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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
5075:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-09 22:12:13
サラ・アンバー
( エバンズが執務室に戻った後、声を潜めて告げられた言葉に思わず数度瞬きをする。そして勿論他言はしないと頷いてから執務室の方を一瞥し『…味覚が可笑しい時は亜鉛のサプリなんかが良いってよく聞くけど、ストレスから来る物だとあんまり効果が出ないかな、』と呟いて。エバンズと言えば元々痩せ型で、署内で食事を摂っている所を目にする事も少ない。普段以上に食べる量が減っているとなれば少し痩せたように思えるのも当然だろう。『食べられないのは心配だよね。元々味が薄いものとかだったらどうかな。パンとか豆腐、温野菜とか。』と、食べられそうなものを提案して。『最近非常勤になったし、あまり体調が良くないんじゃないかって心配してたの。いつかベルに頼まれて、仮眠室に水を届けに行った事があったけど…警部補が貧血持ちだった覚えがあって。ベルもあんまり悩みすぎないでね、警部補が元気ない時はベルも元気ない事が多いから。』彼の事も、相手の事も心配しているのだと、あまり重くなりすぎないような言葉選びで伝えて。 )
5076:
ベル・ミラー [×]
2025-08-10 12:52:37
サプリ…___それかもしれない。ほら、例え亜鉛が効かなくても、それなら多少の栄養は補えるだろうし苦味を感じ辛いかも。
( その言葉に今度は此方が瞬く。“食事”と言う事ばかりを考え視野が狭くなっていたが、味のしない錠剤を飲み込むだけであれば何も食べないよりはまだマシなのでは、と。けれど本来サプリメントは補う役割しか果たさない事も知っていた。食べ物を咀嚼する、と言う行為が人間にとってどれ程大切な事かも。だからこそ続けられた提案を聞く表情は真剣そのもので「…確かに元々の味が薄ければ、仮に苦味を感じたとしても僅かかもしれないよね。…今は、どの可能性も試したい。」相槌を数度、それは続けられた彼女の優しい思い遣りにも返したもの。エバンズに水を持っていった事を覚えていて、少なからず彼の身を案じていて、更には彼が元気の無い時の此方の状態までもを確りと見ている__こう言った思い遣りを向けられた時、むず痒い気持ちと共に心には明るさが蘇る。尽く、自分は沢山の人達に助けられているのだと実感する。「…ありがとう、サラ。」やや眉の下がった緩い微笑みと共にお礼を述べた後「……痛みからも、苦しみからも、ずっとずっと遠い所に居て欲しい、」と、思わず溢れた言葉は決して言おうと思ったものでは無かった。けれど、何時だって感じている事。遅れて返事に困らせてしまうだろうかと過ぎれば「難しい事だけどね。」と微笑み直して )
5077:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-11 11:21:39
( きっと相手はエバンズの事を誰よりも大切に思っていて、誰よりも幸せになって欲しいと願っている。普段から其れは感じていたけれど、少し困ったような微笑みを見て、その言葉を聞いて矢張りそうなのだと知る。彼が抱えている物が何か、極断片的にしか知らないものの相手はその傷に寄り添い続けている。『…好きな人の幸せを願うのは当然の事だよ、』と微笑んで。---味覚の異常により食が細くなってからは、当然ながら貧血のような症状が起きる事も増えていた。何か食べなければという思いはあるものの、味が分からないもの、苦味を感じるものを“食べる”という行為が苦痛で食が進まない日が続いていた。執務室で鎮痛剤を飲もうとした時、普段は何の滞りもなく薬を摂取出来るのだがこの日は何故か______喉に引っ掛かるような違和感を覚え、思わずえずきそうになる。水を飲み込み、口の中には錠剤が残ったまま。もう一度水を口に含んだものの、錠剤を飲み込もうとすると結果は同じだった。薬が飲めない事などこれまで一度も無かったと一抹の不安を抱えつつ、口の中で溶かした其れをなんとか飲み込む。しかし酷い苦味が残り、急に気分の悪さを感じて部屋を出るとトイレへと向かって。個室に入り、咳き込むようにして戻してしまうと、ハンカチで口元を抑える。食事も満足に取れない状態で薬や水さえ吐いてしまっては、其れこそ飢餓状態に陥っても可笑しくない。徐々に足元が崩れていくような不安を覚えつつも、軽く水で口を濯いでから執務室へと戻り。 )
5078:
ベル・ミラー [×]
2025-08-11 12:13:28
( “好きな人”と言うアンバーの言葉に返したのは微笑み。寄せる想いはこんなにも心を揺るがす。___エバンズが錠剤を飲み込む事が出来なくなっている事を知らない中、アンバーと別れ先に向かったのは自身のデスク。鞄の中から新品のミネラルウォーターと、普段定期的に飲んでいるビタミンのサプリの袋を取り出し次に向かったのは警部補専用執務室で、扉をノックし中から入室の許可が出れば部屋へと入り。青白い顔が目下の隈をより濃く見せていて、普段から細身の身体は一層線が細くなっている。一目見ただけでも調子の悪さがわかる様子に自然と眉は下がり、ペットボトルを相手のデスクに置いてからサプリの袋を差し出すと「…今はこれしか無いけど、何も口にしないよりは良い筈だから。…試しに飲んでみて?」これがもし苦味を感じないならば、多少の栄養を補う役割は出来る筈だと )
5079:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-11 12:27:38
( 執務室に入ってきた相手が手にしていたのは、捜査の書類ではなくミネラルウォーターとサプリメントの袋。仕事の用件ではなく、自分の体調を案じて此処を訪れたのであろう事は容易に想像が付いた。けれどタイミング悪く、今は相手を安心させる事は出来ないだろう。錠剤を飲み込む事で吐き気が催される恐怖は、薬やサプリメントさえ遠ざけた。「…助かる。後で飲んでおく、」到底飲む気にはならなかったものの相手を不安にさせないよう、今この場ではなく後で飲むつもりがあるのだと言葉にすると有り難く受け取る姿勢を見せて。 )
5080:
ベル・ミラー [×]
2025-08-11 12:40:15
( 拒否されなかった事で微笑み軽く頷くのだが。__何故だろうか、特別な理由がある訳では無いし相手の言動に違和感を感じた訳でも無いのに、無性に心が変な騒つきを感じて動きが止まった。何かを言う事も、部屋を出て行く事もせず相手を見詰めたままの時間が数十秒。「……もしかして、もう試して駄目だった?」漸く口を開いた問い掛けは、“錠剤自体が飲み込めない”と言う事からは少しズレたもの。既に何らかのサプリを試し、結果それも“苦味”に繋がり結局飲めなかったのでは、と言う推測で )
5081:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-11 15:08:28
_____少し、苦味は感じた。
( 相手は自分の言葉に納得して出ていく事はしなかった。相手は勘が良い、何らかの違和感を感じての言葉だったのかもしれない。どう答えるべきか少し悩んだ後、“苦味”の所為であまり積極的に飲みたい物ではないのだと言い訳をする。錠剤自体が上手く飲めないとは、心配しているであろう相手に言う事は出来なかった。「…でも飲めない程じゃない、少し落ち着いたらもう一度試してみる。」と告げて。 )
