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白む空に燻る紫煙 ---〆/4203


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自分のトピックを作る
4143: ベル・ミラー [×]
2024-03-02 13:05:36





ルイス・ダンフォード



( 相手の頭が僅かに持ち上がり目線が時計に向いた事で、今置かれて居る状況を理解したのだろうと判断する。『__夜中の0時を回った所だ、』モニターからの薄い明かりがあるとは言え、この暗い部屋の中では正確に時間を確かめる事は出来ないかもしれない。それを良い事に誤魔化す事は出来るのかもしれないが、それはあくまでもその場凌ぎであり何にもならぬ行為だとわかるからこそ時間だけを静かに告げ。0時と言う事は日付的にあの事件から12年目の当日と言う事になる。相手が今再び眠りに就き、次に目が覚めた時は既に日が昇っていて嫌でもそれを実感する事になるだろうか。『署で倒れてるお前を見付けてな、悪いが救急車を呼ばせてもらった。…朝になれば担当医が来て、詳しい事を教えてくれる筈だ。』遅れて、先程の“どうして”に対するザックリとした返答を続けては、普段の様な軽いトーンではない真剣な声色で以て『…もう一度、眠れるか?』と尋ねて )






4144: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-02 19:09:13

 







( 自分が有給を取っていた為か、ダンフォードが応援の要請を受けていた事を初めて知る。そして自分があの眩暈を起こしたあと倒れていた事も。こんな状態で、其れも病室で12年目を迎えるなど、もしあの記者やクラークが居たら“自分だけ逃げるのか“と罵る事だろう。しかし相手を長く此処に引き留めておく訳にはいかず、投げ掛けられた問いには心配は要らないと小さく頷いて「大丈夫です、…ご迷惑をお掛けしました。」と、普段よりも弱った声ながらもあくまで普段通りの毅然とした態度を崩す事はせず。有給をとっているのは今日だけ、少し休んで落ち着き次第直ぐに復帰すると相手にさえ弱さを見せる事なく告げるのは、無理をしてでも立って居なければ駄目になってしまうと、自分でも思う程に一連の出来事によりダメージを負っているからか。「_____この事は誰にも言わないで下さい。…朝まで此処に居なくても、もう大丈夫です、」酸素マスクに呼吸を補助されなければ直ぐにでも上手く呼吸が出来なくなるというのに、あの発作は極一時的なものだったとばかりに虚勢を張り。 )







 

4145: ベル・ミラー [×]
2024-03-02 22:01:31





ルイス・ダンフォード



( 相手が繰り返す“大丈夫”を虚勢だと見抜けぬ程部下に無関心だった訳でも鈍感な訳でも無い。けれど昔から弱っている姿を見られるのを嫌う野生動物みたいな所のある相手だ、下手に己が此処に居続けるとかえって逆効果な場合もある。『こんなのは迷惑の内に入らねェよ。』先ずは受けた謝罪に軽く首を左右に振る事で全く問題無い事を伝え、続けて要望を言われれば僅かに片眉微動させ『誰にもって、警視正やミラーの嬢ちゃんにもか?』正直な所、朝担当医が来て話によっては相手の有給を延ばす事になり、そうなれば警視正には嫌でも伝えなければならないだろう。けれども相手と共に捜査をする事の多い、相棒の様な存在の部下である彼女にもなのかと確認を )






4146: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-03 00:02:17

 






( こんなのは迷惑の内に入らないと、自分が謝った時、昔から相手はいつも首を振りそう言い聞かせてくれる気がした。相手からミラーの名前が出れば頷き「_____出張中なんです。ただでさえ別の町で、一人で捜査に加わってる。今回のタイミングと重なった事を気にしているから尚更…ミラーには何も言わないでください、」と告げて。「ダンフォードさんも、もうホテルに戻って休んで下さい。」病院まで付き添ってくれた事に礼を述べつつ、明日出勤しなければならない事を考えると早くホテルに戻って休んだ方が良いと促して。 )







