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花一匁(〆)/276


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自分のトピックを作る
226: 椿 [×]
2023-06-28 20:43:56



─── すてき、

( ぽぉん、とふわふわと軽いようで、だがしかしずっしりと重厚感のあるピアノの音色に椿の心は釘付けで。鍵盤をひとつ叩くたびに違う音程の音が鳴り、辺りに広がっては散っていく。まるで花火のような音色たちに椿の蘇芳はきらきらと光り、それからそれらをまるで鍵盤の上で指が踊っているかのように音を彩る彼の横顔に、思わず椿も見惚れてしまう。教養の一環、というよりも彼の音色は素人目で見ても(聴いても)ピアニストの演奏と遜色ないほどの腕前で、椿は思わずぽつりと鈴のような呟きを零して。彼の演奏が終われば、小さな手で一生懸命にぱちぱちと拍手を送りながら「 とってもお上手です!素敵、音が踊っているみたいだわ! 」とまるで小さな子供が宝物を見つけたかのようなきらきらとしたまんまるの瞳で彼を見つめて。 )


( / お久しぶりでございます…!!
勿論です、お忙しかった後なのに顔を出してくださってありがとうございます…!!ぜひ私の方からもこれからもお相手をさせて頂けたら嬉しいです…!! )




227: 大祝直政 [×]
2023-07-01 17:04:49




───ふぅ。

( 指が鍵盤の上で踊り始めればついつい興が乗ってしまったらしく、呼吸も忘れて目の前のピアノと対話して。今弾いている曲の一節を弾き終え、不足した酸素を補うように大きく呼吸をすると傍らの椿の小さな拍手でようやく我を取り戻し、おとなげなく我を忘れて一心不乱にピアノを弾いていたことに気恥ずかしさが残るのか「 ん゛んっ。 」と咳払いをして。まるで幼い子供がはしゃぐように賞賛の言葉を贈ってくると「 久しぶりに弾いてみると、意外といいものだな。 」と、鍵盤に指を滑らすように触れながらそう言えば「 ほら、椿も適当に触ってみなさい。 」と自分だけ楽しんでしまっていたことを思い出せばそう促して。 )

( / お優しいお言葉ありがとうございます!改めて、これからよろしくお願いします! )



228: 椿 [×]
2023-07-05 22:20:55



て、適当に…。

( 彼に促されるがままに、恐る恐る今度は1人で鍵盤に指を這わせてはぽん、ぽぉん、と拙くはあるが元々音楽の際はあるのだろう、曲とまでは言わずとも不協和音になることはなく音を奏でて。指を深く沈めれば深い音が、反対に跳ねるように鍵盤を押せば音も同じように跳ねていくのがなにだか楽しく椿はキラキラとした瞳でそれらをじっと見つめて。初めは片手だったのが両手に、高音と低音をそれぞれ奏でてハーモニーを重ねれば、ぱっとだれから見ても高揚したような表情で「 直政様、ぴあのって不思議ですね!とっても楽しい! 」とにこにこぺかぺか笑って見せて。遊郭にある楽器たちとはまた違う音を奏でるこの大きなグランドピアノは、最初は得体の知れない怖いものだったのが今ではすっかり素敵な音を出す魔法の楽器に早変わりし。直政様みたいに踊るように弾けるやうになったらきっと楽しいわ、どこかで習えるのかしら。なんて考えるくらいには根っからの芸者である椿の心はピアノに掴まれてしまったようで。 )


( / 早速少し遅れてしまいました…… !すみません!
こちらこそです…… !!改めてよろしくお願い致します!/蹴可 )




229: 大祝直政 [×]
2023-07-12 22:17:10




ほぉ…。

( こちらが勧めるがままに、恐る恐るといった様子で椿の白魚のような指が一つの鍵盤を鳴らすと、そこからは吹っ切れたのか遠慮がなくなった様子で一つ、また一つと音を鳴らし始めればどうやら気に入ってくれたようだと笑みを浮かべながら安心して。そこからは興が乗ったのか両手で弾き始め、ただむやみやたらと弾いているのかと思うもそれにしては妙に整ったハーモニーを奏で始めれば、やはり芸者としてのセンスや天性の才能がそうさせているのだろうかと感心して。あらかた満足したのか、きらきらとした表情をこちらに向けながら弾いてみた感想を興奮気味に述べてくると、先ほどまでのびくびくした様子はどこへ行ったのかと苦笑して。しかしそうか…椿がそういうのなら、これで懸念材料はなくなったなと、顎に手を当てればその表情は本格的にこのピアノの購入を考えている様子で。 )

( / すいません…。また遅れてしまいました…。 )



230: 椿 [×]
2023-07-13 08:21:52



?、─── あ゙ッ。買いませんよ!だめです!

( 彼の視線に何かしらと不思議そうに首を傾げたものの、何日も衣食住共にしてきてどことなく彼の考えていることがわかってきたのかハッと気付けばぶんぶんと首を振りながら彼が考えているであろうことを否定して。…最も、主人である彼が買うと言ってしまえば自分は全く口を出せない立場なのだが。確かにぴあのを弾くのはとっても楽しかったし彼のように弾けたらどんなに楽しいかとすらも思うがそれにしたって値段がとんでもないのだ。今まで彼が自分に使ったお金の総額を考えるだけでも目眩がする程なのに、そこから更にこのぐらんどぴあのを加味したらそれこそ遊郭で1番の女を暫くは傍におけるほどだ。椿はちらり、と名前の通り椿色の瞳を彼に向けては「 …直政さま、? 」と子猫が母猫を呼ぶような声で彼の名前を呼びながらきゅ、と彼の服の裾をちいちゃな手で掴んで。 )


( /いえいえ!私も遅れてしまったので…!お気になさらず…! )




231: 大祝直政 [×]
2023-07-17 22:09:39




そうか…だめか…。

( 己の中ではもうピアノを買うことは確定事項だったのか、すでに頭の中ではこのピアノを屋敷のどこに置こうかなどと考えていて。しかしそうやって真剣な表情で考え込んでいると、傍らの相手がぶんぶんと首を振ってピアノの購入を却下してくれば、さすがに少し高価すぎただろうかと思って。蘇芳の瞳をこちらに向けてこれ以上金をかけるつもりかと不安そうな蘇芳の瞳で見つめてくると先ほどまでの真剣な表情とは一転してしゅんとあからさまに落ち込むような様子を見せて。「 うん、じゃあ行こうか。 」と寂しそうな表情を浮かべてそう言えばチェアから立ち上がり、そうか…そうか…と呟きながら会計へと歩を進めて。その道すがら「 椿と一緒に弾きたかったなぁ…。 」とぼそりと呟いて。 )

