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+ シュガードロップ・シンドローム!:指名制・3L/33


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自分のトピックを作る
14: ソフィア・リヴィエール [×]
2026-09-17 21:03:19




>12 カシアンさん

( 再び手の中に戻ってきた招待状は、彼の確固たる肯定の言葉によってようやっと正真正銘自分宛のものとして受け取ることが出来た気がして。その封筒をじっと見つめながら首を数回横に振り、彼を信じない理由が自分の中には見当たらないことを伝えるべく、柔らかくも周囲の喧騒にのまれることのない声色で )
カシアンさんが嘘を仰るような方には見えませんし、それに、これから行く先で慌てなくてもいい焦らなくてもいいと言ってくださっている気がして、とても安心しました。それだけじゃなくって、私の名を……─
( 名前を褒めてもらったお礼を言う段になって、封筒から彼の灰色の瞳へと、嬉しさ滲む視線を上げた時。スーツケースを持とうとしてくれている姿が目に入り。素直にその温かな親切を受け取りたいのだけれど、どうしても大きな気掛かりがひとつ。招待状をポシェットにしまいながら、持ち主としての責任を眉下げ切に訴えて )
わ、ありがとうございます…!でもそのスーツケース、すごく重いと思うんです、、気に入りの本やら刺繍道具やらをやたらに詰め込んでしまって…。なのでせめて駅を出るまでは、私に持たせてくださいませんか…?




15: ヴァン・ジェット [×]
2026-09-17 23:25:15




>13 オディール

( 相手にとっては何気ない励ましの言葉だろうけれど、誰にも行き先を告げずに家を出てきてしまったことは悪いことだったのではないかと──伏せられていた罪悪感に徐々に蝕まれていく様で上手く笑えないまま。何より決めたといっても家を飛び出すということを決断しただけ、変えたいといったってその先の自分がどうしたいのかは不明瞭で、戯けたように肩をすくめ )
そうだけど、自棄になったっていうかさ
( 飲み物を勧められると喉が渇いているような気がして、思えば暫くの間まともに水分補給もしていなかっただろうか。手持ちが心許ない今、彼女からの申し出は素直に助かるもので。ワゴンに目を向ければいくつかの飲み物があり目移りしてしまいそうで、長く眺めることはせず選択は彼女に委ねることにして )
あ……じゃ、アンタと同じので。────色々教えてくれるのも助かる。何から聞けばいいかわかんないけど…えーっと、まず、ドラジェって何してる人?

( / 男装についての確認もありがとうございます! 公的な文書などでは一応女、それ以外では男として扱われてきたようなイメージでいますので、どのタイミングでバレるかはご提案の通り良きタイミングで相談させていただければと考えております。
此方も背後は退かせていただきますが、何かあればお声掛けくださいませ…! )





16: カシアン・ロウ [×]
2026-09-22 10:06:50






>14 ソフィアさん

信用してもらえたのなら嬉しい限りだ。……重いものならなおさら、女性に持たせるわけには行かないな。前時代的と言われるかもしれないが、力の差というものはどうしてもあるからね。
( 人並みの騒々しさのなかでも柔らかな彼女の声はよく通った。聞こえた言葉のひとつひとつに相好を崩し、急かすことなく末尾を待つ。穏やかな彼女の声がほんのちょっとの焦りを滲ませてこちらに向けられるのを聞き届ければ、それではとスーツケースを持つ手に力を込めてにっこりと微笑み返し。からからと中身の詰まった荷物を引き転がしながら、なるべくゆっくりとした歩調で駅の出口まで彼女を導いて )


── シュガーベル駅 タクシー乗場

……目的地まで歩けない距離ではないんだけれど、荷物があるとどうしてもきついだろう。どうぞ、ソフィアさん。
( 淡い桃色を基調とした、白いリボンの装飾が施されたタクシーが一台。予め呼び寄せていたそれは待ち人である彼女のためのもの。後部座席のドアが自動的に開けば、乗り込みを促すように内部を手のひらで示し。スーツケースを後部の荷物置き場に丁寧に押し込んだ後、彼女が乗り込むのを見届ければ、自身も腰を落ち着けることとして。やがてゆっくりと発進する外の景色は薬局、大通り、診療院等と移り変わり、時折カタンと石畳の段差を抜ける。目的地は言葉通りそう遠いものではないが、気遣いなのか性分なのかお店の数を指通り確かめながら彼女の方へ僅か身を乗り出して確認を。肯定があるなら少し寄り道、否定が来るならばそのまま目的地に着くだろう )そうだ、お腹は空いていないか?喉は渇いていない?









