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オリジナルキャラなりきりチャット
自分のトピックを作る
181:
匿名さん [×]
2025-05-11 13:45:41
名前
鹿子 晴匡(かのこ はるまさ)
性別
男性
年齢
32歳
外見
身長172cm。燃える炎のような緋色の髪はふんわりと芯が細く癖の付きやすい直毛。目に掛かる前髪を真ん中分けに、他は耳と項が出るよう短く切り揃えてある。穏やかそうな榛色の垂れ目に太めの垂れ眉、それに右頬に黒子が一つ。瓶底よりは多少薄い、黒縁の大きな丸眼鏡を着用。低く丸い鼻に円やかさを帯びた面長の輪郭と、ある種日本人らしい柔和な顔立ち。やや細身の体型で色白、右手の甲から五指の先にかけて火傷の痕が残っている。灰色の石畳文様を織った袷着物と紺青色の袴、紐付きの革製ハイカットブーツに、黒色の中折れ帽と薄布のグローブ。その上へ紅葉の柄が裏地に入った羽織を合わせている。
性格
細やかな事柄に琴線を揺らす豊かな感受性と、情緒や風情を愛しむ心を併せ持つ浪漫家。その延長線上として新しいもの好き、珍しいもの好きでもある。鷹揚な感情表現と仕草に訛りのある話し方、職業柄の面倒見の良さや交友の積極性など、纏う雰囲気は親しみ易いおっとりとした人柄に見える。しかし規則や約束などの“決まり事”に強迫的な固執があり、その遵守を絶対とする規律正しい人間であろうと努めている為、そこを他者に利用され損を被る事も多い。
備考
髪や肌の色は母方に異人の血を持つ事に由来。一人上京して学び舎に職を持っている教師だが、実家は北部の田舎に所在しており、その訛りが言葉に混じっている。12歳の頃に家の決まりを破って一人出掛けた先で大きな火事に遭い、阿鼻叫喚を生き残ったその名残に右手の火傷と決まり事への執着が心身に焦げ付き痕を残している。
ロルテスト
(心地好い音に揺られていた身体に一際大きな振動が伝わって、安らかな眠りに波紋を落とした。ゆっくりと開いた視界が帽子に半分遮られていたものだから、その些かの煩わしさに思わず微かな唸りを溢し、頭の頂上にそれを収め直す。「……はて。」少し落ちかけていた腰も戻した所で醒めた思考に浮かぶは近々の記憶、即ち今列車に乗るような用事も、そもそも駅にさえ近付いた覚えの無い事。僅かな困惑に眉を下げ窓の方をひょいと見やって――息を飲む。「……天の川ば、溢れたみてェだ。」美しい星々が一面と氾濫した煌めきに数秒遅れて感嘆を落とし、少々と見入ったその後にふと我に返り今度は車内に目を向け、「…おや、」そこで漸く他者の存在に気付く。先程までの己の行動をその者に見られただろう決まり悪さから、もう一度居住まいを正した後に、「こりゃァ失礼、人が居るとは思わねかったはんで。」そのまま一つ、苦笑いを添えた詫びを挨拶代わりに渡す。それに続けて、「其処の方、もし良けりゃァこの列車が何処さ向かってるか、教えてくれんかねェ。」両手は膝の上に組み、ほんの僅か身体を相手側へと傾けて、世間話と殆ど変わらぬ気軽な調子でその人へと声を掛けた。)
指名
お任せ
(/はじめまして。前々より此方の静かで煌びやかな世界に惹かれておりまして、この度ようやっと出来上がりました身分証を提出しに参りました。もし彼がお気に召しましたら、どなた様かとご交流させて頂きたく存じます…!また、ご指名に関しまして、いずれのカムパネルラ様ともお話してみたく目移りしてしまい……お手数ですが、主様より相性その他を鑑みて選んで頂ければ幸いです。最後に、なにぶん癖の強い我が子です故、相性不安等ありましたら忌憚無くお断り頂いて構いません。それでは、長々と失礼致しました。お返事をお待ちしております…!)
182:
カムパネルラ [×]
2025-05-11 14:53:42
>鹿子
烏座
やっと起きたか?(まだ眠りについたままの美丈夫を見て、心の中で少しニヤリとした。整った見た目、そして何よりもパッと目を引くのは珍しい髪の色、それは染めているのではなく自前だという事が睫毛や眉の色から読み取れた。顔の作りは東洋的、にも関わらずその色はとても珍しかったからこそ余計に興味を擽ってしまう。目を覚ました彼が戸惑いを抱きながらも目の前の景色に感想を漏らすと、彼の落ち着いた物腰と、そしてその笑顔から伝わる人の良さに思わず顔をゆるませてしまった。素敵な玩具を見つけた時のように胸がときめき「おお、なんじゃ。ええ男が乗ってきたもんじゃな。」と、ご機嫌にカカと笑いながら嬉しそうに目を細める。その雰囲気だけは人が良く愛想もいい。「そりゃあどうしようかね。情報はただで譲るもんじゃないじゃろう。」にやり、そう笑えば意地悪にも片目を細めて彼の様子を伺って)アンタがわしにくれる何かに見合う分だけわしもアンタに情報をやろうか
ペガスス座
(彼が目を覚ました瞬間から、車内の空気が変わったのがわかった。まだ星の欠片が夢の中で瞬いているようなまなざしで、窓の向こうに目を向けている。そんな彼が帽子を直し、身体を起こすと驚いたようにこちらを見てから、不意に笑った。少しばかり困ったような、人懐こい笑みだった。話しかけてくれるその声はやわらかくて、思わずビクッと肩を揺らしてから胸を張って返事をしてしまう「……なっ、なによいきなり! べっ、別にアンタなんか待ってたわけじゃないんだからねっ!」言ってから、しまったと思った。だって、全然、説得力がない。だって本当は、ずっとここで、誰かを待っていた。誰とも知らぬ“誰か”を待ち侘びていたのだ。頬をふくらませながらつん、と勝気に伝えるのは共に過ごす時間への期待を含んだ内容で)仕方ないわね!まっ、まぁでも……その、隣に座って少し話をしてあげるくらいは、許してあげてもいいわよ。特別なんだからっ!
