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愛の報いは愛(〆)/46


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自分のトピックを作る
21: 常葉 悠 [×]
2025-09-11 19:24:34

ふふ……ははははっ! ああ、いや、失礼。そんなにお喜びになるとは思いませんでした。ふふふ……。

(青年が投擲したダーツは9のシングルに当たった。初めてで、しかも先程まで当たる気配のないダーツをしていたにもかかわらず、一度教えただけでボードに刺さった。きっとこの青年は飲み込みが速いのだろうと感心する。投げ方も悪くなかった。きっともっと練習すれば良いプレーヤーになるだろう。しかし同時に少し不安もある。誰もが初心者のうちは、ブルを狙いたくなるものだ。自分自身もそうだったが、とりあえずブルに刺さるか否かで一喜一憂するものだ。だからこの青年もきっと結果に満足しないだろうと思っていた。ところが、当たった途端こちらを振り向き、満面の笑みで喜んでいるではないか。その様があまりに純粋で、あまりに眩しくて、思わず声を上げて笑ってしまった。すぐに口元に手を当てて弁解するも、やはり口角が上がってしまう)

ダーツ、お好きなんですか?

(一頻り笑うと、彼のテーブルにブランデー片手に近づく。当初はさっさとやり方を教えて、ゲームに戻ろうと思っていたが、青年の様子を見て気が変わってしまった。普段なら他人に話しかけるなど滅多にしないが、この珍しい状況に、自分の中の好奇心が反応した。日々窮屈で胃の痛い経験ばかりをしている自分にとって、この青年との会話は、久しぶりに満足感を得られるものになるかもしれない。久しぶりに他人とコミュニケーションを取ることを楽しいと思えるかもしれない。そんな期待を胸に、ブランデーを飲みながら彼の返答を待つ)

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承知しました! こちらも迷うことがあったら、すぐにご相談させていただきます。

22: 宮村 湊 [×]
2025-09-11 20:47:27

あ、…ずっと興味はあったんですけど、プレイするのは今日が初めてで。でも、すっごく楽しいですね、これ!

(二手三手先を読むのは半ば職業病のようなものかもしれない。自分の言葉に対して返ってくるであろう反応をシュミレートして、そこから派生させていく会話を幾つか考えていたその思考は、予想の範囲外の朗らかな笑い声によって掻き消された。報告書にあった常葉悠の人物像には、ビジネスにおいては冷静沈着、無表情で感情を読ませない、と記載されていた。だからこそプライベートもさほど差はないだろうと推測していたのだが今目の前にいるのは、酒に酔ったせいなのか、それとも素の姿なのか──頬を緩ませ声を上げて笑う男だった。その自然な笑みに、不覚にも驚きを覚える。ほんの一瞬だけ素で反応してしまった自分を内心で戒め、すぐに表情を整える。あくまで初心者らしく、何も知らない青年を演じるのが自分の役目だ。だが同時に、相手がこちらに歩み寄ってきている今は紛れもなく好機だと直感していた。ダーツを握った手を胸の前でくるくると回しながら言葉を重ねる)

お兄さんみたいな親切な人に教えて貰えて良かったなあ。今日ひとりでプレイしてたら、ずっと間違ったフォームで当たらないままでしょげてたかも。

(そう言って肩をすくめ、少し照れくさそうに笑う。その笑顔は、純粋に喜びを分かち合いたいと願う初心者そのものに見える。だが内心では、相手の仕草や言葉の端々を逃さず観察しながら、その"人間らしい揺らぎ"を刻み込んでいた)

23: 常葉 悠 [×]
2025-09-11 23:15:30

(青年からは初々しさと真っ直ぐさを感じた。"楽しい"と笑顔を見せる彼を見ていると、何やら自分も嬉しくなるような感覚がする。そこで思い当たった。これが人徳というやつなのかと。きっと彼は他人を巻き込んで、自分と同じ雰囲気にすることのできる人物なのだ。こういう人間は社内にも何人かいるが、やはり何をやらせても一定の成果を挙げる。特別な能力がなくても、本人の協調性がそうさせるのだ)