( / ありがとうございます。これからはこまめに顔を出すようにしますので! )



232: 椿 [×]
2023-07-24 23:25:58



ぅ、…………。

( ぽそり、、と隣から聞こえた悲しげな呟きにギュ!と胸が痛んではぴたりとレジに向かう足が止まり。確かに自分も彼と一緒にぴあのを弾けたらとってもとっても楽しいだろうなあと思うし、実際に欲しいとだってほんのちょっぴり望んでしまっていたが。それでも欲しい!と気軽に買える値段では無いのがどうしても胸に引っかかる。椿はそこで数十秒悩んでから、彼の服の裾をくい、と引っ張ってはそっと彼の耳元にさくらんぼ色の唇を寄せて「 あの、ええと、直政さま。ぴあの、……ほしいから、買って? 」と消え入るようなちいちゃな遠慮がちな声で囁き。─── いーい?椿。良い女さね、何をお強請りしても許されるのよ。男はね、可愛い女を甘やかすのが大好きなんだから。 …そんな姐さんの言葉を思い出したから。 )


( /すみません多忙につき返信がとても遅れてしまいました…!!!
一旦全て落ち着いたのでこれからは2日に1回は必ず顔を出せるかと…!すみません…!! )



233: 大祝直政 [×]
2023-07-25 20:08:32




( 椿から購入の許可が下りなければ仕方がない。今日は三味線を購入して終わりにするとしようと、背中を縮こま背ながらさめざめといった様子で会計まで歩を進める。しかし、会計まであと一歩というところで不意に後ろから服の裾を引っ張られてその一歩を止められてしまえばなんなのだろうと相手の方へと振り向くと耳元で鈴の音のような声で囁かれて。その言葉を聞いた途端、先ほどまでの悲しげな表情がみるみるうちに笑みが浮かび上がれば、したり顔を相手に一瞬向けてから「ご主人、あのピアノも会計に入れてくれ。」と相手のお強請りを聞いてからすぐにそう言って。そう、先ほどまでの落ち込んだ様子は演技であり、相手を揺さぶるための謀略。相手からの許可が下りればもう悲しそうに演じる必要はないと、落ち込んだ様子から一転して嬉々としてピアノの購入手続きを進めて。 )

( / 大丈夫です!自分が言うのもなんですがのんびりと待っておきますので! )



234: 椿 [×]
2023-07-25 21:32:27



!!!!!

( 椿の精一杯のお強請りに、怒るか呆れるか…さて彼がどう返すかと恐る恐る不安げに揺れる蘇芳で彼を見上げてみると、そこにあるのは端麗な唇をしてやったりと言いたげに歪めて早々に会計に進む主人の姿。椿はぱち!と音が鳴るのではないかと言うほどパッと瞳を大きく見開いては彼の表情の意味をゆっくりゆっくり時間をかけて咀嚼していき、やっと彼の先程の表情や声色が演技だということに気付けば「 な、直政様!!!うそつきです!! 」と彼の策に嵌った椿はワッと真白の頬に朱色を散らしては、もう自分では口出しのできないところまで進んでしまったピアノと三味線の金額にあわあわと緩く波打った美しい黒髪を揺らしながら右往左往するしかなく。……最も、ふたつの合計金額は恐ろしくて見ることが出来ないのだが。 )

( / お優しい言葉ありがとうございます…!
前述の通り、本日よりコンスタントにお返事出来ますのでまた御相手頂けたら幸いです、! /蹴り可 )




235: 大祝直政 [×]
2023-07-26 22:19:40




椿が欲しいなら仕方がないな。うん、仕方がない仕方がない。

( ピアノの購入に関しての保険や契約、配達などの書類を書き込みながら上記の様に、あくまでピアノを欲しがったのは椿であり、自分はなんら悪くないと言い張るかのようにわざとらしく呟いて。ようやく騙されたことに気付いた相手が、静かな店内に響き渡るほど声を上げてぽこぽこと頬を茹らせれば「ん~?なんのことかな?椿が買ってって言ったんだろ?」と悲劇の自分を演じていた己のことを棚に上げながらすっとぼけて。諸々の手続きを終え、そうしてやってきた支払いの刻。あいにく三味線とピアノの合計金額を一括で払えるほどの現金は持ち合わせていない(というか持っていると危ない)ため、おハナの店の時と同様に小切手で支払い。小切手に書かれた千ウン百万の数字の羅列を確認し、そして購入の確認である己のサインを書き込めば、晴れて三味線とピアノは椿のものとなり。 )



236: 椿 [×]
2023-07-27 17:51:58



ぅ、……。

( 確かに彼の言葉通り、〝欲しい〟と口にしてしまったのは紛れもなく椿であり其れに何も言い返せなくなってしまえば聡明な女にならなければ…!!!と新たに心の中で椿の目標が確立し。このままでは彼の策に嵌って色んなものを彼の思うがままにされてしまう。よくない。そうこうしている内に支払いの刻がやってきたようで、見たら絶対に後悔するのに椿は白魚のような両手で小さな顔を覆ってはその指の隙間からそろりと彼のサインしている小切手を覗き見て。「 っひぇ 」見たのは一瞬。それでもその一瞬で認識できたゼロの数は自分が見た事のある数字よりも余程多くて思わず目眩すらする心地になってしまう。こんなのただの労働だけではよほど返せる額ではなく、それこそ本当に花魁レベルの女を何夜も抱くような金額なのだ。椿は小さな悲鳴を漏らした後によろよろと彼の服の裾に捕まれば、「 な、直政さま…なんとお礼を、…いいえお詫び…?私何をしたら… 」と焦りと混乱と喜びと。ぐるぐると色んな感情が混ざりあった頭のまま平気な顔をしてとんでもない額の買い物を済ませた美丈夫に問いかけて。 )




237: 大祝直政 [×]
2023-07-27 22:05:22




( ピアノはともかく三味線は今日、これからもこの百貨店を回るには少々過ぎた荷物であり、店の主人に状況を説明すればこの百貨店での買い物が終わり、取りに来るまでこの店で預かってくれるとのこと。主人と己でそう約束を取り付けていると、背後から服の裾を掴まれればなんとも表現のしがたい表情をする相手がおり。この恩をどう返したらよいのかと、またも生き急ぎ始める相手に「 まーたそんなこと言ってる…。 」と、どこか呆れるような声でそう呟いて。「 気にしなくていいって、これから返すんだって言ったろ? 」と、数日前、相手があられもない格好でこちらの部屋に乗り込んできたときのことを思い出させるように問いかけて。しかしまぁ、己にとっては痒くもない額の買い物とはいえ、確かにこれはやりすぎたかもしれないと思い、今日のもう一つの目的である扇を買えばしばらくは大きい買い物は控えようと考えて。店を出てもなお、あわあわとした様子でいる相手に仕方なしと一つ小さなため息をつけば「 じゃあ、今日帰ったら按摩でもしてもらおうかな。 」と少しでも罪悪感を削ってもらおうと労働を課して。 )



238: 椿 [×]
2023-07-28 21:05:59



!仰せのままに…!

