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1425:
秋天 [×]
2024-08-28 02:35:15
>クォーヴ (>>1421 )
( 淀みなく告げられた褒め言葉がくすぐったくて笑みが溢れる。続く問いかけには微妙な表情を浮かべ「そうかもね……。僕は血の繋がっていない女性に育てられたから、出自にまつわることはよくわからないんだ」と悲観的でも気まずそうでもなく、ただ事実を語っただけという平坦な調子で言葉を返した。僕は自分の出自があやふなことを本当になんとも思っていない。僕の人生で起こった悲しいことといえば、ついさっき母を失ったことのみであった。僕がはぐらかした内容に心を砕く姿を見ると内心小さな後ろめたさを感じてしまい、ただ黙って彼の話に耳を傾ける。おいで、の言葉に首を傾げると何もない空間からコミカルな音と共に生き物が現れて、そのわけのわからない事象をただあんぐりと見つめた。艶のある真っ黒の体が照明の下で青い光沢を放っている。死と不吉を司るその鳥に視線を奪われて、使い魔がどうとか部屋の外は危険だとか、気になることはたくさんあったが「……魔法?」僕の口をついて出たのはそんな台詞で。相も変わらず微笑みを称える男性の瞳をうかがうように覗き込むと、「わかった。ありがとう」了承の意とエスコートに対する礼を告げ差し伸べられた手をそっと握る。背の高い彼に先導されて一歩、部屋の外へと足を踏み出した。
──寒いのとは違う。なのにやたらと冷たい感覚に全身をつうっと撫でられて、それがいやに恐ろしかった。この空気を吸い込んだ者は少しの緩みも許されないのだと肌でわかる。きっとその決まりを察することのできない者から凍り付いて滅びるのだ。月明かりが差し込む薄暗い廊下をおずおずと見渡す。まるで暗黙の了解という名の砂で積み上げられた城のようだと思った。求められる行動を常に読み取って、それを差し出さなくてはならないような緊迫感がある。言われなくたって一人じゃ出歩けないなと心の中で呟いて、それを悟られないよう平然と歩くことに神経を注いだ。そうでもしないと今すぐにでも背中が丸まって、すぐそばに己を狙う怪物か何かが潜んでいるような歩き方をしてしまいそうだったから。繋いだ手からその恐怖心が伝わらないよう自分を叱りつけて前を向き「……さっきの子、名前は?」緊張に耐えかねて口を開く。普段がどうかは知らないが、このときの屋敷は音を忘れたように静かだった。)
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