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版権(元ネタあり)なりきりチャット
自分のトピックを作る
2521:
恋雪 [×]
2022-11-30 18:32:05
サーシャ「なんか、話せば色々長くなるけど……」
嘉久治「この人が何か知ってるんすか」
素弦「なるほど、致命傷だな…」
黎明「何とかできないのかよあんた」
素弦「生憎そんな器用なことは出来んな」
空狐「……臭うな(変わった匂いを嗅ぎとって袖元で鼻を抑える)」
2522:
赤猫 [×]
2022-11-30 20:08:28
かなめ「余は鬼道かなめ、古から伝わりし焔の鬼だ。そうだな、お前らに分かりやすく言うのならば…此奴の前世の友と言った方がよいか?」
みかり「前世って…え!?花火様の!?」
小雨「てことは、この人も転生者ってこと…?」
かなめ「いや、余は転生者ではない。余は神代時代に生まれ、そして数多の時を過ごしてきた。真夏が死んでからも、ずっとな」
あさひ「えっ…じゃあ、今いくつなの…?」
かなめ「うーん…多分、1500歳くらいかの?途中から数えるのにも飽きたから、恐らくその倍は行ってるとは思うが」
あさひ「せ、1500!?」
寺門「!居たっ…!大丈夫ですか!?(刹に駆け寄る)」
守「な、なんだよこれ…公園が滅茶苦茶になってるじゃねぇか…!」
彩蝶「…なるほど、大体状況は把握したのです(刹に歩み寄る)そこ、退いてください。私が治します」
ガルム『遥輝、気引き締めろよ。コロニー以外に何か得体の知れねぇもんが居やがる。何が起こるかわからねぇ、油断すんじゃねぇぞ』
遥輝「わかってるって!」
2523:
赤猫 [×]
2022-11-30 21:15:27
かなめ「まぁ、そんな事はさておきだ。此奴の先程の力、お主らも見ておったであろう?」
紗雪「あぁ、何やら姿が変わって耳まで生えていた様だが…あれは一体?」
かなめ「あれは余達の世界では神話礼装器と呼ばれるものでな。神話、伝承、伝説、偉人、童話、それらを具現化した正に切札とも呼べる強力な武器。海を割き、天を貫き、神を殺す事も出来る。馴染み深い言い方にすると、『神器』だな。神器にも3つの種類があってな。まず、この様に武器として具現化する武器型(不動明焔神を出す)神器の中でも一番ポピュラーなパターンだ。その次に、術者自身に取り憑く『憑依型』。先程の此奴がやっていたのがそうだ。そして、最後が実際に召喚する『顕現型』。神話そのものを召喚し使役する事の出来る物だ」
小雨「じゃあ、花火ちゃんのあの力はその神話礼装器の力って事…?」
かなめ「あぁ、そうだ…と、言いたいところなんだがな。もう少し詳細に言わせてもらうと、あれは神話礼装器とは全くの『別物』だ」
晃「は…?神器じゃ、無い?」
2524:
恋雪 [×]
2022-12-01 16:03:11
サーシャ「え……別物、なの……?」
素弦「…む」
黎明「君達は……って、さっきの子」
空狐「全く手間がかかる……だが、こうでもなければ面白みがないな(灰色の炎を握ると太刀になる)」
2525:
赤猫 [×]
2022-12-01 18:12:42
かなめ「神話礼装器と言うのは通常、その者にとって力強く残っている記憶から生み出されるものだ。十三階段や転生者が神話礼装器を得ているのもそれがきっかけだ。だが…此奴は違う。此奴は神話礼装器と似て非なるもの…さっき此奴が宿したのは前世の記憶から生み出されたものでは無い。此奴が宿したのは、元から魂に宿っていた『神格権限そのもの』だ」
晃「…は…?神格権限…そのもの…?(目を見開いて驚いている)」
椿「おいおい、神格権限自体を身に宿せるなんて聞いた事ないで…」
彩蝶「(刹の近くに座り込み体にそっと触れる)…なるほど、この程度なら私でも治せるのです」
寺門「えっ…な、治せるって、致命傷を…?そんなの、魔術高専の生徒ができるような事じゃ…」
守「あぁ、そういやお前、東京校との交流会以外で梓ノ昏と関わったこと無かったな。まぁ、見てればすぐに分かる」
寺門「え?」
彩蝶「みんな、出番だよ(掌の上に緑色の夜光蝶が現れ、彩蝶の周りを囲うように次々と夜光蝶が羽ばたいていく)」
守「えっ…ちょ、蝶?」
彩蝶「(刹に手を翳すと、夜光蝶が刹に引き寄せられるように飛んでいき、傷口の所に降り立ち淡い光を放ち傷を徐々に癒していく)」
寺門「!傷が…!」
ガルム『あの扉の奥からだ。覚悟はいいな遥輝』
