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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
21:
椿 [×]
2023-05-01 22:18:51
──── …ありがとうございます、!
( 優しい声と、それから優しい言葉。椿の心配事を全てほろほろと溶かしてしまうような暖かな其れに、ちらりとそらした蘇芳を戻せば穏やかな夜空の色とこちらに差し伸べられた手が目に入る。恐る恐る、ゆっくりと、真っ白な小ちゃい手を、慣れない車からそっと降ろしてくれた時とおんなじ優しくて大きな手に重ねては、暖かな彼の体温にふにゃりとはちみつが溶けるように笑って。なんて素敵な旦那様なんだろう、なんて優しい人なんだろう!先程まで心配だった心がいつの間にか綿菓子のようにふわふわ軽くなって、それからそれから直政様はどんな服を着た女の子が好きなのかしら、なんて浮ついてしまう。上背があるし精悍な顔立ちをしている彼は、花街の客の中でも裕福な上客しか着ているのを見たことがない洋装に身を包んでいる。まるで役者さんみたいにカッキリ着こなして。優しくて、とっても素敵な旦那様。椿は重ねた手をキュ、と握っては「 直政様のお傍に置いていただいて、幸せです。 」と嫁入り前の娘のように目尻を提げて笑い。 )
22:
大祝直政 [×]
2023-05-01 23:10:54
( 差し出したこちらの手を相手のまるでガラス細工のように繊細な手で取ってくれば、己の無骨な手と打って変わってそれな少しでも力を入れればたちまち折れてしまいそうなほど華奢で。ふにゃりと笑顔を浮かべ、幸せ者だと突然嘯かれるとその甘ったるい笑顔と不意な言葉にまたもやドキリとさせられて。先ほど、椿には男を手玉にとる様子はないと言ったが悪い意味で杞憂だった。花街の中で育つうちに自然と身についたのかこの少女は潜在的にその才能を秘めている。もし、椿が商品として店に出て、床入りを済ませてしまっていたのならばこの花のような笑顔と鈴のように澄んだ声で男共はイチコロだっただろう,そうしてたちまち椿を贔屓にする、欲望を抱えた卑劣な下郎達が群がっていたことに違いない。そう考えると最悪の事態の前に花街という鳥籠から相手を救い出せてよかったと思えて。まるで手遊びのような力具合でこちらの手を握ってくれば、痛めないようにそっとそっと、優しく優しく握り返せば「 よし、それじゃあ少しだけ準備をしてくるから椿は玄関で待っててくれ。 」と、相手をソファから立たせれば自分は支度をするために応接室を後にして。 )
( / すいません、質問なのですが、椿様は床入りをしておらずとも、遊郭で男の相手(例えばお酌程度の、現代で言うキャバクラのような)程度くらいはしていたのでしょうか?それとも、まだ配膳程度の下働きだったのでしょうか?遊郭について知識不足でなかなか想像がしにくくて、申し訳ありません…。
それともう一つ、認識のすり合わせをしたくて、直政の方は花街に対してどう思っていると都合がいいでしょうか?卑しい場所忌み嫌っているのか、それとも椿様の故郷だからと思い入れているのか、はたまたもう何の関係もないと思っているのか。ロルの表現で少し迷うことがあるので質問させていただきました。 )
23:
椿 [×]
2023-05-02 10:15:19
はい。
( 決して強くない、まるで宝物を扱うかのように優しく握り返してくれる彼にまた更に心がじわりと温まる。ふわりと羽が生えたように軽い仕草でソファから立ち上がらせてもらい応接室を後にする彼の背を小さなお辞儀と共に見送れば、先ほどまで重なっていて暖かかった手が急激に冷たくなったような気がして。車の中ではあんなに緊張をしていたのに、今では彼がいなくなってこの広いおうちに一人になったほうがずっと緊張をしてしまう。人間って意外とすぐに順応してしまうのね、と一人納得しては玄関に向かおうとひらりと着物の袖を金魚の尾のように揺らしながらそっと応接室を出て。廊下ですら女郎部屋よりよほど高級感があり格式高い様子に「 …お城みたいだわ、! 」とちょっとした探検気分になってしまう。車から降りてきた道をまっすぐに戻ればいいだけなのだが、意味もなく窓から景色を見たりこのお部屋は何かしらとドアを開けるか否かでちょっと悩んでみたりとふらふらいろんなところを見ながら玄関へと無事に到着して。まだ彼が来ていないことを確認しては、ちょいちょいと前髪を直したり着物のあわせが変じゃないかを見下ろしたりそういった乙女による乙女のための化粧直しを施して。 )
( / そうですね…私も今現在Googleに頼りながら表現をしているところもあるので曖昧なのですが、芸妓ならばお客さんに言われればお酌等もすると思います。基本的には座敷で演奏や歌がメインだけれど、稀にお酌したり…現代の舞妓さんのような感じだと思っていただければ幸いです…!
