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 可愛いの魔法 (〆)/2148


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自分のトピックを作る
1161: 逆巻 傑 [×]
2023-11-12 21:06:11



( どうやら彼女の羊に対する感情は恐怖よりも愛らしさへの感激が上回ったらしい、ということを悶えるように吐き出された一言から察しては、まさかその対象が自分であるとは夢にも思わず単純に胸を撫で下ろし。そうして肩の荷が下りた心地で、意気込んで同じ要領で羊たちに餌を供する相手の姿を幾らか高い位置から見守る折、食事にありつく仲間を見咎めてか背後から近寄ってくる他の羊の存在に気が付くと、少女を驚かせないよう伝えておくべきかと注意して動向を確認しつつ名前を呼び。しかしそこでその新参者がグレージュのワンピースめがけて口を開けば、撮影衣装が汚されるのを回避すべく咄嗟に華奢な肩を抱き寄せて )
水瀬さん、…──!




1162: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-12 23:03:22



ひゃっ…──
( 差し伸べられた手のひらからひつじ達が餌を食べだし、程なくして擽ったさを感じ始めた時のこと。手のひらに細かく這うような感触に笑い出しそうになっていると、ふいに名前を呼ばれ振り向こうかとしたなら、突然肩をぐいっと引かれる感覚に瞬く間もなければ、小さく驚嘆の声を上げることしかできず、抱き寄せられるまま彼にトンッと凭れるように身を預け。漸く状況把握に双眸を瞬かせ、ほのかに感じる温かな感触にゆっくりと視線を上げていけば、なぜか近くにある彼の顔。動揺に瞳を揺らすと、みるみる頬が紅葉のように色付いていき「へ」とか「えっ」とか言葉にならない声を漏らし。ハプニングに固まる一方で足元では、突然のことでつい地面に落としてしまった紙袋から溢れる餌や、手のひらから零した餌に3匹のひつじ達はメェメェと群がっていて )




1163: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-12 23:16:40



( / 先程のレスにくっつけ忘れてました…。今日は午後からたくさんお相手していただきありがとうございました* 先週あまりお話できなかったぶん取り戻せた気がするのと、たっぷり栄養を与えていただいた気がします…。楽しかったです~!
この後は多分寝てしまって返せないかなと思うので、この辺で失礼します。おやすみなさいませ…! )




1164: 逆巻 傑 [×]
2023-11-13 00:07:42



…っぶね…。
( 間一髪、羊の口が届く前にワンピースを退避させると、瞬間的に早まった鼓動を落ち着けつつ安堵の息を吐く。それからより一層自分の方へと彼女の体を押し付けるようにして、上から覗き込む姿勢で食べられそうになっていた裾部分を目視しては、漸く腕の力を緩め。解放したその後は引き剥がすでもなく相手の離れるに任せるけれど、その際に覗いた頬が赤く染まっているのを目にすればはっと状況を悟って。お前からも説明してくれ、とでも言いたげにちらりと新たに現れた三頭目の羊を見遣るも、彼らは総じて地に散らばった餌に夢中。適切な距離に戻ろうと半歩ほど後退すると、常時装着しているマスクに代えるように手のひらで口元を覆い、気まずそうに弁解して )
…すみません。あの黒いのに衣装が食べられそうになってたんで、その…咄嗟に。

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(/ こちらこそ、たくさんロルを交わせて楽しかったです。ありがとうございました! 私も一週間分のご褒美と明日からの活力を頂いた気分です~…背後様にとっても栄養になっているのなら、こんなに嬉しいことはありません…。明日からもまたよろしくお願い致します。おやすみなさいませ* )




1165: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-13 08:02:01



( ぎゅむ、と一瞬だけれどより密着しては、速まる心臓の鼓動すら彼に聞こえてしまいそうでパンク寸前──のところで、腕が緩まり思い出すかのように元の距離へと戻る。頬に赤は広がったまま、はわはわと恥じらいで戸惑うように両腕を縮めつつ、彼の弁解に耳を傾けては漸く足元を見て〝あの黒いの〟の存在を視認すると、数秒ぽかんと見つめた後に「……、わっ、増えてる!」と衝撃マーク浮かばせながら驚いて。事の真相が明らかになると、安堵したようで少し残念なような二つの相反する気持ちが沸々と笑みを起こさると「なぁんだ…びっくりした、もうジンクスの効果が出たのかと思いました…」えへへと照れを誤魔化すように笑い。撮影スタッフがチャンスとばかりにシャッターを切っていたものだから、撮影のため出入口の外で見守っていた牧場スタッフが『お洋服とか大丈夫ですかー!?』と少し遅れて駆け寄ってくるけれど、その頃には紙袋に僅かに残った以外の餌は食べ尽くされており、軽くなった紙袋を拾い上げながら謝罪するもおかしそうにくすくすと笑って )
あ、大丈夫です!すみません、それよりごはんが…一瞬でなくなっちゃって…っふふ、すごい食欲!