ダーツは遊びですよ。遊びは正しいとか、間違っているとかではなく、自分が楽しいかどうかが重要ですよ。貴方なら、当たらなくても楽しそうに投げていたんじゃないですか。

(ブランデーを傾けながら、諭すように言う。激務で負った傷を癒すため、ダーツを始めとして様々な趣味に興じるようになった。仕事は完璧にこなさなければならないが、趣味は違う。いくら失敗しても億単位の損害が発生する訳では無い。大勢が路頭に迷うこともない。社長職に就いてから、不安や緊張を和らげるための趣味だった。自分は現実逃避としてダーツをしているが、彼は違う。純粋な興味からだ。それがどこか羨ましくて、切れ長の目を細める)

24: 宮村 湊 [×]
2025-09-11 23:44:08

あはは、確かに!でも、当たったらもっと楽しいですよ。

(相手の言葉を肯定するように頷きながら、邪気のない笑顔を浮かべる。自然体のように見せかけながら、目の前の彼がブランデーを呷るのに合わせて、テーブルに置いておいたモスコミュールへと手を伸ばした。氷がグラスに当たる小気味よい音がカランと響き、ライムの爽やかな香りが鼻先をくすぐる。炭酸の刺激が舌に触れ、甘味と辛味が後味に残る。度数の弱いカクテル一杯で酔うことは決してない。だがここで、たとえばウォッカのストレートを頼んでしまえば印象は変わってしまうだろう。あくまで"普通の青年"を演じるためには、軽めで飲みやすい酒を選んでおく方が無難だ。そんな計算を胸の内で巡らせながらも、外に出すのは純朴な笑顔だけだった)

俺、今日ここに来て良かったなぁ。ダーツバーってどんなところか分からないから入るまではちょっと緊張してたんですけど、お兄さんが隣で良かったです。

(視線を伏せてグラスを傾けながら、軽口のように言葉を零す。氷が唇に触れ、また小さく音を立てる。伏せた瞳を上げるそのタイミング、時間すらも計算ずくで、そっとグラスから唇を離すと瞳を細め、口元に柔らかい弧を描いた)

25: 常葉 悠 [×]
2025-09-12 00:46:32

……ん? あ、ああ、私もまさか、こういう所で貴方のような方に出会えるとは思いませんでしたよ。ここは些か華やかさに欠ける店ですから。

(モスコミュールを口にする彼を見て、初めて気付いたがずいぶんと顔の造りが良い。美青年というのは彼のような人物を言うのだろう。丸みを帯びた瞳が可愛らしく、魅力的に感じる。そうして彼の顔を観察していると、彼が微笑んだ。そして、一種の衝撃を受けた。口元に弧を描いている彼の顔が、とても魅力的だと思ったからだ。先程までも何度かそういう顔をしていただろうが、あまりよく見ていなかった。だから一瞬、時間が止まったかのように、見つめてしまった。それを自覚すると慌ててグラスに視線を落として、何事もなかったかのように会話を続ける。初対面の人間に、何を考えている。そう心の中で自分を咎める)

先程から私を"お兄さん"と呼んでいますが、私、実は34歳でしてね。もう"お兄さん"と呼べるほど若くありません。貴方は、私よりずっと若く見えますが、学生さんですか?

(気分を換えるように相手の年齢を探ってみる。ついでに"お兄さん"という呼び方をやめさせようとしてみる。20代まではなんとも思わなかったが、さすがに30を過ぎ、40歳が視野に入る年齢になってくると、むず痒い感覚を覚える。自分よりずっと若そうな彼に言われているのだから尚更だ。見た目といい、酒のチョイスといい、まだ20歳になりたての大学生だろうか。そんな予想をしながら、彼の返事を待つ)

26: 宮村 湊 [×]
2025-09-12 08:15:43

えっ、全然見えなかったです!失礼だったかも……ごめんなさい!

(目を丸くして大げさに驚いたように声を上げる。ほんの少し身を乗り出して覗き込むようにして、相手の反応を伺う。もちろん、彼の年齢は既に報告書で知っていたわけだが、資料に添えられていた仕事中の写真よりは実際若く見える。落ち着いた雰囲気は確かに歳上のそれだったが、気を抜いているからだろうか。鋭い凍てつくような瞳を持っていた写真の中の彼より眼前にいる彼の瞳は柔らかく、人間らしい温度がある。)

あ、俺、今年で24です。一応社会人ですけど、学生っぽく見えます?