17: オディール・フェーン [×]
2026-09-22 10:10:59






>15 ヴァン

( 返ってきた〝自棄〟という言葉には内心でざわりとしたものを感じるも、今ここで事情を聞き出すことでもないだろうと、それ以上踏み込むことはせず。近付いてきたワゴンへ目を向ければ、自分と同じものをとの注文に一瞬だけ相手を見遣ってから、紙カップの温かい紅茶を二つ頼み、支払いの代わりに自身のカードを見せて。受け取ればその片方を相手へ差し出しつつ )
熱いから気をつけて。……それで、ドラジェが何をしてるか、だったっけ。
( 自分の分を口元へ運び、一口含む前に少し考えるような間を置いて。やがてひとつひとつ確かめるように言葉にするうち、少しだけ表情を曇らせながら言葉を終わらせ )
簡単に言えば、普通の薬じゃ手が届かない精神面について、それぞれのドラジェが持ってる特性で助けるの。特性は……特別と呼ばれたりもするかな。
だからあなたもきっと〝そうなる〟。どんな特別になるかは分からないけど、まあ、それはこれから見つけていく──って感じ。








18: ヴァン・ジェット [×]
2026-09-23 18:41:01




>17 オディール

( 注文の一連の流れを隣で眺めていれば、思っていたよりもスムーズに終わり目を瞬かせ。支払いの代わりに見せたとみえるカードが気に掛かったが、まあそんなものかと飲み込めば「ありがと」と軽く礼を述べて紙コップを受け取り。じんわりと手から伝わる温かさや紅茶の香りは気持ちを落ち着かせるのに少しは役に立つ様で。舌を火傷しないようにふーっと冷ましてから一口飲み。彼女の説明を一通り聞き届ければ、自分の知っている最小限の情報と擦り合わせるように )
とくべつ…ああ、招待状に書いてあったのはそういう。つまり、ドラジェは人助けをする人ってことだ。僕も成れるなら成ってみたいもんだけど…
( 両方の手のひらで紙コップから伝わる温かさを楽しみながら、ふと彼女の方へ視線を向ければ存外表情が暗いように思えて。彼女がそんな表情をする要因に思い当たるところもなく、簡素に心配の言葉を告げ )
……、大丈夫?





19: オディール・フェーン [×]
2026-09-24 22:43:14






>18 ヴァン

( 〝人助けをする人〟という言葉には否定することなく紅茶を一口含むものの、続いた一言には僅かに視線を伏せて。表情に出たそれらはどうも無意識らしく、不意に心配の言葉を向けられれば瞬きをひとつ。世話を焼くのはともかく、焼かれる側になるのはどうにも居心地が悪く身じろぎを )
別に。ちょっと考えてただけ。
( 列車の景色は夕暮れに足を突っ込みかけており、この一晩が過ぎれば最寄りに到着する。直に沈む太陽の端を眺めながら思案をいくつか。結論を出すにはまだ早計と思いつつも、逸る思いは襲うはずの眠気を抑えており。やがて手に持つカップをホルダーに乗せ、じっと相手の目を見つめて。それほど自分と変わらないように見える外見、それを検分すれば真剣な面持ちでずいと身を乗り出し )
……あなた、今いくつ?もし、あなたが完全な自由を欲してるなら、ちゃんと逃がしてあげる。そうじゃないなら、……まぁ、手助けくらいはしてあげるけど……








20: ソフィア・リヴィエール [×]
2026-09-25 13:17:04




>16 カシアンさん

…では、お言葉に甘えさせていただきます。ありがとうございます、カシアンさん( 初めこそ申し訳なさそうに眉尻を下げていたけれど、一度気持ちを決めてしまえば、心からの感謝を眼差しにのせ笑顔を向けて。それからしみじみと考える。もし自分がこの道のりを、あのスーツケースを手に引いて歩いていたならば、その重量による扱いにくさから軽い息切れを起こしていたかもしれない。けれど彼は呼吸も歩幅も崩すことなく事も無げにすいすいと操っている。さすが男の人、と表情にこそ出さないものの胸の内で密かに感服しながら、心遣いの込められた歩みに歩調を合わせ。── )