(/このたびはご訪問と素敵なお申し出、誠にありがとうございます。静かで煌びやかというあたたかいお言葉に、身に余る光栄を感じております……!鹿子さんのご参加をとても嬉しく感じています。ぜひ銀河鉄道の物語を鹿子さんと共に紡いでまいりたく存じます。お任せとあったため、お迎えとして「烏座」「ペガスス座」の二人でお迎えにあがらせていただきますので、もしどちらか気になる方がいらっしゃいましたらお好きな方を選んで下さいませ…!もちろん、他が気になる場合はまたお声かけ下さい!
交流が始まった後でも、もし相性などに不安や違和感がございましたら、すぐに別のご案内をさせていただきますので、どうかお気軽にお申しつけください。
それでは、鹿子さんとお会いできることを楽しみに、お返事をお待ちしております…!)
183:
レイラ [×]
2025-05-11 21:43:40
>子犬座
(脅かしたりするつもりはなかったが、深緑色の鋭い目が分かりやすく動揺するほど、鏡を見せた効果は絶大で、結果として彼の警戒を一気に緩めた。しなやかな指先で、すぅ…と藍の革を愛おしげに撫でれば「誰かを傷つけそうになったとき、この鏡を開いていつでも“おいの顔”を思い出せるように、と──。時計様はわたくしに預けてくださったのです」薄桃色の唇が一言一句に思いを込めて奏でるように話をし「大事。ええ、これは大事なものですわ。時計様にとっても、わたくしにとっても。そして…あなたにとっても」真っ直ぐに相手を見つめる。上縁に並ぶ睫毛が憂いげな印象を与える瞳は、春の海のように穏やかで)
184:
子犬座 [×]
2025-05-12 14:55:28
>レイラ
(誰かを傷つけるという言葉が彼女の口からこぼれた瞬間、疑問符が浮かぶ。彼女という存在が纏う儚げで透明な美しさからは決して結びつかない響きだったからだ。華奢な指先が革の表面を慈しむように撫でながら語った“鏡”の意味、その深さを理解できるほどに大人ではなかった。ただ、それがきっと重い約束の証なのだと、そう思った。彼女の声には確かに、あの時計の響きがあった。それが嘘であるはずがない。彼女の話す時計は、まさしく“あの人”だった。「……アンタ、運がいいな」不意に漏れたのは、どこか照れくささを隠した言葉だった。だが、耳の先がぴくりと揺れてしまったのは、きっと誤魔化しようのない本音で。「一度目で時計に会えたんだろ。此処には沢山のカムパネルラがいる。そう簡単に会えるもんじゃねぇのにさ」その声音には、無意識のうちに誇らしげな響きが滲んでいた。まるで誰よりも彼をよく知っている、と言わんばかりの無自覚な優越感が、背筋を少しだけ伸ばさせたけれど、そんな自身の幼さにふと気付いてそっと目を伏せて)
185:
レイラ [×]
2025-05-12 17:11:12
>子犬座
(誇らしげだったり、かと思いきや恥ずかしげに目を伏せる様子に首をこてんと傾げる。青年や男子との関わりが薄いために心境の変化に理解できない部分もあるが“まるで四季の移ろいのようだ”と興味が湧き「ええ、わたくしは幸運ですわ。はじめに時計様、二度目の乗車ではその息子さんにお会いできてますもの」憚らず口にした肯定は自分の思ったことそのまま、敬意を込めて「あ、そういえば時計様の口からあなたを含む4人のカムパネルラ様のお名前が出ていましたわ」ふと思い出したかのように、右手の人差し指を頬に当て、さらに記憶を辿りながら、浮上していた4人の名前を指折り数えて)
山猫様、子犬様、蠍様、アンドロメダ様……。後半二人はなにやら危険がお有りそうですわね。他にはどんな方がいらっしゃるんですか?