( 彼から仕事を仰せせつかれば、ひどく安心したように分かりやすくホッと息を吐けばいつものようにふにゃりとした少女の笑顔に戻り。最も按摩なんかでは今までの金額には到底及ばないのだがそれでもやはり何もしないという罪悪感は薄れたのか不安げに揺らいでいた蘇芳は落ち着きを取り戻して。やはり数日そこらでは今までの17年間の生き方というのをヒョイと変えられるもの手間は無いが、椿のこれは元々の性格もあるのだろうかくい、とまた彼の服を小さな手で掴んではぱちぱちと音が聞こえるかのような長いまつ毛を瞬かせては彼の黒瑪瑙と己の蘇芳を交わらせながら「 ぴあのも、三味線も、大切にいたします。ありがとうございます。 」と改めてにこにこふにゃふにゃ微笑んで。 )




239: 大祝直政 [×]
2023-08-02 22:23:46




うん、それでいいんだ。

( それほどまでに大きな負い目を感じていたのか、簡単な仕事を与えただけでもそれで安心したように一息つく相手に、やれやれと仕方がなさそうにため息をつくが、決して疎ましく思っているのではなくまるで親が子供のやんちゃに付き合っているような風のため息で。さて、次の目的地はと百貨店の見取り図を眺めていると後方から服をちょいちょいと引っ張られれば、なんなのだろうかと引っ張られた方を振り返り。先ほどからずっとあわあわとしていたが、どうやらやっと、ピアノを買ったという事実を飲み込んでくれたのか、改めてお礼を述べられると、笑みを浮かべながらそうやって甘えていればいいと上記の様に言って。気を取り直して見取り図を見ていれば、どうやら芸子御用達の店がある様子。それを目にした途端「 よし、次はあっちだ。 」と相手の手を包み込むように握ればその手を引いて目的地へと向かい。 )



240: 椿 [×]
2023-08-02 23:52:14



つ、次……?

( 何やら次の目的地を見つけたらしい彼の優しくて暖かな手にゆっくりと手を引かれては、ぱち!と長いまつ毛を瞬かせながら蘇芳を丸くして。直政様のお買い物かしら、と見当違いなことを考えながらワンピースの裾をひらりとはためかせながら彼の後ろを着いていき。だがしかし、と改めて店内にある様々な店舗たちはどれも高級志向で、働いている女たちは全て砂糖菓子のように美しい女たちばかりだ。お人形さんみたい、とぽけ…とぼんやり見つめていれば宝石店の美しい女の店員がにこ、と微笑みかけてくれたのでピャ!と肩を跳ねさせたあとに慌ててお辞儀をして。─── 廓にいた姐さんたちとは違う綺麗さだから、少し緊張きちゃう。椿は無意識に彼とつないだ手に柔く力を込めては次は余所見をせずに彼について行き。 )




241: 大祝直政 [×]
2023-08-08 21:47:15



扇も欲しいって言ってたろ?

( 椿と約束していた三味線ともう一つの品物、「扇」。自分にはよくわからないのだが、舞には必要なものらしく、相手の本当の舞を見るのであれば買うしかないだろうと目的の店へと歩を進めて。善は急げと歩いて着いた芸子御用達の店はどこか怪しげな雰囲気を醸し出しており、一般人が入るには少し勇気がいるような店構え。しかし当の本人は、そんな雰囲気に臆せず、椿の手を引きながらずんずんと店の中へと入り。どうやらこういった店に入るのは慣れているらしい( 芸子の店に入るのは初めてだが )。店の中には芸子達が使う化粧類や簪などといった小物が並んでおり、そのどれもが、見るだけで一級品だとわかるような品質のものばかり。そして目的の扇の棚へとたどり着けば「 さぁ、どれが欲しいんだ? 」と、やはりここは本職である相手に任せた方が無難だろうということで相手の審美眼を頼りにして。 )

( / すいません、扇が売ってある店というのが上手くイメージできなかったので店を勝手に想像してしまいました…。 )



242: 椿 [×]
2023-08-17 20:45:27



ッ、─── 。

( まさか次も自分のための買い物だとは思わなかったのか、椿は大きな蘇芳の瞳をぱち!と見開いては口をぱくぱくと開閉して。人間驚きの頂点になると声も出ないというが正にこれがそうなのだろう。呆然としながら彼に連れられた店内は芸妓時代によく見知ったものたち─── 最も自分が使っていたものより余程高価な花魁レベルしか許されないものだが ─── が陳列されており、今までに行ったどの店よりも何だか呼吸がしやすくて椿はゆっくりと息を吐いて。嗚呼、あれ姐さんが旦那様に強請っていたものだわ、だとか、一度だけ付けてもらってすごく良い匂いのした覚えがある白粉だとか、自分が生まれ育った世界のものたちに溢れている店内は目移りしてしまう。目的の扇が数多く飾られている一角にたどり着けば、彼の言葉に先程まで安堵していた表情はぴゃ!と緊張し、ざっと見た限りでも1番安い扇ですらとんでもない値段がするのを確認すれば椿は少し悩ましげに眉を下げて。「 きょ、今日じゃなくても……良いのではないでしょうか……? 」暫くの沈黙の末、漸くその口から溢れ出た言葉は流石に今日一日で使わせてしまった金額を考えれば最もな言葉だ。確かに欲しいと言ったし舞を見せるのであれば必要なものだが、それでも如何せん使わせすぎてしまったのである。椿はちらり、と彼の方をおずおずと見上げれば、夜色の瞳を申し訳なさそうに見つめて。 )


( / 私も扇専門店には全く明るくないので、むしろとても有難いです…!!! )