── シュガーベル駅 タクシー乗場


…!!……こんなに可愛らしいタクシーは初めて見ました………。
( ── 人間、唐突に好みのど真ん中をくすぐられると、どうやら言葉を失ってしまうことがあるらしい。駅舎を出て目に飛び込んできた街の様子、そして一台のタクシー。まるで特別な日に食べるような甘い洋菓子を思わせるその色合いと装飾は、まさに言葉はおろか思考すら停止させるに十分で。誰に届けるでもない小さな呟きを夢見心地に溢し、促されるままに乗り込んでは、包み込むように柔らかな座席にそっと腰を下ろし。滑らかに車体が動き出すと、興味の対象はタクシーの内装から窓の外の景色へと。店構え、街灯、クリーム色の石畳、花壇に街路樹、その他何もかもが洗練された街の雰囲気に釘付けとなり。すっかり上半身を彼とは反対側に向けていた折、ふと近くで投げかけられた穏やかな声に、気持ちの高まりで微かに高揚した頬を向けては、そんな子供っぽさを恥ずかしがるようにはにかみながら素直に肯定を )
喉が、少し…。あまりに素敵な街並みに、なんだか体がぽかぽかしてしまって……。




21: カシアン [×]
2026-09-27 13:28:51






>20 ソフィアさん

( 窓の向こうへ夢中になっていた顔がこちらを向けば、先ほどより僅かに色づいた頬が目に留まる。もっとも、口振りから察するに具合が悪いというより、初めて目にする街にすっかり気持ちが昂っているらしい。その様子を微笑ましく眺めつつも、喉が渇いたという言葉まで聞けば、そのままメゾンへ急ぐ理由もないだろう。前方へ視線を移し、運転手へ二言三言告げて行き先を変更してもらうと、程なくしてタクシーは花々に囲まれた小さなカフェの前へと滑り込んでいき )
それなら、少し寄り道をしようか。メゾンまではもう近いし、急ぐ必要もない。ここは飲み物もお菓子も美味しいよ。初めてなら、街を見るにも丁度いい。
( 先に車を降りて店内へ足を踏み入れれば、こちらに気付いた店員が親しげに会釈を寄越す。二人分の席を頼もうとしたところで「今日はお仕事のあとですか?」と尋ねられれば、一瞬だけ言葉を止めたのち、穏やかに首を横へ振って。「いや、今日は違うよ。普通のもので大丈夫」と慣れた様子で答えてから、彼女を振り返り。未だ客の疎らな窓際の席まで歩を進めては向かい合った二脚の椅子の一つを引き、彼女の着席を促して )
こちらへ、お嬢さん。……メニューはそこから見るといいよ。大抵のものは用意できるはずだけれど、紙面になければ店員さんに言ってもいいから。








22: ヴァン・ジェット [×]
2026-09-27 22:51:48




>19 オディール

( どうやら彼女の気に触る振る舞いだったらしい。これ以上踏み込むことを躊躇い、「そっか」と軽く返事をすれば気まずさを誤魔化すように紅茶を飲み。少しの間の静寂は相手のカップを置く微かな物音によって破られ、音につられるようにしてそちらに視線を動かせば自然とこちらを見つめる彼女と目が合い。やけに真剣な様子な上、自分にとっては要領を得ない質問に驚きと困惑を浮かべて、差し当たり考えも必要なく答えられる年齢をポツリと )
え、20……
( 取り敢えず自分もホルダーにカップを乗せて、先程の質問を考えてみる──完全な自由って一体なんだろう。それに逃すって何から。ただ招待状に書かれた街に向かっているだけの人間に掛けられる言葉にしては仰々しいような感じがして、肩をすくめては茶化すようにへらりと軽薄な笑みを浮かべ )
なんか、今から向かう先が監獄みたいな言い草だ。…1人で列車に乗るって結構自由を謳歌してると思うけど、アンタ的にはどう?





