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178:
朽葉 [×]
2022-11-20 18:47:36
>176 瑠璃
――? ええ、懐中電灯が動くといいわね。
(頭上から聞こえてきた咳払いに顔を上げれば、きょとんとした表情で見つめつつ、彼女の背中に回していた腕を離す。ぎこちない響きを持つ声に疑問はあれど、その提案に否やはない。頷いて当初の目的を口にして朗らかに微笑めば、前方に見える鉄扉へと足を進めて。やがて目的の扉の前まで来れば、風化して掠れたプレートに”電気室”の文字を見つけ、ぱっと表情を明るくすれば彼女を振り返り)
よかった、目的通りの部屋みたい!
>177 千草
ええ。……わたしには、何よりも必要なものだったから。
(投げかけられたシンプルな問いに瞼を下ろせば、本、と小さく口の中で転がして。かつてページを捲っていた時の自分は、果たして本が好きだったのだろうか。いくら過去を振り返ってみても、その中には好きも嫌いも見つけられなかった。けれどもその散逸を悼む気持ちに偽りはない。それが例え、他の選択肢が無いが故のものであったとしても。ゆっくりと瞼を上げて控えめに頷いてみせれば、また暫しの静寂が辺りを包む。次に繋げる言葉の代わりに、仄白い月光が柔く降り注ぐと同時、すっと天を示した彼の指先を追いかけるように視線を上げる。夜空に浮かぶ月もまた、幸福な幻を見るのだろうか――そんな冗談にも満たないような思考はしかし、指先を口元に添えた彼の表情を目にしたことで霧散して。意を得たり、とでも言いたげに口の端を上げ、月光を反射して悪戯に輝く瞳を細める。「――気になるのなら、確かめればいいのよ」温かな腕の中から抜け出すと同時に倒木の幹からぴょんと飛び降り、行き場を失ったであろうその手を取って。それに成功したのなら、外出をねだる子供のように軽く引っ張って立ち上がるように促し)
――ね、千草。今度はわたしについてきてくれる?
─ 天球の図書館/夜 ─
(彼が一緒に来てくれるようであれば、無事だといいのだけれど――そんな不穏な呟きを最後に夜の闇へと溶ける。次の瞬間には森の柔らかな地面から一転、欠けて罅割れたアスファルトを踏みしめて。目の前で大きな影を落としているのは、ところどころが倒壊した建物。目立った特徴はと言えば、大きな半球の屋根が併設されていることだろうか。もっともその半球も、卵の殻を割ったように半分ほどが崩れ落ちてしまっているのだが。正面の玄関はガラスがすべて割れ、辛うじて枠組みだけが残っているような状態。目に見える他の窓も似たようなものだが、月光が直接差し込む分、中に入ったとしても暗闇に難儀することはないだろう。顔を上げて傍らの彼を見上げれば、かつてこの場所で聞いた説明をなぞるように口にして)
わたしの知る中では、いちばん天文の本が充実していた図書館なの。――右の半球の屋根は”プラネタリウム”と言う施設だそうよ。あの中に、夜空の星を映したのですって。
( / お声掛けくださりありがとうございます!上記の通り図書館へと場所を移させていただきました。少し変わり種の図書館としてしまいましたが、大丈夫でしょうか…?一般的な図書館の方が都合が良い等があれば、変更させていただきますのでお申し付けいただけましたら幸いです!
先の展開につきましては、一番は幻を見せる神様である千草さんが見る幻が気になるのと、朽葉の『望む場所』が少々難儀でして…。『千草さんが閉じ込められる』または『その他』で、何らかの理由で二人して閉じ込められる等でお願いできればと思うのですが、如何でしょうか?)
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