243: 大祝直政 [×]
2023-08-20 11:24:47




なーに言ってるんだ。今日買っても後で買っても同じことだろう。

( 整然と並べられた扇はそのどれもが美術館に飾られていてもおかしくないような芸術品であり、格式高い雰囲気を漂わせている。傍らに添えられた値札に書いてある値段もこれまた格式高い数値であるが、己はというとそんなことも意に介さずにどれがよさそうかと素人なりに扇を眺めながら吟味していて。椿も扇選びに集中しているのかしばらく沈黙していると思いきや、今日は買わなくていいのではないのだろうかと急に遠慮し始める相手にまるで素っ頓狂なものを見たかのように首をかしげて。いつか買うのであれば、速いに越したことはないだろうと怯えの生じる蘇芳の瞳を見つめ返しながら上記の様に説得すれば、相手の背中を押すように両肩を掴んで、扇もっとよく見えるように棚の前へと歩かせて。 )

( / 良かったです! )



244: 椿 [×]
2023-08-21 19:44:13



あう、……。

( 彼の優しくて暖かい手に両肩を軽く押されて最もな台詞を吐かれてしまえば何も言うことが出来ずに椿はただただ視界いっぱいに広がる美しい扇たちを眺めて。だがしかし扇というものは豪華絢爛な柄も、奥ゆかしいシンプルな柄も、こういうお店の物は総じて高いのだ。基本的に扇は舞う踊りによって持つものを変えることが正しい舞なのだが、それを言い始めてしまったらそれこそキリがなくなってしまう。椿はちらり、と2つの蘇芳で彼を振り返れば「 あの、……直政さまが好きな、柄はなんでしょう…。 」と、自分が得意云々よりも彼の好きな柄を問い掛けて。これでも花街で生まれてからずっと舞を続けてきた芸妓、大抵の舞なら踊ることができるし例え知らないものでも数回見れば踊ることが出来る。ならば彼が一番好きな舞扇のもので踊りたいと。霞、雲、桜、露草、流水、波、小石、それから色紙。基本的な舞扇はこれらの柄が主流だが、この店には月や他の花など様々な柄の扇があるようで椿はこてりと首を傾げて。 )





245: 大祝直政 [×]
2023-08-21 21:09:33




俺の好きな柄…か。

( いくら芸術品のような扇といえども、先ほどのピアノと三味線に比べれば比較的安価な値段。楽器みたいにかさばらないのだし、どうせなら幾つか…いや、なんならこの棚にある扇を買い占めるか…?などと金持ち特有のズレた金銭感覚で恐ろしい考え事をしていると、椿なりの心遣いだろうか好きな柄は何かと問いかけられて。好きな柄…とは言われても、今まで芸子遊びなどしたことがないのだし、そのあたりの美的感覚などは洗練されていないためどうしたものかと悩んでいれば「 好きな色は赤色だな。 」と、柄はともかく己の好きな色を教えるだけでも選択し絞れるのではないかと思い、ふと口にして。「 あまり主張しない落ち着いた赤色…そうだ、ちょうど椿の瞳の色くらいの赤が好きだ。 」などと、補足して加えた説明はまるで口説き文句のような台詞で、己がどんなことを言っているのか気付いていないのか、そんなことも意に介さずにその蘇芳の瞳を眺めて。 )




246: 椿 [×]
2023-08-24 14:34:59



、……。

( 彼の言葉に、椿の蘇芳はまんまると大きく丸められて真白の頬はぽぽぽと薄紅色に染まる。自分のことが好きだと言われた訳では無いのになぜだか心の臓が大きく高鳴り、それと同時にきゅうと締め付けられるような感覚すらする。此方の全てを見透かしてしまうような涼し気な視線を受けて椿は何度かぱちぱちと瞬きを繰り返した後に彼の黒瑪瑙から逃れるようにふい、と視線を逸らしては「 で、では赤色の扇がいいです、ね。 」 と少したどたどしくも成る可くいつも通りの振りをして扇たちの方へと向き直り。だが大人しく扇を吟味できるような精神状態ではなく、まだ火照っている感覚のする陶器の頬を白魚の両手でそっと包めば早くこの熱を引かせようとふるふる小さく首を振り。 )




247: 椿 [×]
2023-08-24 14:35:05



、……。

( 彼の言葉に、椿の蘇芳はまんまると大きく丸められて真白の頬はぽぽぽと薄紅色に染まる。自分のことが好きだと言われた訳では無いのになぜだか心の臓が大きく高鳴り、それと同時にきゅうと締め付けられるような感覚すらする。此方の全てを見透かしてしまうような涼し気な視線を受けて椿は何度かぱちぱちと瞬きを繰り返した後に彼の黒瑪瑙から逃れるようにふい、と視線を逸らしては「 で、では赤色の扇がいいです、ね。 」 と少したどたどしくも成る可くいつも通りの振りをして扇たちの方へと向き直り。だが大人しく扇を吟味できるような精神状態ではなく、まだ火照っている感覚のする陶器の頬を白魚の両手でそっと包めば早くこの熱を引かせようとふるふる小さく首を振り。 )




248: 大祝直政 [×]
2023-08-29 18:48:38




( 己がどんな台詞を口にしたのかも気にもしていないのか、椿が不自然な様子で視線を逸らしたことにただ首をかしげるだけで、その頬が本人の瞳の様に赤く染まっていることにも気づかず、扇の棚へと向き直る相手の背中を見送って。自分もなにか、いい扇はないかと、素人目ではセンスはないかもしれないが、あくまで芸術品観賞のつもりでそれらを眺め。あらためて眺めてみると、どれもが雅でありながら力強い、確かな芯を持つ力強い雰囲気を醸し出しており、「ほぅ」と感嘆の息を漏らして。そうやって眺めていると、一つの扇に目を惹かれ。その扇は赤色の風景に銀色の月が浮かんでおり、地面には椿が咲き誇っているといったデザインで。「 椿、これなんかどうだ? 」と相手に声を掛けながら経験者の意見を聞いて。 )




249: 椿 [×]
2023-08-31 00:28:09



、─── すてき。
力強いけれど繊細で、とっても綺麗です。椿の描かれた舞扇は背景が雪化粧から白のものが多いのですけれど、こうして1枚の絵のような舞扇もきっと踊りに映えますね。

