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アリスは憂鬱な夢をみる / 半無登録、指名制 / 再建/354


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自分のトピックを作る
261: 天女目 有咲、芹沢 陸 [×]
2025-11-09 14:49:22

   
   
>芋虫

__!! いいえ、違わないわ。この国はとっても素敵なところだもの。全部ちゃんと自分の目で見て、歩いて、確かめるわ

(優しい触れ方と、彼の言葉にはたと瞼の先が震える。彼に褒められたことは何より嬉しく、そして自分の目でこの国を確かめ楽しもうと決心したことも思い出させてくれたようで。自信に満ちた双眸に彼の姿を映すと、落ち着きの中に確かに芯を宿した声で返答を紡ぎ。やがて、捲られたページを覗き込むように寄り添い立つと視線を本へ落とす。ミラーハウスは、一度迷子になった経験がある。だからこそ、彼が”気持ちを落ち着かせたい時に使う”というのは少し不思議に思えて、思案するように首を傾げると唇に指先を添えた。出口に辿り着くまでが困難だろうが、抜けた先の達成感や、困難を切り抜ける中で自分と向き合い見つめ直すことができるそこは……確かに見方を変えれば気持ちが落ち着くのだろうと想像できて。納得したように小さく唇が開いてから、緩やかに弧を描く。)

ミラーハウス…。……なんだか、この国みたいね。急に迷い込んで、何も分からなくて……でも、あなた達と話していると大切なことに気付けることが多くて。鏡の迷宮って出られなくて怖いイメージがあったけれど、そう思うと確かに落ち着くわね。

(穏やかな笑みを称えながら、自分なりに思う国とミラーハウスの重なりを楽しげに話す。ただそれでも、出口を見失い自分が何者かさえ分からなくなった瞬間が胸を過ぎり、恥ずかしそうに苦笑しては言葉を続け。)

ああ、でも。自分を見失って出られなくなるあの感覚は……待って、名前を忘れちゃいけないのって……。

(_出られなくなってしまうから?_。それを口にせず、ハッとしたように瞳を揺らがせては聡明な彼を見詰めて。自分を見失って出られなくなった苦い記憶と、この場にいない彼が”名前を忘れてはいけない”と言ったことが妙に重なり。この国から、迷路から抜け出す時に無くしてはならない鍵ではないかとの結論に至ったらしい。彼を見詰めるその瞳に恐怖の色はなく、己の推察が正しいかと答え合わせをしたがる子供のようで。)


   
   
>大工

……違わん、けど。可愛い言うなや。俺に似合わん言葉じゃろ。

(図星、視線はまたもや逃げるように泳ぐ。歯切れ悪く言葉を返しながら、ぱっぱと手を振り払うような仕草で誤魔化して。それでも最後には、彼が自分の背を叩いたときのように、同じく手を伸ばして緩く背に触れる。言ったなら此方が嫌になるくらい呼べよ、と、そんな意味を込めて。短く触れた間にも、指先に伝わる誰かの体温は久しぶりで目尻が僅かに和らぎつつ。さて、強気なつり目とその奥に宿る優しい色合いに目を奪われながら、告げられた理由に”ふぅん”と素っ気なく声を漏らす。_随分可愛がっとるんじゃな。部下想いな奴かもしれん。……俺も、その中に入れて欲しい_彼が部下想いの一面をもつと微笑ましく思うなかで、無意識に抱いた羨望には気付かず。向けられた男らしく角張った手と、手入れの行き届いた形の良い爪に目を落とすなかで続いた言葉を耳にすると、反応を示したように彼を一度見遣り。色を入れてもらう、それは支配の印でもあるはずだろうが不思議と悪い気はしなくて。寧ろそれが繋がりとして残るならと、片手で彼の指先に触れてはそのまま気紛れに形をなぞるように触れた。)

俺の色も入れてくれるんか。……爪か、そりゃええな。どこにおっても、目につくけぇ。

(笑い声にもならないような、けれど確かにあたたかく息を零しては独占欲の滲む一言を添える。鏡を見ずとも常に視界に入る手元、そこに自分の色が入る未来を想像しては胸の奥が確かに熱を帯び。)

塗る時は俺にやらしてくれ。結構手先は器用じゃけ、綺麗に仕上げたる。……そのときは、あんたの色も。俺に入れてくれ

(口ではお願いをしつつも、その目はもう決定事項だと言わんばかりに真っ直ぐで。言い終えそっと彼の手を離せば視線を彼から外の世界へ。薔薇園以外にも何があるのだろうかと、気まぐれに目を向けて。)


   

262: 赤の女王、チェシャ猫 [×]
2025-11-10 22:23:43



>ユリーシャ

(紅の絨毯が静かに敷かれた長い道の先。高天井から差し込む柔らかな光が、背に掲げられた大きな紅の旗を柔らかく照らしていた。玉座に腰をかける自身の金の髪が光を受けて淡く輝き、桃金のティアラがより輝くように見えた。青白くなってしまった肌を隠すためのチークだけではなく、自然と頬に薄く紅が差す今日は確かに、久方ぶりに身体が軽かった。扉の外で報告を受け、「……アリスが?」そう口にすれば穏やかに目を細める。小さく息を整え、そばに控える赤の騎士へと視線を送った。その目配せひとつで、彼は迷いなく一歩前に出て、トランプ兵たちに静かに指示を下す。程なくして金属の靴音が遠ざかり、玉座の間にはやがて二人だけの気配が残る。微かに香る薔薇と紅茶の甘い香が、空気の隙間を満たしたその空間。そこにゆっくりと扉が開かれ、少女のあどけなさを面影として残すアリスが現れる。ミルクティーのような髪が光をすくい、いちごミルクのような瞳を見れば、不思議と胸の奥が少し疼くような懐かしさを覚えてゆるやかに微笑みを。口元には紅のルージュが灯のように唇に映えて「ようこそ、アリス。……来てくれて、嬉しいわ。」歓迎の声は柔らかく、けれどどこか誇り高い響きを帯びている。かつての少女の面影を残したまま、今はひとつの国を背負う女性の温もりを宿す声を送ってからゆるやかに片手を上げ。客人を歓迎する仕草は気品に満ち、病を抱える身とは思えぬほどに凛として「今日はね、不思議なくらい体が楽なの。……きっと、あなたが来てくれるとわかっていたからかしら。」ふふ、と。小さく笑いながら、傍らの赤の騎士をちらりと見る。その瞳に安心の色を滲ませ、再び彼女へと視線を戻す。まるで、長い夢の続きを迎えるように優雅に微笑んで)


>ロメオ

………あ゛~~。この国の女王は赤の女王だけだよ。名前だけなら白いのもいるけど、メリーは違う。軽々しくその呼称を使うのは良くないぜ(この国に置いても思想の強い者というのは一定数存在している。正しくはその内の一人が自分な訳で、ここに来たばかりの彼が自身の地雷を踏み抜いたとしてもそこに他意も悪意もないと理解ができる。理解出来ることと見ない振りをすることは、そこに感情というひとつの取っ掛りが加わることで上手く執り成すことが出来なかった。彼が口にした女王様というその一言を切欠に、ほんの一瞬だけにやけた面が固まった。それは困惑だとか、戸惑いだとかを浮かべるような苦味を含んだもので、笑みを戻しては声だけにその苦味がまだすこし溶けてしまった。すぐに気持ちの切り替えをするように頭をぶる、と頭を振ってからアハハ!と吹き出すように笑い声を上げて「あそこの人魚は可憐なお姫様じゃないよ。野生児みたいな自称王子」この場に当の本人がいれば怒ってしまうだろう紹介を行うと、それよりも世話焼きだという彼からの評価になんだか少し照れくささを感じてしまう。「お節介なだけだよ。」そう返せば半分に割ってもらったそれを受け取って、小さいひと口で齧り。来たばかりの彼は当然と言えば当然のこと、この国のことを知らない。加えて城に向かうことなく行き先を羊の元としたのならこれから先もこの国について知ることは難しいだろうということも容易く考えることができた。だから、先に口にした自分の言葉を拾い上げるようにして「お節介ついでに気になることに答えてあげてもいーよ。」大きな口元に、にぃんまりと笑みを浮かべて。そう伝えるのは彼が言う世話焼きだという性分そのままのようで)気になることとか、わかんない事とか。俺にわかることだったら説明してあげる。