5082:
ベル・ミラー [×]
2025-08-11 17:35:41
( 今回は“飲めない程じゃない”と言う言葉を信じた。それは素直に苦味を感じた事を伝えて来たからか、はたまた前向きな言葉で締め括られたからか。何にせよ「わかった。駄目だったらまた考えよう。」と此方もまた前向きな返事を返し今度こそ執務室を出て行き。___夜になる頃には直撃していた台風は過ぎ去っていた。雨は相変わらず降っているものの豪雨と言える程では無く、風も比較的緩やかになった。とは言え相手を悩ませる騒音の一部が落ち着いただけであって周囲に音は山ほど溢れている事には変わりない。___ある程度の仕事を終わらせ共に家に帰る。今日の夕飯は昼間アンバーに提案された温野菜。ドレッシング諸々をつける事はせず、それだけを夕飯として出すのは普段ならば絶対に有り得ないが、今は食べられる物を見付ける事が最優先で。「もし苦くて食べられなかったら、悪いなんて思わないで残してね。」相手が此方に気を遣う必要が無いように先にそう声を掛け向かいの椅子に腰掛けると、一先ず自分の分も作った鮮やかな色の人参を口に運びつつ、視線を向けて )
5083:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-11 19:13:37
( 夕食に出された温野菜の中から、小さなブロッコリーのかけらを口に入れる。実際美味しいと思えるような味ではなかったのだが、他の物に比べると苦味は弱く少しなら食べられるかもしれないと、小さく切った野菜を少しずつ口にして。野菜を飲み込む時にも、昼間錠剤を飲み込む時に感じた引っ掛かるような感覚や吐き気は無く、僅かながら安堵していた。ドレッシングなどが掛かっていなかった事も、苦味を感じにくかった要因だろう。「……少しなら、食べられそうだ。」目の前に座る相手にそう伝えて。 )
5084:
ベル・ミラー [×]
2025-08-11 20:11:04
( 比較的味が薄く余計な味付けをしていなければ多少なら食べられる事がわかり、その量の少なさで体重を増やす事は出来ないだろうが少なくとも何かは胃に落とせる事に安堵する。「良かった。もしかしたら白米も食べられるかもしれないね。…勿論、ドロドロじゃないやつ。」ホッと息を吐き出し今瞬間的に思い付いたのは日本人の主食。お米単体ならば味も然程しない為に可能性はあるかもしれないと提案しつつ、何時かの日、入院している相手にお見舞いとして持って行ったはいいが“食べない”と一蹴された所謂“お粥”の話も少しの冗談交じりに付け足し。グラスにミネラルウォーターを注ぎ相手の前に置いたタイミングで「…安定剤飲んでおく?」と、問い掛けたのは今回ばかりは凶だろう。比較的落ち着けている今の内に飲み少しでも夜の睡眠を安定させられたら…との提案だったが、そもそも錠剤を飲み込めない事を知らないからのそれで )
5085:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-11 21:51:02
( 相手から出た“白米”のワードには微妙な表情を浮かべる。ドロっとしたお粥でなければ未だ良いが、然程馴染みもない為好き好んで食べるかと言われればそうではない。「…それならパンで十分だ、」と告げておき。グラスに水が注がれ、薬の話が出ると昼間の事を思い出す。喉に引っ掛かったような感覚と気分の悪さが、あの瞬間だけでなく薬を飲もうとする度に起きるかもしれないと思うと、未だ飲む気にはならなかった。固形の食べ物も少量であれば食べることが出来るのに、何故錠剤が上手く飲めないのかは分からない。「……いや、今は良い。後で飲んでおく。」と答えて。 )
5086:
ベル・ミラー [×]
2025-08-11 22:11:24
( どうやら“お粥”が嫌いな訳では無く“米全般”を余り好んでいないのかもしれないと思えば「じゃあ明日の朝は食パンかな。」と頷き。署内でのサプリメントといい、安定剤といい、何かと先延ばしにしている様な感じがするのは相手の体調に敏感になってる為の所謂疑心暗鬼だろうか。「…そっか、」と答えたものの納得している訳では無く微妙な沈黙と共に皿に残った温野菜を食べ終えて。__些細な音が今の相手にとっては騒音となる為、テレビの点いていない部屋の中は静かなもの。時計の秒針の音や時折窓の外から聞こえる僅かな雨の音だけが何時もよりハッキリ聞こえるだろうか。相手がまだ飲まない、と言うならばそこまで口を出す必要は無いし、過剰に心配をすれば逆に不安にさせたり、居心地悪い思いをさせるだけだと思えば「…台風、思った以上に早く過ぎて良かったね。きっと徐々に音も気にならなくなるし、味覚も元に戻るよ。ずっとは続かない。」重たくならない様な声色でそう告げ、お皿をシンクに下げる際に座る相手の肩に軽く手を置いて )
5087:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-11 23:50:39
( 少しの温野菜を口にして、夕食の時間は終わりを告げる。皿同士がぶつかる音が出ないように気を遣いながら皿を下げる相手から告げられた言葉には軽く頷き「……そうだな、」とひと言。台風による音が収まり徐々に自分の聴覚や味覚も正常に戻る事を願わずにはいられない。---相手がシャワーを浴びている間、ようやく重い腰を上げて薬を飲むためにシンクへと向かい。ミネラルウォーターをいつもよりも多めにグラスに注ぎ、安定剤を2錠掌に乗せる。それを口に入れて水を飲み____喉につかえるような感覚と共に吐き気に襲われ、やはり飲み込む事は出来なかった。薬を奥歯で砕いてから更に水を口にしたものの結果は変わらず、トイレに向かうと咳き込んで。吐いてしまうのが苦しいのだが、薬を飲めないまま夜を迎える事も怖かった。 )
5088:
ベル・ミラー [×]
2025-08-12 00:32:52
( ___シャワーの時間は凡そ20分程。脱衣所で髪の毛の水分を何時もの倍時間を掛けてタオルに吸収させるのは、ドライヤーの音が鳴る時間を短縮させる為。そうやって早急に乾かした髪を後ろで一つに括りリビングに戻って来るのだがそこに相手の姿は無く、視界に映ったのは台所に置かれた中身の入ってない安定剤の空シート2つ。先程感じた違和感は矢張り疑心暗鬼になっていたせいの勘違いだったのだと一瞬の安堵は、トイレから聞こえた空咳とは違う苦しそうな咳によって一瞬にして散った。足早に向かえば急いでいたのかトイレの扉は半開きになっていて、そこには背中を丸めた体勢で背を向ける相手の姿があり。前にも一度だけ見た事のあるこの姿。調子が悪くなっているのは一目瞭然で、驚かせない様に小声で相手の名前を呼んだ後、傍らに膝を着き背中に掌をあてがうと「…苦しいね、」その手を大きく動かし背を擦りながら、大丈夫を繰り返し。けれど安定剤は吐き出してしまっているだろう。飲めないまま夜を迎える不安は相手と同じ様に感じていて )
5089:
ベル・ミラー [×]
2025-08-12 00:39:57
