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232: エレナ [×]
2023-12-12 11:51:01

>>231 レアリゼ様

恐らく「許さない」、と発言しかけたレアリゼの腕を撃ち抜き、エレナはさらに苛立ちを覚えた。許したくないのはこっちだとなぜ分からないのだろうか。

「次は…、どこに撃とうかしら」

鳴り響く悲鳴に表情をさらに強張らせ、銃の側面のレバーを引く。空薬莢が排出されて床に転がる。これをあと何度繰り返せばこのおぞましい化け物が積み上げてきた罪に匹敵する罰になるのだろう。3発か?10発か? そんな事を考えながらポーチの中を探る。先ほど床に弾を落としてしまったせいで残りは4発しか残っていない。元より狙撃1発で任務を終えるエレナは普段から100発も200発も弾薬を持ち歩かない。とても、非常に残念だがこの4発で決着をつける必要があるらしい。
だが、弾を受けてのたうち回ることしかできないと考えていたレアリゼはあろうことか会話を持ちかけてきた。そしてその内容は、エレナの装填動作を止めるのに十分な役割を果たした。

「あなたの狂気に気付けなかった。あなたの凶行を止めなかった。それが罪じゃなきゃ…!」

しかしエレナが言い終わる前にレアリゼが動き始めた。振り下ろされる回転鋸を前に、本能的に装填のために銃を持っている左腕で防御体勢をとりながら必死に体を捻って刃から逃れようとするが、避けきれずに回転する刃が左腕の肉を抉った。

「…っ!! ぁあ…ぁ!」

右腕を軽くなぞっただけの先程に比べて遥かに強烈な激痛が左腕に走り、緊急回避で地面を転がりながらうめき声を上げる。追撃されないように素早くレアリゼに背を向けた状態でなんとか膝立ちになり、だらりと垂れ下がった左手でなんとか握っている銃に弾を押し込み、レバーを引く。背を向けた状態なためレアリゼが別の場所を見ていればエレナが装填を終える姿を見れなかったかもしれない。

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