----

( / 逆巻さんのかっこよさと背後様からの嬉しいお言葉に、朝イチから新芽が潤いました…おはようございます。本当に毎日の糧とさせていただいております* こちらこそまたよろしくお願い致します!/蹴り可です )




1166: 逆巻 傑 [×]
2023-11-13 12:58:40



…にしたって変でしょ。
( 事情を何も知らずにいた相手は端的な弁明と場の観察によって全てを察した様子で、澄まし顔で傍に居座る第三の羊に目を丸くした後、マジックの種明かしをされた時のようにへなへなと眉尻を下げて笑い。まるで遅効性の薬剤か何かのように語られるジンクスの効力に、たとえそうだとしても奇行に他ならないだろうと控えめに言及したなら、餌が尽きたため必然的に羊たちとの触れ合いは終了。「ひつじさんたちはごはんを食べるのがとても早いんです」牧場スタッフが少女の横に並んで会話に応じつつ出入口へ誘導しだすと、放羊犬のような位置取りで踵を踏んで二人の背を追う。その最中ふいに「彼氏さんも大丈夫でしたか?」と気を遣ったらしい女性が振り返れば、突如矛先が己に向いたことに面食らって「…あ、はい」とのみ返答して。「他の動物とも触れ合われますか?」さして距離のない道程を歩き終え、柵の外に出ると、一貫してにこやかな案内人が此方と、それから撮影の都合を気にしてのことだろう、撮影班にも目を向けてそう尋ね。自身も同じ方向に注目するけれど、羊の餌やりが想定より早く終わったおかげか、彼らは急く素振りもなくゆったりと構えていて。時間の制限もなく、自身にも特に希望がないとなれば、あとは主役の一存。少女がもっと触れ合いたいと言うなら付き合い、一度落ち着きたいと言うなら近くに見える休憩所に向かうつもりで、相手だけにそっと問い掛け )
…どうします?

----

(/ おはようございます!此方も朝から推しのひな季ちゃんと背後様のお言葉に癒され励まされました…。
これからの展開ですが、休憩所でお隣に座らせていただいてその後の触れ合いはスキップするでも、他の動物との触れ合いも描写した後に休憩所でも、どちらでも構いませんのでどうぞお好きな方向に転がしてくださいませ…! ※蹴り可 )




1167: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-13 18:54:02



( ジンクスにしたって変と言われても、恋愛初心者からの身からするとああいうものなのかと思ってしまい、えへへと誤魔化し笑いを浮かべ。牧場スタッフの話に耳を傾けつつ、誘導されるまま出入口の外へと向かう途中、背後で〝彼氏さん〟との単語が上がるとどきりと小さく心臓を跳ねさせ。そろ、と首を回し彼の様子を盗み見ては、今日だけは恋人同士という設定だからか咄嗟の返答ゆえかは知らないけれど、否定もしない様子に見えない尻尾がゆらめき。本当に恋人だったらそれはもう嬉しいのに──と、一瞬ぼんやりと考えていたせいか彼の問い掛けへの反応が少し遅れて。とはいえ話はなんとなく聞こえてはいたため、どうしようか周りを少し見回すと「…あ、えっと。…うさぎ、うさぎと触れ合いたいです!抱っこできますか?」うさぎさんエリアと表記された看板を指差せば『抱っこはできないんですが、おひざの上に乗せることはできますよー!』と牧場スタッフがにこやかに返し早速案内を進め。──ひと通りふわふわもふもふの愛らしいうさぎ達と戯れ終えたなら、背後にお花畑の幻影を映しながら濃厚な牧場ミルクのソフトクリーム片手にすっかり満たされた表情を浮かべ )
もちふわで可愛かったですね、うさぎ…。