( 此方がなんとか顔の熱を冷まそうと首を振ったりぱたぱたと手で仰いでいる間、いつの間にやら彼はお気に召した舞扇が見つかったようでその声に導かれて視線を向ければそこには在り来りな舞扇の絵とはまた一味違う様子の扇子が飾られており、椿は舞扇に書かれた椿とおんなじ色の瞳をキラキラと輝かせながらぽつりぽつりと感想をこぼして。自分のような経験者はどうしても舞扇といえば似たりよったりな柄のものを選んでしまうが、こうして彼のように全く新しい視点から見られる人の選ぶ舞扇というのはなかなかに興味深いものばかりで椿はにこりと微笑み。「 旦那様のお好きな椿色ですし、それにお月様はなにだか直政様のようで私好きなんです。 」 ふわふわとまるでなんでもないようにさらりと述べた言葉は、椿の意識のしないところでの好意と言葉。暗い世界を明るく優しい光で照らす月は、遊郭という世界から自分をすくいあげてくれた彼によく似ている。椿はうんうん、と満足気にその扇を眺めてはふと彼の方を見上げてまたふにゃりと微笑み。 )




250: 大祝直政 [×]
2023-09-02 20:55:14




ん、そうか。

( 素人目なりに気になったものをなんとなしに選んでみたが、どうやら経験者の眼から見てもなかなかの逸品らしい。自身のお気に入りの色であるその瞳をキラキラと輝かせてこちらの選んだ扇について感想を述べられる椿の言葉に、己の目利きは正しかったようだと安堵したのと同時にどこか褒められた気もして嬉しくなったようで。しかし、そうやっていい気になっていたのも束の間、賞賛の言葉のあとに月はまるで直政のようだと、それが好きだとさらりと告白しながらこちらに蕩けるような笑みを浮かべる相手にドキリとさせられてしまい、突然の言葉に頬にほんのりと熱を帯びれば「 …ッ、ん゛ん。うん、そうか。 」と、なんでもないように装うために一旦咳払いして気を取り直そうとしていて。「 ほら、椿はなにか気になったものはないのか? 」となかなか収まらない頬の熱に気付かれないように再度、扇の棚へと相手の背中を押して。 )




251: 大祝直政 [×]
2023-09-16 12:34:36



あげてみます。



252: 大祝直政 [×]
2023-09-29 13:04:26




あげてみます。




253: 椿 [×]
2023-10-02 18:00:00



わたし、この扇がいいです。

( 湯上りのように頬を火照らせ咳払いする彼にきょとん、と不思議そうに首を傾げそれを覗き込もうとした椿だがそれは彼に背を押されたことにより叶わず。気になるもの、と言われてもやはりどれもピアノや三味線ほどでは無いとはいえ一般的に見れば十二分に値の張る品々ばかりなせいか強請るにも気が引ける。そりゃあ芸妓としては一流の?──とは言ってもここにあるものは全て一流なのだが─── もの、もっと言ってしまえば値の張るものに目が言ってしまうが、ただの少女である椿として気になるものと言えば先程彼が勧めてくれた扇に1番心惹かれているようで。椿は白魚のような手で先程の奥義をそっと手で示せばにこりと少女らしい若々とした笑顔を浮かべて。「 直政さまが私に似合うって見つけてくださった扇ですもの。 」とふにゃふにゃと柔らかい声でそう付け足せば、ダメかしら、と彼の顔を伺うようにそっと椿色の瞳で彼を見上げて。 )


( / 仕事に追われなかなか返事ができず申し訳ございませんでした…!!
もしまだいらっしゃる様でしたら引き続きお相手いただけたら凄く嬉しいです…! )



254: 大祝直政 [×]
2023-10-09 23:05:32




…そうか。

( どうやら椿はこちらが選んだ扇のことをいたく気に入ってくれたようで、その扇に細やかな手を沿わせて春の風のように柔らかい声で問いかけてくれば、こちらも、己が選んだ扇を選んでくれたことを嬉しく思い、笑みを浮かべながら上記のように返して。なんだかんだで扇を買うことを了承してくれた相手の気が変わらないうちに事を進めてしまおうと、そうと決まれば店員に合図を送って呼びよせては「 この扇をください。 」と、2人で決めた扇を指差して。『かしこまりました』と頭を下げる店員が丁寧な手つきで扇を持ち出し、会計の場へと先導すればそれについていき。しかしその道すがら、ガラスで隔てられた棚の向こうに掛けられてある、最上等な着物に目を奪われて。その着物は花魁が誘惑のために着る艶やかなもの。身につけられていない状態でも妖しげな美しさを放つそれにただ一言「 綺麗だ…。 」と呟いては、これを着た椿はきっと言葉にすることができないほどの美貌なのだろうと思いながら、何故か椿とその着物を交互に視線を見遣って。 )





255: 大祝直政 [×]
2023-10-10 22:09:12




( / 申し訳ありません!寝ぼけて本体返信を忘れていました!こちらこそ、まだお相手してもらえるならお願いしたいです! )





256: 椿 [×]
2023-10-13 00:30:48



─── 、花魁の…着物…?

( ふわり、と自分の耳を擽る彼の優しいテノールと視線にふと顔を上げて彼の視線の先を見遣れば、そこには今まで自分の世界の全てだった艶やかで煌びやかな花魁の着物。ごくひと握りの彼女らは、これを着て鳥籠の中でただただ人形のように佇んで微笑みだけで男を落としてしまうのだ。偶然にも椿はその美貌でなく芸者の腕で女遊びの世界を生きてきたが、少しでも境遇が違っていれば自分も今頃それらのように鳥籠の中で生涯を終えるところだっただろう。椿もそれに一瞬瞳を奪われた後に、なぜ彼がこちらを向いていたのか分からずにこてりと首を傾げ。しばらく考えた結果、花魁と遊んでみたいという事なのだろうか、なんて素っ頓狂な考えが浮かべば「 あの、直政様。大丈夫ですよ、私は構いませんから。 」なんて言葉足らずに彼の服の裾をくい、と優しく引っ張った後にいつもの花のような笑顔よりも少しだけ曇った笑顔を浮かべて。ヂリ、と胸を焦がすような痛みと一気に心に拡がったもやもやの名前は知らぬまま、椿は彼に人形遊びならば好きにして欲しいと。自分は彼の愛玩人形のひとりなだけであって、それらに口を出す資格はないのだから。 )


( /ありがとうございます…!
ぜひこれからもよろしくお願い致します! )




257: 大祝直政 [×]
2023-10-16 21:06:33




( この着物を買うと言ったら、また椿に怒られるだろうか。いや、実際は起こられてはいないのだが、今まで使った金額のことを考えるとそれはもうすごく拒絶されてしまうかもしれない。そんなことを心配しながら件の彼女に察してと言わんばかりに視線をやって。すると、椿はその視線の真意を汲んでくれたのか『大丈夫。』『構わない』との言葉を貰えるとまるで欲しかったものを買う許可を貰えた子どもの様に目を輝かせて。相手にそんなつもりはないのだが、己の中で『買っても大丈夫』『買っても構わない』と勝手に変換されてしまい、二人の間で相互誤解が生じていることにも気づかず、相手から許可を貰えたのならばもう何も気にすることはないと二人を会計まで案内する店員に声を掛ければ「 この着物もください。 」とガラスの向こうで妖艶に鎮座する、花魁衣装(数百万)を指さしながら声をかけて。 )



258: 椿 [×]
2023-10-17 23:36:12



─── へッ、?

