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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1578


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自分のトピックを作る
1548: グルース・リヨン [×]
2024-10-26 22:59:55



>レンブラント(>1546


(血統に相応しき振る舞いに向けられるものは羨望、嫉視、はたまた“出来て当然”という悪意無き威圧――そのどれでもない敬意を示した彼を見る瞳は大きく見開かれる。「……そんな事、初めて言われたね。」何度も瞬きながら発した声も些か呆けて、その言葉が偽り無いものである事を物語る。それから柔く崩れた頬が素直で幼い喜びを滲ませた後、再びすっと澄んだ微笑みを整えて、「……ならば。その言葉に恥じぬ羽ばたきを、この先も。」凛と優雅に、片足を引いた仰々しい程の一礼にてその敬意へ誓ってみせる。軽やかな音に顔を上げれば、そこには一冊の図鑑。己よりも優に一回りは大きい手の上に開かれたその本を現した意味を知れば、ふっと驚きを嬉々と弛め、「ふふ。それじゃあ、上の子から順にお教えしようか。」此方からも半歩彼に身を寄せ図鑑を覗き、それに手を伸ばす。「一番上の雛鳥……次男はエグレット、まだ九つだけれど、向上心と求心力に優れている子だ。長女がシーニュ、彼女は手先が器用で、物作りが得意な淑女。三男がピジョン…彼はとても細やかな感性を持っていて、美しい詩を綴ってくれる。」ぱらぱらと捲っていく頁から抜き出すのは、まず年長の弟妹――カリスマたる白鷺、技術家の白鳥、詩人の鳩。ただ記される画を指すだけではなくて、一人一人讃える言葉を添えるのは、家族をついつい甘やかす“世話焼き”の性分故に。「それから次女と三女のアルエットとシュエット…彼女達は双子でね、歌もお喋りも息ぴったりなんだ。そして最後の四男がイロンデル。…この子は最近やっと歩けるようになったばかりだね。」続いては年少――阿吽の雲雀と梟、それにまだ殻付きの燕。頁に描かれる一羽一羽、示したその指で絵の頭をなぞる仕草と共に注ぐ視線は、とびきり愛おしげに甘い。「……これで全員。どの子も皆眩い黄金の翼を纏う、僕の大事な子さ。」ふっと彼へ戻した瞳はまた穏やかに凪ぎ、紋章たるグリフォンと弟妹の持つ色彩に絡めた言葉を締め括りに、頁から手を下ろす。――慰めるような彼の声。しかしその内容が示す事を正しく汲み取ったその瞬間はっと息を呑み、微かに強張る顔で彼を見詰めた後に、「それは、……そうだね。僕はあの子達に、怖い思いも痛い思いもしてほしくはないから。それに……」もしや、彼ら彼女らも。過った思考に視線を逸らし伏せ、応答する音は平然を取り繕って絞られる。しかし、「同じ場所に居るのに、守れない方が、余程――」大切なものが其処に在るのに、指も届かず奪われる。そんな状況を子細に想像した――或いは“思い出した”ように、続く言葉を閉め切った唇は戦慄いて、頬は蝋の如く青褪めて。短い爪が食い込む程両手の拳を握りながら、爪先に落とした目の内に揺れた怯えの雫を振り切らんと顔を上げた直後、視界に入ったのは一羽の烏。同時に聞こえた指示にその使い魔と見合わせたような同じ動きで彼を見上げて、「……素敵な心配りを有り難う、サー・レンブラント。君は随分優しい方だね。」此方へ向けられたものが先の寂寥への答えだと知って、表情も声も暖められて綻んで。「おや、それは大変だ。僕で良ければ相談に、と進み出たい所だけれど……僕自身は、弟妹達との仲違いにとんと縁が無くて。サー・エグレットが僕と競いたがる事は多かったけれどね。」見付けた共通点に面持ちは何処か華やいで、その物言いは喧嘩した弟妹の仲裁に入るような寄り添いを持って、けれども少々戸惑う色も垂らす眉に滲ませる。「……ああでも、一度彼に“何でも出来てズルい”なんて拗ねられた事があったね。その時はいつもより沢山褒めて、頭を撫でてあげたな。あの子が出来る事を一つ一つ一緒に数えて、君は凄い子だって……随分前の話だから、あんまり参考にならないかな。」沈黙を落とした数秒の次、探った記憶の箱から取り出したエピソードの一欠片を例には出したものの、今よりも幼少のその話が、すっかり成人を過ぎているだろう悪魔の兄弟に当て嵌められるとも思えず、言葉を終えた微笑みには苦みが増す。「…ふふ。それにしても、優しい君にそんなに大事に想われているその子の顔、僕も見てみたいな。」それからまた柔い吐息を零して紡ぐは、困っている様子の彼を励ます糸と、“弟”という存在に抱く慈しみの糸。その二つをゆったりと織り込んだ興味を口にして、「君さえ良ければ、今度ご機嫌を窺ってきてはくれないかい?」まるで、仲直りを促す兄のように。目の前の兄弟がまた話せる切っ掛けに、自身の話題を差し出す形で案を掲げ、己は緩やかに首を傾げて見遣った彼の返答を窺う。)