1168: 逆巻 傑 [×]
2023-11-13 20:07:56



…すね、だいぶ和みました。
( 以前もふもふの動物が好きだと発言していたことと、メッセージのやりとりの中でうさぎのスタンプを使用していたことから予測はしていたけれど、長い耳を立てた小動物を膝に乗せた少女は声を抑えながらも興奮しきりで。丸まったり飛び跳ねたりする愛らしいフォルムも然る事ながら、その今日一番と言っても過言ではない幸せそうな表情にも目が行くと、此方までもがすっかり寛いだ心地になって。余韻に浸る相手に素直な肯定を返せば、それぞれ持ったソフトクリームが溶けないうちに腰を落ち着ける場所を探して辺りを見回し。いくつか休憩所が用意されている中から、正方形のテーブルの中心からパラソルが伸び、四辺にベンチの設置された席に目星をつけては、先に彼女を任意の位置に座らせ、続いて自身もその隣に腰掛けて )
…とりあえずあの辺りに座りましょうか。




1169: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-13 21:11:27



…今日のお仕事、楽しすぎてお仕事してる気がしないです…。
( 相手に促されるとスカートの裾を直しつつ腰を落ち着ければ、カメラの画角に考慮するように彼は隣に並んで座り。今まで意識はしてなかったけれど、思えば映画の時やDVD鑑賞の時も同じ位置取りだった気がする。馴染んだような立ち位置にもすっかりリラックスした面持ちで、ぽってりと太めに巻かれた3段のソフトクリームのてっぺんであるカールした部分を、ぱくりと頬張って。まろやかで濃厚な味わいに頬を綻ばせると、まだ今日の撮影の半ばではあるものの半日を振り返ってはしみじみと独り言のように言葉をほろりと零し。一方の彼はちゃんと楽しめてるだろうか。隣の彼の様子を窺うように小首を傾げ覗き込んでは直球ながらも問い掛けて )
…逆巻さんも、楽しめてます?




1170: 逆巻 傑 [×]
2023-11-13 21:41:54



俺も──…これでちゃんとやれてるのかってずっと思ってます。
( 正面を向いたまま隣から聞こえたきた呟きに同意の発語をするも、連なる言葉は相手のそれより幾らかネガティブで。視界に映る秋色の山々と毛並みの美しい馬とを遠い目で眺めながら、ソフトクリームを先端から齧るようにちびちびと味わっていると、マイクさながらに丸くなったアイスを持った少女が割り込んできてそちらに注意を移す。やや上目遣いの面差しへと着地したばかりの視線を問いを受けて空中に上げれば、ぼんやりとした顔ばせで少しの間思案した後、また緩々と降下させて正直な内情を吐露し )
…まぁ、最初に想像してたよりは遥かに。




1171: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-13 22:15:41



…なに言ってるんですか。…立派に恋人役、務めてくださってますよ。
( 少しばかりネガティブな発言が相手の口から溢れては、不思議そうにぱちりと双眸を瞬かせ一言。彼が自分の表情を引き出してくれているようなもので、鈴が転がるようなはしゃぐ声に紛れて幾度となく小気味よくシャッターが切られる音をたくさん聞いた。ネガティブを拭うように、ふわ、と柔らかな笑みを零しながらもちろんと深く頷き。それから知る内情にはより一層、嬉しそうにによよと笑みを広げていくと「えへへ」とはにかむのが精一杯。この幸せな気持ちを言葉にするには語彙力が足りなくて。はむ、とソフトクリームを小さく齧ったなら唇の端にアイスを付けつつ、彼と今日デートスポットを巡ると決まってから密かに抱いていた願望を伝えようと )
あ、そういえば逆巻さん、次の場所のことなんですけど…──




1172: 逆巻 傑 [×]
2023-11-13 23:03:13



…ニシタニさんの代わりになれてます?
( 虚偽になってしまうため無論雑誌には本来の演者の名前が載ることはないだろうが、元々は彼と彼女のために設けられた企画と衣装。謂わば影武者の立場であればできるだけイメージに合うよう振る舞いたいとは思うものの、肝心の本物を知らないことにはどうしようもなく、背中を押すような微笑みに甘えるかの如く憂心をぽつりと零し。喜色満面の相手の隣で気色を変えぬまま物思いに耽る最中、ふと名前を呼ばれて振り向くとそこにはあどけなくソフトクリームを口角に付けた少女の顔。ふ、と自然と頬が緩むのを自覚しては、親指の腹でその濃厚なミルク味を拭い、薄く開いた唇の隙間に運んでぺろりと舐め取ってから話を促して )
…ん、何すか。




