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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
5244:
ベル・ミラー [×]
2025-12-02 19:26:41
( あの状況では誰がどう見ても危険だと判断しただろうし、拳銃を突き付ける人間を目の前にして反撃する事も逃げる事も無く、あろう事か唯一持っている武器を捨てるなど正気とは思えないと言われても反論出来ない筈。けれどあの時の相手には何の躊躇いも無かったのだろう。余りに真っ直ぐ断言された言葉に息を飲む。自分で聞いておきながら流石に驚いた。「……そっか。…うん、良かった。本当に。」返って来た言葉を心の中で繰り返し、灯った暖かさはきっと言葉で表す事は出来ない様に思えた。ただ、あの時撃たなくて、相手が怪我をしなくて、良かったとそれだけが残り。続けられた付け足しは危険な目にあった当事者とは思えないもので、思わずじっとりとした視線を投げる事となった訳だが、相手らしいと言えばらしい気もした。「そんな適当な事言ってたら早死にするよ。」と、肩を竦め、その後、こんな遣り取りがまた当たり前に出来る事が嬉しいのか小さく笑みを浮かべて紅茶を啜り )
5245:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-02 22:01:00
( ______不完全燃焼な幕切れながら、リディアの一件が片付いてから数週間。いつもと変わらない署内に、突如として不穏な空気が立ち込めた。普段通りに仕事をする刑事課のフロアに突然硬い革靴の音が幾つも響き、見慣れない人物達が入って来たのだ。乱れの無いスーツの胸にはバッジを付け、友好的な態度など一切持ち合わせていないと言わんばかりの厳しい表情でフロアを見渡す。そうして令状のような物を取り出すと『とある犯罪組織に、警察の内部情報が流出した。レイクウッド署が流出源と見て、これより強制捜査に入る。』と唐突に宣言して。フロアの署員たちも状況を飲み込めず騒つく中、何事かと執務室から出て来ていたエバンズも同様に眉を顰め困惑した様子で思わずミラーに視線を送る。状況が読めないと首を振ったミラーから再び男たちに視線を戻した時には、男たちは証拠品を押さえようとフロアに散り散りになった後で。 )
5246:
ベル・ミラー [×]
2025-12-02 23:04:12
( ___一瞬にして空気が変わり騒めくフロア内で署員達は状況を理解出来ぬまま、無遠慮に歩き回る男達と接触しない様にと反射的に壁際に寄る事しか出来ず、それはミラーも同じだった。壁に背を付ける形で成り行きを見守る事しか出来ない時間が凡そ数十分。やがて男2人が相手の横をすり抜けて警部補執務室へと足を踏み入れた事で、更に空気が変わる。棚の物を全て取り出し勝手に中身の書類を確認し、相手が綺麗に片付けているデスクの上も今や書類まみれ。マグカップは隅へと追いやられた。引き出しを開け中の物を一つ一つ険しい顔で凝視し、最終的に唐突な強制捜査は相手のノートパソコンにも向けられ、男の1人が扉から顔だけを覗かせ『アルバート・エバンズ警部補だな。パソコンのパスワードを、』と、顎で部屋の中に入る様にと促して )
5247:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-02 23:38:33
( 署内を無遠慮に引っ掻き回す男たちは、その様子を見ていた自分の横を通り過ぎ断りも無く執務室の中へ。ファイリングされた書類も何もかもを無造作に引っ張り出している様子に「____捜査資料を乱さないでくれ、」と不愉快そうに眉を顰めて告げたものの、男たちは聞く耳を持たない。やがてパソコンのパスワードまで求められては「全員分のパソコンの中まで確認するつもりか?急ぎの仕事を抱えている署員も居る、捜査の邪魔はしないでくれ。」と告げながら、求められたパスワードを入力する。強制捜査の権限を持っているとは言え、あまりに横柄だというのが印象だった。 )
5248:
ベル・ミラー [×]
2025-12-03 00:03:12
( 正確なパスワードによって画面が開けば、男は静かに椅子に腰掛けマウスに手を乗せた。散々荒らされた執務室にはクリック音やタイピングの音だけが響き、次から次へと中の情報が開かれていく。『当然、全署員のパソコンを確認させてもらうが__今最も重要視しているのが此処だ。我々は“内通者”の存在を疑っていてね。捜査の邪魔をするつもりは無いが、暫くの間監視はさせてもらう。』パソコンの中身を確認している男は無言、代わりに丁寧にファイリングされた書類に目を通していた男が、相手に視線を向ける事無く淡々と答え。“内通者”として今一番に誰が疑われているのか、このたった一回の遣り取りで鋭い相手は勘付くだろうか。パタン、と音を立てて閉じられたファイルは元の場所へと戻され、そこで漸く男が相手を見た。『…貴方には聞きたい事が山のようにある。この時間、使われていない部屋はあるか?』相変わらず淡々と、けれど拒否権は無いとばかりに嫌な威圧感を放ちながら扉を一瞥して )
5249:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-03 00:30:02
( 此の場所を最重要視している_____つまり、この執務室に情報流出に関する証拠があると踏んでいる、という意味に聞こえて思わず眉を顰める。ハッキングなどではなく、誰かが意図的に犯罪組織に情報を流したと推測して捜査を行う中、この部屋を重点的に探るというのは“疑っている”と言われているようなものだ。「疑われるような事をした覚えは無い。」と告げたものの、男たちは聞く耳を持たない。威圧感を持って紡がれた言葉に鋭い視線を向けるのだが、捜査を拒否した方が怪しまれる事は当然理解していた。「……3階の会議室が空いている。」と答えて、疑いを晴らす為なら取り調べには応じようと会議室へと案内して。明かりをつけテーブルを挟んで男たちと向き合うと「手短に頼む、」と告げる。当然聞き取り調査の一環で、1時間も掛からずに解放される事を想定していた。 )
5250:
ベル・ミラー [×]
2025-12-03 00:55:23
( 相手は“疑いを晴らす為”にこの部屋に。しかし男は“証拠となる証言を得る為”にこの部屋に来ていた。相手が内通者であると既に決め付け疑って掛かるのだから、当然1時間やそこらで解放される事は無いのだが、今この時はまだ知らない事実だろう。___相手と向かい合う形で椅子に腰掛けた男は数枚の紙を鞄から取り出し相手の目前に並べた。それは最初に告げた犯罪組織の、今現在知る限りの情報が書かれている紙で、相手が一番最初に薬の取引きに踏み込んだ組織である事がわかるだろう。そうしてもう一枚の紙には数十人の組織メンバーの写真が貼られていて、中には相手が最も嫌悪する男の顔もあった。『この男の名前はアーロン・クラーク。今は組織の幹部で、過去にFBI捜査官としてこの署にも勤務していた男だ。当然見覚えはあるな?』と、クラークの写真を指差し確認をとった後『一度は逮捕されたが、無罪放免で釈放されている。…その後コイツと会った事は?』矢継ぎ早に次なる問い掛けをするのだが、その目は明らかに相手への疑いに揺れていて )
5251:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-03 07:43:21
