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59:
人族の山賊&賢者の娘&??? → ギリオン [×]
ID:09beb1e04 2022-03-13 23:57:41
>58 ライカ
【 エピソード・ライカ / Ⅰ.獅子王の憂鬱 / 大陸南東部、ユーダリル山脈付近 】
大陸の南東部。とある狩人の住む山脈にほど近い地点。
夜道を踏みしめる足音は一人分、歩みの速度や音質からしてきっと若く華奢な女性のものだろう。
いくら月の高い夜でも、この戦乱の世で夜道の独り歩きは非常に危険な自殺行為。
「オイオイオイ。こんな所に女がいるぜ」
「しかも一人か?ネエちゃん、アンタも好きもんだな」
「ああ、俺らの逞しい~のが欲しくて堪らねえってわけだ」
下卑た笑い声が響く。
夜に枝葉を巡らす木々も不愉快そうにカサカサと木枯らしに反応する。
きっと高価であろう光沢のある布地のローブを目深に被ったままの女は、ひたすらに沈黙を貫く。
「ああ、イイんだぜ。ちゃあんとお望みのモノはくれてやる。アンタ、金になるもんを山程持ってそうだからな」
「だな、兄弟。一目見ただけで分かる上等なローブだ、育ちの良いお嬢様がタダで俺達の親切を受け取るわけがねえ」
「さあこっちに来な。邪魔な身包み剥がしてやる」
男が武骨な手を伸ばした刹那。
閃光。夜闇に慣れた眼球を焼き尽くさんばかりの一瞬の光。
「お気の毒さま。もう一生見えないわよ」
有象無象の山賊とはいえ同じ種族たる複数の人間の視力を永久に奪ったことに迷いも罪悪感もない様子で溜息を。
男は口々に悲鳴や恨み言を吐きながらあまりの痛みに目を押さえて悶絶している。
「賢者の娘に触れようだなんて百輪廻分早いのよ。下衆」
あちらこちらで蹲る男たちを見下し、如何にも気の強そうな声で吐き捨てる。
そして、一見何もなさそうな真隣の空間を見つめて
「援護が遅い。どうせまた面白がってたんでしょ」
男とも、女ともつかぬ、含んだような静かな笑い声が数秒響く。
ローブの女は忌々しげに短く嘆息して
「余計な時間を食ったわ。行きましょう」
誰かにそう声をかけ、枝葉の隙間から一度だけ月を仰いでまた歩みを再開した。
Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ
【 大陸南西部・農村ガルム / ギリオンの仮屋 】
『郵便屋』と呼ばれる鳥類の獣人が届けてくれた文書に目を通し、黒馬は深く息を吐いた。
同時に僅かに体重を預けた木製椅子の背凭れがミシミシ悲鳴を上げ、かぶりを振って前のめりの体勢に切り替え額に手を当てて。
急拵えで建てたこの仮屋に、よもや2年も住まうことになろうとは誰が予想できただろうか。
「……ライカ」
低い声で弟子の名を呼ぶ。
視界に入ってはいなかったが、気配で仮屋の周辺に居ることは分かる。
耳の良い彼女ならば決して聞き漏らさないはず、そして相手の名を直接呼ぶことの少ない黒馬が『ライカ』と呼んだのだ。事の重大さに気付いてきっとすぐに帰って来てくれるだろう。
程なくして彼女が仮屋の中に戻ってきたのならば、
「座れ。話がある」
白濁した恐ろしい双眸、或いは彼をよく知る者ならば一周回って威厳ある穏やかさを感じさせる眼で一瞥をくれながら、自身はどっかり腰を下ろしたまま長い鼻先で向かいにある椅子を指して。
( / NPCのご確認、ありがとうございました。ライカさんがどんな言葉でギリオンを引き留めたのか、どんな思いで引き留めたのか…確固たる意志に、ギリオンも渋々ながらも呼応したのかもしれません。それでは早速、エピソード・ライカのチャプターⅠを開始致します。一旦背後は下がりますが、ご相談・ご要望等ございましたらタイミング問わずいつでもお声掛け下さい。それでは、今後とも宜しくお願い申し上げます。)
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