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《─ 不純なエルドラド ─》【 NBL / 指名制  】/51


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44: リン/ドラグ/ベール/ケリル/レド [×]
2022-12-19 15:40:48


>35【 ギニ― 】#リン

ああ、説明すべきだったね、すまない。……私はリン。この場所、≪エルドラド≫の管理者だ。
(慎重に発された言葉に瞬きを重ね、苦笑を浮かべながら首元に提げたネームプレートを指し示す。人差し指と親指で摘ままれたプレートは小さな長方形、名刺代わりのような代物。彼女にも認識可能な言語で綴られたそれは簡素な銀色の光を放ち、頼りない蛍光灯の光に反射してちらりと輝いた。そんなわずかな光に照らされる自身の顔は、悪戯気な青年のようにも映るかもしれない。管理者と名乗るには少々歳が足りないようにも見受けられる表情と…その嘘臭さがさてどんな印象を与えるか、そんな反応すらも観察の範疇のうちで。同時に並べた説明不足は早々に切り上げ、操作盤に指を乗せる。同時に映し出されたのは培養槽のガラスの中央、揺らめく青のホログラムは『ギニ―』の文字と彼女自身が眠る姿を象って。触れても質感を持たないそれを人差し指で示しながら、半ば事務的な口調で質問を投げかけて)
さて、今度はこちらから尋ねよう。君はどの程度、自分のことを覚えているのかな?…ああ、答えられなくても結構。これは尋問ではなく質問だからね。

獲得情報:≪エルドラド≫
≪エルドラド≫1:この場所のこと。管理者はリン。


>36【 ネヴァ 】#ドラグ

目が覚めたっつーのはホントか?ホントならはよ返事しろ、被験体。
(がりがりと飴を噛みながら、横柄な態度で培養槽の佇む部屋へ。ポケットに突っ込んだ両手と斜めに傾いだ頭とは裏腹に、その歩調は限りなく早い。うっすらと埃の積もる床にスニーカーの底をこすりつけ、被験体の姿を目にする前に張り上げた声は容易にその音を届けるだろうが、少々大きすぎてうるさく思われるかもしれない。やがて彼に目を留めたなら、見つけた、とばかりに目を眇め、口内に転がした飴を一層強い力で?み砕く。さて被験体はどんな表情をしているか、戸惑い途方に暮れているならばそれもまた一興と考えていた──がしかし、その表情はどちらかといえば安穏としたもので。眇めた目はすぐに丸くなることとなり、それを隠すように頭を?く。再び被験体を見上げた瞳には苛烈な炎が宿っていて。勝手な予想を裏切られた腹いせとばかりに喚くさまは子どもの癇癪そのもの、とはいえ背丈が背丈である故か、威圧感はそれなりのものだろう。軽い力で培養槽の隅を蹴りながら、暴論もいいところの理屈を振りかざして)
起きてんじゃねーか。サッサと言えってんだ、俺以外が来たらどーすんだ。


>37【 テイア 】#ベール

死なれたら困る……髪が伸びる…?被験体としての意識があるの…?いや、それとも……
(彼女が衒いもなく零していく情報に、先程仕舞いかけたペンが忙しく動く。これ程手を動かしたのは何年前だろう──等と思索に耽ることも束の間で、矢継ぎ早に投げかけられる質問に錆びついた脳内がゆっくりと回り出して。此方に向けられる表情に悪意は感じられず、被験体と呼んだ彼女の瞳に引き込まれそうになる。これは駄目だとうっすら積もる危機感に、こっそりと自身の右袖の中へ左手を突っ込んで。隠された白衣の袖の中、カチリという機械音は被験体に届くか否か。無機質な音とほぼ同時に気を取り直したならば、改めて彼女の方へと視線を向ける。…確か、『この場所のこと』『名前』を聞かれていたはずだ。取りこぼした質問は≪何か≫の副作用なのか、それはまだ判然とせず。硬直した思考を気にしないまま操作盤に手を乗せて、彼女の問いへの答えを入力する。ロックの解除音と共に内部スクリーンに映し出されるのは彼女へ提示するための「ベール」、「エルドラド」の文字。それは彼女の手のひらほどの大きさ、被験体の身体を取り巻くように青色の文字がめぐる筈で。今にも落ちそうな瞼を無理やりに上げて、ひとつひとつ説明を)僕は、ベール。そういう君は、テイアでいいんだよね…?……ん、えーと、あとはここのことだっけ…。ここは≪エルドラド≫。君のための、場所。