263: タスク [×]
2025-11-10 22:24:24



>オルカード

リトは俺の予想を良くも悪くも超えてくるから少しも目が離せへん可愛ええ子やで。別に赤子とちゃうからあんよあんよて保護はせんけどね。(自分の目で確かめたほうがいい、他者からの意見なんて当てにならない。そう伝えた上で彼が自身から見たその子のことを聞きたがるならそれ以上拒むこともなく、ほぉん。と意味を為さないようなただ場を持たすためだけの相槌を置いてからこの場にいないその子のことを話して。その声色は特別デレデレとした感情を込めるでもなく、かといって分析をするような淡々とした物でもない大切な物の特に大切な部分は秘めるようなそんな明け透けにしない声で口にして。彼が何をどう思ってそこまでこの場にいない彼のことを追うのかはわからないけれど、にっこりと笑みを強めれば最後の締めくくりとして意思を込めたそれを口にして)けど、極論なんでもええねん。あいつがこっからつまらん男に成り下がっても、それで見限るような関係でもないし。俺はこういう人だからリトが気に入ってるっちゅうよりも、リトだから気に入ってる。っちゅうのが正解やね




264: 芋虫、大工 [×]
2025-11-10 22:39:49



>有咲

そうだろう、そうだろう。そうだろうとも!俺はきみに是非ともそうあって欲しいと思うよ(まるでチリチリと小さな炎が宿ったかのような彼女の眼差しに、満足するように口端をきゅうと持ち上げて納得した様子でうなずいて。彼女は聡明で、そしてしっかりと自分という芯を持っている女性だから、だからこそ此方が伝えたい言葉の意図をしっかりと掬い上げてくれる。それを近くで見ることが出来たことが嬉しくて、より彼女への興味を強めたらしい。それから自身が気に入っている場所として掲げたその場所を聞いた彼女がしっかりと時間を作りながら、自分の中にその場所を落とし込んで、その上でこの国の心理に気づきを得るように推察を行う。答えを求めるように大きな瞳に自身の姿だけを映す彼女に余裕があるように微笑むのはそのまま、伸ばした人差し指を己の口元に添える内緒話をする時のように顰めた音で“シー”と息を細く漏らせば二つの目を細くして。答えは上げないが、その間こそが答えだと言うように真摯な眼差しで彼女に応えて)


>陸

?似合わんって?……ふふ、ほんまにそう思って言うてるん?それ、あんたの基準やろ?俺は綺麗な音の響きやと思うで。(誤魔化しを入れるような彼の言葉に、というよりも先ほど自身が行った行動を真似るようなその動きが何も知らない雛鳥がぴいぴいとするようで気にいった。それから気に入った者の色を自身の体に残すことを聞いた彼が嫌がるまでは無いにせよ、怖がることなく一つのエピソードとして受け入れるのを見て彼が自然な動きで自身の手を取る事にも距離をとる素振りを見せずに受け止めて。それから決定事項のように伝える声は、先ほどのように謙虚なようで彼という自己を見せているようで面白い。くっくと喉を鳴らしてから伝えるのはこの目とて、自前の眼球をお気に入りの色に変えてしまったという事実。そう、落ちることのない色を自らの身に刻むのだということを言葉で伝えて。たっぷりの毒のように甘い声で言い切ればクッと喉を鳴らして笑い) そうさせてやりたいけどな……市販のマニキュアなんて、どうせすぐ剥がれるやろ?俺が言うてんのは──生えてくる爪の色ごと、あんたの色にしてまうってこと。陸が俺の手足になる時、あんたの“自由”は、もう俺の手のひらの中や




265: ユリーシャ・ゼレンカ、ロメオ [×]
2025-11-11 00:14:54



>赤の女王様

(光が静かに降りてくる。まるで誰かが〝おいで〟と呼んでいるような、優しい手招きのような包容力を感じて、少しだけ緊張している心をそんな必要ないのよと優しく擽るようだった。玉座の空気はどこか甘く花の香と茶葉の芳ばしさが混ざっていて、根拠もなく懐かしいと感じる――知らないはずなのに知っている気がする、と。足元は柔らかく、歩くたびに音が吸い込まれていく。誰にも邪魔されない静けさが自分の鼓動を際立たせ、胸に抱く高揚にとくん、とくんと高鳴る心音が女王様に聞こえてしまわないか心配だった。目の前にいる人は、光を纏っていた。髪がきらきらしていて、頬がほんのり色づいていて、笑ったときに胸の奥がぽうっと温かくなる。ああ、この人が女王様なんだと思った。誰かに教えられたわけじゃなくただそう感じて、玉座の前で立ち止まってはワンピースの裾を抓んで見よう見真似の一礼を。礼儀もお作法も難しい事は何も分からないけれど、美しくて気品溢れる彼女の前では何故だか無性にそうしたくなった。「……女王様。ユリも…、嬉しい」こんな時に何て言えばいいのか分からなくて、そんなに年齢が離れているわけではなさそうなのに言い表せられない母性を彼女に感じて、もにょもにょと小さな子供が照れるようにぽつりと。「病気、なの?」率直な問い掛けは思慮を尽くせない脳足りんだからこそ。無垢な素直さで悲しみの色を表情に映し、く、と息を呑むようにしてから両手をそれぞれきゅっと握り締めて「じゃあ、きっと明日もそうなるわ。明後日も、その次の日も。だって、ずっとユリがいるんだもの」女王様の優しさや社交性、粋な言葉選びを汲み取れず額面通りに言葉を受け取ったらしく、非力なくせに必死になるような責任感を交えた非科学的な宣言を。こんなにきれいでやさしいひとに病だなんて、世界は意地悪だわ。少し眉間に力の入った表情でそう物語り、ずんと更に一歩玉座に近づいては堂々と女王様を見上げて後ろ手を組み)つらくて眠れないときは、お話を読んであげる。そうしたら、気付いたら朝になってるの。



>チェシャ猫様

…、悪かった。この国と俺の国じゃ、その言葉の重みが違うみたいだな。
(ここまで崩れる事のなかった、含みがあるようで実は根っから優しい彼の特徴的な笑顔に罅が入ったように思えて、こちらも少し固まった後にやってしまったと口から顎にかけて押さえるように手を滑らせて、お行儀悪く開いていた両膝それぞれに手のひらを据えてがばっと頭を下げて。すぐに面を上げ「ありがとな、教えてくれて」しゅんと下げた眉の形で申し訳なさを示しつつ、今の失言が人格者である彼の前でなかったらもっと悪い事態になっていたかもと肝を冷やす心地で「やっぱり無知ってのぁダメだな。悪気が無いからって誰かの気分を害したり傷付けたりしていい理由にはならねえ。……お節介は自分以外の誰かのために時間を使える奴の事だ。俺はそういう奴、好きだぜ」この少し重さを増した空気が尾を引かないように明るく笑ってくれた彼の優しさを無下にしないためにも、きっちり反省して心の中で〝ちゃんとこの国と、そして関わる人たちと向き合おう〟と決心して。まさに渡りに船、彼の言葉に甘える意味でも、決意を形にする第一歩を踏み出す意味でも真剣な眼差しを向け、でも口元には何を知っても楽しんでやると言わんばかりの剛毅な笑みを浮かべたまま「ああ、俺の覚悟に付き合ってもらおう。まずは、この国で〝名前〟が持つ意味や力について教えてくれ。君も言ってたろ、アリスを連れてるだけで大仕事してるみたいに思われる、とかなんとか」何も知らず、何も持たず、ただ何かに選ばれてメリーの家に住まわせてもらっている。それに多分に感謝しながらも、与えられた居場所にただ何も考えず甘えるだけの男でいたくはなかった)メリーだって、俺がアリスだから初対面でも親切にしてくれたんじゃないか?何故アリスが重宝されるんだ。



266: 天女目 有咲、芹沢 陸 [×]
2025-11-11 12:48:04

   
   
>芋虫

(整った微笑みと、口元へ寄せられた指先。真摯な眼差しを受け止めていた瞳が、暫しの沈黙を経てふっと満足したように和らげられる。きっとこれからも、答えはもらうものではなく見つけるものなのだろうとも思って。言葉がなくとも伝わった答えにそれ以上は何も重ねず、ラックに残った数冊を手に取るとわ一冊ずつ丁寧に本棚へと戻していく。名前に関するヒントをくれた彼と、呼んでくれた彼と、答えてくれた彼の、皆の優しさを胸の奥で感じながら、ふわりと浮かんでいく本を見送って。さて、二人でやった分比較的直ぐに終わるだろうか、残っているのは彼の手元にあるその本だけに見受けられる。ほんの少し脱線してしまったけれど、最初にしてはよく出来たのではと満足の笑みを口元に浮かばせると「さぁ、先生。これでこの棚は完了かしら?」ラックや周辺の本棚を軽く目視で確認してから問いかけ。)