( ___シャワーの時間は凡そ20分程。脱衣所で髪の毛の水分を何時もの倍時間を掛けてタオルに吸収させるのは、ドライヤーの音が鳴る時間を短縮させる為。そうやって早急に乾かした髪を後ろで一つに括りリビングに戻って来るのだがそこに相手の姿は無く、視界に映ったのは台所に置かれた中身の入ってない安定剤の空シート2つ。先程感じた違和感は矢張り疑心暗鬼になっていたせいの勘違いだったのだと安堵するも、それはトイレから聞こえてきた空咳では無い苦しそうな咳によって一瞬にして散った。足早に向かえばトイレの扉は半開きになっていて、そこには背中を丸める体勢で背を向ける相手の姿があり。過去に一度だけ見た事のあるその姿。調子が悪い事は一目瞭然なものだから、驚かせない様小声で名前を呼んでから傍らに膝を着き背中に掌をあてがう。「…苦しいね、」その手を大きく動かしつつ、大丈夫、を繰り返すも、安定剤は吐き出してしまっているだろう。薬を飲めない状態で夜を迎える不安は相手と同じ様に感じていて )
5090:
ベル・ミラー [×]
2025-08-12 01:01:45
( ___シャワーの時間は凡そ20分程。脱衣所で髪の毛の水分を何時もの倍時間を掛けてタオルに吸収させるのは、ドライヤーの音が鳴る時間を短縮させる為。そうやって早急に乾かした髪を後ろで一つに括りリビングに戻って来るのだがそこに相手の姿は無く、視界に映ったのは台所に置かれた中身の入ってない安定剤の空シート2つ。先程感じた違和感は矢張り疑心暗鬼になっていたせいの勘違いだったのだと安堵するも、それはトイレから聞こえてきた空咳では無い苦しそうな咳によって一瞬にして散った。足早に向かえばトイレの扉は半開きになっていて、そこには背中を丸める体勢で背を向ける相手の姿があり。過去に一度だけ見た事のあるその姿。調子が悪い事は一目瞭然なものだから、驚かせない様小声で名前を呼んでから傍らに膝を着き背中に掌をあてがう。「…苦しいね、」その手を大きく動かしつつ、大丈夫、を繰り返すも、安定剤は吐き出してしまっているだろう。薬を飲めない状態で夜を迎える不安は相手と同じ様に感じていて )
5091:
ベル・ミラー [×]
2025-08-12 01:10:55
( ___シャワーの時間は凡そ20分程。脱衣所で髪の毛の水分を何時もの倍時間を掛けてタオルに吸収させるのは、ドライヤーの音が鳴る時間を短縮させる為。そうやって早急に乾かした髪を後ろで一つに括りリビングに戻って来るのだがそこに相手の姿は無く、視界に映ったのは台所に置かれた中身の入ってない安定剤の空シート2つ。先程感じた違和感は矢張り疑心暗鬼になっていたせいの勘違いだったのだと安堵するも、それはトイレから聞こえてきた空咳では無い苦しそうな咳によって一瞬にして散った。足早に向かえばトイレの扉は半開きになっていて、そこには背中を丸める体勢で背を向ける相手の姿があり。過去に一度だけ見た事のあるその姿。調子が悪い事は一目瞭然なものだから、驚かせない様小声で名前を呼んでから傍らに膝を着き背中に掌をあてがう。「…苦しいね、」その手を大きく動かしつつ、大丈夫、を繰り返すも、安定剤は吐き出してしまっているだろう。薬を飲めない状態で夜を迎える不安は相手と同じ様に感じていて )
5092:
ベル・ミラー [×]
2025-08-12 01:27:54
( ___シャワーの時間は凡そ20分程。脱衣所で髪の毛の水分を何時もの倍時間を掛けてタオルに吸収させるのは、ドライヤーの音が鳴る時間を短縮させる為。そうやって早急に乾かした髪を後ろで一つに括りリビングに戻って来るのだがそこに相手の姿は無く、視界に映ったのは台所に置かれた中身の入ってない安定剤の空シート2つ。先程感じた違和感は矢張り疑心暗鬼になっていたせいの勘違いだったのだと安堵するも、それはトイレから聞こえてきた空咳では無い苦しそうな咳によって一瞬にして散った。足早に向かえばトイレの扉は半開きになっていて、そこには背中を丸める体勢で背を向ける相手の姿があり。過去に一度だけ見た事のあるその姿。調子が悪い事は一目瞭然なものだから、驚かせない様小声で名前を呼んでから傍らに膝を着き背中に掌をあてがう。「…苦しいね、」その手を大きく動かしつつ、大丈夫、を繰り返すも、安定剤は吐き出してしまっているだろう。薬を飲めない状態で夜を迎える不安は相手と同じ様に感じていて )
5093:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-22 05:18:10
( せっかく少し口にする事が出来た夕食も身体に栄養を届けるには至らなかったかもしれない。浅く背中を上下させつつ、首筋に薄らと汗が滲む不快さを感じていた。相手の声がして僅かに肩が跳ねたものの、背に触れる掌の感覚に驚く事はしなかった。「_____上手く、錠剤が飲み込めない、…」背を僅かに丸めた状態のまま、言葉を紡ぐ。やがて幾らか気分の悪さが落ち着き動けるようになると、水を流してゆっくりと立ち上がる。安定剤も何も飲めていなかったが、これ以上無理に薬を飲み込もうとする方が辛いと判断しベッドで休む事を告げ。 )
5094:
ベル・ミラー [×]
2025-08-23 11:39:28
( その言葉で漸く今相手の身に起きている“次なる症状”を理解した。あの時サプリメントを直ぐに飲まなかったのもそれが錠剤だったからなのだろう。音の嫌な反響、味覚の異常、それに加えて嚥下困難なんて。___次々に襲い来る不調の数々に膨らむ不安を胸の内に抱えながら、酷く憔悴している相手の言葉に小さく頷き立ち上がり。「…わかった。…錠剤が飲めなくても方法は幾らでもある。明日一番いい方法考えよう。」重たくならない声色を心掛けながら寝室に行く相手を見送った後。相手の鞄の中から2錠の安定剤を取り出すと、それを以前買ったきり使用していなかった小さなすり鉢で粉末状に砕く。なるべく音をたてない様に慎重に慎重に…。粉末状にした事で次は苦味を多く感じ結局飲む事は出来ないかもしれない、それでも可能性があるならと )
5095:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-24 01:24:49
( ベッドに身体を横たえると、重たい疲労感に襲われる。まともに栄養を摂っていないのに、体力ばかりが削られ薬も飲めない。自分が“負の連鎖”に陥っているのは分かっていたが其処から這い上がる術までは見出せず、相手が寝室に来るよりも前に意識を手放していて。---夢の中で、幾度と繰り返したあの日のあの場所に立っていた。園児を抱きしめた妹の姿も、助けを乞う教諭たちからの視線も、控えている刑事の姿も、いつも夢で見るものと同じ。けれど、何故か周囲はスローモーションのように見えていて、自分が真っ直ぐ歩みを進めているのはライフルを持った犯人の元だった。報道で幾度と目にした写真ではあるものの、これほど鮮明に犯人の顔が思い出される事は、夢の中で妹ではなく犯人に視線が向いている事はこれまで無かったと言えよう。当然夢の中ではそんな事に気付くはずもなかったが、至近距離で向き合った犯人に強い殺意が湧き起こったのは確かだった。犯人が手にしたライフルを奪い取り、今この場で、この男を撃てば。そんな事を頭の片隅で考えたものの、まるでタイムリミットだとばかりに銃声が響き夢の世界は崩れていく。一気に意識を引き戻され、呼吸が浅くなるのと同時に強い痛みが鳩尾に走った。痛みが増大しないようにゆっくりと呼吸をしたいのだが、一度喉に張り付いた呼吸はペースを乱し徐々にに浅く苦しげなものに変わっていき。 )
5096:
ベル・ミラー [×]
2025-08-24 12:16:59
