TOP > 1対1のなりきりチャット

師弟は赴くままに 〆 /253


最初 [*]前頁 50レス ▼下へ
自分のトピックを作る
234: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-18 13:33:34




……どうだ!降参するなら今のうちだっ

( 腕の中の浅木くんが震えているのが分かり、――ふふん、耐えてる耐えてる。と、擽りへの弱さを自分基準で測りながら、意気揚々と彼が音を上げるのを待っていた。こういうことって、そもそもなんだ? と一瞬引っかかったものの、今はこちらが優位に立っているからこその強がりだろうと高を括っていた。ところが、予想以上の力で腕の中からするりと抜け出され、「なに!?」と目を丸くする。「くそっ、君も液体だったとは!」と、思わず猫にでも向けるような悪態まで飛び出した。ぐっと右腕を畳に押し付けられ、悔しそうな顔で見上げれば、僕を見下ろす浅木くんが視界に収まった。その瞬間、腹の底を掬われるような、妙な熱が走った。息を整えながら、数秒そのまま見つめる。乱れた髪の隙間から覗く目も、いつもより近い顔も……というか、なんだろう、この体勢は。胸元にかかる確かな重みが、相手が男なのだと改めて意識させる。――オレは負けるのが大っ嫌いなハズなのに。浅木くんに優位を取られているこの状況が、思いのほか悪くない……。思考があらぬ方向へ行きかけたところで、浅木くんの渾身の言葉に心臓まで追撃を受け、ひゅっと息が詰まった。――なぜ師匠に男を出してくるのだ、この弟子は! ……あ、ダメだ。これ以上は考えない方がいい。よし。考えるな、冬嗣。頭の中で、りちょうがわざわざうちの縁側で毛玉を吐いていった場面を思い出し、理性を手繰り寄せる。浅木くんの言葉をもう一度反芻してみれば、僕なりに腑に落ちるところがあった。……もしかすると浅木くんは、“僕に可愛がられる年下”でいること自体が嫌というより、“可愛がられるだけの年下”として見られているように感じていたのだろうか。僕は師匠として彼を評価しているつもりだったけれど、日常ではずいぶんと猫可愛がりしていたものだから、そう感じさせていたとしても不思議ではない。ふっと、張り合っていた力を抜く。いつもの呼び方を一度飲み込んで、観念したような表情で「……浅木理玖さん、離してください」と溜息を吐いた。それでも、やっぱり負けず嫌いまでは捨てきれず、ぷいっと顔を横に向けて )

……師匠の漢気で、君も男なのだと認めてやろう。……君を擽った僕に一本。僕を押し倒した浅木くんにも一本。……この勝負、引き分けでどうだろう。





235: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-18 21:11:53





( / こんばんは!お世話になっております。日常編のつもりが、想像以上に濃いお話になりましたね……!

ソロル中心に回すのも楽しかったですし、セクシーお兄さんスタイルのまま過ごしたり、知らない女性に声を掛けたりする師匠の危機感の無さには、浅木が心配するからやめてー!!とずっとドキドキしておりました(笑)

そして、ちょっと嫉妬する浅木が見れたらいいな~くらいの軽い気持ちだったのに、気付いたら師匠に対してとんだご無礼を働いてしまい……。いろいろあって押し倒したりしちゃいまして……冬嗣さんが可愛くてつい……いや本当に申し訳ございませんでした……!!

浅木はこれからも普段通り振る舞おうとしますが、たまに接触しにいく……かも……? くらいの距離感でいこうかなと思います。関係性が変わることの寂しさもあるので、もう少し、この曖昧な距離感を楽しみたいな~と思っております……!

ここら辺で区切りになるかなと思うのですが、次はどんなお話にいたしましょうか。

季節を進めて夏のイベントをするのもアリですし、以前ご提案いただいた、浅木の大学に臨時講師として呼ばれる冬嗣さんのお話もやってみたいなと思いまして……。もちろん他にやりたいお話があれば是非ご相談ください!




……分かりました。

( 降参の意を示すようにフルネームを呼ばれると、掴んでいた手を離し、大人しく師匠の上から退いた。そもそも勝負のつもりでは無かったが、意地の張り合いではあったのかもしれない。お互い負けず嫌いだと埒が明かなくなるもので、公平に引き分けとして場を収めようとする師匠に従うことにした。自分では引くに引けないところまで行ってしまっていたから、正直助かった。元より師匠みたいに活発な人間ではないし、喧嘩するような兄弟も友達もいなかったから、誰かと取っ組み合いをする経験なんてなかった。慣れないことをして少し汗をかいてしまい、風呂上がりなのに勘弁してほしいと思いながら、乱れた息を整える。疲労感を師匠のせいにしつつ、今日のところは一時休戦だと手を差し伸べて )

……はぁ、あんたのせいで無駄に疲れました。
……今日のことは、一旦忘れてください。
僕もまだ気持ちの整理がついてないんですよ。……落ち着いたらまた話しましょう。






236: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-19 03:06:57




( / こんばんは、いつもありがとうございます~!笑いありエモさありハプニングありで、箸休めは何処へ(笑)でしたが、最高でした。ソロル中心という初の試みもすごく楽しくて、ようやく理玖君とお話できる……!というライヴ感もよきでした!

説教ポイントを稼ぎまくってしまいましたね(笑)女性のシーンは、正直、幻滅されないかなぁとの葛藤もありましたが、今しかない!と思いましてっ。理玖君には本当に心労をおかけしました……!