186:
鹿子 晴匡 [×]
2025-05-12 18:05:48
>烏座
(目の前の彼は、己と同じか少し年上くらいだろうか。暮らす時代柄まだまだ珍しい類いに入る洋装に惹かれる以上に視線を奪われたのは、その高い背の後ろに見え隠れする艶やかな翼。未だ眠りの中で夢を見ているのかと、問い掛けた後に仄かに瞠目した思考を優しく撫で払う、機嫌良い笑い声。「ふふ、あんがとなァ。貴方さんも、黒のよう似合う格好良い男だねェ。」それにつられて此方も笑みを吹いて、お返しとばかりに彼を褒めた後。「――おんや。おや、まあ。困ったねェ。」思わぬ答えを返されたと驚きの音を溢して、しかしながら台詞ほどの困惑は見せず、反って楽しむような色を混ぜた声で返す。「これ、こん通り、俺が持っとるもんは大して無ェ。」自らの羽織の両端を十指で摘まみ、ふんわり広げて翻してみせて文無しだと示しはしたが、こんな時に求められるものが金銭物品の類いとは限らないと知る程には旅を重ねた年の功。「だはんで、お手柔らかにしてけろなァ。」それ故、にっこりと笑む顔を軽く傾げる茶目っ気を含んだ仕草と共に、彼の言葉に乗り込んだ。そこに緊張や警戒の色は見当たらない――夢であれども現であれども、この銀河を駆ける静かな列車と、其処に己と彼の音だけが揃った奇跡が如き一期一会の風情にもう少し浸りたいと鳴いた、そんな浪漫家の性分がそうさせたのだ。それから、帽子を脱いで膝の上に置き、明るく開ける視界に彼を改めて捉える。「さて……ああそうだ、話の前に一個良いかねェ。」この脱帽に含まれる意は、これより言葉を交わし合う相手への礼儀。互いを対等な立場とする、或いは彼を上とし敬意を払う仕草でもあるが、紡ぐ物言いは変わらず堅苦しさの無い和やかさを保つ。「先に互いの呼び名ば決めとかんか?こうして腰ば据えて話すんに、ずっと“貴方さん”と“アンタ”じゃァ不便だし、……ちぃっと味気無かべや。」左の人差し指を二人の間にぴんと立てて告げた、提案とも要望とも取れるそれは、先程意表を突かれた返事の名残に最後が些か自信無さげに萎れている。だがその語尾とは裏腹、彼を見据える眼差しには期待の灯火が確かと宿っていた。)
(/参加許可を頂きまして有り難うございます!此方こそ身に余る光栄に大変恐悦しております…!また、お迎えに関しましてもご丁寧にお二人も提示して頂いて嬉しい限りです。どちらのカムパネルラ様も素敵で、迷いに迷ってお時間を多く頂戴いたしましたが、ここはまず危うい色香を持つ烏座様とお話をさせてもらいたく存じます。勿論、負けん気の愛らしいペガスス座様も大変魅力的です故、後々にまた鹿子とお話を紡げる夜を設けられたら良いなと思っております!それでは、粗相無きよう努めて参りますので、これより宜しくお願いいたします。)
187:
子犬座 [×]
2025-05-12 20:41:43
>レイラ
……あー、そいつらの名前、出たか(ふとした一言が引き金になったかのようにに表情が目に見えて曇る。特に“蠍”と“アンドロメダ”という名が乗せられたとき、分かりやすく渋い色が浮かんだ。唇の端がわずかに引きつり、鼻先に皺を寄せて、言葉にせずとも嫌悪を語るような眼差しで、まるで舌に苦い薬でも含んだかのように、低く唸るような声で呟いた。「……蠍とアンドロメダ、あいつらはやめとけ。マジで、ろくでもねぇ」真剣な眼差しが彼女に注がれる。瞳の奥には、自分が警告する理由がちゃんとあるのだという信念があった。それだけでは足りぬとばかりに、ひと呼吸置いてから、さらに一人の名を足して「それから“烏”。あいつも入れとけ。その三人は、なーんていうか……合わねぇ奴はほんと合わねぇ。関わらんに越したことねぇから」“苦々しい”という言葉そのもののような顔をして、ぽつり、ぽつりと零すように言った。その人物は本当に厄介なのだと、彼の表情が物語っていた。けれど、次の瞬間に頬を指でかくようにしながら少しだけ視線を逸らして、それでもどこか誇らしげにこう言った「……でも、俺の好きなやつもいる。小狐ってやつがいてな」声色が心持ち和らぎ、口調にだけではなくそのまなざしにも愛着が滲む。思い浮かべているのであろう姿を追うように、遠くを見ながら語る。「そいつ、めちゃくちゃ美味いもん作んだよ。しかもな、俺の走りにもつきあってくれんだ。いいやつなんだよ、ほんと」言葉の端々からあふれる好意は、少年のような率直さと、どこか兄弟のような信頼に満ちていた。「他にもいるぞ、カムパネルラ。十人……いや、もうちょい多いかもしんねぇけど。大体そんくらいだ」数を数えきれないほどにいる仲間たちを想いながら、彼はふと小さく微笑んだ。)アンタは?俺は子犬だけど、アンタはなんて言うんだよ
188:
烏座 [×]
2025-05-12 20:41:52
>鹿子