1549: グレン [×]
2024-10-27 09:53:06





>キルステン( >1547


でも、持っている物が分からなければ一先ず話は聞いて貰えるでしょう?
( 下手をすれば悪意を持っていると捉えられかねない語調だが、詰められているように感じる事が無いのは彼の性質故であろうか。同意を示すように小さく首肯を一つしてから、緩い笑みと共に “ 違うかな? ” とでも言いたげに首を傾けて見せて。そんな事をしている間に用意されたグラスの縁に添えられた見た事の無い果実のような物をマジマジと見詰めていれば耳に届く言葉から察するに、ミルクとガムシロップのような物らしい事が容易に想像出来。特段苦味に弱い訳では無いが、初めて見る物に興味があるのも事実。ほんの少しだけ絞り入れてからストローでくるくると軽くかき混ぜてから一口飲み込めば、人工的な甘みよりやや柔らかな甘味に口元を緩めて。先程までの真剣な表情から一転、目元を細めた笑みを浮かべて 「 ふふ、そう言って貰えると嬉しいな 」 お似合い、それが喜ばしく感じるかはきっと人によるのだろうが少なからずこの自己肯定感の低い男からしてみれば、褒め言葉以外の何者でも無く。少なからず今夜の願いに関しては助力をしてくれるらしい様子に安堵の息を漏らし 「 うん、ハイネ相手なら僕から払えるものもあるから、そうしてくれると助かるよ 」 きっとあのダークエルフの事、又借りの対価を求められる事もあるだろうが然程難しい事は要求して来ないであろうとの考えだが果たして。立ち上がる姿をぽかんとした表情を浮かべたまま見詰めるのは予想だにしていなかったから。けれども扉までの道中の言葉にくすりと小さな笑い声を漏らして 「 きっと物凄い顔をするだろうなぁ 」 稀に垣間見せる独占欲から予想するに、渡さずとも己が持っているだけで不機嫌になるだろう事が目に浮かぶ。グラスを満たす珈琲を半分程まで飲み切ってから立ち上がり、片付けを始めようとする使い魔たちに思い出したように 「 戻ってきたら飲むから、置いておいてくれると嬉しいな 」 なんて声を掛けてから部屋を出ていく彼の後をついて廊下へと。屋敷へと拐かされてから部屋を出たのはハイネの温室へと行ったあの一度きり。見渡しても見覚えのあるどころか景色に大差無く思えるのは不可思議な力によるものか。先を歩く彼との間をなるべく開けないようにしながらも物珍し気に辺りへと視線を巡らせながら歩を進めて )





1550: レンブラント [×]
2024-10-27 13:00:45



>グルース(>>1548)


君に追い風が吹きますように
(綿菓子を軟らかな糸に変えたような髪をそっと撫で、鶴の高潔な誓いに悪魔から返すのは期待も心配もなくただ祈りだけ。髪に触れていた手を彼の肩へと緩やかに滑らせ「 ちょっと疲れたな思たら俺の肩に留まりい。休む場所もない大海原を孤独に行かせる気はあらへんよ 」トン、と労うようにまだ華奢な肩へ手を添え黒薔薇の鳥籠に囚われた彼の止り木へとちゃっかり立候補。正直なところ、順繰りと紹介されてゆく雛鳥たち一羽一羽よりも今触れられる距離に在る至極甘やかな声と表情で囀る彼にのみ興味の矛先は向けられているが「 ふ、みんな可愛らしなあ。お小遣いあげたいわ 」可愛いと感じるのは自慢げに弟妹たちを語る彼も等しく対象に数えられ、裕福な生まれゆえ金銭の施しなど必要ないと理解していながら駄洒落のつもりで微笑ましく自身も最後の頁の鳥――燕の絵をそっと指先でなぞり。さて小手調べのつもりだったが雛鳥を引き合いに出すことで無欠に見える彼が容易に心乱される事を瞬時に学習すれば「 ……君の翼が届かん場所もある。俺らが万能ちゃうンと一緒や 」未来に起きてしまう事を恐れているのか、はたまた過去に起きた変えられない事象を回顧し唇を震わせたのか。異界の月の下、自らを喰らうかもしれない異形を目の前にして悠然と礼をした彼からは今一つ想像出来ていなかった弱さの片鱗を垣間見れた事に悪魔の内心は色めきだつも表情も声色も神妙なそれのまま「 素敵な君のきょうだいや、いつ黒薔薇に目ぇつけられるか分からん。もちろん茨が及ばん事もある、けどもし…そうならんかったら、 」図鑑を傍に置き、空いた両腕にて緩慢な動作で小さな彼を抱擁する。兄が弟を慰めるように、或いは悪魔が甘言で人間を誑かすように、すべての災厄から彼を守る盾のように、或いは退路を断ち自らの手中に収めんとする壁のように。とん、とんと彼の背をさすりながら静かで優しい声にて「 気に掛けるわ。怖い思いも痛い思いも、出来る限りせんで済むように 」闇の中にこそ安らぎを見出させる悪魔はそう告げた後ゆるりと腕を解いて、くるり踵を返せば窓に背を預けるように体勢を変えて腕を組み「 はァー……ほんまよう出来た兄ちゃんやね、君。それ素直に聞ける白鷺くんも凄いけど 」そもそも人間と悪魔では目下の者の慈しみ方が異なるのだろうが、語られた過去はまさしく目上の者の模範たるに近いものなのだろう。感心したようにしみじみ長く吐息して、真に求心性に秀でるのは彼の方ではないかとすら思えてしまう。いずれにしても彼の甘いやり方は悪魔兄弟に効果的なものではないけれど、それでも弟の敗北を煽る際に使えそうだと半ば無意識に思考している最中に当の本人に話題が移ってしまえば困ったように低く笑って「 君の事、素敵な子やと思っとるんよ。せやからホンマやったら独り占めしたいンやけど? 」蛇のような流し目はしかし爬虫類には無いしっとりとした情熱を底光りさせるように彼を見つめて)




1551: キルステン [×]
2024-10-27 13:04:39



>グレン(>>1549)


