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1327:
レオ [×]
2024-07-24 00:41:50
>レオニダス(>1324)
……そうか。
(彼の微笑みが迷いの色を打ち消し、表情がふっと和らぐ。「揺り籠……」それから言い聞かせられる言葉通り少しずつ身の力を弛めれば、緩やかに頭は腕の内へと包まれすっかり彼を見上げる体勢へと。己を確と支える頑強な腕、そして春の夜風を思わせる静謐の声が、“この内は安全だ”と意識の奥に刷り込んでいくような、何とも言えぬ感覚に身の内を擽られる思いでもぞもぞと身動ぐ。……落ち着くようで、落ち着かない。再度思考に去来する悩みを払うは、またも彼の例え話。「……そう、だな、」思い浮かべるは狼、或いは山猫。その親に慈しまれる獣の子供達。それらは確か、「…もっと母親に任せきりで、身を擦り寄せていた。」問い掛けへの答え。しかしそれは自分自身に標を示す呟きでもある。――話す間に、自ら落とした言葉が単純な思考に沁みて強張りをじわじわと解く。預けきった頭に触れる柔らかさもそれを手助け、僅かに浅かった息は肺の底から吐き出されて、「……うん、」安堵に目を伏せる。掘り起こした山を生きるもの達の仕草を真似て、彼の身へと頬を擦り寄せてそのまま凭れていけば、冷たい筈の肌から温もりを感じる気がして。「……レオニダス、」それでも理性なのか本能なのか、外界への注意を何処か外れきれない箍。それに一瞬ばかり眉を寄せた後、静かに彼を呼ぶ。「もう少し、撫でてくれるか。」甘える態勢は一先ず出来上がっている。しかし“心底”というにはまだ足りない。その深みへ沈む助力を求めて、過去一度も口にした事の無いような、自分自身さえ違和のあるらしくもない台詞での願いを、綻びかけた伏し目のままに告げる。)
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