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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
1421:
鳴海 司 [×]
2024-11-22 23:40:58
『ね、ね、先輩って彼氏いるんですかー?』『鳴海先生との絡みやばかったですー!』『山田先輩と付き合ってるのって本当ですか!?』
( 普段話す機会の無い先輩、ましてやコンテスト後ということもあって時の人となっている彼女の人気は凄まじく。矢継ぎ早に繰り出される質問や言葉に圧倒こそされてはいるものの、四方八方から投げかけられる声を拾い答えていく彼女のスキルはさすが今時の子と言えるべきか素直に凄いと思い。一方こちらは「あーもういっぺんに喋るなって!」という注意を何度かしてやっとひとつふたつほど言葉が拾える程度。『先生似合ってますよー!』『授業のときもそっちの方がいいんじゃないですかー?(笑)』と、まだ敬語が出る辺りはやはり1年生らしいのだが何だか威厳に欠ける気がするのはどの学年を相手にしても共通意識らしい。──『えま羨ましいー!』『先輩っ、私たちもお友達になりたいです!』『うちのクラス、昨日お菓子売ってて!余りで申し訳ないんですけど食べてくださいっ!』…と、しばらく経っても盛り上がり(特に彼女周り)は収まることを知らず。しかしその状況を待ってましたと言わんばかりに動き始めるのはやはり田中えま。『……ね、せんせー。御影せんぱい忙しそうですし、良かったらこの後えまとまわってくれませんかぁ?』いつの間にか彼女の側を離れていたらしく、抱き付きこそしていないもののさり気なくボディタッチを織り交ぜつつ小悪魔の誘惑は始まったようで。 )
1422:
御影 みき [×]
2024-11-23 01:28:47
あ、えと、好きな人はいるけど、お付き合いしてる人はいなくて…それからね、山田くんとはお付き合いしてなくてね ─── へ?お友達?みきで良ければ……!
( ひとつひとつ丁寧に、けれどあまり関わることの無い後輩たちへの対応はちょっぴり緊張気味に後輩たちからの様々な言葉たちに答えていくみきに対し、一方の彼はいつも通り一斉にではなくちゃんと1人ずつ喋らせていくスタイルを維持しており何だかいつもの自分たちのクラスメイトと彼を見ているようで思わずくすくすと柔らかな笑顔を零して。だがしかしそんな彼の様子を気にしていたのもつかの間、もう彼の方へ気を向ける余裕が無いほどに矢継ぎ早に言葉が飛んでくればもうすっかりえまへの警戒心も忘れてみきは後輩たちの対応に付きっきりになってしまい。もちろんその隙に小悪魔が巧みな技術で彼を誘惑しようと自分の元から離れていることにはすっかり気づかずに「 お菓子、いいの?じゃあみきたちのクラスのも後でお礼に持ってくるね。 」とニコニコ嬉しそうに後輩たちとの会話を重ねており。─── 一方、えまたちは。勿論そもそものえまの狙いは彼一択なのでもうみきの方へと目もくれることもなく、なんならクラスメイトたちがみきを捕まえている今のうちにとグロスで艶やかに彩られた唇を釣り上げては『 良いですよねぇ、せんせー?えまと並んで歩いても宣伝になると思いますよぉ。 』と彼の目的が“宣伝”なのであればミスコン準優勝の自分も視線を集めるには十分だろうと。 )
1423:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 02:03:03
んー……まわってやりたいのは山々なんだけどな。
とりあえず宣伝を任されてんのはあいつのクラスの分だし、御影がいないと2-Bが何を売り出してんのか良く知らないから俺には荷が重いっつーか。
( にこやかに手早く、しかし丁寧に後輩たちの言葉に答えている彼女を見ていれば周りに好かれるのも納得するほど鮮やかで。後輩女子たちからの信頼も上がれば、きっとまたこれで彼女に恋する後輩男子も生まれることだろう。だがしかし皆が皆純粋な気持ちで彼女に接しているかと言われれば実は違っていて、えまの取り巻きとも呼べる子たちが数人ほどそちらに混ざっており、先輩の意識を先生から逸らしておいてね。なんて友達のお願いを実行していることなど罠に掛かった2人が知る由なく。甘い毒のようにじわりじわりと的確に距離を詰めてこようとする相手の誘いには眉を下げて困ったような笑みを浮かべて。自分から見れば目の前の1年生はやはり子供にしか過ぎず、女としての策略を企てられているなんて微塵も思うはずも無い。変なところで鈍感なのもあり、口にする断り文句は裏のない本音。そういった用事が無いのであれば、可愛い生徒の頼みなら一緒にまわることなど容易いのだが今自分がまわっている相手は"彼女"なので。 )
1424:
御影 みき [×]
2024-11-23 08:47:31
『 …。え~、御影せんぱいだけずる~い。
えまもせんせーと“後夜祭デート”、したいですぅ。御影せんぱいにこっそり行けば、きっと怒られませんよう。 』
( 想定していたよりもずっと手強い彼に一瞬だけ天使のような笑顔から光が消えたもののそれは本当に瞬きの間のみ。直ぐに完璧に計算され尽くした笑顔を浮かべ直したあとに可愛らしい頬をふくらませた顔にしてみせればそのまま彼の耳元に唇を寄せて周りに聞こえないように後半部分をヒソヒソと囁いて。まるでそれが2人だけの秘め事であるように、共犯者を作るように甘美な声色でこっそりと彼を誘惑していけばおそらく自分だけが気付いているであろう揃いの薬指の黒い線をカリ。とよく手入れされネイルの施された指で軽く引っ掻いて。 本当はここら辺で軽く体を寄せてみたらコロッと行く男が多いのだけれど、残念ながら目の前の彼はそう簡単に絆されてはくれなさそうなのでそれ以外の自分が知り得る手段を使って落としてやろうとその瞳は虎視眈々と目の前の獲物を狙っていて。 )
1425:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 09:21:30
いや別に怒られたくないからとかいう訳じゃ……、
( 彼女に手綱を握られているかのように思われているのかと、田中えまの思考からは若干ズレていることになど気付くはずもなく渇いた笑いを零し。たった1学年違うだけなのに彼女よりもいやに蠱惑的な仕草や声色にある種の感心を覚えるも、やはり目の前の相手はただの可愛らしい"いち生徒"でしかなく。更には薬指に刺激を受けたことで黒い線の存在を思い出せば優しい目でそれを見た後そのまま相手に視線を向けて「──悪いな。昨日も言ったけどコレがある限りは予約されてんだ、俺。」と、むしろ相手にとっては悪手となり(此方にそんな意識などもちろん無いのだが)。子供のお誘い…もとい小悪魔女子の誘惑()をあっさりと切り抜ければ「御影ー。そろそろ教室戻るぞー。」と未だ後輩たちの輪の中にいる彼女へと声をかけて。 )
1426:
御影 みき [×]
2024-11-23 10:19:29
『 !
─── やっぱりせんせーって一途で素敵ぃ。じゃあそれが早く消えちゃうようにえまはお祈りしておこうっと。次はえまが予約させてくださいねえ。 』
( どうやら他の男だったら流されてくれるような内緒のお誘いはどうやら彼にとっては効果的どころかむしろ真反対。此方に見せたことの無いような慈愛に満ちた瞳は誰がどう見てもその黒い線で予約をした“相手”に他とは意味の違う愛情があるのなんて明白、えまは1度だけ彼に聞こえないように舌打ちをすれば直ぐに天使の仮面を被り直して変わらずあまったるい声で次の黒い線を引かせてとねだって。だってソレ、明後日とかには消えちゃうでしょう?そう言わんばかりに細められた瞳はわかりやすいみきとら違い感情の読めぬ不思議な色をしており。一方のみき、ようやく後輩たちとの会話に緊張も抜けていつものようにきゃっきゃとはしゃいでいたけれどそんな時でも好きな人の声はするりと耳に届くもので、彼から声をかけられれば「 はぁい!……またね、お話してくれてありがとう!とっても楽しかった! 」と人懐っこい笑顔で後輩たち(もちろん女子のみ)をぎゅ!と抱きしめてからぱたぱた彼の方へ駆け寄ってきて。「 ただいませんせー、待っててくれてありがと! 」と後輩たちに見せる笑顔とも同級生に見せる笑顔とも違う、彼にしか見せないだいすきの詰まったキラキラした笑顔を浮かべ。 )
1427:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 11:03:29
はいはい、来年覚えてたらな。
( 時折現れる仮面を脱いだ相手の本性は、隠すことに慣れているだろうおかげで此方が気付くことはなく。この黒い線、あくまで彼女の不安を少しでも拭えればと思って書かせただけのもの。それをわざわざ次書かせてくれだなんて、三十路のおっさんの予約なんかして何が楽しいんだか。と呆れたような溜息を吐くもそれを躍起になって拒否するのもおかしな話。仕方なく流すように来年(きっと自分は忘れているだろうが)の文化祭で機会があれば、という体でこの1年生のおねだりはここまで。もちろん来年自分が異動になるかもしれないし確約というわけでは無く。小気味良い返事と共に自分の元へ戻ってきた彼女を「どういたしまして。楽しそうで何よりだよ。」と、微笑みながら迎え。いつの間にか側を離れて教師の横に立っている1年生に気付いているのかどうかは分からないが、無事に後輩たちと楽しいお喋りを終えた様子には慈しむような視線が自然と向けられて。 )
1428:
御影 みき [×]
2024-11-23 11:26:08
うん!…あ、みんなにお菓子もらったの!