(冗談めかして笑い、氷の入ったグラスを軽く揺らす。カランと鳴る澄んだ音が場を和ませるように響く。モスコミュールの残りを口に含みながら、さりげなく首を傾げてみせた。年齢を聞かれても、答える準備はできていた。職業もすべて“仕込み済み”の情報。いたずらっぽく微笑みながら肩をすくめつつ、返す言葉の内に、ほんの少しの親密さを忍ばせる。相手が"むず痒さ"を覚えるなら、それは狙い通り。相手に「どう呼ぶか」を考えさせることで、自然と意識を自分へ向けさせるのだ。名前は距離を縮める鍵。人は他人に呼称を与えることで、無意識に結びつきを強めてしまう。グラスの水滴を指先でなぞりながら、無邪気な笑顔を崩さないままに次の言葉を待った)

でも………そしたらなんて呼ぼうかな。あ、俺は宮村湊って言います。好きに呼んでください!

27: 常葉 悠 [×]
2025-09-12 20:38:35

あ、24……? えっ、全然見えないが……ああ、これは失礼しました。あんまり元気なので大学生かと。

(目を丸くしている彼に苦笑いしていると、彼から社会人だと告げられ、今度はこちらが目を丸くしてしまった。端正な顔立ちと爽やかな言動のおかげだろうか。呆気に取られそうになるが、速やかに謝っておく。社会人ということは、どこかの会社に勤めているのだろう。彼のことはまだよく知らないが、ここでの言動と仕事中の言動が一致しているのなら、彼を雇用した会社には目利きの社員がいるのだろう。もし自社に彼のような人材が増えれば、自分のせいで会社に蔓延している空気も解消されるだろうか──そこまで考えて首を小さく振る。仕事のことを考えるなと自分に言い聞かせ、ブランデーを飲み干した)

宮村湊くん。いいお名前ですね。……では私も自己紹介を。常葉悠と申します。よろしく。

(宮村湊。目の前の青年の名前を聞くと、とてもしっくり来た。"湊"は水や船が集まっている様子をいう。人の名前に用いられる場合は、大抵の場合"人との出会いに恵まれている"、"活気溢れている"という意味が込められている。名は体を表すとはよく言ったものだ。きっと彼の周りには多くの人がいるし、だからこそこんなにも活気ある若者が出来上がるのだろう。折角相手が名乗ってくれたのだから、こちらが名乗らないのも無礼だと思い、名刺を取り出そうとスーツの内ポケットに手を伸ばしかける。そして、急に不安になった。いつもの癖で名刺を渡そうとしたが、名刺を見た彼はどう思うだろうか。自分が社長だと分かったら、今までの人間達のように自分を見る目が変わらないだろうか。彼らのように自分に言い寄り、利益を求めようとするのではないだろうか。そんな不安がまとわりつき、内ポケットから手を離す。何事も無かったかのように、自己紹介をして握手を求める)

28: 宮村 湊 [×]
2025-09-12 21:44:36

あはは、よく言われるんで気にしないでください。もうちょっと落ち着き持った方がいいとは思ってるんですけど…。

(頬を指先で軽く掻きながら、照れくさそうに言葉をこぼす。その表情は無邪気で、演技の延長のはずなのに、不思議と自然さを帯びていた。実際、昔から年齢より若く見られることが多かった。童顔に近い顔立ちがそうさせるのか、二十代半ばになった今でも大学生に間違われることは珍しくない。決して名誉なことではないが、それを武器にできる場面は確かにある。標的に警戒心を抱かせず、親しみやすい印象を与えるには都合が良い。ちらりと視線を動かすと、彼がポケットに差し込んだ手をすぐに引き戻した瞬間を捉えた。名刺を渡しかけて、やめたのだ。ほんのわずかな仕草。きっと彼は"社長"であることを自分に知られたくないのだろう。肩書きを出した途端、他人の態度が変わってしまう経験を何度も繰り返してきたのだろうか。今はただ、一人の人間として相手と向き合いたい──そんな孤独と渇きが滲んでいた)

常葉、悠さん。じゃあ、悠さんって呼んでも良いですか?