そう、イイコだからキビキビついて来なさい。ホントはアンタを連れ回すのだって気が引けるんだから
(自身の使い魔に片手間に命じたものとはいえ、出したお茶を無下にされないのは矢張り好ましい。背後から聞こえてきた使い魔への小さなお願いに背を向けたままふっと微笑み、厳かながらも上機嫌の滲む声色にて後ろに追従しているであろう彼へとお小言に似た忠告を。あの特別製の錠、部屋を満たす彼を雁字搦めにするような魔力であの部屋は最早獲物の檻から特製の軟禁室へと変貌を遂げているように感じる。そこからたった一つの閉じ込める対象を連れ出したとなれば部屋もその創造主も心中穏やかではないだろう。面倒事は御免被るがいくら好かないとはいえ同胞に不愉快な思いをさせる事も御免だ、そんな逸りに似た心地から歩行のテンポは普段よりも早く。ふと頭上に気配を感じてちらと高い天井を見上げれば短くため息を吐き、ネイルでより長く見える指先で上を指し示し「 ホラご覧。ちんたら歩いててあんなのに囲まれたらその指輪があっても五体満足じゃ済まないわよ 」あの部屋から出たのにハイネの魔力に付き纏われているような気がしていた、その元凶且つ正体は彼の左中指にこそあったのだと部屋から十分に離れて漸く気付いて。まるで早く寝ないとオバケが来るぞと子供を緩やかに脅かすように引き合いに出したのは丁度出現していた理性なきバケモノの存在。音もなく天井を這いまわる影のような靄をまとう蜘蛛は映画館のスクリーンを覆えてしまうようなおどろおどろしい巨体でじっと怪物と獲物を見下ろしており「 怖けりゃアタシの服の裾でも握ってなさい 」いかに巨大なバケモノでも怪物に敵わない事は皆理解しているため人魚と共に在る限り手を出してはこないだろう。自身はそう分かっているからよいものの、見慣れないバケモノに彼がどう感じるかは想像に難くなくつっけんどんながらもそれに寄り添う姿勢を見せながら幾つかの階段を降りていき)




1552: グレン [×]
2024-10-27 14:44:35





>キルステン( >1551


ある程度自由に過ごす事は許されているから、そんなに気を張らなくても大丈夫なのにな
( ややむくれたような声で紡ぎ出す能天気とも捉えられるだろう感覚はどれほどあの部屋を一人の魔力が満たしているのかを知らないからこそ。けれども彼が言わんとしている事も分からないでは無いために歩を止める事はせずに廊下を進み続けるも辺りを見渡しながら歩いていたためか、それとも歩みを進める彼のペースが早いのか、気が付けばいつの間にか部屋を出た時よりも開き始めた距離に気が付きつつも焦る事をしないのは指輪に守られている、そんな思考が強いため。指差された先の天井へと素直に視線を持ち上げればそこに居る巨大な蜘蛛を視界に捉え。本来であれば恐怖を覚えるところなのだろうが、それを感じるどころか内心落ち着いているのはダークエルフのお気に入りたる自覚があるからか 「 ふふ、ありがとう。でもキルステンと一緒なら安全だろうし……万が一の事があってもハイネが飛んでくるよ 」 左手の中指に嵌る指輪へと軽く口付けを落とし、服の裾を掴むまではしないものの僅かに開いた彼との距離を埋めるために小走りに近寄って半歩程後ろの辺りで 「 そういえば、今ってどこに向かってるか聞いても良い?屋敷の中に何があるとか全然分かってなくって 」 部屋の中にいれば安全、外に出る時は誰かと一緒に。そんな約束を愚直に守っているがために主な生活圏は自身のテリトリーたるあの部屋のみ。それに加えて屋敷の設備に関する話を誰かと交わした記憶も無い。へらりとした笑みを浮かべながら首を傾けて )





1553: キルステン [×]
2024-10-28 16:43:13



>グレン(>>1552)

世間知らずなガキみてえなコト言ってんじゃないわよ。大人同士は色々気ィ遣うモンなの
(ここは大いなる魔力に護られた自室の外にもかかわらず些か緊張感に欠ける彼の様子に呆れたように大袈裟な溜息を。彼の外出を〝大丈夫〟と捉えるかどうかは彼ではなく飼い主が決める事、もし彼が絶対的庇護者を持たない他の獲物と同様の立ち位置なのであればあれこれと好きに連れ回せるのだがよりにもよって囲い主はあの執着気質なダークエルフ。ハイネもそのお気に入りの獲物も自分から見れば腫れ物に近い存在であり可能な限り関わりを避けたいと感じるのは当然の事、しかし依頼を引き受けたのは少なからず彼のエゴたっぷりな願いの中にも無垢な健気さを感じ取りその気持ちは応援してやりたいと思ったからで「 ったく…。次グズグズしたら強制首根っこ鷲掴みの刑よ 」ちらと肩越しに背後の様子を窺えば指輪にキスする姿を丁度目撃し、よく懐いたものねと軽く肩を竦める。彼がしっかりと自分との距離を縮めた事を確認してから前方を正視、この見目麗しい人間がハイネに依存に近い全幅の信頼を置いている事は充分理解できた――どれだけハイネが彼を甘やかしているのかも何となく想像がついて「 きっとハイネは激しく親馬鹿になる男でしょうね。周りの方が躾にあれこれ気を揉むタイプの厄介な親馬鹿 」必ず守るからとたっぷり甘やかす余り、子の健全な危機感を養えず面倒を見る羽目になった周囲が疲弊する――そんなイフを容易に想像できてしまえば実現する夜は来ないであろうと理解しているため冗談めかしてカラカラと笑い「 終わらない廊下、ループする階段、扉だって無限に存在するってのは知ってるでしょ?とびきり運が良い夜はね、どっかの扉がステキな場所に繋がったりすンのよ。勿論黒薔薇のテリトリー内限定だけどね 」階段を降り、廊下を曲がり、それを何度か繰り返して立ち止まったのは何の変哲も装飾もない、獲物の部屋と全く同じ意匠の扉の前。自慢気にコン、と扉を一度叩いて「 これはアタシの見つけたお気に入り。誰も彼も連れて来てやるわけじゃないのよ 」そのままノブを捻り扉を押し開けると、その先には見慣れた間取りの部屋ではなくぽつぽつとランタンの灯りが点在するだけの薄暗い洞窟のような道が続いていて「 おいで。足元、滑りやすいから気をつけるのよ 」危険はないと示すようにまずは自身が一歩先に前へ、そうして半身で振り返り勝気な微笑みのまま忠告をしてから今度はカツカツと高い踵の音を響かせながら奥へと進行し――突き当たりの階段を数段登ればそこに広がるのは洞窟の吹き抜け部分。空いた穴から月光が煌々と差し込み、壁や床のあちこちに埋まった色とりどりに煌めく石がそれを反射し共鳴するようにキラキラと存在を歌う神秘的な光景が広がっていて)