23: オディール・フェーン [×]
2026-09-28 22:10:19






>22 ヴァン

( 自身とさほど変わらない年齢。思い返す過去と目の前の少年を重ねたのはつかの間、監獄みたいという冗談に数拍ほどの間が落ちる。彼にもきっと何か思惑があるはずで、それを自身が制止するのはエゴではないか。自由についての逡巡はやがて答えを見失い、諦めたように僅かに口角を上げて )
……私は、帰りたい時に帰れるなら、それが一番だと思うよ。これ以上は今は言えない。
大してなんも言えなくて、ごめんね。
( 隠していることがあるのを誤魔化すつもりはないらしく、それだけは素直に告げて。話を切り上げるように座席へ深く身を預ければ、まだ少し続く旅路の残りを眠って過ごすべく目を閉じ )
……寝る。おやすみ。


── シュガーベル駅

( 長い夜を越え、到着を告げるアナウンスに目を覚ます。まだ列車が完全に停まりきる前、眠気の残る目で何気なく窓の外へ視線を遣れば、ホームには見慣れた職員の姿が。恐らく隣にいる新しい候補を迎えに来たのだろう。暫しその姿を眺めた後、何かを思いついたように眉を上げると、相手の方へ向き直って。片手で小さなトランクを引っ掴み、もう片手を相手に差し出す。自身の掌が握られるなら、きっとそのまま相手の手を引いて、駅の裏口へと駆けていく手筈で )
ねえ。あなたの迎え、たぶんもう来てるよ。
……でもさ、このまま素直に引き渡すのもつまんなくない?せっかく偶然会ったんだし――今日の案内役、私が奪ってあげる。








24: ソフィア・リヴィエール [×]
2026-09-30 10:52:06





>21 カシアンさん

( 〝 寄り道 〟という単語を耳にするや否や、みるみる見開かれる瞳を無邪気に輝かせ、二度ほど縦に頷いて。気付けばもう既にフロントガラスの向こうにはそれらしき建物が見えてきている。その可愛らしい外観に心ときめかせつつ彼に倣って車を降りると、心地の良い柔らかな風に色とりどりの花の香りが感じられて。その瑞々しいエネルギーを全身に巡らせるように、こっそり一度深呼吸をしてから彼に続いて店内へ。そうしてすぐに視線の先で交わされ始めたやりとりをついまじまじと見つめてしまい、案の定、店員さんとぱっちり目と目が合うことに。初めての街の、一等最初のカフェゆえに多少の緊張もあった為、反射的にほんの一瞬体を強張らせた後、無遠慮な視線を詫びるように慌てて小さく頭を下げ。折良く彼からの呼びかけがあって、心持ち足早にそちらへと向かえば、笑顔と共にお礼を言って着席し、示されたメニューに目を通し始め )
はい、ありがとうございます。わ…、どれも本当に美味しそう。……私は冷たいハーブティーと、このラズベリー味のマカロンにしようかな…。カシアンさんもメニューをどうぞ。
( どの品々も大変に魅力的、真剣な面持ちで悩みに悩んだ結果、ひとつふたつと商品名に人差し指をさし添えて。独り占めしてしまっていたメニューを、彼が見やすいように向きを変えては、ふと別のことに考えを巡らせる。先程の店員さんとの会話で彼は、「 普通のもので大丈夫 」と言っていた。─ 普通ではない何か特別なものがあるのかしら…。けれどそれより、彼らの間の親しげな雰囲気が印象的で、にっこり小さく首を傾げては別の質問を口にして )
…カシアンさんは、このお店によくいらっしゃるんですか?お店の方ととても仲が良さそうに見えたので。





25: ヴァン・ジェット [×]
2026-10-01 23:31:48




>23 オディール

( 悪い冗談だと笑い飛ばされるつもりで発した言葉は空回りしてしまったようで。何か言葉を返す前に目を瞑った彼女に振り絞るように告げ )
……、おやすみ
( あのまま会話を続けていたら、なんと返事をしただろう。例えば──帰りたいと思う家があるなんて羨ましい、だとか。多少の疑念は生まれたものの、余計なことを口走らずに済んだことは行幸と捉えるべきか。背凭れに体重を預けて、車窓の景色が移り変わっていくのを眺めつつ、空がすっかりと暗くなる頃には体を休めるために目を閉じて )