私の認識といたしましては、椿の故郷なので無碍にはしていないけれどだからといって関心があるわけではないようなイメージを持っておりましたが、忌み嫌っているという設定でもその花街で育った椿に惹かれている事実と相まってちぐはぐでおいしいな…なるほどな…と今思いました!
なのでどちらでも私のほうでは都合をつけられますので、背後様のお好きな認識をつけていただけたらと思います…!! )
24:
大祝直政 [×]
2023-05-02 11:42:27
( これから向かう店は会長が新しい物好きでこのあたりではこの時代の最先端を行く服商店であり、今流行りの洋服を求める人で殺到して連日大盛況である。また、祖父の代から懇意にしている店でもあるり、であればその店で仕立ててもらった服を身につけていって少しでも義理を立てておこうと思い立ち。クローゼットを開けば落ち着いた色合いの黒スーツに肘関節あたりまでを覆う同色の外套を身に纏い、これまた同色のポーラー帽を被れば、仕上げに花の香りの香水を振って「 よし。 」と相手の待つ玄関へと向かい。玄関へと向かえば、そこにはこちらに気づくことなく身だしなみを整える相手がおり。その様子を見て悪戯心のようなものが働いたのか、黙ってその様子を眺め、十数秒ほど経ってようやっとこちらに気づいたことで頬を赤らめる相手に対し、また「 ふふっ、 」と笑いがこみだせば「 姿見も買わないといけないな。 」と、花街で大事なことだったとはいえ、その外にいる今でも身だしなみに気を遣う相手のために乙女の必需品である鏡も買わなければなと言って。そしていよいよ、買い物へと出発の時であり、「 さぁ、行こう。 」と、玄関の扉を開ける前に手を差し伸べて。 )
( / 了解しました!ありがとうございます!
たしかに、花街を卑しい場所と思っていれば、ちぐはぐになりますし悩まされておいしそうですね…。そうすれば、忌み嫌う直政と故郷を想う椿様とで衝突する場面に持っていくことが出来そうなので、忌み嫌う設定にしようかと思います!ご意見ありがとうございました!
重ね重ね質問して申し訳ないのですが、今の場面の時間帯は夜の想定でしょうか?また、最初の場面はスルーしてしまいましたが、車は直政が運転するようにさせますか?それともおつきのドライバーがいるのか、はたまたタクシーを利用するか、いかが致しましょう? )
25:
椿 [×]
2023-05-02 13:50:51
…い、いじわる。声をかけてくださればよかったのに。
( ふわり、と鼻腔を擽る華やかな香りを纏う彼が此方をいつの間にか眺めていたのに気づけば、頬をカッと薄紅色に染めながら前髪を弄っていた両手を思わずぎゅっと握り。姿見を買わなければという彼の言葉には、素直に言ってしまえば姿見は欲しいのだがなんだかおねだりするのも申し訳ないようで「 ぁ、う… 」と返事にも満たない小さな声で答えながらおずおずと彼から差し出された手にぺち、と自分の手を重ねて。日本の外の世界ではどうやらこうして男性が女性を丁寧に付き添うのが世の常だと聞いたことがあるが、花の街でこういったことをしてもらえるのは上位の太夫、それこそ花魁道中をするほどの女のみだ。今日だけでだいぶ彼の手を取るのに慣れたけれど、やっぱりこうした美丈夫に手を差し出されるというのは実に心臓によろしくない。先ほどとはまた違う落ち着いた彼の瞳や髪の色と同じ夜空の色のスーツに頭の形の良い人間にしか似合わないようなハットを被っている彼は、きっと社交界などで色んな色とりどりの華たちに人気なのだろう。だって手を差し伸べてくれるのも手馴れているし。椿はちら、と重なった手と手に目をやれば、なぜだかこうするのは自分だけがいいなあなんて悪い癖が心の中に芽を出てしまい。 )
( / とんでもないです…!!
