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□ 160万℃のレチタティーヴォ / 〆/4375


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2598: 宝飾 周 [×]
2021-03-31 22:32:28





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、……おはようござ__ぅ ( 意思を持つ夜闇が人の形を成したモノ。そのような形容詞が似合う眼前の術使いは然し、太陽の恵みに身を焼かれる事もなくさも当然といった口調で人が交わすのと同じ挨拶を寄越してきて。たったそれだけ、遭逢から僅か一秒足らずの間にも空間の隅々へ満ちたオーラは何も持たない無力な子どもの心へ負荷を掛ける。ちりちりと肌を焦がすような緊張に怯んでしまいそうになるのを堪え、齢に相応しくない曲がり方をした背筋に一本芯を通して応答を。…などと、そんなつまらない動きを完遂することなど端から重要視されていないらしく、やり終える前に肌触りの良い綿で包み込まれてしまった。嘘か真か、否、後者であることははっきりとしているのだが理解と受容が追い付いていない先の出来事をどのように伝えるべきか頭を悩ませていれば、掴めぬ自由な口が別の指示を寄越してきて。繊維から逃れるように瞑っていた双眸を開き見据えた先には小麦の加工品と野菜、日干しにされた肉類に穀物、加えて光の透ける真水等々。前例があの夜の液体であった以上、ひと目で人の食物だと分かるそれらは己の中で素晴らしい馳走として認識された。けれどもやはり納得がいかない。無価値で得体の知れぬ襤褸雑巾を拾って洗うだけでなくあまつさえ餌をやるなど、相手が賢者であるとはいえ労力の使い道を誤っているように思える。それとも、影の欠片を落とすだけで場を圧するような異界の住民にとってはなんてことのない暇潰しの一環だったりするのだろうか。然しながら飢餓状態に瀕した躰は最早生存本能の奴隷と化しており、腹奥の疼きが鈍る思考の制御機能を奪って着実に歩を進ませ。その途中、ひょいと。小柄な動物を持ち上げる要領で椅子の上までショートカット。ちらりちらり、食物と相手の間で視線を往復させること暫し。たっぷりと間を開けて「………いただきます」と挨拶を唱えれば、近くにあったパンを静かに両手の中へ。匂いを嗅いで、もう一度確かめるように前を見て、小指の先にも満たない欠片をちんまりと齧り取り。空腹へのアプローチはそれだけで十分であった。ひと口は変わらず控えめに、けれど明らかに早いペースで手に持つそれを取り込んでいれば、そんな鼠の真似事に声が掛かる。自己紹介、というものだろうか。ウルシド。聞き馴染みのないその名を脳内で反芻する。続けて語られた理由は凡そ納得の出来るものであった。管轄下における保護活動。輪郭だけ切り出せばなんてことのない、よくある話であろう。たったそれだけで相手を善人と判断することはできないが、会話が可能な程度に警戒心は薄まった。食べ掛けを皿に置き両の手を膝の上へ揃えては )
…アマネ、とお呼びください。…私の為の食べ物まで、ご丁寧にありがとうございます。
( もう数ミリで机の平面に額をぶつけるだろう、という程の深々としたお辞儀をひとつ。そうして渡した情報はといえば自身の名前、ただそれだけ。どうせ朽ちる身なのだと縁を切られた、などと付け加える事は染み込んだ忠誠が許さなかった。己如きの余計な発言で宝へ傷が付く事など万が一にもあってはならない。心臓が腐っても従順な犬としての心根は何も変わらない辺り、随分と洗脳が行き届いているようだと実感する。__心臓。ふと、左の胸へ意識を寄せる。鉄屑になる予定の無価値なハート型、あの日から運命を定められたはずのそれに形容し難い違和感を感じ思わず顔を前へ向け。先程まで赤色に吸い込まれていた視線が、何故だか斜め下の鈍色に落ちていく。直感的にそれを恐ろしいと感じた。ぬらりとした生唾を嚥下する。見ないように、逃れるように顔ごと反対へ逸しては、「あの、……えっと」などと口ごもりながらも次の話題を生み出そうと )






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