1173: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-14 00:29:36



それは…、
( ふいにここで再び、本来恋人役をするはずだった西谷さんの名が挙がるけれど、逆巻さんとの撮影が始まってからは一度も重ねて見たことなどない。首を左右に小さく振ると「分からないです、西谷さんの代わりじゃなくて…逆巻さんそのものを恋人として見てたから」とはにかんで。撮影スタッフも二人が醸す、親しげで本物の恋人のような雰囲気にあてられて本来のモデルのことも頭から抜けていたに違いない。次のデートスポットでの提案をしようとしたなら、ふと柔らかく笑んだ顔。そういうところもきっと、仔細を知らない牧場スタッフが勘違いしたように本物を匂わせるのだと思う。どき、と一瞬見惚れていると、真っ直ぐ指が伸びてくると口元を拭う感触にアイスで汚れていたことを知るけれど、それから付いていただろう白色が掻っ攫われると彼の薄い唇へ寄せられ──。その瞬間、前方で撮影スタッフが微かにどよっと沸きつつ、チャンスとばかりに素早く何度かシャッターが切られ、自分はというと促された話どころではなくなり、じわわと頬を染め上げていきながらも人差し指を立ててもう一回と求め )
あ、すみませ……──っんぇ、…っ、待って今の撮れてないかも、もう一回します…!?




1174: 逆巻 傑 [×]
2023-11-14 13:06:15



それでいいんすか…?
( 静かにはにかんだ少女に困惑した声を洩らすも、彼女が本来の相手と比較して見ていないという事実は下手な慰めよりも余程心を軽くして。自然の大景を仰いでいることもあり、些細な気掛かりは最初からなかったかのようにすっかり影を潜め、与えられた役割だけに意識を集中させる。そんな折、赤い顔をしたフレームの中だけでの恋人から今し方の行動の再現を求められては「え」と目を瞬かせ。しっかりと、それも何度かシャッターを切る音が聞こえた気がしたけれど、そういうものなのかと経験のなさ故に簡単に流されれば、頬に差した紅と口端の白を数十秒前の状態に寄せられるかと視線と共に窺って )
…顔、戻せます?




1175: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-14 21:06:55



( いいに決まってる、とばかりににっこりと笑みを広げたなら、彼は肩の荷が下りたのかいくらか雰囲気が丸くなったような気がして。経験もないのに急にモデルの代役をと切願されてはプレッシャーが大きかっただろうに、それでもなんとか務めきろうとする姿はいち人間として尊敬を覚えるし、困窮していたわたしを助けようと頑張ってくれているとしたら更に嬉しさが混じる、けれど。二つの理由が合わさってか、ダメ元で催促した内容が予想以上にすんなり通ってしまっては逆に良いのか悪いのか。「えっ」と戸惑いながら、深呼吸を一つして普段みたいに気持ちの切り替えを図ろうとするけれどなんだか彼相手では意識してしまって上手くいかない。赤みを帯びたままの頬に片手を添えては眉尻を垂らしながら、折角のチャンスを棒に振ることになると双眸ぎゅむと瞑りながら素直な願望を吐露して )
……。…も、戻せません。…わーんっ、もう一回されてみたかった…!




1176: 逆巻 傑 [×]
2023-11-14 22:09:36



…真面目に聞くんじゃなかった。
( じっと顔を覗いたまま相手の準備が整うのを待つも、紅潮した頬はなかなか元の健康的な血色を取り戻せず。困り顔の少女にこればかりはどうにもできないと此方も心なし眉を下げるけれど、嘆くように為された暴露に要求がただの私利私欲であったことを知れば、愚直に信じ込んだ自分を恥じて後悔の混じる溜め息を吐き。同時に徐にベンチから立ち上がっては、普段より何処となく素っ気ない口調で、彼女の話そうとしていた事柄についての配慮を覗かせる。もしその問いに肯定が返ったなら、食べかけのソフトクリームを手に持ってそそくさとロケバスに足を向けるだろうか。立ち去ろうとするのも態度が固いのも決して気を悪くしたわけではなく、単にアイスを食べて寒くなっただけのこと。車内でミルクソフトを食べ切った後は、話に耳を傾けつつ主役のメイク直しに勤しむだろうか )
…さっきの話、移動中に聞くのでも大丈夫すか?