誘惑が多いけれど、とっても楽しいお仕事ね。喜ぶ本の姿も見られて嬉しいわ

(後ろ手に組んで、ふわりと触覚を揺らしながら朗らかに笑みを咲かせ口にする。もしかしたら今後、ダリアのように本を読み耽って芋虫の彼に怒られてしまうかもそれない、そんな未来を想像しては可笑しそうに頬を緩ませてもいて。)


   
   
>大工

(誤魔化せど改めて伝えられる言葉は慣れないもので、片手はポリポリと首元を小さく掻き。酷く甘い声に思わず瞬きしたのは、告げられた事実に漸く事の重大さに気付いたからでもあって。カラコンやマニキュア等ではなく、自分の身体にその色を刻んでいるのだと。装飾や遊びでは断じてなく、魂ごと染まるようなその話に胸の奥がざわめき。それはきっと恐れとかではなく、確かな喜びを感じてのこと。そんなことが本当に可能なのかと不躾にも彼の瞳をじっと見詰める。目の色を変えるのは失明と引き換えな印象がある故に、どうなっているのかと気にしている風に覗き込んではいるが……きっと無意識下では、消えない痕を残す責任と入れてもらえる幸福の狭間で心がせめぎ合っているのだろう。)

__……できるんか?そがいなことが

(この不思議な場所なら実際に可能なのか、そんな単純な問いのつもりだった。けれど、口をついて出た声はやけに艶を帯びていて。永遠に残るだろうからこそ、自分なんかの色を本当に入れて良いのか。入れたなら、此方も離す気も離れる気もないのだぞと試す様な心地も含み。入れる側も入れてもらう側も覚悟が必要だろう。ただ、発言した本人は自分の中に生まれたその感情に気づいておらず、表情も変わらないが。)

はよ入れてもろえるように、精進せにゃぁならんの

(先程までの低い声が嘘のように、歩幅を合わせる彼の隣でけろっとした調子に戻ると息を吐き出すようにふっと小さく笑う。)

……で、大工。あんたの眼ぇ、ほんまは何色だったん。色、入れ過ぎてあんたがわからんなるのは……なんか嫌じゃけ

   
   

267: 赤の女王、チェシャ猫 [×]
2025-11-11 19:22:26



>ユリーシャ

(紅の絨毯の先で、少女の声がまっすぐに届く。少しの迷いもない無垢な響きが、広い玉座の間に淡く反響して消えていく。しばし黙してその言葉を受けとめ、唇の端に微かな笑みを浮かべた。頬に落ちた光が金の髪を撫でて、桃色の瞳を柔らかく染めた。「……まあ、ユリーシャ。そんなに畏まらなくてもいいのよ。」ゆるやかに手を上げて、緊張する少女を宥めるように指先を揺らす。声はやわらかく、紅茶に溶けるはちみつのように甘かった。「どうか──お友達のように話してちょうだい。」そう言ってふっと肩を緩めて笑った。ほんのりと微笑むその顔は、玉座に座る女王というよりも、年相応のひとりの女性の表情に近い。彼女からのまっすぐな問いを思い返すと、胸の奥に小さな痛みが生まれたけれどそれを悲しみに変えぬようにそっと息を吸った。「ええ……そうね。病気なの。」否定も飾りもせず、静かに肯定する。その声音には潔さと、ほんのわずかな悔しさも混ざる。だがすぐに、彼女からの”明日も、明後日も”という無垢な宣言を思い出して、紅いルージュの唇がくすりと綻んだ。「ふふ……ずっとあなたが居てくれるのなら、きっと本当に、朝が来るたびに良くなっていく気がするわ。」少女の真っ直ぐな瞳が眩しくて、自然と笑い声が零れる。玉座の周囲に漂う薔薇の香りが、彼女の笑みに呼応するようにふわりと広がった。落ち着いた声で伝えるのは彼女からの気持ちへの感謝で「ありがとう、ユリーシャ。あなたの言葉は、薬よりも効くのよ。」それを静かに告げる。目の前の少女が、自分のために眉根を寄せてくれることが愛しくて、それでも悲しませたくなくて、彼女の表情をそっと緩めるように優しく呼びかけて「……おいで、こちらへ。」玉座の横に伸ばされた手が、柔らかな光を受けて白く光る。彼女がそばに来るのを待ち、その姿が近づけば彼女の目線に合わせるように少しだけ身を傾ける。声は今度は少し明るく、昔話を語るようにも聞こえて「トゥイードル・ダム。彼があなたをここまで連れてきてくれたのでしょう?」その問いは確認というより、確かめたい懐かしさに近い響きを持っていた。桃色の瞳に灯る微笑は、まるで遠い日を懐かしむように、そして彼女という新しい光を見つめるように、あたたかく揺れて)

>ロメオ

あー、いや。うん。国にとっては、って言うより俺にとってはかも。なんていうの、俺は今の女王陛下が好きだから次の女王陛下に求めるハードルが高いっていうか。だからその言葉を大切にしてる。……でもさ、俺はそんなこと話してないしアリスは知らないんだから気にしないでよ。知らなかったことで責めるなんてしないし(まるで怒られた子供が反省するかのように反省と今後への対策を考えるような彼に驚いた。彼の立場を考えれば知らないのだから仕方がないこと、それに相手が自分じゃなければ別段気にしない発言だった。だから先ずはそこまで気にする必要がないことを説明するように少しだけ眉尻を下げながら口にして。手に持っているたまごサンドをもくもくとネズミが齧るように大きな口からは見合わない一口で食べ進めながら真剣な眼差しで彼が抱く疑問をしっかりと受け止めて。真剣な疑問に向き合うため、真剣な表情で少し考える時間を作ると「意味を持つ、って話なら何も意味を持たないかも。ここだと名前を持つのはアンタみたいに違う場所から来た″アリス″だけだし、俺たちには名前がないんだ。でも、″アリス″が″名前″を忘れたら、アンタも俺たちと同じで名前がない存在になるだろ?その時にアンタはアリスから元の名前には戻れないって訳。──まだ″名前″覚えてるか?」小さく食べ進めるとはいえ、半分のサイズのたまごサンドは食べ終えることができた。空いた手をパッパと払ってから先ずは名前の意味についてを説いた。猫がするようにするりと身を寄せるように顔を近づければギョロリとした大きな目で彼を覗き)そして″アリス″は次の″赤の女王″になる。だから女王候補のアリスを大切にするんだ。



268: オルカード・エリス [×]
2025-11-11 19:36:05



>263 タスク


(話し始めてくれた彼に動かしていた片手は下ろし、それに静かに聞き入る。宝物を眺めるだけで触れる事は許されない、或いは宝の入れ物だけを差し出されている、そんな一等大事な所は密やかに伏された言葉選びに彼がその人に抱く情を感じ取りながら、眼差し自体はその語る瞳や表情の機微に注ぐ。「……その人だから、ね。あんがと、良いこと聞けた。」人格とか立場とか関係無く、ただその存在を肯定するような相手。自分が見付けるには大層困難を極めそうで、礼を返す音はやっぱり“羨ましい”が滲んでいたけれど、今度は同じヘマはしない。「時にタスクさんさ、なーんかオレん事リトルオイスターさんの追っかけしてるアリスくらいに思ってそうだよね。」話の区切りにぱっと変わる面持ちはにこやかで、いっそ胡散臭いくらいの軽さで何とも適当な言葉を投げる。その続け様にふーっと長い吐息を彼の顔にわざと当てて、まるで煙幕でも吹っ掛けるような仕草の後、おもむろに彼と同じ悠然とした姿勢でソファに座り直し、「――まあ、そっちのが気楽でええかもしれへんけど。」訛りがある言葉遣いと抑揚に、彼固有の声音も間の取り方も。にっこり計算された均整な懐っこい笑顔に、瞬きや呼吸の速度なんかの細かい箇所まで丁寧に丁寧に雰囲気を編み上げ、自分が見てきた“タスク”を再演する悪戯を仕掛けた。全てを見た訳ではないから完璧ではなかろうが、少なくとも“今は他でもない目の前の人物を知る気だった”と伝えるにはまあ充分な出来の筈。たった一台詞のそれを演るだけ演って満足してしまえば思考はあっという間に切り替わった模様、ソファにはまた頬杖が突ける体勢へ元通りに、「そうだ。話のネタ提供に来る時、何かお土産も持って来ようかなあ。」もう欲しい誰かを手に入れる事は大前提の前向きな独り言らしき声の次、少し斜めに逸れていた目が改めて彼を捉えて、「タスクさん何が良い?人に怒られるもんじゃなきゃ何でも持ってくるよ。」軽い世間話の空気を纏い、ちょっぴりいい加減な冗談も添えた問いかけと共に、それまでと同じ楽しげにからから戯れるような笑顔で向き合い。)




