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── Crime . 【 裏組織:BML:戦闘:一部人数制限有 】/299


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自分のトピックを作る
261:  [×]
2019-04-21 11:44:34


>>榊

(自分の手元へ降ってきた錠剤を掌で受け止め、逃げ出さないように軽く握り込むが、正確なコントロールについ、イチの方向を見てノールックで投げたのかと確認して舌を巻く。「あぁ、楽しみにしてる。」イチからの誘いは願っても無いこと。あまり出歩く事のない出不精な性格も相成り、人と出かけるのは楽しいと思う。更にそこへ自分の知らない榊誠の一面を聞かせてくれるというなら尚更だ。錠剤を飲み込むと新しいマスクを付けて「すまない、待たせたな。」と笑んだ後に耳に届いた彼の声。喧騒な街中でもその透き通った音を響かせる風鈴を彷彿とさせるその声は壁を容易にすり抜けてやってくる。件の部下の家族に会いにいったと聞いて、部下が付いているとはいえ内心不安が渦巻いていた。最近は彼宛に盗撮写真やストーカーじみた手紙を送ってくる輩も出てきており、連日の戦闘等の疲労も考えると地に足がつかない心地だったが、扉の向こうから見えた彼の姿にホッと安心し「おかえりなさいませ、榊さん。ご無事でなによりです。」と頬を緩ませる。容姿端麗なその立ち姿には凛とした美しさが指すものの、目元に浮かべられた慈愛が優しさを滲み出させている彼は、紛う事なき誰もが振り返る美人。美しい花には余計な虫が近寄るが、彼もそうなのだろう。自分の目に届く範囲はそれらは排除してきたが、ふと今日は手紙のチェックができなかったな、と思い出して。)

(/ありがとうございます!いえ、そんな事ありません!榊さんの背後様のロル、いつも楽しく拝見させていただいており、今度はどんな素敵な文章が出て来るのだろうと心躍らせております!こちらこそ駄文な上に遅筆で申し訳ありません…!また何かございましたら何なりとお申し付けください!こちら蹴り可です!)

262: 榊 誠 [×]
2019-04-22 02:09:07


>>梔

(扉を開いてまず目に飛び込んできたのはベッドに上体を起こして座る相手の姿。ベッドテーブルの上に乗る粥の器を見るに食べられるだけの体力は回復したようで安堵する。今は相手の方が心配される側だと言うのに彼らしいと言うべきか…、たとえ挨拶の延長線上の言葉だったとしても此方の無事を気遣う言葉に呆れ半分の笑みを零し「ただの報告だったから。…それよりお粥、食べてくれたんだね。」と相手が既にストーカーの件について知り得ているとは知らず呑気に返せば、空になった器を見て目尻を緩め嬉しそうに微笑み彼へと歩み寄ろうと、したところで小さな影が目の前に立ちはだかる。『おい誠、俺に気づいてて見えないフリしてるだろ。挨拶くらいしろ!』と小さい影、ことイチが吠えながらビシィと指をさしてきて。それに対し「あー…うん。おはよ。……用がないなら出てってくれる?」と大半の部下にはまず取らない面倒くさげな雑な態度を取ると扉へと小さな背中を押す。勿論イチは黙っておらずキャンキャン子犬のように騒いでいたがハイハイと軽くあしらい扉を開けて強制退場させ。それでもめげないイチ、去り際に『わぁったよ!邪魔者はこれで退散すっから!…でもいいもんね。俺、今度梔とデートすっから』とニッと対抗心を含ませた笑いを向けてきて此方が聞き返す間もなく走り去っていき。「何なの…。」と小声でごち、すっかり静かになった廊下を見て一息吐くと扉を閉ざして相手に向き直り「…ごめん、あの子煩くなかった?」やや眉を下げて苦笑を零してベッドへと歩み寄りベッドサイドにある椅子に腰掛けてテーブルに持っていた包みをトンと置いて。幾分顔色の良くなった彼、昨日までは青白かった肌も色がさしている。その温度を確かめたくて緩慢な動作で彼の頬に掌を添えるとじんわり伝わる温かみに目元を緩め「…気分はどう?」と。すりっと親指の腹で相手の細やかな肌を撫でながらその質感を楽しむもフと湧いた先刻のイチの言葉。嫉妬する立場でもないのは重々承知している。それでも気になってしまうのは彼への思慕があるからで。「…ところで、デートって何?」と緩い笑顔のままオブラートに包むことなく直球で、部下の世間話でも聞くように楽しげに尋ねつつじっと相手から視線は外さずに。)



(/此方こそいつも楽しませて頂いております。どれも自分には勿体無い言葉ばかりで痛み入ります。此方のぶっ飛んだロルもいつも綺麗にまとめて頂いて感謝してもしたりません…。そして今回ですがロルの表記上のことでお伝えしたいことがありまして…。当方のロル、やたら脇役が多く今後も出てくると思われます。今まではどちらの台詞も「 」で統一していましたが、これからは榊の台詞を「 」、脇役の台詞を『 』で表記していきたいと考えております。見づらい点や分かりづらい点などあれば何なりご指摘くださいませ。では背後はこれにて失礼します。こちらも蹴り可です!)