忌み嫌う設定かしこまりました、!忌み嫌う場所で出会った二人が今現在一緒にいるの、とてもエモを感じます…!よろしくお願いします、!
個人的にはお昼くらい(昼見世前に身請けがよく行われたらしいです)なのかなぁと思っておりました…!ただ、夜見世で出会ってそのまま身請けならば現時刻は夜ということにもなりますので、背後様の動かしやすい時間を想定していただければ幸いです…!!
そうですね…直政様が資産家の御曹司という設定でしたので、最初の車はドライバーさん運転を想定しておりました!ただ個人的に美男が運転している姿は大好きですので、送迎の時もあるし気が向いたときは直政様ご自身で運転される設定でもよいかとおもいます…! )
26:
大祝直政 [×]
2023-05-02 14:46:51
ごめんごめん。気が済むまで待っておいた方がいいと思って。
( 相手の新雪の肌がぷくぷくと朱に染まっていけば、そのうら若き少女のような反応に微笑みながら、己が着替えるまで相手を待たせてしまっていたのだから、こちらも相手のことを待つのが筋だろうと弁護するもその様子を眺めていたので意地の悪いことに変わりはなくて。その白魚のような手を、ぺちりとこちらの手に重ねてくるとまた先ほどと同じく、優しく包み込むように握って。巷では、今までの前時代的な亭主関白の文化とは正反対の「れでぃふぁーすと」という西欧の文化が流れ込んできて、女性を尊重する社会に移り変わってきている。己も母親からそう育てられたためか、遊郭のしきたりを知らないまま、相手には太夫並みの扱いを知らず知らずのうちにしていたようで。そうして2人で玄関を出て、相手の歩幅に合わせながら車まで連れ添うと今度は相手には助手席に乗るようそのドアを開けて。辺りはもう夕方。家政婦のドライバーはもう定時で帰っており、今回は己が運転するようで運転席に乗れば早速出発をして。 )
( / ありがとうございます!こちらも、その葛藤が今から楽しみです!
諸々の件、了解しました!では、薄暗い時間帯にすれば街灯りが綺麗になるし、家政婦のドライバーも帰ったから己が運転するという流れにできるのでそうさせていただきました!)
27:
椿 [×]
2023-05-02 15:44:54
ありがとうございます。
…えと、お邪魔します…?
( 優しく自分の手を包み込んでくれる大きな手にひかれながらも、着物の自分に歩幅を合わせるようにゆっくりと、だがしっかりと自分と連れ添ってくれる彼にまたにこにこふわふわと微笑んでは車の助手席を開けてくれた彼に対してしっかりと頭を下げて。恐る恐る、ゆっくりと助手席に腰を掛けてはソファよりも少ししっかりとした厚みのある椅子がまた新鮮で車内をきょろりと見まわしてしまい。ブォン、と低い声をあげて出発した車は、まるで景色が流れていくようで先ほども生まれ育った遊郭から彼の屋敷──…否、自分のこれから帰る家となる屋敷に移動するまでは車での移動だったが、外の景色を見る心の余裕なんてなかったせいかなんだかとても新鮮に感じる。茜色に染まった街の中を低い音を鳴らしながら走る車はなんだか足の速い生き物のようで、椿も思わずきらきらと蘇芳を輝かせながら「 わ、…! 」と感嘆の声を上げ。 )
( / 私も楽しみです…!