(まるで掌の上で羽虫が踊るような、くすぐったい高揚が胸奥を撫でていた。人見知りなどという垣根はとうに持たぬはずだったけれど、目の前の男が見せる飄々とした身ごなしの奥にどこか翳りのない聡さがある事を読み取った瞬間、その理知的な閃きを愛おしむような感情が唐突にしかしごく自然に芽吹いていた。ひらりと脱がれた帽子の内に隠されていた髪は、まるで暖かな炎でも思わせる優しく暖かい淡い光を孕む色彩だった。目を奪われる、とは正にこういう瞬間を言うのだろう、と思わず瞬きを忘れたままその不思議な輝きにひととき見蕩れてしまった。けれど彼が楽しげに笑えばその魔法のような間も音を立てて溶けてゆき、まるで時を巻き戻すような調子で、どこか子供のような気安さと親しみを籠めて「カカカッ」と笑い「よか、よか。こりゃあええ提案じゃのぉ!」湧き上がった声は正に鳥の鳴き声めいて朗々と、しかしどこか律儀に響き。朗らかさの裏で物語の幕を上げるように、演技がかった動きで自らの胸元へとそっと指をあてがって「……そいじゃあ、まずは教えとくことがあるんよ」そう前置きを。不思議とその声音には重さがあるが沈むような重さではない。柔らかに地に降り立つ雪のような、語ることそのものに意味を灯す静かな敬意が見えて。「ワシは、カムパネルラじゃ」つづいて、指が空を泳ぐように彼の方へ向き「ほいで、アンタは……ジョバンニ、じゃ」その宣言にはどこか確信にも似た響きがあった。既に決まっていた真理をただ告げただけのような、落ち着きすら滲み。それから微かに唇の端が引き上がる。まるで悪戯を打ち明ける直前の少年のような、しかしどこまでも優しい笑みで「もうちぃと言やァ……ワシは“烏”のカムパネルラ、っちゅうてな。気ぃ楽に、“烏”ゆうて呼んでええけェ」名乗るそれは烏。黒を司る名にしては、その響きはあまりに明るく重苦しさなど一切なかった。先に名乗れば遅れてすこしだけ首を傾けてみせる。その仕草は風の向きを測るようでもあり、対話という名の波を呼び込む潮目を読む者のようでもあった。己を語り終えたその表情には、疑うでもなく急かすでもなくただ静かな期待の明かりがあり。先に名乗ったのだから、人のいい彼ならばきっと続いて名乗ってくれるだろうとそう信頼を寄せて口を閉じ)
189:
レイラ [×]
2025-05-12 22:10:05
>子犬座
(ほうほう、と冷静に頷きながら話を聞いていたが、注意が必要なカムパネルラがもう一人追加されるとは思わなかった。“烏”の名を新たに頭に入れておけば、ふむ…と顎に指を添えて思案する仕草をし「困りましたね。この汽車が私とその3人を巡り会わせたときはどうしましょ」車両の天井を見上げながら呟く。苦虫を噛み潰したかのような顔で、真剣に話をする彼の様子から3人の危険性というか、会ったら帰るのが困難になるのは明白。恐怖はないが──。と考えているうちに相手の声色が変わったのを聞いて、目線を前に向ける。“小狐”というカムパネルラについて語る彼の表情や口調は先程までの嫌悪に満ちたものとは違い、和やかで愛好的。垣間見える少年のような一面を意外そうに見つめていると、小さな微笑みに思わずつられて「──レイラ。わたくしはレイラといいますわ、子犬様」口角が自然と笑みを浮かべ)
190:
リズ・フェリシティ [×]
2025-05-13 04:26:49
>蠍座
……ああ、そう。そういうこと。
( その声はどこか不思議な音階を保ちながら、ぽつりと落とされた。彼の指先を、態度を、その表情を余すことなく目で追いながら、纏うカリスマ性を頷かせるような言葉に一瞬、ぴくりと肩を跳ねさせた。確かに、少し考えればわかることだった。小狐座から蠍座の話を聞いたのならば、その逆もまた有り得るということ。きゅうと細まった瞳孔が落ちた影の中で爛々と輝いて、全てを呑み込む暗闇をじいっと見つめる。「アンタってヤなオトコね、わかってて聞くなんて。」はあ、とわざとらしく肩を竦め溜息をつくものの、ゆっくりと見せつけるようにして閉じられた拳、その上で確かに我が身を握られたかのような感覚と彼の用意周到さに舌を巻くようにも喜色を孕んでいた。そして己が事前に立てた算段、それが覆されたことに思考を巡らせる。一度言い返せば暴力、または脅しは免れないと考えていたからこそ、この反応は一体何か探るように五本の指を順番に落とし、机をとととん、と叩く。「あなたの可愛い可愛い小狐くんに聞かなかったの?蠍座」わざと呼び捨てにしたのは当てつけだった。適当なニックネームで呼ばないこともまた、彼が自分の名前を覚え、呼んだという意味を確かに捉えたから。唇はニヒルな笑みを描きながらもそう吐き捨てるように横を向いて、頬杖をつく。指先の次に腕を置いたのは彼との対話の意思を明確に汲んだからだった。上半身を倒し、先程よりも迫った距離。一歩も引く素振りを見せずに圧倒的な強者と対峙する。目の前にいる彼がすぐに自分を加害する気はないと判断した上で、ゆっくりと瞼を上下させて。「さあね。アタシもよくわかんない。…ただ、ここで死なない方法をって聞いたら、なんか庇護欲が湧いちゃったみたい?」ふいと視線は珍しく窓を向いて、あの夜を思い返すように華美に装飾された横顔はやけに達観していた。すぐさま蠍座に戻された瞳、そこには先程までの触れたら切れるような鋭さはなく、ほんの少しの温かさを孕んでいるようにも思える。蠍座に似たような軽口を叩きつつも、薄く弧を描いた口角は人を小馬鹿にしたような笑みではなく、くるりと髪先をいじる指先はどこか年相応で。「小狐くんはアンタたちの餌食になるジョバンニがカワイソーだったみたい。…ホント変なヤツだった、アタシのこと怖い、理解できないって思いながら助けンの。ジョバンニ全員がここから逃げ出したがってるワケじゃないのにね。」ギラついたラメ、毒々しいインナーカラーをライトに照らしながらそう目の前の彼に挑戦的に笑いかける。案に競争やリスク、それに伴う快楽を追い求めている自分たちのような人間を指すように示しているが、しかし「…だから、助かった。アンタのことも知れた。あんな甘っちょろいヤツだから、アタシ、アイツのこと好きよ。」続いた言葉はやけに落ち着いて、そうはっきりと好意を口にする。これが彼にとっての”自分を見ない”ということの地雷であろうとも、はっきりと伝えるべきだと判断したから。先程から読めない彼の目的、それは何かと見据える瞳には一切の揺らぎはなく、回想に浸りながらも彼女もまた、彼だけを見つめている。まるで小狐座を通して、理解を深めていくようだった。馬鹿という言葉には賛同しないまま、「__…だから、今回のこともアタシを彼が”売った”とは思いたくない。」そう付け加えたのは、正直自分でもよくわからない感情から。彼に裏切られたとは思いたくなかったのかもしれない。そんな小さな囁きを掻き消すように、かつん、と先程までとは異なる鋭い音を立てヒールを鳴らす。手のひらで踊らされる舞台に一石を投じるようにも、小狐座を盾にされたことに対しての不満を表すようにもじろりと視線を返しつつ、選んだ言葉はやはり彼への愛着を感じさせるもので )