263:  [×]
2019-04-24 01:09:48


>>榊

…またご馳走になってしまいましたね。ありがとうございます。(彼の料理を食べると、不思議と笑みが溢れる。それは、彼が丁寧に手間と暇を掛け、食べる人へ対して愛情を込めて作ってくれるからだろう、と微笑みを浮かべる彼を見てそう思う。笑顔になれる料理。なんて彼らしくて素晴らしい響きなんだろう。そんなことを思い浮かべる自分もまた笑みを深くしたが、マスクの下でその笑顔はそっと影をひそめる。羨ましい。まったく浅はかな感情であるが、自分が埋めることのできない時間が彼らの間にあることを痛感してしまうと、それは止められない。そんなの当然のことだ、これは身勝手な邪な心だ、と良心が咎めるのを気にする余裕もなく只々その景色を見つめる。眩しい、なんて思いながら。「いえ、イチは可愛いヤツですし、自分の方が構ってもらったくらいです。」それでも、相手が隣に座ってくれただけでさっきまでの鬱々とした感情は何処かへ四散してしまう。安心感と、ほんのひとつまみの優越感。「体調は良好です。あと数刻もすれば万全でしょう…ご心配をおかけしました。」彼の親指が頬の上を滑るとその経過点がじわりと熱を持つ様な感覚になる。その暖かな動作にかかれば、仕事も溜まってしまっているな、という憂鬱な気分も晴れるというもの。彼の指の美しさは、単なる容姿のみならず、優しさや温かさのこもった動作を通じてのものなのだろう。しかし、日向ぼっこの様な心地よさに目を細めたのも一瞬。蛇に睨まれた蛙になった気分で「…イチの提案で今度買い物に行く事になりまして、その事を揶揄したジョークのひとつかと。」本人を前に、相手の様々なことを教えてもらおうとしていた、と言える様な度胸は無く、内心罪をなすりつけたイチに謝りつつ苦し紛れにそう話す。「…誠さんは、誰かと出掛けるのはお好きですか?」少しだけできた沈黙を気まずく思い、浅く息を吸うと、ふと思いついた疑問を口にする。その際、イチへの対抗心からか、それとも自己顕示欲か、恐る恐るながらも彼の下の名前で問いかけてみて。)

264: 榊 誠 [×]
2019-04-25 17:58:28


>>梔

(お粥に対するお礼と体調の良好具合を彼の口から直接聞いて昨日から募らせていた不安も大分薄れる。自分のせいで相手に負担を掛けたというのに相手の澄んだ声とマスクに隠された微笑みを見るだけで浮かれたような気分になる自分は存外単純。今だって彼からイチの発言はジョークだと聞いたのに面白くないと嫉妬してしまっている。それもイチが相手に抱く感情を何となく察しているからでもあるが、それで機嫌を損ねたことが相手に知れれば引かれてしまうかもしれない。自分はこんなに嫉妬深かったかな…と惑いつつ相手を捉えていた視線を細め「買い物か…。こき使わされるかもしれないけどよろしくね。まあ久々に羽根を伸ばして楽しんでおいでよ。」とあくまで二人が出掛けることに対し気にしない素振りで微笑めばくしゃりと艷やかな濡羽色の髪を撫でて。そんな時に相手から紡がれた問いかけ。何でもない問いだが確かにその中に聞きれないフレーズが耳に届き、聞き間違えかと思うがそんなはずはなくて。一瞬相手の髪を撫でていた手が止まり、表情が固まってしまうもすぐにその表情を綻ばせて「好きだよ。出掛けると言うよりは呑みに行くのがだけどね。……で、急にそんな呼び方して、それは俺とのお出掛けのお誘いと受け取ってもいいのかな?」“好き”とまるで相手に向けるようなニュアンスをほんの微かに声に滲ませて言い楽しげに言葉を続けながら、急に変わった呼び方について突くことを忘れない。相手の真意がどうであれ嬉しくないはずがないわけで。なにせ相手は元々自分を“榊様”と呼ぶほど畏まっていた。調子に乗ってしまう…と言葉通り彼の髪を撫でていた手をその頬から顎先に移動させ人差し指で顎を軽く持ち上げると声色は優しく、瞳には甘く少しの怪しい光を滲ませ首を傾けて。)