あとで一緒に食べよ。
( いつだって恋する乙女は大好きな人しかその瞳には入らないもの。優しくこちらを見つめるダークブラウンに嬉しそうにきらきらとした笑顔で先程後輩たちからもらったばかりの焼き菓子たちを彼に見せては、今日は昨日の文化祭よりもゆっくり出来る時間が多いだろうと貰ったお菓子は当たり前に彼と食べようと思っていたようで。そうして漸くえまに気がつけばさっき心の奥に遠のいたばかりの不安がじわじわと心が侵食してきたけれどそれを一生懸命に心の中に押し込めて「 えまちゃんも、連れてきてくれてありがとう!色んなお友達ができてたのしかった! 」となんにも知らない人畜無害な笑顔を浮かべて。もちろんえまはそんなこと面白くないだろうからこてりと可愛らしく首を傾げて見せれば『 いーえ。えまもせんせーとお話できて楽しかったですぅ。その“流行ってる薬指の線”、次はえまが書いてもいいって言ってくれましたし~。 』と敢えて彼のではなくみきの方の左手を指させば見る人が見たら悪意すら感じるだろう満面の笑顔でさらりと告げてはこれ以上話すことは無いのかひらりと手を振ってまたクラスメイトたちの輪の中に戻っていき。 )
1429:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 12:20:25
はは、ちゃっかり餌付けされてんじゃん。
( この短時間ですっかり手懐けられた(語弊有り)様子の彼女を可笑しそうに見つめながら、貰ったお土産は当たり前のように自分と食べる予定だという彼女の頭を優しくひと撫で。田中えまこそ綿密に練られたボディタッチを駆使しているが、こうして自分から触れるのは彼女だけだという事実は無意識ゆえに本人すらも気付いておらず。しかしそんな相手が去り際に放った一言は内容こそ間違ってはいないものの伝え方のせいで変な誤解を生んでしまいそうなもの。「なっ……、いやそれは…!…ら、来年覚えてたらって話だしそもそも絶対ってわけじゃ……!」なんて自分でも驚くほど慌ててしまったのは彼女にあらぬ誤解を抱いてほしくないがため。もちろん無自覚ではあるのだが、その慌てっぷりは本来えまからすれば色仕掛けしたときに見たかった反応で。のらりくらりと余裕そうに躱していた相手が慌てるのは、やはりその根本に恋敵の先輩がいる時だけ。だが決して悔しそうな顔なんて見せるはずもない小悪魔ナースが友人たちの所へと戻っていけば、後に残されたのはお揃いチャイナの2人組。『先輩、また遊びに来てくださいねー!』という後輩たちからの純粋な笑顔に押されて漸く賑やかな1-Aから廊下へと出て。 )
1430:
御影 みき [×]
2024-11-23 13:21:57
、─── … 。
( 彼に頭を撫でられて幸せにへにゃへにゃと頬を弛めていたものの、えまから告げられた衝撃的な一言にその瞳からはするりと幸せが抜け落ちて残ったのは驚きと悲しさと、ちょっぴりの落胆。そっか、みきだけじゃないよね。…みんなに予約する権利があるし、せんせーは不安がってたみきを励ますために書かせてくれたんだんね。言葉にはしないけれど心の中でどこか冷静な自分がそう囁いてくれたおかげで慌てた彼のフォローに対して何かを言い返すわけでもなく何事も無かったかのようににこ!と笑えば「 せんせー、帰ろ! 」とその件については何も言わないまま…否、言えないままに後輩たちにばいばいと手を振って1-Aの教室をあとにして。自分のクラスへの帰り道、“昨日1-Aはストラックアウトをしていたらしい”だとか“成功者が多すぎて途中でルールを厳しくした”だとか、出来るだけいつも通りにできるように話を絶やさずにぺらぺらと先程後輩から教えてもらったことたちを彼に話していけばあっという間に自分たちの教室。もちろんクラスメイトたちは2人の様子がずっと気になっていた為わらわらと集まってきて『 みき、先生おかえりー!デートどうだった? 』『 あ、お菓子持ってる、知らない人から貰っちゃダメって言ったでしょー 』『 先生お疲れー、着替えパーテーションの向こうにあるよー 』「 1年生がくれたのー、色んな人とお喋りしてしたよ!宣伝もしてきた! 」とみきは驚くほどいつも通りでクラスメイトと話し、男子生徒たちは『 、…あれ。御影レースのやつつけてなかったっけ 』『 さあ、そんなんつけてた?先生。 』とか話をしながら着替えを手伝おうとやはり彼の方に集まって。 )
1431:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 13:42:00
───…はー、やっと着替えられる…。
お前ら向こう1年は俺に感謝しろよ。
( 道中ひたすら喋り続ける彼女はいつも通りかそれ以上の勢いで口を挟む隙は与えてもらえず。しかしその様子がおかしいのは長く彼女を近くで見てきたからこそ明らかに分かるもの。あの年頃は大人を揶揄いたいだけ、子供の諍いみたいなものだと田中えまを少しばかり軽く見ていた自分の落ち度なのを今になって理解すれば、あれだけ特別だと喜んでいた薬指の線をもしかしたら来年は違う相手とお揃いにするのかもなんて彼女の心の中に重くのしかかっているのはいくら鈍感ノンデリに定評のある自分といえど分からないはずもなく。ただ残念ながら帰りの道中というのは早く感じるもので、タイミングを掴めないままあっさりと2-Bに帰ってきてしまい。こうなってはわざわざ彼女を連れ出して誤解を解くのもまた変に生徒たちが揶揄うだろうと今は諦め、労いの声に軽く返事をしながら『いや1年は長すぎだから!』とツッコミを受けながら指示されたパーテーションの向こうへと。手伝おうとしてくれている男子生徒の指摘に一瞬どきりと心臓が跳ねたが、「…最初っから着けてるじゃん。ほら、手首に。」と初期位置を微妙に操作しつつそれ以上は黙って着替え始め。 )
1432:
御影 みき [×]
2024-11-23 15:14:38
『 デート満喫してきた? 』
…。うん!たのしかった!いっぱいお写真も撮ってもらったよ。
( 確かに満喫は“していた”のだけれど、ラストはちょっぴりそうでは無かったかも。そんな事は絶対にこうして送り出してくれたクラスメイトに言える訳もなくみきはただただにこにこと笑って誤魔化して。だって楽しかったのは事実だし、デートということを彼に否定もされなかったし、それならデートは満喫してきたは嘘では無いので。相も変わらずきゃいきゃいと友人の恋愛事情にはしゃぐ女子たちと変わって男子たちのいるパーテーションの向こう側。彼の指摘に『 あれー、足じゃなかったっけ 』『 それお前の妄想じゃね?脚フェチじゃん 』『 まあ御影足綺麗だもんなー 』 『 チャイナ服スタイル見えるからいいよな、メイド服より俺好き。 』とわらわらと思春期男子的な会話を繰り広げつついつもの服装に着替える彼を適当に待っていて。 )
1433:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 17:36:50
『………みき、あんた何かあった?』
( きゃいきゃいとクラスメイトの恋愛トークに花を咲かせる中、彼女があきちゃんと呼ぶ恋愛上級者(らしい)ただ1人が少しの違和感に気付いたようで。散々盛り上がって周りが少し離れたところでこっそりと彼女に耳打ちを。日頃から相談に乗っていたりしているからこそ分かるほんの少しの機微を感じ取ったのだろう。一方パーテーションの裏側では華やかさや不穏さなど欠片も無く、ただひたすらにお年頃の男子たちが各々の感想を語り合っていて。着替えている自分はその話題にこそ混ざってはいないものの、男子たちの案の定と言った焦点の合い所にほら見ろ。と心の中で彼女に対して呟いてみて。男同士ということで気兼ねなくそんな会話を繰り広げているのだろうが、懸念していた視線が彼女に向けられていたのだと改めて分かると胸の内にはもやりとしたものが。「お前らそうやってはしゃいでられんのも今日までだぞ。…文化祭が終わって少しすれば、楽しい楽しい期末テストが待ってるからな?」着慣れた白衣に袖を通して着替えは終了、それと同時に意地悪い笑みを男らしく盛り上がる彼らに向けて。 )
1434:
御影 みき [×]
2024-11-23 18:10:05
、あきちゃん……。
─── …んーん、なんでもないの!お腹空いたなーって。
( 友人たちとこうして会話をしていればなんとなくさっきの出来事が脳の片隅に追いやられるような気がして、でもきっと彼を見る度に切り裂かれるようにずきずきと心が傷んでしまうんだろうなと思うと先程お菓子一緒に食べようなんて誘わなきゃ良かったかも、なんて考えてしまう始末。そんな自分が嫌でどうしようもなくなってきた時に声をかけてくれたのは自分がいちばん仲良しと言っても過言では無いあきちゃん。みきは驚いたように瞳を丸くさせた後にへらりと笑えばなんでもないとふるふる首を振って。だって今口を開いたら絶対にえまのことを自分の主観で悪く言ってしまうかもしれないし、ヘタをすれば彼にだって酷いことを言ってしまうかもしれない。あと泣いちゃうかもしれないし。そんな嫌な子には絶対なりたくなくて、みきは誤魔化すようにサラリと嘘をついて。─── そういえば忘れていた期末テスト。彼の言葉にぎく、とわかり易く男子たちの表情が固まったり嫌そうに歪められれば『 楽しんでる時に嫌な話禁止だろせんせー! 』『 期末テストなんてたのしくねーよ! 』『 あー今ので現実戻ってきちゃった折角チャイナ堪能してたのに! 』『 まじでやだ次赤点だったら塾行かされるんだよ 』とブーイングの嵐で。だがしかし彼が着替え終わったのならばもういいだろうとわらわらパーテーションから出てきては『なー御影聞いてくれよ鳴海先生がいじめてくんだけど』『 文化祭中にテストの話って禁止だとおもわねー? 』とみきの異変にはもちろん気が付かずに会話に巻き込んで。 )
