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白む空に燻る紫煙 ---〆/5112


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5104: ベル・ミラー [×]
2025-09-03 22:43:28





( ___当たり前ながら呼ばれた救急車は意識を失った相手を乗せレイクウッドの総合病院へと向かって行った。騒ぎを聞き付けた警視正がミラーとスミス捜査官を含めた数名の署員達、それから現場を最も良く見ていたであろう男を先導していた女性捜査官に詳細を聞き、重たい溜め息を吐き出したのは救急車のサイレンが聞こえなくなってから。“言葉1つ交わしていないのに警部補が急に男を殴った”と言うのが皆の証言であるものの、それはあくまでも“セシリア”が誰なのかを知らないから。相手の見続ける悪夢を知らないから。謹慎という名の療養で暫く休職してもらう、と言うのが相手自身にはまだ伝えていない警視正の判断となり。___意識の無い相手に最初に施されたのは点滴による栄養補給だった。痩せて酷い顔色の相手が運ばれて来た時、まさか此処まで状態が悪いとはアダムス医師も思っていなかった。勿論相手からの連絡も無かったし、診察に来る事も無かったのだから気付く事が出来ないのはある意味当然なのだが、これでは先に身体が悲鳴をあげてしまう。___その後、遅れて病院に来たミラーから此処数週間の相手の状態、それから倒れる前の状況を伝えられ“セシリア”と口にした事から恐らく幻覚を見た可能性が高いと判断したアダムス医師は、点滴に安定剤も足して。___病室のベッドの上、白い布団を掛けられ眠る相手の姿を何度見たか。閉じられた瞼に掛かる焦げ茶色の前髪を軽く払い、白く骨張った片手を両の手で握り締める。“あの日”犯人が自殺をした事で相手の胸の内にある怒りも、悲しみも、絶望も、ぶつける先を失ったのだろう。けれどそれらは決して消える事無くふつふつと煮えたぎるマグマの様に常に相手の中にあり続け、それがきっと爆発した。“殺してやる”と、そう叫んだその言葉こそが嘘偽りの無い相手の感情だ。大勢の人達の命を奪い償う事無く自殺など、余りにも無責任で、余りにも残酷ではないか )






5105: アルバート・エバンズ [×]
2025-09-04 19:13:28

 





( 目を覚ました時、視界に広がる白い天井を見て直ぐに病院だと理解した。点滴によって薬を投与されているからだろう、ここ最近の調子が悪過ぎたのだが今はだいぶ身体が楽で思考もクリアな状態だ。当然最後の記憶である騒動についても忘れては居なかった。ゆっくりと横に視線を向けると相手が座っていて、自分が目を覚ました事に気が付くと立ち上がる。此方を覗き込みつつ、意識が戻った事を伝えるべくナースコールを押そうとした相手の手を掴み制止して。相手に、何よりも先にまず聞かなければならない事があった。「_____俺が殴ったのは…誰だった、?」覚えているのだ、確かに”あの男“が自分の目の前を通り過ぎ、此方を振り向いて嘲笑した事を。その顔は紛れもなく、幾度と夢に見た、あの事件を引き起こし身勝手にも逃げ仰せたあの男だった。現実的に考えればそんな筈が無いと分かっていても、其れが間違いなく自分が目にした光景だった。近くに居た相手が其れを否定するなら、自分が”可笑しくなっている“のだと。 )






 

5106: ベル・ミラー [×]
2025-09-04 21:31:06





( 思わず双肩が跳ね驚きに目を見開いたのは、まさか制止が掛かると思っていなかったから。続けられた問い掛けは数時間前の署での騒動を確りと覚えているものなれど、“誰だったか”と問う辺り“見た”男の顔は__そう言う事なのだろう。掴まれた手を引く事無く再び椅子に腰掛け直し、相手を真っ直ぐに見る瞳には真剣さと少しの困惑の様な色が入り混じる。「昨晩起きた事件の重要参考人として聴取を受けていた男性です。…エバンズさんと面識は無いかと、」一度軽く息を吐き紡いだ言葉は誤魔化すでもない正直なもの。“あの事件”には全く無関係の男なのだと言い切った後。「…此処数日の不調で、いっぱいいっぱいになってたのが溢れちゃっただけ。」それでも付け加えたのは相手にとって納得のいかない気休めにすらもならない慰めになってしまっただろうか。男は何もしておらず、過失は100%相手自身にあるのは己も相手自身もわかっている事なれど、どうしても擁護したいと思ってしまうのは相手の心にある感情に触れたからか )