そしてとんでもない……!不意を突かれて、思わずブラウザバックしたくらいにはやられました(笑)乙女嗣は思考が爆発するくらいメロついていたと思います。とんでもない男を弟子にしてしまいましたね。(褒め言葉)
冬嗣も今回の件で一度は意識しつつ、時間経過とともにまた油断していくと思います。私も、この曖昧な距離感をもう少し楽しみたいと思っていたので嬉しいです!二人とも負けず嫌いなのも最高ですね(笑)

お話のご提案もありがとうございます……!
夏イベもぜひやりたいのですが、今回思いがけず温度が上がったので、その前に臨時講師のお話を挟むのもいいかも……!と思いました。

黄原君、そこ席変わってくれないかな、作業通話やめてくれないかな状態だったので(褒めてます)、理玖君の生活圏を中心にしたお話を見たい欲が湧いてしまって……!タイミング的にも丁度いいかなと。

いきなり始めるより、サプライズ感を出したいので、ちょろっとだけ前日譚も紡ぎたいなぁと思っていまして……。

冬嗣にはすでに理玖君の大学からオファーが来ていて、臨時講師は初めてなので、この機会に滅多に着ないスーツを新調しようと思い、(本当は家のどこかにあるけど探すのが面倒になった)「買い物に付き合ってほしい」と、スーツを買うことは内緒にして理玖君を銀座あたりへ連れて行くのはどうでしょうか……?(合法デート)

長くなってしまったので、背後文だけ先に投稿させてもらいました(汗)
ロルはまた改めて投下させていただきますね!




237: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-19 04:42:39




なんだい、君も楽しんでたんじゃないのか?
……まあ、いいだろう。……あ、でもおまじないのことは忘れてはいけないよ?

( 引き分け判定を飲み込んでくれたらしく、ようやく浅木くんの圧から解放された。とはいえ、一度感じてしまった重さの名残はまだ身体に残り、腕を掴まれていた場所も、未だ拘束されているみたいにじんじんしている。こんなにムキになったのはいつぶりだろう。幼いころは姉に言い負かされるたび悔しがっていたものだが、浅木くんとこうして取っ組み合えたのは、実のところ少し嬉しかった。「無駄に疲れました」という言葉につられるように、僕も「ふう……」と息を吐く。じんわりと肌が汗ばんでいるのを感じた。今日のことは一旦忘れてほしいと言われ、一体どこからどこまでを指しているのか尋ねかけたものの、結局やめておいた。詳しく説明された途端、さっきまでのやり取りを余計に鮮明な形で思い返す未来が見えたからだ。何を整理しようとしているのかまでは分からないが、本人がそう言うなら、今は余計なことを聞かない方がいい。僕もそれでいい、というつもりで、差し出された手を「……ありがとう」と握って起き上がった。もっとも、おまじないまで一緒に忘れられては困る。「僕のサインが欲しかったら、明日も書いてあげよう。その代わり、浅木くんは僕にアラームのかけ方を教えるように。」と、さも当然の取引であるかのように得意げに笑う。「それじゃあ、師匠は入浴タイムといくか」と、うんと腕を伸ばして風呂場へ足を向けたものの、描き留めておきたかったものがふと頭をよぎり、そのまま書斎へ入った。――机に置きっぱなしだったスケッチブックを手に取って、ぱらぱらと捲り、とあるページで指を止める。そこには、無表情の浅木くん、車を運転する横顔、浅草で見せた笑顔……と、いわゆる弟子スケッチが並んでいた。弟子の心象シリーズのために、さまざまな表情の変化を描き溜めているだけだ。誰に弁明しているのかは分からないが。笑っている彼の頭を指先ですっすと撫でる。こっちの浅木くんはいくらでも撫でさせてくれるのに、現実の彼ならきっとムスッとしそうだ。その顔を想像して、思わずふっと笑った。ひとしきり眺めたところで、新しい頁を開く。今夜のうちに残しておきたかったのは、月明かりの下、頬の傷へ触れながらこちらを見つめていた、あの深い眼差しだ。怒りだけではない。以前から感じていた、独占欲のようなものも、あの黒の奥には滲んでいた気がする。それでも、そこに何が、どこまで混ざっていたのかまでは分からない。ならば、無理に名前をつける必要もない。記憶をなぞるように、鉛筆を走らせるだろう。 )





238: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-19 10:37:02






( 頻繁に連絡くれる冬嗣さん可愛すぎてたまりませんでしたね……ほんとに冬嗣さんの浅木への好感度ってすでにMAXだと思うんですが、恋愛感情を自覚するまでの道のりは長そうですよね……!そこがまたもどかしくて背後としては嬉しいのですが……!(笑)

今回はこちらで〆させていただきました。すっごく楽しかったです。お付き合いいただきありがとうございました!

次は臨時講師のお話からですね。了解いたしました!前日譚を挟むのも賛成です!

銀座、いいですね~!浅木をいろんなところに連れて行ってもらえるのすごく嬉しいです!ぜひデート行きましょう!!

季節的には5月~6月あたりですかね。
浅木が休みの日に午前中から出掛けるでも、大学終わりに合流するでも大丈夫なので、お好きなように開始ロルを回していただければ……!よろしくお願いいたします!