1435:
鳴海 司 [×]
2024-11-23 20:31:13
『……そう?…なんかあったら言ってね。』
( 違和感を感じているのは確か。しかし友人本人が何でもないと言うのであればそれ以上に深掘りなんて出来ず、踏み込んで欲しくないことだってあるだろうと眉を下げつつも何かあった時は頼ってほしいと小さく伝えて。黒い感情を吐き出せないのは彼女がどこまでも優しすぎるせいだが、今この教室にいる誰もがそんな事分かるはずもなく(先生はもしかしたら心当たりはあるかもしれないが)。パーテーションの後ろから突如として聞こえてくる盛大なブーイングに教室内のクラスメイトが何事だと目を向ければぞろぞろと出てくる男子+教師。男子たちの会話の種が彼女のコスプレ関係からテストに対する阿鼻叫喚の嵐となったことで、爆弾を投げつけた本人は至極満足そうに笑っており。しかしこういう時に限ってわざわざ彼女を会話に巻き込むあたりは此方にも少々今は気まずいものがあって。「…人聞き悪いな、誰がいじめたって?散々楽しんだんだからそろそろテストの話題も織り込んで現実に戻してやろうっていう先生の優しさだろーが。」と、彼女の方には何だか視線を向けられずに未だ文句タラタラの男子たちの肩に手を回してだる絡みを。 )
1436:
御影 みき [×]
2024-11-23 23:41:43
……ありがとうあきちゃん。
あきちゃんの優しいところだいすき。
( 今はただ友人の優しさと気遣いがとても嬉しくて、みきは眉を下げながらふにゃりと笑えばちょっぴり泣いてしまいそうな顔を隠すためにぎゅ!と彼女に抱きついて。こうやって優しい人たちに囲まれて愛されているのだから、尚更心配をかけさせる訳にはいかないなぁなんて思ってしまうのはせめてもの強がり。本当は今にでも泣き出してしまいたいけれど、誰も困らせたくないのでせめて1人になるまでは我慢しようと。だがしかしそれから直ぐに聞こえてきたパーテーションの向こう側のブーイングにびく、と驚いたように肩を跳ねさせれば出てきた男子たちの言葉に困ったように苦笑いを浮かべ。「 みきも禁止だと思う~。 」なんて軽口を返しながらも気になってしまうのはどうにも此方と目が合わない彼のこと。男子たちに対してはいつも通りに見えるけれど、一緒にいる時間が長いからこそどこかギクシャクとしているのは伝わってきてしまい自分が最初に変な態度をとってしまったのがきっかけだけれど今の彼の様子で傷つかなかったと言えば嘘になるだろう。『 まだはえーよ!せめて明日でいいって! 』『 夢の国に遊びに行ってる最中に次の日の学校とか考えたくないのと一緒だって! 』『 ちょっとせんせー、あたしたちも巻き込まないでよー 』だなんて変わらずわちゃわちゃと彼と戯れてる男子や途中で野次を投げる女子を眺めながら、今の様子ならこっそりと教室を抜けられるかもとタイミングを見計らってみきはするりと教室を抜け出して。 )
1437:
鳴海 司 [×]
2024-11-24 08:15:47
───『あれ?みきは?』
( だる絡みをすれば絡み返してくる男子たちとわちゃわちゃやり取りをすること数分、彼女の方を見られなかったことが仇となったのかいつの間にかいなくなっていた事に気付いたのはそんな女子の一言。彼女の元気が無くなってしまったのは間違いなく田中えまと話した後なので原因を知っている分すぐさまフォローできなかった自分がやるせなくて。…否、フォローしようとはしたが普段は猪突猛進なくせにこんな時だけ身を引こうとする彼女に踏み込めなかった。「…じゃあ俺もう行くからな。しっかり宣伝してきてやったんだからこの後も頑張れよお前ら。」と周りに群がる生徒に声を掛けて自分も教室を後にしようと。────彼女がいない事に気付いて教室を出る少し前。『あれ、御影?』ひとり抜け出した彼女と別に元々教室に居なくてちょうど今戻ってきたのはヴァンパイアのコスプレに身を包んだ山田。言わずもがな先日のミスターコンにてこちらも一躍時の人状態、クラスメイトからいやに気合の入ったコスプレを施されていたらしい。 )
1438:
御影 みき [×]
2024-11-24 09:32:04
─── ……山田、くん。
( 少しだけ期待をしていた。もしかしたら少しでも彼も自分と同じ感情を持ってくれてるんじゃないかって。けれどやっぱりそれは自分の都合の良い妄想でしかなくて、あんなに特別だと思っていた左手の薬指が彼にとってどの生徒にでも書かせられるものなのだと気付いてしまった今は自分のそれすらもなぜだか凄く色褪せて見えてしまう。こんな単純な自分すらもとても嫌で、今にも涙がこぼれそうに鼻の奥がツン、とすればふと自分にかけられた声に顔を上げて。少し気弱で優しそうないつもの雰囲気とはまた違う、夜を総べるヴァンパイアの格好をした山田くん。クラスの女の子たちが今日の朝きゃあきゃあはしゃぎながらメイクアップを施していた甲斐があり、10人が見たら11人がメロメロになってしまいそうな完成度だ。みきは慌てて出かけていた涙を拭って「 山田くんも宣伝しに行ってたの?ヴァンパイア似合ってるね! 」と先程まで教室にいなかった理由を問いかけつつもにこにこと相手の様相を褒めて。 )
1439:
鳴海 司 [×]
2024-11-24 09:52:23
『宣伝ついでにちょっと他のクラスの友達のところにね。……それよりも御影、何で泣いてたの?』
( いつも通りの笑顔で相手を褒める彼女に特に変わった様子など無いように見えると多数の人間は言うのだろう。しかし彼女を想い、見続けてきた山田には彼女の親友に近しいほどの目が備わっているのは当然のことで。更にはほんの一瞬だけだが、目元を拭うような仕草のとき少しだけ目に光るものが見えたような気がする。そうなればもちろん気にならないわけがなく、先日見事に玉砕して"友達"としてまた一歩を踏み出したとはいえそう簡単に消えてくれない厄介な恋心がまたその存在を主張してきているようにも思えて。チャイナ服の彼女もとても可愛らしいが、自分だってガラにもなくこうしてコスプレ衣装を纏っているのはやはり少しでも想い人によく思われたいからという下心が無きにしも非ずなので。 )
1440:
御影 みき [×]
2024-11-24 10:27:05
、……。
……あのね、みき、バカだから。勘違いしちゃってたの。もしかしたらみきは特別なのかもって、……でも、違った。特別でもなんでもなかったの。
( いつも一緒にいる親友のあきちゃんに加えて、きっと自分が気がついたら彼を目で追ってしまっているのと同じように山田くんもそうして変化に気づいてくれているのだろう。自分勝手に告白を断ったくせにこういう時には頼るだなんてなんとも自分勝手だと思うけれど、ぽろりと出てしまった本音は留まることなく唇からこぼれ落ちていき止めることが出来ずに。彼も、それからえまも悪くない。ただ自分が一人で舞い上がっていただけ。ただそれだけのことなのに堰を切ったように零れ出した言葉たちと共にはらはらと瞳からは涙の粒が零れ、笑おうとしても表情筋はどうしても言うことを聞いてくれない。「 全部、みきが1人ではしゃいでただけだったの。……それに気付いちゃって、ちょっと悲しくなっちゃった。ごめんね、…こんなこと言っても、どうしようもないのに。 」きっと山田くんのことだから誰のこと、なんて直ぐに分かってしまうだろうけれどどうしても彼のことは悪く言いたくなくて、みきの口からは誰の名前も出てこない。ごし、と乱雑に涙を拭っては何とか動いた表情筋で笑顔を作り出しては、このまま山田くんの傍にいたらきっと自分勝手に甘えてしまうだろうと山田の横を通り過ぎようと歩き出して。 )
1441:
鳴海 司 [×]
2024-11-24 11:18:58
『勘違いって……。…俺には、そんな事ないように見えたけど……。』
( 先ほどまでの可愛らしい笑顔はもはや見る影もなく今やぽろぽろと涙の溢れてしまっている彼女からは、特定の相手に向けられた普段の自信たっぷりな"好き"という感情に逆に押し潰されそうになっているのではないだろうか。自分の口から言うのは何だか悔しいが、件の相手は第三者から見る限り彼女の想いには特別に応えているように見える。しかし彼女の口から出てくるのは自分自身に対する戒めのような言葉ばかりで。それはどこまでも優しい彼女ゆえにかもしれないが、それだと苦しいのもどこまでいっても彼女だけになってしまう。そんな事を思っていれば無理矢理動かしたであろう表情筋でぎこちない笑顔を作った彼女はこの場を後にしようとしていて。『──っ、御影…!』と、咄嗟にその手を掴んでしまい。 )
1442:
御影 みき [×]
2024-11-24 12:00:37
!