(小さく復唱するように呟き、差し出された手を迷いなく取る。しっかりと握手を交わしながら、口元には人懐っこい笑みを浮かべた。わずかに首を傾げ、探るように相手を見上げる。その声音は、純粋に距離を縮めたいと願う若者のものにしか聞こえない。だがその裏で確信は強まっていた。この人はきっと"寂しい"。だからこそ、初対面の自分にさえ心を向けてくれる。そこに付け入る余地がある。無邪気さの仮面の奥で、狩人のような思考が静かに動いていた)

29: 常葉 悠 [×]
2025-09-13 00:21:58

ええ、お好きなようにどうぞ。でしたら私は湊くんとお呼びしましょうか。

(彼と握手をすると手の柔らかさだったり、温かさを感じられた。普段、腱鞘炎になるくらいに様々な人間と握手をしているが、どの手も冷たく温度を感じることはできなかった。所詮仕事上だけでの繋がりだ。人間味よりも数字やデータが優先される。だから温度や柔らかさを感じることができない。それにトップに立つ者の世界にいると、常に魑魅魍魎の噂を聞く。その代表例がハニートラップだ。彼ら彼女らはライバル会社から依頼を受け、その会社のトップや社内で権力を持っている者に近付き、篭絡し、会社の機密情報を盗み出したり、その人物を排除したりする。時には会社の存続をも脅かす。そういうのが身近な世界にいると、自分が人間の世界に生きていないのではないかと錯覚することがある。だがそれが今でははっきりと感じることのできる。張り詰めていた緊張の糸が緩み、自分は現実を生きていると認識できた。それが嬉しくて、彼の笑みにつられて、こちらも笑みを浮かべる)

湊君はダーツは初めてと言いましたね。しかし一度教えただけなのに、結構キレイなフォームで投げていました。とても飲み込みが早い。もっと練習したらいいプレーヤーになると思いますよ。

(酔いが回ったか、それとも日頃の孤独のせいか、先程彼のプレーを見て思ったことをそのまま本人に伝える。普段からあまり思ったことを言うタチではない。仕事中はもちろん、プライベートでも照れてしまうので、自分の本音はポジティブなものであってもあまり言わない。それがどうしたことか彼の前だと何ら恥じることなく言える。まだ出会って数分の間柄だというのに。自分はそこまで社交的な人間ではなかったはずなのに。彼の人徳がそうさせるのだろうか。それとも自分が変わろうとしているのか。そうだ。自分は変わるべきなのかもしれない。能面のような無表情を貫くのではなく、彼といる時のように本音を自然と言えるようになるべきなのかもしれない)

30: 宮村 湊 [×]
2025-09-13 00:57:23

え、本当ですか!?嬉しいなあ……俺、運動神経とか無い方なんで、褒めて貰えるとは思ってもいませんでした!

(顔をぱっと明るくし、子供みたいに笑ってみせる。わざと大げさに喜んでみせることで、相手に"自分の言葉で喜ばせた"という感覚を刻み込む。そうやって少しずつ心の距離を近づけるのが常套手段だった。実際、先程から会話を交わす彼の表情は柔らかく、徐々に気を許しかけているのが伝わってくる。大体、名前は重要な個人情報だ。社長という肩書きのある人間なら余計だろう。自分が仮に本当に彼を知らないとして、彼の名前で検索をかければ一発でアウトだ。だが、それを押してでも自分の名乗りに対して名前を応えたのは彼の生真面目さ故か、酒のせいか、それとも。)

じゃあ……もっと練習して上手くなったら、また悠さんに見て貰えますか?……なんて、お邪魔じゃなかったらで大丈夫なんですけど。

(今度は少し控えめに、遠慮がちな声音で言葉を落とす。断りにくい雰囲気を作りながら、決して押しつけがましくはしない。引きすぎても駄目、押しすぎても駄目。その匙加減こそがハニートラップの肝だ。一度でも対象に疑念を抱かせてしまえば、それだけで立ち回りは格段に難しくなる。大切なのはあくまで自然に距離を詰めていくこと。人の信頼を得て、庇護欲を掻きたて、懐深くまで潜り込む──それこそが自分のいつもの手段。 今もまた、無邪気な笑顔の裏で冷静にその計算を続けていた)