265:  [×]
2019-04-26 22:25:19


>>榊

(自分の頭を撫でる彼の手は、ずしりと暖かく、この場に居てもいいと言葉無しに語ってくれる。暖かい碇の様な存在だ。そんな優しい掌が自分の髪の間を通り抜ける感覚に春の海を思い出す。彼は暖かく、大きく、優しくそこにいつもあり、途方も無い安心を生み出すのだ。時には冷たく、牙を剥く時もあるが、彼の聡明な双眸に荒々しい怒りが、彼の唇から漏れ出す吐息に冷酷な鋭さが滲む時、自分はそれをも嬉しく思う。そんな海が一瞬凪いだ。それが自分の言葉一つのせいだとわかるや否や、脊髄が歓喜に震え、血が沸き立つ様な熱を体内で感じ取る。体内で燻る火種は、彼の瞳に宿る光によって燃え上がる。心の奥底にしまってあった欲望を糧に、大きく燃え上がった炎は自分の手を熱く、咄嗟的に動かせるだけの力を持った。自分の顎を掬い上げた美しく整った指先を包み込んで此方側へ軽く引く。軽く体勢を崩した相手の肩を抱き、囁く様に「…本当は、貴方と共に居たいだけの口実です。貴方と共に時間を過ごしたい。他の誰よりも長く。」と小声でそう伝える。熱に浮かされ漏れ出た本心はもう戻すことはできない。彼に拒絶されたらどうしよう、とそんな不安よりも今回は彼がどんな反応をしてくれるかが気掛かり。どんな反応であろうと全て目にしたい、と彼の美しい横顔をじっ、と眺めて)

266: 榊 誠 [×]
2019-04-27 13:08:26


>>梔

(彼はきっと戸惑いながらも可愛らしい反応を見せてくれる…と予想していたのだがその予想は大きく外れる。彼の形の良い手が自分の指先を包んだかと思えば触れ合うぬくもり、そして鼓膜を揺るがす甘美な声と言の葉。距離が近いせいか彼が言葉を囁く度に耳元に吐息が掛かり背筋がゾクゾクと震えて、それは彼の掴む指先にまで伝わりピクリと小さく反応してしまい。心拍は急激に上がり熱がじわじわと胸を焦がして顔にまで熱が上がってくるのを感じるとその顔を見られまいと横に逸らそうとする。しかしこの距離では隠すのは無理だろうと観念して、気持ちを落ち着かせるために小さく一息吐いたあと少しだけ身を離して相手と目を合わせ「…ずるいなぁ。もっと可愛い反応が見られるかと思ったけどかっこいいんだから。君はあまりこういうこと慣れてないと思ったけど実は慣れてるのかな?」と余裕がないなりに少しおどけた緩い微笑みと声色で返し最後だけ嫉妬を滲ませた一歩踏み込んだ問いを冗談っぽくして。そして未だ燻る熱を抑えられないまま自分の指を掴む彼の手に空いている手を重ねて包み込むようにし「でもそんなに言ってくれるなら、イチの後でもいいから俺とも一緒に出掛けて欲しいな。仕事抜きで、君と過ごしたい。」と強要はしない何歩か引いた問いかけをする。それはボスとしてではなく一人の人として同じ立場で相手と過ごしたいから。“仕事抜きで”と強調させて言えば重ねた手に僅かに力を込めて目を逸らすことなく熱い視線を送って。)


267:  [×]
2019-04-28 08:05:47


>>榊

(彼の高く通った鼻筋に髪の毛がかかる様は、なんとも言い難い色気を感じる。ぱさ、と乾いた毛束が動く時に鳴る特有の音が課される程度に聞こえたと思えば彼の澄んだ黒い眼と視線が絡む。その熱い視線に続く彼の問いに「ありがとうございます。勿体無いお言葉です。」といつも通りの反応を見せるが、続いた言葉に少し驚く。今までにそんな会話はなかったから。少し困ったように笑いながら「…お恥ずかしい限りですが、自分が今まで口説いたのは一人だけです。」これは本当。忍者たるもの弱みを作ってはダメだ、罠の可能性もある、と何かにつけて厳しかった師匠を思い出す。そんなことを頭の中から振り払うと、視線を下げ彼の両頬を両手で包んで「貴方です。誠さん。」とまっすぐに彼の目を見る。 「ありがとうございます。…俺は、貴方との時間を一番大切にしたい。」彼からのお誘いに思わず顔が綻ぶ。こんなに我儘を言ってしまったのに、彼はそれを受け入れてくれる。そんなことを意識すれば、自惚れてしまいそうになるが、そこは何とか笑みで誤魔化し。「…ところで、出掛ける為には時間が必要ですが、今回の件の残り仕事…いえ、他の事も合わせてどれほど仕事が溜まっていますか?」その話がひと段落ついたと判断すると、おずおずと気になっていた仕事のことを口にする。彼と出掛ける為には一刻も早く仕事を片付けなければ、と近くの机の上に置いていたファイルに手を伸ばして。)