269: 芋虫、大工 [×]
2025-11-11 22:36:20



>有咲

(与えた答えを元にして彼女は何を思うのだろうか。名前を今までよりももっと大切に宝箱の中に閉じるのだろうか、それとも元の居場所に別れを告げるように早々と手放そうとするのだろうか。それをすぐに知る事はできないけれど、ひとまず彼女が満足する答えを渡すことができたのだと安心する。最後の一冊を元の場所へと戻してあげる。それから改めて彼女に向き直れば改めて拍手を送り、仕事を気に入って貰えたことがわかれば双眸を緩めて「今日は初めてだからね、仕事はここまでにしよう。また次にここの手伝いに来てくれた時には違う書庫で同じように仕事を頼むことになると思う。俺個人としてはいつでも手伝いに来てくれるのを待っているよ。」そうして懐から取り出したのは手のひらサイズよりも小さな真紅色の本。その本の表紙に自らの手を当てがえば数秒ほどそのまま、それから「アリス、手を出してごらん」と一声をかけて本を開く。するとそこには金貨が10枚、それを彼女が差し出してくれた手のひらの中へ落とせば笑みを深めてから今日の仕事を労って)よく頑張った。これは今日の報酬だよ


>陸

欲張ったら、結局どれも守られへん。せやから俺は大事なもんはこの身で抱えられる分だけあればええねん。その代わり、大事なもんを逃さへんように俺の手ぇ伸ばせば届くとこに置いとくんや。……ほら、自分の目で納得するまで見てみ。ニセモンの目ぇしとらんやろ?これが俺の覚悟や(色を残すと伝えたその発言の重みを彼が知った時の反応を見逃さずにしっかりと見ていた。穴が空いてしまいそうな程じっと見つめるその視線に応えるように自らも彼の目へ自分の目を向けて。それは蜘蛛が罠に仕掛けるような糸を張る行為にも似ている。表情を変えることなく、その上で入れてもらうことを望むような返事に肩を揺らすように笑い声をあげて。今度は自身のことを知りたがるように問いかけられたその質問に「せやなぁ、何色やったっけな。……はは、もう覚えとらんわ。この髪の色見りゃ、きっと似たような黒やったんちゃうか」答えようとしたところで記憶がないことに気づく。少し考えて見たけれど、答えが見つからなければ肩を竦めてから答えを送り。そこに悲しみや後悔は見られないようで「せやったら、今の俺を陸が覚えといて。目ん玉以外は元々の色やさかい」元の自分を求められたことが悪い気分じゃなかった。だから面白がるような声でそれを伝えれば森の中、茂みを進むように獣道をいく。それは恐らく通常は使わないだろう、そんな道。そこを暫し進むと途端、ひらけた場所に出た。湖には荒廃と不気味さを漂わせながらも豪華な海賊船があり)陸、見てみ。あのでかいのがあんたの家になるんやで。



270: ユリーシャ・ゼレンカ、ロメオ [×]
2025-11-12 00:04:41



>赤の女王様

…!名前、なんで…?
(ハッと見開いた瞳に、一瞬だけだがハイライトが戻る。瞬きの間に消え失せた光を追うように誰にも正しく告げていないはずの本当の名前を呼んでもらえた事に驚き、何よりも嬉しかった。夢の中を歩くような自分に、確固たる存在の輪郭を与えてくれたような気がしたから。お友達のように、そう言ってもらえて記憶を辿るが友人との喋り方はどこにも見当たらなくて、小さく困るように沈黙を返す。無力で小さな自分の言葉を一つ一つ丁寧に受け取ってくれる女王様のことが眩しくて、憧れで、すっかり大好きになってしまったから、そんな人から差し伸べられた手に胸の奥がきゅうと鳴った。それはまるで夢の中でしか見たことのない場面が現実になったようで、その音は痛みではなく多幸感のもたらす震えだった。女王様の手は光に包まれていて、触れたら消えてしまいそうなほど綺麗で、でも確かにおいでと言ってくれた。だから迷わず歩み寄って、後ろ手に組んでいた手をそっとほどき、小さい子供が母親に甘えるように腰掛ける女王様の膝元にそっと手を重ねて。無礼極まりないけれど、双眸は一切の揺らぎなく純烈なまでの敬愛を抱き彼女を見上げて「……ユリ、ほんとうにここに来れてよかった」ぽつりと零れたその言葉は、誰かに聞かせるためではなく自分自身への確認のようだった。女王様が自分の目線に合わせるように身を傾けてくれたその仕草に、ちゃんと自分を見てくれているんだと実感してふわりと微笑む。まるで、ずっと前から知っていた人に再会したような、そんな不思議な懐かしさが胸に広がっていた。「ええ。ダムが連れてきてくれたの。ユリのこと、見つけてくれたの」誇らしげに言いながら、ほんの少しだけ顎を上げる。その表情は強がりではなく、誰かに大切にしてもらえたことへの純粋な喜びに満ちていた。女王様がたくさん語り掛けてくれたから、ちらちらと頭をよぎる違和感、あるいは既視感に似た何かが少しずつ存在感を増して、まるで祈るような顔と声で深い知性と品性を宿す桃色をじっと見つめながら)〝たすけて〟って言ってたのは、女王様なの?



>チェシャ猫様

ダチが大事にしてる言葉なんだから、これからは俺にも大事にさせてくれ。例えそれが俺には未だよく分からないものでも。
(彼の言葉をただ黙って聞いてから、真っすぐな眼差しで願いの形をとった決意を告げる。そんなに大事なものなのに他者に押し付ける気がない辺り、やっぱり彼は人格者で善人だ。そうしてもう一つ気付いたことがある、さっき自分が踏み込んだのは“国のルール”ではなく“彼の心の領域”だったのだと。「チェシャが好きな女王陛下ってのは、きっと秩序の中に自由を許すような人なんだろうな。…君がその名前を守る理由、少しだけ分かった気がする」穏やかな笑みのまま言いながら、無意識に左手の甲に残る火傷の痕に伏し目がちに視線を落としていた。彼の個人的な信念に触れたことがとても有意義な事に思えて、彼が守ってきたであろう足跡と自分が守ってきたものを意識しないうちに重ねてしまったのかもしれない。「最高に旨かったな、たまごサンド」途中から食べきれるだろうか、無理をさせてはいないかと内心で心配していたが、無事に完食するのを見届けてニカと笑って。食べた量の差は関係なく、静かな木漏れ日の下で彼と同じ味を共有できたことをただ喜んで。舌先三寸ではない、しっかりと答えを考えてくれたことが伝わる間すらも無為なものではないと真剣な集中を保ち、零れてしまいそうな猫の目を真っ向から見据えて「なるほどな。そういう仕組みか」見方によれば理不尽とも思える真実だが、それがこの国の理なのだと潔く受け止めて。名前に関する問い掛けにはハッと小さく笑って「来たばかりで忘れるわけないだろ。男前の俺にぴったりの名前だからな、一度聴いたら君も忘れられないぜ」と、虚勢か否か測りづらい余裕たっぷりの軽口を。考え込むように腕を組んで天を仰ぎ、すぐにまた猫の瞳を捉えて「……次の〝赤の女王〟はどう決まる?」次に思いを馳せたのは、アリスが赤の女王に選定される条件――ではなく、いま現在玉座にてこの国を見守る赤の女王様について。「女王ってのは“座る椅子”じゃなくて“背負う重さ”だろ?その重さに誰が耐えられるかなんて、結局誰にも分からない。だけど、誰かに選ばれるってのはいつだって不確かだ。選ぶ側の都合も、選ばれる側の覚悟も、普通はどっちも揃わなきゃ意味がない。だから、どっかのアリスが次の女王になるって話も、今の俺には“誰かの願い”にしか聞こえないんだ」進む道は未だ見えないけれど、その重さを理解しようとする真摯な声と表情で続ける)……だが、願いがあるならそれを叶えるために動く奴が必要だ。俺は、そういう“動く奴”でいたいと思ってる。