5107: アルバート・エバンズ [×]
2025-09-05 04:56:56

 





( 少しの困惑を孕んだ相手の返答を聞き、腕を掴んでいた手が緩むとやがて離れる。やはり、可笑しいのは自分だったという事だ。あれ程鮮明に見えていた筈の物は自分が作り出した幻影。悪夢に魘された時などに夢と現実の区別が付かなくなる事はこれまでにも時折あったが、それは眠りから覚めたばかりのその瞬間の事。今日のように普通に活動をしている日中にそんな状態に陥る事など、これまでただの一度も無かったというのに。「……そうか、」とひと言だけ答えたものの、自分への失望は大きかった。なんの落ち度もない男性に突如暴力を振るったとなれば、相応の処分が下されるだろう。いつか、精神科でのより高度な治療がとっくに必要な状態だと吐き捨てた医者がいたが、あながち間違いでは無かったのかもしれない。自分で自分を抑えることができず、過去の幻影に振り回されてはいつ何をするか分からない。相手を自分の側に居させる事さえ憚られた。「______騒ぎを起こして悪かった。お前は仕事に戻れ、」と告げて。 )






 

5108: ベル・ミラー [×]
2025-09-05 13:32:17





( たった一言、その一言に余りに暗く重い失望が纏っているのを感じてしまい膝の上できつく拳を握る。その後に続ける言葉を何も紡げないまま少しの沈黙が流れ__先の騒動の謝罪と共に退室を促されれば軽く首を左右に振り。「やらなきゃいけない仕事はもう終わらせて来てる。」此処に居た所で何が出来る訳でも無いのだが、仕事面で残る署員に迷惑を掛ける事は無いと、暗にまだ居たいと言う事を滲ませた後。「……可笑しくなった、なんて思ってますか?」と、徐に問い掛けて。その声色は真剣で、静かなもの。褪せた碧眼に宿る色が不安定なのを感じているからで )






5109: アルバート・エバンズ [×]
2025-09-09 05:11:58

 





( 相手の言葉に直ぐに返事を返す事はしなかった。胸の内に巣食う虚無感や苦しさ、其れに抗う事に疲れてしまったというのが正しい表現だろうか。事件に関わった大勢がFBIを去り、この世をも去った人が居る中で、懸命に刑事で在り続けようとして来た。けれど時々、“その意味”を見失いそうになるのだ。もう良いのではないかと、そう諦める為の糸口を自分自身が探しているような。其れでいて”可笑しくなったのなら仕方ない“と、無理やり自分自身を納得させようとしているのかもしれない。「_____あいつは俺たちの目の前で死んだ。悪夢と現実の区別も付かなくなるのは、そういう事だろう。」と、静かな口調で言葉を紡ぎ。一方で胸が焼き切れそうな激しい感情を思い出し、瞳が揺らぐ。「可笑しいのは分かってる。薬で治るなら其れでも良い、…少しで良いから、____“あの日“から解放されたい、」その言葉が全てだ。事件以降ずっと付き纏って来る”あの日“を忘れ、縛られている心を解放してやりたいのに、其れが出来ないのだ。強い薬で其れが叶うと言うなら、或いは医師の言う通りにする事で楽になるなら、今は甘んじて其れを受け入れようとさえ思えた。 )






 

