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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1582


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1257: ニール・グレイ [×]
2024-07-07 14:00:13



>クォーヴ(>1253


(挨拶を言い終えて漸く立ち上がった折、真っ直ぐ駆け寄る姿に応えるように自らも彼の方へ歩む。己への眼差しとは対照的に、此方は頬を包むひんやりとした優しく心地好い掌の感触へ機嫌良く目を細め、「大丈夫、何ともないよ、クォーヴ。…うん、貴方も無事みたいだねぇ。」そのままもう一度眠ってしまいそうなほど気の抜けた言葉で、心身共の無事と彼への安堵を伝える。――その直後、何かが擦れる微かな音を彼と同時に捉えて。向いたそちらに黒い手紙を見付け、疑問に見やって交わる彼からの視線に大人しく頷く。覗くまでもなく読める位置へ運ばれた手紙の内容に、それまでの笑んだ色がすとんと抜け落ち、「……ふぅん、」零した声からも温度は消える。ただ瞬きさえせず文面を凝視する瞳だけに、今にも噛み付き八つ裂かんばかりの激しい何かがなみなみ湛えられて。「変なお遊び、考える子が居るんだね。」がち、と一度強く牙を鳴らして見上げた砂時計。渦巻いた感情の余りに人らしさを繕えないケダモノは、冗談めいた感想を機器じみた平坦な声で呟く。それから改めてこの部屋の内をくるくる見回して、互いと砂時計の他に何も無い事を確かめた後。「舌かぁ……」自らの唇の両端を指先で揉み、その内に仕舞われたそれをもごもごと蠢かせた次、「……クォーヴ、大丈夫?」口許を離れた両手は、己がしてもらった仕草と同じように彼の頬へそっと添う。そのまま彼の心中を想い測る問いにも、ゆらり滑らかに首を傾げて顔を下から掬い窺う間近の淡紅にも、眉を垂らした心配と憂慮が目一杯に溢れていた。)




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