── シュガーベル駅

( 周囲が俄かに騒がしくなり閉じていた目を開く。どうやら最低限は眠りについていたようで、凝り固まった体をほぐすように少しだけ伸びを。降りるための準備といっても肩掛けの鞄を持つだけで。列車が止まるのを待って立ち上がったところで、隣の彼女がこちらに手を差し出すのをみて硬直し。彼女の手を取るか、ホームに来ているという迎えを選べということらしい。起き抜けに突きつけられるには少々荷が重く、しかしながらじっくりと選ぶような時間もない。降りていく他の乗客の姿に急かされるようにして、意を決して相手の手に己の手を重ね )
──……、よろしく。ま、アンタが案内してくれるならちょっとだけ心強いよ
( 流されたとはいえ、自分で選んだという事実に鼓動がうるさく鳴っているような気がして、誤魔化すように口角を上げ。そのまま駆け出すようであれば置いていかれないように足を動かすだろう )





26: カシアン・ロウ [×]
2026-10-03 12:56:24






>24 ソフィアさん

( 向かいの席へ腰を下ろしてからも、メニューの頁を行き来しながら真剣に悩む様子を急かすことなく眺めて。やがて候補が決まったらしく、ひとつ、ふたつと細い指先が示した品を目で追えば、どちらもこの店では人気のあるものだったはず。満足そうに小さく頷いたところでこちらへメニューが差し出され、礼を告げながら受け取る。続いて投げかけられた問いには、頁を捲りながら記憶を辿るように少しだけ考えてから )
そうだね、よく来る方だと思う。店の人とは顔を合わせる機会も多いから、自然と覚えてもらったんだ。居心地もいいし、何よりここの紅茶を気に入っているから。
( 話しているうちに自分の注文も決まれば、程なくして店員を呼び止める。彼女が選んだ冷たいハーブティーとラズベリーのマカロンに、自分は温かな紅茶とショートケーキを添えて注文を済ませ。待つ間は窓越しに見える街のことや、メゾンまではもうそう遠くないことなどを話しながら、時折水を飲むよう促しつつ過ごして。そうして暫くすると、色鮮やかな飲み物と菓子がそれぞれの前へと並べられる。淡い赤色のハーブティーは透き通ったグラスの中で涼しげに揺れ、その傍らには小ぶりなマカロンが飾られており。初めてこの街を訪れた彼女には、きっとこういったものも目新しいのではと、その反応を窺うように目元を和らげて )
お待ちかねだね。見た目も気に入ってもらえそうだけど――味もちゃんと美味しい筈だ。どうぞ、召し上がれ。








27: オディール・フェーン [×]
2026-10-03 13:02:46






>23 ヴァン

……ん、任せて。せっかく私を選んだんだから、ちゃんと案内してあげる。
( 差し出した手を前に固まる姿を急かすことなく待っていれば、やがて重ねられた手のひら。続く言葉には僅かに目を丸くするも、すぐに嬉しそうに口元を緩めてしっかりとその手を握り返す。決まり、とばかりに踵を返しては、ちょうど開いた扉から降りてゆく乗客たちに紛れてホームへ。正面の改札へ流れていく人波には乗らず、迎えに来ているメゾンの職員へ見つからないよう、その姿を横目に捉えながら相手の手を引いて小走りに駆け出して。ホームの端から細い連絡通路へ入り、いくつか角を曲がったところでようやく速度を緩めれば、ちゃんとついて来ていることを確かめるように振り返って )
……ふう。案内役を掻っ攫うなんて初めてやったけど、案外楽しいね。


── シュガーベル駅・西口裏通り

( 連絡通路の先にある小さな出口を抜ければ、そこは華やかな正面口とは反対側。朝の柔らかな光が差す細い石畳に、小さな花屋や焼き菓子店、古びた看板を掲げた店が軒を連ねている。建物の隙間からは遠くクリーム色の街並みと尖塔が覗き、焼きたてのパンの甘い香りが風に乗って漂ってきて。観光客らしい姿は疎らで、時折店先を掃く住人や配達人とすれ違う程度の静かな通り。すっかり職員の姿が見えなくなったことを確かめれば、そこでようやく握っていた手を離して )
ここまで来れば平気かな。正面から見るのとはちょっと違うけど――ようこそ。