***


交流中に悪いわね。アタシのお気に入りの場所、〝煌めきの塒〟のイメージ画像を公開したわ。ここにある宝石の色とか形とか自由にロル内で描写して大丈夫だからね。
https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/locus




1554: グルース・リヨン [×]
2024-10-28 20:13:44



>レンブラント(>1550


(誓いと祈りの後の申し出に相好をまた崩して、「そのお言葉、痛み入るよ。…うん。休みたい時には、君を呼ばせてもらおうかな。」何時か解らずともそれに甘える約束をする。「ふふ、きっと喜ぶよ。」可愛いと褒める言葉は無論弟妹達のものとして、ジョークに至極楽しげな吐息を零して相槌代わりの一言を。……雛鳥達が、決して己と同じ目に遭わない保証は無い。届く言葉はあまりに残酷で、けれどどうしようも出来ない事実に一層唇を結んで俯く。震えぬよう地を踏む力を籠めた身体へ回った腕と、安堵を促す声。それへ一瞬戸惑ったように彼の顔を覗いたのは、無条件に誰かへ凭れた記憶があまりに遠く淡く、思い出すまでに時間を要したから。「――ありがとう、サー・レンブラント。」それでも額を彼の胸元に寄せて、しかし重さを掛けないまま静かな礼を返す、安らぎをもたらす言葉への精一杯の応答を。一通り弟の話を終えた後に届いた感心へ笑みの苦みは蒸発し、「ああ。彼も他の雛鳥達も、皆真っ直ぐで人の言葉を素直に聞ける良い子だから、僕も善き兄として居られたのさ。」因果の順序は逆なのだと、甘やかす長兄の言葉で丸々弟妹達を褒め称す。――月を背にした彼の眼差し。その光と同じ冷ややかに見えたそれへ確かな温度を感じて、兄の温もりを湛えていた鶴の瞳はすっと細まる。「……熱烈だね、サー・レンブラント。」声に怯えは見当たらない、だが先程までの軽やかな囀りでもない。言うなれば、命尽きるまで情を奏でる小夜啼鳥の歌を思わせる甘い音。重ね合わせた視線も同じ、先程までのふんわりとした綿羽の如き上澄みとは違う、幾度も煮詰めた蜜に似た濃密な愛の一雫を滲ませて。深く深く、その彼の情熱さえも包んで口付けるような、いやに大人びた慈愛の笑みの後。それを泡沫と掻き消して悠然の微笑を整え、「もし本当に“そう”したいのならば、サー・カナニトときちんと仲直りをしたその後で、もう一度言っておくれ。」確実性など何も無い、出鱈目や嘘を言われた所で確かめようの無いそんな条件を差し返して、彼からの情熱に今ひと時の猶予を渡す。)




1555: レンブラント [×]
2024-10-29 18:29:32



>グルース(>>1554)


(たくさん雛鳥を甘やかしてきたであろう彼は、果たして誰かに同じように甘やかしてもらっていたのだろうか。反射的にそんな疑問を抱いたのは先ほど腕に収めた彼の狼狽するような様子を垣間見たからで、甘やかされ馴れた雛達と異なりどこか遠慮して大人に甘えきれない長子、そんな印象を覚えればますます甘い誘惑を重ねたくなるのを初夜の清廉さに免じて堪えて。しかし一変、こちらの熱に呼応するように彼の中の何か重く熱いものの片鱗が首を擡げた気がして、幼さの残る姿には不似合いとも言えるひとときの表情にうなじの辺りが微かにぞく、としたのを知覚しぬらりと微笑みを深め「 ……上手に仲直り出来たらご褒美くれるん? 」退屈な屋敷では喉から手が出る程欲しい刺激。その匂いを敏く感じ取れば低い声を僅かに熱に濡らしてじっと彼を見つめ、音もなく持ち上げた鏃の尻尾の先端を形の良い彼の顎についと添わせて)




1556: グルース・リヨン [×]
2024-10-30 17:55:05



>レンブラント(>1555


(触れるひやり冷たい悪魔の象徴。そちらに一度視線を寄せ、それからまた彼へ移して贈る眼差しに、一瞬の幻とした濃密さを再び浮かべる。「……勿論。僕にあげられるものなら、何だって。」おねだりにも聞こえるその問い掛けを甘く肯定し、緩やかに上げた指は顎に添うそれの形を柔くなぞる。「僕の言葉を果たしてくれた夜、部屋を訪れたその時に、」雛の羽を繕うような、子の髪を梳かすような、優しい優しい慈しみの掌で鏃を撫でさすった後、徐と五指に包んだ其処に唇を寄せて、「思うまま、満たしたいまま――君の望みを言ってごらん。どんな事でも、叶えてあげる。」彼を捉えたまま一度も逸らされぬ夜鳴鶯の瞳。陽と若葉を映す澄んだ湖面のその内、欲して手を伸ばせば何処までも沈み包んでいく底無し沼の甘露を湛えて、愛しみあやす音色で言葉を紡ぐ。「……約束するよ。」そう締め括って彼の尾を離し、後ろに両手を組んで低い靴の踵を一歩前へと、互いの距離を縮めて。「…仲直り、出来そうかい?」まるで、己の方から頼み込んだと言わんばかりの下手の問いに、拗ねる弟妹の機嫌を窺うような微笑ましい視線を添え、彼を見上げる為にほんの少し反らしたその首をゆったりと傾げて鋭い琥珀色を見詰める。)