( 安定剤に続いて睡眠薬や鎮痛剤も粉末状にし、終わった頃には僅かあった眠気が覚めてしまっていた。そうなると意識は矢張り相手の不調やこの先の事に向き思考を占領する。ソファに深く腰掛け暗闇に慣れた瞳をぼんやりと点いてもいないテレビに向けながら過ごした時間は果たして数十分かそれ以上か。流石に眠らなければと寝室に行き眠る相手を起こさない様に慎重に隣に潜り込むのだが、直ぐに眠れる訳も無く目だけは閉じるものの意識は今に残ったまま。___隣で眠っていた筈の相手が身動ぎと共に苦しげな息を吐き出した。「…エバンズさん、」と声を掛けてからベッドサイドの間接照明を点ける。身体を丸め蹲る様な体勢で、浅く荒い呼吸を繰り返すその姿を見るのは当たり前ながら慣れる事は無く胸が締め付けられるのだ。「待ってて、」一度寝室を出てキッチンで用意するのはグラスに3分の1程注いだミネラルウォーターの中に粉末状の安定剤と鎮痛剤を入れたそれ。飲み切れる保証は無い。「__錠剤じゃない。水に溶かしてあるから…飲んで?」片手で背を擦りながら、グラスを口元に近付けつつ顔を覗き込んで )
5097:
アルバート・エバンズ [×]
2025-08-29 07:48:22
( グラスが差し出されると、それを受け取り少量を口に含む。酷い苦味が口に広がったものの、錠剤を飲めていない以上少しでも飲まなければと飲み込んで。苦味の余韻と共に、反射的に吐き気を感じたもののややしてそれは落ち着く。結局時間を掛けて数口は飲んだものの、半分以上残った水はそれ以上飲み進められず、同時に身体の痛みが強まった事で相手にグラスを戻して。ベッドの上に蹲るようにして背中を丸め痛みに耐えていたものの、身体を横たえる事さえままならない程に痛みが強まっていて、思わず縋るように相手に手を伸ばす。深く息をする事は痛みに繋がる為、呼吸は極浅いもの。首筋や背中には汗が滲む。「……っ、…痛い、…」どれ程の時間を耐えれば良いのだろうかという不安が渦巻く中、相手の片方の手を握り締め懸命に痛みをやり過ごす。少しずつ、それでも確実に、あの事件捜査以降悪い方へと引っ張られ足場が崩れて行く不安定さを自分自身が痛感していた。 )
5098:
ベル・ミラー [×]
2025-08-30 13:13:15
( 懸命に嚥下する最中は背中を擦るも、相手の胃に落ちた水の量は極僅か。直ぐにグラスを返されそれをベッド脇のサイドテーブルに置き今度は掛け布団を掛けようとするのだが。ふいに縋る様に伸ばされた手が己の手を握り締めれば痛みの中の加減を知らぬ強さに思わず目を見開き。骨張った指先は酸素が確りと巡っていないせいか冷たく僅か震えている。“痛い”と、そう訴える相手の声が余りにも苦痛を纏っていて息を飲んだ。痛くない筈がない、苦しくない筈がない。まともな量の鎮痛剤を飲めない以上相手の身体を襲う痛みはそんな簡単に消える事は無いだろう、夜中いっぱい耐え続け意識を失えたら本望だとすら思うだろうか。「…っ、」奥歯を噛み締め、汗の滲む熱い背中を擦る事しか出来ない事の、一秒でも早く痛みが消える事を願うだけのなんて無力な事か。共に分け合える痛みなら、苦しみなら、何の迷いも無く貰い受けるのに。__視界が滲み、緑の虹彩から溢れた涙が己の手を握り締める相手の手の甲に落ちた。震える息を抑え付け、相手の手を僅か持ち上げ己の額に押し付ける。「__何で…エバンズさん、悪い事何もしてないのにねっ…、」何時だって相手ばかりが苦しむ。楽になる事を許さないとばかりに降り注ぐ絶望の数々を受けるのは本来相手では無いのに )
5099:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-02 16:27:04
( 相手の涙が手の甲を濡らした。自分の痛みをまるで自分の事のように悲しみ怒ってくれる相手は、行き場のない自分の感情を代弁してくれているかのようだ。痛みに耐え、やがて意識を失うようにして眠りに落ちる。けれどその状態が直ぐに解消される事はなく、非常勤で休みを十分確保しているにも関わらず幾つもの不調に日に日に追い詰められていく事となり。---エバンズの様子が普段と違う事には、数日前までよりも多くの署員が違和感を感じ始めていた。しかし特別捜査に追われているという訳でもなく、寧ろ休みを取っているタイミングだけにアダムス医師にまた無理を言って点滴を打って貰う訳にはいかない。薬を上手く飲めない事も伝えてはいなかった。自己都合で多くの休みを貰っているのだから、せめて出勤している時は自分の仕事をこなさなければという思いに駆られていて。夢の中だけで現れていた幻影が、徐々に現実世界にも侵食し始めている事には、自分自身でさえ未だ気付いていなかった。 )
5100:
ベル・ミラー [×]
2025-09-02 22:06:13
( ___薬を飲み込む事が出来ず嘔吐く姿を、夜中に悪夢に魘され涙を流す姿を、果たして何度見ただろう。日に日に痩せ線の細くなっていく身体と比例する様に濃さを増す隈は、碧眼に宿る命の灯りすらも消してしまいそうで膨れ上がる恐怖心は僅かも消える事は無かった。___そんな現状が好転することも無いままに数日が経った今日。器物破損と傷害の疑いで事情聴取を受け終えた若い青年が、女性捜査官に連れられて署内の廊下を歩いていた。真一文字に口を結んだ不機嫌そうな男の表情は先の聴取も何もかもが納得がいかないと物語っており、床を踏み付ける足音も何処か荒々しい。そんな状態で周りに視線を向ける事も無くただ真っ直ぐ前を見詰めたまま、丁度刑事課フロアを出た直後の相手の目の前を通り過ぎようとして )
5101:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-02 22:46:15
( フロアを出るタイミングで視界が揺らぎ眩暈を起こした、と思った。バランスを崩す事こそ無かったものの、一瞬眩んだ視界が元に戻った時最初に目に入った廊下を歩く男の顔。捜査官に連れられて歩く男は、黒い服を着ていた。たったそれだけ。背格好は近しいものがあったかもしれないが、特別顔が似ている訳でもない。_____けれど、数日前に見たあの夢が思い出された。あいつを殺さなければ、と思ったあの時の焦燥が湧き上がる。一度瞬きをすると、目の前を通過して行った不機嫌そうな男の顔が犯人のものに変わった。十数年も前の事件の犯人が、其れも自分たちの目の前で命を絶ったあの男が生きている筈がない。正常な思考であればそう考えた筈だが、立ち止まる事は最早出来なかった。何を見ているのかと気怠げに向けられた視線、其れを、此方を煽るような嘲笑と錯覚したのと同時に、男の襟首を背後から掴み殴り掛かっていた。ただ、胸の内が焼き切れそうな程の怒りと、憎しみと、やり場のない感情に支配されていた。大きな音と共に男が地面に引き倒され、悲鳴が上がる。「_____っ、殺してやる!!!お前の所為でセシリアは死んだ!!」何が起きたのか理解出来ていない男に怒声を浴びせると半ば馬乗りになるようにして掴み掛かっていて。 )
5102:
ベル・ミラー [×]
2025-09-03 11:14:19
( 男と捜査官が相手の前を通り過ぎ__また今日と言う日常が始まり出すと思っていた、のだが。何の躊躇も無い力で殴られた男が床に崩れる音と共に彼を連れていた捜査官の悲鳴と、廊下を歩いていた他の捜査官や事務員の悲鳴が重なった。それに被せる様にして誰よりも大きな相手の怒声が響き渡り一瞬にして場は混乱と混沌を生み出した。相手に殴られた男は床に尻餅をついたまま自分の上に馬乗りになる相手を驚愕と恐怖の入り交じった表情で見詰めたまま、わなわなと動かす唇からは結局何か声を発する事が出来ず。__「ッ、!」刑事課フロアから飛び出した己とスミス捜査官はほぼ同時だった。他数名の署員達が扉から顔を覗かせ騒めく中、男に馬乗りになる相手をスミス捜査官が脇に両腕を入れる形で背後から強引に引き剥がし、状況を把握出来ず床に座り込む男を別の捜査官が無理矢理立たせ、相手と距離を取らせる為に足早にエレベーターの方面へと引っ張って行き。「…エバンズさん!…っ、警部補!!」未だ強い強い怒りを瞳に宿し完全に我を忘れている相手の名を、役職を、焦燥の滲む表情と声色で叫ぶ様に呼ぶ。__相手が男に殴り掛かった直後、確かに聞こえた“セシリア”と言う名前。それが胸の奥に残り続け )