かしこまりました!
ロルの長さが安定しなかったりするときもありますが、どうぞこれからよろしくお願いいいたします…! /蹴可 )
28:
大祝直政 [×]
2023-05-02 16:22:05
( 2人の間の空気は柔らかくなったとは言え、やはり車の中はまだ物珍しいようであたりを見回す相手の様子に微笑ましくなって。穏やかな発進をした車はゆらゆらと適度に揺れ、決して同乗者に不快な思いをさせることのない優しい運転で、家政婦のドライバーにも負けず劣らずの運転技術だ。茜色に染まる街には仕事帰りの人や今夜の献立を考える主婦達が歩いており、そして自分達と同じようにどこかへと向かう車が流れるように走っている。初めて屋敷に来る時と違って、リラックスした様子で流れる景色を楽しむ相手を見ていると、これからこうやって1人ではなく、相手と出かけることが出来るようになると思えば胸の奥がじんわりと温かくなっていくようで。そうして車を運転すること30分ほど。あたりはすっかり薄暗い時間帯だというのに煌びやかな灯りでまるで昼と見紛うほどの明るさの街に到着し。車を停め、忘れずに相手をまたリードするために相手側のドアを開けて手をとれば、「 よし、ここに入ろう。 」その街中でも一際存在感を主張する豪奢な建物に臆することなく入っていき。その建物の中はシックな内装で、店内には見ただけで上等だとわかる服がずらりと並んでいて。)
29:
椿 [×]
2023-05-02 17:27:25
……ヒェ、……。
( 暗く艶やかな花街で育った椿の瞳には、暖かな茜色のこの町がひどく美しくきれいなものに見える。だんだんと群青色になっていく空も、それからそれに伴って暖かな光を照らす街灯と。暫くしてたどり着いたのは、先ほどの群青色が霞むほどの明るい街。きっと寝起きに見たら昼間だと思ってしまうような其の街の中でも、彼がここだと告げたのは見たことも二豪勢な建物。入るのにも身分証明が必要だと言われても遜色ないその場所に入るのはさすがに足がすくむのか、差し出された彼の手を握る手に無意識にキュ、と力を籠める。いざ!とえいやと足を踏み入れた店内は花街の豪奢さとはまた違うシックな内装でありながら椿の短い人生の中で初めて見るような高級だと素人目でもすぐにわかる服たちが鎮座しており、椿はただただ満月のようにまんまるの目をさらに丸くさせてしぱしぱ眩しそうな瞬きを繰り返すばかりで。高級そうな着物は姐さんたちがよく着ているけれど、洋服はさすがに馴染みがなく、桃色や橙色の色とりどりの菓子のようにかわいらしいそれらに目を奪われては「 かわいい、 」と年頃の少女らしく小さな鈴のつぶやきをぽろりと零して。…マァ最も、重なった手は未知の場所への無意識の不安からか決して離れないようにシッカリと握ったままなのだが。 )
30:
大祝直政 [×]
2023-05-02 18:06:52
( シックな店内は豪華ではあるのだが、あくまで主役は服たちなのだと一歩身を引くような落ち着いた雰囲気に留まっていて、その奥ゆかしさがこころにくい。傍の椿はというと、まるで異世界に迷い込んだかのように蘇芳の瞳をぱちくりと瞬かせながらも固まったままでいて。流石に未知な世界すぎたのか、繋がれた手からも緊張からの強張りがわかると、ここもしっかりリードしなければと躍起になれば「 大丈夫だ。 」とその固まった手を解すように握り返しながら「 さぁ、行こう。 」と未知の世界へと相手を連れて。 目的の婦人服売り場に着けば、そこにはフレアスカートや、バージャケット、Aラインワンピースなど、流行の最先端の衣服が所狭しと並んでおり、「 なにか気になるのはあるか? 」と蘇芳の瞳を絶えず輝かせる傍の相手に尋ねて。 )