28: ソフィア・リヴィエール [×]
2026-10-06 22:25:12




>26 カシアンさん

( 返答を受け軽く横を向き、改めて店内を眺めてみる。テーブル、椅子、照明、その他調度品のどれもが、ここを訪れる人に等しく寛ぎを提供していて、周りのお客は皆思い思いにゆったりとした時を過ごしており。そこに紅茶を飲む彼の姿をそっと想像してみては、ドラジェと呼ばれる人の日常に、彼自身のことに、ほんの少し、本当に微小な一端だけれど触れることができた気がするのであって。それがどうにも嬉しくて、再び正面を向いて話し始めた顔は目元がほっこり綻んでいて )
確かに、落ち着いた雰囲気がとても心地良いお店ですね。もしまたここに来る機会があったら、その時は私も紅茶を頼んでみたいです。── 注文、ありがとうございます。
( 注文を終えた彼にお礼を言って、その後の会話に花を咲かせる。彼が語ってくれることはどれも非常に興味深いもので、真っ直ぐな視線で相槌を打ちながら、この街にそして本日の目的地であるメゾンという場所に思いを馳せて。その間何度かグラスの水を勧められ、少し不思議そうに瞳を丸くするも、都度素直に「 はい 」と返事をして一口こくんと喉を潤す。程よく会話が落ち着いたところで注文の品々がテーブルに並び、食器を含めたその可愛らしさ優美さにすっかり心を奪われて、知らず知らずのうちにうっとりとした下がり眉に。柔らかに促され、まずはマカロンに手を伸ばし小さく一口。瞬間、口内に広がる甘さはほとんど幸福に近いもので、頬はほんのりラズベリー色に染まり。名残惜しそうに残りの欠片を食べ終えると、同等の幸福度でハーブティーを味わいながら感動を伝えて )
私、お恥ずかしながらマカロンを食べるのは初めてだったんですけど、こんなにも美味しいものだったのですね……。それにこのハーブティー、どのハーブをどのくらいの割合で使うとこんな鮮やかな色、香り、お味になるのでしょう……。
( 後半、両手で包んでいたハーブティーのグラスを、つい目の高さまで持ち上げ、興味のままにじっと見つめてしまっていたことにはたと気が付く。慌ててそれをテーブルに戻し、またやってしまったと恥ずかしそうに詫びを言っては、暫くの間大人しく飲み物に口をつけるのであって )
……ごめんなさい、つい夢中になってしまって…。




29: カシアン・ロウ [×]
2026-10-10 20:19:31






>28 ソフィアさん

……謝らなくていいよ。そんなに気に入ってもらえたなら、連れてきた私としても嬉しい。
( グラスを目の高さまで持ち上げ、透き通った色合いを熱心に確かめる姿を眺めていれば、思わず口元が綻んで。先程まで街並みに目を輝かせていたかと思えば、今度は小さな菓子ひとつ、飲み物一杯にも新しい発見を見出しているらしい。恥ずかしそうにグラスを戻す様子にも呆れることはなく、むしろその素直な好奇心を微笑ましく思いながら、自分も紅茶を一口含んで )
それに、何かに夢中になれるのは素敵なことだと思うよ。……そうだな。もしかすると、あなたの〝とくべつ〟も、そういうところに関係しているのかもしれないね。誰も気に留めないような小さなことを見つけて、誰かに教えてあげられる。そんな贈りものだったら、あなたらしい気がする。
( もちろん、今のは私の勝手な予想だけれど、と付け足して柔らかく笑い。ふと彼女の前に置かれたハーブティーへ視線を落とせば、興味を惹かれたらしい配合についても、今度店の者に尋ねてみようかと思案して。話の続きを聞くことも、彼女がまた何かを見つけることも楽しみにしながら、残っていた焼き菓子をゆっくりと味わう。そうして暫く穏やかな時間を過ごしたのち、空になった食器を見てそろそろ頃合いだろうと時計へ目を遣り、席を立つ前に相手へ声を掛けて )
さて、そろそろ行こうか。……もっとも、急ぐ必要はないから、もう少し休んでいたければ遠慮なく言ってね。