遥輝「そんなの、最初っから出来てるってのっ!!!おりゃあっ!!!!!(身体強化で脚力を底上げし、扉を蹴破る)」
2526:
恋雪 [×]
2022-12-02 16:48:11
サーシャ「私も聞いたことない……」
素弦「……ほぉ」
空狐「足癖が悪いな、道場破りか」
2527:
赤猫 [×]
2022-12-03 17:22:49
かなめ「だろうな。神話礼装器とは本来、逸話の概念を精神体として具現化させる事を指す。余のこの不動明焔神も然り、余の魂を形作られ生み出されたものだ。神器は魂の形そのもの、転生者なら前世の形が引き継がれ、術者なら思い深い記憶が具現化され、そして神格や妖怪なら魂そのものが形と成す。だが…此奴だけは違う。此奴の魂には本来宿るべきで無いものが宿っている。前世からの業…此奴が宿しているのは、神器などでは無い。逸話や記憶、そして魂を具現化させてるのでは無い。此奴が宿しているのは…神としての象徴、自我を持った魂に宿りし獣、『神格権限』そのものだ」
晃「そんな…そんな事例、聞いた事が…」
かなめ「あぁ、聞いた事が無いだろう。だが、実際にそれを可能とさせる人材が昔居たんだよ。神と人との架け橋となる存在、時には神の言伝を民に伝えし預言者となり、時には神の怒りを沈めるための御柱となり、時には…孤独な神に手を差し伸べる光となり。神性も悪性も、生身の人間が内に溜め込みすぎると害悪的な物となるのは知っておろう?人間の中には、その害的影響を受けずにどちらも体に順応させる事の出来る希少な存在が居た。人は彼等を、『神巫女』と呼んでいた」
彩蝶「(傷が全て塞がると、蝶が彩蝶の周りに戻ってくる)お疲れ様、みんな。よく頑張ったね」
寺門「うそ…傷跡も一切残ってない…」
リーナ「(大鎌を持ってコロニーの前で待ち構えていた)あらあら、扉を蹴破るなんてまるでうちのロアみたいね」
遥輝「えっ…この人って…!」
2528:
恋雪 [×]
2022-12-04 16:49:11
サーシャ「神巫女……」
黎明「凄い治癒能力だな…」
空狐「なるほど、コイツ……Messiah Projectの…」
2529:
赤猫 [×]
2022-12-04 20:16:58
みかり「じゃあ…花火様は、その神巫女の生まれ変わり…?」
かなめ「あぁ、神巫女は神秘に最も近しい存在。今の神格共は自身で神性を制御出来る力を得たものの、当時の神格…特に、土地の守り神達はその膨大な力を御する術を持たず、人間達へ接触するだけで害を及ぼしてしまった。だかその神性を受け止めてくれる神巫女が側に居れば、神格でも人前に出る事が出来たのだ。そして…それ故に、神巫女を巡っての欲深い神格同士の戦も起こっていた。その火種はその地に住まう民達にもばら撒かれ、人間は村の繁栄の為に、神格は自身の威厳を世界に知らしめる為に、目の前の宝に目を血走らせながら血で血を洗う戦いが大昔に行われていた」
小雨「じゃ、じゃあ…花火ちゃんは、その戦争に巻き込まれて…」
かなめ「…いや、此奴の場合はもっと複雑な事情が絡んでいる。そうだな…話は長くなるが、少し昔話をしてやろう。これは、一人の神格が辿った悲劇の物語だ」
守「梓ノ昏は性格に関しては少々難があるが、その実力に関しては特急魔術師候補と謳われるほどの腕を持っている。そして、それと同時にあいつは魔術連盟から天災最有力候補としても目をつけられているんだ」
寺門「て、天災最有力候補!?」
リーナ「貴方達の目的はこの装置の破壊でしょう?悪いけど、まだこれを壊される訳には行かないのよ、ごめんなさいね」
遥輝「な、なんで…Messiah Projectの一人がここに…!」
2530:
恋雪 [×]
2022-12-04 22:32:13
サーシャ「……悲劇…」
素弦「なるほど、確かに素質はあるかもしれんな」
黎明「その話ってそんなサラりと流していい話なの、違うよね、てかアンタ……何もんなわけ、只者じゃないよねアンタも、つか人間ですらないよねアンタ」
空狐「いること自体は不思議じゃない、連中も全員こちらに来ているのだからな」
2531:
赤猫 [×]
2022-12-05 09:27:12
かなめ「遥昔、神代戦争により焼け野原となり廃れてしまった大地に一人の神格が降り立った。なんの手違いかまだ幼く真名すらも授かっていなかった未熟な神格は、突如として落とされた見知らぬ世界に恐怖し、訳も分からぬまま頭を抱え一人蹲り未知の恐怖から必死に目を逸らそうとした。