…んで?これで満足?アンタはアタシの“友人”に何を聞いたの。
191:
子犬座 [×]
2025-05-13 10:12:19
>レイラ
(柔らかな声色だった。“レイラ”と名乗るその女は、名乗りすらも一輪の花が風に揺れるように、気負いなく、しかしどこか品を纏って放った。その声音の向こうに、こちらの口元が自然と緩むのがわかった。「……俺のことは、子犬でいい。俺も……お前のこと、レイラって呼ぶ。……それでいいか」言い終えたあと、不器用に視線を逸らす。その眼差しの先には何もない。ただ、まっすぐに彼女を見つめるのは、まだ慣れないだけだった。だが、その穏やかな一時を壊すように、ふと頭の隅に過った影があった。いや影、などという柔らかい言葉では足りない。それは、現れれば全ての空気を塗り潰す“死”そのものだと考えを改める。蠍座と、アンドロメダ座。名を思い浮かべただけで、吐息の温度が一度下がった気がした。「……蠍座と、アンドロメダ座。もし、お前があいつらと出くわしたら……もう、運に任せるしかない。烏座の好みは……男だからな。お前がこの汽車に取り残される可能性は、正直、薄い」肩の力を抜いたような口調だがその実、内に込められたのは凍てつくような現実。幻想の汽車に似つかわしくない冷たさ。淡々と、まるで統計を述べるかのように告げる。「──でも、あの二人は違う。気に入られたら取り残されるし、気に入られなければ殺されるかもしれない。いつも、あいつらの周りには死臭が漂ってる。馴れたくない匂いだ」そこまで言って、ふと目を伏せた。わざとらしさも、悲壮感も、強がりもなかった。ただ、事実を言葉にしただけ。悪趣味だと言うのを表情に浮かべて苦々しい面を見せて)
192:
蠍座 [×]
2025-05-13 10:12:36
>リズ
(す、と紫煙のように形を成す思考を纏いながら、面前の彼女を見た。片肘ついた彼女の華奢な指が机を叩く音、その余韻すらも耳に心地よい。表情も仕草もどれを取っても計算が利いている。だが、その奥に覗くのは冷たい硝子よりも透明な感情で彼は確かに“それ”を感じ取っていた。数あるジョバンニのなかでも、一際色濃いこの存在。興味が湧かないはずもない。むしろ湧きすぎて困るほどだった。「──へえ、アタマも回るし、見た目も良い。黙って座ってるだけでサマになる女ってのは、ほんと面倒くせぇくらい面白い。ま、答えてやるよ。アンタの“友達”が俺に何を言ったか……つっても、大したもんじゃねぇ」彼女の言葉の棘をひとつずつ舐めるように味わいながら、低く笑う。嬉しそうでも、怒っているようでもなく、ただ愉快そうに。そして言葉の主導権を、完全に自分の掌に収めるようにして続きを語る。そこまで言ってから喉の奥でひとつ笑いを噛み殺した。「小狐くんがわざわざ俺に言いに来たんだ。ジョバンニに、また会いたいと思ったヤツができたってな。しかも、俺の好きなグミを手作りして。俺、グレープのグミが好きなんだよ」ふっと、掌の上に透明な飴玉を転がすような仕草をする。持っているわけではない。ただ、思い出すように。「挙句の果てにお前とそのジョバンニが居合わせた時“暴力はやめろ”って言ってきやがる。俺が小狐くんに甘ぇの知っててさ。あれだよ、そいつは紫が良く似合う綺麗な顔してる女だから、傷物にしたら許さねえって。……それ、俺に言うかねぇ?俺だって紫が良く似合うじゃんね」くくく、と笑う声には毒気がある。けれど、妙に嬉しそうでもある。彼女の目を真っ直ぐに見て、先程までの気障さや芝居がかった声音をほんの少し崩し、低く本音を紡いだ。「自己主張なんて滅多にしない小狐くんが俺相手に交渉しようとすんだぜ。もし願いを断ったなら“飯作ってくんねえ”って、最後にそう言われたんだよ。……いやぁ、狡いだろ。お前だったらどうする?美味い飯と目の前の楽しさを天秤にかけて、簡単に断れるか?」かすかに目を細めた彼の笑みは、いっそ少年のように見えた。ほんの一瞬、無防備な愛しさを宿して。それは次の言葉に繋がる、一拍の助走であり「だからな、リズちゃん──白状すると、今の俺はだいぶ不利なんだよ。アンタのお友達がお節介なせいでさァ」にやりと口角を上げる。だがその奥には、彼なりの“譲れない感情”が確かに潜んでいた。まるで自分が知らぬうちに、小狐とその“友達のジョバンニ”を、天秤にかけさせられていたかのように。「……で?」と、彼女の問いをなぞるように、喉奥で低く呟いた。「今度はアンタが答える番だ。──その小狐くんが“助けたがった”アンタが、何を考えてんのかってこと。俺はまだ、アンタの全部を見ちゃいねえ。だけど、ちょっとだけ分かってきた。少し話しただけでつたわる負けん気の強さ、悪くない。」ぐっと身を乗り出すようにして、彼女の瞳に自身の影を落とす。囁くような声音、鋭くも艶めく視線。それは問いでもあり、誘いにも似ていて。)頼むよリズちゃん。タイムリミットまで面白い女でいて、アンタを傷つけないでくれるか?