── カフェ前・フルール通り

( 会計を済ませて店の外へ出れば、店内とはまた違った賑やかさが二人を迎える。花々に彩られた街路には柔らかな陽射しが降り注ぎ、道沿いの店先には色とりどりの菓子やリボンが並んでいて。先程タクシーの窓越しに眺めていた景色も、こうして自分の足で歩けばまた違って見えることだろう。メゾンへ向かう道はこの先だが、せっかくの初めての街なのだから、少しくらい周囲を楽しんでも構わないはず。隣へ視線を向け、彼女の歩調に合わせながら )
ここからは少し歩こう。……あなたと歩いていたら、普段見落としているものも見つけられそうだし。








30: ソフィア・リヴィエール [×]
2026-10-15 18:44:32




>29 カシアンさん

( 伏せていた瞳を上げると、そこにとても優しげな表情を見つけてほんの少し驚いてしまう。呆れたような笑みでもなく、顰められた眉でもなく、そっと受け入れ肯定してくれているような優しい微笑み。安堵に心ほぐれたのと同時に表情も和らぎ、そのまま彼の言葉にじっと耳を傾けていると、次第にみるみる見開かれた瞳から大粒の鱗が零れ落ち。元来の性格もあってあまり思い悩むことは無かったものの、それでもこの没入癖は短所に部類するものだという認識がずっとあった。けれど彼はそれを真逆のプラスに解釈してくれた──。たとえそれが予想の域を出ないのだとしても、自分を今よりも少し好きになれそうな捉え方を教えてもらい、胸の内はじんわりと温かく、素直な喜びを目元に滲ませて )
もし、カシアンさんの仰る通り、この困った癖が誰かへの贈りものになるのなら、こんなに嬉しいことはありません。昔から周りが見えなくなって恥ずかしい思いをしたり、それこそ人に迷惑をかけてしまったこともあったので…。
( 口に出したことで、そんな過去の出来事がいくつか脳裏に蘇り、気恥ずかしげに眉尻を下げ。けれどそれもほんのわずかな間のこと。その後は自然と浮かぶリラックスした笑みで言葉を交わし、彼へと抱く親しみは確実に深いものになってゆくのであって。程良い頃合いに区切りを提案され、にっこり頷いて賛同の意を示し。そうしてこのお茶の時間が終わってしまうことへの名残惜しさと、外に待つ新しい世界への期待とを胸にいっぱい感じながら、彼の後に続いて席を立つはずで )
お気遣いをありがとうございます、でも大丈夫です。美味しいお菓子とハーブティー、それにカシアンさんとのおしゃべりで、十二分に心も体も満たされましたから。


── カフェ前・フルール通り


( 店を出て一番に会計のお礼を誠意を込めて述べ。近いうちに何かきちんとお返しをしようと心に決めてから、ゆっくりと辺りを見渡しつつ歩き出す。何にも遮られずに眺める街の花、建物、お菓子にリボン、ショーウィンドウに並べられた雑貨たち──。全てが心をときめかせ、震わせる。それに加えて、焼き菓子の香りやすれ違う人々の楽しげな声に嗅覚聴覚を擽ぐられ、どうしても歩みはゆっくりに。彼の計らいを存分に楽しんでいる中、それはある店を見つけた瞬間、遂にぴたりと止まってしまい。そちらを人差し指で示しつつ、淡く紅潮させた頬で彼を見上げたのち、ふと思い浮かんだことを尋ねてみて )
あ、あれはもしかして本屋さんでしょうか…!あの素敵なお店の中には、いったいどんな本が揃えられているのでしょう……!……そういえば、カシアンさん、この街に図書館はありますか?




31: ヴァン・ジェット [×]
2026-10-16 23:00:46




>27 オディール

( 彼女のいう職員が何処に立っていたのかもわからないまま、手を引かれるままに駆け出し、あっという間に駅のホームから通路へ。幸い彼女に着いていくのには苦労せず、角を曲がるときに少々蹈鞴を踏んだ程度か。走る速度が緩くなったのを察知すれば周囲の様子を伺うのを一度やめて前方に視線を向け、丁度振り返った彼女と視線が合って──楽しい、という彼女の顔を見るのは存外悪くない。対する自分は後悔や不安が顔に出てはいなかっただろうか、気にするように己の顔に繋いでいない方の手で触れてみるもよくわからず。一旦はそのまま彼女の後ろを着いていくことに集中することにして )