268: 榊 誠 [×]
2019-04-29 03:05:09


>>梔

(相手の凛と澄んだ声から紡がれる言の葉、そのどれもが甘く雅やかで己の欲する言葉を齎してくれる。歳上の自分がリードしたいのに悔しいが今回は彼が上手なようで、頬に彼の手が触れて再び名を呼ばれてしまえば目を離せなくなり心拍数は増すばかりでまともな返答もできない。もっと名前を呼んでほしいなんて我欲に染まっていると続く彼からの問いにすぐ気持ちの切り替えができず一瞬間が抜けてしまって。忘れていたわけではないが彼との関係にはっきりした名はまだない。浮かれていた自分が恥ずかしくなるも仕事の話をするにはまだ早い。と、彼の手がファイルに届く前にヒョイとそのファイルを掬い上げ彼の手の届かぬ棚の上に置いてしまい。「待って。君と出掛けるためだし仕事の話も大事だけどその前に渡しておきたいものがあるんだ。」と穏やかな声色で緩く笑むとベッドテーブルに置き去りにされていた小ぶりの紙袋を手にとって彼の足の上にトンと置いて。その中身は腕時計。数日前から彼の腕にいつもつけられていた時計が無くなっていたのに気付いて買ったもの。決して高価ではないがそこそこの値段。シンプルなデザインで文字盤は見やすく軽量なため戦闘時つけていても邪魔にならない。特質してお洒落な訳ではないがひと目見た時に彼の雰囲気に合うと感じて。「余計なお世話かなとも思ったんだけどね。…日頃頑張ってくれてるし今回無事で居てくれたことの報奨だと思って受け取って。」と何でもないよう微笑む。言っていることに偽りはない。ただそこに自分が贈ったものを相手が身につけてくれたら…という我欲はあるが。「開けて見て?」と開封を促せばゆったりその時を待ちつつ相手の反応を窺って)


269:  [×]
2019-04-29 13:55:43


>>榊

(今までの経験から、自分は口が上手ではないと思いつつも彼の為にない語彙力を必死にめくって探した言葉。その言葉に彼は何も言わないが、彼の瞳が物語っている。春の透き通った湖水に小雨が波紋を作るように、言葉を受け止めてくれる度にチカチカと半透明な光が広がる様だ。いつまでも見てしまいたいと切に願うが、それはひょい、と彼の軽い動作ひとつで手元から離れていったファイルに掻き乱され、「あっ。」と随分気の抜けた一文字しか声に出なかった。そして自分へ渡したいもの、と手渡された紙袋を受け取った時も気の抜けた顔をしていたと思う。最初はまた食べ物を作ってくださったのか?と内心ワクワクしながら紙袋から出てきた小ぶりな箱を見るといつの間にか張った食い意地も驚いて腹の底へ帰っていった。箱の大きさからなんとなく中身が予測できてしまうが、いざ箱を開けてみるとその中に鎮座している腕時計に、やはり息を飲む。「…これを、自分に?」恐る恐るその腕時計を手の平に乗せて、また散り散りになった語彙力で何とか質問をする。彼の洞察力は鋭敏なので、きっと自分の左腕から前の腕時計が消えた事に気付いていたんだろう。その事にまず嬉しく思う。どこぞの村娘にでもなった気分だが、そんなことを考えている余裕は今はない。シンプル且つ機能的。しかし決して安い買い物ではない。到底物の鑑定などできないが、それの良し悪しくらいはわかる。いや、鑑定など到底できない者にでも良いものとわかる品だ。飾り過ぎず、余白の中に美を見出すそれは、彼の落ち着いた大人の優美さと酷似し、これは彼が選んでくれたものなのだと改めて実感する。胸の奥がきゅう、と締め付けられるように痛くなった。「…俺がいただいてもいいんですか…?」手の中で秒針が時を刻む音より鼓動が早く鳴る。感謝、自惚れ、驚き、恋慕…頭の中がキャパオーバーだ。いや、心臓が持たない方が先だろうか。しかし、彼の微笑みに自然と笑みがこぼれ、「ありがとうございます…!大切にします。」と感謝の言葉を。)

270: 榊 誠 [×]
2019-04-30 00:44:54


>>梔

勿論、君にと思って選んできたものだから。…気に入って貰えたみたいで良かったよ。
(いきなり贈り物なんて重いかと懸念もあったが彼の反応から引かれてはいないことにまず安堵し、花咲くように微笑む彼を見て心から時計を贈って良かったと思えて。嬉しさに表情を綻ばせ「…ちゃんと使ってね?」と大切にと言って棚の中で保全されるよりは彼が身につけ共にありたいなんて願い調子付いてニコリと笑んで。そこで今度こそ仕事の話をしようとファイルに手を伸ばして相手に差し出し「それで話を戻すけど…、今溜まってる仕事は大きくは今回の一件でのアジトの修繕だけどそれは今他の子たちがしてくれてる。因みに騒動起こした男達は裏ルートを使って警察の牢に投獄。山瀬くん(件の部下)は熱りが冷めるまで自宅謹慎にしたよ。正直彼を許せない子達もいて断罪にすべきだって意見もあったけど彼は先代の時から頑張ってくれていたし何より本人が此処に残ることを強く望んでる。…今回は彼の意志を信じることにしたよ。反対してた子たちにも納得はしてもらった。」と現状況を淡々と話していくも後半は僅かに声のトーンが落ちる。山瀬のことは自分も許せない部分はあった。なにせ相手を危険に晒した人物。彼に全責任があるわけではないが組織と仲間を売ったことには変わりはないのだ。だが今回の結論は山瀬と時間を掛けて話した己の判断。自宅謹慎は彼の心労を休め、働いていては滅多にとれない家族との時間を過ごしてもらうため、そして反対派の不平不満の熱を冷ますためでもある。「ただ…、やっぱり今回の件でアジト内の不審感が高まってて空気が悪くなってるかな…。一人内通者がいたとなればもうひとり二人いてもおかしくないってね。…時間が解決してくれれば良いんだけど。あー、ごめん。ちょっと湿っぽくなったね。…それで他の仕事だけど書類整理くらいで大方は済ませてあるからあとは君が最終確認をしてくれれば安心かな。普段君に任せっきりだから一日二日ですごい量溜まってて驚いたよ。」とついぽろりと弱音を吐いてしまい苦笑を零し謝れば話を戻して、やっぱり君がいないと駄目だなぁと呑気に笑ってみせて。)


