついでに己の信条もさらっと流す。その了承の区切りに膝を一打ち、それから立ち上がって片腕を一回し。「ようし、そんじゃあ早速やるとしよう。その葉っぱってのは何処にあるんだ?」有言実行、善行――とは言い難いかもしれないが、少なくとも己にとっては善き事と疑わぬそれを即実行、と気合い充分に身の簡素な準備を整え終えれば、わくわくと心躍る色を隠しもしないやんちゃを滲ます面持ちでその肝心な葉の居所を問い掛ける。)
1579:
ゼズゥ [×]
2024-11-23 10:13:31
>ナミル(>>1578)
言ったでしょ、あんたは食事なんだから有害物質禁止。
(今までで最もメリハりのある声色できっぱりと言い切るのは何処かの誰かに向けたパフォーマンスのような色を帯びる。喫煙に至った経緯や目的はきっと自身と相手で大きく異なるのだろうが、同じ愛煙家として目の前に煙草があるのに吸えない辛さは身に染みて理解できる。彼がヘビースモーカーかは現段階では分からないけれど、少なくとも自身の食欲を揮わせる事のない相手ならば多少甘やかしてもいいだろうと蛇の身体を伸ばして相手の耳元に顔を寄せ「 …今のは建前。もし最高の煙草が完成したらあんたにも吸えそうなやつ分けたげる 」彼にとってこの手伝いの見返りは屋敷探検への同伴だが、それにオマケを付けたって理不尽な檻に閉じ込められた者同士罰は当たらないだろう。また日を改めて候補の絞った葉を持ってこようかと思案していた矢先、思い立ったが吉日を地で行く彼の様子に一度瞬きをして、それからふっと吹き出すように軽く笑って「 そんなに探検が待ちきれない? 」まるで腕白盛りで片時もじっとしていられない少年を見るような慈愛に似た何かを視線に織り交ぜ、彼のそういった特性が家系の呪いにまつわるものなんて想像する由もないままずるりと鱗を引き摺って唯一の出入り口である扉へと向かい「 …ついておいで。丁度すぐ近くの扉に来てるみたい 」背中越しに伝えるのはまるで無数に並ぶ廊下の扉の中身が刻一刻と交代しているような違和感を与える口振り。廊下の静寂を破るドアノブと蝶番の軋む音、それと重い質量を引きずる音――薄暗く、月光と燭台の灯りが頼りのそこは果てしなく続く無限の迷宮で、しかしほんの三つばかり先の扉を呆気なく開けばふわりと漂うのは複雑でエキゾチックな香り。「 入る前に一つ約束して。此処にあるのはこっちの世界の葉っぱばっかだから、人間のあんたには毒性が強すぎてあんまり長くは居させらんない。とはいえ人間を連れて来た事なんてないからどのくらいが限界なのかも分かんない――だから、体調がおかしいと思ったらすぐ言うんだよ 」言い終えてすぐ〝 分かった? 〟と顔を近づけてから、ついて来いと示すように先んじて部屋へと入る。そこは色とりどりの葉がそこかしこにびっしりと貯蔵或いは群生している無法地帯で、部屋の中央のテーブルには何百通りもの配合を試した形跡がごちゃごちゃと放置されている。いずれも長時間に渡る作業だったろうに室内に椅子が存在しないのは、この部屋の主がそれを必要としない種族だという事を如実に物語り「 …これでもある程度厳選したんだけどね 」瓶の一つを指先でなぞりながら、どこか恥ずかしそうな、それでいてうんざりするような疲労感を醸してぽつり呟き)
***
話し中にごめん。あたしの研究室のイメージ画像を【足跡】に公開したからロル描写の参考までに見てくれると嬉しい。葉っぱの種類とかは好きに創作・登場させてもらって構わないからね。こっちには反応不要だよ。
(https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/locus)