…………山田くん、…。
( これ以上ここにいたら自分を取り繕えなくなってしまうし、きっと山田くんにも迷惑をかけてしまう。その一心でこの場から抜け出そうとした体はその張本人によって引き止められ、みきの大きく開いた夕陽からはまたぽろりと一粒涙がこぼれ落ちて。この手を今すぐに振りほどいてしまえば良いのに、何故だかそれが出来ないのは今自分の心が弱っているからなのだろうか。それとも無意識に目の前の彼ならば確実に自分の味方になってくれると思ってしまっているからなのだろうか。そうだとしたら本当に最悪の子になっちゃう、とせめてもの強がりでふるふると首を振れば「 だ、だめ。……今、いつものみきじゃないから、…今は、ワガママな嫌な子だから、……山田くんを、困らせたくない。 」と、今すぐにでも助けを求めたいだなんて本音は言えるはずもなくただぼろぼろ涙を零しながら目の前の心優しい友人を困らせたくないのだと小さく答えて。 )
1443:
鳴海 司 [×]
2024-11-24 15:26:09
『…俺は御影のこと嫌な子だなんて思わないし、困ったりもしない。むしろ御影がこうして悲しんでいるなら俺は相手が先生でも──!』
……────俺がなに?
( 止まる事なく彼女の頬を伝う涙を見ていれば握る手には無意識に柔く力が込められて。しつこいと思われてもいい、好きな気持ちは持つだけならタダなんだから。そう自分に言い聞かせながら潤んだ夕陽色を真っ直ぐ見据えては、彼女の心をここまで乱している相手が誰であれ自分が彼女を幸せにしたい。だがその言葉が口から出るより先に聞こえてきたのは、ドアが開く音と同時にきょとんとした顔でこちらを見る件の相手で。───教室からいつの間にか居なくなっていた彼女がどこへ行ったかは分からないが、変な誤解を生んでいることは確か。とりあえず探し出して弁明を、と思ってドアを開ければ思いの外近くにいた彼女ともうひとり。最後の部分しか聞こえなかったが、彼女を前にして"先生"という単語が出たのならば十中八九(自意識過剰かもしれないが)自分の話題だろう。しかしほんの少し前まで何も無かったはずが今は涙を流している彼女を目の当たりにすれば、どこかバツが悪そうな顔を浮かべながらも「あー……山田悪い、ちょっと御影借りていいか。」と伺いを立てて。 )
1444:
御影 みき [×]
2024-11-24 16:52:44
っ、─── …せんせ、……。
( いつも声が聞こえれば心臓が浮くようにふわふわと心が暖かくなるのに、今だけは大好きな彼の声が心臓を締め付けるように痛くて。思わず繋いだままの山田の手にぎゅ、と力を込めては大好きだけれど今一番顔を見られたくないのも間違いではなくて思わず顔を逸らしてしまい。さっきみたいにへらへら笑える自信はもう無いし、今彼から“特別じゃない”といった意味合いの言葉が降ってきたとしたら立ち直れる自信がない。そんなみきの変化を山田も感じ取ったのかみきの手をそっと握り返しながら『 ……でも、御影泣いてます。…もし先生が泣かせたんたまとしたら、御影を先生の元に行かせる訳には行きません。 』とどこか吹っ切れたような真剣な瞳で彼へと返して。 )
1445:
鳴海 司 [×]
2024-11-24 21:17:35
───…ま、そりゃそうか。
悪かったな。お前らのクラスに貢献はしたし後は楽しんで適当に頑張ってくれ。
( 明らかにいつもと違う彼女の反応と、そんな彼女を守るように立ちはだかる山田。お互いに手を握り合っている同い年の2人はどこからどう見てもお似合いでほんの一瞬、僅かに寂しそうな色が瞳にちらつくもすぐさまパッといつもの調子に戻し。元凶と呼べる事が他にあったとはいえ、その元になったのは自分である事に間違いは無いので山田の言葉を否定するつもりはないしそもそも出来なくて。くるりと背を向けてひらひらと手を振りながらその場を後にしては、着飾ったコスプレ衣装から普段の装いに戻った事で比較的歩きやすくなった廊下を進んで。──彼女との宣伝行脚で他のクラスも一通り見たし、何だか少し疲れてしまったような気もするので足は自然と準備室の方へと向かい。 )
1446:
御影 みき [×]
2024-11-24 21:47:26
、…ま、ッ…………。
( 待って、なんて今は言えなくて。けれど彼が否定もせずに去ってしまったというのならばもしかしたら本当にそういうことなのかもしれないとまた一粒涙を零しながらひらりと手を振る彼の後ろ姿を見つめることしかできず。本当にえまちゃんにも予約させるの?それは特別じゃなかったの?なんて。みきだけがせんせーの予約をしたいから他の子には触らせないで、なんて。ただでさえわがままばかりなのにこれ以上の我儘なんてきっとただの一生徒には許されるはずもない。なのにどうしてか、心が引き裂かれそうなくらいに痛くてみきは思わずその場にしゃがみこんでは一向に収まらない雫をぼろぼろと瞳から落とし続けることしか出来ず。きっと呆れられたし、嫌われてしまった。あんなにキラキラ輝いて見えた左手の薬指の宝物は、もうなんの効力もない黒い線に姿を変えてしまい。─── 一方、暫くして準備室の扉を叩いたのは今回の騒動の原因と言っても過言では無い田中えま。ちょっぴりヒビが入れば良いなぁくらいに叩いた結果思っていたよりもずっと関係が壊れてくれたので非常に上機嫌である。ぱたぱたと走ってきて、それから扉の前でちょっぴり止まって、それから扉を開ける。まるで誰かさんの移しのような流れで準備室の扉からひょっこりと顔を出しては『 ─── 失礼しまぁす。 』 とにっこり可愛らしい笑顔を浮かべ準備室に足を踏み入れて。 )
1447:
鳴海 司 [×]
2024-11-24 23:04:01
『……御影…………、』
( 手は繋いでいても彼女の瞳はこちらを見ていない、涙に塗れた夕陽色に映るのは段々と遠ざかっていく白衣のみ。こんなに悲しんでいてもやっぱり彼女の心は他に助けを求めるような事をせず、きっと自分では彼の代わりになんかなれないのだろう。改めて気付かされてしまえば、それでも尚消えてくれない恋心の厄介さに眉を顰めながら崩れ落ちる彼女に何て声を掛けたらいいかも分からない山田には名前を呼ぶのが精一杯で。────がやがやと賑やかな廊下でもこちらに向かってくる足音はよく聞こえる。しかし良く聞き慣れたいつもの足音ではないと気付くのは容易で、扉が開いた先で顔を覗かせたのはやはりいつもの相手では無く。ふぐ太郎たちに餌をやりながら甘ったるい声に相手を認識こそすれどそちらを見る事なく「何か用か?」と一言返して。 )
1448:
御影 みき [×]
2024-11-25 00:23:06
…山田くん…。
─── … ごめんね、ありがとう。みきが困ってたから、庇ってくれたんだよね、
( しゃがみこんで暫く。小さな声で隣に居続けている心優しい友人に改めて感謝と謝罪を述べては涙に濡れた赤い目元でへらりと笑って。きっと山田くんが止めてくれなかったらきっと彼に感情のままに酷いことを言ってしまっていたかもしれないし、もっと傷つくことになっていたかもしれない。今でも傷ついていないと言ったら嘘になるけれど、想い人に真正面から“特別じゃない”と言われるよりはよほどマシだ。すり、と特別ではなくなってしまった宝物を擦るように指先で撫でては「 これも、……消さなきゃ。 」と小さく呟いて。ただの黒い線が予約と虫除けになって、それから特別になって、昇格して。お風呂に入る時に消えないように毎回慎重に薬指を保護していた努力もなにだかとても愚かしいものになってしまった。それでも今直ぐにこれを消すような気持ちにはなれなくて、結局自分の弱さを自覚してしまえば苦しそうに眉を下げて。─── 合わない視線と、それから簡潔な言葉。てっきり足音で騙されてくれるかと思っていたけれど想像していたよりも二人の関係は深いものだったよう。…それを壊すのが楽しいのだけれど。えまはにこ!とそんな黒い心を誤魔化すように改めて笑顔を浮かべ直しては『 昨日作ったマフィンがまだ余ってて~、せんせーに差し入れに来たんですぅ。さっきは人がたくさんいて渡せなかったから。 』と可愛らしくラッピングをされた甘そうなマフィンを取り出しては彼の隣に遠慮なく近付いて。いつも餌をくれる人間とはまた違う人間だと認識しているのだろうか、パクパクと先程まで餌を食べていたフグ太郎たちはふいと水槽の奥に泳いでいってしまえば興味なさげにそれを見下ろしながら『 可愛い~ 』と適当な感想を零して。 )