( あの状況を楽しむ余裕なんてあるわけないだろ、と師匠の言葉に眉を顰める。というか、『君も』ってことは、師匠は楽しんでいたのか? おかしいな。結構焦っていたように見えたけれど、やっぱり一筋縄ではいかないようだ。それでも、拒絶されるよりはよっぽどいい。今だって差し伸べた手を取ってくれたことに安堵するほど、内心不安でいっぱいだった。おまじないの手順は覚えたし、次からは自分で出来ると思いつつ、師匠が面倒を見てくれるというなら、甘えてみるかと頷いた。アラームのかけ方を教えてくれと言う師匠には「そんなことも知らないんですか」と少し引いてしまった。師匠が学生の頃にもスマホって存在していたよな……? アラームをかけない主義なのかと思っていたが、まさか設定の仕方を知らないだけだったとは。師匠の寝起きの悪さだと目覚ましがあっても変わらないような気もするが……。風呂に向かう、と言いつつ、書斎の方へ方向転換していった背中に「……おやすみなさい」と声を掛け、歯磨きをするついでに救急箱を元の場所に戻してから、自室に向かった。――ベッドに腰掛けて、はぁ、と文字通り頭を抱える。今日は反省すべきことが多すぎる。……師匠を見ていると、感情が抑えきれなくなる。だけど、彼を困らせたい訳じゃない。明日からはまたいつも通り接することにしよう。あの人もどうせ明日になればけろりとしてるだろう。……多分。その時、ふと自分の右手に貼られた、師匠の直筆メッセージが書かれた絆創膏が視界に入る。剥がしたらゴミ箱行きになると思うともったいなくて、徐にスマホを手に取り、ぱしゃりと写真を撮った。これも藍原冬嗣の貴重な作品のひとつだから、と誰も聞いていないのに言い訳をしながら、電気を消してベッドに潜り込み、眠りについた。 〆 )






239: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-20 02:35:56




( 本当に馬が合うのか、めちゃくちゃ懐いてます(笑)その道のりを楽しんでいただけているのが、もう感謝感激です!

いやぁ、素敵な〆もありがとうございます。師弟物語、楽しすぎてやばいですね。
アラームの掛け方を知らずに引いてる理玖君も、直筆を勿体無く思っちゃう理玖君も、最高に可愛いです。これがギャップ萌え……。

諸々の提案に乗ってくださってありがとうございます……!嬉しいです!
いつもよりすっかり遅くなってしまいましたが、(ホントは早く返したかった!)
臨時講師編ということもあり、練りに練って、なんとなくの構成も組み立て終わりましたので、こちらもぜひ楽しんでいけたらと思います。

季節感もイメージ通りです!梅雨本番の6月にさせていただきました。
長文開幕ロル失礼します……!

補足として、今回冬嗣に声を掛けた教授は、理玖君の直接の指導教員ではなく、理玖君とはやや距離のある立ち位置を想定しています。
絵画科に複数いる教授のうちの一人、というイメージなのですが、この設定で進めても問題ないでしょうか……?

新サブとして、冬嗣の担当美容師も召喚させていただきました!
理玖君とはまだ会ったことがない設定で考えておりますが、こちらも問題なければその認識で進められたら嬉しいです



( ──連日降り続ける雨で、縁側の床は歩くと少しペタペタする。庭先を青紫に彩ってくれる紫陽花はなかなか趣があるが、僕と6月はどうにも相容れない関係なのだ。湿気のせいで、気分屋の毛先も跳ねるというより、うねるに近くなる。――昼下がりだというのに室内まで薄暗い。浅木くんは大学で不在なのだが、代わりに赤城(あかしろ)という美容師が来ていた。茶髪の坊主頭に強面、ガタイも良く、到底美容師には見えない同い年の男だ。縁側に敷かれたブルーシートの上、簡易椅子に座りながら「赤城、縮毛矯正をやりたいんだが」と振り返る。『急に動くな! 赤西(あかにし)だっつの。』と悪態を吐かれるのは毎度のことだったが、何を隠そう、僕は美容院で10分もじっとしていられない。変則的な動きを把握しているコイツに切らせる方が早いのだ。赤城は軽快な鋏捌きを続けながら、『ただでさえグレーなんだよ。毎回お前ん家で切ってんのも大概なんだから、薬剤まで持ち込ませんな。』と、いまさらシビアなことまで言ってきた。美容師法がうんぬんらしい。そこを乗り越えてこそ、人類は進化できるというものだ。――で、僕はコイツにただ散髪を頼んだだけではない。「赤城、頼んだ物は持ってきたかい?」とまた動けば、小突かれた。『なんで俺が、弟子のサプライズのために地図出さなきゃならねーんだよ』と文句を垂れながらも、今日の銀座コースがマーカーで引かれた地図を手渡される。よし、完璧じゃないか。なぜこんな小細工をしているかと言えば、話は少し遡る。――都内で現代美術を扱うギャラリーにお呼ばれした際、『藍原君じゃないか! いやあ、立派になったね!』と品の良さそうなオジに声を掛けられた。反射的に「ご無沙汰してます」と返したものの、誰だか分からない。そのまま話は、彼の所属する大学で臨時講師をしないか、というところまで進んでしまったのだ。正直、断るつもりだった。連日髪が決まらなくて、少々機嫌が悪いのだ。でも、大学名が判明した途端、きっと僕の目の色が変わったに違いない。そう、浅木くんが通っているキャンパスだったのだ。何も知らせずに『藍原先生でーす』と紹介されたら、浅木くんはどんな顔をするだろうか。楽しみでならない。ふむ……これはスーツが必要になる。多分自宅にもあるのだが見つからない。何より勘づかれたくないので、浅木くんを頼る選択肢も消えた。ーーという流れで、この美容師を頼ったというわけだ。──気休め程度に整髪料で髪を整えてもらい、銀座駅を目指す。何代目になるか分からないビニール傘を携え、服装は……、まあ上下だけならいつもの格好でもなんとかなるが、足元はさすがに革靴を履いた。相変わらず雨は降っているものの、小降りで助かった。浅木くんには「銀座に用事があるから、付き合ってくれないかい? ……ちなみに板前寿司付きです。」と誘っておいた。これならきっと釣れるだろう。せっかくだから、銀座の夜を味わってもらいたかったのだ。決して、つまらないからではない。う~んと、どっかの出口で18時半だったはず。尻ポケットでくしゃくしゃになった地図を広げると、“A2出口どこですかって駅員に聞け”と赤城の汚い文字がある。ナイスアシスト。ちなみに浅木くんには、今日の“銀座デート”を提案したときに、ちゃんとA2出口、18時半と伝えてある。そこは安心してほしい。ーー改札を出て駅員に尋ね、無事にたどり着くことができ、灯台を……ではなく、浅木くんの姿を探して )