1557: レンブラント [×]
2024-10-30 20:51:36



>グルース(>>1556)


(どんな事でも――その言葉に万能の力など無いというのに、あわや〝自由〟の希求を口走りかけたのは彼に獲物の無力を知らしめる為の意地悪か、それともとうの昔に宿命を受け入れ未練の火が消えた筈の炉に一抹の燻りを感じたからだろうか。いずれにしてもランプの魔人を彷彿させる少年の魔性に刹那とはいえ中てられたのはきっと誤魔化しようのない事実、侫悪な悪魔ではなく単純な同胞の誰かであれば彼の虜になっていたかもしれない。怪物すら魅入ってしまいかねない彼の性質に思わずくつくつと肩を揺らしながら低く笑って「 こンお屋敷では無力なヒトの約束ほど儚いモンそうそうないで 」尾の先端に触れた体温の何と熱く感じた事か。その熱をもっともっとと欲しがるように窓へ預けていた体勢をふわりと直立に戻したかと思えば嘘か幻のようにその姿は掻き消える、まさに人の命が風前の灯火と揺らぎ消え去る儚さを体現するように。自身を見上げた彼のその背後に音もなく再臨すれば後ろから彼の首へと腕を回して、尻尾で撫ぜた顎を今度は冷たい指先で柔く掴み「 君こそ。その夜まで長生き出来そうなん? 」背後から彼の耳元へ寄せた唇で、その約束が果たされるのかを問い掛けても仕様のない雲を掴むような事と解っていながら微笑みのままに投げ掛けて)




1558: 執事長 [×]
2024-10-31 07:22:42



>和風テイストの演者様募集を解禁しました。忍者や花魁、山賊にお侍様、国籍問わず個性的なお方をお待ちしております。


>ご新規様・登録/無登録問わずお相手様募集中です。ご質問・ご相談だけでもお気軽にどうぞ[ 今夜の案内役:ラザロ ]



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1559: グルース・リヨン [×]
2024-10-31 20:36:34



>レンブラント(>1557


(笑う悪魔の声。皿の上の料理である己の言葉に返されたそれに眉を寄せるでもなく、嘆くでもなく、ただ微笑んだままに頷いて、「……そうだね。人の世でさえ、命も約束も夢幻と同じ。一つ瞬く内に消えていく。――このお屋敷なら、きっと尚更。」ゆらり陽炎の如く姿を散らす彼へか、それとも月を見詰める独り言か、諦観と寂寥が微かに滲む静かな音を中空へと漂わせて、そっと視線を伏せる。――直後、首へと回された見覚えのある腕。背後に彼が居る、そう気付いた所で今度は顎に尾と同様ひやりとした指が這って。耳に問う近さに擽ったげにくすりと吐息を零した後、「ふふ。僕、悪いものに食べられない術には少しだけ覚えがあるからね。君より魅力的な方が現れない内は大丈夫さ。」“悪いもの”とは人か感情か、それともお屋敷の怪物か、明言はせず曖昧なまま。ともすれば“君ほど悪い子もそうは居ない”なんて解釈も出来る、そんな危うい返答を友へのジョークに同じ軽やかさで踊らせて。「…もし口上で足りなければ、何か形ある証を残そうか。」それからまた歌うは子を愛でる夜鳴鶯の音。柔く円やかに細めた瞳を背後の彼へと流しながら、傍にある滑らかな紫髪をそっと緩やかな仕草で幾度か撫で梳いた後、「……サー・レンブラント、君はどうしたい?」そうっと、冷たい頬にその掌を添えて。まるで内緒話をするような密やかな吐息を含め、何もかも赦し包んでしまう甘やかしを存分に滴らせる問いを彼に返す。)




