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152:
狩人 [×]
2024-03-07 01:20:48
>148 ことも、アリ、ALL
【廃屋敷/リビング】
神秘の力を帯びた無数の光弾は確りと不可視の敵に命中し、その肉体に少なからず深い手傷を負わせる事に成功したらしい。その証拠に敵(星の精)は苦しみの咆哮を放った上、遂にその姿を顕現させた。無数の触手を生やし、イソギンチャクに近い肉体を持つその敵(星の精)は、今まで狩人が何体も狩ってきた上位者、あるいはその眷属に近しいものを感じる怪物だった。先程の縦振りが大した効果を成さなかったのも合点がいったという風に、狩人は脳内で手を叩いた。そもそも弱点たる頭部など初めから無かったのだから。
しかし感心している暇などない。あの怪物も(星の精)上位者性質を有すると思われる者、その生命の灯火は触手を切断され“彼方への呼びかけ”を直撃させただけでは吹き消すことなど出来ないのだ。怪物(星の精)は未だに抵抗の意思を見せ、触手で周囲を貫こうとしてくる。精霊を再びポケットに仕舞い、狩人の象徴たるノコギリ鉈を再び抜刀せんとするが、どうやらその必要は無かったらしい。狩人が行動を起こすよりも先に、先程侵入してきた男(アリ)が掩護射撃を行ってくれたようで、連続した銃声が耳に、発砲に伴う閃光の明滅が目にそれぞれ入ってきた。狩人のそれとは比較にならないほどの連射力を持つ銃は持てる力を余す事なく存分に発揮したようで、今にも触手でこの場の全てを刺し貫かんとする怪物(星の精)の攻撃を妨害し、大きな隙を作る形となった。そして当然ながら狩人はその隙を見逃さない。
「感謝する」
隙を作ってくれた男(アリ)に感謝の言葉を述べながら、軽快なステップで怪物(星の精)に接近し右手の指を平行に並べて手刀を作れば、それを思い切り目の前の怪物(星の精)に向けて突き出した。
内臓攻撃──それは大きな隙を晒した敵に行う狩りの技。手刀で外皮を貫き、内臓を引き摺り出すようにして引き抜く事で体内に甚大な損傷を与える、まさしく致命の一撃。その内臓攻撃が今まさに、怪物(星の精)に向けて放たれたのだ。
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