31:
椿 [×]
2023-05-02 20:21:29
ぜんぶ……きれいで、……
( ふんわりとした女性らしいワンピースから、シックなストレートワンピースまで色とりどり種類様々な婦人服売り場はまるで一面の花畑のようで、ほう、と息を吐くように言葉をこぼしてしまう。全部がキラキラして、眩しくて、それでいてかわゆくて。椿はまるで宝物を目の前にした時のようにちかちかと蘇芳を輝かせては、若い女の憧れと夢を詰め込んだようなこの空間にただ圧倒されるばかりで。「 ……かわいい、 」と、そんな中でもふと目に付いたのはシックなブラックだからこそ高級だとひと目でわかる、中にふんわりとした素材(チュール)が入っているせいか可愛らしいシルエットのフィットアンドフレアワンピースで。きっと流行りのお洋服が好きな女の子は選ばないだろうけれど、正に紳士という言葉の似合う彼の隣に並ぶのであればきっと似合いのワンピースだろうと不思議と目に入り。 )
32:
大祝直政 [×]
2023-05-02 20:50:32
( 婦人服にはてんで知識がない己にもこの売り場の服たちには目を奪われるのだから、当事者の相手にしたら夢のような場所だろう。その瞳の蘇芳を一際輝かせて感嘆の息を漏らす相手を見て、ここに連れてきてよかったと思えば、目的である相手に似合う服を探し始めて。とするも、やはり婦人服は管轄外なのだからどれがいいのかわからない。否、どれもいいのだから選べない。そうやって服を手に取ってもただただうーんうーんと唸り続けるだけで、相手はどうだろうか、気に入ったものはあるだろうかと視線を見遣ると、とある服を身につけたマネキンに釘付けになったまま固まった様子でいて。その方に歩み寄って己もその服を見てみれば、マネキンが着ているのは今自分が着ているスーツと同色のフィットアンドフレアワンピース。可愛らしいシルエットながらも落ち着いた色合いだからこそ、子供っぽさを感じさせることのないデザインで、椿はどうやらそれが気になるようで「 試着するか? 」と、隣から声をかければ店員を呼び、「 このマネキンと同じものを試着させてくれ。あ、あとこれとあれとあれも。 」と、ついでだからと自分が気になった服をあれこれ数着椿に持たせれば、店員に試着室を案内させて。 )
33:
椿 [×]
2023-05-02 21:13:18
へッ、 ……?あ、あの、直政様、
あ、ちょ、私こんなにたくさん着れな、あああ……
( きっと1着だけでも相当な値段が張るであろう数々の服たちを持たされれば、自分の疑問虚しく笑顔の美しい赤い紅の女性店員が椿の焦った声の余韻だけを残して試着室へとサッサと連れて行ってしまい。暫くごそごそという物音と共に「 あの、自分で着れるのでそんなに見ないでください、スミマセン貧相な体で、 」やら「 きゃーっ田中さん(店員さん)どこに手を突っ込んで、ハッすごい……胸元が……! 」やら「 ごめんなさいやっぱり1人じゃ着られません背中が、あの、手が、届かなくて… 」やら。何やらキャッキャウフフと楽しそうな椿の声が試着室から漏れ出ており。暫くして、先程までキツく結い上げていた髪をふわりと降ろしまずは自分の選んだ黒いワンピースに袖を通した椿がおずおずと顔を出して。ワンピースの裾からすらりと伸びた白く細っこい足をもじもじと所在なさげに擦らせながら「 あの、……着られ、ました…… 」とてれてれ彼を見上げて。 )
34:
大祝直政 [×]
2023-05-02 22:13:59