1177: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-14 22:44:43



ひぇ、…すみません…。
( どことなく素気なく感じる言動に、しょも…と眉尻をますます垂らしては上目気味に彼の様子を窺う。すっかり肩身が狭いように縮こまりながら、移動中に傾聴する提案に言葉少なくこくこくと首を縦に細かく振り頷いては、牧場での撮影はこれで終わりだったため立ち上がった相手の背後にそろりと付き添う形でロケバスに戻り。そ、と座席に腰を落ち着けると暖房の効いた車内から紅葉した山々を眺めつつ、彼の様子を反射する窓越しに窺いながら残りのソフトクリームも食べ終えては、本来の仕事であるメイク直しの最中に重たげに口を開く。内容はもちろん、先程伝え損ねた次のデートスポットに関する話。気を悪くしたかもしれない後に提案する内容ではないかもしれないけど、せめて、今日の思い出作りになるようなことがしたくて、メイク直しの最中に真摯ながらも少し気弱な瞳を向けつつぽつりぽつりと提案の言葉を紡ぎ )
──…、そういえば、さっきの話の続き…なんですけど。……次に行くとこで、キーホルダーを作るじゃないですか。こういうこと…最初で最後かもしれないし、記念に、お互い作ったキーホルダーを交換したいなって。……いい、ですか…?




1178: 逆巻 傑 [×]
2023-11-14 23:54:20



…はぁ、それは別にいいすけど…。
( マイクロバスに乗り込むと解凍される食肉さながらにじわじわと身も緩み、そこへ本来の仕事であり趣味でもあるメイクの時間が訪れれば、完成時には口元に満足げな微笑を浮かべるほど精神的な余裕も生まれ。他方で完璧に仕上げた少女が身を竦ませながらキーホルダーの交換を持ち掛けたなら、内容自体はさして深く検討せぬまま受諾するも、相手の態度が妙に気に掛かって。通例ならはにかんだり期待の眼差しを寄越したりしそうな場面。にも関わらず弱々しく萎れた姿をじっと観察するように見遣っては、彼女もまた冷えてしまったのだろうと踏み。そうして衣装に着替える前に着用していた私物の厚手のパーカーを手元に引き寄せると、自信作のヘアセットを崩さないよう注意を払いつつ、断りもなくワンピースの上に頭から被せて )
…着くまでこれ着ててください。




1179: 永瀬ひな季 [×]
2023-11-15 07:43:44



いいんですか!?…ありがとうございます、
( 素っ気なさの理由はただ冷えたから、なんて知らぬままいつもながら完璧なメイク直しが終わると、持ちかけた案にはあっさりと承諾され拍子抜けしたように双眸をきょとんと瞬かせてから、確認するように一言置いてから謝辞を述べる。メイク直しの時間を挟んだからか少しばかり彼の表情も柔らいだようで、何やら視線は気になるけれど承諾も貰えてほっと安堵し胸を撫で下していれば。ふぁさ、と頭から掛けられたパーカー。柔軟剤かなにかの優しい香りが鼻腔を擽れば前に彼の部屋で感じた香りと重なって、少しどきどきするけれど落ち着くような、こころと体がほこほこと温まるようなそんな気分で満たされていけば表情を和らげ )
…えへへ、あったかい…。




1180: 逆巻 傑 [×]
2023-11-15 08:54:34



( 了承の返答に対して驚きと共に礼が述べられ、そんなに重大な決断だったのだろうかとそこで初めて内容への考えを巡らすも、今更撤回することも叶わず。半強制的に重ね着させた少女の顔ばせが綻ぶのを見ればひとまずその場は良しとして、バスが次の体験教室の開催場所に到着するまでの間、快晴の空を眺めながらキーホルダーの構想を膨らませ。数十分そうして揺られ、やがて車が停まったのは御伽噺に登場しそうなこじんまりとした工房のそば。〝キーホルダー作り体験教室はこちら〟の立て看板を認めて背凭れから身を起こしては、降車の前にまず彼女に被せた私服を脱がせるべく裾に手を掛けて )
…水瀬さん、手上げて。




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