( 並べられた資料を見て、薬の取引の捜査で関わった組織だと理解する。同時に“あの男”との接触が、恐らく疑われている要因だとも。「…当然だ、そもそもこいつは俺が逮捕した。危険な薬物を流通させ、かなり規模の大きい組織だった。」と、クラークについて当然知っていると肯定した後、組織について告げる。実態はまだ分からない事が多いが、多くの薬物事件に関わる危険な組織である事は間違いない。男の問い掛け、その答えはYESになる訳だが、言葉の端々に疑いの色が見え隠れする事には当然気付き眉を顰める。「会った事はあるが______逮捕された事が気に入らないんだろう、街中で数回接触された。そもそもこいつを無罪にしたのは俺じゃない、疑われるような事は何もない。」と答えて。 )
5252:
ベル・ミラー [×]
2025-12-03 11:14:49
( 相手は嘘をつく事無くクラークとの接触を認めた。けれどそれは相手の意思ではなくあくまでもあの男が勝手に会いに来ているだけであり、幾ら嫌がっても何処吹く風で付き纏い続ける男に完全に非があるのだが。そもそも相手の事を疑い逮捕に漕ぎ着けようとしている政府機関の役人達にはそんなのはどうでも良い事なのだ。『理由はどうあれ、接触を続けていると言う事に問題があるんだ。』と、尚も相手を解放する事無く___何だかんだと理由を付けて組織との繋がりを暴こうとする強引な聴取は既に3時間が経とうとしていた。当然刑事課フロアに居る署員達はミラーも含め相手がこれだけの時間拘束されている事、この荒らされたも同然の部屋に一抹の不安を覚える事となり。___それから更に時間は経ち、漸く男が立ち上がったのは聴取開始から既に4時間が経った後だった。隠しきれない疲労感やうんざりとした表情を浮かべる相手に目を合わさぬまま机に並べた書類を纏め鞄にしまい直すと『以前証拠品として押収したクラークの携帯は、此方で預からせて貰う。』と告げた後。漸く合わせた瞳の奥は歪に光り『薬の取り引き現場に居たのは貴方1人__取り逃したとしても仕方が無い話だ。』と。それは暗に“お前が見逃したんだろう”と言っているようなもので )
5253:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-03 18:57:26
( 自分から接触をしている訳でもなく、此方からは避けようの無い状況下での事だといくら説明しても、役人たちは納得しなかった。何を言っても聞き入れられず、事実を捻じ曲げてでも向こうが勝手に作った筋書きに無理やり当て嵌めようとするようなやり方で拘束される事、4時間。生産性のないやり取りを続け、疲労感と苛立ちを隠し切れなくなっていた。“疑って掛かる”というのは捜査を行う上では必須と言えるが、この男たちの遣り口はそれとは違う。誘導尋問で事実を捻じ曲げようという魂胆が見えるその手法は当然不快なもので、同時に自分が犯人と一番に疑われている事を嫌でも理解させられた。会議室を出ようとした時に告げられた言葉に思わず怒りと不快感を露わにすると「確かにあの現場に居たのは俺1人だが、薬を打たれて成す術が無かったと言っているだろう!故意に逃したと思っているなら、警視正に状況を聞いてくれ。」と告げて。仕事にも一切取り掛かれて居ない状況で4時間も無意味に拘束され、向こうの一方的な主張で責め続けられるというのは間違いなく心身を消耗するものだった。 )
5254:
ベル・ミラー [×]
2025-12-03 19:32:06
( 相手の纏う疲労や苛立ち等知らぬ存ぜぬの態度で『勿論、警視正にも話は聞くつもりだ。数日間は監視対象となる事を忘れるなよ。』と答えた男は、4時間にも及ぶ聴取と言う名の一方的な拘束とそれに伴う公務妨害に謝罪の言葉一つ無くさっさと聴取室を出て行き。___相手が刑事課フロアに戻って来た時、既に黒服の男達は強引な捜査を終え帰った後だった。戸惑い、困惑、怯え、疲労、様々な負の感情が混じり合い呼吸が苦しく感じられる程の空気が漂う中、署員達の口数は普段の倍少なく、黙々と散らばる書類や諸々を片付けていて。「…エバンズさん、」と、控え目に声を掛け相手に近付く。そのまま促す様に共に執務室へと入れば扉を閉め「__一体何が、」状況がこれっぽっちも理解出来ていない、4時間何の話を…そもそも何故相手がそんな長時間引き留められたのかと困惑がありありと浮かぶ瞳で見詰めて )
5255:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-04 01:36:07
( 刑事課のフロアを我が物顔で引っ掻き回す男たちが居れば、仕事が手に付かない事など分かりきっている。案の定フロアの署員たちも通常通りの業務に当たっている者は少なく、役人たちが証拠と称して持っていった物の後片付けをしている者さえいる状況。4時間も不在にしていた自分に向けられる視線には一様に困惑が浮かんでいて、相手に声を掛けられるとそのまま執務室へと入り扉を閉めて。執務室の中も“荒らされた”と言って良い状態で、椅子を引っ張ると腰を下ろし深い溜め息を吐く。身体中に疲労が纏わりついているような感覚だった。「……無茶苦茶な取り調べだ。誘導尋問どころじゃない、何を言っても聞き入れられず堂々巡りだ。」苛立ちをそのままに、無意味な聴取についてぼやく。「_____クラークとの接触を散々指摘された。薬物事件で犯人を検挙出来なかった事も、意図的だと。」間違いなく疑われている状況、一方的に責め立てられるばかりで精神を消耗していた。 )
5256:
ベル・ミラー [×]
2025-12-04 13:33:11
( 椅子に腰掛けたその動作にすら疲労感と苛立ちが滲んでいて、目下に影を落とした隈の張り付く表情を見ただけで如何に愚かな聴取だったのかを察する。4時間と言う長時間、相手の話には僅かも耳を貸さず既に“内通者”だと最初から決め付けていたと言う訳だ。つまり彼らの主な目的は刑事課フロアと言うよりも“この部屋”の捜査で、署員達の監視よりも“相手”を逮捕する事。有り得ない、と湧き上がる怒りをそのまま口にしようとした時。続けられた聞き覚えのあり過ぎる名前に思わず目を見開く事となった。彼らの言う“とある組織”とはクラークが幹部として鎮座している組織の事で、あろう事か相手をその組織の内通者だと言っているのか。「っ、何も答える必要なんてない!」と、思わず感情的に声を荒らげた。あの男に関わると最悪な事にしかならないのは既に互いに身を持って経験している事で現に今も、だ。胸の奥に渦巻く怒りを深い深呼吸で立て直し、冷静に、と自分に言い聞かせた後。「___接触はエバンズさんの意思じゃないし、そもそも疑う相手を間違えすぎてる。…逮捕なんて出来る筈がない。」と、真剣な眼差しで答えるのだが、それが甘い考えであった事は後々知る事となる。___執務室の扉がノックされ、警視正が入って来た。壁際に居るミラーを一瞥し、部屋の中を見渡し、次に相手に視線を向けると『…酷い目にあったな。』と、相手が長時間聴取室に拘束されていた事への第一声を溜め息と共に。『流石にやりすぎだ。』滲む怒りを吐き出して )
5257:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-06 10:19:04