5103:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-03 22:02:10
( 背後から羽交締めにされるようにして男から引き離されたのだが、胸の内に生まれた激しい怒りは直ぐに落ち着く事はなかった。「______っ、離せ!あいつの所為でセシリアは…!」あの男だけは自分の手で制裁を下してやらないと気が済まないのだと、自分を抑えているスミス捜査官の腕を振り解こうとする。ただ怒りと憎しみの衝動に突き動かされ、周りなど見えていなかった。しかしまた不安定に視界が揺らいだ事で動きが緩み、再びエレベーターの方に居る男と視線が重なった時、犯人とは全く似ても似つかないその顔に思わず言葉を失い動きも止まる。確かに、今の今まであの事件の犯人が目の前に居て、此方を嘲笑したではないか。けれど目の前に広がる光景は、ほんの数十秒前まで自分が見ていた物とは全く違っていた。口の端が切れ怯えたような表情を向ける男と、不安そうに此方の様子を伺う幾つもの視線。理解が追い付かず、一体何が起こっているのかと半ば放心状態で廊下に座り込んだままで居たものの碌な栄養を摂っていない中で暴れた事による反動だろう。突然意識が遠退くのを感じ、誰かの別の悲鳴を聞いたのを最後に意識は途絶えていて。 )
5104:
ベル・ミラー [×]
2025-09-03 22:43:28
( ___当たり前ながら呼ばれた救急車は意識を失った相手を乗せレイクウッドの総合病院へと向かって行った。騒ぎを聞き付けた警視正がミラーとスミス捜査官を含めた数名の署員達、それから現場を最も良く見ていたであろう男を先導していた女性捜査官に詳細を聞き、重たい溜め息を吐き出したのは救急車のサイレンが聞こえなくなってから。“言葉1つ交わしていないのに警部補が急に男を殴った”と言うのが皆の証言であるものの、それはあくまでも“セシリア”が誰なのかを知らないから。相手の見続ける悪夢を知らないから。謹慎という名の療養で暫く休職してもらう、と言うのが相手自身にはまだ伝えていない警視正の判断となり。___意識の無い相手に最初に施されたのは点滴による栄養補給だった。痩せて酷い顔色の相手が運ばれて来た時、まさか此処まで状態が悪いとはアダムス医師も思っていなかった。勿論相手からの連絡も無かったし、診察に来る事も無かったのだから気付く事が出来ないのはある意味当然なのだが、これでは先に身体が悲鳴をあげてしまう。___その後、遅れて病院に来たミラーから此処数週間の相手の状態、それから倒れる前の状況を伝えられ“セシリア”と口にした事から恐らく幻覚を見た可能性が高いと判断したアダムス医師は、点滴に安定剤も足して。___病室のベッドの上、白い布団を掛けられ眠る相手の姿を何度見たか。閉じられた瞼に掛かる焦げ茶色の前髪を軽く払い、白く骨張った片手を両の手で握り締める。“あの日”犯人が自殺をした事で相手の胸の内にある怒りも、悲しみも、絶望も、ぶつける先を失ったのだろう。けれどそれらは決して消える事無くふつふつと煮えたぎるマグマの様に常に相手の中にあり続け、それがきっと爆発した。“殺してやる”と、そう叫んだその言葉こそが嘘偽りの無い相手の感情だ。大勢の人達の命を奪い償う事無く自殺など、余りにも無責任で、余りにも残酷ではないか )
5105:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-04 19:13:28
( 目を覚ました時、視界に広がる白い天井を見て直ぐに病院だと理解した。点滴によって薬を投与されているからだろう、ここ最近の調子が悪過ぎたのだが今はだいぶ身体が楽で思考もクリアな状態だ。当然最後の記憶である騒動についても忘れては居なかった。ゆっくりと横に視線を向けると相手が座っていて、自分が目を覚ました事に気が付くと立ち上がる。此方を覗き込みつつ、意識が戻った事を伝えるべくナースコールを押そうとした相手の手を掴み制止して。相手に、何よりも先にまず聞かなければならない事があった。「_____俺が殴ったのは…誰だった、?」覚えているのだ、確かに”あの男“が自分の目の前を通り過ぎ、此方を振り向いて嘲笑した事を。その顔は紛れもなく、幾度と夢に見た、あの事件を引き起こし身勝手にも逃げ仰せたあの男だった。現実的に考えればそんな筈が無いと分かっていても、其れが間違いなく自分が目にした光景だった。近くに居た相手が其れを否定するなら、自分が”可笑しくなっている“のだと。 )
5106:
ベル・ミラー [×]
2025-09-04 21:31:06
( 思わず双肩が跳ね驚きに目を見開いたのは、まさか制止が掛かると思っていなかったから。続けられた問い掛けは数時間前の署での騒動を確りと覚えているものなれど、“誰だったか”と問う辺り“見た”男の顔は__そう言う事なのだろう。掴まれた手を引く事無く再び椅子に腰掛け直し、相手を真っ直ぐに見る瞳には真剣さと少しの困惑の様な色が入り混じる。「昨晩起きた事件の重要参考人として聴取を受けていた男性です。…エバンズさんと面識は無いかと、」一度軽く息を吐き紡いだ言葉は誤魔化すでもない正直なもの。“あの事件”には全く無関係の男なのだと言い切った後。「…此処数日の不調で、いっぱいいっぱいになってたのが溢れちゃっただけ。」それでも付け加えたのは相手にとって納得のいかない気休めにすらもならない慰めになってしまっただろうか。男は何もしておらず、過失は100%相手自身にあるのは己も相手自身もわかっている事なれど、どうしても擁護したいと思ってしまうのは相手の心にある感情に触れたからか )
5107:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-05 04:56:56
( 少しの困惑を孕んだ相手の返答を聞き、腕を掴んでいた手が緩むとやがて離れる。やはり、可笑しいのは自分だったという事だ。あれ程鮮明に見えていた筈の物は自分が作り出した幻影。悪夢に魘された時などに夢と現実の区別が付かなくなる事はこれまでにも時折あったが、それは眠りから覚めたばかりのその瞬間の事。今日のように普通に活動をしている日中にそんな状態に陥る事など、これまでただの一度も無かったというのに。「……そうか、」とひと言だけ答えたものの、自分への失望は大きかった。なんの落ち度もない男性に突如暴力を振るったとなれば、相応の処分が下されるだろう。いつか、精神科でのより高度な治療がとっくに必要な状態だと吐き捨てた医者がいたが、あながち間違いでは無かったのかもしれない。自分で自分を抑えることができず、過去の幻影に振り回されてはいつ何をするか分からない。相手を自分の側に居させる事さえ憚られた。「______騒ぎを起こして悪かった。お前は仕事に戻れ、」と告げて。 )
5108:
ベル・ミラー [×]
2025-09-05 13:32:17
( たった一言、その一言に余りに暗く重い失望が纏っているのを感じてしまい膝の上できつく拳を握る。その後に続ける言葉を何も紡げないまま少しの沈黙が流れ__先の騒動の謝罪と共に退室を促されれば軽く首を左右に振り。「やらなきゃいけない仕事はもう終わらせて来てる。」此処に居た所で何が出来る訳でも無いのだが、仕事面で残る署員に迷惑を掛ける事は無いと、暗にまだ居たいと言う事を滲ませた後。「……可笑しくなった、なんて思ってますか?」と、徐に問い掛けて。その声色は真剣で、静かなもの。褪せた碧眼に宿る色が不安定なのを感じているからで )