193:
カムパネルラ [×]
2025-05-13 16:09:54
山猫座「あら、貴方にも聞こえる?耳を澄ましてご覧なさいな、貴方の心臓がこの汽車に恋をする音。これは契約なの。愛とか、罠とか、そんな甘ったるい名前で呼ばないで。この列車に乗ったなら、誰もが忘れていた獣の鼓動を山猫が教えてあげる。」
○ 世界観 ○
>1
〇 提供 〇
>2
〇 好み / 萎え 〇
>3
>ジョバンニの受付はいつでも行っております。
興味を持っている、お試しで参加してみたいなど、質問やご相談だけでも受け付けていますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
>只今の時間よりリアルタイム交流、早い反応が可能です
本日纏まった時間を作れたのでこれよりリアルタイムの反応が可能です。
もし少しでも興味を持って下さった方がいらっしゃいましたらお気軽にお声かけください。
194:
レイラ [×]
2025-05-13 16:25:14
>子犬座
(日常生活で呼び捨てを受けることは殆ど無い。相手の提案を新鮮に思いながらも「子犬“さん”と呼ばせてください。その、わたくし、人を呼び捨てにするのは慣れておりませんので…」同時に照れくさい気持ちがあり、一瞬だけ視線が斜めに逸れたのがその証拠。相手が自分と歳が近い異性だからなおさら恥じらいがあるのだろう。ただし、垣間見えた少女らしい一面はあくまでも“素の一部”。再び蠍座と、アンドロメダ座の名が出たとき、空気はまた重くなり“運に任せるしかない”という言葉を耳にして、無意識に手元の鏡を握った。まるでお護りのように。突きつけられる現実を何も言わずに聞き、最後にふぅ、と静かに息をつき、沈んだ声色で「殺されたくない……」ゆっくりと瞼が動いて、瞬きを一回、休止を挟んだ瞬間「と、言ったら嘘になりますわ」さっきのはまるで演技だったかのように、沈着な態度に戻り「正直に言って、わたくし死への恐怖はありません。元の世界に未練もありません、べつに、殺されてもいい、美しい宇宙の藻屑になれるなんて素晴らしいとも思いますわ。……けど、約束しましたの、時計様と…。『必ず銀河ステーションで降りて帰る』と──それを果たしたいですわ。運を味方につけてでも」据わった眼差しで、ほとんど抑揚をつけない言葉の数々。けれど確かな意志がこもっていた。次第に表情はほころんでいき)
ですから子犬さんには、わたくしがこれからまた汽車に乗っても無事に帰れるよう、祈っていただきますわ。
195:
子犬座 [×]
2025-05-13 17:03:28
>レイラ
(彼女の言葉を黙って聞いていたが、無意識に眉がわずかに動く。自分の命に執着がないこと、それでも“約束”があるから生きたいと言う彼女の意思は静かに、それでいて確かに伝わってきた。死への恐怖がないと告げられた瞬間、脳裏を過ったのは時計座の顔だった。あいつはきっと、そんな結末を聞いたら立ち直れない。彼女が言うように、宇宙の藻屑になったくらいで割り切れるほど器用な奴じゃない。「……そうか。そいつぁ、良かった」喉の奥でくく、と短く笑いながら、柔らかな敬意を込めて頷いた。彼女が死を選ばない理由が、自分の命の価値じゃなく“時計との約束”だってことに少しだけ胸が熱くなる。ふ、と小さく息を漏らしてから「俺は、死ぬのが怖ぇよ。ガキみてぇな理由だけどさ。まだ知らねぇことが多すぎる。もっと色んな奴と話して、もっと多くを知りたい。……だから、俺は汽車に乗る」すっと立ち上がるような気持ちで、静かに彼女へと目を向けた。強く主張するわけじゃないが、その声には芯がある。低く抑えられた口調に、どこか少年の夢と、今の自分の生き様が滲んでいる「……レイラ。あんたの夢は何だ?」問う声に、軽薄さはなくて、そこにあるのは等身大の真剣さ。彼女がその答えを持っていてもいなくても、ちゃんと受け止めるつもりで口を閉じて)
196:
レイラ [×]
2025-05-13 19:19:46
>子犬座
(「夢…?」たった一つの小さな単語は彼女を戸惑わせた。人が将来なりたいものやしたいこと、生きる原動力にもなりうる“夢”について、今まで想像もしたことなかった。聞かれて初めて、自分はそういうものを持っているのかと疑問がわく。意味もなく唇に指を当て、しばらく沈黙し始める。真っ先に死や鮮血を見たいという欲求が候補として上がってきたが、あくまで嗜好であり夢ではないと判定する。では一体なにが答えに当たるのか──「あ…」不意にこぼれた声の裏では、様々なものに憧れ、ときに羨んでいた幼き日の自分の姿が頭に浮かんでいて「夢かどうかは分かりませんが…。小さいときからわたくしは、知りたいことがあると本を読んで、そこに書かれていることに満足していました。けれど今は、本だけではなく、自分の身を通じていろんなことを知りたいですわ」ここで、時計のカムパネルラを思い出した。父親の顔をして愛について語る彼は、本では得られなかったものをたしかに教えてくれた)
はぁ、わたくしがこんなことを思ったのは、きっと…あなたのお父様が、あなたへの愛を語ってくださったおかげですわね…。
197:
鹿子 晴匡 [×]