1580:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-24 12:20:27
>ゼズゥ(>1579)
おっと、手厳しい。
(今までに無いぴしゃりとした物言いに嘆く言葉を、それとは正反対に跳ねた冗談で返す。「……ほう。こりゃ頑張んねえとなあ。」しかしながらその後に続いた話には此方も声を潜めて、悪戯を企む子供にも似た顔でにんまり笑い。己の行動にか言葉にか、何にせよ向かい合う瞳が何処か和らいだ事に喜ばしげに目を細めつつ、「おうよ。こちとら意欲も行動も鮮度第一主義、やりたい事を前に黙って大人しくなぞしてられんのよ。」問いを肯定したその上から更にやんちゃ小僧のようなアグレッシブさを放る。彼女の進行に合わせて己も扉の先へと出る直前、まるで屋敷そのものが生き物の肚さながら蠢いているとでもばかりの発言に頭を傾げつつ廊下に足を進める。――月と蝋燭の見下ろす冷えた通路。目を凝らしても先を見渡しきれない闇を残し、その内に言葉通じぬ人喰いのケダモノが潜むという其処は、成る程ミノタウロスの迷宮の如し。「……ますます面白そうな所だな。」だがそれに萎縮する性根の持ち合わせは端から無し、短い歩数の合間にそう好奇の独り言を零していれば、また扉の開く音と共に、多くが絡み合う芳しい香りが鼻を擽る。意識をそちらに向けた瞬間、丁度彼女の注意と約束事が飛んできて、「オーケーオーケー、ちゃんと言うさ。」少々ばかり軽さはあるもののきっちりとそれに頷き奥へと歩を踏んで。――有らん限りに広がる、当然見た事も無い葉に所狭しと並べられた瓶達。「ははあ……こんな量、一人じゃ大変だったろうよ。」厳選したと告げた彼女に、今見ている何倍も種類があったのだろうと察しが付けば、そこに言葉を惜しみ無く掛けて、隣の彼女の肩をぽんと柔らかに叩いて労う。「そんじゃ……どれ失礼、」それからもう一声置いて前へ進み、テーブルの上の瓶の中身を幾つか吟味に持ち上げて、「ハハッ、凄い色してんなあ。…ああでも匂いは悪かねえな。」思ったままの感想を一人流した後、一度それらを戻して今度は壁際の棚へ。其処から一つ一つを取って鼻を利かせる仕草を繰り返し、多くの内から苦い香のする薄赤い葉と、潮に近い香の黒い葉の二つを手に残した次に数秒首を捻って辺りを見回す。些かの間唸った後、棚の隙間を縫って顔を出す、紫に青の粉が振られたような葉を下げる植物に指先を近付け、「……おっといけねえ。嬢ちゃん、これ俺が触って大丈夫なモンか?」触れるその前にはっと手を引き、この部屋の主たる彼女へ身ごと振り返って、指差したそれの危険性を先んじて問い掛ける。)
1581:
ゼズゥ [×]
2024-11-24 19:54:39
>ナミル(>>1580)
(自分で寄せ集めた葉達とは言え、強いフレーバーと毒性を求める余りかなり香りの主張が強い種類が選抜されてしまったこの空間は自身ですら長時間居れば頭がくらりとする夜もある。彼があまりにも豪胆なものだから半ば勢いに押される形で連れて来てしまったが、いざ密室になってしまえば人間の身で大丈夫なのだろうかと内心ハラハラしながら「 …ねえ、ほんとに大丈夫? 」強い香りに中てられてしまわないか心配そうに様子を伺いながら、蛇の肌には少々熱すぎる手のひらが触れた肩を冷やすように自身の冷たい手を当て「 乾燥させたら全部枯れ葉色になっちゃうの、勿体ない 」凄い色、という感想に釣られるように生きた葉を見上げながらぽつり呟く。