240: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-20 19:34:34





( / 毎度のことながら、お話の筋書きまで考えていただき恐縮です……!今回もたくさん楽しませていただきますね!

教授についても問題ないです!
その方が、大学に弟子がいるとは知らずに冬嗣さんを誘った感じになりますもんね。

10年以上の付き合いがある美容師さんの名前すらも間違えている師匠ツボすぎました(笑)
もしかして、浅木の名前をちゃんと覚えてもらえたのって奇跡なのでは…………??

浅木は赤西さんと面識がない設定も了解しました!いつかご挨拶して、冬嗣さんの過去話とか聞きたいですね~!夢が膨らみます!

さて、他にご相談がなければ、そろそろ背後は失礼させていただこうかと思います。引き続き、銀座編もよろしくお願いいたします!




( 梅雨。洗濯物が乾きづらい季節。湿度が高く、画材や作品の保管にも気を使う。そして何より、最近はずっと師匠の機嫌が悪い。いつも以上に癖っ毛が言うことを聞かないらしい。毛先がくるくるしていても師匠の美貌は変わらないと思うのだが、その苦労を知らない僕が慰めたところで怒られそうだから、何も言えずにいる。――今日は、師匠と銀座で待ち合わせをしていた。浅草の時と同様、一緒に出掛けようと誘ってくれるのは嬉しかったし、回らない寿司というやつにもまんまと釣られた。銀座という高級繁華街に行くため、いつものラフな服装ではなく、落ち着いた色の綺麗めなセットアップでまとめている。黄原には『デートか?』と茶化されたが、「そうかもしれない」と真顔で返した。大学を出る頃、空はどんよりとした雲に覆われて、ぱらぱらと小雨が降っていた。折り畳み傘をさして駅に向かい、銀座を目指した。――指定された時間の10分前には、集合場所に到着した。しばらく待っていると、きょろきょろしている師匠の姿が遠くに見えて、「こっちです」と声を掛けた。こちらから近づくと、なんだか師匠の雰囲気が変わっていることに気が付いた。とはいえ、取り立てて褒めたりはせず、あくまで事実確認といった調子で首を傾げて )

……あれ。髪切りました?






241: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-21 00:14:43




( / とんでもないです!こうして楽しく紡げているのは、背後様のおかげなので!

そうですね!本当に偶然という形みたいでいいですよね。ネタバレのリスクもないですし!

冬嗣が間違えてややこしいので、正式名称は赤西泰雅(あかにし たいが)です!(笑)
実は赤西だと認識してからも、赤城で通すうちに、呼び方として馴染んでしまったようです(笑)
そして間違いなく、奇跡に近いですね!年単位で一緒にいても覚えられなかったり、逆にふとしたきっかけで覚えたりと、かなりランダムではありますが。
理玖君の名前は、早い段階で覚えたと思います……!
いつかエピソード0をやる機会があれば、ぜひ、その頃の二人も見たいですね……!

把握してくださってありがとうございます。
彼は色々知っていると思うので、タイミングが合うときにぜひセッティングしたいです!!

諸々ご相談に乗ってくださりありがとうございました!私もこの辺で失礼しますね。何かあった時は、いつでも呼んでください~! )




さすが浅木くん。よく気が付いたね。シティボーイ仕様の師匠もイケてるだろう?