 

4147: ベル・ミラー [×]
2024-03-03 11:00:34





ルイス・ダンフォード



( 相手が倒れて今病院だ、なんて言えばきっと血相を変えて飛んで来るか、相手の事が心配で捜査も手につかない状態になるかもしれない。きっとあの部下にはそう言った__FBIとしては些か冷静さに欠ける所があるのかもしれないとぼんやり思っていた。だがそれはきっと相手の事を心の底から心配しているからなんだろうとも。そして相手もまた、彼女の事を少なからず心配している。『わかった、嬢ちゃんには連絡しない。』相手の気持ちを汲み取りそう約束しては、繰り返される帰る事を促す言葉にやれやれと肩を竦ませ『…嗚呼、わかったよ。明日の仕事の事は何も心配せずゆっくり休め。夕方また見舞いに来るから、その時医者とどんな話になったか教えろよ。』椅子から立ち上がり鞄を片手に頷けば、ちゃっかり仕事終わりにまた来る事を告げその日はホテルに戻る事として。__それから迎えた朝。事件から12年目の当日。アダムス医者は朝から相手の居る病室の扉をノックし起きているかを確認して )






4148: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-03 15:37:42

 






( 相手が帰ると病室はしんと静まり返る。無用な心配を掛けないようにと普段通りを装っていたものの一人になると倦怠感に抗う事なく寝返りを打ち息を吐き出して。自分の前では無理をする必要は無いと彼は言うだろうが、ただでさえ応援として余計な労力を掛けているのだ。あの記事が自分の身近な人に与える影響は大きい_____お前の部下だろうと、自分の知らない所で嫌な思いをさせている事だってあり得る。あの事件から12年。今日は至る所であの事件の報道が成され、冷酷で心無い捜査官として自分の話題が持ち上がり、そうしてあの夢を幾度と見るのだろう。---微睡んでも鮮明な悪夢によって眠りは阻害され、まともに眠る事が出来ないまま朝を迎えた。胸が締め付けられるような苦しさやフラッシュバックに襲われるのは、病院であっても変わらない。扉がノックされた時も、極浅い眠りの中に居て意識は直ぐに浮上した。特段返事をする事はなかったものの、扉へと視線を向けて。 )







 

4149: ベル・ミラー [×]
2024-03-03 16:50:23





アダムス医者



( ノックに対する返事は無く、この段階で相手は未だ眠って居ると思う者も多いかもしれないが、例え起きて居たとしても返事をしない事がある事を彼の専属医であるアダムスは知っていた。体調が悪かったり意識がぼんやりとしている時、1人になりたい時、はたまた病室に連れて来られたのを不服と思っている時何かも子供じみた機嫌の悪さを醸し出す時がある。少しの間を空けて静かに扉を右へと引き中を確認すれば、起き上がってこそ居ないもののぼんやりと目を開け此方を見ている相手と視線が交わり。機嫌の悪さからの無視では無い事だけは確認し後ろ手に扉を閉める。『おはようございます。…少し来るのが早すぎましたね。』ゆっくりとした足取りでベッドの脇まで歩みを進め、傍らで立ち止まると至極穏やかな声色で小さく微笑みつつモニターに映し出される心拍や酸素濃度を確認し頷き。『__多少の乱れはありますが、一応安定しています。けれど、ご自身でわかっている通り、身体にも心にも相当な負荷が掛かりもう既に限界を迎えている筈です。…数日、入院しましょう。』続けてその瞳に真剣な色を宿すと、穏やかながら、拒否は認めないとばかりの医師としての僅かな圧を滲ませ。__一方その頃。相手が倒れた事を知らないミラーは早朝に送ったメールへの返事が無い事に少しばかりの不安を感じていた。朝早かった為に眠っていてまだメッセージを見ていないとも思うのだが、一度膨らんだ嫌な予感はそう簡単に消える事が無く、それは“今日”だからこそ尚更であり )