( 持たされた高価な服に対して何か言いたげな相手にそうは問屋が、否、服屋が卸さないといった勢いで試着室まで連れていかれる相手を見送れば、許せ、これもとびきりの服を買うと決意したのだからと胸の中で謝罪して。先に連れていかれた試着室の前で相手が着替え終わるまで待っていると、この店に似つかわしくない何やら楽しそうなじゃれあう声が聞こえてきて。和服の相手のの着替えを手伝っているとしても中で一体何が起こっているのか。ハッ!これが俗に言う「 よいではないかよいではないか 」と言うやつなのだろうか。そんなことをやるつもりはなかったのだが、まさか主人より服屋の店員に先を越されるとはと少々ズレた考え方をしていれば試着室は静まり返り、どうやら着替え終わったようで。カーテンが開かれ、そこには別人と見紛うほどの変貌を遂げた相手がいて言葉を失って。結い上げられた髪は下ろされ、優雅に波打つそれはまるで天の川のよう。そしてメインのワンピースはというと、可愛らしいシルエットが小柄な相手の体格によく似合い、高級感のある黒い生地が相手の雪のような白肌と対比となって実に素晴らしく、天が作りたもうたものではないかと勘違いするほどの美しさで。ハッと我に帰れば「 うん…!うんうん…!よく似合っている…! 」と、その美しさにうんうんと頷きながら称賛を贈れば「 田中さん。次だ!次も見せてくれ! 」と、試着係の店員にそう伝えれば所在なさげな相手のことなど知ったことかと、また試着室に連れ込まれて。そうして相手に持たせた服を次から次へと息つく暇も与えずに試着させ。あらかた試着が終われば、どの服も相手によく似合っており、選ぶことができない。となれば取る道は一つだと思えば「 うん、今着たやつを全部買おう。 」と、とんでもないことをさらりと田中さんに言ってのけて。 )
35:
椿 [×]
2023-05-02 23:07:25
っ、……い、一生分、お洋服着た……ッ
( ぜえはあと息も絶え絶えに、はらりと肩から艶やかな黒の波打つ髪をひと房零しては目まぐるしいスピードで着替えた洋服たちの感想を一言。イヤ確かに全て可愛かったし、なんだか物語に出てくるお姫様のようになった気分でもあったのだが。それはそれとして着替えさせる田中さんの手腕があまりに俊敏すぎてなんだか着せ替え人形にもなったような気持ちで。息を整えていたのもつかの間、今着替えたものを全部買おうと言ってのける目の前の美丈夫に思わず目を向いて口を開きかけるも、『 かしこまりました 』と商品たちを持って椿の意見も聞かずサッサとレジスターへ向かってしまった田中さんによってその口から言葉が零れることはなく。そりゃあこの品々を買えば本日の売上ノルマを達成出来てしまうのではないかしらという値段なのだから、販売員である彼女がこの機会を逃すわけが無いのである。結局椿は田中さんの手腕により折角ならば、と彼と対になるようなあの黒のワンピースと、それから黒のパンプス、レースの可愛らしいカクテルハットを最終的に着せられたままで、「 な、直政様……全部だなんて、私、贅沢すぎます 」と繊細なレースの奥で不安げに揺れる蘇芳で彼を見つめては、本当に良いのかしらと確認するようにぽそぽそと告げて。でも口ではそう言っても体は正直なモンで、そうは言いつつもその真白の頬は興奮やらで薄紅色に染まっており。 )
36:
大祝直政 [×]
2023-05-03 01:21:57