( 犯人と決め付けるかのような無意味な聴取に対して、相手が怒りを露わにした事に少しばかり救われる思いだった。クラークとの接触は自分の意思でも無ければ避ける事も出来なかったのだと幾度説明しても聞く耳を持たれなかったのだ。重い疲労を感じつつ相手と話していると、不意に扉が開き、入って来たのは警視正だった。少し背筋を伸ばした後、彼の言葉には同意を示すように頷いて。『政府の機関とはいえ、あんまりです。誘導尋問のような捜査で、事実を捻じ曲げてでも俺を犯人扱いしようとしてくる_____いつまでレイクウッドに居るつもりなのか…監視対象だと言われました。」と告げて。明日もまた同じように男たちがやって来て、無用な時間を取られるのは避けたかった。 )
5258:
ベル・ミラー [×]
2025-12-06 13:01:36
ウォルター警視正
お前が内通者だと言う証拠が出て来る筈は無いが、アイツらはしつこいだろうな。発言の一つをとっても歪んだ受け取り方をしてくる可能性がある。__私も出来る限りの事はするが、用心しろ。
( 組織に情報が流れている、この署に内通者が居る可能性がある。そこまでは100%無いとは言えない為些か不愉快ではあるが頷ける。ただ、問題はその内通者が何故相手だと言う方向で進んでいるのかだ。当たり前ながら証拠がある筈も無いのに真実を捻じ曲げてでも“決めた筋書き通り”に事を運ばせようとしている気がして、相手は勿論の事納得がいく筈が無い。険しい表情で腕を組み、明日、明後日と男達に好きなようにされる事への懸念を抱きつつ『クラーク逮捕時の証拠品は、再確認すると引渡しになった。報告書や書類関係も全てだ。』相手が聴取を受けていた時に起きていた状況を説明した後。『…今日はもう帰って休め。ミラー、お前も帰って良い。』何より一番心配なのは相手の心身の事。どうやったって役人達が数日間居座る事を避けられないのならば、そうじゃない時はせめて少しでも落ち着ける場所に居た方が良いと帰宅を促すと同時に、心底心配し怒りに震えているであろうミラーにも同じく帰るようにと告げて )
5259:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-07 13:53:34
( クラーク逮捕時の一件を掘り返されるのは好ましい物ではなかった。自身の判断で捜査線上に上げなかったミラーの一件や、あの時打たれた薬の事、根掘り葉掘り聞かれたくない事が多い事件なのだ。それでもあくまで、心を消耗させようとする男たちのやり方に屈する事なく、何を言われても自分は犯罪組織への情報流出には一切関わっていないと主張を貫く迄なのだが。警視正に無用な配慮をさせている状況も申し訳ないもので、帰るようにと促されると頷き「午後は在宅勤務にさせて貰います。」と告げて、全く進んでいない仕事は家で進める事として。---相手と共に家に戻ると、ソファに身体を預けて深く息を吐く。身体に疲労が纏わりついていて嫌な怠さがあった。「…悪いな、巻き込んで。」と告げたものの、「無い証拠が出るはずが無い、直ぐに飽きて帰るだろう。今だけの辛抱だ、」と、何処か自分にも言い聞かせるように言葉を紡いで。内通者では無いのだから、当然証拠が出る筈もない。役人たちがそれに気付くまで、監視やら尋問やらに耐えれば良いのだと。 )
5260:
ベル・ミラー [×]
2025-12-07 19:51:54
( ___まだ日も出て居る時間帯、比較的暖かい部屋の筈が何故か無性に寒く感じるのは互いにそれぞれ感じる疲労が影響しているからだろうか。ソファに腰を下ろし深い深い溜め息を吐き出した相手を一瞥し、キッチンで小型の鍋にミルク沸かす。背中に掛けられた謝罪に振り返り「エバンズさんは何も悪くないよ。あの人達がどうかしてるだけ。」首を軽く左右に振り返した言葉は未だ相手を犯人扱いする男達に憤りを感じているから。けれど相手の言う通り、そもそもが無実なのだから幾ら署を引っ掻き回し、相手を長時間拘束し聴取した所で証拠など出て来る筈が無い。鍋の表面に張った白い膜を丁寧に取り除き、それぞれのマグカップに注いだ白の中に普段より少しだけ多めの蜂蜜を溶かしてから隣に腰掛け。「そうだね。全部終わったら公務執行妨害で逮捕しよう、それくらいやったって許される。」片方を手渡しつつ、気持ち的には大真面目だと言っても過言では無い冗談を口にし肩を竦め。___ホットミルクが半分程無くなった頃、ふいにマグカップを目前のテーブルに置くと何を思ったのか頭を相手の方に、それから軽く自身の膝を叩き「…大分前に膝枕したの覚えてる?久々にしたいな。」と、あくまでも此方の要望なのだと言いながら、唐突にもそんな事を微笑みと共に向けて )
5261:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-07 23:29:34
( 温かなホットミルクを口にした事で、未だ聴取を引き摺って知らず知らずのうちに張り詰めていた緊張感が解けるのを感じた。相手が膝を叩くジェスチャーに視線を向ければ、膝枕をしたいという要望。少しばかり躊躇したものの身体が疲れているのは事実で、少ししてからゆっくりとソファに身体を横たえ相手の膝に頭を乗せて。相手の体温を感じながら、少しばかり微睡んだだろうか。1日だけでも心を消耗させ重たい疲労感をもたらした長時間の聴取がこの先何日も続き、周囲の人間にさえ徐々に疑心暗鬼な心を植え付けて行く事をこの時は未だ知る由も無い。 )
5262:
ベル・ミラー [×]
2025-12-08 00:04:52
( 一度は拒否が返って来ると思っていたが、その予想は外れ多少の躊躇のみで直ぐに膝には軽い重みが。それ程迄に心身に負荷が掛かり疲労が蓄積していたのだろう、目を閉じた相手の髪を梳く様に撫でながら、薬を打たれ増大した恐怖に苦しみ涙を流した相手の、あの錯乱した状態を何も知らず犯人だと疑う役人の顔を思い出し無意識のうちに眉間に皺が寄り。___それから数日間、言葉通り男達は相手を監視し続けた。その異様な空気は刑事課フロアに蔓延し、やがて署員達の中にはまるで洗脳の様に相手を疑い出す者も現れ、仕事にも集中出来ずミスが続き、悪い方悪い方へと全てが進みつつある中。今日もまた男の一人が相手に声を掛け、会議室へと連れて行き。___『薬の取り引き現場に居たのは貴方一人、そして潜入捜査が失敗となった後も、度々外でクラークと接触している姿が目撃され、クラークが取り調べで唯一話すのも貴方だけだと言う証言があった。…証拠品として押収したスマートフォン、それを最後に持っていたのも貴方だ。更に言えばその時何かの画像を消去した痕跡がある。…時間が経ちすぎている為復元は出来なかったが__正直に言え、何を消した?』相手が犯人で間違い無いとでも言いたげに淡々と告げる内容は、どれもこれも本当の事ではあるが、しかし、決して内通者だと言う明確な証拠にはならぬものばかり。それでも男の威圧的な態度は変わらず、その当時クラークが持っていて、相手が押収したスマートフォンのデータの話を出して )
5263:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-08 00:56:10