4150: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-05 00:50:45

 






( 朝届いたミラーからのメールに返事をする事はなかった。それだけの気力もなく、目眩の所為で長く画面を見ている事も出来ずに。---休職、療養、入院______そういった言葉を幾度彼の口から聞いただろう。変わらず優しく微笑む相手でさえ、報道の事は知っている筈だ。休職も入院も、結局はその場凌ぎにしかならず、その時身体を休めても何かが変わる訳ではなく根治には至らない。「……12年経っても、何も変わらない。」とだけ独り言のように言葉を紡ぎ。体調が悪くても素直に身体を休める事を受け入れられないのは歪んだ贖罪の形______身体の事を顧みず仕事にのめり込み、いつか自分が壊れてしまう事を心の何処かで望んでいるからなのだろうか。“ルーカスとセシリアさんはもっと苦しかった“という言葉は心に突き刺さったままだった。入院を促す言葉には黙り込んだままだったものの「……外出の許可が欲しい、」とひと言。意識には僅かに靄が掛かったような状態で、正常な思考とは言えない。今の状態で1人で出歩く事は愚か、車を運転する事など不可能に近かったが妹の墓参りに行かなければならないと思ったのだ。 )






 

4151: ベル・ミラー [×]
2024-03-05 19:33:39





アダムス医者



__痛みが完全に消える事は無いでしょう、けれど12年掛けて少しずつ変化してはいる筈です。…貴方にとっては気休めでしかないかもしれませんが。
( 一人言の様に溢された言葉に返事をするべきだったかは定かでは無いが。痛みや苦しみの渦中に居る人にはその“負”の大きさの変化には気が付かないものだと、加えて相手は“自分だけ楽になる事は悪”だと言う考えを心の奥底に宿している。楽になりたい、けれど許されない、その拮抗し合う気持ちの狭間で身動きが取れず、頭も、身体も、心も、いっぱいいっぱいになってしまうのだ。そうやって負荷が掛かり過ぎた事で人は時に正常な判断を失い__最悪を招く事だって十二分に有り得る。『…本当に変わらなくてはいけないのは、貴方を取り巻く環境なんでしょうね、』ぼんやりとしたままの相手を見詰め、思うのは周囲の身勝手な騒ぎ。周りが、悪いのはあくまでも事件を起こした犯人だけで相手は悪く無いと声を揃え、記者やマスコミが相手を責め立てるような記事を書かず、誰しもが相手をそっとしておけば、もしかしたらこんなにも深く苦しみ続ける事は無かったかもしれない。痛みは消えずとも、もっともっと周囲に頼る事が出来たかもしれない。__何が、誰が、“悪”だろうか。週刊誌の内容を思い出し思わず目を伏せるも、ふいに入院に対する拒否の言葉ではない、外出の許可を所望されると再び顔を上げ。『…今はまだ無理です。妹さんの命日だと言う事はわかっていますが、とても許可出来る状態じゃない。』今日がどれ程の日か、わかってはいるが無理なものは無理だと首を左右に振り残酷にも拒否を。今の相手を1人病院から出す事は、それこそ何よりも危ない事だとわかっているからで )






4152: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-05 21:19:32

 







( 誰も事件の事など知らない場所で静かに暮らしたいと思わない訳では無かったが、それは罪から逃げる事だとも感じていた。結局根底には罪の意識がこびり付いて居て、それが楽になる事を_____過去の記憶から解放される事を赦さない。周りの誰でもなく、自分で自分を許せないからこそ苦しみ続けているのかもしれない。今回の件も、声を大にしてあの証言は嘘だと反論し、弁護士を雇って戦う事も出来たがそこまでしようとは思えなかったのだ。当然ながら外出を許可される事はなく、この場所で一人無意味な時間を過ごす事に対してやるせない気持ちを抱えるも、医師の決定に食い下がる事はしなかった。「……休みの申請をしておく、」とだけ答えたのは、入院をする意思があるという事。同時に、今刑事として働く意義を見失っているという事でもあった。---警視正の元には、午前中の内にエバンズから明日以降休みを貰いたい旨のメールが届いていた。自己都合による休みで復帰に数週間を要する可能性もあるため有休消化が難しければ休職の扱いでも構わないと。事件から12年、本人が想定した通りレイクウッド署の前には大勢の記者が集まりエバンズの姿を探していたが、出勤している様子がない事に気付き逃げたのかと不満を露わにする記者も居た。メールに詳細は書かれて居なかったが、体調を崩したのは明らかでメールを開いたままやるせなさから深い溜息を吐き。 )