5110: ベル・ミラー [×]
2025-09-10 20:07:10





( 相手から視線を外す事はしなかった。ただ、静かに返事を待つ事数分。余りに落ち着きを払って溢す様に落とされた言葉に僅か眉を微動させると「違う。」と、先ずは真っ向から否定し。「幻覚の1つや2つ見たからと言ってエバンズさんが可笑くなった訳じゃない。…それだけ苦しいからでしょ?心が限界だからでしょ?__私が1番エバンズさんの近くに居る。その私が違うって言うんだから何も可笑しくなんかない。」懸命に訴えたのは或る意味強気にも取れる内容。それが本心だ。何時かの日、アダムス医師では無い別の医師が相手に普段服用している物よりも何倍も強い安定剤を処方した時、吐き捨てた言葉を忘れた事は無かった。精神異常者の様に言い、まるで薬漬けにするかの様な。違うのに__相手は不器用で、優しくて、繊細なだけ。それでいて自分自身の負の感情に蓋をして、心を殺し罪を全て受け入れようとする。だからこそ、そんな相手だからこそ、切望した“解放されたい”と言う気持ちを尊重してあげたい。けれど__「…強い薬での解放には、目を瞑れません。」一度奥歯をきつく噛み締めた後に絞り出す様に伝えた言葉は相手の心を切り裂いただろうか。絶望のドン底に落としただろうか。「私に出来る事は僅かだし…もしかしたら何も無いかもしれない。寄り添うだけじゃエバンズさんの苦しみを取り除く事は出来ないってわかってるけど、それでも薬以外でエバンズさんが少しでも楽になれる事があるなら何だってする。犯人に言いたかったであろうどんな言葉も聞くし、夜中に一緒に起きる事も構わない。だから___もう少しだけ私と一緒に立って。」視界が滲み声に涙が混じる中、“もう良い”とは言わない。妹を、多くを亡くし10年以上苦しみの真ん中で生きている相手を前に血も涙もない残酷な部下だと思われたとしても。何時かの日、暗闇の底に居た己に相手が掛けた“立ち続けろ”と言う言葉を、思い出すだろうか )






5111: アルバート・エバンズ [×]
2025-09-15 20:46:45

 




( 相手は“もう良い”とは言わなかった。もがきながらでも立ち続けろと______其れはいつの日か、自分が相手に掛けた言葉と、“呪い”と同じ物だ。けれど、自分と一緒に立っていて欲しいと言う言葉は相手の優しさだと理解出来た。もう良いと言ってしまえば、自分が破滅へと沈み込んで行く事を相手は分かっているのだろう。「……優しくないな、」先程までの不安定さが完全に消えた訳ではないものの、そう告げた言葉には相手を揶揄うような呆れたような普段通りの色が少しばかり戻っていて、相手を責めている訳ではない事は伝わるだろう。「…自分でもどうしようもない程、胸の内が焼き尽くされるような感情だった。今此処で、自分があいつを殺さなければと______夢と同じだ。確かにあの男だと思った。……これ以上は不味い、」天井を見つめながら、あの瞬間の苦しい程の感情を思い出す。可笑しくなどなっていないと相手は言うが、現実との境界が曖昧になる状態は当然良い兆候ではない。これ以上落ちていく訳には行かないと思っているからこその言葉を紡いで。 )






 

5112: ベル・ミラー [×]
2025-09-16 19:52:20





優しいだけじゃFBIには__エバンズさんの隣には立てないでしょ。
( 己の告げた余りに酷な言葉に返って来たのはほんの僅か不安定さの薄れた、所謂“らしさ”の感じられるものだった。肩を竦め口角の上がった表情で言い返し、その後続けられた冷静な言葉に思うのは相手と同じ事。立ち続けて欲しいが幻覚を見る程までに不安定な状態のままは絶対的に良くは無く、その状態が長引くのは不味い。再び表情に真剣さを滲ませ数回の相槌の後「…強い薬を使うのは反対だけど、エバンズさんの心が限界な事も、幻覚がその内治まる、なんて無責任な話じゃ無い事もわかります。この先どんな治療が必要になるのか、…エバンズさんは嫌だろうけど入院の話も出るかもしれない。何にせよアダムス先生の話を聞こう。__それと、恐らく今日中に警視正から連絡があると思う。」先ずは相手の思い、考えを否定する事無く聞き届け、主治医であるアダムス医師が出すこの先の治療法の話を。それから間を空けやや控え目に続けたのは、皆まで言わなくとも相手は察するであろう内容の話で。___病室の扉がノックされたのは直ぐの事。廊下に漏れた話し声で相手が目を覚ました事に気付いたのか、入って来たのは穏やかな、けれど何時も無理をする相手に困った様な笑みを浮かべるアダムス医師で、第一声は『調子はどうですか?』 )






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