( 長時間に渡る高圧的な聴取は連日続き、幾度同じ話をしたか。明日には男たちも諦めるだろうと、ソファで互いに言い聞かせる様に言葉を交わした家での時間も徐々に短くなり、帰っても直ぐに横になるようになっていた。それ程に、堂々巡りの聴取は体力を削り取るものだった。今日も呼び出されて向かった会議室で男達と向かい合い、幾度と投げ掛けられた質問を飽きもせず浴びせられる。「……薬物事件の捜査は上の指示で行った物だ、ずっと追っていた事件じゃない。クラークの聴取は確かに担当したが、口を割る割らないは俺がコントロール出来る物ではなかった。外での接触も同様だ、信じないなら監視カメラの映像でも見てみれば良い。」同じ説明を繰り返している為、答える内容は同じ。澱み無く説明できる程度には繰り返されてきた質問だった。しかし次に問われたのはスマートフォンのデータについて。削除したデータについて聞かれると「______データを削除した覚えはない。」と答える。あの件を此の場で公にする事は選ばなかった。なんの画像が入っていたのかは記憶にない、データを削除した覚えもないと、再三の問い掛けにも同じ答えを返し続ける。強引な聴取で初めて吐いた“嘘”だったが、捜査には関係のない写真だったと言った所で余計に怪しまれるだろう。削除されたデータについては知らないという答えを貫いて。 )
5264:
ベル・ミラー [×]
2025-12-08 11:17:38
( 今日も今日とて薄暗い部屋の中で繰り返される堂々巡り。復元こそ出来ないが“何かのデータ”があの当日に消去された事は間違い無く、周囲への聞き込みや捜査の結果、翌日証拠品として署に届けるまで所持していたのは相手なのだから疑われて当然だと言う主張の元、男は言い切った相手の返事にあからさまに眉を寄せ沈黙を落とし。しかし此処で数日間の聴取と異なる事が起きた。男は暫し黙したまま相手を見据えていたも、ややして細く息を吐き出すと徐に立ち上がり椅子を戻す。そうして『__まぁ良い、データの件はゆっくり思い出すといい。』と、不穏にも告げた後。『貴方が何らかの形で関わっている事は明白、後の事は我々の管轄内で聞く事にする。…荷物を纏め次第、同行を。』と、強制的な連行を決定し )
5265:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-08 16:38:30
( 写真の削除は自分ではなく持ち主だったクラーク本人によって成されたものである可能性もある訳だが、其処を疑う事は一切しない。はなから自分が内通者だと決めつけて事を進めている事を改めて感じさせるもので、険しい表情のまま口を開く事はなく。しかし、政府機関の管轄の場所に同行せよと言われれば、思わず顔を上げる。署内での取り調べに散々応じて来たというのに、そして一貫して自分ではないと主張しているというのに、無理やり連行しようというのか。「っ、何処で話しても同じだ!俺は組織との件には一切関わっていない、いくら訊かれても答えは変わらない。こんな無意味な事に時間を割いている暇はない、」と、同行を拒否して立ち上がり。 )
5266:
ベル・ミラー [×]
2025-12-08 19:39:19
( 声を荒らげ拒否を示した相手に、まるで容疑者として聴取している人物が一向に罪を認めず手間取らせて来る__とでも言いたげな視線を向けた男が口を開きかけたその時。部屋の扉が開き、相変わらず皺の一つ無いハリのある黒スーツに身を包んだ別の男が入って来た。その手には相手が普段から使っている私物のノートパソコンがあり電源が入っている。その画面を2人で見詰め、何やら険しい表情で一言、二言、の会話をした後相手に向き直ると『__どうやら“無意味な事”では無さそうだ。』と、パソコンの画面を相手に見せる様に反転させ。そこには相手には身に覚えの無いまるで暗号の様な字列や“極秘”と書かれた赤文字、内部情報のあれこれがはっきりと記されていて。『組織と関わりが無いのならば、何故貴方のパソコンからこんな物が出て来たのか。…これが他所に送信された痕跡もある。“証拠”が出た以上、貴方に拒否する権利は無い。連行する。』これ以上此処での遣り取りは無用だとばかりに扉を開け、『署員達の前で手錠など掛けられたくないだろう。』と、相手自身がその足で同行する様にと今一度。___勿論相手のパソコンにあった内部情報は、相手がどうこうしたものではない。本当の内通者が別に居て、その男が遠隔操作により相手のパソコンから組織へと情報を送り続けたまでの事なのだが、勿論相手を犯人だと疑う政府機関の男達では辿り着けない所。FBIの情報を得て、更には邪魔な…脅威の存在となる相手を消す事が出来ればと言う目論見で )
5267:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-09 09:57:59
( 突き付けられたパソコンの画面には、全く身に覚えのないファイル。どういう事かと思わずパソコンを確認するも自分が使っている物に違いなく、あり得ない状況に混乱する。直ぐに反応する事が出来ずにいたものの、出る筈の無かった証拠が出た以上、置かれた状況はかなり厳しいものだと嫌でも理解して。拒否をすれば手錠を掛けられて強制的に連行されるのだろう。「______分かった、」と答えて。一度荒れた執務室に戻り、荷物とコートを手にする。此方を伺う署員たちの視線も、強制捜査が始まった当初に比べて困惑よりも疑心の色が濃くなっているのを感じていた。何故こんな状況に陥っているのかは自分でも分からないが、一先ず今は男たちに従うより他はない状況。「…少し出て来る、」とだけ自席にいた相手に告げると、そのまま答えを待つ事もなくフロアを後にする。一階で待ち構えていた男たちと署を後にすると、政府機関の建物へと連行される事となり。 )
5268:
ベル・ミラー [×]
2025-12-09 13:35:15
( ___正に最悪な状況。足早にフロアを出て行った相手の背を焦燥に縺れる足で追い掛けるも、途中で警視正に引き留められ説明されたのは相手が連行されたと言う事実。幾ら相手の使っているパソコンから内部情報流出の証拠が出たからと言って、それが相手が内通者であると言う100%の証拠にはならない筈だ。パスワードを調べた外部犯の可能性もあるし、ハッキングによるものの可能性もある。そもそも相手がそんな事をする人間では無い事は近くで共に働いていれば簡単にわかる事なのに__『今は落ち着け』と悔しさを滲ませながら諭す警視正に、そんな悠長な事を言っているから相手は連れて行かれたのだと、感情のままに噛み付いたのだが、現状何も出来ない事は明白で。___相手がFBIとは別の政府機関に連れて行かれ、留置所での問答無用の勾留が決まったのはそれから直ぐの事。何かの間違いだと直ぐに釈放されると思っていただけに、この異例過ぎる速さでの勾留には流石の警視正も焦燥を隠せず。___“起訴前勾留”の間は可能な面会、直ぐに時間を作り面会に訪れたのは1日が経過してから。ガラス越しの相手には触れる事も出来ず、このたった一枚のガラスがとてつもなく大きく高く聳え立つ壁に思えて、吐き出した息が震え。「…エバンズさん、…」今一番状況に混乱し不安なのは紛れも無い相手、此方はあくまでも冷静を心掛け、余計な不安を与えないようにと心では思うのに感情は着いて来ない。震えた息に釣られる様にして、相手の名を呼んだその声もまた震えを纏っていて )
5269:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-09 23:49:40