 

4153: ベル・ミラー [×]
2024-03-05 23:47:22





( 仕事人間の相手が休みの申請をするとなれば、よっぽどの事があると判断され却下される事は間違い無く無いだろうとアダムス医者は頷き、入院の諸々の手続きをする為に一度病室から出て行き。__刑事課フロアでは何とも言い難い空気が朝から漂っていた。此処数日で一番数の多い記者達の姿を見た署員も多く、アナンデール事件から12年目を迎えた今日、悪い意味で話題となっているエバンズ本人は出勤していない。遺族に謝罪をしに行ってるだとか、この記者の数じゃ署に来れる筈が無いだとか、勝手な憶測が飛び交う中で、今日から応援に来ていたダンフォードは事情を知っているだけに表情も険しさが増して。__その日の夕方。朝からエバンズに送っているメールにも電話にも返事が無い事に不安を覚えたミラーは、相手の様子を確認すべくサラに電話を掛け。彼女の第一声の後「エバンズさんってまだ居るかわかる?」と、尋ねて )






4154: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-06 01:31:07

 






( 入院に同意したものの、全てが変わってしまったあの瞬間______具体的には、突入のタイミングを窺う為に時計を見ていた当時の捜査官がけたたましい銃声を聞いた午後3時過ぎ、その時間が近付くに連れて体調は悪化していた。嫌でも当時の情景が鮮明に蘇り、妹が命を落とすその瞬間に向けて時をなぞるように記憶が繰り返される。幾ら嫌だと、見たくないと拒絶しても記憶の波は其れを許さないのだ。呼吸が可笑しくなり、苦しさからシーツを握り締める。自分が現場に入った時、不安そうな表情で園児を膝に乗せ抱き抱えながらも視線が重なったあの一瞬、確かにセシリアは自分に向けて大丈夫だと、信じていると頷いたのに。フラッシュバックに襲われ、昨晩と同じような酷い発作を起こしてしまうと思わずナースコールを押していて。---スマートフォンが着信を知らせ画面を見ると、そこには主張に行っている同僚の名前。電話に出て『どう?捜査は順調?』と尋ねたものの、相手が電話を掛けてきた理由は分かっていた。『警部補、今日は出勤してないの。署の前を張り込んでる記者もすごい数で…これは来なくて正解だと思う。』と告げて。 )






 

4155: ベル・ミラー [×]
2024-03-06 08:49:51





( ナースステーション内、相手が入院している病室の番号のランプが光ったと同時にナースコールによって2つの部屋が繋がる。『どうしました?』と言う看護師の問い掛けに返事と言う返事は無く明らかに様子の可笑しい呼吸音だけが聞こえる状況に、これは不味いと判断した看護師は点滴の準備をするや否や『直ぐ行きますからね!』と部屋を飛び出して。病室の扉を開けた時、相手は酸素マスクをしている状態ながら酷い発作に襲われていた。それは意識を失っても可笑しくは無いと思えるもので駆け寄った看護師は『エバンズさん、わかりますか?大丈夫ですからね、大きく息を吸って下さい。』と、励ますような声を掛けその腕に点滴の針を刺し。点滴パックからは軽めの安定剤が滴り、管を通り、相手の身体の中へと入る事だろう。__てっきり相手は出勤しているものとばかり思っていた。だからこそサラの言葉に思わず息が詰まった。例えどれ程の記者が署の周りを取り囲んでいたとて、相手は休む事を選ばない。けれどそれをした…せざるを得ない何かがあったと言う事ではないのか。「……今日までには全部解決して、戻るつもりだった。」ぽつり、不甲斐無さの中に自分自身にあてる恨み言のような声色で答えたのは、暗に順調では無いという返事。それを彼女に言った所で急に犯人が自首する訳ではないと百も承知なのだが。「…悪いのはエバンズさんじゃないのに…あの記事だって、絶対デタラメなのに、」1人出張に行ってる事が気持ちを不安定にさせているのか、相手の様子を知る事が出来ないのが怖いのか、一度口をついて言葉が落ちればそれは後から止まる事は無く、友人である同僚に結局気持ちをぶつける事となって )