271: タスク [×]
2025-11-12 01:19:58





>オルカード

(目の前で行われた短い演技に一瞬だけ笑みを止めた。頬の筋肉がゆるむ前に、目の奥で何かがぴくりと弾ける。向けられた〝自分〟の模倣を前に、まるで鏡越しに覗き込まされたような気色悪さが喉の奥を這った。演じ方が悪いのではなく、むしろ上出来だ。だからこそ、ぞわりと皮膚の裏を爪でひっかかれたみたいに不快な恐ろしさを与える。それは自分の顔をした他人が、話の間合いすらそっくりそのままだという事実がそうさせた「……あー、やめぇや。似すぎてて鳥肌立ったわ。」軽く肩を竦め、喉の奥で笑いを転がす。ブルブルとわざとらしく震える演技をして見せながら音の端にうっすら毒を混ぜてふっと息を吸い込み、長く長く吐き出した。吸い込んだ酸素を肺の奥まで沈めるように、余計な感情を吐き出すように。空気が落ち着いた頃には、苦い感情に強ばる顔は元に戻っている。「……で、お土産?そんなん気ぃ遣わんでええよ。」にっこり、牙を覗かせて笑う。声は軽く、しかし本音のように顔の前でパタパタと手を揺らしながら伝えて)俺な、もともと誰かに何かしてもろたり、貰うん好きやないねん。借り作るんもしんどいし、そん時の空気がどないも苦手でな。せやからアリスのその気持ちだけ頂こか。



272: 赤の女王、チェシャ猫 [×]
2025-11-12 01:20:53



>ユリーシャ

(どうしてと訴えるような控えめな問いに、ただ静かに微笑んだ。その微笑みこそ答えだと言うように、まるでそういうものなのだと言わんばかりの、何も言葉にしない、ただ優しく深い表情で受け入れるように笑んでみせる。その顔は光の中でひどく穏やかで、哀しみと慈しみが同居するようで。歩み寄ってくれた小さな手が、膝の上で温もりをくれたときに、胸の奥がきゅうと鳴る。この道に来るまでにどれほど不安で、どれほど怖かったかを知っている。彼女がここまでの旅で感じた孤独や迷いを、誰よりも理解していた。なぜなら、かつて自分もまったく同じ場所を歩いてきたのだから。ここに来れてよかった、と微笑んだ彼女の声があまりに眩しくて、嬉しくて、同時に申し訳なくなる。こんなに純粋で優しい子に、もしかしたらこの国の未来を託さねばならないのかもしれない。そんな思いが胸を締めつけるが、それを悟らせぬように、静かに息を吸って。彼女の口から零れた問い掛けの響きが、静寂の中で痛いほどやさしく胸に届く。隠すことはせず、駆け引きをするつもりもない。小さく瞬きをして、ゆっくりと頷いた。「ええ……そう。あれは、私。もう、あまり時間が残されていないの。この体も、この声も、きっとそう長くは──。」声は震えていないのに、どこか細く、まるで薄氷の上を歩くようなそんな言葉を途中で止め、そっと視線を落とし。玉座に差し込む光が淡く揺れ、影が二人の足元に寄り添うように伸びていた。小さく続ける声は、まるで祈るように静かで。「この国はね、赤の女王がいなければ形を保てないの。赤がなければ、花は色を失い、兵は立つ意味を忘れてしまう。だから──誰かが、続きを生きなければならないの。」そう言って、細い手がゆっくりと彼女の髪に伸びる。長い前髪が耳にかかるのを整えるように、指先が優しく撫でた。彼女の髪は陽の光を受けて淡く輝いていて、指の下でさらりと流れるのを心地よく感じ。それからそばに控える赤の騎士へと視線を送る。わずかなアイコンタクトだけで意図を察した彼は、玉座の側卓に置かれていた小さなジュエリーボックスを恭しく捧げ持って進み出た。金の留め金が開かれ、内側には宝石のような光を帯びたいくつかのヘアアクセサリーが並んでいる。その中から、選んだのはピンクゴールドの薔薇を中心に、パールとクリスタルが散りばめられたアンティーク調の小さなバレッタで。それをそっと手に取り、彼女の耳にかかる髪に差し込む。「……ユリーシャ。私のことも、この国のことも、どうか助けてちょうだい。」そう伝えるその言葉は命令でもお願いでもなく、願いそのもの。一人の女として、一つの命として、次に続く者へ託す祈りのように送り)


>ロメオ

…………最高のダチに出会ったみたいだ(この国に生きる者は良いところも悪いところも有る。そのどちらにも跳ねるのが自我の強さであり、その我を曲げないと言ったところだ。だからこそ己の信仰や思想の強さを否定をされないが肯定、同じ目線で見ようと共感をされることもない。彼が見せた心の共感は、この男にストンと矢が刺さるように突き刺さる。く、く、と照れ隠しに笑いながら並ぶ彼へ自らの肩をぶつけるように凭れ掛かりながら軽い音でそれを告げて。考えに意識を向けたからだろうか、久しぶりに食べ物を胃のなかにしっかりと落としたような感じがした。彼が旨かったと語るのに軽い動きで頷いて「アリスがいなきゃこの旨さを知らないままだった。」と彼のおかげだと言うことを言葉にして。彼が自分の名前は覚えていると知れば尻尾がゆらりと揺れた。簡単な気持ちで彼の名前を尋ねることは出来なくて、だからこそ次に彼が伝えてくれた言葉に耳を向けてしっかりと聞く。それから短く息を吸い込めば「今の赤の女王がさ、アリスだった時。俺もアリスだったんだ。俺もあの子もあの城で過ごしたアリスで、気が合ったんだろうなァ。一緒に過ごした時間は長かったはずなのに、今じゃ何も思い出せなくてさ。……気づいた頃には俺はチェシャ猫だし、あの子は女王陛下だ。」凭れ掛かったまま話すのは昔話のようなそんなトーンで、そこに悲壮感は持っていない。ただ、不思議だと言うような、思い出すことのできない歯痒さを勿体無いとするようなそんな声色で。力を抜き、預けていた身体を再度自立させれば「前の女王のことも、俺の前にいたチェシャ猫のことも。あの子が女王陛下になったのかも。全部″そうだった″って言うみたいに、俺も周りも時計が動き出したから。」三日月を置くように口元に笑みを浮かべて椅子の上に片足をついて背を丸め「今の女王陛下がいなくなった時、アリスの中でその名に相応しい子が選ばれるんじゃないかな。その時は俺もあんたも最初から″そうだった″って時計が動くよ。」彼が友達だから。友達に昔話をするのは悪いことじゃない。そう理由を付けをしてか、長いが明確な答えは無いそんな説明を締めくくり。改めて彼へ顔を向ければ猫がするみたいに首を伸ばして頭を傾けて、誘うように薄く笑った表情で選択肢を渡し)アリスが元の暮らしに戻りたいなら、忘れないように俺が周りになんて言われてもアンタにぴったりの名前を呼び続けるよ。元の暮らしに戻りたく無いなら、アリス。俺のアリスとしてここで生きようよ