( 何だか無性に胸の奥がジン、と締め付けられるように痛いけれど、その痛みは無視をして。きらきらとまるで幼い少年のように黒瑪瑙を輝かせる彼にニコリと人形らしく微笑んだ直後、彼の薄く形の良い唇から発せられた言葉は自分が思っていた言葉よりもずっとずっと理解の追いつかないもので。椿はぽかん、と大きな瞳を丸くしてちいちゃな口をあんぐり開けて一言言葉にもならない上記を発せば、じわじわと時間がたつにつれて其の言葉に意味が体に馴染んだのか次は頭の上に沢山のハテナを散らす。「 まッ、待ってください直政様!こ、これ、すうひゃくま、お、花魁と遊ぶんじゃないんですか!? 」といつもであればころころと転がる鈴のような可愛らしい声を思わず少し大きくしてしまえば、彼と、花魁衣装と、値札と、それぞれを三角形に交互に見ながら混乱を露わにして。 )




259: 大祝直政 [×]
2023-10-18 21:19:56




―――花魁?何を言ってるんだ椿?

( 額が額なためか、声を掛けられた店員は数秒の間固まっていたが、我を取り戻せば太客を逃してなるものかと言わんばかりに花魁衣装の購入の手続きをてきぱきと進めて。その店員に一拍遅れて我を取り戻し、ピアノを買うときとおなじくらいに取り乱す相手の言葉に何を言ってるんだと言わんばかりに上記の様に首をかしげて。花魁と遊ぶつもりなどないし、花街に行く予定もない。相手の口から出てきた言葉からどうして相手がそんな勘違いをしたのだろうかと推理すれば「 まぁ、椿がこれを着たら花魁になるから、花魁と遊ぶことにはなる…かな。 」なんて素っ頓狂なことをのんきに考えれば、会計の準備ができたらしい店員について行くが、この際花魁に必要な化粧道具なども最上のものを店員に見繕ってもらって。 )




260: 椿 [×]
2023-10-19 17:41:32



─── へ、

( とんとん拍子に進んでしまう花魁衣装の購入に加えて化粧道具等もここぞとばかりに最高級のものばかりを取り揃えていく店員たちの嬉しそうな顔と意味深な言葉を残して店員のあとをついて行く彼の背中を呆然と見ては、じわじわと椿の真白の頬には朱が散っていき。どういう意味、花魁と遊ぶってなに、私が花魁で、遊ぶ?なんて花街で育った彼女にとっては彼の言った意味がわからずに、否分かるのだが、兎に角椿の頭は混乱するばかりでぐるぐるとパンクしてしまいそうな頭のまま「 な、直政様、待って、 」とぱたぱた不安そうな顔で彼の後を慌てて追い。そのまま彼の腕をきゅ!と小さな手で掴んでは火照った表情ときゅうと下げられた眉で彼をジッと見つめては「 あ、遊ぶの…?わたしと、……? 」と普段の一歩下がるような丁寧な敬語ではなく年相応の少女の声色でぽつぽつと問いかけて。 )




261: 大祝直政 [×]
2023-10-19 19:46:05




( 己の発言で椿がパニックに陥っていることなど気付かず、店に並んでいる中で一番値の張るおしろいや、艶めかしささえ漂わせる色彩の口紅など、店員の手によって最上級品の化粧道具が次々と選ばれていき。購入するものをあらかた選び終えたらしく、あらためて会計へと案内されようとしたそのとき、傍らの相手から引き留められると、いったいなんなのだろうかとふりかえればそこには顔を真っ赤にしてなにやら不安そうな表情でこちらに問いかける相手にそのおかしな様子に首をかしげて。この男、初日の勇気を出した時以外、今まで純粋な椿しか見ていなかったためか、相手と『そういう』ことをするということが頭からすっぽ抜けているらしく、だからこそ相手の言う『遊ぶ』とは三味線や舞踊を見る芸子遊びのことを言っているのだろうかと勘違いしていて。今まで、三味線や扇に目を輝かせていた相手を見ていたため、できることなら相手の好きなようにさせたいと思い、これまで遠慮ばかりしていた相手を心配させないように、真っすぐ見つめながら「 あぁ、俺は椿と『思いっきり遊ぶ』ぞ。 」と真剣な眼差しで言い放っては会計へと歩を進めて。 )




262: 椿 [×]
2023-10-19 23:16:05



思い、きり……。

( こちらを射抜いてしまうような彼の黒瑪瑙と、それから世の中の乙女だったらメロメロと腰が砕けてしまうのではないかというような文句に椿はただただ蘇芳を丸くして言葉を繰り返すことしか出来ず。思いっきり遊ぶって何されちゃうのかしら、私はじめてなのに、何から準備したら、嗚呼でも優しくしてくださるかしら、なんて生娘の疑問と不安とどきどきは留まることを知らずに、会計へと先に歩いていってしまった彼を追えることなくたたただ乙女の柔肌を赤らめることしか出来ず。初めて彼の屋敷に来た日にありったけの勇気を振り絞って着た…もとい身につけたあの下着たち。もう出番が来ないだなんて思わなかったけれどまさかこんなに早く来るだなんて。……それとも直政様はあの衣装だけが良いのかしら。悶々と少女の頭を占める桃色たちはどんどんと話が進んでいき、椿はハッと我に帰ればまた彼の方へとぱたぱた追いついて「 直政様、私一生懸命つとめさせていただきますね、! 」と上手に会話の噛み合ってしまう勘違いを加速させていき。 )