1560: グレン [×]
2024-10-31 22:10:50





>キルステン( >1553


キミたちに比べたらまだまだガキでしょ?
( 悠久とも言える時を生きる彼らと比べれば人間の寿命など些細なものだろう、そう理解をしている為にやや冗談地味た口調で。指輪への軽い口付けの後持ち上げた視線の先が交われば、ふっと表情を和らげて見せて。どこかの世界線ではあるかも知れない未来を想像し 「 ふふ、目に浮かぶな。きっと誰よりも目を掛けて育てるんだろうな 」 つられる様に軽やかな笑い声を漏らすものの、胸の内に燻る “ 羨ましい ” そんな想いは翳りとして表情へと表れてしまっていただろうか。その感情は自身へ向く執着が他者へ移る事を想定したものよりかは、己の幼少期の家庭環境を踏まえたものなのだが、どう捉えられたのかは近くにいる彼だけが知る事だろう。屋敷の中に何があるのか、そんな質問に答えてくれる声にハッと意識を浮上させ 「 それって例えば、人間だけで廊下を辿ったとしても辿り着けるようなものなの 」 ハイネとの約束を守っている身としては一人で出歩く事なんて無いだろうが、興味が無いといえば嘘になる。ゆるりと首を傾げ、その興味を消化させようと。部屋を出てからどれくらい歩いただろうか、辿り着いた先はこれまで廊下に続いていた扉と何ら変わりのないものだが、口振りから察するに特別な部屋に違いない事は容易に想像がつく 「 そんな特別な場所に連れて来て良かったの? 」 扉の開いた先に広がる景色は薄暗いだけの洞窟に見える。立ち居振る舞いからも、身につけている物からも、どちらかと言えば派手好きのような彼が好むだろう物とは正反対に思え、傾げた首の角度は深まるばかりで。彼の声に一歩室内へと踏み込めば足から伝わる感触も洞窟のそれに近く、履き慣れない靴では滑って転ぶ未来が容易に想像出来る為に一歩一歩ゆっくりとした足取りでその背中を追いかけて。階段を登った先、眼前に広がる景色にぱちりぱちりと瞬きを数回 「 ……すごい、綺麗 」 ぽつりと呟くように。月の光を受け、色とりどりに輝くそれらは人の手の加えられていない天然の物だろうか。視界に映る範囲だけでも数多の石があるように見えるこの中から目当ての石を探し出すのはかなり骨の折れる作業となるであろうが、この場で力を借りるつもり等更々無く 「 ねえ、キルステン。この部屋の中は一人で歩いてても安全だって認識でいいんだよね? 」 廊下を歩いている際も注意を促す発言こそあれども危険に晒されるような事は無かった為、横目で見遣りながらの質問は単なる確認。肯定の返答が返ってくるのならば探し物の為に足元から頭を見せる石へと視線を向けつつ歩みを進めるつもりで )





1561: レンブラント [×]
2024-11-05 12:10:54



>グルース(>>1559)


どおやろなあ、切羽詰まった奴に迫られたらすぐ君明け渡してしまいそやけど
(顎に添えた指をつつと滑らせ、その頸動脈を長い爪にてくすぐるように横一文字にゆったりとなぞる。どれほど言葉を弄しても所詮悪魔は悪辣なるもの、それをこの短い間に理解したと解釈できる彼の言葉を否定するでも抗弁するでもなく、むしろ危うい綱渡のようなこの夜気を味わい愉しむように密やかな笑気を声に織り交ぜて「 ほんなら人質取らしてもらおか? 」耳を伝って脳を溺れ蕩かす毒の甘露のような声、悪魔でなければそれだけでくらくらしてしまいそうなそれを軽やかに受け止め頬に添う柔らかな手のひらの側面を唇で淡く食みながら家紋の浮かび上がるカメオをコツ、コツと硬く鋭い爪先で指し示し「 それともこっちのンが一生懸命自分守ろうと出来るやろか 」見せ付けるように背後から伸ばした手を彼の眼前に、図鑑を顕現させた時のように手のひらを上に魔力を込めればまたしてもぽむっと空気の弾ける音と共に掌上へ現れたのは精巧な白鷺の模型――否、手のひらサイズだが命あるように動き時折小さく鳴いている。「 俺がカナニトと仲直りして君の部屋に来た時、もぬけの殻やったら…… 」声には相変わらずの笑気を幽かに交えながら、ゆぅっくりと拳を握ってゆく――当然身体を押し潰す圧力を感じた小さな白鷺は苦し気に一声高らかに鳴き、それを契機にふっと力を緩め再度手のひらを開いて見せて)




1562: キルステン [×]
2024-11-05 12:15:50



>グレン(>>1560)


(こちらの忠告もどこ吹く風と生意気な態度に改めて小さく肩を竦め、しかしそれとは裏腹に曇った表情も横目に見逃さず色々あるのねと短く吐息して「 一度見つけた特別な扉はね、同じ場所でお利口に待ってくれてるわけじゃないのよ。アタシは自分の魔力でマーキングしてるからそれを辿ってるの 」無限の扉はその位置関係すら目まぐるしくスイッチを繰り返しており、だからこそこの屋敷では変動し続ける道順を覚えるのはまさに徒労を極めた行為。魔法を行使できる怪物だからこそ道を辿れるのだと種明かしをしながら、哀れな獲物にだって冒険の権利くらいはあるとふと思考し代替案を挙げようとぶつぶつと喋り始め「 クソ長い紐か何かをドアノブに括って、端っこを自分の部屋まで持って帰れれば――いいえ、それこそ無謀ね。一晩でこんがらがっちまうわ 」ゆるゆるとかぶりを振って思い付きに過ぎないアイデアの致命的な欠陥を受け入れて。「 アンタの飼い主にこのアタシがテキトーなモン持たせるわけないでしょ。持ってる手札は使うわよ 」これは自身の面子にかかわる問題なのだと背を向け洞窟を進みながら端的に疑問に答え、そうしてこの光景に目を奪われる彼の様子を満足げに眺めてはカツカツと歩いて宝石の物色に向かいながら「 ええ、この部屋の美しさを理解できないケダモノは締め出すように細工してるわ。荒らされたら堪ったもんじゃないからね。安心して目当ての石を探しなさい 」敢えて彼の方を向く事無く安全を告げることで理性無き化物からの干渉を受ける可能性が限りなくゼロに近いことを示しつつ、手や視線を忙しなく動かし宝石たちを観察しては黒と金の混じったような水晶型の石を発見しちょいちょいと手招きを「 …あら、こんな色前まで無かったわね。ハイネに似てるわ、ちょっとこっち来て御覧なさいよ。やァんコッチのも素敵じゃないッ 」招いておきながらそのすぐ近くに自身の好みにストライクな深くも透き通ったビリジアンの石を発見し、目を輝かせながらキャッキャとはしゃいで)