273: ユリーシャ・ゼレンカ、ロメオ [×]
2025-11-12 19:56:27



>赤の女王様

(終わりの気配、別れの予感。途切れた言葉の先にそれらを感じ取ってしまって、当然そんなものを受け入れたくなくて嫌々をするように小さく首を振る。まるで自分の中に芽生え始めた何かが音を立てて崩れたように感じて、でもそれは絶望などではなく無知の重さを初めて知ったことによる衝撃だった。女王様の声は震えていなかったのに、さっきとは違う痛みを伴って胸の奥がきゅうと締めつけられて、か細い声は僅かな震えと共に「…やだ」と残酷なまでに止め処ない光の降り注ぐ玉座の空気を揺らして。ぽつりと呟いた声には、女王様の言葉を否定するのではなく、拒むのでもなく、ただ“それをそのままにはしたくない”という無垢な想いと確かな意志が宿っていて「だって女王様の声、すごくきれいなのに。ユリ、もっとずっと聞きたいのに」あろうことか、膝元のドレスがしわになってしまうくらいの強さでぎゅぅと握り締めてしまう。それも無意識の反応で、これもまた〝世界は突然終わる〟というトラウマを触発されてのこと。何も分からなくて頭の中はパニックで、それでも不思議なくらい女王様の透き通るような声は胸に届いた。途中の言葉まで全部を理解できたわけではないけれど、この国の背負う宿命をまたその一身に背負わされ、さらに病に侵される身であっても立派に役割を全うしている女王様の事を心から凄いと感じる。そんな人が優しく髪に触れてくれて、思わず何かを堪えるようにきゅっと唇を引き結び、でもさらに素敵なバレッタまで与えてもらってしまって、思わず滲んだ涙で視界が揺らいで。けれど泣かない。泣いてしまったら、自分の所為で女王様を悲しませてしまう気がしたから。だから懸命に堪えるように力の入った表情で女王様を見上げて「ユリ、まだ何もできないけど……でも、できること、探す。女王様の時間が、もっともっと続くように。ユリ、がんばるから」あなたの願いは確かにわたしに届いたのだと、そう伝えたくて拙い言葉を尽くして。その場に両膝をつくようにして、女王様の腰回りに柔く手を回してドレスに顔を埋めて「だから……お願い。まだ、いなくならないで。ユリ、ここにいるから」祈りと決意。まだ幼いその手は、何も救えないかもしれない。でも、今まで感じたことのない強い気持ちで、この人にずっとずっと生きていてほしいと願って、まるで夜明けを呼ぶ鐘の音のように、静かに、それでいて確かに泣かないままで顔を上げて)



>チェシャ猫様

(預けられた体重が想像の何倍も軽くて、驚きよりも心配の方が色濃く心を動かしたけれど、すぐに新鮮で今まで感じたことのない純粋な喜びに染め上げられて。これまで誰かに喜んでもらえたり心を許してもらえたりするときは、自分にとっては何の感動もなく、相手を喜ばせるために言葉を選んだ結果だから当然だろと、どこか冷めた合理的な感覚を持っていた。でも先ほどの言葉は打算も何の狙いもなく気付けば唇から溢れていた本心で、だからそれを彼が受け入れてくれたことが人生で初めての経験のような気がして、軽やかながらも確かな信頼を乗せた声で「そいつは俺の台詞だな」と返して笑った。紡がれた物語は、まるで記憶の霧に包まれた夢の残響みたいだった。確かにあった過去なんだろうけれど、不確かさを完全に否定できないような不思議なバランスで成り立つ昔話に、この国では理屈で説明できない事が起きて、それに彼のような善人を巻き込んでしまうのだと学んだ。「過去にアリスだったって事は、きっとチェシャにも名前があるんだな」隣の彼の横顔を見て、そこから猫の面影が消え失せたところを自然と想像して。でもきっと見た目や名前がどう変わっても、彼は彼のままで生きていたんだなと思いを馳せ、思わず「知りてえなあ」と、心の底から求めるように、独り言のようなトーンで呟いて。彼はこの国で名前は意味を持たないと言ったけれど、彼の話を聞いたうえで〝名前はただの呼び名ではなく誰かの記憶に残る形〟だと自分の中で落とし込んで、だから無性に、もう遥か彼方に行ってしまった彼の最初の名前を知りたくなった。彼の誘いには、まさしく眼球が零れ落ちそうなほど垂れた双眸をかっ開いて固まること数秒。そのうち、ク、ハハッと漏れ出した笑いは嘲笑の類ではなく、許容量を超えた歓喜の火の粉が散るようなもので。その切れ間に浮かんだメリーのくしゃっとした笑顔に、ああそうだよなと一度口角を上げたまま閉口し、すぐにくしゃりと彼の髪を乱すように撫でながら「俺はメリーに引っ叩かれるダチなんか見たくないぜ」そう告げる顔は、限界まで目を細めてまさにくしゃりと無邪気に、朗らかに笑っていて。実際メリーはどう反応するのだろう、彼の事を知ったと言うにはまだまだ早すぎるからいまいち鮮明な想像は出来なかったけれど、〝M〟のイヤーカフが見えないくらいメクラなの、とか、俺の方を向いてアンタもコロッと惚れてんじゃないわよとか言ってくれそうだよな、なんて考えて。「俺はメリーのアリスで、チェシャ猫のマブダチのロメオだ。君ほどの男は元いた世界には居なかったし、俺の信念はこの国でも貫ける。だから戻りたいとは思わないぜ」言葉の奥に火を灯すように、そしてその火を彼と分け合う事を望み選び取るように、ニカリと笑う顔の耳元でシルバーのイヤーカフがきらりと木漏れ日を反射し煌めいて)



274: 天女目 有咲、芹沢 陸 [×]
2025-11-12 20:42:36

   
   
>芋虫

ええ、ぜひ! もっと先生と本の役に立ちたいの、次は今日の倍以上働いちゃうんだから

(次も仕事を任せてもらえる。その事実が嬉しくてほっとしたように微笑むと、また手伝いに来るつもりであることを嬉しそうに口にして。借りた白のリボンを返そうと人差し指で端を摘み解こうとした刹那。手を差し出すように言われると不思議そうに瞳を瞬かせつつ、素直に両手を差し出した。チャラ、と軽快な音を立てて落ちてきたのは、掌に収まる10枚の金貨。綺麗な真紅の本から金貨が出てくる不思議に心を擽られつつ、ご褒美に彼の時間を要求したにも関わらずこうして金貨も貰えるとは思っていなかったようでぱちぱちと瞬きを。労いの言葉も嬉しいもので、目尻をやわらかく下げると「まあ…!ありがとう、先生」手の中の金貨を大事そうにそっと包み込みながら声を弾ませた。手元の金貨を1枚摘むと光へと翳す。元いた国の通貨とは異なる意匠、この国を象徴する何かが描かれているだろうかと表裏を確かめることもして。同時にその価値も想像する。花瓶と、便箋も欲しいしダリアやムカデへのお礼の品も用意したいところ。何か手作りのものを送るにしても、その材料は自分でしっかり揃えたいわけで。一度独り言のように呟いてから、丸い瞳を彼へ向けては問いかける。)

これで花瓶も買えるかしら? …先生。金貨が10枚あったら、この国ではどんなことができるの?


   
>大工

は?覚えとらんってどがいな……ん。ほんなら、ええよ。俺が大工を覚えとくけ。……まぁ、大工の顔も声も、忘れよ思うても無理じゃろうけどな

(彼の言葉が耳に落ちる度、心臓がゆっくりと跳ねる。守れるものだけを抱える、そんな彼の生き方が眩しく見えたのだろう。欲しいものしかなくて、羨んでばかりいるだけで…守りたいとか抱え過ぎたら守れなくなるなんてことを考えたことがなかったらしい。魅入られたように覚悟の灯る双眸を見詰める芹沢の瞳、その奥深くの藍色はゆらりと揺らめき鈍く光を帯びて。心地好い笑い声に耳を済ませながら、肩をすくめる仕草に不思議そうな声が漏れる。生まれた時から一緒のはずの、目の色を覚えていないなんて何事だと。微かに眉間に皺を寄せかけたが、ひとつ任されると二つ返事で頷き。そうしながら差し掛かる獣道も、片手が塞がっていようと歩幅は崩さず、来た道を覚えるために確かめながら足を運ぶ。そして、彼のひと声に導かれるように顔を上げたその先__湖面に浮かぶ船体に声を上げた。光を飲み込むような艶のある鉄の装飾、傷だらけの帆柱、僅かに黒ずむ木材、何処か不気味さを漂わせながらも確かに美しく、呼吸をするたびに胸の奥が熱くなり。)

ん? っんお、でか……立派じゃの

(圧倒的な存在感を放つその海賊船を見上げたまま双眸を細める。きっと、もう後戻りはできない。恐怖よりも不思議な安堵があるのは、彼の隣にいるからだろうか。横目に彼を見ては、薄く口端を上げ言葉を紡ぐ。ただ、本当に海賊船だとは思っていなかったようですぐに表情が戻ればぽやぽやと呟きもして。)

ほうか、あれが俺の家になるんじゃな。ほいじゃ、これからよぉ頼むわ、大工。……にしても、マジで船じゃ。泳げんのによう来たもんじゃの、俺。

   