( 浅木くんの声が聞こえてぱっと振り向いたものの、見慣れた姿が見つからない。おや、と思ってもう一度その方向を確かめれば、いた。いつもと違う服装をしているではないか。地図を無意識に雑巾絞りしながら歩み寄り、「あら~オシャレしちゃって」とオネェ口調で声を掛け、嬉しげに上から下まで眺めた。対して、僕が髪を切ったことに気が付いたらしい浅木くんはさすがだ。伸びた数センチ分をカットして、スタイリングもしてもらったとはいえ、良い観察眼である。褒めてもいいぞと言わんばかりに、へたくそなウインクをしてみせた。無事に合流できたことだし、先に浅木くんへのご褒美タイムといこうか。そう決めると、うっかり絞ってしまった地図を広げて道順をおさらいし、再び尻ポケットへ突っ込む。それから肩をぽん、と叩き、「それじゃあ、まずは腹ごしらえに行こうか」と声を掛けて、すぐそばの出口へ続く階段を登ると中央通りに出た。――雨天ということもあり、ビルや高級店は煌々と光を帯び、濡れたアスファルトまでその演出に飛び入り参加していた。まさに夜の銀座にふさわしい景観だ。雨粒を弾くように傘を広げ、そのまま七丁目方面へ向かって歩き出す。隣を歩く浅木くんへ、ビニール傘越しににやりと笑いかけて )

大学お疲れ様。……その服、もしかして“銀座デート”仕様かい?大学生には見えないね。




242: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-21 08:29:13




……まあ、はい。ちゃんと靴履いてて安心しました。

( 改めて自信満々な師匠の姿を見る。髪は整えられ、足元はいつもの裸足ではなく革靴を履いている。服装自体は変わらないのに、しっかりとした大人の男性といった風貌になっていた。当然めちゃくちゃかっこいいと思ったものの、得意のポーカーフェイスで顔には出さなかった。へたくそウインクは何だかいけすかなくて無視したが、師匠が手にしている紙には目を引かれた。よく迷わずに辿り着いたなと感心していたが、まさか地図を用意してきたとは思わなかった。流石にアナログすぎて、同じ現代人なのかと疑いたくなる。……それはともかく、師匠が考えたプランがあるなら従う他ないかと、駅の出口へと向かう師匠に着いていった。まだ雨が降っているようで、師匠に倣って傘をさす。その分、彼との間に空いた距離が少し寂しく思えたが、いや、軽率に腕を掴んだりするいつもの距離感がバグっているだけだと自分に言い聞かせた。連れ立って歩く最中、服装について言及されると少しばかり嫌そうな顔をする。デートと言われたところで今更取り乱しはしないが、つい黄原の言葉を思い出してしまった。それに、実はこう見えて浮かれているという自覚もあった。今日のために、しばらく帰っていなかった自宅のアパートに寄って、この小綺麗な服を引っ張り出してきたくらいだ。見るからに浮かれている。それを師匠に指摘されたみたいで、内心どきりとしながら、別にあんたのためじゃないからと平然を装って強がり )

……黄原にも同じようなこと言われたんですけど。僕だってたまにはおしゃれしますよ。僕が小綺麗にしてるのってそんなに珍しいですか。





243: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-21 13:16:58




ああ、郷に入っては郷に従えと言うだろう。文明にはこちらから譲歩してやったのさ。

( あっさりした感想とはいえ、一応僕のカッコよさには同意してくれたので、気分よくにっこり。“黄原”と聞いて、おや、原っぱ仲間だなと発想が浮かんだものの、僕が知っている彼の友人の名前とは結びつかないまま、視線を上げて普段の格好やスウェット姿を思い出す。ここまでぱっと印象が変わったのは浅草以来だったはず、と結論づけてこくりと頷いた。ファッションのジャンルで言えば、モード系に属するのだろうか。髪色とも相まって、とても映える。もっとこういう服も着ればいいじゃないか、と褒めながらも、どうやら今日のためにあらかじめ用意したわけではなさそうな返しに、男子大学生らしい事情を勝手に想像して、はっと閃いた。浅木くん、君ってやつは……! とひとりそわつき、グイッと傘同士をぶつけるように距離を詰めて反応を窺う。以前会った黄山君いわく、女子が放っておかないくらいなのだから、この格好で通学でもしたら大変なことになるのでは? そんな不安と妙なドキドキが表情に滲み出す中、寿司屋まであと少しというところで、鮮やかな赤色をしたビルが角に見えてきた。大手化粧品メーカーが運営するギャラリーだ。浅木くんが知っているかどうかは分からないが、長方形のガラス張りの入口付近へ目を凝らすと、『気鋭のデジタル・現代アート展』と小さな文字が見える。――何食わぬ顔で、浅木くんの視界を遮るように立ち位置を変えて )

普段着と寝巻姿ばかり見ているからなぁ。イケメン度が増すようだね。
てっきり勝負服かと思ったんだが……、もしや女子ウケのために仕込んでいたのかい?





244: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-21 18:28:21




……僕のこと何だと思ってるんですか。女子にウケたって嬉しくありませんよ。

( 自分から聞いたとはいえ、そんな素直に頷かれると少し複雑だ。そりゃ衣類のことなんて無頓着だからくたびれた服ばかり着ているけど。最後に新しい服を買ったのはいつだったかあまり覚えてないけど。ちゃんと身だしなみは整えている。清潔感はある、はず。絵を描くために動けたらそれでいいと思っている節はあるが、なんだか悔しいので、もう少し日頃からおしゃれに意識を向けようと思った。そっちだって毎日似たような服着てるくせに、と師匠の方を見たが、雨が降る夜の街を歩く美丈夫の横顔に思わず見惚れて、くそっ、似合ってるな! と即座に降参した。そして、どうやら師匠は、僕が大学ではモテモテだと未だに勘違いしているらしい。元々恋愛に興味も薄いし、そもそも垢抜けないファッションをしているせいで女子になんて見向きもされない。それに、僕は師匠に対してあんなことを言ったのに、全然響いていないんだな……といつかの夜を思い出して、少しがっかりした。今更僕が異性を気にする訳ないだろ。師匠の事しか考えてないのに。そう拗ねるように視線を外すと、ふと師匠が歩きながら立ち位置を移動した。その移動がどうも不自然に思えて、隠されて見えなくなった方向を覗き込もうとして )

……なんですか、今の移動。なんか隠してます?