5109:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-09 05:11:58
( 相手の言葉に直ぐに返事を返す事はしなかった。胸の内に巣食う虚無感や苦しさ、其れに抗う事に疲れてしまったというのが正しい表現だろうか。事件に関わった大勢がFBIを去り、この世をも去った人が居る中で、懸命に刑事で在り続けようとして来た。けれど時々、“その意味”を見失いそうになるのだ。もう良いのではないかと、そう諦める為の糸口を自分自身が探しているような。其れでいて”可笑しくなったのなら仕方ない“と、無理やり自分自身を納得させようとしているのかもしれない。「_____あいつは俺たちの目の前で死んだ。悪夢と現実の区別も付かなくなるのは、そういう事だろう。」と、静かな口調で言葉を紡ぎ。一方で胸が焼き切れそうな激しい感情を思い出し、瞳が揺らぐ。「可笑しいのは分かってる。薬で治るなら其れでも良い、…少しで良いから、____“あの日“から解放されたい、」その言葉が全てだ。事件以降ずっと付き纏って来る”あの日“を忘れ、縛られている心を解放してやりたいのに、其れが出来ないのだ。強い薬で其れが叶うと言うなら、或いは医師の言う通りにする事で楽になるなら、今は甘んじて其れを受け入れようとさえ思えた。 )
5110:
ベル・ミラー [×]
2025-09-10 20:07:10
( 相手から視線を外す事はしなかった。ただ、静かに返事を待つ事数分。余りに落ち着きを払って溢す様に落とされた言葉に僅か眉を微動させると「違う。」と、先ずは真っ向から否定し。「幻覚の1つや2つ見たからと言ってエバンズさんが可笑くなった訳じゃない。…それだけ苦しいからでしょ?心が限界だからでしょ?__私が1番エバンズさんの近くに居る。その私が違うって言うんだから何も可笑しくなんかない。」懸命に訴えたのは或る意味強気にも取れる内容。それが本心だ。何時かの日、アダムス医師では無い別の医師が相手に普段服用している物よりも何倍も強い安定剤を処方した時、吐き捨てた言葉を忘れた事は無かった。精神異常者の様に言い、まるで薬漬けにするかの様な。違うのに__相手は不器用で、優しくて、繊細なだけ。それでいて自分自身の負の感情に蓋をして、心を殺し罪を全て受け入れようとする。だからこそ、そんな相手だからこそ、切望した“解放されたい”と言う気持ちを尊重してあげたい。けれど__「…強い薬での解放には、目を瞑れません。」一度奥歯をきつく噛み締めた後に絞り出す様に伝えた言葉は相手の心を切り裂いただろうか。絶望のドン底に落としただろうか。「私に出来る事は僅かだし…もしかしたら何も無いかもしれない。寄り添うだけじゃエバンズさんの苦しみを取り除く事は出来ないってわかってるけど、それでも薬以外でエバンズさんが少しでも楽になれる事があるなら何だってする。犯人に言いたかったであろうどんな言葉も聞くし、夜中に一緒に起きる事も構わない。だから___もう少しだけ私と一緒に立って。」視界が滲み声に涙が混じる中、“もう良い”とは言わない。妹を、多くを亡くし10年以上苦しみの真ん中で生きている相手を前に血も涙もない残酷な部下だと思われたとしても。何時かの日、暗闇の底に居た己に相手が掛けた“立ち続けろ”と言う言葉を、思い出すだろうか )
5111:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-15 20:46:45
( 相手は“もう良い”とは言わなかった。もがきながらでも立ち続けろと______其れはいつの日か、自分が相手に掛けた言葉と、“呪い”と同じ物だ。けれど、自分と一緒に立っていて欲しいと言う言葉は相手の優しさだと理解出来た。もう良いと言ってしまえば、自分が破滅へと沈み込んで行く事を相手は分かっているのだろう。「……優しくないな、」先程までの不安定さが完全に消えた訳ではないものの、そう告げた言葉には相手を揶揄うような呆れたような普段通りの色が少しばかり戻っていて、相手を責めている訳ではない事は伝わるだろう。「…自分でもどうしようもない程、胸の内が焼き尽くされるような感情だった。今此処で、自分があいつを殺さなければと______夢と同じだ。確かにあの男だと思った。……これ以上は不味い、」天井を見つめながら、あの瞬間の苦しい程の感情を思い出す。可笑しくなどなっていないと相手は言うが、現実との境界が曖昧になる状態は当然良い兆候ではない。これ以上落ちていく訳には行かないと思っているからこその言葉を紡いで。 )
5112:
ベル・ミラー [×]
2025-09-16 19:52:20
優しいだけじゃFBIには__エバンズさんの隣には立てないでしょ。
( 己の告げた余りに酷な言葉に返って来たのはほんの僅か不安定さの薄れた、所謂“らしさ”の感じられるものだった。肩を竦め口角の上がった表情で言い返し、その後続けられた冷静な言葉に思うのは相手と同じ事。立ち続けて欲しいが幻覚を見る程までに不安定な状態のままは絶対的に良くは無く、その状態が長引くのは不味い。再び表情に真剣さを滲ませ数回の相槌の後「…強い薬を使うのは反対だけど、エバンズさんの心が限界な事も、幻覚がその内治まる、なんて無責任な話じゃ無い事もわかります。この先どんな治療が必要になるのか、…エバンズさんは嫌だろうけど入院の話も出るかもしれない。何にせよアダムス先生の話を聞こう。__それと、恐らく今日中に警視正から連絡があると思う。」先ずは相手の思い、考えを否定する事無く聞き届け、主治医であるアダムス医師が出すこの先の治療法の話を。それから間を空けやや控え目に続けたのは、皆まで言わなくとも相手は察するであろう内容の話で。___病室の扉がノックされたのは直ぐの事。廊下に漏れた話し声で相手が目を覚ました事に気付いたのか、入って来たのは穏やかな、けれど何時も無理をする相手に困った様な笑みを浮かべるアダムス医師で、第一声は『調子はどうですか?』 )
5113:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-21 03:42:23
( アンナの事件が自分に与えた影響は間違い無く大きい。非常勤という働き方を選びながら此処まで状態が悪化してしまった以上もう少し方法を考えなければならない訳だが、薬で治るなら甘んじて受け入れると言っておきながらも“入院”という言葉は余計に気分を沈ませた。警視正からの連絡______それは確実に、騒動を受けての処分についてだ。あの瞬間の記憶は鮮明だったが、周囲の状況に関しては曖昧でどれ程の騒ぎになっていたかは正直覚えていない。どれ程の署員が、自分の可笑しな言動を目にしていたのかも。ただ少なくとも、全く無関係の男を殴ったとなれば停職は免れないだろうと覚悟はしていた。---扉が叩かれ入って来たのは主治医であるアダムス。投げ掛けられた問いには「……最悪だ、」とひと言。今、というよりは現在に至るまでの事を指した答えなのだが。薬のお陰で幾らか落ち着いているものの、酷い症状の数々に悩まされた。特にこの所はかなり調子が悪く、幻覚を見ても可笑しくないほどに状態が悪かったのは自覚している。「…休む努力はした、其の証拠に今は非常勤だ。…でも、どうにもならなかった、」と、告げて。 )