2025-05-13 19:26:40
>烏座
ふむ、カムパネルラ。
(伸びやかに響いた可々を落ち着けるように、そっと丁寧に置かれるその言葉へ此方も耳を傾け受け取る。始めはそれそのものが彼の名であると勘違いをして、しかし己を指して向けられた呼称に直ぐ様思考を正す。「ジョバンニ……」この場所での役割か関係性か、それとももっと別の何かか。子細は遠く遠く、今すぐと見える事は無い。ただ、無償の施しはしないと言う彼から教えられたその名の静謐な重さは、きっと一等大事にしなければならない語りであると思わせるには充分だった。「……うん。うん、なるほどなァ。」カムパネルラとジョバンニ、その二つをもう一度口の中で転がして、ゆっくりと確かに飲み込んで。その瞬間を見計らったようにまた彼の表情は徐と変わり、先程の語りにもう一つ枝葉が増える。「烏。…ははぁ、通りで綺麗な髪ばしとる訳だ。」成る程正しく連想する程美しい彼の濡れ羽色とその名称を掛け混ぜて、素直な感嘆と納得を落として頷いた。それに加えて、態々そう名乗る事の意味は恐らく、“カムパネルラ”と称されるのは彼一人ではないという事。ならば己は――と推測の糸を一旦断ち切る。彼是考える前にまずは、そう、「俺ァ鹿子晴匡。学校で教師ばしとる“ジョバンニ”だ。貴方さんの好きなように呼んでけろ、烏さん。」名乗られたのだから此方も誠実に、しかし少しの遊びを含んで彼を真似た自己紹介を。それから話の内にすっかり伸ばしていた背は、再び彼の方へ緩やかな角度で傾いて。「そんで烏さんは、こん列車さ乗んのは慣れとるんか?」見合う対価を探るだとか、上手く情報を集めるだとか、そういった建前が全く無いとは言わない。けれども正直、そんな無粋な打算は一割未満で二の次三の次。今はもっと純粋に、目の前の彼との交流を楽まんとする軽やかな浮わつきを和む目尻と声音に乗せて、そう対話の最初の一歩を踏み出す。)
198:
子犬座 [×]
2025-05-13 21:56:16
>レイラ
(まるで心の奥底に静かに沈んでいた泉から、ぽつりと一滴こぼれたようなそんな声だった。「夢かどうかはわかりませんが…」と、彼女が語り出したその瞬間、ごく自然に呼吸を止めた。耳を澄ませるとは、こういうことなのだろう。慎重に、丁寧に、彼女の言葉を受け取っていた。本により知識に満たされていた少女が、それでも本を閉じて外の世界へと歩み出そうとする。恐らくはその一歩に、痛みも、迷いも、戸惑いも伴うだろう。それでも彼女はそれを望んでいる。そうしてその背中を押したのが、“時計”だったというのなら、とても誇らしい。気づけば、感情が無意識に尻尾へ伝わっていた。重力に従ってわずかに揺れたそれを見て、なんだか恥ずかしくて自分で自分に呆れる。なんだよ、と誰にも聞こえない声で呟いて、口をむずと結び。視線を逸らすのに理由はいらなかった。ただ、照れくさくて、どうしようもなく嬉しかった。「……そん時ゃ、教えてくれよ。今までやったことなかったこととか、初めて食ったもんとか」それから不意に口を開けば、その声音はどこまでも低く静かで、けれども不思議とぬくもりが滲んでいた。言葉にしてしまえば、それはただのお願いだ。でもそこには、確かな信頼と期待と、かすかな照れ隠しが同居していた「……次、俺に会った時でいい。お前が、新しく知ったこと。それを聞けるの、楽しみにしとく」新たな一歩を踏み出そうとしている、その足音を逃さぬように悪戯に口角を持ち上げて、そう伝えて。)
199:
烏座 [×]
2025-05-13 22:00:48
>鹿子
(名乗った名前をまるで掌の上に載せて遊ぶように、鹿子晴匡という男はさっそくそれを試すように口に乗せて転がした。己のことを指す「カムパネルラ」に少しばかりの戸惑いと、それを受け入れる肯定とが微かに混ざった声色で。いい声だと内心で思った。広がる窓辺の夜景に、あの穏やかな声音はきっとよく似合っていた「……晴匡、かぁ。ええ名じゃ」小さく喉を鳴らして、くつくつと笑う。すっかり馴染んだように発音してから、軽く片手を挙げて応じるように「烏でええよ。変に気ぃ遣われるんも、性に合わんけぇな」そう伝える。己についてを問いかける流れがあまりにも自然体だった。探るでもなく、図るでもなく、ただただ、目の前の烏という存在を面白がってくれている。それだけが伝わってきて、思わず毒が抜けるような気がしていた。息を一つ吐いて、外の星を追うように細い目を向け、肩を背凭れに預けながら小さく頷き伝える。「この列車にはなァ、ちいとばかし“決まりごと”があるんよ」人好きのする笑顔でゆるく笑いながらも、その声音には低く沈む重さがあった。冗談の皮に包まれた言葉の芯には、ひやりとした現実が宿っている「守らんかったら、帰れんようになる。どこにも、じゃ」もっと焦らしてから伝えようと思っていたのに、ああ、簡単に言うてしもうたと、自分の唇からこぼれた言葉に内心で小さく目を見張っていた。こんなふうに、誰かに対して対価も無しに情報を差し出すなんて。けれど今は、それが惜しいと思えないほどに目の前のこの男の温度がちょうどいい。そう感じてしまったのだった。切り替えるべく咳払いを一つ。まるで湯気の立ちすぎた湯呑をいったん脇へ置くように、己の熱を冷ます仕草。