1449:
鳴海 司 [×]
2024-11-25 08:09:53
『…え、と……いや、大した事したわけじゃないからさ……。』
( 向けられる笑顔は普段であれば心が温かくなるような素敵なものなのだが、今はただただ痛々しくて。さっきのだって、庇ったといえばそうかもしれないが本当は2人の間に何があったのか聞きたかった。ほんの一瞬だったが先生が見せた陰りのある瞳に、きっと深刻なすれ違いが起こってしまっているのではと勘付いてしまったので。自分の気持ちを知っている友人たちからすれば、想い人がこうして傷心しているのなんてまたとないチャンスだと言ってくることだろう。しかし二度フラれたうえでまだ好きだという気持ちを手放せない自分が言うのも何だが、そんなのはフェアじゃない。昨日はあれだけ嬉しそうに見ていた薬指の線を、決して望んでいないような声色で消そうと呟く彼女の隣にしゃがみ込んでは『…ダメだよ御影。それ、すっごく大切そうにしてたじゃん。……もし本当に消したいなら止めないし、その時点で俺は御影が先生のことすっぱり諦めたと思ってまた告白するから。…でも、もしもそうじゃないなら、1回ちゃんと話をしてみた方がいいと思う。先生と生徒なんてもちろん許されることじゃないけど、それでもこの2年間ずっと見続けてきたんでしょ?…諦めるにしてもそうじゃ無いにしても、俺は御影が後悔しないやり方を選んでほしいと思ってる。』優しく、しかし芯は強い言葉を目の前の彼女に投げかけて。相手が例え自分の好きな人でも、"恋する友人"を応援しないなんてそんなの友達とは呼べないので。────「そっか。机の上に置いといてくれ。俺ちょっと忙しいから。」蜂蜜のようにねっとりとした甘ったるい声で近付いてくる彼女に淡々と返事を返せば、やはりそちらを見る事なく次はふろすけの方へと餌やりを。普段聞く"可愛い"と違って何とも中身の無い感想は、その言葉を向けられたふぐ太郎たちが凍えてしまうのではというほど冷たいもので。 )
1450:
御影 みき [×]
2024-11-25 09:49:02
、っ~……。
だ、って。他の人にも書いていいって言ったんだよ。みきにとっては特別でも、…せんせーにとってはそうじゃなかったんだもん。
( 山田くんの言葉が心に真っ直ぐ突き刺さってきて、そして抉ってくる。心の奥底では彼がそんなことを簡単に言うような人では無いとわかっているのだけれど、でもあの時に慌てていたということはやっぱり言ったのかもしれないと不安になってしまう。しゃくりあげて涙を零しながら苦しげに言葉を吐いている姿はどこからどう見ても消すことを良しとしている姿ではなく、けれど結局は想定している最悪があった時に傷つきたくないから逃げているだけなのもわかっているのだ。これを山田に言ってもどうしようもないことも。みきは左手の薬指をギュ、と握っては消え入るような小さな声で「 ……でも、ほんとは、消したくないの、…せんせーは、違うかもしれないけど。……みきにとっては、宝物なの。 」と何かに縋るようにも感じる震えた声で呟いて。─── 想定していたよりもどうやら彼の精神的にもダメージがあったようで、ちらりと横の彼を見やってはにっこりと笑って『 はぁい。……忙しい時に来ちゃってごめんなさぁい、忙しくない時ならまた差し入れに来てもいいですかぁ?料理部、作ったものたまに余っちゃうんです~。 』まるで相手の神経を逆撫でするようにゆったりとした喋り方と、自分の可愛らしい部分を全部理解しているような首の傾げ方。この場合はワザとやっているのだけれど、取り敢えずはどんな形であれ彼の頭の中に自分の存在を刻み込めれば良いと作戦立てているのだろうその瞳は蠱惑的に彼を見つめ続けて。 )
1451:
鳴海 司 [×]
2024-11-25 11:33:37
『そ、れは………う~ん…──でもあの先生がそんな事はっきり言うかな?…例えばだけど、他はダメだけど御影だけOKってそんなあからさまに贔屓しちゃうとどうしても変な風に見られちゃうだろうし、本意は違っててもその場ではそう言うしか無くてやむを得ず、とか。』
( 教師と生徒の恋愛なんてドラマチックで憧れる人もいるだろう反面、少女漫画の題材としてもよくあるという事はあくまでそれを憧れとして消化しているから。本来は難しいどころか御法度なので、そういった関係にあった2人が異動や転校によって引き裂かれたりするのが悲しい現実だろう。恋敵として見てきた相手は目の前の彼女のことをきっと誰よりも想っていて、立場上どんなに動きにくいことになっても何かあれば守ろうとしているように見えていたのだが、と首を傾げて。耳を寄せないと聞こえないような小さな声で漏らす彼女の本音は、聞いている立場としては複雑ではあれどそれでこそ本来の彼女だと何処か安堵するものもあって。『うん、御影がそう思うならそれでいいんだよきっと。』と優しく微笑んで。────少しばかり冷たいような気もする言い回しも気にする様子のない相手はどうやらまた理由を作って来ようとしているらしい。小さく溜息を吐いては「…あのな、昨日も言ったけど此処は遊びに来るところじゃないんだよ。差し入れも別に迷惑とは言わないけど、仕事してたらゆっくり食べることも出来ないしダメにするのも悪いから、俺に差し入れはもういいから自分で食べるか誰か他の人に渡してくれ。」と、漸くこちらを見つめる相手の瞳をしっかり正面から見据えて抑揚のない声で淡々と告げて。相手に向けた言葉は、彼女が此処へ来る日常を思えばすべてが正反対。しかし本来は教師のいる所などそういう使い方なのだとどこか自分に言い聞かせるようにもしながら、とりあえず今目の前にいる相手の願いは聞き入れられないと示して。 )
1452:
御影 みき [×]
2024-11-25 13:33:19
─── …そんな、みきに都合のいいこと……あるのかな。
……ばかだから、勘違いしちゃう……。
( ずび、と鼻を鳴らしては心優しい友人の意見に不安げに眉を下げて小さくぽそり。彼はいつだって自分を守ろうとしてくれていて、自分の立場が危ないのに家にだって入れてしまう優しい人。それはよくわかっているけれど、あくまでそれは“学校の生徒だから” だとずっとずっと勘違いしないように自分に言い聞かせてきた。そうでなければ今のように勝手に期待をしてしまうから。みきは少し薄くなってきている黒い線をぼんやりと眺めたあとに涙に濡れた瞳で隣の山田を見つめては困ったようにへらりと笑って。こんなこと親友にも言えないのに、不思議と目の前の友人になら言えてしまう。きっとそれは自分が彼のことをずっと見ているように山田くんも自分のことをずっと見ていてくれたという自信があるから。みきは山田の優しい笑顔に釣られるようにふにゃりと微笑んでは「 ……うん。消さない。大切な予約だもん。 」と今度は大切そうに指で線をそっとなぞり。─── もう少し濁すかしらと思っていたけれど、どうやら目の前の彼も少しピリピリしているよう。うんうん、そうやってマイナスでもいいからえまが刻まれればいいんだわ。そんなふうにぼんやり考えながらえまは漸く自分を真っ直ぐに映したダークブラウンを満足そうに見つめては相も変わらずふわふわとしたような口調は崩さずに「 なのに、御影せんぱいは良いんですねぇ。毎日のようにここに来てるし、せんせーも来ない日は“物足りない”んですよね?……アハッ、差し入れも。御影せんぱいが調理実習のときにここに持ってきてるのえま知ってますよぉ。─── … まあでも?その黒い線、来年はえまも書く権利があるみたいですし。まだまだ入り込む余地ありそうで安心しましたあ。 」とくすくす笑って。 )