4156: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-07 23:19:28

 






( 酸素マスクの補助によって、酸欠になったり呼吸ができなくなったりする事はない筈だった。それでもパニック的に呼吸が乱れてしまえば正常なペースを保つ事は難しい。安定剤が打たれた事で少しずつ、鮮明だった記憶が遠くなり数十分もすれば呼吸は落ち着き眠りに落ちるだろう。---相手の言葉を聞いたサラは『…捜査が思い通りに進まないのはどうしようもないよ、誰も悪くない。』と答える。どれだけ経験豊富なベテラン刑事であっても、捜査が思い通りに進まないというのは往々にしてある事なのだ。今回の件で焦っているのは分かるが、戻って来られなかったのは相手のせいではないと。『分かってる。…けど、署内でもここ数日警部補への風当たりが強かったのは確か。今日で収まれば良いけど…』相手の言葉に同意を示しつつ、署内の空気は良いものでは無かったという事だけは事実として伝えておき。節目の今日を過ぎて、明日から記者も世間の話題も、全て別の所に移れば良いと。 )








 

4157: ベル・ミラー [×]
2024-03-08 13:26:22





( 此方の思い通りに事件が起きる訳でも、此方の思い通りのタイミングで犯人が逮捕出来る訳でも無い。加えて捜査中は何があるかわからないのだから彼女の言う通り“どうしようもない”のだと理解はしているが時期が時期なだけにどうしても自戒の気持ちは消えず。「捕まえたら、出来るだけ長い時間刑務所に入れてやる。」と、権限など無いに関わらず公私混同を投げ遣りに吐き捨てて。相手の言う通り矢張りあの記事も、報道も、署員達の中では大きな塊として燻り続けて居たようだ。全員がそれらを全く信じる事無くエバンズの味方__なんて上手くはいかない事は百も承知だが、その空気に晒され続けた彼がどれ程の苦しさを抱えたかは想像出来る。思わず深く重い溜め息を吐き出し視線は下方へと落ち「…例え事実と違ったとしても、世間が警察じゃなくて遺族側の言葉を信じるのは仕方無いと思う。、思うけど……それじゃあエバンズさんは何時まで耐え続ければいいの…っ、」世間への恨み言が漏れたのは、今日で報道も何もかもがピッタリと無くなり話題が他に移るとは考え難いから。__安定剤が効きエバンズが眠りに落ちた頃、早めに仕事を終わらせたダンフォードは相手が眠る病室の前に居た。アダムス医者から数日入院をする事が決まり、相手もそれを承諾した事を聞いて正直胸を撫で下ろす。家に1人で居てまた倒れる事になったら、と思ったからだ。小さなノックの後、静かに病室の扉を開ければ真っ白のベッドの上には相変わらず酸素マスクを付けられ点滴を打たれている相手が眠っており、点滴パックの中身が安定剤だとわかれば少なからずパニックを起こした事が伺えて。__時刻は午後3時を過ぎ、正しくあの事件が起きたその時間。沢山の人の命が一瞬にして散り、セシリアもまた、命を落とした時刻。眠る相手はどんな夢を見ているのか…その正確な時間を知るものはあの時あの場所に居た相手だけで、その寝顔を見ながらダンフォードもまた、やるせない思いを抱えて )