263: 大祝直政 [×]
2023-10-20 16:56:28




( 二人の間に盛大なすれ違いが発生しており、頭の中がピンクに染まっていく相手をよそに己はというと会計の場へと来れば、ピアノと三味線を買った時と同じように、小切手の支払いにサインをして。扇も花魁衣装も、厳かな箱にしまわれているのを眺めている間に、椿がぱたぱたと寄ってきて意気込みを込めた言葉を聞けば、それほどまでに三味線と舞踊を見せたいのだなとまたも勘違いをして。そうまでしてくれる相手の気持ちを汲み取ろうと、こちらも相手の気の済むまで付き合おうと決意すれば「 うん、期待してる。今日は寝かせないからな。 」と、嫌になるまで相手の芸子遊びに付き合おうと、またも変に噛み合う会話で二人のすれ違いが加速していき。そうして店での買い物が済めば時刻はすっかり昼食時。相手の手を引いて店を出た瞬間、いつぞやの時の様に空腹を告げる椿の腹の虫がこちらに聞こえるまで鳴ると一拍置いたのちに「 ぷっ、…くくっ…。 」と顔を相手から逸らしながら必死に笑いをこらえれば「 そろそろ昼食にしようか。 」と、いまだ笑いの余韻をこらえながら相手の腹の虫の機嫌をとろうとして。 )





264: 椿 [×]
2023-10-22 10:39:49



もお!!!直政さま!!!

( いつかのように椿の腹の虫が空腹をきゅる、と知らせれば此方から顔を背けて笑いを噛み殺せていない彼の様子にぱっと顔を赤くしてぷんすこ怒り。否、そもそもの発端は自分なのだけれど。だがやはり食欲には勝つことが出来ないのか昼食にしようという彼のご機嫌取りにぴく、と反応しては「 …食べます、 」 と少女然とした鈴の転がる声で頷いて。所詮食欲というのは人間の三大欲求。どんなに人形のような顔をしてもそれらには抗えないので。 )




265: 大祝直政 [×]
2023-10-22 20:23:06




ごめんごめん。

( いくら無意識のことといえど、己の腹の虫の音を聞かれれば恥ずかしいらしく、その真白の頬を林檎のように真っ赤に染めながら怒って見せられると先ほどより多少は収まったものの未だ笑いの余韻が残った表情で気さくに謝り。相手からの了承も貰えたことで、椿の手を引いて着いたのは百貨店の上層階にあるレストラン街のフロア。中華、洋食、和食と様々な種類の店が並んだこのフロアもやはり高級志向の店ばかりで、その豪奢なフロアを前にして「 椿は食べたいものはあるか? 」と問いかけて。 )

( / 突然の相談なのですが、椿様の方からなにかこうしたいといった流れなどはありますか? )





266: 椿 [×]
2023-10-29 22:04:45



食べたいもの……。

( 空腹を告げてくるお腹とは裏腹に、自分の喉が何を欲しているかと言われたら特に浮かぶものもなく椿は首を捻る。今までの生活でここ数日のように色んなものを食べたりということが滅多に無かったせいかそもそも知っている料理のバリエーションが少ないのだ。椿はしばらく悩ましげに眉をきゅ、と下げた後に彼の方をそろりと見上げては「 直政様が好きなものが食べたいです。 」とふにゃりと幼い花の笑顔を浮かべて。……それにそもそも、高級なお料理は名前を見てもいまいちわからないので。舌の肥えた人が選ぶのなら間違えていないだろうと。 )


( / そうですね…!以前お話していた風邪のシチュエーションができたらかわいいなあとひっそり思っておりました…! )



267: 大祝直政 [×]
2023-10-31 21:48:06




俺の好きなもの…か…。

( 今日の己の舌からはこれといった希望は特にない。だからこそ、今日は椿の素直な直感に身を任せてみようとしたのだが、結局は選択権が己に回ってきてしまえばほんの少し眉根を下げて困ったような表情を浮かべて上記の様に悩み始めて。洋食はこの間、星ノ喫茶に連れて行ったためそれ以外の和食か中華か、と絞っていくと不意に香辛料の香りが鼻腔をくすぐり、その香りがするほうを見やった先には豪奢な店構えの中華料理店が。そういえば、椿はまだ中華料理は経験がないだろうと、新しい経験をさせるいい機会だと考えれば「 よし、中華にしよう。 」と、椿の手をきゅ、と力を込めて握り善は急げと言わんばかりに早速中華料理店に向かい。 )

( / そういえばそんな話をしていましたね!その流れでいきましょうか!昼食の場面が終わり次第、椿様の様子がおかしいーという流れにしますか? )




268: 椿 [×]
2023-11-05 16:50:17



ちゅう…か…。

( 彼の口から告げられた聞き馴染みのない料理にぱち!と蘇芳の瞳を丸くしてはたどたどしく彼の言葉をオウム返しし、そのまま彼の大きな手に小さな手を引かれてその目当ての店へと向かい。姐さんのお客様が確か食べたことがあるんだったかしら、私たちの国のお隣?近く?の国の料理だった気がする。だなんて不思議そうに首を傾げつつも、だがしかしその心はまだ出会ったことの無い料理と彼の勧めるものならば美味しいのだろうという期待と好奇心から踊っており、椿の頬は自然と緩んでしまい。─── 少しだけ、一瞬だけくらりとした頭は気の所為ということにして。 )



( /かしこまりました…!!
ではちょっとずつ異変を自覚させて表に出させて行きますね…!よろしくお願いします…!)



269: 大祝直政 [×]
2023-11-23 20:51:26




( 椿の手を引いてやってきたのはレストラン街の中でも規模の大きな中華料理店。艶やかなチャイナドレスに身を包んだ美しい女性が二人を案内し、店の中に入ればそこはまるで別世界と見まごうほどの豪奢な内装で。金色に煌く龍の彫像や、繊細な刺繍が施された壁面と、やりすぎではないかと言っていいほどの豪華絢爛な店の中を臆することなく進んでいけば、今回の二人の席に着き。チャイナドレスの美しい女性が、メニュー表を渡してからしずしずと下がっていけば、その艶やかな姿に一瞬目を奪われながらも一つ咳払いをして気を取り直してから。 )

どれにしようか、椿。



( / 大変遅れてしまい申し訳ありません…!本体がバタバタしていたり、流行り病にかかってしまったりしてなかなか返信することができませんでした。もし、まだいらっしゃるならぜひお相手をお願いします…! )