271:  [×]
2019-05-01 08:49:35


>>榊

(自分に選んでくれた。自分がいないところでも、彼が自分を意識してくれる、という喜びが今己が掌の上に形を成している。これは、自分だけのものだ。「…嬉しいです。誠さんがそばにいてくれるようで…。これからも精進せねばなりませんね。」ぱち、と自分の左手首に早速収まったそれは軽やかな音を立てて光り、新しい玩具を与えられた子供のように笑む。冷たいはずの金属パーツが、暖かく感じた。しかしそれも甘いひととき。彼の口からの現状を聞くとできるだけ素早く通常運転へ切り替える。つもりだったが、内心浮かれていたのは事実。だから、きっと、彼のこぼす弱音と苦笑いに体が動いたのだろう。それを目にした途端、彼がひどく疲弊し、何処かへ消えてしまいそうなか弱さを感じ、思わず無理やり体を動かして彼を抱きしめていた。「…申し訳ありません。自分が不甲斐ないばかりに…!」彼は責任感が強いので、きっと今回の件でも多くのものを背負い、傷ついてしまったのだろう。今回は特に自分の無駄な行動が彼に心労を加えてしまった。浮かれていた心は消え去り、ただ後悔ばかり。「あとは自分が。榊さんも休んでください。…心労は、気付かずとも溜まるものです。自分は貴方に笑顔でいてほしい。」彼も毒を刺されての交戦後、更に立て続けにこの事件だ。きっと休んでいないのだろう。彼の端正な顔に疲れの色が差している。根本的な解決はまだ時間がかかるものの、少しでも体を休めてほしい。彼を失うかもしれない恐怖はもう感じたくない、言動には出さぬが少しだけ彼の身体に回した腕に力を込める。「大丈夫です。貴方は間違ってないのですから、部下もみんな分かってくれます。」そう言うと体を離して、ベッドから立ち上がり部下が用意してくれていた着替えに手をつけようと一度背を向けて。)

272: 榊 誠 [×]
2019-05-02 13:36:58


>>梔

(彼の左手首に光る時計と紡がれる言葉に擽ったい気持ちになり、心は満たされるのにもっと彼の近くに、奥深くまで寄り添いたいと貪欲に思う自分がいて。人との関わりは友好的でありながら何処かで一線を引いていた。だが彼とは違う。違ってきている。だからつい弱音を零したのかもしれない。常の緩い雰囲気を纏い誤魔化そうとするもどうやら彼には通じなかったらしい。突然の、予想外の抱擁に驚いて彼の腕の中で小さく肩を揺らすも彼の人を気遣う優しい心と言葉に大人しく腕の中に収まり胸がいっぱいになりながら困ったように笑い「君は何も悪くないでしょ?謝る必要なんてないの。」と。休すむようにと続く言葉も大丈夫と笑って流そうとした。が、回された彼の腕に力がこもり次に紡がれた言葉を聞いた瞬間、取り繕おうとした言葉が喉奥に引っ込み、鼓動がトクリと跳ね上がる。“大丈夫”、“間違ってない”と彼の声が、言葉が耳から胸に染み渡り秘めていた不安を軽くしていく。それはどんな名高い特効薬よりも良く効いて心までを熱くし、込み上げてくる想いで喉が鳴りそうになるのを寸でのところで息を飲み込み堪えて。それからは突発的に身体が動く。ベッドから立ち上がる相手を目で追うまでもなく自分も椅子から立ち上がると着替えに手を伸ばそうとする彼を後ろから抱き締め腕の中に閉じ込めて。「そのまま、じっとしてて。」と小声で零すと彼の肩口に額を押し当てて動かなくなり。時間にして30秒、たっぷり彼と体温を分けったところでゆっくり身を離すも彼の右肩に手を置いたままで顔を俯かせ「ありがとう、元気出た。…君も病み上がりなんだから無理はしないで。」とやや恥じらいの含んだ静かな声色を彼の背に向けて零すとつい甘えるような行動をした恥ずかしさから相手の顔がまともに見られれずに逃げるように相手の横を通り過ぎ扉に手を掛けて。)