4158: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-09 15:33:17

 






( 彼に対する相手の想いを知っているからこそ、気持ちはよく分かる。きっと相手の言う通り全てが真実ではないのだろうが、険悪な空気の中に居ても、白い目で見られていると分かっていても、彼は其れを否定したり感情を露わにする事をしなかった。矢面に立ったまま、自分を庇う事もせずに矢を受け続けているような______相手の言う通りたった一人で耐え続けているかのようだった。『警部補を見ていて…自分を庇う事をしない人なんだと思った。分かりやすく嫌な空気を出してる人なんて一蹴しちゃえば良いのにって私は思うけど、警部補は見ないふりをするだけ。ベルが代わりに怒ってた理由がちょっと分かったかも。』相手が居ない間、遠目に彼の事を見ていて思った率直な感想を言葉にする。同時にいつも彼の事で、自分ごとのように怒っている相手を思い出して少しだけ困ったように笑うと『ベルも1人で大変でしょ。あんまり焦り過ぎないで、でも早く帰って来るのを待ってるから。』と、敢えて悪戯に少し矛盾した言葉を掛けて。『そうそう、こっちは応援でダンフォードさんが来てるよ。署内の雰囲気が良くなると良いんだけど、』と付け足して。---ふと意識が浮上した時、目に入った時計はあの瞬間と同じ時を指していた。当時の捜査官が銃声を聞いたと後に証言したのは、午後3時26分。何も変わらないまま時だけが過ぎて12年が経ってしまった。耳の奥で連続する銃声が聞こえるかのような感覚を覚えたものの、意識はぼんやりしていた。安定剤の効果に加えて、度重なるストレスや不眠によって免疫が下がったのか熱があるようで身体は酷く重たく感じて。視線を動かせばベッドの隣にはダンフォードの姿があり「……ダンフォードさん、」と小さく相手の名前を紡いで。 )








 

4159: ベル・ミラー [×]
2024-03-10 00:50:54





( __そう、サラの言う通り相手は“見ない振り”をするのだ。それは決して自らの心を守る為の行為では無く何方かと言えば“諦め”。そしてきっと諦めと同じくらい強い“自己犠牲”と“贖罪”。あの事件で悪いのは間違い無く自殺した犯人ただ1人なのに、相手はあの時人質となった人達を助ける事が出来なかった、と言う罪を背負い続け、悪いのは自分だと降り掛かる全てをその身に受け続ける。「…もっと、自分を許して欲しい。」どれだけ願っても今の彼には届く事の無い思いを溢した後は、これ以上暗い気持ちにさせまいと此方を気遣い敢えて悪戯な言葉を選んだ相手の優しさに小さく笑い、「帰りを待たれてるって最高。居場所があるっていいね。」と、同じく悪戯に言葉を返しつつ「__そっか…うん、それ聞いて少し安心した。ダンフォードさんが居るならきっと直ぐに良くなるよ。」思いもしなかった応援相手に僅かに胸を撫で下ろしてはまるで自分にも言い聞かせる様に頷き。それから少しの時間互いに他愛の無い話をし、エバンズの事で何かあれば連絡をして欲しい旨を伝え電話を切って。__ふいに弱々しい声で名前を呼ばれ、視線を向ければ目を覚ました相手が此方を見ていた。安定剤の影響か、褪せた碧眼にはぼんやりとした色が纏っていて意識が確りしているのかも怪しい所。『…嗚呼、』呼ばれた名前に軽く頷き応えては、『まだ寝てて構わない。』と、緩い笑みを口角に携えて )






4160: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-10 22:11:46

 