( 椿の試着を眺めている間、なんだか己の人形を好きにできているという一種の優越感のようなものを感じてしまい、友人達が楽しんでいる愛玩というものがなんだか分かった気がして。遊郭の花魁達は男どもから貢がれることがステータスだと聞いていたが、まだ売りに出なかった椿はやはり慣れていないらしく、この貢ぎ物達を贅沢だと気が引けているらしい。この試着の中で1番似合っていた黒のワンピースを身につけ、それに合うコーデを施された相手がカクテルハットのレースの奥から心配そうな蘇芳の瞳を向けてくると「 気にしなくていい、これから椿にはその分働いてもらうんだから。 」と、この服の代金分、びしばしと家事をやらせると脅かして。とは言いつつも、ボロボロになるまでこき使うつもりはなく、ただの日常生活の範囲内で家事をやらせるつもりで、今はただレースでも隠しきれないほど、白頬を朱に染めた相手の罪悪感を減らそうとしただけの脅しで。レジスターに表示された、「0」がひぃ、ふぅ、みぃ、よぅ…並んだ金額を顔色ひとつ変えることなく小切手で精算を済ませ、服が詰められた紙袋を2人とも両手で持って店を後にしようとしたその時。 )
『 おや、ナオさんじゃないか! 』
( と背後からハキハキとよく通る女性の声で名前を呼ばれれば、そちらを振り向くと、見るからに気丈そうな、明朗快活そうな綺麗な女性が立っていて。「 あぁ、おハナさん。 」と、お互いに下の名前で呼び合うところを見るとどうやら2人は知り合いらしい。この人の名前は〈龍造寺 華(リュウゾウジ ハナ)〉。この服屋の会長の娘であり、この店舗の主人でもある。2人の親同士が親しい間柄で、自然と子供同士でも繋がりができた仲で、自分の服を仕立てる時にはよく世話になっている。『 いい時に来たねぇ、とびっきりの新作があるンだ。見ていってくンな! 』と、男勝りな口調でぐいぐいと来るその姿勢は商人故か、見る人によっては疑われるような距離感でこちらの手をがしりと握って後にしようとした店内をまた案内しようとして。 )
37:
椿 [×]
2023-05-03 08:11:45
た、たくさん働きます…!
わたしにできることなら、何でも!
( こんなに素敵な服たちを与えてもらったのだから、そうするのが義理だろうと彼の言葉にこくこくと何度も頷けばギュッと両手を握り何でもしようと答え。会計の時に、あまり行儀が良くないとは思いつつちらりと見やった金額はクラリと目の回ってしまうような…とんでもない数の0のついた総計で、あれだけあったら遊郭で何日も遊べてしまうと戦慄して。それだけのものを今自分は送られたのだ、これは一層気合を入れて彼にお仕えしなければ…!と小さい闘志をメラメラと燃やしていたのも束の間、ハキハキと明朗快活な声とそれに見合った美しい女がこちらに歩いてくればなにやら親しげに彼と話している。ナオさん、おハナさん、と親しげに下の名前で呼び合う2人と、それから異様に近しい距離感。モヤ、となにだか心の仲が黒いモヤで満たされていくような感覚と言い様のない不快感を覚えれば、洋服を着るときに着せてもらった下着があってないのかしらと胸元をきゅ、と抑えて。だがしかし彼の手を取って店内を案内しようとする女性を見て思わず彼の服の裾をきゅ、とほぼ無意識に掴んでしまえば、こちらを見た彼の黒瑪瑙をじっと強請るように甘えるような蕩けた蘇芳で見つめて「 な、直政さま、……お靴が、慣れなくて。……1人にしちゃ、嫌(や)。 」とちいちゃな声でそう零して。靴が慣れなくて、なんて嘘。本当はこのくらいのヒールなら高下駄よりもよほど歩けるしなんなら走れるくらいだけれども。でも、さっきまで自分に重なっていたその手が他の女性と重なるのが嫌で、それからお強請りをするときはいじらしく相手のどこかに触れながらキュッと眉を下げて相手の目を見つめろと姐さんから習ったので。椿の〝悪い癖〟は、どうやら自分でも素知らぬうちに彼に対して大きな想いを抱いていたようで。 )
38:
大祝直政 [×]
2023-05-03 13:08:10
ちょ、ちょっとおハナさん…!