1453:
鳴海 司 [×]
2024-11-25 15:04:51
『誰かを好きになるのってさ、ばかになるくらいでちょうどいいんじゃないかな。…俺だって今なら先生から御影のこと奪えるかもなのに、こうやって励まして応援しちゃってるあたりばかだなーって思うもん。』
( 少なくとも自分が見てきた限りの話にはなるのだが。人が大勢いるところであからさまに彼女だけを特別扱いするほどあの先生は考え無しではないらしい。とはいえお互いの立場を考えて立ち回るくせに肝心なところは上手く伝えられないあたりがばかなんだろうなぁと、自分たちより遥かに年上の恋敵を自分でも驚くほど冷静に分析して。自分自身に呆れたような溜息を吐きながら、もはや隠す必要のない彼女への恋慕を交えてへらへらと笑って。そうして黒い線を再び大切そうに撫でる彼女に心から安心したような笑みを浮かべては『……先生のとこ行かなくていいの?文化祭終わったら打ち上げあるし、御影は今年すっごく盛り上げたんだから絶対クラスのみんなに連れて行かれるんじゃないかな。』時間は有限で、きっと文化祭が終わればクラスメイトたちは悪気なく彼女を捕まえて連行していくだろう。時間が経てば経つほど仲直りは難しくなっていくし、もしも動けるのならば早いうちがいいのではと小さな声でアドバイスを。────ツッコまれてもおかしくないよな、と自分でも先ほど出た言葉には違和感しかなかった。しかし焦るような素振りもなく「あいつは赤点常連の問題大アリ娘だからな、放課後はここで勉強教えてんだよ。差し入れも勝手に持ってきて勉強の合間に"あいつが"食べてるし、水槽洗ったりとか他の手伝いをしてもらって内申調整してるだけだよ。」と、よくもまあペラペラとよく回る口だなと自分でも感心してしまいそうで。まあ実際に勉強を見る事もあるしあながち嘘というわけではないのでセーフだろう。どこか挑発めいて聞こえる彼女の言葉は間違いでは無い。人の指に線を引きたいだなんて権利は確かに目の前の彼女にもあるが、だからと言って相手の為に空けておくという必要もこちらには無くて。徐に机の上から黒いペンを拾い上げてはキャップを外し、少し薄くなっていた自分の指の黒い線をキュ、となぞれば再び存在感を増したその線を見せるように「……そもそも書くにしてもこれが消えればって話だよな。残念だけどまだまだ消えなさそうだから、来年必ずって確約は出来なさそうだ。」と初めて田中えまに対する笑みを──にやりと意地悪い笑みは普段彼女を揶揄うときに向ける愛情の込もったものではなく、黒くてどこか敵意が込もったものとなり。 )
1454:
御影 みき [×]
2024-11-25 17:25:38
山田くん…。
……っ…みき、きっと山田くんのことバカだって思わないよ。すっごく優しくて、すっごくお人好しで、すっごく真っ直ぐで、すっごく大好きだもん!
( さっきまで泣いていた涙に濡れた夕陽色は真剣で、心からのありがとうと友人としての大好きを。彼の言うとおり、この流れに任せて彼のことを酷く言って自分を奪うだなんて至極簡単なことなはずなのにそれをしないのはきっとみき自身が心の底では彼を求めているということを彼が理解しているからこそのこと。どこまでも優しくてお人好しなこの友人は、そんな自分を馬鹿だと思っていても味方をしてくれるのだから本当に感謝をしてもし足りないほど。親友にすら見せられない涙を見せてしまったのはきっとそんな彼に心を許しているからに違いなく。そうして小さいアドバイスにハッと顔を上げれば、行かなきゃ。と小さく呟いた後に改めて山田の両手をぎゅ!と握っては「 ……みき、行ってくる。けど、…が、頑張れるように、頑張れって言って、? 」と力強い言葉始まりから段々尻窄みに言葉が小さくなっていけば、彼からしてみたら酷い事なのは分かっていてもどうしてもあと一歩の勇気が出せずに眉を下げて。─── 彼の言葉はマァ理屈は通っているし実際勉強を見ている日もたまにあるのだろう。まるで用意されていたかのようにぺらぺらと出てくる彼の言葉にもニコニコと可愛らしい天使の笑顔を崩すことはなく、だがしかしその笑顔が崩れたのは彼自身がペンで線を上書きした瞬間。自然に消えるという至極真っ当な自然の摂理に逆らって書かれたそれでは、まるで“御影みき以外に書かせるつもりはない” と言っているようなもの。更には生徒に向けるものではないであろう笑顔にさすがのえまもぴく、と眉をひそめては『 …何それ。また消えそうになったら書くつもり?馬鹿馬鹿しい。 』 といつものふわふわとした甘ったるい声では無い、恐らくこれが素なのであろう棘のある言葉を返してはもうすっかり興味は失ったのかくるりと踵を返して『 御影せんぱいの手もそうやってまたペンで汚すつもりなんですかねぇ、……山田せんぱいとか、そんな洗ったら消える線じゃなくて安物でも指輪とかくれそぉ。“高校生同士のカップル”なら、周りに配慮する必要ないですから。今頃御影せんぱいを慰めてるうちに付き合えちゃったりして~。 』とせめてもの仕返しなのか準備室を出る前にハッ、と先程までの天使の笑顔と同一人物とは思えないバカにするような笑みを浮かべてはそのまま準備室を出ていき。 )
1455:
鳴海 司 [×]
2024-11-25 20:11:19
『お、お人好し……。はは、ありがとう…。』
( 彼女からの熱い言葉に胸が高鳴るも、お人好しという一言だけはどうにも素直に喜んでいいのか分からなくて。がっくりと肩を落としはしたが、その後に続く"大好き"という言葉に再びどきりとしてしまう自分の単純さが少しだけ悔しくて。もちろんそういう意味では無いのは分かっているのだが、それでも好きな人からのその一言は大変な力を持っているものなので。柔らかな手に力が込められれば、次いで投げかけられたのは相手が想い人ゆえに何とも残酷なもので。しかし応援側として甘えるように頼ってもらえるのは恋敵には絶対選ばれることはないポジションだろう。こうして彼女の背中を押す相手を自分に選んでくれたのは少しだけ複雑ながらも名誉なことに違いはなくて。ふう、と短く息を吐けば優しくも芯のある声色で『……御影なら大丈夫。頑張って、ちゃんと仲直りしておいで。』────ようやく甘い砂糖のような仮面が剥げたらしい目の前の彼女は、今までの可愛らしさに全振りしたようなキャラを保つことなく攻撃的になり。確かにやっている事自体は人から見れば馬鹿馬鹿しいことだろうが、此方としては一種の覚悟のつもりなので何を言われても響かない。「あいつの分をどうするかはあいつ自身が決めることだよ。俺は自分の分だけどうにかできりゃそれでいいからな。──ははっ!確かに山田ならバイトなりでちゃんと貯金して用意する漢気はありそうだよなぁ。…安物勝負でいいなら、公務員の給料でも何とか格好つけられるくらいの物は用意できそうなんだけど。……ま、あいつらが上手くいったらいったで"先生"としては応援するさ。」散々言いたい事を言って出て行こうとする相手の背中に向けて、吹っ切れたかのように自然な笑顔と少しだけ明るくなった声色で返す言葉は傍から見れば痛々しい空元気かもしれない。けれど思いの外その目論見が透けて見えるほどしつこく絡んできた相手を退かせることが出来たのならば結果としては上等だろう。去って行く背中をもちろん引き止める事はなく、再び生き物たちの世話へと戻って。 )
1456:
御影 みき [×]
2024-11-25 20:43:37
─── …ありがとう、いってきます!
