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愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた__指名式、BNL/560


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476: 第六皇子リヒャルト [×]
2021-12-16 01:28:23


>>フィリア姫(>>475)

…………、
(応急処置に必要な道具を箱にまとめて診察台へ振り返った刹那、ぎょっとしたように目を瞠りながら眉をしかめる。視線の先には使用人の服を着たお姫様、その白く華奢な手の甲には人に咲く筈のない黒百合――どう見ても装飾の類ではなく体内から伝って咲いているそれを躊躇なく毟って捨てた様子に第六皇子が感じたのは……「 ……ああ、 」リヒャルト様、と名を呼ばれたことに辛うじて返事を。普段大きく起伏することのない感情は焦りを始めとする情動に揺さぶられていたものの、お姫様の冷静な声と助けを求めて弱々しく鳴く愛猫――厳密には野良猫である彼女には相応しくない肩書ではあるが――の鳴き声に混沌としていた脳内は確実に片付いていき徐々に平静を取り戻し。診察台の上に大人しく身を横たえる彼女と目を合わせて静かにまばたきをしたのは、猫相手にリラックスを促すTips。物言えぬ動物が確かに何かを求めてじっとこちらを見つめる瞳は何にも変え難く愛おしい――そう、皇子という立場に媚びるだけの人間の浅ましい視線とは雲泥の差。「 大丈夫だから 」ふわり、語りかけた声色はきっと兄弟たちでさえ数えるほどしか聴けた試しのないほど慈愛に満ちていて。そこからは見様見真似ではあるものの手際良く診察を進め、真剣な眼差しをノワールに注いだまま「 ……うん、骨折も脱臼もしてない。多分捻挫だね 」傍に控えてくれているであろうお姫様へも聞こえるようにと律儀に声を張ったのは、大切な彼女の窮地に救いの手を差し伸べた恩人だと認識しているから。患部への急激な血液の流入を緩和し炎症を抑えるためのアイシングと圧迫を済ませ「 3日は安静にしていないとだめだよ。……あんまり心配かけるなよ、ノワール…。 」使用人としてこれまでのリヒャルトの姿を見守ってきたという記憶が植え付けられているのだとしたら、これほど愛情に満ち満ちた彼を俄には信じられないだろう。他の兄弟に勝るとも劣らない深い愛を心の底に秘めた六男、その矛先は未だ人間に向いたことはなく動物たちへ注がれるばかり。適切な処置を終えて安堵したのか診察台に両手を付いて項垂れるように深く吐息を、少しの沈黙の後にゆっくり姿勢を正してお姫様へ向き直り。照れくさそうに少しまごついた様子を見せるが一拍の後に腹を括って真っ直ぐに金色の双眸を見つめて「 姫――――フィリア、だっけ。ノワールを見つけてくれて、……ありがとう。心から感謝する 」誰かに面と向かってお礼を言うなんて、随分久しぶりのような気がして言い終わるなりすぐに視線を逸らして。自分の意志ではコントロール出来ない幼稚な羞恥心から頬に朱が差してゆくのを止めるすべは持たず、斜め下の床を見つめたまま)……何かお礼がしたいんだけど。



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