( 連れて行かれた機関で取り調べを受け、殺風景な留置場で過ごす夜は余りにも惨めな物だった。犯罪組織に情報を横流しした事実など無く、ありもしない証拠が出る筈もないというのに。誰かに嵌められて居るのか、恨みを買ったのか、状況さえ把握できないまま成す術もなく厳重に管理された部屋で一夜を過ごす。心身への負担は体調に顕著に現れ、浅い眠りの中で幾度となく悪夢に目を覚まし、発作に苦しむ事となった。持って行った荷物は男たちの管理下に置かれ、薬も飲む事が出来ずに迎えた翌朝。面会だと連れて行かれたのは分厚いガラスで阻まれた小さな部屋で、犯罪者と接見した事こそあれど自分が此方側というのは想像もしない状況だった。不安がありありと浮かぶ相手と対面すると「_____どうしてありもしない証拠が出たのか、其れさえ分からない。何か裏がある筈だが…此処からじゃ其れも確認できない、」と溢して。更に体調が不安定な事も不安を増大させていて、外部から持ち込んで貰えば受け取れるだろうかと考えて相手に切り出す。「……悪いが、次来る時に処方薬を持って来てくれないか。持ち物は全て回収されていて、手持ちがない。」連日の聴取と不当な拘束を受けている今、かなり心身を擦り減らしているのは確かな状況で。 )
5270:
ベル・ミラー [×]
2025-12-10 07:46:49
( ガラス越しでもわかる程に相手の顔色は悪く、目下の隈も濃い。心身共に疲弊し体調が悪いのが一目瞭然なものだから、思わず奥歯を噛み締める事で湧き上がる焦燥や政府機関に対する強い怒りを無理矢理抑え込み。「今、警視正が上層部に掛け合ってる所。誰かがエバンズさんに罪を着せようとしてるのは間違い無いから、後はそれを立証するだけ。…大丈夫、私もやれる事は何だってするから、もう少しだけ辛抱して。」勾留されている相手では捜査はおろか、誰かに話を聞く事も調べ物すらも出来ない。警視正は朝から晩まで相手の無罪の証拠を集めるべく駆け回り、サラやアシュリーもまた、担当している事件の合間を縫って情報集めに協力をしてくれていた。落ち着け、と自身に言い聞かせ、至極真剣な、それでいて普段と変わらない事を意識した柔らかさをもった微笑と共に緑眼を僅かに細め、ほんの一瞬でも不安感が薄れて欲しいと現状を伝えた後。所望された薬に頭を大きく縦に動かす。「勿論、明日朝いちで持って来る。…後は?薬の他に何か必要なものない?」安定剤、睡眠薬、鎮痛剤、相手が処方されている薬は全て持って来る事を約束し、不便をしているだろう現状を少しでも打破出来る差し入れが何か無いかと問い掛けて。___この時はまだ知らなかった。薬の持ち込みが許可されない事も、それどころか面会すらも出来なくなるなんて )
5271:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-12 03:23:46
( 外部と遮断された空間で拘束されている自分は何も出来ないが、警視正や相手が無実を立証する為に動いてくれているというのは励みだった。労力を掛けている彼らには申し訳ないが、身に覚えの無い罪が1日でも早く晴れるようにという思いで。薬を持って来てくれるという相手の言葉に少し安堵すると、他に必要な物はないと首を振り。何かを持って来てもらった所で持ち込める物は極限られている。相手との面会で、一方的で横柄な取り調べに耐える気力が湧いたのも束の間______次の日の午後になっても面会に呼ばれる事は無く、薬も届くことはなかった。相手が約束を反故にするとは思えず、見回りの男に声を掛ける。「……レイクウッドから女性刑事が来なかったか。持病の薬を届けて欲しいと頼んである、」と尋ねて。 )
5272:
ベル・ミラー [×]
2025-12-12 13:26:31
( ___翌日、約束通り相手が処方されている薬全てと、少しでも別の所に気持ちが向くと良いと考えた末の小説を数冊持って面会に来たのだが。そこで係の男に告げられたのは、如何なる理由があっても薬は全て持ち込み禁止である事と、今朝になって急遽面会は許可出来なくなったと言う事。昨日は普通に会えて、更には相手は逮捕をされた訳でも起訴された訳でも無い、あくまでも勾留段階で何故面会が出来ないのかと詰め寄り、食い下がったのだが男は“NO”の一点張り。結局1時間以上の押し問答の末、半ば強引に建物外へと連れ出されタクシーに押し込まれ。薬を渡せないとなれば、相手があの部屋でそれを手に入れる方法は無い。つまり服用出来ない状態でたった1人、悪夢や発作に耐えなければいけないと言う事だ。絶望的過ぎる状況に、タクシーの中で溢れる涙を堪える事は出来なかったが、何も諦めるつもりは毛頭無い。___相手から声を掛けられた男は足を止め、直ぐに今朝の騒動の事かと頷いた。『午前中に来てはいたが、そもそも面会自体が許可されなくなった。今後貴方が話せるのは弁護士のみと言う事だ。』そうして相手がまだ知らされていなかった決定事項を淡々と告げ、まだ何かあるか、と言う様に片眉を上げて見せ )
5273:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-12 14:16:29
( 男の返答には思わず絶句する。面会の禁止は、逃亡や証拠隠滅の恐れなど相当な理由がある場合に限られるはずだ。明らかに、あらかじめ決めた筋書き通りに自分を逮捕する為無理矢理外部との接触を断つ不当な行為だと言えよう。しかし幾ら此処で喚いても接見禁止が解除されるとは思えず、より不利な状況に陥る事も考えられた為、言葉を飲み込む。深く息を吐き出してから、「……せめて、薬は貰えないか。無理なら警察医の診察を受けさせてくれ、」と告げて。薬をひとつも飲まずに此処での時間を過ごす事はあまりに苦しいものだ。連日の高圧的な聴取に耐え、また鳩尾に痛みも出るようになっていて。 )
5274:
ベル・ミラー [×]
2025-12-12 19:51:45
( 午前中に来た女刑事は薬を渡せない事、面会が出来なくなった事、に猛抗議をしたと聞いたが、目前の男は思う所があるだろうに、留置所に入れられている今尚やけに落ち着いている__と男は頭の片隅で考えていた。“持病の薬”が何かは此方で既に調査済み。飲まなければ本当に命の危険がある薬ではないという判断が下されており、だからこそ渡す必要は無いと上司から言われている為首を横に振ると『言っただろう、弁護士以外の外部の者と接触は出来ない。意図的な薬の過剰摂取による自殺も懸念されているんだ。』相手の要望は全て聞き入れられないという姿勢を貫き。___その頃ミラーはと言うと、何も解決策が無く警視正からかなり不味い状況だと言う事を聞かされていて。署内の雰囲気も、証拠が出た事から相手が本当に内通者なのではという噂が囁かれる様になって )
5275:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-16 19:38:58
( 証拠を隠滅する為に自殺する可能性を危惧しているのかもしれないが、そもそも犯人ではないのだから薬物の過剰摂取などする筈がない。しかし何を言おうと、弁護士以外と接触できないという決定は変わらないのだろう。この状況で暫く薬を飲めないとなると、体調は確実に悪化する。少しでも早く無罪を実証するより他なく、頑なな政府機関の態度には疲弊仕切っているのだが「_____弁護士を呼んでくれ、話をしたい。」とだけ告げて。---ミラーや警視正が、自分の無罪を立証するために動いているとは聞いていたものの、面会も出来ない中で1人拘束されていると、状況も確認できず何も分からない不安と孤独に苛まれる。薬を飲めないまま時間が経ち、頻繁に発作を起こす程に不安定な状態に陥っていた。痛み止めを服用する事も出来ず鳩尾の痛みに耐え、意味を成さない長時間の取り調べを受ける日が続き。 )
5276:
ベル・ミラー [×]
2025-12-16 20:11:10