( 優しくて真っ直ぐな芯のある声で紡がれた友人の言葉は背中を押すには充分。みきはこくん、と深く頷けばまだ目元は赤らんではいるけれどキラキラした夕陽色で廊下を迷いなくぱたぱた駆け出して。ひらりと捲れるスカートも、前髪が崩れてしまうことも気にならない、ただただ早く彼の元に行きたくて、気持ちを伝えたくて、みきは振り返ることなくただただ彼の元へと走り。これで玉砕してしまったとしても悔いは無い、どんなに面倒くさい生徒だって思われても彼が好きなことはどうしようもないし今更こんな性格だって変えられない。 だって嫌だもん、好きな人が自分以外の女の子に触れさせるのも予約をさせるのも、全部全部嫌だし気に食わない。彼に恋をするまで自分がこんなに嫌な子だと知らなかったし知りたくもなかったけれど、けど知ったしまったのならこんな自分もまとめて愛せるように生きていくしかない。そんな気持ちが溢れるように零れ出した涙を拭うことなく漸くいつもの準備室までたどり着けば、いつもの前髪を治す時間すら惜しくてそのまま扉を開け「 ─── っ…みき以外の子に予約させるのやだ!消えちゃうならまたみきが書くから、ずっとみきだけの予約にして! 」と自分の決心が揺らぐ前に兎に角これだけは伝えようと決めていたことを第一声に投げて。聞く人が聞いてしまえばプロポーズのように聴こえるこの言葉も本人は完全に無意識。走ってきたから前髪はぐちゃぐちゃし、涙はボロボロ溢れてるし、目元は真っ赤だし、服のスリットも乱れてる決して可愛いとは言えない今の自分でも後悔だけはしないようにとその瞳は真っ直ぐに彼を見つめていて。 )
1457:
鳴海 司 [×]
2024-11-25 22:36:01
───っ!!?、
( 軽やかに駆けて行く想い人の背中を見送る男子、企てが潰されて不機嫌に自分のクラスへと戻る女子。もちろん廊下にだって沢山の生徒がいる中、涙を溢れさせながら走るチャイナ服の女子はきっと1番異質に見えるのではないだろうか。聞き慣れた足音に近い気がするが、いつもより慌ただしく扉の前で止まる気配もないそれに油断してしまうのは仕方のない事で。過去かつてない程に勢い良く開いた扉と、挨拶や先生と呼ぶ声でも無く飛び込んできた言葉に驚きすぎて声は出ず、肩は大きく跳ね心臓は痛いほどばっくんばっくんと脈を早めて。そんな心臓を治めるように服の胸元をぎゅうと握りしめながらまん丸く見開かれた目はこぼれ落ちそうなほど。「──………はっ?……え、みか…え?なに、……つーかびびった……ちょ、待って…心臓いって……。」いったい何が起こったのか理解するのに時間が掛かるのは、彼女が今目の前にいる事をまったく予想していなかったから。ついさっきまで山田と手を繋ぎ、自分から隠れるように山田の後ろで悲しそうな顔をしていたはずの彼女がなぜ今ここにいるのか。考えようとする頭よりも、とりあえず先に鼓動が周りに聞こえるのではというほど煩く鳴る心臓を抑えるのに必死な様子でタイムを唱えて。 )
1458:
御影 みき [×]
2024-11-26 04:51:21
!!
……ご、ごめんなさい……。
( どうやらあまりに自分の“伝えたい”という気持ちを優先しすぎてしまったせいで彼を驚かせてしまったらしく、タイムを唱えられれば先程までの勢いはどこへやら小さな声で謝罪しながらすすす…と開け放した扉の廊下側へ隠れてしまい。びっくりさせちゃった、伝わってないかも、もう一回言わなきゃだめかな、もう言えないかも、と先程あんなに勇ましく飛び出した割にやっぱり好きな人のことになると小心者になってしまうのは恋する乙女として仕方の無いこと。彼の心臓が落ち着くまで……もとい自分にまた勇気が出るまではここに居ようとその場でようやく自分の格好が酷いことに気がついたのか慌てて前髪やら服装を治していき。─── ……もしかして、迷惑だったとか。ふと浮かばないようにしていた不安が一度浮上してしまえばもうそこからは自分との戦い。今度はみきが扉の向こうから出られなくなってしまい、その場でしゃがみこんだままぐるぐると混乱する頭でこれからどうしようかと悩みこんでしまい。 )
1459:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 07:10:14
────……はー………、
( 少しして漸く心臓は落ち着きを取り戻し、ゆっくりと息を吐けばちらりと彼女の方を見て。先程の勢いはしおしおと萎んでしまったようで、扉の向こうにしゃがみ込んで動かなくなってしまった様子。ペタペタとサンダルの音を響かせながら扉の方へと近付けば「…ったくお前は……。廊下は走るないきなりドア開けるなって何回言えば分かるんだか。」と、いつもの調子でいつもの注意を。最初の勢いがあまりにも凄すぎたおかげで彼女が何を言っていたかを今になってやっと頭が処理してくれたらしく、眉を下げて呆れたような笑みを薄らと浮かべながらとりあえず立ち上がる手助けをするべく手を差し伸べて。 )
1460:
御影 みき [×]
2024-11-26 09:47:21
!!!
( こちらにぺたぺたと近づいてくるサンダルの音にびく!と肩を跳ねさせては“怒られるかも” 、“我儘だって思われるかも”と一度芽を出した不安の種は留まることなく成長していき。だがしかし当然怒られると言うよりは普段と同じような調子で普段と同じような注意をされただけ。表情だって呆れたように笑っているだけだし此方に差し伸べられた手はいつもと全くおなじ優しいもの。みきはたっぷり時間を使って迷った後におずおずと遠慮がちにその手に小さな手を重ねれば「 ……ご、ごめんね…、心臓だいじょぶ…? 」と不安でいっぱいの赤みの残る瞳でちらりと彼を見上げては先程驚かせたしまった謝罪をぽそり。否、謝らなければいけないのはこれだけでは無いのだけれど、今のみきはひとつひとつ消化していくのが精一杯なので。 )
1461:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 10:52:30
何とかな。
三十路の心臓は大事にしろっていつも言ってんだろーに。
( 己の心臓の脆さを前面に出しては溜息混じりの笑いを零し、重ねられた小さな手を優しく握ればくい、と軽く力を入れて彼女を引き起こして。そのまま腕を伸ばして開きっぱなしだった扉を閉めれば、手を離してまたペタペタと水槽の前へ戻り。無意識とはいえさっきまで此処にいた1年生に対しての声色とはまったく違いすぎて、自分自身がいかに単純かが浮き彫りになるようで何とも言えない気持ちになる。そんな事を考えながら「…髪振り乱してまで慌てて来てくれたとこ悪いけど、お前に書かれた線ついさっき自分で引き直したばっかりなんだよな……。」と、どこかばつが悪そうにひらひらと左手を掲げては色濃く復活した薬指の黒い線を見せて。こうして彼女が来てくれるとは思わなかったので、自分で線を濃くした事により何だか未練がましい男みたいだと自嘲気味に引き攣った笑みを浮かべて。 )
1462:
御影 みき [×]
2024-11-26 11:22:19
、─── …!!!
( 大好きな手に優しく引き上げられ、そのまま室内に誘われれば大人しくついて行く他なく。ただその途中にふと目線が言ってしまった彼の左手の薬指の指輪は色濃く復活しており、自分の薄まった黒い線とは明らかに黒色の濃度が違うと理解してしまえばみきの顔からサッと血の気が引いて。もしかしてえまちゃんが?そんなモヤモヤが生まれてしまえばするりも離れた手すらも不安で、嗚呼きっと私これからフラれちゃうんだと嫌にドキドキしている心臓をどうすることもできずに─── 当然彼の心の内は知らないので ─── ただただ死刑宣告を待つような気持ちで次の彼の言葉を待っていれば、漸く告げられた言葉は予想だにしないもの。「 ……へ、 」とただ一言間抜けな声と共にまたひとつ涙がこぼれ落ちては、彼の言葉の意味が全く分かっていない顔で呆然と彼を見つめて。それって他の誰にも書かせないように?そんな質問は頭の中でしか呟けなくて、みきはただただどこか自嘲気味な笑みを浮かべる彼から目を離すことが出来ず。 )
1463:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 14:26:03
──な、何だよ……、
いくらやってる事がキモいからって、泣かれるとそれはそれで傷付くんだけど…さすがに……。
( いつもと違った緊張感を持った彼女の様子に気付くことなく、ただいつもの調子で話しかけただけ。その結果、目の前の彼女が何とも間抜けにこちらを見続けてはくるものの何故だか流れる涙にぎょっとしないはずも無く。彼女が書いた線が消えそうだからといって本人の許可無く自分で引き直す、なんて確かによくよく考えれば痛いしキモいしいくら相手が彼女とはいえ怖がらせてしまっただろうか。気まずそうにぽつぽつと言葉を零しながら目を泳がせてはこちらを見つめる夕陽色に耐えられなくなったのか、くるりと背を向けて誤魔化すように水槽のメンテナンスを始めようと。 )
1464:
御影 みき [×]
2024-11-26 15:48:14
っ~…………!