273:  [×]
2019-05-02 22:28:45


>>榊

(彼の体温が背中越しに伝わる。いつも凛然と胸を張り、部下を慈愛と威厳で率いる彼だって一人の人間なのだ。その逞しい背中に隠れた顔は何を思って今まで耐えてきたのだろう。自分はその背中を支える存在でありたいと切に願う。右腕としてではなく、梔と言う一人の男として。長いようで短いたった30秒の熱は、離れた彼を追い掛けさせるには十分だった。ここで逃してはならない。そう囁いた自分の第六感を信じて扉に掛けられた彼の手の上に必死の思いで自分の手を重ねる。引かれただろうか、と一瞬不安がよぎるもここまで来ては後戻りはできない。するつもりもない。彼が部屋を出る前に間に合ったことに安堵しつつ彼の隣に並び「…こんな俺ですが、いつでも甘えてください。…いえ、甘えさせてください。」と言葉がつっかえながらもそう伝える。控えめに彼の手を自分の手で下から掬い上げると、その甲へ口付け「…梔としての、お願いです。」と告げ、そっと彼の手を降ろし、自ら扉を開いて彼へ道を譲って。
その後、着替え終えるが、ふと自分の武器がないことに気付きさっと顔を青くする。そんなまさか、いつから?自分の身につけていた暗器は全てテーブルの上にある。しかし短刀が、『酒盗』と『酔鯨』だけが見当たらないのだ。彼の話に出てきた内通者が一瞬頭を過るが、該当する人物は思い浮かばない。彼をこれ以上心配させる訳にもいかず、とりあえず自分のお抱えである、ごく身近な者にだけ捜索を願い、自分も書類を片付けつつ探そうと部屋を出て)

274: 榊 誠 [×]
2019-05-03 00:41:29


>>梔

(救護室を後にした足で書類整理をするためアジト内にある仕事部屋に向かい、浮足立つ気持ちを抑えて大きく頑丈な机に向かいペンを取るも先刻の相手の表情や声が頭に浮かんで集中できずに。これではどこぞの初な若い娘のよう…と相手の身に起きたトラブルなど知るよしもなく先刻の余韻に酔いしれうつつを抜かしており。まあそれでも仕事は進めねばならない。苦手な執務仕事に取り掛かりペンも軌道に乗ってきたころフと上着のポケットにしまっていた写真を思い出してもう一度確認するため封筒の中から取り出して見てみる。脅迫、宣戦布告にしては他に何も無さ過ぎる。本当に一体誰が、と思考を巡らせ最近自分を付け回す男の存在を思い出し。…あの男が?だとすれば一般人にしては中々の行動力。それでもこれといった実害もなく男の要求が掴めない以上、今は事を荒立てることもないかと。結局男が一般人ということもあり深くは考えず薄気味悪い写真は机の引き出しの中に閉まってペンを取り直して。
大方の書類整理が片付き相手に確認を取って貰うためファイルにまとめ終わると軽く伸びをして。組織内の問題が全て片付いたわけではないものの繁忙時に比べれば落ち着いて来てはいた。となれば出るのが己の悪い癖。彼とのことで浮ついていたこともあり少しくらい呑んでもバチは当たらないだろうと。附言すると自分の少しは常人のそれではない。彼を誘おうかとも考えたが病み上がりの人間を飲みに誘うのも野暮だと、大人しく酒だけ買って帰り此処で呑むことにし出掛ける準備をして部屋を出て。)


275:  [×]
2019-05-04 22:09:34


>>榊

(部下の数名に武器の詮索を任せ、一度自分は現在出来上がって提出されている書類に目を通し始める。書類の訂正箇所に赤ペンで訂正をする中、部下の一人が相手の部屋の中を調べ始める。幸いにも、本人は先程書類仕事がひと段落ついたらしく、この部屋には誰もいない。部屋をグル、と見渡したところで、相手の机が目に入る。周りを確認してからその引き出しを開けると、そこにあったのは武器ではなく数枚の写真。どれも相手を写したものだが、目線が全て外れており、隠し撮りであることがすぐにわかる。そういえば、と部下は上司である梔が、榊宛にストーカーらしき相手から手紙を送られているので、もしじぶんがそれを見逃しても彼の目に入らないように、と言われていたことを思い出し、すぐに写真のことを梔に伝えようと部屋を飛び出て。
一方、街の酒屋には例の榊をつきまとう男がいた。そもそもこの男は酒屋の従業員。表立った店員ではなく、はいたついんや裏方なので顔を知られることは少ない。しかし、男からはよくくる榊が店の裏から丸見えであり、ひょっとすると今日も来てくれるのではないかとカメラまで用意して店の奥に潜んでいて。)

276: 榊 誠 [×]
2019-05-05 14:54:16


>>梔

(梔の部下は相手の元に来ると先程見たことを伝えて『武器は見当たりませんでした。ですが代わりに…』と引き出しの中にあった写真のことを耳打ちし『恐らく本人はあまり気にしてはいないかと。…それよりも梔さんの問題を優先すべきです。あまり長引かせて他の者に知れれば組織内の不審感が更に高まってしまいます。それに闇市にでも回れば手元に戻ることは難しくなりますよ。……お心あたりはないのですか?』と。梔は相当の手練れ、彼がここ数日床に臥していたとはいえ彼の愛刀を盗み出すなど考える輩はそういない。もし盗み出せるとしたらやはり身内か親しいものか。部下は梔の直属の者。相手を信頼し優先するのは当然で、彼と親しい者の中に榊も数に入れ疑っていて。
一方、酒屋、榊は顔なじみの店主とにこやかに言葉を交わしながらおすすめの酒を勧められ購入しており男の存在には気付かずに店を後にして。暗い夜道、時間帯も遅いせいか人通りも少ない。冷たい風が心地よくこんな静かな時間が続けばいいなと呑気に宵空を仰ぎ買ったばかりの酒瓶を片手に小さく揺らしながらアジトへと歩を進めていて。)