( ___警視正が幾ら上層部に掛け合おうと、どれだけ相手は内通者では無いのだと訴えようと、身に覚えの無い証拠が全てだと聞く耳を持たず、自分達の都合の良いように物事をでっち上げ、外部との接触を許さず相手を精神的に追い詰め孤立させる…そんな違法捜査とも呼べる事を何の正義も無く遣って退ける役人達には最初から何を言った所で無駄で、このままでは、ほぼ100%相手は起訴され有罪が確定してしまうと漸く気が付いた時。取れる手段はたった1つしか思い付かなかった。___この時間は使用されていない会議室。扉に鍵を掛けスマホの画面を険しい表情で見詰める。そこにあるのは何故か消していなかった【アーロン・クラーク】の名前。相手を傷付け、苦痛を与える事に喜びを見出すサイコパスで、此方側からは絶対に近付いてはいけない男。過去の出来事の様々が一瞬にして走馬灯のように脳裏を駆け巡り、一度重たい溜め息が漏れたのだが。“これしかない”のだ。次の溜め息は自身の気持ちを落ち着かせ、迷いを払拭するもの。クラークの名前を押し電話を掛けると、数コール後に聞こえた記憶から抹消したくとも出来ないその声に「……今すぐ私と会って。」と、挨拶すらも無い一方的な要望を緊張と、警戒心と、覚悟と、様々な感情が入り混じる声で告げて )
5277:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-20 13:30:04
アーロン・クラーク
( 手元のスマートフォンが着信を知らせ、画面に相手の名前が表示されると、其れを手に取り笑みを浮かべる。思った通りのタイミングだ。エバンズが組織との内通の罪で勾留されている事は当然知っていた。ミラーがそろそろ痺れを切らす頃だと言うことも想定済みで。電話に出てすぐ相手から告げられた言葉には「_____勿論、ミラーからのデートの誘いを断る訳がないよ。」と、考える暇もなく聞き返す事もせずに、相変わらず飄々とした明るい口調で答える。「そうだ、郊外でやってるクリスマスマーケットでも行こうか。ツリーを見ながらホットワインでも飲もうよ。」相手の本当の用件を理解していながら、まるで恋人相手に話しているかのような素振りで言葉を続けて。 )
5278:
ベル・ミラー [×]
2025-12-20 22:29:55
( 電話口から聞こえる声は明るさを携えていて、その巫山戯た言葉全てに嫌悪感が募るものだから、眉間に皺が寄るのも自然な事。「デートなんかじゃ無いし、クリスマスツリーも見ない。今から1時間後に駅前のカフェで待ってるから。」険しい表情のまま、またも要件を伝える事無く淡々とした一方的な約束を取り付け電話を切って。___約束の10分前。連れが後でもう1人来る事を店員に伝えお店の奥の席、扉が見える方向の椅子に腰掛ける。メニューに視線を落とせばそこには“オススメは搾りたてミルクを使ったふんわりパンケーキ”と書かれているのだが、全く以て魅力的に感じないのは今から来る人物のせいか、エバンズの事で頭がいっぱいだからか。ふいに扉に括り付けられている鈴の音が鳴り顔を上げると、そこには鮮やかな金髪を整え皺ひとつ無いスーツを身に付けた相手が店内に入って来た所で、此方に気が付いたのだろう、明るい笑みと共に近付いて来るものだから「__変わってないね、」と、見上げる形で皮肉を一つ )
5279:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-20 23:44:49
( 季節を意識したロマンチックなデート場所は通常喜ばれる筈だが、相手は違ったらしい。一方的に指定された駅前のカフェは駅に近い事もありいつも賑わっているが、せっかくミラーに呼び出されるならもう少し色気のあるカフェだったら良かったと1人肩を竦める。それでも時間ぴったりに、一切乱れのない整った姿で待ち合わせ場所に現れると相手の向かいの席に座る。「ありがとう。ミラーも相変わらず可愛いよ。」褒められていないにも関わらず礼を述べると相手にも言葉を投げ掛ける。「これ良いね。俺は搾りたてミルクのパンケーキにアイスクリームトッピング、あとホットコーヒーを1つ。ミラーはどれにする?」メニューにあったパンケーキを指さすと、ちょうど水を持ってやってきたウエイトレスに注文をして相手にも尋ねる。相手とお茶を楽しみにきたと言った様子で、署で問題になっている内通の件やエバンズが置かれている状況を知っていながらも何も切り出すことはしなかった。 )
5280:
ベル・ミラー [×]
2025-12-21 00:58:37
( “変わってない”は褒め言葉じゃないし、相手から可愛いと言われた所で僅かの喜びも湧かない。そういう事を全てわかっていて清々しい顔で言って退けるその根性が真底嫌いだと、返事を返す事無く溜め息を吐き出すだけで。「…ホットのカフェモカを一つ、以上です。」微笑みながら此方の注文を待つウエイトレスには飲み物だけを頼み、目下のメニュー表を閉じてテーブルの端へ。水を一口飲んでから目前の相手を真っ直ぐに見据えると「__今日呼んだのは、エバンズさんの事で話があったから。…貴方の組織に署の情報が流出してて、エバンズさんが内通者だって疑われてる。…でも、それは絶対に有り得ない。真犯人は誰?クラーク、貴方どこまで関わってるの?」真剣な、それでいて怒りも見え隠れする緑眼は普段よりずっと遅い瞬きで相手をとらえる。相手の事だ、今起きている全ての事を既に知っているだろう、そうして絡んでいる可能性も十分に有り得ると、纏う雰囲気はまるで被疑者を取り調べる時の様なそれで )
5281:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-21 10:23:47
( 折角の2人きりでのデートだと言うのに。注文を終えるや否や相手が持ち出したのは彼の話で、真剣な色を纏って問われると態とらしく肩を竦める。彼が内通者として疑われ、勾留されている事は知っていた。薬の服用も、警察医の診察さえも許可されず、日に日に体調が悪化している事も。「…クリスマスマーケットでホットワインを買って、差し入れた方が良かったかもね。あの人は痛みを和らげたい夜、ワインを飲むから。」そんな意味深な事を言って微笑む。白い錠剤をボルドーの液体で流し込む姿を見た事がある。月明かりに照らされて、その姿は儚く、美しく自分の目に映ったのだ。薬を飲めない日が続いているなら強い効果を欲している事だろうと。「俺は何も関わってないよ。全部政府機関の主導だろう?」飄々と答えながら、運ばれてきたパンケーキにメープルシロップを掛ける。いただきます、と律儀に手を合わせてパンケーキを口に運ぶと甘さが口一杯に広がり「美味しいよ、ミラーもひと口食べる?」と相手を見つめて。 )
5282:
ベル・ミラー [×]
2025-12-21 11:11:53
っ、…そのホットワインも差し入れ出来ない状況なの。…わかってるでしょ。
( 意味深に落とされた言葉に頭に血が昇ったのがわかったのだが、膝の上で両手を握り締める事で感情を抑え込むと、煮え滾る様な渦巻く昂りとは裏腹にあくまでも冷静な言葉を返して。しかしこの紡がれた言葉により相手が今の現状を全て把握済みだと言う事は確実なものになった。エバンズが薬を飲む事も出来ずたった1人で夜な夜な苦しんでいる事も、自分や警視正がどれ程駆けずり回って情報を集め上層部に懇願した所で何も変わらない事も、相手は全て知っていて、恐らく今回掛けた電話口で微笑んでいたのだろう。“何も関わってない”なんて、相手の組織の内通者である事を疑われているのだから信じる事は出来ず「政府機関内に、それこそそっちの組織の内通者が居たって可笑しくは無いでしょ。貴方がその人に裏で指示を出してる可能性だってある。___それこそ、“本物の内通者”がレイクウッド署に居る可能性も、」美味しそうにパンケーキを頬張る姿を睨む様な瞳でとらえながら、尚も相手の関与を疑い続け。「いらない。」パンケーキのお裾分けには間髪入れずに拒否を示し、目線を落とす事で重なった視線を解きカフェモカを啜り。「……」長く重たい沈黙の流れる事数十秒。「___このままじゃ本当にエバンズさんは逮捕される。…貴方なら助けられる?」例えこの件に相手が関わっていて、四面楚歌状態の彼や己を見てほくそ笑んで居たとしても。彼が逮捕されてしまえばもう何もかもが終わりなのだ。その前にどうにか無実である事を立証しなければならない。その為には、目前の相手の力に頼るしか今選べる道は無いとわかっているからこそ、悔しさの滲む声色で問い掛けて )