── シュガーベル駅・西口裏通り

( 走った故の高鳴りか、ドキドキと鳴る心音を宥めるために深く呼吸を。何もかもが目新しく、眩しいものを見つめるように目を細めては周囲を見回し。穏やかな日常の一部を切り取ったような光景に、思わず呟いて )
なんていうか、普通だ……
( 何か大きな決断をしたつもりで辿り着いたのに、不必要に身構えていたのかもと思い直すには十分で。ふっと口元を緩めれば改めて相手の方に向き直り、先程まで繋いでいた手を、今度は握手を求めて差し出し )
そういえば、自己紹介まだだっけ。僕はヴァン・ジェット。……アンタは?





32: カシアン・ロウ [×]
2026-10-19 21:39:57






>30 ソフィアさん

……ふふ、昔の失敗まで含めて、これからのあなたの役に立つこともあると思うよ。それに、私もあなたと話せて楽しかった。また一緒にお茶を飲もう。
( 嬉しそうに語られる言葉を聞き届ければ、こちらも穏やかに微笑み返して。どうやら先程の何気ない予想が、彼女にとっては思いのほか大きな意味を持ったらしい。ならば、いつか本当に彼女だけの〝とくべつ〟が見つかった時にも、こうして笑っていてくれればいい。そんなことを思いながら、共にカフェを後にして。 )



── カフェ前・フルール通り

( 店を出てからというもの、隣を歩く彼女の興味は尽きることを知らないらしい。飾り窓の小物から軒先の花々に至るまで、ひとつひとつを丁寧に眺める姿に、こちらも自然と歩みを緩めて。普段は何気なく通り過ぎるばかりの街並みも、こうして誰かと歩けば少し違って見えるものだ。やがて、ぴたりと足を止めた相手の指先を辿れば、そこには見慣れた書店の看板。なるほど、彼女にとっては、ここも見逃せない場所なのだろう。そんなことを考えながら小さく頷いてみせ、改めて店へ視線を向ける。淡い色の扉を囲むように蔦と小花が這い、硝子越しには色鮮やかな絵本や装丁の美しい小説が並んでいる。その一角に飾られた、ドラジェの歴史を扱う書籍の表紙がふと目に留まり。花束を抱えた人物の挿絵に目を細めたのち、尋ねられたことへ答えるように口を開いて )
ああ、メルティ・ブックスだね。絵本から専門書まで色々と揃えているんだ。図書館もあるよ。メゾンにも蔵書はあるけれど、あなたなら街の図書館にも興味を持つだろうね。
……そういえば、ドラジェに関する本も結構あるんだよ。昔の資料なんかは少し変わっていてね。人物についての記録なのに、薬学の分野に分類されていることもあるんだ。今とは考え方が違ったのかもしれないけれど。
( 何気ない昔話のようにそう付け加えれば、再び相手へ視線を戻して。好奇心旺盛な彼女のことだから、見知らぬ土地の書店にはきっとまだまだ気になるものがあるのだろう。せっかくの機会を急がせるのも惜しく、店の扉へ手を差し向けながら目元を和らげて )
……どうだろう。少し覗いてみるかい? あなたがどんな本を選ぶのか、私も見てみたいな。








33: オディール・フェーン [×]
2026-10-19 21:40:54






>31 ヴァン

( 〝普通〟という感想に、思わず笑みが零れる。花に水を遣る住人、開店準備に忙しい店主。自分には見慣れた朝の景色だが、初めて来た相手にはどう映るのだろう。振り向けば差し出された手に少し目を丸くして。そういえば、名乗る前に連れ出してしまったのだった。今さらながら可笑しくなり、その手を握り返して )
……ふふ、もっと派手な街だと思ってた? 私はオディール・フェーン。改めてよろしく、ヴァン。
( 握手を終えて手を離せば、路地の先から香ばしい匂いが漂ってきて。角の焼き菓子店ではちょうど朝一番の品が焼き上がったらしく、店先に小さな札が出ている。長旅のあとで、そのままメゾンに向かうのも味気ない。せっかく案内役を買って出たのだから、街の好きなところを一つくらい紹介してもいいだろう。そう考えれば、店の方を指しながら笑って )
……朝ごはん、もう食べた? あそこの焼きたて、結構おいしいんだ。よかったら寄っていかない?








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