277:  [×]
2019-05-05 22:35:14


>>榊

…そうか。(彼の手に写真が渡ってしまったことを知ると眉間を手で押さえ、小さく、低く零す。この部下は自分の部下の中でも頭の切れる物静かな者故に最も信頼しており、言っていることも的を得ている。それでも判断が鈍ってしまうのはこの問題が彼に関わることだから。頭を抱えて悩んだ末、彼の部下に護衛を強化するように電話で連絡を入れる。最初は不思議がっていた者も自分の名前を出して、詳細は追って連絡する、と言えばなんとか納得してくれたよう。気がかりではあるが一旦彼のことは部下に任せて自分は愛刀の問題を片付けなくてはならない。寝ている時には身につけていなかったのは確かだが、いつ武器を外したのか記憶が曖昧だ。丁度書類上の文字を追うのも疲れてきたところだった。古びたパイプ椅子から立ち上がり、部下には新しくアジト内の不審点が無いかの捜索を指示し、自分は記憶を辿っていこうと先ずは救護室へ足を運んで。
一方でアジトへと向かう榊の前方の街頭の下に人影がひとつ。その人影は街頭の明かりで相手が榊だとわかるや否や『…榊の坊じゃありませんか!久しいですね。』と相手の肩を叩く。榊より少し背の高いこの男、今でこそ組にはいないが、以前までは忍の部隊の一員として組に属した者であり名を茉莉花(マツリカ)、年は相手より3つ上の30歳。そして何より問題なのは梔の兄であり、兄弟揃って彼を…榊を狙って喧嘩中である。喧嘩の理由は皆は知らないが、二人がもう少し若い頃の喧嘩自体は中々有名なものであった。瞳は似ているものの、飄々とした雰囲気の茉莉花は馴れ馴れしく相手の肩を抱き『こんな夜に護衛も付けず危ないですねぇ?感心しませんよ。どこぞの虫に食われてしまうやもしれない。』とニッコリ笑むもその目は決して笑うことなく、後をつけてきたストーカーの男を狙い、牽制する。その男が去ったことを確認するも、肩を離すことはなく『どれ、アジトまで送りましょう。』なんて調子のいいことを続けて。)

(/いつも駄文にお付き合いいただきありがとうございます!今回、勝手にモブを増やしてしまいましたが、どうぞご自由にお使いください!また、私も榊さんの背後様に習ってモブのセリフは『』で閉めることとしましたので、一応ご報告の程を、と…。何か不都合などございましたらなんなりとお申し付けください!此方蹴り可です!)

278: 榊 誠 [×]
2019-05-06 10:07:22


>>梔

(救護室、相手が訪れてから暫くしてそのドアを開く一人の男が。その男はイチで調達してきた備品を棚にしまいに来たところ。先に部屋にいた梔の姿に目を瞬かせるも好きな相手と居れる嬉しさにすぐに人懐っこい笑みを浮かべて『おー、こんな遅くにどうした?病み上がりはさっさと寝たほうがいいぞ。』と相手の体調を気遣いながら手にしていた薬や包帯を棚に戻していき。それから何か思い出したのかくるっと相手に向き面白げに口端を上げて『そう言えばさぁ…』と勿体振ってから『さっき街から帰ってくるとき久々にお前の兄貴見かけたぜ。今行けば会えるかもな。』といらない気をきかせ『あー確か誠も街行くっつってたかなぁ。……んで、なんかあったの?』とブツブツ零したあと再び此処に来た理由を尋ね。
そして夜道、酒屋を出て暫く、後方から自分をつけてくる気配にまたかと肩を落とすも気にせず足を進め、前方に見えてきた人影におやと思う。此方が誰かと気付くのとほぼ同時に話しかけられ愛しい彼の面影を持った、それでも彼とは似て非なる魅惑を纏う男との再会に「久しぶりだね、茉莉花。元気にしてた?」とゆるりと笑んで挨拶を返し。男は組織を抜けた人間。全く警戒していないと言うと立場上も踏まえ嘘になるが、梔の兄でもあり、過去に何度か目撃している兄弟喧嘩も微笑ましく見ていたこともあって警戒心は薄く。相変わらずの馴れ馴れしさも咎めず回された腕もそのままにさせておくが、ふと男の飄々とした態度の中に冷たく鋭い刃が光る。その研ぎ澄まされた瞳や空気に触れた瞬間“あー、似てるな”と思い。相好こそ違うがその裏に潜むものは底知れず兄弟揃って“侮れない”なと。後方の気配が去っていくのを感じながら何も気付かない素振りで男の軽口に小さく笑って「俺はそんなやわじゃないよ。それに万が一のときは貴方に似た優秀な部下もいるからね。」と気を遣ってそれとなく男の弟、梔の無事を伝える。その表情と声は梔を想い無意識に優しさや慈愛がこもるが自分では気付かずに、続く男のやや強引な申し出にも嫌な顔はせず「貴方に送って貰えるなら何が起きても心配いらないね。でもその前に一杯どうかな?」と特に裏のないような軽いノリで誘えば片手に持つ酒瓶をチャプンと揺らし緩やかに微笑んで。)