( 相変わらず、人の事情などなんぼのもんじゃと言わんばかりに我を押し通そうとする相手の勢いに抵抗する暇もなく、店の奥に連れていかれそうになって。しかし、直政にとってはこれが相手との時間の日常茶飯事らしく、嫌々ではなさそうに仕方ないと笑みを浮かべながら手を引かれるまま足を動かそうとし。が、その瞬間、後ろからもきゅ、と裾を引かれて静止させられればそこには眉根を下げていじらしく、うるうると滲ませた蘇芳の瞳をこちらに向けて1人にしないでと訴えかける相手がおりその様子にまたも胸の奥が波立って。その仕草はまさしく花魁のそれで、やはり椿は花魁の卵であることが改めて理解させられると、相手の計略が功を奏したらしく、この調子では相手のことも放っておけないと足を止めて。足を止めたことで華もどうしたのやらと振り返れば『 なンだいなンだい、この小娘は?大人の時間を邪魔するンじゃないよ。 』と案内を邪魔した椿に近寄ってジロジロと、四方八方から品定めするかのように眺めて。 )
39:
大祝直政 [×]
2023-05-03 18:49:06
え?ちょ、ちょっとおハナさん…!
( 相変わらず、人の事情など知ったことかと言わんばかりに我を押し通そうとする相手のあまりの勢いに、上記のように抗議しようとするも抵抗する暇もなく店の案内に連れていかれそうになって。しかし、直政にとってはこれが相手との時間の日常茶飯事らしく、嫌々ではなさそうに仕方ないと笑みを浮かべながら手を引かれるまま足を動かそうとし。が、その瞬間、後ろからもきゅ、と裾を引かれて静止させられればそこには眉根を下げていじらしく、うるうると滲ませた蘇芳の瞳をこちらに向けて1人にしないでと訴えかける相手がおりその様子にまたも胸の中が波立って。その強請る仕草はまさしく花魁のそれで、花街では今のヒールよりも歩きにくいだろう高下駄で過ごしていただろうにとわかっているはずなのに心を揺さぶられるとやはり椿は花魁の卵であることが改めて理解させられて。相手の計略が功を奏したらしく、この調子では相手のことも放っておけないと足を止めると、ブレーキがかかったことで華もどうしたのやらと振り返れば『 なンだいなンだい、この小娘は?大人の時間を邪魔するンじゃないよ。 』と案内を邪魔した椿に近寄ってジロジロと、四方八方から品定めするかのように眺めて。 )
( / 申し訳ありません。少しだけ修正させていただきました。 )
40:
椿 [×]
2023-05-03 23:31:55
ッ、……。
( こちらを品定めをするような彼女の視線に、思わずしゃんと背筋が伸びる。思わずといった様子で2人の歩みを止めてしまったので正直このあとどう切り抜けようだとか、そんなことは全くもって椿の脳内では構築されていなかったのだが。…嗚呼何だか、初めて花魁の元に挨拶に行った日を思い出す。こちらをなんの遠慮もなく、お前にはどんな価値があるのかと上から下まで値踏みをするようなその目。見に覚えがある。椿はそれに思わずにこり、と鮮やかな朱色の唇を美しい形で釣り上げては「 ── …挨拶が遅れて申し訳ございません。わたくし椿と申します。〝旦那様〟に、このように素敵なお店に連れてきて頂き、早速このように袖を通させていただきました。此方は御社の新作だと存じます、恥ずかしながら洋装は初めてですがとても着心地がよく、姿形がなんだか女優さんのようにシャンと伸びるのようで。このような素敵なお洋服を作って下さり感謝いたします。初めて袖を通したお洋服がこちらのお店で幸せです。 」と、丁寧にワンピースの裾を両手で摘んでは軽く膝を折りふわりと挨拶を。……こういう場面では感情的になる女が負けるのが定石だと知っているので、敢えて丁寧に挨拶をする。こんなに大きなお店の主人なのだ、子猫がキャンキャン鳴いたところで痛くも痒くもない。だったら同じ土俵に上がって度胸と美しさで勝つだけだ。こちとら生まれた時から女社会で生きてきたんだもの、そういう意味では場数が違う。 )
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