5283:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-21 13:16:57
アーロン・クラーク
( 相手の言葉を聞いて少し驚いたような表情を見せると、直ぐに可笑しそうに笑う。「なんだ、警部補のために必死になってるのかと思ってたけど。警察はこれだけ時間を掛けても何ひとつ掴めてないんだね。_____内通者はいるよ、レイクウッドの中に。警部補だったら良かったけど、あの人は俺の誘いをいつも無碍にするから。」肩を竦めて見せつつ、何ひとつ証拠を得られていない警察の“無能さ”を嘲笑うように言葉を紡ぐ。組織に情報を流したのは、レイクウッドの署員だ。その罪を彼になすり付けた結果の今なのだが、相手を始め其れを掴めている者は未だ誰も居なかったのだと知り、随分悠長だと笑って見せる。そんな事くらい、数時間もあれば掴めるだろうと言うのが、ハッキングや犯罪に長けた自分の意見なのだが。相手からの問いには間髪入れずに、当然だと頷く。「勿論。…お城に閉じ込められたプリンセスを救う騎士の如く助け出せるよ。方法なんて幾らでもある。」と得意げに答えて。 )
5284:
ベル・ミラー [×]
2025-12-21 14:35:25
( 警察は決して無能では無いし、エバンズの無実を証明する為に何もしなかった訳では無い。けれど“エバンズのパソコンから出た証拠”が彼を内通者であると決定付け、政府機関の役員達もそれを疑う事が無かった。そうして“真っ当な捜査”では彼を救う事が出来ないのだと気付いてしまったのだ。「……反論する気は無い、」と至極小さな声量で答えたのは勿論言いたい事は山程あれ、結局彼を助け出す事が出来ていないのが現状だから。チョコレートと香りが仄かに香るカフェモカは、本来なら優しい甘さを連れて来る筈なのに今日は無性に苦く感じる。相変わらずの役者か何かかと思わさる演技掛かった独特な口調で、得意げに紡がれた言葉には思わずまた眉間に皺が寄るのだが。その自信が本物である事を嫌でも知っているのも確か。「……だったら私に手を貸して。エバンズさんの無罪を証明して、本当の内通者を逮捕する。」犯罪者に助けを乞う等、本来あってはならない事。けれど相手と会う覚悟を決めた時にそんな正義も甲藤も捨てて来た。“こういう状況”に楽しみを見出す相手の事だ、二つ返事で了承するとは思えず見返りを求めて来るだろう事も想定済み。少しばかり緊張の混じる間が空いて )
5285:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-21 18:42:25
アーロン・クラーク
( 相手は“違う”と語気を強める事はしなかった。自分たちも彼を救出する為に精一杯動いているのだと反論してくるかとも思ったのだが、結果が伴っていない事を理解しているのだろう。続いた言葉には僅かばかり首を傾げて相手を見つめる。「_____手を貸して、俺にどんなメリットがある?ミラーと警部補から泣いて感謝されるって言うなら悪い気はしないけど、俺だって危ない橋は渡りたくない。犯罪組織の幹部がのこのこ出て行って『情報をくれたのはこの人じゃないですよ』って証言でもするの?」クスクスと笑って見せながら、どう手を貸せと言うのかと肩を竦める。手を貸せと言うなら相応の見返りが必要だ。自分にメリットが無ければ動かない。現状自分にメリットがあるとは思えない為、興味を示す事もなくパンケーキを口に運んで。 )
5286:
ベル・ミラー [×]
2025-12-21 21:36:49
( 確かに相手の言う事はごもっともだった。相手には何のメリットも無い上に最早丸投げ状態の頼み、更には次は相手自身が逮捕されてしまう可能性だってある訳だから見返りを求めて来るのは当然と言えば当然か。既に当初の熱を失ったカフェモカを口元まで運ぶが、マグカップの端が下唇に緩く触れただけで中身を胃に落とす事はしなかった。「___今エバンズさんに接触出来るのは弁護士だけ。だから、政府機関の息が掛かってない弁護士を紹介して欲しい。それから、その人経由で処方薬を届けて貰って。…エバンズさんの無実が証明されて、本当の内通者が逮捕されたら……クラークが望む事を一つ叶える。勿論私に出来る事で、誰にも迷惑が掛からない事が条件。法を犯す事も駄目。…十分なメリットでしょ。」わかりやすい程に興味が無いです、を全面に押し出す相手に持ち掛けた見返りは、僅かでもメリットとして捉えて貰えるものだろうか。結局中身を飲まなかったマグカップをテーブルに置き直して返事を待って )
5287:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-21 22:34:30
アーロン・クラーク
( “望む事を叶える”という言葉にようやく興味を示すと、パンケーキから相手へと視線を向ける。けれど続いた制約に、それではつまらないと肩を竦めて。「それじゃあ出来ない事ばかりだ。面白くない。」と答えたものの、ある事を思い付く。「_____弁護士か。…組織側の弁護士を動かすのは簡単だけど、俺が行ってみようかな。可哀想な警部補を見る事が出来るし、勾留されてる限りあの人は俺にしか頼れない。」言葉にしてみると、それはとても魅力的な事のように思えた。孤独と不安に耐えている彼を、自分が救う。例え自分に憎しみを抱いていても、頼らなければ逮捕される事になるのだ。「ついでに、警察はもう無罪の証拠なんて探してない、とっくに諦めたとでも伝えてみようか。また彼が絶望する表情を見れるよ。」と、楽しそうに笑って。弱っている彼の心の隙間に入り込み、相手との絆を壊す。そうすれば彼は自分に縋るようになるかもしれない。「我ながら良いアイディアだ。そう思わない?」と、固い表情の相手に笑みを向けて。 )
5288:
ベル・ミラー [×]
2025-12-22 11:04:57
( “出来ない事ばかり”と相手は言うが、まともな道徳心を持つ人間ならばそんな事は欠片も思わない筈なのだ。夕食を奢ってくれれば良いとか、今度少し高い贈り物をとか___そもそも相手に“一般的道徳心”を当て嵌める事の方が間違いなのだが再び興味を失ってしまった様子に僅かな焦燥が募り。次なるメリットを考える為に口を開こうとして___先に音を落としたのは相手の方だった。つらつらと流れる様に紡がれる少し未来の話に思わず背筋が凍る。弁護士を、と言っているのに何故相手が行くと言う案になるのか。そもそも相手は弁護士じゃないから面会は出来ないのに。何かしらの手を使い拘留所に忍び込みエバンズの目前で悪意ある言葉を吐き捨て微笑む、そうしてそんな事をしておきながら唯一その場に居る相手自身に縋る様に仕向ける___相手なら本当にやる気がした。「全く思わない。エバンズさんの事傷付けたら許さないから。」同意を求めるかの様な問い掛けに、纏う空気は冷たくなる。緑眼の奥には燃える様な怒りと牽制、放つそれは“殺気”と呼んでも良いかもしれない。けれど___彼を傷付けないという絶対的な約束があれば、組織の弁護士より此方との連携もまだ取りやすいと思う気持ちも無い訳ではなかった。ややして「……クラーク、貴方がエバンズさんに会って薬を渡す。勿論彼を傷付ける様な言動は一つも無し。それから、真犯人を逮捕してエバンズさんの無実を証明する。その全てが出来るのなら……“私の事は”好きにして良い。それならどう?」相手が彼に会う事で話を進め、その中で条件を提示し、再び告げたメリットは大きく離れはしないものの、先程よりも少しだけ強い色を持つもので )