31: 常葉 悠 [×]
2025-09-13 22:15:19

私なんかのアドバイスで良ければいつでも。ああ、しかし最近は仕事が多忙ですので、いつもここに来れる訳ではありませんが。

(まるで子供のように無邪気な笑顔を見せる彼に、"喜んでくれて良かった"という安堵と嬉しさを感じていると、不意に彼が遠慮がちに言葉を落とした。どんなことを言うのか一瞬身構えたが、すぐになんてことの無い頼みだと分かり、これまた安堵する。尤も、彼に伝えた通り最近は仕事が多忙で、今日この店に来たのも一ヶ月ぶりだ。会社は今、過渡期にある。先代が急死し、自分に代替わりしたがそもそも自分は社内で重要なポストを任されていた訳でもない。社長職になる以前は古今東西の名産を調達するバイヤーとして働いていた。つまり一介の社員に過ぎなかった。それがいきなり社長に担がれたせいで、経営陣の中には自分を快く思わない人間も少なからずいる。社内基盤を早急に安定させる必要がある。この機に乗じて、競合の企業が何らかの工作を企てているという未確定情報もある。ダーツに興じている暇はないかもしれない)

……しかし、湊くんと一戦交えたいとも思っています。なので毎月1回、ここでダーツの対決をしませんか?

(社内基盤を安定させるためにも一層仕事に力を入れなければと思う一方で、折角できた縁を大切にしたいという思いもあった。特にこの青年とは良き友達になれそうな気がした。やれ社内政治だの、やれ派閥だの、そういった世界に浸り続けているのも精神衛生上良くない。月に一回程度、この青年とたった数時間ダーツを楽しむくらいの暇は確保して然るべきだろう。普段汚い世界にいるのだから、ほんの少しの間だけは、この純朴な青年との時間を楽しみたい。広大な砂漠の中で小さなオアシスを見つけたような気分だった)

32: 宮村 湊 [×]
2025-09-13 23:33:42

えっ、本当に良いんですか?やった!忙しいのに、ありがとうございます!

(控えめに遠慮していた表情を一瞬で切り替え、ぱっと顔を輝かせる。様子を窺うように下げていた眉が跳ね上がり、子供のような無邪気さを宿した笑みに変わる。この場で相手が求めているのは、気遣いや遠慮ではなく、純粋な喜びの表現だ。だからこそ、大げさなくらいに喜んでみせるのがこの場面では正解だろう。毎月会う口実を自分からではなく、相手の方から差し出してくれる──これ以上の好条件はない。標的の方から繋がりを求める形になれば、こちらは自然とその関係を受け入れるだけでいい。疑念を抱かれることなく、接触の頻度を高めることができるのだ。任務の効率を考えれば、これ以上に理想的な展開はない)

そうだ、これ……俺の連絡先です。これで会う日、決めませんか?

(ズボンのポケットからスマートフォンを取り出し、自然な流れを装ってQRコードを開く。定期的な接触の約束を取り付け、連絡先の交換まで進められれば、この夜だけで任務の土台はほぼ完成したと言えるだろう。戦果としては十分だ)

33: 常葉 悠 [×]
2025-09-13 23:55:59

ははは……そんなに喜んでいただけるとは、こちらも嬉しくなりますね。

(無邪気に喜ぶ彼を見ていると、まるで年下の弟ができたような気分になる。自分は一人っ子で育ったので、兄弟というものに密かな憧れを抱いていた。だが兄弟以上の、なにか別の感情を抱いている気もする。無論、兄弟とは何たるかを知らない自分の錯覚な気もするが、いずれにしても自分と彼はもっと別の関係になる──そんな予感がほんの一瞬だけした)