275: オルカード・エリス [×]
2025-11-12 21:31:16



>271 タスク


ごめんねcutie、怖かった?
(今までで一番表情を変えた彼のその瞬間を見逃さない。すかさず詫びと心配の形を作る言葉には、どうしても笑う色味が入ってしまう。しかしそれは揶揄ではなく――悪戯成功の喜びと、己の培った技術が彼に届いた事への誇らしさがくしゃくしゃに混ざった無邪気な嬉しさの色。「大丈夫、もうやんない。」それらをふっと短い吐息で掃き、あまり良い感情とは言い難い反応だった彼へそう真っ直ぐ安心の約束を結ぶ。それから土産を断られて先ずは眉を垂らし、「そっかあ、そんじゃ仕方無い。借りも貸しも、引き摺ると色々面倒だもんなあー……恩売るのは好きなんだけどさ。」残念がる心情はたっぷりに、でもその理由に此方も思い当たる節を幾つか掘り起こして苦く顰める面持ちで素直に土産は諦める。ただその先にも何か尾を引く呻きと、頬杖を突いていた手で顎を擦る仕草を数秒ほど回して、「んー……じゃあ、たまにお話しに来るくらいは良い?こう、オレが勝手に喋るの適当に聞き流してくれて構わないからさ。」少しでも多く話し相手がほしい、と。どの辺りが彼の許してくれるラインかを手探りに、問い掛けは歩み寄る為の悩みをなみなみ含む。「……タスクさんにイタズラとか悪さとか、……なるべく、しないから。」もう一つ、萎びた顔で明らかに渋りつつも条件を付け足して、少しでも了承の成功率を上げんとする。そこで“絶対しない”と言わないのは、自分の享楽性分を知っているが故に嘘を吐かない、彼へと示すちょっと解り辛い誠実さ。「……どう?」返事を促す声は恐る恐るといった具合に芯が細く、首を傾げてじっと窺う眼差しも、珍しく期待より不安が勝っていて。)




276: 赤の女王、チェシャ猫 [×]
2025-11-13 18:51:03



>ユリーシャ

(ああ──。こんなにも愛しい子がいるのだと、胸の奥で静かに震える。膝元に顔を埋める温もりが微かに震えて伝わると胸が締め付けられるような堪らない気持ちになった。気持ちを固めるように、弱い部分を見せないように、そんな健気な強さを前にすると持つすべてを全部分け与えたくなるようなそんな気持ちになった。大きな瞳は潤み、今にも泣いてしまいそうなのにその一滴を落とさないように堪えているのが伝わる。言葉を探してその中から選ばれたのはきっと彼女が本当に思っているのだろうその気持ちだというのが伝わって、背を丸めるように距離を近づければ細い肩を包み込むように両手を伸ばして。そっと、優しい力で腕に包めば「ユリーシャ」と名前を呼ぶ。その声は穏やかで、温かみを帯びた響きをしている。彼女の瞳には幼くも凛とした決意の色が宿っていたから、心臓の奥がじんと痛む。「ありがとう。……私、もうなにも怖くないわ」浮かべる微笑みは静かで、だけどそこに宿る光は決して消えてしまいそうな物ではなかった。彼女が見せてくれた凛とした強さが胸の奥の情熱をもう一度灯してくれた。だから今一度、彼女を含めたアリスがこの国を守りたいと思うほど愛せるようにその間を我が身で繋ぐのだと決意を固めることができた。「この国は沢山の愛でできているの。いま貴女がくれたその想いも、私の時間の糸の一部になったのよ。」優しくも芯を持った声が言葉を終えると少しだけ顔を近づけ、額に唇を寄せた。キスと言うよりも、祝福のように軽い触れ方で)さあ、アリス。──私は貴女を歓迎するわ。

>ロメオ

……残念だろ。俺の名前もきっと男前な俺にピッタリのクールな響きをしてるはずだぜ。(国で起きていること、名前の重み、そして記憶が大した当てにならないという事実、それらを受け止めた彼がまず真っ先に何に興味を持つのかと抱いたのは間違いなく興味本位のこと。耳の先が音を拾うように彼のほうへ向いてしまうのも本能的な動き、そんな耳が拾ったのは独り言のように伝えられた彼の言葉。それが国についてのあれそれではなくて、隣に並ぶ自分自身についての内容だったから虚を突かれたと言うように瞬きを。それからむずむずとするような嬉しさと、それを覆い隠してしまう嬉しさにハハッと吹き出すように笑いだして伝えるのは軽口のように冗談めかした声色で片眼を細めながらの照れ隠しで。元居た暮らしに戻りたいと願うことが一つの道、もう一つはこの国に残るということを選ぶ道、その中で彼をかすめ取ってしまうのは猫の戯れだから仕方がないこと。そうして差し出したはずの二択は彼に上手いこと煙に巻かれてしまったらしい。彼の名前を教えられた上で、メリーの元に残るというのが彼の選択肢なら“そっかあ”と口をあんぐりと開けるような相槌を落としてから「じゃあメリーに言っておいて。猫は規則に縛られない、うかうかしてたら獲物は取られるぞ。って」不思議な縁でできた友人という響きはそれほどに心に残ったらしい。乱れた髪はそのまま戻さず、ふ。と自然に微笑めば彼が知りたいと思った名前の意味もなんだか分かるような気がした)あんただけの、名前。……ロメオ、か。確かによく似合ってる


277: 芋虫、大工 [×]
2025-11-13 19:46:46



>有咲

お礼には及ばないさ、これはアリスが時間を使って働いてくれたことへの報酬だからね。礼を言うのは俺のほう、助かったよ。ありがとう(報酬となる金額を決めるのは正しく今彼女へ開いた本だ。その仕事ぶりに応じて報酬が落ちてくるそれは彼女の仕事が国に認められたという照明で、ニコニコと笑みを浮かべながら弾む声で感謝を伝えてくれる彼女へ返事をして。赤みを帯びた金色のコインは中央にティアラと薔薇が刻まれており、見る角度によっては薔薇がより咲くように輝きを増している。つぶやきの中にあった物は彼女が欲しいものなのだろう、それから問いかけのように向いた言葉に自らの顎へそっと指の背を添えてから「買う場所による、と言うのが答えだね。公園にある出店の中で選ぶならこの額があれば大抵のものは買うことができるし、飲食だって数日は困ることなく腹いっぱい楽しめるとも。……だが、メリーの雑貨屋や三月ウサギに作品の依頼だったり、悪魔のカジノに行くつもりならもう少し貯めてからのほうが楽しめるよ」金貨が10枚、それは報酬の中でも大きい方だと言える。何か欲しいものがあるなら大抵が手に入るし、選び放題だと言っても過言じゃない。少しだけ頭を傾けて)花瓶なら部屋中が花だらけになるくらい買えるとも

>陸

はぁ?泳げんのに海賊船について来たんか?あんたアホやなぁ~。……まあ、そういう無茶するやつ、俺は嫌いちゃうで(誰かの記憶に自分が残るというのは悪い気がしなかった。だから忘れようとしても無理だと話す彼の言葉にはクっと短く喉を鳴らすような笑いだけで返し。自慢の我が家を前に彼がどんな反応をするのだろうかと横目に向けた視線がとらえたのは怖がるわけじゃないその表情、そして何よりも“泳げない”という彼の発言が信じられないという様子で耳に残った。豪快に声を上げて笑えば“ほな行くで”と声をかけてから我が家である船へと向かい。まるで生きた物の中を歩いているかのような長い廊下を慣れたように歩く。そうして向かうのは応接間、そこにいるだろう男へ取り次ぐ前に彼へ振り返って「俺は別口の用事があるさかい、後はさっき話したタスクに頼んどくわ。なーに、心配いらん。アドバイスするなら不安は面に出すなっちゅうのと、笑ときっちゅうことやな。……お疲れさん、城寄ったらな、アリス拾うてもうてん。うちのにするから可愛がったってな?陸っちゅうから、色々教えたって」応接間、定位置のようなソファの上に座る男へ緩く伝えればひらりと手を揺らして。離れる前に彼へ顔を向ければ)荷物、助かったわ。おーきに。ほなね、またあとで。

(/お世話になっております…!有咲ちゃんも陸くんもとても可愛らしくてお返事を考えるのが毎回とても楽しませていただいております…!大工の方がキリ良さそうでしたのでこのまま交流相手がタスクへの変更でも大丈夫ですし、海賊船を居住にした別日ということでほかの誰かとの交流でも大丈夫でした!どちらが宜しかったでしょうか。)