5289:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-22 14:26:12
アーロン・クラーク
( 犯罪組織としては近寄りたくもない政府機関という場所に潜入しながら、彼を傷付けるも事なく薬を渡して無罪を証明するなんて、究極のお人好しか人に救いを与える事に喜びを見出す天使かでなければ喜んでやろうとは思わないだろうと肩を竦める。「_____でも、俺がやらないって言ったら警部補は逮捕される。そうだろう?もっと劣悪な状況でこの先何年も収監されて、自殺の危険性があるからって薬を飲む事も出来ないかもしれないね。…そこから救い出そうとしてるんだ、頼んでいる側のミラーが俺の望みを制限する資格なんて無いと思うけど。」微笑みを湛え飄々とした物言いながら、相手が従わざるを得なくなる言葉を選び此方からも牽制する。目の奥は笑っていない。「ミラーに何をしてもらうかはじっくり考えておくよ、楽しい事が良いからね。」と告げて。「……どうする?悪魔の取り引きだ。警部補を助ける為に、俺に魂を売る?」愉しそうに笑いながら尋ねて。 )
5290:
ベル・ミラー [×]
2025-12-22 18:55:45
( 口元こそ微笑む様に弧を描いているが、紫暗の瞳の奥は暗い闇を携えている。相手の言う通り拒否されてしまえばエバンズをあの牢獄から助け出す事は出来ない。狭く暗い部屋の中で長い長い年月をたった1人苦しみながら過ごす事になる。更には漸く出て来る事が出来たとしても彼には常に犯罪者のレッテルが貼られ、二度とFBIに戻る事は出来ないだろう。この場で取り引き内容を決める事が出来ないのは、とてつもなく大きなリスクを払う事になるが___「…わかった。その代わり、途中でやっぱり出来なかったは契約違反、代償は払って貰うから。」僅かも視線を逸らさぬまま覚悟と共に頷き、けれど頼んでいる立場ながら強気な姿勢は崩さない。絶対に、何としてもエバンズを助け出さなければ取り引きも何も無いのだから )
5291:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-23 00:28:56
アーロン・クラーク
( 強い意志の宿る相手の言葉に笑みを深めると「_____取引成立だ。」と手を差し出して握手を求めて。「ミラーも、後で出来ないはなしだからね。」と念を押しておくと、この後の計画を考える。「…そうと決まったら、俺は弁護士としてあの機関に潜り込む。警部補に接触した上で、証拠品のパソコンをハッキングして、流出した資料が後から“送り付けられた”事が分かるログを表面化させておくよ。」ペラペラとこの先の事を話すと、さも簡単な事のようにエバンズへの疑いを晴らすための方針を告げて。「隠されてるログが表面化すれば、警部補のパソコンが不正アクセスを受けた事が明らかになる。送り主も直ぐに辿れるようにしておくよ。」と。 )
5292:
ベル・ミラー [×]
2025-12-23 13:16:40
( 握手を求める様に差し出された手に視線を落とす。この手を取れば正に“悪魔との取り引き”が成立する訳だが今はもう迷いは無かった。無表情で軽く手を握り返し、一秒にも満たない速さで直ぐにその手を離し引けば、無意識か一度己の手を握り込む仕草を。___さて、これで晴れて取り引き成立となった訳だが。饒舌に紡がれる計画に思わず眉間に皺が寄ったのは、内容が内容だと言う事もあるがそれ以上に余りに簡単な事の様に話すから。つまり相手にとってはこれくらい造作もない事で、息をする様にあっという間に出来てしまう事なのだろう。…“こういう事”を、幾度となく繰り返して来たのだろう。「…エバンズさんに会ったら渡して。」と、告げてから鞄から取り出したのは、彼が服用している処方薬。安定剤と、鎮痛剤と、睡眠薬が1週間分。いつ面会が解禁されても良いようにと常に持っていたもので、これらが彼の元に届けば調子の悪さは幾らも軽減される筈だと )
5293:
アルバート・エバンズ [×]
2025-12-24 01:27:47
アーロン・クラーク
( 手が握り返されたのはほんの僅かな時間だった。葛藤があるとは言え、相手はもう自分との契約を結んだのだ。背景がどうであれ、違法な手段が使われる事を理解しながらそれを見過ごし、犯罪組織の幹部に依頼をしたというのは事実だ。「…罪な人だなぁ、」と、微笑を浮かべつつ小さく呟いたのは、そうまでして救出したいという想いを向けられた彼の事。彼が絡まなければ、相手は決して悪魔と契約を結んだりしない。それをさせている彼は、間違いなく“罪深い”と言えよう。薬を受け取ると中身を確認し「_____可哀想だよねぇ、あの人は薬が無いとあっという間に自滅するくらいぼろぼろなんだ。いつまで経っても、何も変わらない。同じ夢にずっと囚われて、同じように目を覚ます。良い加減慣れれば良いのにね、」と肩を竦める。常用している薬を飲む事も叶わず、身体は辛い状態かもしれない。けれど、自分自身を苦しめているのは彼自身だ。彼が事件を過去の事にさえすれば、全て“終わる”事なのに、自分で自分にいばらのツルを巻き付けている。「ミラーは優しいよね、警部補の事になると。」と呆れたような口調で言いながら、すっかり溶けていたアイスクリームをスプーンで掬い口に運んで。 )
5294:
ベル・ミラー [×]
2025-12-24 16:15:48
___犯罪者である貴方に頼った事も、契約を結んだ事も、全部私の意思。この判断が間違いだなんて少しも思わない。
( 可笑しそうに落とされた呟きにキッと睨む様な視線を向ける。確かに全てはエバンズを救い出す為で相手にとって彼は“罪な人”と言う位置付けになるのだろう。けれど誰に強制された訳でも頼まれた訳でも無く最終的な判断は己が下したのだ、何も間違いでは無いと言い切り。渡した薬に落ちた紫暗からは心の内が読めなかった。相手の言う通り、彼は永遠と悪夢に魘され薬を飲み、自分自身を責め続けている。誰よりも幸せになって欲しくて、誰よりも救われて欲しいのに、彼自身がそれを良しとしない。相手の紡ぐ言葉の中の一文を拾って瞳の奥が揺れた。「……大勢の人達が亡くなって、その中には妹も含まれていた__“慣れる”なんて無理だよ。…クラークは慣れたの?」簡単にその言葉を言ってのけた相手は慣れたのか、それとも“慣れた振り”なのか、問い掛けには無意識に悲しみが纏い。「何言ってるの、皆に優しいよ。」彼限定、とでも言いたげな言葉には同じく軽く肩を竦め小さな訂正を入れはするものの、「__でも、エバンズさんは優しい世界で生きて欲しい、」と、呟き。その音には慈愛と、願いと、確かな想いが滲むのだがそれもまた自分自身が気付くものでは無く )
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