そこで、ある人間達に声を掛けられる。そのもの達はかの神代戦争により生まれ育った故郷を無くし生きる希望を見失っていた者達だった。運命の悪戯か、食物にありつけずに野垂れ死ぬ寸前だった所に天からその神格が舞い降り、藁にもすがる思いで人々は神格に恵みを求めた。
見兼ねた神格は、自らの神格権限を使い人々に大量の食物を与え、焼け野原となった大地を自然豊かな草原へと変え、人々が満足して暮らせる土地と家を全て用意した。
人々は彼女に涙し、『貴方こそが我々の神様』だと跪いた。
彼女は理解した。これが、これこそが神格としての役目なのだと、迷える人々に手を差し伸べ導く事が神格としての在り方なのだと、そう理解した。だが…それこそが、間違いであった」
みかり「え…?」
かなめ「彼女は未熟であるが故に、純粋無垢であるが故に、人々の全ての願いを叶える事こそが神格であると勘違いしてしまった。病を直して欲しいと願う者には万能の薬を、老いを無くして欲しいと願う者には不老の体を、死んだ家族と会いたいと願う者には魂の蘇生を、そして…莫大な富を願う者には世界を牛耳る程の権力と財産を、死なない体を願う者には不死の体を、何者にも劣らぬ力を願う者には一国を滅ぼせる程の力を、人々の願いは徐々に歪み、次第に彼女は人々に救いを与える救世主から個々の欲望を叶える為の道具と成り下がっていった。そんな事は露知らず、欲に塗れた人間達から偽りの信仰を集めながら、彼女は嬉々として人々の願いを叶え続けた。全ては、人々の幸せな未来の為に。神格として、人々の役に立つ為に」
2532:
恋雪 [×]
2022-12-05 13:18:29
嘉久治「そんなことって……天界とかは見て見ぬふりなのか……!?」
グレン「……神代の戦争においては天界側も甚大な被害を被ったらしいからな……その神格が地に落ちたその後の面倒を見る余裕はなかったんだろう……それ故に、利用され放題だったということだろう」
サーシャ「っ…」
2533:
赤猫 [×]
2022-12-05 14:01:19
かなめ「あぁ…そして、事態は神々の思わぬ方向へと進んでいってしまうことになる。たった1人の無垢なる名無しの神によって、世界は欲望渦巻く混沌の時代へと足を踏み入れてしまった。このままでは世界の調和が乱れると悟った当時天界の管理者であった主神ゼウスは、自らの神格権限を使い彼女が叶えてきた願いを全て消し去り、彼女に願った者達に神罰を与えた。
人々は苦しみ悶え、絶望し、そして呪った。何故我々がこんな目に会わなければ行けないのか、幸福を願う事の何がいけないのか。怒り狂った人々は彼女の願った。「全てを奪った天界の神に裁きを下してくれ」「神々を殺してくれ」「人類の怒りを奴等に思い知らせてくれ」「人類の為に復讐を果たしてくれ」「そして願いを全て取り戻せ」、そんな怨念に塗れた願いが彼女の元に無数に届いた。
彼女は漸く気づいた、自分が作った楽園はこんなに醜い欲望に満ち溢れていたのだと。正しいと思っていた行いは、全てこの世界を狂わせてしまう要因になってしまっていたのだと。
彼女は逃げ出した、この呪いの渦に巻き込まれないように。彼女は絶望した、皆の幸福の為に作り上げた理想郷は全て幻だったことに。彼女は後悔した、考え無しに全ての願いを叶えてしまった事に。彼女は、涙を流した。自分は皆に救いの手を差し伸べる神様として敬われてたのではなく、人間達の欲望のままに踊らされる都合のいい操り人形として見られていたのだと。
けど、それでも、彼女は人間のことを嫌いになれなかった。皆がみんな、悪い人達ばかりでは無いことを彼女は知っていた。
あの時右も左も分からなかった彼女に家族みたいに接してくれたあの人達との思い出だけは、決して偽りではないと。あの笑顔は、あの時間は、あの思い出は、あの温もりは、何があっても本物だと、そう信じ続けた」
2534:
恋雪 [×]
2022-12-05 14:08:03
グレン「…………(目を細める)」
2535:
赤猫 [×]
2022-12-05 15:14:27
かなめ「…だが、そんな淡い希望すらも打ち砕く程に、世界は残酷である事を彼女は思い知った。
願いを叶えずに逃亡したことに憤怒した人々は、『神格狩り』と称し天界の神々だけでなく彼女にまで牙を向けてきた。戦う術を持っていなかった彼女は、必死に逃亡も虚しく人間達に追いつかれ捕らえられてしまい、神格権限を使う事を強制させられる。だが、彼女はそれでも神格権限を使うことを拒んだ。これ以上世界を狂わせては行けないと、彼女は必死に人々に抗おうとした。