次に目を合わせたときに瞳の奥にはやんわりとした毒と甘さが戻っていた。「……けどまぁ、つまらん話ばっかしじゃ退屈やろ?」ちょいと指先に乗せて見せたのは、一枚の古びた銀色のコイン。かすかに歪んだ縁の、使い込まれたそれを彼の方へ差し出しながら、にこりと笑って「まずはこれ、よう見てつかぁさい。イカサマなんぞ仕込んどらん。裏表、ちゃんとしとる。……確認、した?」片目を細め、色眼鏡の奥からいたずらっぽく覗き込む。微笑は保ったまま、しかしその熱はどこか挑発的で、目の前の相手の心に指を添えるようだった。「今から、表か裏か──ひとつ、賭け事しようや。あんたが勝ったら、俺ァ“その大事な決まり”をひとつ教えちゃる」ことさらさらりと、その価値を言い下ろして見せる。その実、その“決まり”が命に関わるほど重大であることを知っているのはこちらだけだと言うのに。「ほいじゃが、俺が勝ったら──あんたの“大事なもん”を、ひとつ貰う」そう言って、しれっとした顔のまま唇の端をわずかに上げて微笑みを見せて「……乗るか降りるか。さて、どうするね、晴匡さん?」問いかけは、まるで軽口のように。けれどもその声音には、背筋を撫でるような滑らかな悪意があった。遊戯と知りつつ抗えぬ蜜を用意した烏座は、まさにそんな言葉で彼を誘っていた)
200:
リズ・フェリシティ [×]
2025-05-14 04:31:45
>蠍座
( ふたりだけの声が響く車内、静寂を震わせる声はどこまでも愉快げにこの場を支配していた。くるりと宙を描く彼の手のひら。その中にあったもの、小狐座がしたこと。彼から語られる事実に取り繕うことも忘れ、ただ目を丸くする。微かに動揺したように視線を泳がせ、葛藤に揺れ動く瞳がその内容を受け入れ難いとも、先程彼があげたような馬鹿と思わず肯定したくなるような気持ちで子供のようにぎゅっと眉間に皺を寄せて「……ホント、ヘンなヤツ。」数秒の間ののち、僅かに目を伏せ、そう短く言葉を落とす様はどこか噛み締めるようにも、確かに彼との友情は存在したのだと、その喜びを隠すようにもツンと跳ね上がっていた。たった一度きり、それも彼らからすれば瞬きの間共に過ごしただけのジョバンニと彼自ら友人と称する蠍座を比べて、こちらを優先するなんておかしなことだ。彼のそんな一面が、やっぱり好きだった。そんな中、目の前で不敵に笑みを形作り、それ相応の色香を纏わせる彼が小狐座を語るとき、その無邪気さはすこし異質で。彼の危険性を知らぬものならその差にくらりときてしまうのだろう。しかし、その姿はまるで自分に意見した小狐座を愛でるように自分には感じられる。…そして、その言葉の裏に滲んだ感情。ちくりと刺さるそれに何かを察する。つまり、結果はすべてこちら次第なのだろう、と。タイムリミットとは銀河ステーションに着くまで。ぐっと迫った距離間、その艶やかな視線を一身に受けて唇が僅かに水音を立てた。「…アラ、アタシの友達がごめんなさいね」小首を傾げて、ゆっくりと笑みを作る。誘うように唇を甘く彩るカシスを歪めて、纏う雰囲気を少しずつ変化させていく。「そ、女のコはすこし気が強い方がカワイイでしょ?だから、そんな女が考えてることなんてカンタンよ」不利、なんて言っているが小狐座がどう言おうと彼はきっと変わらない。同じく人を動かし、支配することに悦楽を覚える。自分はそう言った相手に…。「___どうやったら、カムパネルラ1キケンな蠍座を出し抜けるか。それだけをさきっから、ずうっと考えてンの。無傷でここから逃げて、他のカムパネルラにどう自慢してやるかって、考えてるの。」そんな相手に、歯向かうのが大好きだ。内側に秘めたスリルと刹那主義、本能の狭間に住み着く獣性を晒すように、にいっと悪戯っぽく口角を上げる。先程までの警戒、それを大きく凌駕するほどの、刺激を欲するオンナの表情。「ま、アタシをブン殴って、彼の作るご飯を抜かれるアンタも見てみたいけどね。」くるりと楽しげに喉を鳴らし、戯けたように口角を持ち上げる。まるで野良の動物が腹を見せ懐いたように思わせる素振り、しかしその合間にも相手を観察する手は止めず、瞳はうすく細めたまま。彼と小狐座が引いた安全という境界線を、まるで子猫が悪戯をするように引っ掻く。もしそんなことになれば無事で帰れる保証はないと理解した上で、敢えてそう口にしたのは、彼の言う”見えていない考え“をちらつかせるもので。「…ねえ、嫌いじゃないでしょ。こういった、”馬鹿で可愛い女”。」悪辣に、確かに少女めいた瞳で先程の彼の言葉をなぞる。ふっと頬杖を解いて、伸ばした先は彼の頬。躊躇いもなくひたりと手のひらと頬を触れ合わせ、欲に濡れギラつく瞳で笑いかける。彼の猛毒のことは知っている、その上で彼に触れたということは彼に対する挑発の程度を探るようにも、奇しくも同じく許されるラインを見極め、そしてその上を踏みつけ、そのギリギリを弄ぼうとする意地汚い心から。しかし、その指は微かに無意識からの震えを纏っていたし、主導権を奪い取ろうと必死な子供のようにも、絶対的な王者の瞳には写ってしまったかもしれない、 )
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