245: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-21 21:57:23




え?男子……男だとは思っているが……なるほど、もはや浅木くんクラスにもなれば、強者の視点というわけか。

( 浅木くんのことは健全な男子大学生だと思っているよ、と言い掛けたが、『僕だって男なんですから』と言った浅木くんの顔を思い出して、さりげなく言い直した。女子にウケたって嬉しくない、という言葉には妙に納得して相槌を打ってみせる。それもそうだ。これ以上女子が寄り付いても困るということだろう。男子諸君が憧れてやまない景色が、彼にはすでに見えているのかもしれない。僕から視線を外したのさえ、“興味ないね”というクールな振る舞いとして映った。いいねぇ……。二十代前半らしいこの尖り方は、僕にも覚えがあるので結構好きなのだ。――「いいや? 隠してないよ」と迫真の真顔で即座に被せて否定しながら、覗き込もうとする浅木くんから見えないように背伸びしてブロックする。正直、どこまであのド派手なビルが僕の壁で隠せているのか分からない。「それよりも、見てくれ。師匠の睫毛に寝癖が付いたんだ。ほらほら」と目元を指さし、注目を集める作戦に出た。もちろん嘘だ。今朝、鏡を見ながら睫毛に寝癖が付いたらどうなるのだろう、とは思ったけれど。傘が邪魔をする中、ギリギリまで顔を近づけながらも、時折、進行方向を視線だけでちらちらと確認して歩みは止めない。そのまま通り過ぎそうになって、パタッと立ち止まる。大通りから外れた路地に、ぼうっと灯る看板が見えた。浅木くんの腕をちょいちょい引いて、進路をそちらへ変え )

ようし、……危なかった。……さあ!浅木くんお待ちかねの寿司屋はこちらでーす。





246: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-22 08:14:39




( 遠回しな言い方をしたせいで、多大な勘違いが生まれているとはつゆ知らず。明らかに何かを誤魔化そうとして歩行の邪魔をしてくる師匠に困らされていた。目元に視線を誘導しようとしてくるが、暗くてよく見えないし、ばしばし傘が当たるくらい距離を詰めてきて散々だ。「はいはい、寝癖があってもちゃんとイケてますから」と適当に受け流すが、ここぞとばかりに高身長を駆使して隠されると、余計に気になってくる。負けじと隙を狙って覗き込めば、派手な色をした細長いビルが一瞬見えた。あれって、確かギャラリーだったはずだけど……ここまで隠そうとするほど、師匠にとっては都合が悪いものなのか? と疑問が浮かんだあたりで、腕を引かれて、導かれるまま路地を曲がった。攻防を続けているうちに寿司屋の前まで来ていたらしい。けれど、このまま話を流されても釈然としないので、わざわざ隠していた理由を聞き出そうとして )

……さっきの、あれって有名な画廊ですよね。なんで隠してたんですか。……目に入れたくないほど嫌な思い出がある、とか?





247: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-22 22:37:29




隠していたわけではないし、嫌な思い出もないさ。……目に入れたくないというより、目に入れて欲しくないというか……。

( ギャラリーに気が付いていたらしい問い掛けにギクッとして、思わず唇を噛む。上手いこと寿司へ話を流して丸めこもうとしたが、さすが浅木くんには通用しないようだ。さっきは、寝癖があってもちゃんとイケてると褒められて「そうだろう?」と素直に反応してしまったくせに、今度は腕を組み、首を傾げながらなんとなしに言葉を続ける。とはいえ、返答はひどく曖昧だ。因縁でもあるのかと深読みさせてしまったらしいが、実際のところ何もない。どちらかと言えば、嫌な思い出になる可能性が……ある、というだけで。しかし、このまま寿司屋へ連行するには納得してもらえそうにないし、浅木くんが観たいというのなら、師匠は腹を括らなければならない。それは以前、美術展を候補に出した時にも覚悟したはずだ。おそらく。――少々落ち着きなく尻ポケットからハンカチを取り出すと、先ほどの攻防で付いたのであろう、浅木くんの肩の雨粒を払う。そのまま無意識にじとっとした目を向けながら、興味があるのかどうか尋ねてみて )

……浅木くんは、あの画廊が気になるのかい? 今日のデートコースには参加表明していなかったが……。





248: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-23 09:09:51




……いや、今日は大丈夫です。もうすぐ閉館の時間だと思うので。

( 因縁説は外れたが、他の理由を探ろうとするより先に、師匠から画廊に興味があるのかと尋ねられた。僕の肩を拭く手つきは優しいのに、どこか複雑そうな顔をしているように見える。その表情に既視感を覚えて、記憶を辿ってみると――そういえば、以前、美術館巡りの話題が出た時に『少し妬ける』と師匠が言っていたことを思い出した。他のアーティストの作品を見て、嫉妬したりするのか? 藍原冬嗣はどちらかと言えば嫉妬される側だと思うが……。まあ、師匠だって人間なのだから、時には実力者を羨むことだってあるのだろう。それは一理あるとしても、僕の視界を塞いでいた理由までは分からなかった。ともかく、師匠が行きたくなさそうな雰囲気を出しているので、無理に行く必要もないと首を横に振った。そして「また機会があれば行きましょう」と付け加える。師匠となら美術館でも展示会でも行ってみたい。それはそうと、今は寿司を食べる方が先だと店の前で傘を畳みながら )

……こういう寿司屋、初めて来ました。師匠はよく来るんですか?