ええ、構いませんよ。ああ、これじゃない。少々待ってくださいね……では、これで。

(彼に促されるまま、こちらもスマートフォンをスーツの胸ポケットから取り出す。しかし、胸ポケットに入っているのは仕事用のものだということを思い出し、すぐに仕舞う。そして先程まで酒を飲んでいた席に戻り、レザーのアタッシュケースを開き、プライベート用のスマホを取り出す。彼の元まで戻ると、スマホをゆっくりと操作し彼が提示していたQRコードを読み込む。普段から使っていればもっと手際よく操作できるのだろうが、生憎と友達とは縁がない人生を送ってきたので、連絡先を交換するということが少ない。連絡先に彼を追加すると、満足そうに笑みを浮かべる)

34: 宮村 湊 [×]
2025-09-14 09:04:51

ありがとうございます!あ、じゃあ1回スタンプ送っておきますね。

(相手のスマートフォンに表示された自分の名前を確認して口元に笑みを引く。最初に取り出そうとしたのは恐らくビジネス用のスマートフォン。つまり、彼は公私をきちんと分ける人間だということだろう。そして、スマートフォンを操作するぎこちなさと登録作業に時間を要していた事実から類推するに、プライベートでの人付き合いは少なく、連絡先を交換する機会に恵まれていない。常に連絡に反応が出来る胸ポケットに入れられたのはビジネス用で、プライベートは手の届きにくい場所にしまい込まれている。それは、仕事を最優先に生きてきた証拠に他ならなかった。慣れた手つきで連絡先のリストを開き、彼の名前を探し、可愛らしい猫が手を振っているスタンプをひとつ送る)

1ヶ月後、また会う時までに腕磨いておきます!悠さんをびっくりさせられるように。

(悪戯っぽく笑って言葉を添え、スマートフォンをズボンのポケットにしまい込む。その仕草の裏で、冷静な計算を続けていた。報告書に記されていた通り、彼の会社は世襲制。若くして社長の座を得た栄誉の影で、同時に反感や嫉妬の視線を社内で浴びているはずだ。足元を掬おうとする者は必ずいる。そんな重圧と孤独を抱える人間は、脆い。だからこそ、ゆっくりと、じっくりと寄り添っていけば、やがて彼の内側深くに入り込める。その確信を悪戯めいた笑みの奥に静かに隠しながら、細めた瞳の奥で光らせていた)

35: 常葉 悠 [×]
2025-09-14 23:20:20

ええ、楽しみにしています。……ああ、もうこんな時間ですね。私はお先に失礼します。また一ヶ月後に。

(いたずらっぽく笑う彼を見て、一瞬だけドキッとした気がした。だがすぐに気のせいだと思い直す。日々のストレスから偶に胸のあたりが痛む時がある。先程まで彼との会話の片手間で仕事のことを考えていたせいだろう。ふと、身に付けていた腕時計に目を落とすと、既に日付を超えていた。本当はもっと彼と話していたかったが、仕事がそれを許さない。あと7時間後には起床して出社しなければならない。名残惜しい気持ちを押し殺して、彼に微笑んで一礼する。プライベート用のスマホをアタッシュケースに仕舞うと、会計を済ませて店を出る。店を出る直前、彼の方を振り向き、もう一度礼をして今度こそ退店する)

……宮村湊。ふふ……いい友達ができた。

(帰路の途中、折角できた友達の名を復唱する。友達。そんな概念を意識したのは何年ぶりだろうか。高校生の頃に友達なんて要らないと思い、大学時代でも友達といえるほどの関係を持つことはなく、表面的な付き合いしかしてこなかった。誰も彼もが自分の身分を羨み、コネクションを作ろうと取り入ろうとしてきた。媚びへつらい、自分の顔色を伺う様は滑稽だったし、気持ちのいいものではなかった。何より彼らが見ているのが自分ではなく、自分の背景にある権威や利益だということが透けて見えるのが辛かった。自分と言う存在が透明化されるのが苦痛だった。だから久しぶりに楽しいと思った。彼と話すことが嬉しいと感じた。久しぶりに自然に笑うことができた。来月を待ち遠しく思いながら、彼との短い会話を思い返しながら、捕まえたタクシーに乗り込み、自宅まで帰る)

36: 宮村 湊 [×]
2025-09-15 10:28:56

あ…、ありがとうございました!はい、1ヶ月後を楽しみにしてます!