( 昨晩相手と会った時には言及しなかったものの、相手がレイクウッドに来る予定だという事は聞かされていなかった。だとすると自分が今日の休みを取った事で急遽応援を要請したのだろうか。「_____迷惑を掛けてすみません、…」署での応援業務以上に負担を掛けていると謝罪の言葉を口にしたものの、意識は朧げで苦しそうに息を吐き。本来一番しっかりしていなければならない今日という日に、自分自身が治療を受けているというのはなんと情けない事か。「……妹の目が、忘れられないんです…恐怖の中に、ほんの少しの安堵と信頼が確かにあった______俺たちが来たから、きっと大丈夫だと思ってくれていたに違いない、…其れを、裏切った。」酸素マスクに阻まれて僅かにくぐもった声で、朧げな意識の中不意に言葉を紡ぐ。胸が押し潰されそうに痛い、今はフラッシュバックを起こすほどに鮮明な記憶ではないものの忘れられない瞬間だった。安定剤が効いている為か時折ふと意識が遠のくように眠りに引き込まれそうな瞬間がある。深く息を吐くと目を伏せて。 )







 

4161: ベル・ミラー [×]
2024-03-11 00:09:58





ルイス・ダンフォード


( 相手は朧げな意識の中で謝罪をし、続けてあの瞬間の少しの出来事を話始めた。それは相手の中に未だ絡み付く決して解ける事の無い鎖で、許されない__許されたいけれど、そうであってはならないと思い続けている“罪”。相手の言う通りきっとそうであっただろう。妹だけでは無くあの場で人質になっていた人達全員が警察の姿を見て確かに安堵した筈だ。これで大丈夫、これで犯人は逮捕されて自分達は助かる、と。そう言う人達の目を己も数え切れない程見て来た。『__たった1人、恐怖だけを感じて絶望の中死ぬ被害者は山の様に居る。そんな中で一瞬でも希望があったなら、…お前の姿を見る事が出来たのなら、少なくとも“孤独”では無かった筈だ。』途切れ途切れに紡がれる後悔の言葉、それに返したのはもしかしたら優しいだけの寄り添いじゃないかもしれない。けれどどんなに後悔して自分を罰した所で亡くなった人は__妹は戻らないのだ。薄らと光を集めていた碧眼が瞼で覆い隠されたのを見て、一瞬目の奥が熱くなる感覚を覚えた。どんな時でも相手は楽になる事が無いその事実が無性に苦しくて悔しく感じる。『…代わってやりたいよ、』ぽつり、溢れた言葉は良いか悪いか。勿論己の大事な人が亡くなれば良いとは僅かも思わないが、相手の抱えるその気持ちだけを肩代わり出来たら、とそう思う。可愛い部下の残りの人生、その苦しみを肩代わり出来るのなら喜んで、と )






4162: アルバート・エバンズ [×]
2024-03-12 03:11:26

 






( 結果的には死の直前、妹と視線を重ねる事が出来たのは良い事だったのだろうか。言い知れぬ恐怖と孤独を感じさせるよりも_____例え一瞬でも安堵できた事は救いになったのだろうか。再び意識を手放す間際、相手の声が聞こえた気がした。いつまでも絡み付いて離れない、解放される事を自分自身許せずに居る苦しみを誰かに背負わせる事なんて出来ない。しかし一緒に背負いたいのだと言ってくれる言葉は、時に自分を絶望の淵から救ってくれるのだ。---免疫が落ちている事による熱は直ぐには下がらず、日が暮れる頃にはその症状はより重いものになっていた。浅い眠りの中で12年前の夢を何度も繰り返しながら、熱に加えて肺が炎症を起こしているのか過呼吸を起こしていない状態でも息をするのが苦しい。ミラーからのメールや電話には相変わらず反応しないまま時間ばかりが過ぎていて。恐らく世間では様々な報道がされ、妹の名前や写真が流れ、刑事Aは冷酷な極悪人として注目を集めているのだろうが自分は何もしないまま12年目を終えようとしている。必死に見ないふりをして過ごしていたものの、一度心身のバランスが崩れてしまえばまるでストッパーが外れたかのように状況は悪い方へと転じるばかりで。 )








 

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