249: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-23 12:14:41




うん、頻繁ではないけどね。最近だと展示のレセプション後の付き合いとか……、学生時代に麻雀で負けたら奢り、みたいなのもあったねぇ。

( 行きたくない……行きたくない……と思考をぐるぐるさせながら、祈るような気持ちで浅木くんの反応を待つ。すると、もうすぐ閉館時間だから今日は大丈夫だという言葉に、曇っていた顔がぱっと晴れた。学生時代から愛用している腕時計を、普段はあまり時間など気にしないくせにそれらしく確認して、「おや! たしかに。……じっくり見られる時に行こうではないか」と、あくまでも彼の意見に同意しただけという顔で深く頷いてみせる。はあ……、一時回避にすぎない。そう内心でもにょりつつも、「また機会があれば」という言葉には小さく頷いた。傘を閉じ、自分のシャツに付いた雨粒も軽く払う。その傍ら、こういう寿司屋は初めてだという彼に、心なしか嬉しそうに「ふ~ん」と相槌を打った。頻繁ではないにしろ、つい最近も僕に声を掛けた教授や関係者たちと、展示のレセプション後に飲みに行った。教授はものすごく熱心に昔の思い出を語ってくれたのだが、僕は結局、最後まで誰なのか分からなかった。うっかり酔って『へへへ、ところでどちらさんですか?』なんて口走りかねないので、飲むこともできなかった。酒は好きなのに。浅木くんの大学の関係者ともなれば失態はできないのだ。――そんな話を続けながら、大学時代には身内で麻雀が流行り、負けた者が食事を奢るなんて遊びをしていたことを思い出す。そこでふと、浅木くんは無茶な遊びに巻き込まれていないだろうか、と少し心配になった。自分のことは棚に上げたまま、寿司屋の引戸を開けて先に店内へ入る。暗すぎない照明と明るい木目のおかげで、上品ではありつつも、肩肘張らずに話せる雰囲気だ。コの字型のカウンターの中央には、大将と若い弟子の二人が収まり、すでに数組の客が食事を楽しんでいる。そのほとんどが男女の組み合わせだった。女将さんが『そちらのお席へどうぞ』と、箸の用意された空席へにこやかに案内してくれる。席につくと、おしぼりも差し出され、礼を言って受け取った。目の前の木札にはずらりとネタの名前が並び、カウンターには一枚の紙が置かれていた。どうやら本日の逸品が載っているらしい。おしぼりで手を拭きながら、浅木くんの方を見てにこにこと笑い )

ネタは何が好き? 今日は好きなだけ食べていいからね。





250: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-23 18:30:22




……へえ、楽しそうですね。

( うわ、負けた方が奢りな!とかいうノリ、陽キャだな……と偏見を抱きつつ、相槌を打った。僕の大学の連れは、黄原が無駄に元気なだけで、他の奴らは物静かだから、そういう遊びはしたことがない。高校や中学の時はそもそも連むような友達がいなくて、CPU相手に麻雀ゲームをしていた、なんて虚しい過去を思い出してしまう。仕方ないだろ、転勤族だったんだから。師匠と共に店内に入り、席に案内されると、少し落ち着かない様子で辺りを眺める。……想像以上にカップルが多い。こんなに雰囲気が良い店で、師匠はいったい誰と食事していたんだろう。せめて一対一ではなかったと思いたい。そんな独占欲を滲ませながらも、機嫌が良さそうな師匠に笑顔を向けられると、全部どうでもよくなってくる。外食の際によく出てくる師匠のいっぱいお食べモードだ。好きなだけと言われても流石に遠慮してしまう。寿司なんて久しぶりに食べるし、家族で回転寿司に行ったのだって遠い昔のことだった。子供の頃は何が好きだったっけ、と考え、ふと思い出したネタの名前を伝えて )

……昔は、えびが好きでしたね。あと本日の逸品も気になります。





251: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-23 21:18:34




……ふむ。昔は、ということは、大きくなってからはまだ運命のネタと出会っていないようだね? 師匠が浅木くんと寿司ネタのキューピッドになってやろう。

( 昔はえびが好きだったということは、最近はあまり寿司を食べる機会がないのだろうか。とはいえ、えびか。さては浅木くん、ウニや大トロあたりにいかないということは、遠慮しているのかもしれない。だってラーメンが好きな男子大学生だぞ、と若干の偏見を交えつつ、それならばと「大将、季節の握りを六貫ずついただきたい。えびも入れてほしい」と勝手に頼む。すると、『車海老が美味い時期だから、入れとくよ』と渋い声が返ってきて、さっそく目の前で魚に包丁を入れ始めた。「三種類くらいあるみたいだね」と、逸品メニューを二人の間に置いて指差す。冷製茶碗蒸しの燻製バフンウニ添え、穴子の肝煮、真鯵と縞鯵の食べ比べお造りと、三品の名が並んでいた。穴子の肝煮か……日本酒一択だな。……いやいや、今日は絶対に飲まない。少しくらいなら平気だが、これは酒が進みすぎる気がする。うっかり『師匠は浅木くんの大学にいきまーす!』なんてネタ晴らしをしてしまいかねない。絶対にダメだ。そういえば、浅木くんは飲みたいだろうか。ふと気になって、アクリル製のメニュースタンドに挟まったドリンクメニューもこちらへ引き寄せ、すっかりお食べモード全開で浅木くんの好みを窺い )

逸品はどれも美味しそうだね。全部頼んでもいいよ。……飲み物はどうする?