1563: グルース・リヨン [×]
2024-11-05 19:30:03



>レンブラント(>1561


……雛鳥に似た誰かであれば、可能性はあるかもしれないね。
(とくとくと温かに脈打つ喉へ滑っていく指と、其処に備わる鋭い爪。命を遊ばれるようなその仕草の好きにさせ、己は彼の頬に当てた掌でゆったりと冷たい肌を撫でる。世間話の軽やかさと薄氷を辿る危うさを併せた会話は、首元から届いた硬い音に一度途切れる。「それは、」それから転がり落ちた声には緊張の糸が密かに縫われ、次にまた問いを積みかけたその眼前に現れたのは彼の掌上で囀り尾羽を揺らす白鷺。愉楽の混ざる言葉と共に畳まれていく指の内、その白鷺の悲鳴と雛鳥が己を呼ぶ声が重なって――咄嗟だった。彼の力に自身が敵う事は無いと解っていて、潰れる前に拳が緩められたのも見えていて、それでも気付けばその小さなものを庇うように彼の五指と白鷺の間に自らの手を隔てていた。「――…君はとても、上手なお人だね。」今の数秒、止めてしまっていた息を少しずつ取り込み、感情を抑え付けた静かな音色をまず一節。続けて、「いいよ。それならば僕は、僕の持ち得る全霊を以て“その時”まで生き延びてみせよう。だから、」芯を持って朗々並べ立てるは彼への宣誓、振り返り浮かべるは貴族の優雅たる笑み。……あの一瞬の間、恐れに粟立った背の震えも、跳ね上がった心臓の音も、今もまだ逸ったままの拍動も全て伝わっているだろう。それでも、「君も、僕の愛しい雛鳥達への約束を違えないように。」何もかも圧倒的な相手を前に、怖じ気を圧し潰し隠して高潔に見せる“強がり”を、微笑む眼差しに凛と宿して。彼が己を抱擁した際の、“もしも”の言葉を引き合いの契りと告げる。「…白鷺の彼に、誓っておくれ。」その最後、ふっと移した視線の先。彼の掌でふわふわ膨らむ羽を繕うその鳥を通し、今も遠い向こうで何も知らず生きる己が弟に馳せる慈しみを細めた瞳と柔い声に湛えながらも、己と同じ誓言を彼に確と求める。)




1564: レンブラント [×]
2024-11-06 22:17:25



>グルース(>>1563)


……おおきに、
(取り乱すか或いは激昂するか、並の人間であれば大きく揺さぶられた感情に引っ張られて態度や行動にそれが発現してしまってもおかしくない自らの試しにも似た戯れに、期待に反さず彼は気丈を保ってみせた。無論それが虚勢だと見抜けないほど優しく無神経な怪物ではない、だからこそ自身の目には大きく跳ね上がるような鼓動も背筋の震えるような恐れも綯い交ぜに強さを圧し出す様子は大変可愛らしく好ましく映るもので。皮肉と取れる賛辞に三日月のように口角を吊り上げ背後にて小さく礼を、間髪入れずに「 君はめっちゃ魅力的な子や 」応酬を一往復だけ返すようにこちらからは心からの感想を。魔力でネジを巻いた分だけ動くに過ぎない錻力の玩具なのにやはり効果覿面だったらしい白鷺を取り囲むように、掌には黒い鳥籠が形成されていき「 勿論。悪魔は嘘吐くけど契約は守る――そういうもんや 」急に袋小路へ追い詰められ狼狽するようにきょろきょろと細い首を巡らせる自律人形に我ながら良いリアクションだと内心で微笑みながら、気を付けなければ一晩で失くしてしまいそうな小さな黒い鍵をそっと彼に差し出して。約束の夜、それと引き換えに白鷺は空へ解き放たれるのだと、そう示唆しながらぬるりと彼から離れるように姿を消しては瞬きのうちに眼前へ現れ胸に手を当て浅く礼を「 この白鷺は俺のモン。やから俺が誓うのは君自身にや、グルース 」それが未だ黒薔薇の目に留まらぬ本当の次男を指すのかそれともただ自分で作り上げた人形そのものを指すのか、煙に巻くように薄く微笑し腰を屈めてじぃっと彼の目を見つめて。もし彼が鍵を受け取ってくれたのならばその時点で契約は成立、ああ面白い愉しみが出来たと上機嫌に悪魔は微笑みを深め「 俺も作戦考えんとな。臍曲げた弟とどないして仲直りするか…どう転ぶか楽しみにしといてなあ 」サラサラと微かな音と共に足元から魔力の粒子となり掻き消えてゆく、特段呼び止められなければこのまま最後まで蛇のような笑みを残して幻の如く消え去るだろう)