279:  [×]
2019-05-06 21:22:25


>>榊

(人懐っこい笑みを浮かべるイチを見ると可愛い子犬のようだ、なんて思いつつ少し笑みを浮かべていたものの、兄の名前が一度会話に出るとその笑みは固まる。自分より要領も、頭の出来も良い兄はいつも自分の欲しいものを持って行ってしまう。兄が任務中の怪我で引退せざるを得なくなっていなければ、右腕の座も兄の物になっていただろう。もしかしたら彼も。更にまずいことにあの自由人、組は抜けたものの、彼自体を諦めていない。街に行ったのも多分彼の単独行動を狙ってだろう。「そうか…あのクソ兄貴この国に帰ってきたか…。」武器の喪失に加え胃の痛みがどうしてこうも増えるのか、と小さく唸り声を上げて眉間を抑える。「あぁ、すまない。俺が寝てる間に忘れ物して無いか、と邪魔してるわけだ。」そこでは、とここに来た理由を思い出してひょっとして何か知らないだろうか、とイチに問う。
夜道でもきら、と輝く黒い瞳に懐かしさを覚えつつ、再会を喜ぶ男は彼につきまとう男が消えるのを確認できると『坊が可愛いのは変わらんね。いや、また一段と綺麗になってしもうてからに…。』スラスラと立て板に水を流すかのように浮ついた言葉を口にする。しかし、これが嘘でも誇張でもなく、本心から出たのだから仕方ない、と本人は開き直り『あぁ、まだ愚弟がお世話になってるのかな。飽きたらいつでも代わりになるよ。』と。無意識なのだろう。彼が弟の名前を出す際、その優しい目元が部下に対する優しさだけで無い、何か暖かな感情が込められているのがひしひしと伝わってくる。それが気に食わず、つい言葉の端々に棘を込めた。彼へではなく、弟に。『おや、大変嬉しいです。坊からお誘い頂けるなんて…では、お言葉に甘えて。』何であれ、彼がこちらに興味を示してくれるのは気持ちがいい。彼のあの麗しい瞳が、優しい心がこちらを見るのは何より心地よい。どれ、彼等を少しばかり掻き乱してみようかと密かに思い、彼の手を引いて。)

280: 榊 誠 [×]
2019-05-07 00:46:22


>>梔

(相変わらずの兄、茉莉花を毛嫌いする相手の物言いにイチは喉をクツクツ鳴らして笑い『兄弟だろー、折角の帰国なんだから喜んでやれよ。』と相手の渋い顔を面白がって。それでも“忘れ物”と聞けば何のことか分らずとも深い事情があることを察し、んーと喉元に手をあて唸りながら真剣に思考を巡らせ。『多分此処にはねぇと思うぜ。誰かが間違って持っていったにしてもここんところバタバタが続いて怪我人も多くでたから救護室の人の出入りが多かったからなぁ。正直俺も誰が此処に立ち入ったかまでは把握しきれてねーんだよ。あーそれか荷物整理んときに紛れてどっか仕舞われちまったとか?』と“忘れ物”が不特定多数の誰でも移動させることが可能だったことを示唆し、『にしても梔が“忘れ物”なんて珍しいよなぁ。もしかしてお前のこと好きなやつがコレクションとして持ってたんじゃねぇの?』と自分でもやりかねない、むしろ相手のものなら私物化したいと本気で思いつつ冗談半分に笑い飛ばし『まあ俺に協力できることなら何でも言ってくれ。』と相手の胸をポンポン叩いてニッと笑い。
一方、夜道。流暢な褒め言葉に「兄弟揃っておせじがうまいねえ。」と茉莉花の気など知りもせず本気にしないでのんびり笑って返しながら、弟に対するやや棘のある言葉も兄弟喧嘩の延長、むしろ可愛い弟を気にかける不器用な愛情表現と勝手に受け取って「梔は俺には勿体無いくらい働いてくれてるよ。飽きて捨て置くことなんてないから心配しないで。」と緩く笑み。と話している間に一件の奥まった場所にあるこじんまりとした木造の居酒屋にたどり着く。そこは席代さえ払えば自前の飲み物を持ち込んでも良い店。人の出入りも少ないことから何度か足を運んでいる場所で。カウンター席に並んで座ると店主が用意してくれた酒坏に兄のものから酒をついで「…今更だけどアジトで飲んだほうがよかったかな。貴方が行くときっとみんな喜ぶだろうけどゆっくりはできなくなるだろうと思って此処にしたけど。…弟の顔は見たかったよね。」と配慮が足りなかったことに申し訳なさげに眉を下げ微笑み。今からでも梔を呼び出すか…いやでも病み上がりだしと悩みつつもポケットから携帯を取り出し「…呼ぶ?」と兄である茉莉花の意志を確認して。)


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