( 彼の言葉の意味が全て頭の中で繋がっていけば、辿り着いたのはやっぱり“みきの予約を彼自身の意思で延長した”ということ。それを理解した瞬間先程の不安なんてどこかに飛んでいってしまい、今度は不安の涙でも恐怖の涙でもない涙と大好きの気持ちが溢れてそれをぶつけるようにそのまま彼の背中にぎゅ!と抱きついて。嗚呼もういいや、だって好きだもん。そんな気持ちを込めて彼の腰に手を回して全部の気持ちを押し付けるように彼を抱きしめては「 違うの、…嬉しいの。……すき。せんせーだいすき! 」と彼の言葉を否定しながら、やっぱり彼を嫌いになんてなれないしこの好きを諦めようだなんて出来るわけがなくて口から出るのは彼への愛情表現ばかりが溢れて。ガヤガヤと賑やかな学校とは隔離された、フィルターの音が響く準備室。色んな人に囲まれながら彼といるのも好きだけど、やっぱりこの場所がいちばん落ち着くし大好きな場所で。 )
1465:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 17:23:59
…──っ、あぶねっ!
わ、分かった。分かったから一旦離れろって…!
( 掃除のためふぐ太郎の水槽からフィルターを取り出そうとしたところで後ろから抱き付かれれば、その勢いで危うく水槽に自分の体が当たりそうになったところを何とか踏み止まって。しかし腰にしっかりと手を回されているので、首だけ回して後ろの彼女に慌てて声をかけ。とりあえずはキモいと思われていたわけではないようでホッとしたが、何だか久しぶりに聞くような気がする彼女からの"大好き"に心がそわそわとしてしまう。じんわりと彼女の温かさを背中で感じながら、どうにもこうにも動けない体勢なのでそのまま固まるしかなく。 )
1466:
御影 みき [×]
2024-11-26 19:03:31
……ん゛……。
( ぎゅ。と暫くは大好きな彼を堪能していようと思ったけれど残念ながらやっぱり突然背後から抱きつくのは危なかったらしい。一旦、という言葉にさえ嫌そうにむむ、と眉をひそめながら渋々といったように離れたもののすぐにまた直ぐに抱きつけるように両手は広げたままで、まだ涙のあとがありありと残る夕陽色で“まだ?”と言ったように彼を見上げながら大人しく一旦が終わるのを待って。だってこっちは先程まで心臓が凍りついてしまうくらいに不安だったのだから満足するまでくっつかせてもらわないと困るので本来ならば彼の方からぎゅっと抱きしめられなければ満足ができないのだ。 )
1467:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 19:51:58
──ったく…、
………え、俺から?
( ようやく離れた温もりに、やれやれと今度はきちんと体ごと振り向けば何やら手を広げたまま動かない彼女。その瞳は散々涙に濡れたおかげで未だにうるうると輝いていながらも、相変わらず口以上にその考えを語っており。普段であれば自分からなんて立場を考えれば絶対に選択肢としてありえないのだが、今回に関しては自分の言葉足らずが招いた事件といっても過言ではない。少し悩む素振りこそ見せたものの、いつもよりは比較的早い時間でお悩みタイムは終了させて広げられたままの彼女の腕の中へ。その小さな体を、まるで壊れ物でも扱うかのように大切に抱きしめて。 )
1468:
御影 みき [×]
2024-11-26 20:31:03
……ん!
( 彼の言葉にこくん!と深く頷き願うがままに手を広げ続けたはいいけれどちょっぴり心の中ではホントにいいのかなぁなんてワガママになりきれない自分もいたりして。だがしかしそうして悩んでいる間にいつもよりもずっとずっと早い時間でお悩みタイムは終了したらしい彼にふわりと優しく抱き締められればぱぁあ!と分かりやすく表情を綻ばせてそのまま自分も嬉しそうに抱き締め返し。「 ………あのね、他の子に予約させるの、すごく嫌なの。みきだけがいいの。 」暫くそうして彼の腕の中を堪能していたと思いきや、彼の胸に顔を埋めたままもごもごと小さな声で零したのは先程準備室に入ってきたと同時に言い放ったわがまま。だってせんせーのこといちばん好きなのはみきだもん。そんな言葉は口にこそ出さないけれどきっと彼には伝わっているだろうし普段あれだけ恋心を露わにしているのだから分かりやすいだろう。だがしかしやっぱり想いは言葉にしなければ伝わらないもの、みきは顔を上げずにきゅ、と少しだけ腕に力を込めては彼からの“YES”をドキドキと待ち続けて。 )
1469:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 21:48:41
!
……あー、…うん。あれは俺が悪かった。
まあ…俺的にも面倒なのはお前だけで充分だし、他はいらないかな。
( 再びお互いの温もりを感じられる状態になれば、ドアの向こうから聞こえる賑やかな声とフィルターがコポコポと空気を出す音がいやに耳に響く気がして。言ってしまえばそれ程までに今ここには彼女と自分だけの空間が出来上がっているということなのだが。顔を埋めたまま、少しくぐもったような声で聞こえてきた台詞はついさっき聞いたばかりのもの。しかし勢いに任せてといったさっきのものとは違い、念を押すようにしっかりと一言一言を伝えてくれているようで。彼女が涙を流していた理由はやっぱりそれだよなと改めて腑に落ちれば、またふつふつと元凶となった田中えまに対する黒い気持ちが湧き上がってきそうで。…しかし色々手間を掛けさせられたとはいえ仮にも生徒。そもそもあの時は大勢がいる場で彼女だけをあからさまに特別扱いするわけにはいかないと曖昧に答えてしまった自分にも非があるのは確かなので、いくら問題をややこしくした相手だとしても憎むような気持ちを持つのはお門違いだと頭を振って。ぽんぽんと優しくその背を叩きながら彼女に対して言葉にした"面倒"には決して悪い意味は込められておらず、そもそも面倒臭いこともやる気が削がれるようなことも、彼女が絡んでいるならばひとつとして嫌だと思うようなことは今までもこれからも無いと言い切れるのだが。 )
1470:
御影 みき [×]
2024-11-26 22:21:19
…あのね、えまちゃんみたいに、可愛くなるから。
いっぱい勉強もして、素敵なお姉さんになって、せんせーがこんな素敵な子に予約されてるんだぞって自慢できるような子になるから。
( ぽんぽんと優しく背を叩いてくれる手にも、言葉を紡ぐ声にも、抱き締めてくれる体温も、全てが優しくて愛情の籠った暖かいもの。“面倒”だなんて言葉も決して悪いニュアンスで使っているものでなく彼なりの照れ隠しだと言うことはみきもよく分かっているので嫌な気持ちになるどころか彼の唯一になれていることがすこぶる嬉しくて、先程までいやにどきどきと存在を主張していた心臓の音はトクトクと心地好いものに変わっていき。そうして少しの沈黙の後、みきは相変わらず彼の胸の中でもごもごくぐもった言葉を紡ぎつつ ─── 大変今更だけれどやっぱり髪はボサボサだし目元も真っ赤なので好きな人に見られても良いお顔では無い ─── 彼にとっての唯一であるために努力をするのだと決意を。今回だってもっと自分に自信があったらきっとこんなことにはならなかったし、彼のことだって信じられたかもしれないのだから。みきは一瞬だけ躊躇するように沈黙したあと、おずおずと顔を上げれば「 せんせーの方がみきのこと大好きで、めろめろで、だからほかの子はいりませんって、言わせてみせるから。 」と、次こそは“面倒”ではなく“お前が好きだから”と言う理由にしてみせるのだと、へにゃりと彼にしか見せないような柔らかで安心しきった笑顔を浮かべて。 )
1471:
鳴海 司 [×]
2024-11-26 23:46:15
……ばーか。
お前はお前だし、…そんな誰かと比べるようなことしなくても充分可愛いだろ。
つーかお前が思うほど別に俺は立派な人間じゃないよ。…だからあんまり"素敵なお姉さん"になられすぎても逆に困るけどな。
( 彼女はどこまでいっても誰かを責めることはせず、自分が相応しくあるよう努力するつもりらしい。何であんな事言ったの。だとか、いっそのことそうやって責めてくれる方が良かったと思うほどに。確かに見た目だけでいえば田中えまは整っている方だと思うが、あくまで個人的な好みでいえば自分は断然彼女の方が可愛らしいと思っている。もちろん内面や、これまで一緒に過ごして来た時間というアドバンテージがあることは承知の上だがそれを抜きにしても、彼女に向けられた"可愛い"の一言は紛れもない本音で。彼女は少し…いやかなり自分の事を高く評価し過ぎている節があるのは前々から分かってはいたが、今でさえ彼女に言い寄る異性は多いのにこれ以上素敵になられたら見合うどころか完全に置いてけぼりにされてしまうと渇いた笑いを零して。どこか遠慮気味に顔を上げるのは赤くなった目元を見せたくないがためなのか。そんな雰囲気とは反対に彼女の台詞は強気な自信に溢れた宣戦布告のようなもので。「──…はは、そりゃ頼もしいな。そんな日がくるのを楽しみにしとくよ。」とからから笑い。しかし無警戒で無垢な笑顔を浮かべる彼女の、赤くて柔らかで美味しそうな唇をこのまま奪ってしまえたら。なんて、すでに彼女の言う通りにほぼなっているというのはさすがに内緒で。 )
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