1565: グルース・リヨン [×]
2024-11-08 07:10:03



>レンブラント(>1564


……それはどうも。
(彼の賛辞に、形のみの礼言を。それから彼の五指を塞ぐように白鷺と隔てた其処からも、震えが見付からぬ内にそっと手を離せば、掌のそれは何処からと無く組み上がった鳥籠に閉じ込められる。変化に戸惑う様子を見せるその子に“ごめんね”と、音無き唇で胸中の罪悪を詫びた後、次に眼前へ現れたのは黒い鍵。差し出された小さな小さなそれを、下から掬うようにして手の中へそっと収める。視線をそちらに取られた隙にまた失せた背後の気配は、瞬きと共に上げた視界の内に。此方を覗いて細まる琥珀を、臆さず逸らさず、真っ直ぐに見詰め返して微笑んで、「…ああ。君の行く先に幸あらん事を。」少しばかり強気な振りを。声色ばかりは穏やかに、消え行く彼へ祝福を贈って――静寂の帰ってきた室内。踏み締めていた足を緩めて座るベッドの縁で、落とした目線の先にあるのは契約の証。今頃になって押さえ付けた怯えが微かに揺らすそれをぎゅっと握り込み、その上へもう一方の手を重ねて、「――大丈夫、大丈夫。」胸に抱いて背を丸め、身ごと包んで温める言葉を溢す。「僕が守ってあげるから、君は何も知らずに、安心して眠っておいで。」泣く子をあやすように手の甲越しに鍵を撫で、此処から届く筈も無い安堵の情を、それでも淡く甘い音に乗せて。「エグレット――僕の可愛い白鷺、大事な家族。…君を愛しているよ。だから、」名を呼んだ彼へ紡ぐようで、自分を確かめるようでもあるその羽毛の愛の中、「……どうか“君まで”、消えてしまわないで。」“二度目”を恐れて悲痛に絞り落とされた、切実なおまじないと祈りを。……俯ききった顔は誰も窺えない、誰にも窺わせない。弱る姿を隠す小鳥の如く、吐息さえ潜めてベッドの陰にじっと蹲った後。ふと息を深く吸い込み、すっと窓の向こうを見上げた顔に怯えは浮かべず、ただ毅然とした笑みを湛えて、「……見ていておくれ、」凛と背を伸ばし立ち上がる姿は、目一杯に翼を広げ、気高く空へ飛び立つ鶴そのもの。「ねえ、――――。」その先に続けた名は、かの悪魔か白鷺か、それとも――知るは鶴に光を注ぐ窓辺の月ばかり。)


***


今宵も良い一時を過ごせた事に感謝を、サー・レンブラント。君は駆け引きの上手なお人だね、僕では敵いようが無い。……でも、愛しい雛鳥達のお話が出来て楽しかったよ、有り難う。
さて、それでは次は宝箱で紹介させてもらった虎の方の手番……と言いたい所だけれど、その前に少し相談かな。彼、まだ指名を決めきれていないようだから。
今、彼が候補として考えている怪物様はお三方。レディ・ゼズゥとサー・キルステン、それからサー・アッシュ。僕から見る限りどの方とも相性の不安は無いのだけれど、だからこそ迷ってしまってね。君達怪物様方から見て、このお三方の内と誰が良いのか尋ねたい、もしくは彼らと彼女以外でも気の合いそうな御仁が居たのならそちらの紹介を願いたい、というのが相談事の要点さ。……候補はあくまで候補で、正直どの方も魅力的だから、君達の思うままの答えをおくれ。

では、僕は一度休息を取るから、この先は虎の方にお任せしようか。……ふふ。またね、サー・レンブラント。約束の夜まで息災を祈っているよ。




1566: レンブラント [×]
2024-11-09 10:55:26



>グルース(>>1565)


回収おおきになァ、俺の方こそ君の反応が可愛ゆうて楽しませてもろたわ。また遊ぼなあ。
次は早速虎の彼に会わせてもらえるんやね、相手に選ばれる怪物が羨ましなあ。そうやね、まず挙げてくれた候補は君の見立て通りこっちも何も不安ないわ。となると希望してくれとるルートと照らし合わせて誰がより適してるかやけど…秘密の共犯者の道はこンお屋敷とそれを支配する黒薔薇だけやのうて、おんなじように囚われた俺ら怪物全員を自分勝手な炎に巻き込ンで殺戮する修羅の道や。

キルステンは挙げてくれた中では一番精神が安定しとって、同じ境遇に苛まれる同胞の事もなんやかんや大事にしとる。せやから、かなり酷な道を歩ませる事になるやろなあ…まア漢気のある奴やから心中決め込んだら迷うことなく虎と並び立って突き進むやろけど。
ゼズゥは物分かりのいいツラしながら酒やら煙草やらナシやったら屋敷に囚われた運命を直視出来ひん危うい弱さを持っとる。こン屋敷と黒薔薇が憎うてしゃアないし、こっから解放されるならそれが死っちゅう極端な形であれ同胞にとっても救いになるんちゃうかて開き直れそうやね。現状に絶望しとっても自分の無力を理解しとるから動けん、そういう奴やからこそグイグイ手ぇ引っ張って道を切り拓いてくれる虎の彼ン姿はえっらい眩しゅう映るやろうね。
アッシュは自分を愛して認めてずっと傍にいてくれる存在を渇望しとるし、そんな特別が出来たンやったら何にも顧みることなくその存在の為だけに行動してどんな犠牲も厭わんやろうね。…厭えるアタマが無い、ちゅう表現の方が適切やけど。そういう意味では無垢で無邪気にいっちばん残酷な道をズカズカ無遠慮に驀進出来る奴や。喉から手が出るほど欲しかった特別な人間にこの屋敷から出たい、言われたら後先考えんと自分から「だったら屋敷を燃やしちまおうぜ」なンて言い出すかもしれんなあ。
挙げてくれた三人以外やったら、ジョネルやギレルモなんかもアッシュに近い属性で適性があるかもしれんね。どうやろ、こン情報でお相手絞れそうやろか。

ああまたなぁ、グルース。長生きしてや。




1567: 執事長 [×]
2024-11-09 12:51:14



【 黒薔薇屋敷の扉は開かれており、演者様を歓迎します 】


◆統一された世界観で、複数のキャラクターを気軽にCCしながら遊びたい
 (基本的には各演者様にそれぞれの別の世界線があり人間同士の関わりを持つ事はありませんが、兄弟や姉妹等の設定であればCCしながら同じ世界線で遊ぶ事も可能です)

◆キャラメイクしたけれど満足に動かせず眠ったままのキャラクターの供養をしたい

◆亡国のお姫様、失地した忍者、古代のアマゾネス等々の一風変わったキャラメイクをしたい


――他にも、黒薔薇のお屋敷が演者様の楽しめる場となれれば幸いです




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