その様子を見た群衆の主格が、彼女にはもう利用価値がないと見限り、天界の神々への手土産として彼女の首を晒してやろうと言い出す。
彼女の希望は、そこで打ち砕かれた。その主格こそが、家族の様に彼女に寄り添ってくれた、かけがえのない思い出をくれた、偽りだらけの世界で唯一信じていたかった、あの恩人達であった」
清春「えっ…!」
みかり「そんな…そんな残酷なことって…!」
かなめ「彼女の首に刃を向けるその瞳には、かつてあった優しい光は存在しておらず、憎悪と欲望だけが渦巻いていた。
最初から利用されていたのだと、本当は気分を損ねないように煽てられていただけだと、普通はそう思う所だろう。
だが…彼女はそれでも人々を憎もうとせず、世界を狂わせた自分自身を憎んだ。
自分が神格権限を乱用しなければ、神格権限なんかに頼らず共に手を取り合い共存の道を歩んでいれば、きっとこの人達は優しい心の持ち主のままでいてくれたんだろう。願いを叶えなければ、みんな狂うことなんてなかった。欲望に取り憑かれることなんてなかった。この世界で一番欲望に塗れていたのは、人間でもなく、天界の神々でもなく、大した努力もせずに人の夢を全て叶える事で楽園が出来るんだと思い込んでいた、自分自身であったことを彼女は思い知った。
抗う事を辞めた彼女は、周りから投げ掛けられる罵詈雑言も、自分の首目掛けて振り下ろされる凶刃も、全て自分への罰なのだと受け入れ、抵抗せずに死の瞬間を待ち望むことにした」
紗雪「…その後、その神格はどうなったのだ?」
かなめ「首を跳ねられる寸前の所で、彼女の幼馴染である狼の神格が天使達を連れて助けに来たのだ。その場に居た人間達は救済の余地無しと見なされ1人残らず天使の手によって処刑され、狼の神格は放心状態の彼女を連れて天界へと戻って行った。
それ以降、彼奴は人間に対して不信感を抱く様になってしまった。神格として十分な力を身につけ『白継之御霊』という真名を授かり、土地の守り神として再び地上に降り立ったあとも、人間と極力関わらないように村には降りずに神社に留まりつづけ、人と関わる時は神格だとバレぬよう神社の巫女を装い、神としての役目を果たす時も村人達の目につかないように密かにこなしてきた。
昔よりも神と人が共存しやすい時代になったと言うのに、それでも人間と関わりを持とうとしなかったのは彼奴ぐらいのものだ。彼奴と対等に話せる存在など、余と彼奴の幼馴染しか居なかったからな。まぁ、これが余の知る白継之御霊の生い立ちということだ」
2536:
恋雪 [×]
2022-12-05 15:21:29
グレン「…………なるほどな」
サーシャ「…………っ」
2537:
赤猫 [×]
2022-12-05 15:40:58
かなめ「…だが、そんな人見知りな神格でも、唯一心を開くことの出来た人間がいた。その者の名は『坂口 真夏』。其奴の前世の名であり、白継之御霊が神格権限を投げ打ってでも再び会いたいと願った存在だ」
2538:
恋雪 [×]
2022-12-05 15:51:11
サーシャ「神格権限を、投げ打って…………」
2539:
赤猫 [×]
2022-12-05 16:20:53
かなめ「昔、彼奴が統治していた安曇町という商業の町があってな、真夏はそこの町長の孫だった。
好奇心旺盛で彼奴と友達になりたいなどと言う相当の変わり者でなぁ。巫女を装った状態で町長からその話を聞いた時は思わず苦笑いしか出来なかったそうだ。
それを聞いた余がその時の状況を想像して爆笑してあの狼の神格に叱られたなぁ。
しかも、その日の夜に山中で迷い込んで来た妖怪を追っ払ってたら、偶然、真夏とバッタリ会ったらしくてな?咄嗟に幻術で巨大な狐の姿に化けて追い払おうとしたら、真夏の奴、怯むどころか「わぁ、本物だぁ!」って言って抱きついてきたらしいぞ?
結局真夏の強烈な押しに根負けして、村の人達には秘密にする事を条件に神社に遊びに来ることを許したんだと。そして、余達も真夏と仲良くなり、最初は関わる事に否定的だった彼奴も次第に真夏と打ち解けていき、気づけば彼奴にとって真夏は切っても切り離せない存在となっていた」
2540:
恋雪 [×]
2022-12-05 16:28:09
サーシャ「…………」
グレン(…なるほど、話の筋が読めてきたな)
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