(相手の視線の動きに釣られるようにその腕時計に目を遣ると、いつの間にか0時を回っていた。名残惜しそうな色を滲ませつつ別れの挨拶を返すと、律儀に一礼をして店を出て行く彼を見送った後、静かに息をひとつ吐く。初回の接触にしては上々だ。程よく距離を詰められたし、定期的に会う口実を作れた。これ以上この場に長居する意味も無いが、ここには今後も出入りすることになる。ならば自然さを装うことも重要だ。怪しまれないようゲームの最後まで黙々とプレイを続行する。細かいところから嘘は露見するものだ。入念に、念入りに、丁寧に重ねられた嘘は真実に限りなく近くなる。誰も見ていないかもしれない、でも、誰かが見ているかもしれない。相変わらず初心者らしくあらぬ方向へとダーツを飛ばしながら、ゲームの残りを消化しきると精算を済ませてようやく店を後にした。自室に戻り、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出す。表情から温度が消え、声色も別人のように冷ややかに変わる。明るい笑顔を被っていた青年はもういない。そこにいるのは冷徹な任務遂行者だった)

……もしもし、宮村です。任務は順調に進んでいます。標的の連絡先を入手、月に一度会う約束を取り付けました。以後も情報を収集し、随時報告します。

37: 常葉 悠 [×]
2025-09-15 17:47:55

(彼とダーツバーで出会って、一週間が過ぎた。相変わらず仕事は難航している。業績は堅調に推移しているが、社内政治が上手くいかない。今はまだ経営陣の中だけでゴタゴタが完結しているが、長引けばやがてどんどん下へ波及していくのは目に見えている。そうなれば業績も伸び悩み、下降していくだろう。先程までも役員会において努めて冷静に社内融和を訴えたが、誰の心にも刺さってはいなかった。社長室に戻り、椅子の背もたれに身体を預け、大きく息を吐く。暫くすると、あのダーツバーでの出来事が脳裏を過ぎる。あの日からもう一週間も経ったことが信じられない。つい昨日のことのように思い出せる。それ程までに自分にとっては印象的な出来事だったのだ。ふと、彼と連絡先を交換したことを思い出した。交換したはいいものの、自分から連絡したことは一度もない。何度かメッセージのやりとりをしたが、全て彼から来たものだ。そろそろ自分から、連絡するべきだろうかと思い、引出しを開けてプライベート用のスマホを取り出す)

……この日なら、大丈夫か

(自分のスケジュールを思い出しながら、丁度身体が空く日があることに気付く。彼とのトーク画面を開き、ダーツの誘いの連絡を入れてみる。時間は22:00くらいからだろうか。送信する直前、逡巡する。あの時は酔いも手伝って気さくにお互い話したが、次に会ったらリセットされてしまわないだろうか。お互いによそよそしい雰囲気にならないだろうか。自分はそういう性格だし、彼のこともまだ全て分かっている訳ではない。そんな迷いから一瞬、送信ボタンから指が離れそうになる。しかし社長室をノックする音に驚き、思わず送信してしまった。取り消そうと思ったが、扉の向こうから自分を呼ぶ声がする。なるようになれと心の中で叫び、焦った顔をすぐにいつもの無表情に変えてから、"どうぞ"と低い声で応対する。その後は仕事に集中しようとしたが、彼からの返信が気になって思うように仕事は進まなかった)