270: 椿 [×]
2023-11-25 20:53:51



─── … 。

( 連れてこられたのは豪奢な内装や煌びやかな女たちの揃う、なにだか花街のような料理店。スリットの深く入ったセクシーなチャイナ服(という単語は勿論椿は知らないので彼女にとっては不思議な形のお洋服)から垣間見れる瑞々しい生足がやけに扇情的な真っ赤な唇の美しい女の店員に目の前の主人が瞳を奪われたのをちゃっかりと目撃してしまった椿はむ、と唇を尖らせれば〝私もこの服を着ればいいのかしら〟なんて自分でも無意識に小さな嫉妬心の花を探しては彼の問い掛けをうっかり聞きこぼしてしまったのか「 はえ、……あ、……ええと。ごめんなさい直政さま。もう一度、 」と店内にいるチャイナ服の女たちとはまた違う男の庇護欲を掻き立てるような幼い顏をきゅと不安そうに変えて。 )


( /わ!今本当にみんな罹患されてますものね…!体調は如何でしょうか、どうか無理なさらずご自身の体調第一になさってください…! )



271: 大祝直政 [×]
2023-11-27 22:44:55




料理はどれにしようか。

( こういった店には慣れていないのか、委縮するかのように幼い顔を不安そうに浮かべる相手が問い返してくると、その小動物のようなか弱さに庇護欲を掻き立てられながらも、その不安を落ち着かせようと優しく上記を口にして。そうして相手がメニュー表とにらめっこをしている間も、料理の皿を持って店内を優雅に歩くチャイナ服の美しい女性たちの、その深いスリットから覗く眩しいおみ足が扇情的でちらちらと目を奪われて。ふと、思い出したのはあの時爆弾を身につけてきた椿の体。紐のガーターとニーハイソックスに飾られた、椿の健康的な太ももを思い出しながら、「 あの服、椿に似合いそうだな。 」なんて下心丸出しの言葉を思わず口にして。 )


( / 隊長の方はもう大丈夫です!ご心配をおかけしました。これから早く返信できますので! )




272: 椿 [×]
2023-12-11 17:25:22



お、お料理……えっと、……
、へ、ッ?

( 彼が料理を聞いていたのだと改めて教えてもらえればあわあわとメニューに目を落とすも、それらは難しそうな文字ばかりでいくら姐さんに字の読み書きを教えて貰っていたとはいえ椿が読むには少々難しいものたちばかりで。焼き……売る……?とメニューと睨めっこをしていればふと耳に届いた彼の言葉に素っ頓狂な声を上げながらぱっと顔を上げて。そうして彼の視線に釣られるように美しいチャイナ服に身を包んだ豊満な女性を見れば、〝やっぱりああいう服の女性がいいのね……!〟とまた椿の胸の奥に小さく美しい嫉妬の花が開いて。「 ……直政さまは、ああいう服の女性がお好きですか? 」はたしてくらくらと先程から回らない頭のせいか、それとも嫉妬の花のせいか。ふだんならば聞かないような言葉を思わずぷっくりとした唇から零してしまえばむ、と拗ねたような表情を隠すことなく小さな仔猫が親猫を取られた時のようにつん、と唇をとがらせて。 )


( /今度はこちらが大幅に遅れてしまいました…申し訳ありません…!!!
仕事が一段落いたしましたので、ほぼ毎日これからはお顔を出せるかと思います……! )



273: 大祝直政 [×]
2024-01-05 21:29:20




ん?あ、あぁ…確かにあそこにいる女性は雅で素敵だ。

( 店内のチャイナドレスを身にまとった女性を眺めるのもほどほどに、これから注文する料理を決めるためにもう一度メニュー表に視線を戻すと、目の前の相手のぷるりとした唇から小さな嫉妬の言葉が紡がれればその言葉に含まれている嫉妬にこの朴念仁は気付くことなく、チャイナドレスの女性をさりげなく褒めるような上記の言葉を発して。「 だけど、容姿や服で女性としての美しさが決まるわけじゃない。そしてその美しさは見る人によって変わるものだよ。 」と、どこか哲学的な言葉で諭しては、頼む料理があらかた決まったらしく。)

―――それで、頼む料理は決まったかい?


( / 返信が大変遅れてしまい、ほんっとうに誠に申し訳ありません。年末年始で少しバタバタしてしまっていました。これからは顔を出せますのでまだお相手してもらえたら幸いです…。 )




274: 椿 [×]
2024-01-11 17:12:03



……????

( 容姿や服で女性としての美しさが決まる訳では無い。その彼の言葉に椿はこてり、と首を傾げてはまんまるの蘇芳を何度か瞬きさせる。今まで自分が生きてきた世界の常識とは真逆の言葉に理解が追いつかなかったのであろう、遊郭では美醜が殆どだったのだ。美しい女はそれに伴っているように器量が良かったし、醜女は其れらを見ながら妬むような狭量の女が多かった。そう云えば、美とは余裕なのだと姐さんから聞いた気がする。椿はそれらをふと思い出しながらスッカリ思考の海に浸かっていたものの彼の言葉にぱっと意識を浮上させてはまたメニューに瞳を滑らせたあと「 あの、……ええと、直政さまの、オススメがいい、です。 」と矢張り異国の言葉も混じった見たこともないメニュー名たちではどんな料理か全く分からなかったのか恥ずかしそうにメニューで薄紅色に染った顔を隠すようにしてもじもじと答えて。 )


( /とんでもないです私も遅れてしまいましたし…!お互い気にしない方向で…!!!

こちらこそぜひまたよろしくお願いします! )




275: 大祝直政 [×]
2024-01-18 23:18:50




ふむ、俺のおすすめか…。

( 中華料理という初めてのジャンルに混乱してしまったらしく、決めあぐねたのかこちらに主導権を回してくると今度はこちらが悩み始めて。相手にとっては初めて食べる中華料理、どうせならいろいろなものを食べさせてあげたいとちょっとした親心のようなものが芽生え、メニュー表を見ながら吟味して。「 …よし、! 」とあらかた決まったらしく、一つ声を上げて店員を呼べば様々な料理を次々に頼んでいき。注文を終え、チャイナドレスの女性を見送れば何故か頬を薄紅色に染めらせる相手に気付き )

椿?顔が赤いぞ…?

( / お優しいお言葉ありがとうございます…!こちらこそよろしくお願いします! )



276: 大祝直政 [×]
2024-03-10 20:22:26


( / 久しぶりに上げてみますね。 )



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