獲得情報:≪エルドラド≫
≪エルドラド≫1:この場所のこと。被験体のための場所。


>38【 ステラノヴァ 】#ドラグ

!──いって、
(うつらうつらと舟をこぎながら、簡素な気の椅子に腰かけていたのは培養槽の傍ら。それは目覚める兆候アリとされていた被験体の起床を待つためで、他職員が苦笑いで呆れていた姿を思い出す。構うものかと意地を張っていたためか、眠気にさいなまれる中でも被験体の微かな声を聞き逃すことはなかった。…はいいものの、慌てて立ち上がった為か足元が覚束なく、もつれてそのまま倒れこんでしまい。内部に響いた派手な音を誤魔化すようによろよろと立ち上がって一度咳払い、白衣に付着した埃を乱暴に払いのけて。ガラスに手を付き周囲をうかがっている様子の被験体に人差し指を突き付け、何の脈略もなくにらみつける。失礼極まりないその態度を省みることもなく、ただ責めるような言葉を唐突に投げかけて)
おせえ!起きるのが!もっと早く起きろってんだ。


>38【 ナシェ 】#ケリル

ん、目が覚めたんだ。おはよう、被験体。
(特に感情を揺らすこともなく部屋の内部に足を踏み入れて、培養槽へ歩み寄る。モニターが示す情報から、既に被験体の意識が覚醒していることは察していた。であるならば、与えられた内容を忠実に実行するのみ。それとは別に前々からその肢体の美しさに少々触れてみたいという邪な欲がないでもなかったが、職務の前では詮無き事である。彼女の視線がこちらに向いたとするならば小脇に抱えたバインダーを振って、敵意がないことを示そうか。表情はあまり変化しないものの、微かに緩めた目元からもその意志は伝わってくれるだろうか。胸ポケットに差したペンを取り出し、バインダーに挟んだ紙に先を触れさせる。同時に出来上がっていくのはフォークとナイフの小さな絵。落書きは無意識的なのか、まるで何事もなかったかのように抱え直すと、改めて彼女の方に視線を向けて)さて、聞きたいことはいろいろあるだろうけど、まずは健康を確かめさせてもらうよ。どこか違和感を覚えるところはあるかな。


>43【 サーヤ 】#レド

…手当え?面白いこと言うね、アンタ。今俺に閉じ込められてんだぜ?
(一瞬黙り込んでしまったのは、被験体の反応が予想の範囲外だったため。泣くか喚くか、命乞いをするか、憎悪の目でにらみつけるか──それならば気が楽だったのに。彼女の視線はそのどれもを裏切って、血を滲ませる自身の手へと向けられた。何となく怪我を負った掌を隠すように庇いながら、モニターに目を落とす。投薬まであと二秒、開始されればわずかに青みを帯びた気体が被験体の身体を取り巻き、数十秒後にその姿は溶けて消えていくことだろう。もしかすればその際に、初夏に咲く白く美しい花の匂いが香るかもしれない。此方までは匂ってくるはずのないその花を幻視して、脳裏に微かな同情が浮かぶ。だが、もう止めることは出来ない。端的に尋ねられた薬の効果にはフンと鼻で笑うような態度を取って。最悪なその対応に彼女がどう出るかは分からないが、願わくば此方を恨んでくれますように。身勝手な願望を口には出さないまま、彼女の言葉を一蹴して)
さあ。効果が出なきゃわかんねえな。その身で確かめてみろよ。

ルート分岐:薬の効果
選択肢説明:薬の効果について選択肢が発生しました。下記よりおひとつお選びください。

1:一日一回、人差し指の爪の先に小さな宝石が宿る
2:指先に≪何も焼けない小さな炎≫を灯らせることが出来るようになる
3:何も起こらない



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