無論煙草の色なんてどうでもよくただ絶望から目を逸らすための依存先としての役割を果たしてくれればそれで構わないのだが、色彩豊かに葉を茂らせるあれらを自身のエゴに付き合わせてしまう事には多少の負い目を感じて目を伏せ、しかし問い掛けにはハッとそちらを向いて「 ……素手はやめとこっか 」如何せん判断しかねるのは、怪物たる自身にとって無害な植物が人肌をどこまで侵食するのか見た経験が無いため。少々迷うように沈黙した後、熱いものを触る時に使用する分厚い黒のグローブを相手に手渡し「 …やっぱ自分の発想だけじゃ息詰まるもんか 」ちろり彼の手に選ばれた葉の組み合わせはとても斬新で、自身だけでならば辿り着く事のない選択。しかし妙に期待出来そうなそれらに感心したようにぼそりと呟いて、自身は中断していた作業の続きとばかりに迷うことなく彼に背を向ける位置の棚に手を伸ばし琥珀色の甘ったるい香の葉と、唐辛子を何倍にも凝縮したようなツンと痺れる刺激臭を放つ蘇芳色の葉を紙の上に選んでいき)
1582:
ナミル・アッシャムス [×]
2024-11-25 23:08:47
>ゼズゥ(>1581)
大丈夫大丈夫、身体は人一倍丈夫なもんでな。
(彼是と瓶を傾けてみる最中届く声に振り返り、自らの胸元を掌でばしばしと大仰に何度か叩き、風邪すら跳ね返していきそうな体躯の頑強さを主張する。それからまた遠慮無しに、しかし音を立てるような乱暴さとは無縁の丁寧な所作で片っ端から葉を吟味する。「……確かに。こんな見事なのになあ。」その途中で聞こえた一言へ、丁度手にしたマゼンタ色を室内の明かりに照らしつつ同調を零す。「おう、あんがとよ。」半端に下がっていた手を彼女が差し出すグローブへ軌道修正、それに指を通して拳を一度握り、爪の先まで馴染ませてから改めて目の前の葉を一つ拝借する。その香を確かめた後、植物の観察に少しばかり屈めていた背を伸ばしてテーブルへと足を運び、失敬した新品の紙の上へ持ったままの瓶の中身を乗せていく。「…なあゼズゥの嬢ちゃん、物でも策でも何でもいいけどよ、何かしらアイディア出すんなら誰かと一緒の方が良い。人が居りゃ居ただけ、視界が拓けて多くの道が見える。」作業の最中に徐と開いた口が紡ぎ始めるのは、先程の彼女の呟きに対しての言葉。「誰かの手を求めるのは何も恥ずかしい事じゃあない。寧ろ、勇気ある立派な決断さ。」目線は手元の紙と葉に、とんとんと指先で振るってその三種の量を調節しながら続けていくお節介じみた経験則の話は、瓶の代わりに紙を持ち上げた所で終いとなり。「……っと。そら、試作一号だ。」苦い薄赤の葉と潮の黒い葉は、後者の方をやや多めに。そのアクセントに燻したような渋く深い香の紫に青粉の葉を極少量。彼女の傍に歩み寄ってその調合品を互いの目の前へ向け、「俺の基準にゃなるが、取り敢えず酒に合いそうな香りのモンにしてみた。…アンタ、酒もやるんだろう?」まだ手探りの初回品、一先ずの選択材料としたのは他でもない彼女のもう一つの取引候補からの連想。「本当は味や煙の濃さも確かめられりゃ良いんだが……それは流石になあ。」何分異界の煙草葉、事前の注意もあって手出し出来ない所を補う為に、香り重視になってしまったのは否めず苦笑いを浮かべて。「兎に角まあ、これは単なる試しよ。好みじゃなけりゃ、それはそれで別に構わん。」しかし直ぐに表情の湿気を払って闊達に声を飛ばし、移った視線は彼女の手元。「そんで?嬢ちゃんのそれはどんなモンだ?」興味津々弾む問いに違わず、瞳を煌々と好奇に輝かせて彼女の持つ葉を覗き込む。)
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