38: 宮村 湊 [×]
2025-09-15 18:37:20

(ダーツバーで初めて言葉を交わした日から一週間程度が経過したが、こちらから大きな働きかけをすることは未だ無かった。今は信用を重ねている段階であり、いきなり距離を詰めれば警戒されることは必至。たまに軽くダーツの相談を振る程度に留めておいたが、それも彼が多忙であることを踏まえてのことだった。言葉に真実味を持たせるため、自分でも数度バーに足を運んで練習を重ねていた。今は地道な足場固めの最中だ。次の約束の際には食事の話を自然に切り出せればいい。趣味から食事へ、そして日常へ、接触の場を広げられれば理想だ。そんなことを考えていた折、ポケットのスマートフォンが震えた。画面に表示されたのは、彼からのメッセージ。これまでは自分から会話を振っていたが、彼の方から来るのははじめてだ。すぐに既読をつけず時間を置いてからメッセージを開くと、そこに書いてあったのは次のダーツの誘い。無意識に口角が上がる。快諾の連絡とともに大袈裟に喜んでいる猫のスタンプをひとつ。彼の性格から考えれば、このメッセージも相当迷った上で送ったものだろう。こちらが喜んでいるということが伝われば、安心感を与えることができ、次に繋がりやすくなる。スマートフォンをしまい、情報を整理するため久しぶりに調査報告書を捲っていると、仕事中に撮影されたらしい写真に目が止まった。ダーツバーで見せたのとは全く違う、硬く強ばって誰にも気を許していない者の表情。一挙手一投足が命取りになる場所で生きている男のその表情は、どことなく素の自分に似ているような気がした)

……それでもまだ、あんな風に笑えるんだ。良いね、羨ましいよ。

(誰もいない部屋でぽつり、と独りごちる。自嘲めいた笑みを浮かべて調査報告書を閉じると、すぐに思考を切り替える。余計な感情は不要だ。次の約束をどう生かすか、それだけを考えて算段を立てていた)

39: 常葉 悠 [×]
2025-09-15 23:42:54

マティーニ、おかわり。

(約束当日、思ったよりも早く退社することができ、待ち合わせは22:00のはずだが、思ったよりも早く来てしまった。早速マティーニの二杯目に口をつける。それにしても、ここ最近は特に酷かったと溜息を零す。幹部社員の一人が自分の悪評を流していることが発覚した。また社員を使って自分の言動がパワハラではないかと週刊誌に訴えようとしていた。すんでのところで自分の部下が止めるのに成功したらしいが、こういう不穏分子はこれからも自分を追い落とそうとするだろう。役員会で解任動議を出すことも検討したが、それは最後の手段だ。説得を試みて失敗した時に速やかに出す手筈になっている。そういう動きが社内であったから、ここ最近はろくに寝れてもいないし、食事もまともに取っていない)

……そろそろかな

(ふと腕時計に目をやると約束の時間が迫っていた。マティーニを傾けながら呟く。仕事が上手くいっていないなら、趣味を全力で楽しむ。今までもそうやってきた。そして今日は相手もいる。これ以上ない喜びのはずなのに、胸騒ぎがするのは気のせいだろうか。不安や焦燥とは違った胸騒ぎがする。そしてそれは彼がそろそろ来るかもしれないと考えれば考えるほどに大きくなってくる)

40: 宮村 湊 [×]
2025-09-16 12:40:50

あ、悠さん、お久しぶりです!

(約束の22時より少し早くダーツバーの扉を押し開け、カシスソーダを片手に店内を見渡す。奥まった台に見覚えのある姿を見つけると、人懐っこい笑顔を浮かべて大きく手を振りながら近づいていった。真正面から久しぶりに見るその顔は、薄暗い照明の下でも疲労の色を隠しきれていない。目の下には薄くクマが浮かび、頬の張りも少し落ちているように見えた。仕事の重圧か、社内の軋轢か──理由を推測するのは容易だった。今までの標的の誰よりも疲弊しきっているようなその姿に、ほんの一瞬、憐れみのような感情が胸の奥に芽吹きかける。しかしすぐに蓋をして、計算通りの心配げな笑顔に塗り替えた。標的の疲弊は、自分にとって付け入る絶好の隙だ。部外者だからこそ口にできる、柔らかな言葉で心の奥へ踏み込む。誰にも吐けない弱音も、自分の前なら零せるかもしれない)

あれ……大丈夫ですか? 悠さん、少し疲れてるような……お仕事、お忙しいって言ってましたもんね。

(人間とは往々にして弱っている時の優しさに弱いものだ。それが、誰にも吐けない弱音ならば余計に。部外者である立場を存分に利用して、寄り添うような言葉を選び、緩く首を傾ける。カシスソーダのグラスを軽く揺らしながら、相手の反応を静かに待った)

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