5114:
ベル・ミラー [×]
2025-09-23 18:52:48
アダムス医師
( 返って来たのは強がる訳でも無い余りに素直な言葉。今この時の話では無く此処に運ばれる迄の数日間の事も含めた言葉なのだろう事は容易に想像が着くものだから、点滴を確認しながら『そうでしょうね。』と答えたアダムスの返事は、聞いておきながら声色に想定内だと滲み出ていて。点滴が一定の感覚で相手の中に流れるのを見、特別早さを変える必要も無いと判断した後は、2人だけで話す事もあるだろうと売店で飲み物を買って来ると病室を出たミラーに軽く頭を下げ再び相手に向き直り。『…今回の事件は余りに重たいものだったでしょう。それこそ貴方の言う通り、どうにもならなかった程に。』事件の詳細を鮮明に知っている訳では無いが、被害者の女性が相手の妹と瓜二つだと言うそれがもう全てだと言う事は感じていた。『ただ、幻覚を見ている以上、このまま何もせず帰す事は出来ません。一先ず今日1日は点滴による水分と栄養補給を優先に、明日からは暫くの間入院をするか、それとも休職をし自宅で療養するか__選択は貴方に任せます。』敢えて選択肢を作りそれを選ばせたのは、相手が入院を兎に角嫌がる事を知っているからで )
5115:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-24 13:07:11
( あれ程鮮明に見えた“犯人の顔”は、自分の生み出した幻影_____実際あの場に居たのは無関係の男で、当然犯人が生きている筈も無い。頭では理解できるのに、犯人が通りすがりに此方を嘲笑したあの瞬間が脳裏には焼き付いて居て、幻覚を見たのだと言われても未だに整理が付かないというのが正直な所だった。---相手が提示した選択肢は2つ。入院して治療を受ければ身体が楽になるのは間違いないのだが、1人病室に居る時間が苦手だった。整然とした病室で何もせずベッドの上で過ごすのは余りに無力な自分を思い知らされ、“自分だけ楽になる”事への心苦しさに苛まれる瞬間がある_____後者は“あの男”に植え付けられた余計な感情なのだが。しかし、これ迄の状態を思うと家で過ごす事への不安もあった。「……出来るなら、家で療養したい。ただ、…いつもの薬だけで過ごすのは心許ない、」点滴による処置などを直ぐに受けられる病院と違い、家では体調を崩しても直ぐには対処できない。今の体調を思えば病院ではない場所で、それでいてある程度医療の体制が整った状況、或いは追加の薬を処方して貰って過ごせれば其れが最善なのだが、それは我儘と見做されるだろうか。 )
5116:
ベル・ミラー [×]
2025-09-24 18:33:32
アダムス医師
( 相手が選んだのは“自宅での療養”。けれど本人が一番良く感じているのだろう、“何も無いまま”の療養には不安があるようで。しかしその不安を感じているのは此方も同じだった。暫し考える間を空けた後『……今処方している安定剤の強さを変える事はしませんが、幻覚を抑える薬は追加で出します。ただ、あくまでも抑えるだけ。頻度が少なくなるだけで全く見なくなる、と言う訳ではありません。…厳しく聞こえるかもしれませんが、貴方が自分で幻覚だと認識する事がとても重要なんです。』至極真剣な表情で紡いだのはある種の“乗り越え方”。苦しみの真ん中に居る相手だけれど、元に戻れないとは感じていなかった。次に表情を穏やかなものに変えた時、そこには医師でありながら相手がどう思っているかはわからぬものの、友人としての柔らかな笑みがあり。『私は長く貴方を見て来ました。今の貴方は昔に比べてずっと周りに助けを求められる様になったし、痛みや苦しみを言葉に出来る様にもなった。今回のように休む事も出来るようになりましたね。…次は、ほんの僅かでも良い、自分自身を許してあげて下さい。“あの時”貴方が最善を尽くした事は間違い無いんです。』一言一言を言い聞かせる様に、確かに前に進めているのだと変化を言葉にして伝えていく。それから『療養期間中、貴方を助けてくれる人は私を含め沢山居る筈です。傍に居て欲しいと言われて、嫌な顔をする人は居ないでしょう。』と、例え悪夢を見ても、幻覚を見ても、その時1人では無いと安心させる様に締め括って )
5117:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-25 03:11:52
( 自分で幻覚だと認識する事。どれほど鮮明に見えていても、其れが過去にまつわる有り得ない状況ならば悪夢を断ち切り“今”を見なければならない。それはかなりのエネルギーを消費する事になるだろうと思いつつも、小さく頷いて。自宅で療養する事を選べば、再び相手の家に戻る事になる。相手に負担を強いる事になるだろうかと立ち止まりそうになった時、アダムスの紡いだ言葉に、迷惑だとは思わないと事あるごとに言葉にするミラーの事を思った。「______レイクウッドには、お人好しが多いからな、」と余計なひと言を溢しつつも、其処に嫌悪の色はない。錠剤を飲み込めず吐き気が強い時の為に制吐剤も処方して欲しいと頼み、いずれの薬を飲んでも体調が改善せず辛い時は病院に来る事を約束する。今回の処分として謹慎する期間は未だ定かではないが、皮肉にも身体を休めるだけの時間はあるだろう。それだけ重大な事案だと理解もしていた。アダムス医師が病室を出ていくと、再び天井に視線を向けて彼が紡いだ言葉の意味を考える。“あの時の自分を許す”事など出来るのだろうか。いつかそれが出来た時にようやく、縛り付けられたあの事件から解放されるのだろうか、と。 )
5118:
ベル・ミラー [×]
2025-09-25 13:05:17
( 相手に言われた通り制吐剤と、幻覚への抑制剤、それから普段処方している安定剤と睡眠薬、それから鎮痛剤を明日帰る時に窓口で受け取る様にと伝え病室を後にしたアダムスの後、飲み物を買いに行くだけにしては随分遅くミラーが戻って来て。___「色々迷ってたら遅くなっちゃった。」とはにかみ相手に手渡した袋の中には、甘さの種類様々なコーヒーや紅茶、フルーツジュースなんかも入っており、その中の1つ、カフェラテのパックにストローを挿しながら「…アダムス先生と話せた?」と問い掛け。___丁度その時、相手のスマートフォンにあの騒動の詳細は他の署員から聞いた事、最低1週間の謹慎処分とする事、心身共に回復しない場合は1週間以上療養を許可する事、それから何かあれば何時でも話は聞く、と言った旨のメールが届いて )
5119:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-26 14:06:33
( ややして戻って来た相手の手には、大きな袋。たくさんの飲み物が入った中身を見て重かっただろうと思うものの、無糖アイスティーのペットボトルを手にするとそれをひと口飲んで。「…入院はせず、家で療養する事にした。もし____…」相手に家で療養する事を告げたものの、言い掛けた言葉は途中で止まる。もし、迷惑になるようなら休職している間はホテルに泊まる、と言おうとしたのだが、先程のアダムスの言葉を思い出したのだ。“傍に居て欲しいと言われて、嫌な顔をする人は居ない”。迷惑じゃないと、目の前の相手がそう返してくる事が想像出来た為、言葉が続かなかったのだ。「……いや。なんでもない、」とだけ告げると、メールを受信したスマートフォンの画面に視線を落とす。文章に目を通すも、騒動を思えば1週間の謹慎は寛容過ぎる処分だ。警視正の優しさと此方への気遣いが感じられて、小さく息を吐き出して。「…1週間は休む。薬は支障の無い範囲で増やして貰ったから、1人で大丈夫だ。」と告げて。相手は通常通り仕事に出る事を思い、心配は要らないと伝えておき。 )