278: タスク [×]
2025-11-13 20:18:33



>オルカード

……俺がそれに付き合うかどうかは別として、アリスはそない確認なんか取らんでええんよ。この国の全部がアリスのもんなんやから、好きにしたらええ。(目の前の彼は根っこから賢い子なのだということが伝わる。此方の反応を見逃すことなく汲み取りながら、それでも自分の要望をちらりと覗かせるのはあまりにも健気だった。不安を浮かべるようにか細い声が伺うように伝えるその間に、たっぷりと沈黙を置いてから答えを送る。アリスは行きたい場所に自由に遊びに出向くものだから、彼のように態々伺いを立てて許可を得るなんてことしないのだ。それを十分知っているから「せやから、“たまに”やったら来てもええんちゃう?」不安を表に出した彼にクッと喉を鳴らすような笑い声を上げてから首を伸ばすように少しだけ傾けて口にして)


279: ユリーシャ・ゼレンカ、ロメオ [×]
2025-11-13 20:49:32



>赤の女王様

(額に触れた唇の感触は、まるで光そのものが肌に触れたようだった。痛みでも、くすぐったさでもなく、ただただ温かくて、おでこを通して自分の体の芯へ、まさに胸の奥へ静かに染み渡っていくみたいで、それ以外の一切の情報を遮断して万感の思いでそれを受け取りたくて、知らない間に目を閉じてその祝福を全身で受け止めて。特別な居場所だけでなく、一生をかけて挑む使命までをも与えてもらえて、独特の暗さを持つ瞳に再びふんわりと光が灯る。それは、さっきまでの涙を堪える潤んだ光ではなく、これから自分が歩いていく道を照らすような確かな光だった。「――女王様、だいすき」何の遠慮も躊躇いもない、単純で純粋な敬愛。今まで誰にも抱いたことのない、強く燃え上がることはなくとも絶対に絶えることの無い、胸にそんな穏やかな火を抱いたことを端的な言葉で伝えて、くんと背筋を伸ばすようにして女王様の耳に口を寄せ「ユリね、女王様のアリスになりたい」まるで無垢な夢を語るように密やかに。そっと身を引いて、でも身体はくっつけたまま女王様を見上げる顔には内緒話を共有するわくわくが浮かび「でもダムには秘密なの。だって、ダムは薔薇よりもユリの気を引きたいから」少しだけ得意げな甘えを混ぜた笑みは、ダムはユリのことすきなんだよと自慢しているよう。アリスであれば甘やかしてもらえるという法則を知らないまま、もらった言葉だけを数えて幸せそうに笑って)




>チェシャ猫様

じゃあ俺はチェシャに言っておく。追われる獲物は俺だけとは限らない、ってな
(余裕たっぷりといった風の勝気な笑みには、彼に対する確かな信頼と親しみも宿っていた。今はまだぼんやりとしたままの関係性の境界線をなぞるように少し目を細める、それは挑発のようでも、遊びの始まりの合図のようでもあった。チェシャ猫の“自由さ”に対して、自分もまた羊には“縛りきれない存在”であることを示すように、怖いもの知らずの調子で彼の名前に話題の矢印を向け「きっと一度聞いたら〝ああ、これだった〟ってすぐに思い出すさ。待ってろ、俺が探してくるから」これは彼の為の決意ではなく、純然なエゴであり欲。この国で、いやこれまでの人生で初めて見つけた、自分が心からやりたい事。どんな方法で、いやそもそもそんなことが可能なのか、客観的に見て無謀と思えるそれを臆面もなく宣言し、間髪入れずにまた言葉を続ける。「俺は諦めのいい男だが、それは大抵の事がどうでもよかったからだ。でもこれだけは諦めないぜ、俺の記憶がきっちり機能する内はな。だからチェシャ猫、これから俺にその顔何度も見せに来て、忘れられなくしてくれよ」自分にとって諦めるとは、傷つかないための術だった。何かに期待することも、望むことも、心のどこかでそれに焦がれながらも長らく無駄だとあしらっていた、それは、失った弟、灰に帰した優しい居場所、何も手元に残らなかった優しい思い出、喪失の積み重ねが生んだ防衛本能。でも今は、もう一度刻み付けてみたいと心の底から願っていた。誰かを記憶に残したいと願う初めての感情の発露を、諦めることに慣れた男が諦めたくないものに出会ったことを潔く認めるように、過去に囚われながらも未来に手を伸ばすように勢いよく立ち上がって、きらきらと森に差し込む光を背負うように振り返って)名前が見つかったら、二人でこの森でカフェでもやろうぜ。店名はチェシャ・アンド・ロメオ。もちろんチェシャには君の本当の名前を入れてさ



280: 赤の女王、チェシャ猫 [×]
2025-11-13 23:18:28



>ユリーシャ

(彼女の言葉が胸に届いた瞬間、胸の奥で何かが柔らかくほどけていくのを感じる。「だいすき」──その響きはまるで蜂蜜を垂らした紅茶のように、あたたかく心を満たしていく。彼女の瞳に灯った新しい光があまりにも美しくて、知らず微笑みがこぼれた。「……まあ。そんなふうに言われたら、断れないわね」小さく笑いながら、彼女の頬を人差し指でなぞる。桃色の瞳がゆるやかに細まり「私のアリスになりたいのなら、どうか覚えていて。この国には貴女を惑わすものが沢山あるの、……選択を誤らないで。」そう囁いてから、ほんの少しだけ彼女の額に自分の額を重ねる。ふたりの髪が混ざり、桃金のティアラが淡く揺れる。それから笑みを深めて再度背を伸ばすように姿勢を正して「でも、そろそろ……ダムに返してあげなければね。あの子、きっと扉の外でじっと立って待っているわ」その声は冗談めいていながらも、どこか慈しみに満ちていた。目線を落として、彼女の髪を整えながら続けて「ねえ、ダムに伝えてちょうだい。“あなたの大切を、ちゃんと見守っている”って。──さあ、お行きなさい。貴女の場所へ。……けれどまた来てね、私の紅茶は、貴女とおしゃべりするために、少し甘めに淹れておくわ」微笑みとともに放たれた声は、まるで春の風のように穏やかで。その瞬間、玉座の間に柔らかな薔薇の香りが満ちる、まるで女王の“愛”そのものが、彼女の背をそっと送り出すようで)



>ロメオ

(勝気な笑みが伝える発言は思わず笑ってしまうほどいっそ清々しい気持ちになった。寧ろそれが楽しいとでも言うように“にぃんまり”と笑みを深く浮かべて、それから既に放棄した名前について自分以上に躍起になって探し出すと決意表明をするその姿には瞳を丸くして驚いた。言ってしまえば、チェシャ猫という存在が自分だから、それを受け入れて、元の自分という存在については然して気にも留めていなかったのだから。諦めのいい男だと自己分析する彼が諦めないと話すのをパチクリと瞬きをすることで戸惑いを隠そうともせずちゃんと聞き入って。それから勢い良く立ち上がった彼が明るい未来を語るように、眩しい未来を誘いかけてくるとなれば愈々お手上げで。あは、と切れの悪い笑い声を零したかと思えばアハハッと今度は豪快に笑い声を上げて「それって、凄い愛じゃん。……俺も同じ夢を見たくなったかも。」まさか、チェシャ猫になる前の名前を求めて、更には森でカフェを開くだなんて。それは寝ていても見ることがない夢だ。両方の目をつむるように顔いっぱいに笑みを見せてはコクリと頭を振って「早く俺を働かせてくれよ」無邪気な笑みは短い間、すぐに元々のにんまりとした表情に戻りながら彼には敵わないというのを表現するように両手を胸元で掲げて。ん、と頭を傾ければせっかく得た親友のために問いかけて、それから彼に続くように体を起こせば“俺んちこっち”と案内をするようにするりと先を歩き始めて)あとは?聞いときたいこととか何もない?自分で言いたかないけど、俺はこの国じゃまだ話の分かる男だから。気になることは聞いといた方がいいよ


(/お世話になっております!可愛らしいユリーシャちゃんと女王の謁見をありがとうございました!この続きを待っていたダムでのお迎え、またはダムが目を離した隙を狙って入れ替わったディーでのお迎えでも大丈夫です。もしくは赤の城を居住と決めた別日からのスタートでも大丈夫です!気になるのが有りましたらお伝え頂けると嬉しいです。)



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