252: 浅木 理玖 [×]
ID:04240c48b 2026-09-24 23:26:16




( / 背後より失礼いたします。連休も明け、しばらく多忙になるため、お返事が遅くなる可能性がありご連絡させていただきました。一日一度はお返事できると思いますので、ご了承いただけますと幸いです……!



全部ですか? あんたが食べ切れるならいいですけど……僕は茶碗蒸しでお願いします。飲み物はお茶で。

( 運命のネタ……? と首を傾げつつ、注文を受けた大将の手捌きをカウンター越しにじっと観察する。魚を捌いて握るくらいなら僕でも出来そうだけど、あれほど手練れた動きはできないだろう。画家じゃなくて寿司職人に弟子入りしたらああいう風に学ぶのか、と大将の隣にいるお弟子さんにも目を向けていると、師匠の声に促されるまま手元のメニューに視線を移す。全部は流石に食べ切れないと思いながら、いや、師匠ならいけるのかとどっちつかずなことを考えた。どちらかと言えばよく食べる方だと思うけど、あの時は餃子をひとつしか食べなかったし……と浅草のラーメン屋での出来事を思い出しつつ、ドリンクメニューに酒類があるのを見て、師匠は頼まないのかと疑問が浮かんだ。実は、師匠が酒を飲むところを見たことがない。酔ったらどうなるんだろう。見てみたい気もする。僕の方は、飲み会にも行かないし酒の味すらうろ覚えだ。そもそも酔うほど飲んだ経験がない。特別飲みたいとも思わないので、無難にお茶を頼んだ。――やがて大将が握った寿司が目の前に置かれると、その大きさに驚いた。一貫一貫が本当に大きい。興味深そうに眺めながらも、師匠より先に食べる訳にはいかないと、待てをされた犬のようにじっと待っていて )

……美味しそうですね。





253: 藍原 冬嗣 [×]
ID:035733254 2026-09-25 01:10:53




( / お疲れ様です。ご多忙の中、ご連絡くださりありがとうございます……!連休明けは何かとお忙しいですよね。お返事をいただけるともちろん嬉しいですが、どうかご無理はなさらずに!マイペースに紡いでいきましょう。



食べ切れなくはないが……、寿司を追加する分のお腹は空けておいた方がいいね。
ほう、アルコールに行かないのもクールだね。では師匠も浅木くんと、おそろっちにしよう。……すみません、茶碗蒸しを二つと、お茶とジンジャーエールをください。

( 色々と食べさせたくて勢いに任せそうになったが、食べ切れるのかと問われて一旦冷静になり、ぱちりと瞬きをする。油はキツイお年頃とはいえ、僕は結構食べる方だ。しかし、浅木くんがえび以外の運命のネタと出会えるかもしれない時に、一緒になって腹を膨らませては勿体ない。そう考え直し、逸品は同じものを頼むことにした。飲み物まで堅実なのが実に彼らしい。もし浅木くんが酒を頼んでいたら、僕もつられて頼んでいた可能性があったから助かったが、浅木くんは酔うのだろうか。それとも酒豪だろうか。どちらに転んでも面白いことには違いない。「ああ、今度浅木くんと晩酌でもしてみたいなぁ」と、願望マシマシで呟いた。――お弟子さんが大将に倣いながら、せっせと寿司を握っている。なんだか浅木くんを重ねて親近感が湧き、カウンター越しに、こちらにも優秀な弟子がいるんだぞと見せびらかそうとしたところで寿司が到着した。『左から、車海老、穴子、鯵、バフンウニの軍艦、鮑、真子鰈。お待ち』と、大将がさらりと説明を添える。季節のネタだけあって、どれも鮮やかで見栄えがする。さて、浅木くんの反応は、と彼の前にも寿司が並べられていく様子を、その横顔ごと視界に収める。美味しそうだと言いながらも箸を取らない浅木くんに、思わず口元が緩んだ。彼はいつだって僕より先に食べようとしない。でも、今にも手を伸ばしたそうな気配は伝わってきて、ついつい忠犬のようだと思ってしまった。……このまま僕が食べなかったら、いつまで待ち続けるのだろう。それにしたって可愛い。……いかんいかん、意地悪嗣が生えてきた。せっかくなら反応をじっくり観察したいので、僕も箸を取らず、頬杖をついて見守る態勢に入る。さあ食べなさい、とばかりのウキウキを隠しきれないまま、心の中でひっそり『よし!』と号令を掛けて )

さあ、遠慮せずにどうぞ。師匠に食べているところをじっくり見せてくれ。こういう寿司屋は初めてなんだろう?





最初 [*]前頁 50レス ▲上へ

名前: 下げ

トリップ: ※任意 半角英数8-16文字
※画像を共有する場合は、外部の画像アップローダなどをご利用ください

規約 マナー
※トリップに特定文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます

【お勧め】
・初心者さん向けトピック



[0]セイチャットTOP
[1]1対1のなりきりチャット
[9]最新の状態に更新
お問い合わせフォーム
(C) Mikle