5120:
ベル・ミラー [×]
2025-09-26 20:58:26
( ストローを咥えながら入院では無く家での療養を選んだ話を黙って聞いていたものの、“もし”の後に続く言葉を直ぐ様察し唇を開き___言葉は続かなかった。100%と断言しても過言では無く“ホテルに泊まる”と言い出すと思ったのに相手自身で話を終わらせたからだ。思わず瞬きをし目前の相手を見詰めるも、此処で何か余計な事を言えば想定通りホテル泊まりを強行されかねない為、再びストローを咥える事で言葉を飲み込みつつ頷くだけで留め。メールの受診を知らせる音の後、相手が口にした療養の期限は1週間だった。直ぐに警視正からだとわかり、同時に己もまた彼の優しさと気遣いを感じた。厳しい所も勿論あるが、部下思いでお茶目な所もある彼は、きっと陰ながら相手の事を思っているのだろう。「…1週間か、」“1人で大丈夫”をまるで聞かなかった呟きを落とした後、カフェラテを両手で包む様に持ち膝の上に下ろし。「私も後半休み貰おうかな。家の中ばっかりだと気分も沈むだろうし。…謹慎処分中の療養だって事は勿論わかってるけど__海行きたくない?」此処には2人だけしか居ないものの、少しばかり声量を落として紡いだのは誘惑となり得るだろうか、1つの提案。何処となく悪戯な、または不敵な笑みと共に相手の表情を伺い見て )
5121:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-27 12:30:21
( 1人で大丈夫だと告げた後に続いた相手の言葉に「…お前が休む必要はない、」と返事を返す。体調が安定せず相手に心配を掛けるよりも、1人の方が良いという思いは未だに拭いきれなかった。海、という言葉には曖昧な表情を浮かべる。「謹慎中に海で遊んでいたなんて、其れこそ反省が見られないと見做されて停職になる。」と、呆れたように言葉を紡いで。穏やかな波の音は時に不安を和らげ、上擦った呼吸を落ち着かせてくれる。不安定な時こそ海を眺めてゆっくり時間を過ごしたいという気持ちこそあれど、謹慎中に海にドライブをしに行くという訳にはいかないだろうと。 )
5122:
ベル・ミラー [×]
2025-09-27 14:40:35
今週は後半に2日休みがあるから、貰うのは実質1日だけ。__私だって有給消化しないといけないんだから。
( 1週間まるまる休みを貰う訳では無く、連休になる様に繋げるだけだと言い返し再びカフェラテを啜る。気持ち的には1週間びっちり相手の傍に居たいと言うのが本音ではあるものの、気を遣われるのを余り好まない相手の事だ、そんなにも長く張り付かれては居心地悪く感じ逆に休めないかもしれないと、己なりの勝手な妥協点で出した休暇3日。空になったカフェラテのパックをゴミ箱に入れ、提案に対して曖昧な色を滲ませたその碧眼を覗き込む。決して遊びに行く訳では無く、あくまでも目的は心を落ち着かせる療養なのだから問題は無いと思うものの、変な所で真面目な相手には通じない。で、あれば。「__最近海沿いの治安の悪さが目立ってるんだって。」ドライブには直接関係しない、余り脈略の感じられない話を唐突に振る。治安が悪いなんて話は勿論出ていないがそれはそうだ。「もしかしたら変な勘が働いて、休みの日だけど見回りに行く事になるかも。私1人じゃ何かあった時に対処しきれないから…エバンズさんは謹慎中だけど駆り出されるかもしれないね。」今この場で作ったとは思えない程淀みなく、さも仕方が無い事だとばかりにそんな戯言を言い放った後は返事に聞く耳を持たないとばかり口角だけは機嫌良く持ち上げたまま視線を他所に向けて。___それから翌日にはアダムス医師から処方された多めの薬と共に相手は退院し、1週間の謹慎処分+療養に入るだろう )
5123:
アルバート・エバンズ [×]
2025-09-27 18:12:31
( 自分を外へ連れ出そうと画策しているのであろう相手の口からスラスラと紡がれる言葉に、怪訝そうな視線を向けたものの何かを言い返す事はせず。---退院し家での療養が始まると、点滴などの処置をしてもらい幾らか身体は楽になっていたものの、この数週間で悪化した体調を戻す事が必要だった。錠剤を上手く飲み込めない症状は少しばかり改善していて、制吐剤を飲んで少ししてから他の薬を飲む事で戻してしまう事はなくなり。ただ倦怠感が抜けず、横になっている時間は此れ迄よりも少し長くなっただろうか。悪夢を見る事がきっかけで現実との区別が付かなくなり、幻覚を見るようになるのではという恐怖があり、処方された睡眠薬は飲んでいなかった。 )
5124:
ベル・ミラー [×]
2025-09-27 18:59:31
( 最初の数日は普段通り仕事に行き、夕方に家に帰って来て相手と共に軽い夕飯を食べ他愛無い話をする時間が続いた。ソファに横になり身体を休める相手を背に、床に座り込みキーボードを叩きながら時折声を掛ける。反応が無くなり背後を伺うと少しばかりうつらうつらしている様子が見れて嬉しくなった。けれど安定剤や制吐剤を飲む姿は見ても睡眠薬を飲む姿だけは見なかった。眠る事で悪夢を見る事、その悪夢が幻覚を連れて来る可能性がある事に少なからず恐怖心を抱いているのは簡単に想像が出来るのだが、人間ある程度纏まった睡眠をとらねばそれこそ心身が悲鳴を上げる。___時刻は夜の10時過ぎ。共に寝室のベッドに横になっている体勢で、普段は背中合わせなのだが今日は向かい合わせだ。背を向けた相手の目前に故意的に潜り込んだから。一瞬怪訝そうな表情を浮かべた相手に徐に手を伸ばし、親指の腹で濃くなってしまった隈を緩く撫でる。「__目を閉じて。」そう静かに声を掛け微笑んでから「大丈夫、…目が覚めた時に今が分からなくなってても、ちゃんと戻って来れる様に引き上げるから。」僅かでも眠る時間を作れる様に、一瞬でも不安が薄れる様に、親指を数回動かした後はその手を相手の肩に移動させ、今度はそこを軽く撫でて )
5125:
アルバート・エバンズ [×]
2025-10-10 14:05:46
( 向かい合わせになった相手の、ゆっくりと目元を撫でる温かい指先は直ぐに眠気を連れて来た。眠ってはいけないと反射的にブレーキを掛けそうになるのだが、肩を摩られ静かな相手の声を聞いている内に抗う事を辞めていて。程なくして眠りに落ち、やがて意識の遠い所で夢を見る。初めは何の夢かも分からない程に朧げで遠く、徐々に近付いて鮮明に。繰り返し見る“あの日”をなぞりながら、悪夢は記憶よりも凄惨で誇張されたものになる事も暫しある。幾度記憶に残る“赤”に苦しめられたか。妹に近付いた時の靴底で水を踏む様な感覚を今でも覚えていて、足元から背筋が粟立つような、背中が凍るような恐怖心もまた鮮明だった。初めは夢だと朧げに認識していた其れも、目を覚ます頃には現実との区別が付かない程に心を持って行かれている。「_____っ、!」そうして思わず飛び起きた後、悪夢の残像か、手が血に濡れていると錯覚した事でパニックを引き起こし一瞬にして呼吸は意味を成さない浅い物に変わっていた。相手が隣にいる事も今は頭に無く、汚れ切った此の手をどうして良いか分からず片方の手で自分の手首を握りしめる。無意識に爪が食い込むほどに力が籠り、木枯らしの様に掠れた音が唇から溢れ肩を震わせて。 )
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