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―Φ― エインヘリャルの痛哭 ―Φ―[ ダークファンタジー / キャラロスト有り ]/91


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42: ロヴァル [×]
2022-03-08 00:58:18



【 Ⅰ.深碧のタリスマン / 03 / イチイの谷 / 谷端への道中 】

>31 ナジャ

彼女の言葉を聞いて、思い知る。そうだ。日々森を駆け抜ける自分と、酒場の女である彼女とでは、素の歩みの速さがまるで違う。
追いついた彼女をちらと振り返り、目算。目立たぬ程度に動きを遅め、彼女に苦心させぬよう、ゆったりしたペースの維持に注意を払う。
ナジャと連れ立って歩くのは、思えば初めてのことなのだと、そのときになって気がついた。

そうして、静かな森の小道を、ふたり並んで進んでいく。
道中の彼女は、先ほどまで慟哭寸前だったのが嘘のように、明るい声で次々に言葉を継いだ。隣で表情がくるくると変わるのが、直接見ずとも声音でわかる。どこか快いそれに、黙って耳を傾ける。

しかし、彼女の囀りがこちらの内心を窺がうものへと移り変わると、そうもしていられなくなった。
彼女の無垢な視線を左側から感じるが、目は合わせない。道にせり出した若木の枝を彼女に当たらぬようたわめて避けてやりながら、思案する──何を、どこまで話したものか。
谷の人間のことは心から信頼している。だがそれと、人の口に戸を立てられぬのは、また別の話。下手な情報の開示は、巡り巡って谷に不幸を呼ばないとも限らない。とはいえ、語ることがあまりにも少なければ、気づまりな沈黙が生じてしまう。

「……この谷に救われたからだ。命だけの話じゃない」

結果、曖昧な物言いになる。質問に気分を害したわけではないと、わかってもらえたらいいのだが。

「村長以外に話したことはなかったが……ここに来たころの俺は、職も、家族も、故郷も、とっくに全部なくしていた。そんな何もない人間を、何ヶ月もただ親切に世話してくれたのが、この谷の人たちだ。恩のひとつも返したくなる」

斜面の石段を先に降り、彼女を振り返って足を滑らせないか見守る。その間にも、軍から隠れていることを万一にも漏らさぬよう、思考を巡らせる。

「それに俺は……たまたま……獣人とやりあう術に長じている人間だ。そしてこの谷のほうでも、そういう戦力を少しでも多く求めてた。そうなれば、俺がここに残らない理由がない。ここで一生を終えたいとすら、今は思ってるくらいなんだ」

今度は、小川の浅瀬の飛び石へとやってきた。
渡る前に彼女を振り返る。ワンピースの裾をたくし上げるのに、片手が埋まってしまうはずだ。その状態で不安定な足場を抜けるのは心もとないだろう。先を行き、彼女のほうへ掌を差し出し。


(/お二方とも、ご確認いただきありがとうございました。主様の寛容なご対応にも、>18様の真摯なお言葉にも、深く感謝申し上げます。お二人の間でお話がまとまったようでよかったです……!度々の干渉をしてしまった背後は、今後ひっそり見守らせていただきます。お二方の間でこれから紡がれる物語を、楽しみにしております……!/返信不要)

(/主様宛:ロヴァルの身分の統一などを含めた、大きな修正はないロヴァルPF改訂版を、近日中に投稿させていただく予定です。お手数をおかけしますが、その際にはロヴァルのPFのアンカー更新をお願いいたしいます。/返信不要)





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